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〈HAYDN 2032 第16集〉
~驚き~
ハイドン(1732-1809):
交響曲 第90番・第94番・第98番 [ジョヴァンニ・アントニーニ、イル・ジャルディーノ・アルモニコ、バーゼル室内管弦楽団]発売日:2024年11月01日
CD国内仕様 解説日本語訳付き価格:3,300円(税込、送料無料)
驚きの登場!
当シリーズ初の『ロンドン交響曲』と、ロッシーニ!「交響曲の父」ことハイドンの生誕300周年となる2032年までに、現存する彼の交響曲全107曲を全て、最新の知見をふまえた古楽器演奏で演奏・録音する「ハイドン2032」シリーズ。2014年からALPHAレーベルで進行中の録音プロジェクトも今や中盤ですが、初期と中期の知られざる充実作群の面白さを重点的に紹介してきた過去15作の後に登場する今回のリリースは「驚き」の副題通り、後期の最も有名な大編成作品群(通称『ロンドン交響曲』)を収録した1枚となりました。 副題の出自である第94番「驚愕」(緩徐楽章が静かに始まって間もなく、不意に総奏のフォルティシモが鳴り響く有名作)はもちろん、他の2曲も終楽章終盤まで気が抜けない思いがけぬ展開が潜んでおり、18世紀の演奏様式をふまえダイナミックかつ濃密な解釈を聴かせるアントニーニがここまで披露してきた若きハイドンの機知が、これら後期作でも同様に脈々と生きていたことを深く実感できる名演を存分に愉しめます。 今回はプロジェクトを共同で担ってきた2楽団の合同で(弦楽編成は8/8/5/5/3)コンサートマスターのバルネスキ他、ソリストとして活躍する古楽器奏者も多数参加。ブルージュの古楽コンクール優勝者のブッカレッラが、通奏低音ではなく第98番第4楽章のごく一部で聴かれるソロのみに参加するという贅沢さ。 アルバム末尾にロッシーニ初期作の序曲があるのもまた驚きですが、音楽学者モーリッツ=バウアーの解説(独・英・仏語/国内仕様盤は日本語全訳付き)を踏まえてこの流れの古楽器演奏で聴くことによって、イタリア歌劇の巨匠がいかにハイドンに多くを負っていたかも実感できることでしょう。収録作曲家:
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フォーレ(1845-1924):
レクイエム(1888年初演版)
ヴィレルヴィルの漁師たちのミサ
ラシーヌ讃歌他 [ティボー・レナールツ、ナミュール室内合唱団、ミレニアム・オーケストラ]発売日:2024年11月01日
CD国内仕様 日本語解説・歌詞対訳付き価格:3,520円(税込、送料無料)
ナミュール室内合唱団の美演で甦る、フォーレ「レクイエム」初演時の姿今年(2024年)歿後100年を迎えるフォーレ。その代表作の1つである「レクイエム」が1888年1月16日、パリのマドレーヌ寺院で初演された時の編成での録音が登場。 この作品は初演後すぐにトランペットとホルンを加えて改訂されたため、通常演奏される1888年版はその編成となっていますが、今回の録音はヴァイオリンを除く弦楽合奏とヴァイオリン独奏、ハープ、ティンパニ、オルガンによるものです(声楽は混声)。また曲には、後に加えられた「奉献唱」と「リベラ・メ」は含まれていません。ホルンの鳴らない「サンクトゥス」などは、むしろ新鮮に聴こえることでしょう。 フォーレがニデルメイエール音楽学校の卒業作品として作曲し1等賞を獲得した「ジャン・ラシーヌの讃歌」は、翌年に作成された弦楽五重奏を含む版(ここでは弦楽合奏)で収録しています。そのほか、当時まだ学生であったメサジェと共作した「ヴィレルヴィルの漁師たちのミサ」などラテン語とフランス語によるフォーレの合唱作品を、作曲当時の楽器と演奏様式に沿った解釈で注目を集めてきたミレニアム・オーケストラの器楽勢とナミュール室内合唱団による、作品に深く寄り添う美しい演奏で収録。それぞれの作品の珍しさを越えて、その素晴らしさを堪能することの出来るアルバムです。
収録作曲家:
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シューベルト(1797-1828):
交響曲 第5番・第8番「未完成」
ロンド [マキシム・エメリャニチェフ、スコットランド室内管弦楽団]発売日:2024年11月01日
CD国内仕様 日本語解説付き価格:3,300円(税込、送料無料)
エメリャニチェフ&SCOのシューベルト第2弾に「未完成」登場!今年(2024年)創立50周年を迎えたスコットランド室内管弦楽団と、その首席指揮者マキシム・エメリャニチェフによるシューベルト。世界中で高い評価を得た前作「グレート」に続き、「未完成」と第5番という2つの人気曲を収録したアルバムが登場します。 大きな反響を呼んだ読売日本交響楽団との共演による「グレート」(2024年9月5日)の記憶も新しいところ、印象的だったそのテンポと同様今回の2曲においても快速をキープ。しかしながら表情にごつごつとしたところが無くたいへん滑らかで、ドラマ性を必要以上に強調することも避け、シューベルトならではの歌が自然と浮かび上がるたいへん美しい演奏に仕上がっています。 最後に収められた「ロンド」は、交響曲第5番と同時期(1816年)に書かれた弦楽合奏とヴァイオリンのための作品で、SCOコンサートマスターのゴンリーが伸びやかな演奏を聴かせます。
収録作曲家:
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『ハンス・ファン・マーネンの夕べ』 [イゴーネ・デ・ヨング、ダニエル・カマルゴ、大久保沙耶 他]
発売日:2024年10月25日
Blu-ray国内仕様 日本語解説付き/日本語字幕付き価格:4,950円(税込、送料無料)
エラスムス賞やブノワ賞を受賞し、世界的な振付家として知られるオランダのハンス・ファン・マーネン(1932-)。彼の生誕85周年を記念して、2017年、オランダ国立バレエによる特別プログラム『ハンス・ファン・マーネンの夕べ』が仏モンペリエで上演されました。 「バレエ界のモンドリアン」と称されるマーネンは、クラシック・バレエとコンテンポラリー・ダンスの架け橋的な存在であり、半世紀に渡り男女(異性間、同性間)の微妙な関係性を中心に描くユニークな抽象バレエ作品を150点以上振り付けてきました。この記念公演では、オランダ国立バレエを代表するイゴーネ・デ・ヨングやダニエル・カマルゴらが卓越したパフォーマンスを披露。収録された3作品は、順番にマーネンが30歳代、40歳代、70歳代に手掛けたもの。これらは一貫してシンプルな構図と造形の振付でありながらも、時の流れの中で進化生成するマーネンの音楽とのインターアクティヴ性に富んだ舞踏の世界を俯瞰的に観ることができます。 さらに併録された、音楽とパフォーミング・アーツのドキュメンタリー制作の大家、ラーナー・モーリッツによるマーネン本人と芸術上の盟友たちとのインタビューで構成された『ムーヴィング・トゥー・ミュージック』は、マーネンの創造の秘密に肉薄するマーネンファンのみならずバレエ・ダンスファン必見のドキュメンタリー映像です。
収録作曲家:
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ドニゼッティ(1797-1848):
歌劇《大洪水》 [リッカルド・フリッツァ(指揮)/ダヴィデ・ザッケリーニ、サブリーナ・ガルデス 他、ドニゼッティ音楽祭]発売日:2024年10月25日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き/日本語解説付き価格:4,950円(税込、送料無料)
ドニゼッティ音楽祭より旧約聖書「ノアの方舟」を題材にしたオペラ
《大洪水》初演版の蘇演映像化!《大洪水》は、旧約聖書の「ノアの方舟」の物語に触発された後世の文学作品(バイロンの史劇『天と地』、トマス・ムーアの詩『天使の恋』など)を元に、ドメニコ・ジラルドーニが執筆した台本にドニゼッティが作曲した「聖悲劇」。作曲家にとって聖書を題材とした唯一のオペラとなりました。この作品は1830年にミラノで大成功を収めた《アンナ・ボレーナ》と同年に発表されたドニゼッティ中期の力作であるにもかかわらず、ナポリ初演は演奏の失敗により不評に終わり、1934年に作曲家自身による改訂版がジェノヴァで上演されたのを最後に、お蔵入りとなってしまいました。 ドニゼッティ・ルネサンスを目指して旺盛に舞台上演を行うベルガモのドニゼッティ音楽祭が2023年、この《大洪水》の真価を問うべくナポリ初演版を取り上げました。演出(舞台アートグループMASBEDO)は、ノアの方舟のエコロジー的な解釈(環境破壊による人間の生活基盤の喪失)に基づくビデオ映像を多用したユニークなもの。 演じるのは、ロッシーニの歌劇を中心に世界中で活躍するノア役のバス、ナウエル・ディ・ピエロ、セラ役の気品溢れるソプラノ、ジュリアーナ・ジャンファルドーニ、ベルカント・オペラの歌唱で高い評価を受けるカドモ役のテノール、エネア・スカーラらを中心とした充実した歌唱陣。そして、世界中の名だたる歌劇場でイタリアオペラを中心としたレパートリーで名声を博すとともに、ドニゼッティ音楽祭の音楽監督を務めるリッカルド・フリッツァが、機敏かつ優雅なタクトでドニゼッティの知られざるオペラに新たな命を吹き込んでいます。収録作曲家:
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英国ロイヤル・バレエ
バレエ『マノン』 [ナタリア・オシポワ、リース・クラーク 他 ケネス・マクミラン振付]発売日:2024年10月25日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き/日本語解説付き価格:5,500円(税込、送料無料)
英国ロイヤル・バレエ初演50周年 ―
オシポワ&クラークの熱演が光るマクミラン振付の『マノン』『ロミオとジュリエット』と並んでケネス・マクミラン振付の代表作として知られる『マノン』。コヴェント・ガーデンで初演された1974年から50周年となる2024年、ずば抜けた身体能力と圧倒的な演技力で現代的なマノン像を描くナタリア・オシポワと、彼女と組んで5年目、ますますそのパートナーシップに磨きがかかる期待のプリンシパル、リース・クラークが熱演。真実の愛と富、貧困の狭間で揺れ動く人間の深層心理を浮き彫りにするダイナミックな振付が魅力です。野性味溢れるマノンの兄レスコー役のアレクサンダー・キャンベル、妖艶なレスコーの愛人役のマヤラ・マグリ、好色なムッシューD.M.役のギャリー・エイヴィスなど、卓越した演技を見せる助演キャストも見逃せません。 レイトン・ルーカスらがマスネ作曲の楽曲をコラージュした音楽は、まるでこのバレエのために紡がれたかのよう。バレエ音楽演奏の名匠コーエン・ケッセルスの導くオーケストラが、躍動するリズムと甘美で哀愁に満ちた旋律を奏で、このマクミランの物語バレエを大いに盛り上げます。 -
ヴァイス(1687-1750):
リュート作品集 [エヴァンジェリーナ・マスカルディ]発売日:2024年10月18日
CD 2枚組国内仕様 日本語解説付き価格:5,720円(税込、送料無料)
名手マスカルディによるヴァイス、2枚組のヴォリュームで登場ブエノスアイレスに生まれ、エスペリオンXXI、アンサンブル415、イル・ジャルディーノ・アルモニコ、ゼフィーロなど錚々たる有名古楽器アンサンブルで通奏低音奏者としての信頼を得ているマスカルディ。ソリストとしてもARCANAレーベルを中心にバッハのリュート作品全集など意欲的なアルバムを発表、世界中のリュート・ファンから高い評価を得ている彼女が、リュート音楽の大家ヴァイスの作品を録音しました。 選ばれた作品は「ロジ伯爵の死を悼むトンボー」など有名な曲はごく一部で、それほど広く知られていないながらも特徴的な曲を積極的に収録、マスカルディならではの粒立ちのよい音と伸びやかな表現で、それぞれの作品の素晴らしさを堪能することができます。 原盤ブックレットには、バッハから近現代に至るギター音楽の録音や楽譜校訂が多数あるフレデリク・ジガンテによるヴァイスの生涯と作品の紹介、現代においてヴァイス作品を演奏する際の調弦による色彩感と楽譜に書かれていない即興の重要性などに関する考察を寄稿しており、国内仕様盤にはその邦訳を掲載します。
収録作曲家:
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ハイドン(1732-1809):
〈後期交響曲集 第4集〉
交響曲 第102番-第104番 [アダム・フィッシャー(指揮)、デンマーク室内管弦楽団]発売日:2024年10月11日
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,200円(税込)
アダム・フィッシャー、ハイドン後期交響曲の再録音第4集!ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームス、マーラーの全交響曲を録音した唯一の指揮者アダム・フィッシャーが、デンマーク室内管弦楽団の 首席指揮者就任25年を記念してスタートさせたハイドンの後期交響曲の再録音シリーズ、「ロンドン・セット」の完結編となる第4集の登場です。今回の演奏も近年の歴史的アプローチから得た経験や情報を参考にしつつも、フィッシャーがオペラやオーケストラの演奏で積み重ねてきた様々な表現の手法を駆使して迫力と遊び心を存分に備えた個性的なもので、ハイドンの作品が演奏者に許容する懐の深さも感じさせるものとなっています。 第102番は1795年、ロンドンの国王劇場で第1回オペラコンサートのプログラム第2部の最初の曲目として初演されました。第2楽章では独奏チェロが活躍します。第103番は、第1楽章の冒頭と終結部にティンパニの長い連打があることから「太鼓連打」と呼ばれる作品。ハイドンはこのティンパニに変ホのロールを指定していますが、指揮者によっては独自のリズムと音を加える場合があります。アダム・フィッシャーもオーストリア・ハンガリー・ハイドン管との旧録音では楽譜通りの演奏でしたが、今回は工夫を凝らしており、シリーズを通してティンパニに重要な役割を持たせるフィッシャーの面目躍如といった溌剌とした演奏です。第104番はハイドンが2度目の凱旋訪問中にロンドンで作曲した彼の最も壮大な交響曲。第2楽章の中間部の荒々しい表現が「疾風怒濤」の時代を彷彿とさせる、ハイドンの交響曲の集大成といえる堂々たる作品です。 ※国内仕様盤には音楽評論家、大津聡氏の解説が付属します。
収録作曲家:
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リース(1784-1838):
交響曲 第4番&第5番 [ヤンネ・ニソネン(指揮)、タピオラ・シンフォニエッタ]発売日:2024年10月04日
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,970円(税込)
ニソネン&タピオラ・シンフォニエッタによるリース第2弾、早くも登場!2020年代からにわかに注目を集める「ベートーヴェンの弟子」フェルディナント・リース。これまでハワード・グリフィス指揮チューリヒ室内管のcpo盤が唯一の交響曲全集でしたが、高性能室内オケとして知られるタピオラ・シンフォニエッタがONDINEレーベルで全曲録音を開始しました。2024年5月発売の第1番&第2番に続いて、早くも第2弾が登場。ニソネン盤は曲が内包する爆発的なエネルギーと色彩の面にフォーカスしており、非常にエキサイティングな演奏となっています。前作に続いて城代さや香(きのしろさやか)が第2ヴァイオリンをリードしています。 リース作品の番号付けは作曲順とは異なることが多く、ここに収録された第4番は1818年、第5番は1813年の作品で、後者は2番目の交響曲になります。当時リースは、ハイドンのロンドン交響曲をプロデュースしたヨハン・ペーター・ザロモンと出会ってロンドンに拠点を移しており、第5番はロンドン楽壇へのデビュー作。第1楽章は「運命動機」をはじめとしてベートーヴェンの第5交響曲を思わせるモチーフが頻出し、あたかもベートーヴェンの後継者であることを宣言しているかのよう。「運命動機」はその後も随所に顔を出します。第4番でも、あちこちでベートーヴェンの交響曲のモチーフがこだましているのを聞き取ることができるでしょう。それらがリース独自のモチーフと共に、彼の作品の特徴である大胆な転調やリズムの変化を多用した疾風怒濤風の表現に織り込まれているところが聞きどころです。 国内仕様盤には相場ひろ氏による日本語解説が付属します。
収録作曲家:
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非凡なる男
D.スカルラッティ(1685-1757):
鍵盤楽器のためのソナタ集 [フランチェスコ・コルティ]発売日:2024年10月04日
CD国内仕様 日本語解説付き価格:3,300円(税込、送料無料)
実力派チェンバロ奏者コルティによるスカルラッティ、待望の登場来日公演や古楽器アンサンブル「イル・ポモ・ドーロ」との共演でもお馴染みの、イタリア出身の俊英チェンバロ奏者フランチェスコ・コルティ。アムステルダムでアスペレンに師事しミンコフスキのルーヴル宮音楽隊などで活躍、現在はソリスト、指揮者としても活動するほか、バーゼル・スコラ・カントルムで教鞭も取る彼は、これまでARCANAレーベルから『バッハ家の音楽帳』、ヘンデル作品集、フレスコバルディ作品集といったソロ・アルバムをリリースしてきました。 そして今回ついに初期鍵盤作品の金字塔の一つ、スカルラッティのソナタ集から厳選の16曲をリリース。いずれも1752年から53年の作曲家円熟期に作曲されたと考えられる作品から、調性的に対になっている2曲を常に並べる構成で、その関連性を強く意識させられる内容となっています。それぞれの作品を性格的に描き分けるコルティの手腕は今回も見事で、関連性と共に強烈に印象付けられる各曲の個性は非常に面白く、1時間半近い収録時間で飽きさせることが全くありません。
収録作曲家:
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運命に選ばれて
フランス17、18世紀の女性作曲家たち [ソフィ・ド・バルドネーシュ、リュシル・ブーランジェ、ジュスタン・テイラー 他]発売日:2024年10月04日
CD国内仕様 解説日本語訳付き価格:3,300円(税込、送料無料)
男性優位の音楽史に覆い隠されていた才能が、次々とその真価をあらわにする作曲は圧倒的に男性の仕事だったかのように印象づけられてきた17~18世紀のフランスで、実は驚くほど多くの才能豊かな女性作曲家が活躍をみせていたことを瑞々しい演奏で立証するアルバムの登場です。 フランス新世代の名チェンバロ奏者ジュスタン・テイラーと共に、古楽器楽団ル・コンソートで創設メンバーの一人として共演してきたバロック・ヴァイオリン奏者ソフィ・ド・バルドネーシュを中心に、独奏から弦楽合奏まで変化に富んだ楽器の組み合わせを通じ、太陽王ルイ14世の頃からロココ文化華やぐルイ15世の時代にかけての名品群を絶妙なプログラムで紹介。王室の要人リュリ、マレ、クープラン、ド・ラランドら男性たちの影に追いやられ、後世から忘れられていた女性たちの作曲手腕がどれほど明敏だったか、その息吹の粋をよく捉えた演奏解釈でじっくり伝えてくれます。ソロ活動も目覚ましいヴィオラ・ダ・ガンバ奏者リュシル・ブーランジェの味わい深く流麗な低音も美しく、他の弦楽器奏者を交えてのオペラや声楽曲からの器楽部分抜粋もドラマティック。 ライナーノート(仏・英・独語/国内仕様盤は日本語訳付)にはバルドネーシュ自身のコメントに加えて的確な背景解説を収録。比較的有名なジャケ・ド・ラ・ゲルひとりで終わらない、女性の才覚に支えられていた昔日のフランスの真相に迫る好企画です。
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ブラームス(1833-1897):
ピアノ四重奏曲 第2番・第3番 [ラルス・フォークト、クリスティアン・テツラフ、ターニャ・テツラフ、バルバラ・ブントロック]発売日:2024年09月27日
CD 2枚組国内仕様 インタビュー全訳付き価格:4,400円(税込、送料無料)
ラルス・フォークトが、亡くなる半年前に録音していたブラームスのピアノ四重奏曲が登場。 フォークトが深く傾倒していた作曲家の一人がブラームス。彼とテツラフ兄妹たちはピアノ四重奏曲の全集録音を計画していました。彼らは2022年3月3日と4日にセッションで第2番を収録。4日の晩には第2番を演奏するコンサートが予定されていましたが、急遽第3番も加えて演奏しました。このディスクの第2番はセッションから、第3番はそのライヴから採られています。後者はいわゆる一発録りに限りなく近い状態と思われますが、クリスティアン・テツラフによればフォークトが発売を望んでいたとのことで、追悼盤としてリリースすることになりました。 ブックレット(英語・ドイツ語、各9ページ)には3人の奏者たちへのインタビューが掲載されており、その中でこの2曲をクリスティアンは「夏と冬」、ターニャは「光と影」に例え、ターニャは更に「ブラームスのことを、厳格な作曲家だから感情をあらわにしたり感傷的になったりしないと言う人もいますが、ラルスは先入観にとらわれることなく、ブラームスの音楽で踊ったり、笑ったり、泣いたり、ブチ切れたりしたし、私たちもまったく同じノリで音楽を奏でました」と回想しています。 尚、2022年6月に彼らはフォークトが主宰するハイムバッハの音楽祭で第3番を演奏していますが、クリスティアンによればそれは、フォークトの体調悪化の影響が表れてしまったのでCD化はしないとのことです。 ※国内仕様盤には原盤ブックレットのインタビュー全訳が付きます。
収録作曲家:
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ドニゼッティ(1797-1848):
歌劇《ランメルモールのリュシー》 [ドニゼッティ音楽祭/カテリーナ・サーラ、パトリック・カボンゴ 他、ピエール・デュムソー(指揮)、オーケストラ・リ・オリジナーリ]発売日:2024年09月27日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き/日本語解説付き価格:4,950円(税込、送料無料)
俊英ピエール・デュムソーのタクト、期待の新星ソプラノ、カテリーナ・サーラが歌う
《ランメルモールのリュシー》登場!ドニゼッティは、フランスの聴衆のために自身の傑作悲劇《ランメルモールのルチア》(1835年ナポリ初演)をフランス語台本による《ランメルモールのリュシー》(1839年パリ初演)として改作しました。この改作に当たって、作曲家はイタリア語の台本を単にフランス語に置き換えるのではなく、登場人物の何人かを入れ替えた上、台本の歌詞と音楽に少なからぬ変更を加えました。パリでの初演は好評を博し、オリジナルの《ランメルモールのルチア》に批判的だったベルリオーズも、この改作版を高く評価したことが知られています。 2021年のドニゼッティ音楽祭で《愛の妙薬》のアディーナ役を歌い、絶賛された新星ソプラノ、カテリーナ・サーラが題名役に挑戦。新人らしからぬ安定した技巧と伸びやかで豊かな美声が〈狂乱の場〉では圧倒的な演技歌唱となり、観る者を震撼させずにはおきません。また、ドニゼッティ音楽祭での本公演がイタリア・デビューとなったフランスの俊英ピエール・デュムソーが、19世紀のオペラをピリオド楽器で演奏する目的で創設されたオーケストラ・リ・オリジナーリと、ミラノ・スカラ座アカデミー合唱団を率い、ヤコポ・スピレイによる猟奇的でダークな舞台演出とあいまって、フランス語改作版《ランメルモールのリュシー》のドラマと音楽を陰影豊かに描き出しています。収録作曲家:
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ドニゼッティ(1797-1848):
歌劇《愛の妙薬》 [コヴェント・ガーデン王立歌劇場/ナディーン・シエラ、ブリン・ターフェル 他、セスト・クアトリーニ(指揮)、コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団]発売日:2024年09月27日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き/日本語解説付き価格:5,500円(税込、送料無料)
ナディーン・シエラ & セスト・クワトリーニ、
ペリー演出の《愛の妙薬》でコヴェント・ガーデン、ダブルデビュー!2007年にコヴェント・ガーデンでプレミエ上演されて以来、同歌劇場の人気レパートリーのひとつとなっているロラン・ペリーの演出によるドニゼッティの《愛の妙薬》に、今を時めく名花、ナディーン・シエラがアディーナ役として鮮烈なデビューを飾りました。さらに、欧米の歌劇場を中心に引く手あまたのアルメニア出身のリリック・テノール、リパリット・アヴェティシャンがアディーナに一途に思いを寄せる青年ネモリーノ役を好演。ドゥルカマーラ役を自家薬籠中のものとするブリン・ターフェルの味わい深い演技歌唱と共に、見どころ聴きどころが満載です。 1984年ローマ生まれ、2015/16年にメトロポリタン・オペラでファビオ・ルイージのアシスタントとして研鑽を積み、以降イタリア・オペラの指揮を中心に活躍する俊英セスト・クアトリーニが、本作でナディーン・シエラと一緒にコヴェント・ガーデンへダブルデビュー。その生気溢れるタクトによって、ドニゼッティの一番人気の喜劇オペラにフレッシュな息吹をもたらしています。収録作曲家:
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ジェズアルド(1566-1613):
マドリガーレ集 第4巻 [フィリップ・ヘレヴェッヘ、コレギウム・ヴォカーレ・ヘント]発売日:2024年09月20日
CD国内仕様 解説・歌詞日本語訳付き価格:3,520円(税込、送料無料)
ヘレヴェッヘがその重要性を見出した、異才ジェズアルドの過渡期を示す重要曲集イタリア南部ナポリ王国の貴族として生まれ、名家出身の妻の不貞現場を押さえ惨殺させた事件が有名な作曲家カルロ・ジェズアルド。彼は再婚相手の実家であるフェラーラで極度に洗練された宮廷文化に触れ、所領に戻った後は妻を遠ざけ孤独のうちに創作に没頭、フェラーラ宮廷の影響を色濃く感じさせる精緻な和音語法を駆使した異形の傑作を数多く残しました。 その作品の中では、人間不信から居城に印刷機を持ち込ませて目の前で刷らせたという晩年のマドリガーレ(重唱曲)集第5、6巻や宗教曲集が特に有名ですが、フェラーラからナポリ王国に戻って間もない1596年に刊行した4集のマドリガーレ集のうち最後の第4巻もまた、暗中模索の初期からジェズアルド特有の晩年の語法へと向かう作風発展が示された注目作揃い。 2017年、70歳の時インタビューに答え「残された時間は本当に意義あると思える音楽とだけ向き合う」と語ったヘレヴェッヘは今回、2021年のレコード・アカデミー賞音楽史部門を受賞した第5巻及び後続の第6巻と同じように、僅か数人の信頼できる歌手たちと一人のリュート奏者だけをメンバーにこの「第4巻」を演奏、隅々まで磨き抜かれた解釈の新名盤を世に送り出しました。 圧倒的なアンサンブルの一体感はもちろん、詩句のニュアンスに合わせ自在に伸縮する各歌手の歌声はどこまでも美しく、その交錯が紡ぎ出すポリフォニーの綾はジェズアルド特有の和声変化に振り回されることなく、きわめて説得力豊かに音の動きの企図を伝えてくれます。この曲集に親しむ意義を教えてくれる画期的な名演の登場です。
収録作曲家:
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リアル・ジョン・ブル
ジョン・ブル(1562/63-1628):
ヴァージナル作品集 [マチェイ・スクシェチュコフスキ]発売日:2024年09月06日
CD国内仕様 日本語解説付き価格:3,300円(税込、送料無料)
2023年ブルージュ国際古楽コンクールの覇者、
マチェイ・スクシェチュコフスキCDデビュー!2001年ポーランド生まれの若き俊英マチェイ・スクシェチュコフスキ。2023年のブルージュ国際コンクールで優勝を果たして世界中の注目を浴び、2024年3月から4月にかけては来日公演も既に成功させています。 RICERCARレーベルからリリースされる彼の初めてのアルバムは、英国の作曲家ジョン・ブルの作品集。使用されているのはイギリス式アクションのヴァージナルのほか、アントウェルペンのヨハネス・ルッカースによる母子ヴァージナル(Moeder & Kind Virginal)という珍しい楽器を再現したもの。この母子ヴァージナルとは鍵盤横からもう1つ小さなヴァージナルが出てくるというもので、この2つを別々に奏でるほか、重ねることで上下を連動させる演奏も可能という作りになっています。 英国で音楽家、楽器製作者として名を挙げたものの、道徳性に欠ける行動があだとなってネーデルラントへ出国、後半生をアントウェルペンで暮らしたと伝わるブルの作品を、2つの国の特徴的な楽器を用いて色鮮やかに描いたアルバムです。収録作曲家:
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ブルックナー(1824-1896):
交響曲 第9番 ニ短調 WAB 109 (原典版) [パーヴォ・ヤルヴィ、チューリヒ・トーンハレ管弦楽団]発売日:2024年08月23日
CD国内仕様 日本語解説付き価格:3,300円(税込、送料無料)
パーヴォ・ヤルヴィ、ブルックナー第九を15年ぶりに再録音パーヴォ・ヤルヴィとトーンハレ管によるブルックナー後期三大交響曲のラストを飾るのは、フランクフルト放送響との録音から15年ぶりとなる第9番。版は今回「原典版」としか表記されていませんが、旧録音で使用したコールス版ではなくノーヴァク版を基調としている模様です。旧録音と比較するとスケルツォを除いて両端楽章は大幅に速くなっており、第1楽章で約1分40秒、第3楽章に至っては約3分も演奏時間が短くなっています。 旧録でゆったりめであった第1楽章は今回全体が引き締められた印象ですが、緩急を大きめに取って各主題の特性を生かしており、コーダでは思い切ったためも聴かせています。第2楽章では詳細なスコアリーディングに基づくコントロールで各パートが埋もれることなく明快に鳴り、オーケストレーションの面白さを鮮明に打ち出してブルックナーの意図した響きを強調。加えてタイトなアクセントで躍動感のある音楽を生み出しています。音楽的な流れを強く意識した第3楽章はたっぷりとした表情で速いという印象はほとんど無く、コラールが際立った極めて美しい演奏に仕上がりました。 オーケストラは前作第8番同様ヴァイオリンを両翼に配置し、チェロの後ろとなる左奥にコントラバス、その右隣りにホルン・セクションが並び、その後列ワーグナー・チューバ持ち替えの隣、全体の中央奥にバス・チューバ、その右にトロンボーン、一番右にトランペットというもの。低音金管楽器とティンパニが中央に配され、独特の安定感が得られています。 国内仕様盤には舩木篤也氏による日本語解説が付属します。
収録作曲家:
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SARAHBANDA
サラバンダ [サラ・ウィリス、ジュニエット・ロンビーダ、アイリン・ピノ、ホルヘ・アラゴン ほか]発売日:2024年08月23日
CD国内仕様 日本語解説付き価格:3,300円(税込、送料無料)
大ヒット・シリーズの番外編、
サラ・ウィリスと仲間たちによるキューバ音楽のアルバムが登場!ベルリン・フィルの人気ホルン奏者サラ・ウィリスがキューバの友人たちと2020年から録音とリリースを開始し、コロナ禍の困難を乗り越えてアルバム3部作と映像作品を無事にリリースした「モーツァルトとマンボ」シリーズ。そこでキューバ音楽の演奏を受け持ったのが、サラ・ウィリスを中心としたバンド「サラバンダ」でしたが、今回彼らの演奏をたっぷりと聴くことの出来るアルバムが登場となりました。 冒頭からサラが得意の低音を挨拶代わりに吹き鳴らし、陽気な掛け声も入って独特の音楽世界に一気に引き込まれます。有名なヒット曲からクラシックのアレンジ、オリジナルまでを幅広く収録。哀愁を帯びたメロディ、体を動かさずにいられないリズム、音を通じたプレイヤー同士の会話と一体感、キューバ音楽の魅力と音楽の素晴らしさが凝縮されたアルバムです。 ラストは各プレイヤーのテンション高いアドリブを盛り込んだ、10分を超えるスリリングなナンバー。 国内仕様盤には、キューバ音楽に詳しいスペイン語通訳の太田亜紀氏による日本語解説が付属します。 -
ハイドン(1732-1809):
〈後期交響曲集 第3集〉
交響曲 第99番-第101番 [アダム・フィッシャー(指揮)、デンマーク室内管弦楽団]HAYDN, J.: Late Symphonies, Vol. 3 - Nos. 99-101 (Danish Chamber Orchestra, A. Fischer)
発売日:2024年08月09日 NMLアルバム番号:8.574518
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,200円(税込)
アダム・フィッシャー、ハイドンへ還る。
後期交響曲の再録音第3集!ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームス、マーラーの全交響曲を録音した唯一の指揮者アダム・フィッシャーが、デンマーク室内管弦楽団の 首席指揮者就任25年を記念してスタートさせたハイドンの後期交響曲の再録音、第3集です。演奏は彼自身の旧全集に比べると更にシェイプアップ、テンポアップされており、ダイナミックスの切り替えやアクセントも鮮烈。随所に即興的な装飾を加えるなど、ディテールにも凝っています。 近年の歴史的アプローチから得た経験や情報を参考にしつつも、フィッシャーがオペラやオーケストラの演奏で積み重ねてきた様々な表現の手法を駆使して迫力と遊び心を存分に備えた個性的な演奏は、ハイドンの作品が演奏者に許容する懐の深さも感じさせるものとなっています。 この第3集には表題付きの2曲を含む第99番から第101番の3曲を収録。第99番は1793年、ロンドン再訪の出発直前にウィーンもしくはアイゼンシュタットで作曲され、翌年の2月10日にロンドンで初演されました。クラリネットが編成に入る初の交響曲です。第100番は、当時流行していた「トルコ風」の楽器、シンバルとトライアングルの両方が用いられており、また第2楽章に使われたトランペットが軍隊ラッパを模していることから「軍隊」と呼ばれる作品。もともとこの第2楽章は『2つのリラ・オルガニザータのための協奏曲第3番 ト長調』からの転用ですが、最後にティンパニとトランペットが加えられて盛大に盛り上がります。第101番は、第2楽章の弦楽器とファゴットの刻むリズムから、長い間「時計」というあだ名が付けられてきました。 ※国内仕様盤には音楽評論家、八木宏之氏の解説が付属します。収録作曲家:
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フォーレ(1845-1924):
レクイエム
グノー(1818-1893):
クローヴィスのミサ他 [エルヴェ・ニケ、ル・コンセール・スピリチュエル、エメーケ・バラート、フィリップ・エステフ]FAURÉ, G.: Requiem, Op. 48 (1900 version) / GOUNOD, C.-F.: Messe dite de Clovis (Concert Spirituel Ensemble, Niquet)
発売日:2024年08月09日 NMLアルバム番号:ALPHA1014
CD国内仕様 日本語解説・歌詞訳付き価格:3,520円(税込、送料無料)
ニケがフォーレのレクイエムを再録音、カップリングはグノーほかの秘曲エルヴェ・ニケとその手兵ル・コンセール・スピリチュエルによるフォーレのレクイエムが登場。ニケは2014年にもフランダース放送合唱団と共にフォーレを録音しているので、約8年をあけての再録音ということになります。前回同様今回も1893年版を元に、ファゴット、トランペット、トロンボーンとティンパニを省くという処置を取りました。演奏は作品の美しさをたっぷりと歌い上げるとともに、ニケらしい筋肉質の表現も随所に聴かれ、なかでも「サンクトゥス」の力強さは特徴的。「レクイエム」の定番の新たな魅力を引き出しています。 カップリングにはグノーが1891年に着手し、その歿後1896年に出版された混声合唱とオルガンのためのミサ曲を収録。1871年の普仏戦争敗北後のフランスで守護的な象徴として注目されていた、メロヴィング朝フランク王国の初代国王クローヴィス1世(466頃-511)の洗礼1400年記念を意識して書かれたものとされ、「クローヴィスのミサ」の名が付けられています。グレゴリオ聖歌を元にし、パレストリーナなどルネサンスの手法を参考にしつつ、グノーらしいユニークさも兼ね備えた作品です。 これら2曲の後奏として収められているのは、ルイ・オベールによるソプラノ独唱、ヴァイオリン独奏、合唱とオルガンによる宗教的な小品と、アンドレ・カプレが宗教的儀式のために書いたヴァイオリンとオルガンのための一種の瞑想曲。なかでもルイ・オベールは1888年に行われたフォーレのレクイエム初版の初演時に、ボーイ・ソプラノとして「ピエ・イエズ」を歌った縁があります(さらに後年にはピアニストとして、ラヴェルの「高貴で感傷的なワルツ」の初演も行っている才人)。ヴァイオリンのソロはル・コンセール・スピリチュエルのコンサートマスターを務めるほか、ソリストとして世界中で活躍するシュシャーヌ・シラノシアンが担当、技術と表現の両面で冴えわたった演奏を聴かせています。
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発売日:2024年08月09日
CD国内仕様 日本語解説付き価格:3,300円(税込、送料無料)
ジョナタン・フルネルによるショパンとシマノフスキ2021年エリザベート王妃コンクールの覇者ジョナタン・フルネル、ブラームスとモーツァルトに続くALPHA第3弾は、長年弾き込んできた作品を組み合わせたプログラム。なかでもショパンのピアノ・ソナタ第3番とシマノフスキのOp.10は、2024年1月の日本公演でも披露して大きな評判となりました。 「私はショパンの第3ソナタが好きです。メロディだけですでに美しく、さらなる装飾を必要としないからです。それはモナ・リザに化粧がいらないのと似ています。シマノフスキによる、より技巧的な作品も同様です。それらは急速に発展したスクリャービンを思わせますが、時にはウィーン風のスタイルに近づくこともあります。私はその内面を探求することが好きですが、ラフマニノフほどには技巧的でありません。彼らの作品の素晴らしいところは、すべての要素が重要で、何かを表現していることです」と語るフルネル。作品の陰影を巧みに描きながら輝かしいクライマックスへと自然に導く、彼の持つ技術と感性が最大限発揮されたアルバムです。
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シェーンベルク(1874-1951)&
フォーレ(1845-1924):
ペレアスとメリザンド [パーヴォ・ヤルヴィ、フランクフルト放送交響楽団]SCHOENBERG, A.: Pelleas und Melisande / FAURÉ, G.: Pelléas et Mélisande Suite (Frankfurt Radio Orchestra, P. Järvi)
発売日:2024年07月26日 NMLアルバム番号:ALPHA1058
CD国内仕様 日本語解説付き価格:3,300円(税込、送料無料)
パーヴォ・ヤルヴィ&フランクフルト放送響による
2つの「ペレアスとメリザンド」これまでALPHAではエストニア祝祭管、トーンハレ管とタッグを組んできたパーヴォ・ヤルヴィが、2006年から13年にかけて首席指揮者を務めたフランクフルト放送響との録音を開始。第1弾はメーテルリンクの戯曲を元にした「ペレアスとメリザンド」2曲を合わせるという興味深いものです。 無調音楽に入る前のシェーンベルクによる大管弦楽のための交響詩は、ドビュッシーが歌劇《ペレアスとメリザンド》を成功させた1902年から翌3年にかけて書かれたもので、物語の筋を追いながら全体で単一楽章の交響曲のような構造を取ったもの。かたやフォーレの劇音楽はドビュッシーの歌劇の数年前に発表されており、組曲版(ここでは声楽の入る「メリザンドの歌」を除く4曲版)は小規模な二管編成で書かれ、親しみやすい旋律を多く残したフォーレの代表作の一つと言える「シシリエンヌ」を含みます。 パーヴォ・ヤルヴィはシェーンベルクの巨大な編成と複雑なスコアを的確に整理しつつ、弦楽器をたっぷりと歌わせるとともに、高い技術力を誇る管楽器が芯のあるアクセントと輪郭をしっかりと固める役も担い、芳醇で濃厚な世界観と引き締まった造形を見事に両立しています。フォーレでは見透し良い響きとすっきりとした表情で、作品の美しさを最大限引き出しました。 近代音楽とフランス音楽で聴かせる、鋭さと柔和さを併せ持つ彼の感性を存分に味わうことの出来るアルバムです。 -
ミニョーネ(1897-1986):
4つの協奏曲
(ギター、クラリネット、ファゴット、ヴァイオリン) [ニール・トムソン/ジャンカルロ・ゲレーロ、サンパウロ交響楽団、エマヌエーレ・バルディーニ、ファビオ・ザノン、オバニル・ブオシ、アレクサンドリ・シウヴェリオ]MIGNONE, F.: Guitar Concerto / Violin Concerto / Clarinet Concertino (Buosi, Silvério, Baldini, Zanon, São Paulo Symphony, Guerrero)
発売日:2024年07月26日 NMLアルバム番号:8.574573
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,200円(税込)
イタリアから移り住んだフルート奏者アルフェリオの息子として生まれたミニョーネは、13歳でピアニスト=指揮者として活動するなど幼い頃から楽才を発揮しました。サンパウロ音楽院とミラノ音楽院で学び、ブラジルに戻ってからは教職と作曲を両立させ、数多くの作品を書き上げ、ヴィラ=ロボス以降のブラジルにおける最も重要な作曲家の一人と称えられています。 このアルバムには4曲の協奏曲を収録。オーケストラとソリストがブラジルの詩と歌の形式である素早いエンボラーダ(掛け合い)を駆使する彼の協奏曲は、ドラマティックかつ、陽気さと豊かな情緒を備えており、どれも聴きごたえのあるものばかり。なかでも「ブラジル音楽史上、この挑戦的なジャンルの最高傑作」と評されたヴァイオリン協奏曲では、サンパウロ交響楽団のコンサートマスター、エマヌエーレ・バルディーニがソリストを務めます。 ※国内仕様盤には木許裕介氏(指揮者/日本ヴィラ=ロボス協会会長)の日本語解説が付属します。
収録作曲家:
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ベートーヴェン(1770-1827):
交響曲 第3・5・7・9番他
(マーラー版によるベートーヴェン作品のすべて) [マイケル・フランシス(指揮)/ラインラント=プファルツ州立フィルハーモニー管弦楽団 他]BEETHOVEN, L. van: Mahler Re-Orchestrations - Symphonies Nos. 3, 5, 7, 9 / String Quartet No. 11 (Rheinland-Pfalz State Philharmonic, M. Francis)
発売日:2024年07月26日 NMLアルバム番号:C5484
CD 3枚組国内仕様 日本語解説・歌詞対訳付き価格:4,950円(税込、送料無料)
マーラー版のベートーヴェンを網羅した画期的アルバムが登場!
引き締まった演奏にも注目ウィーン・フィルの指揮者などを歴任したマーラーが、先輩作曲家たちの作品の演奏にあたりオーケストレーションに手を入れていたことは広く知られており、それぞれに録音も出ていますが、そのうちベートーヴェン作品をすべて演奏・収録したアルバムはありそうで無かった企画の一つ。すぐれた作曲家の眼を持つ練達の指揮者マーラーの思考を系統的に追うのに好適なセットです。 マーラー自身の交響曲は曲も編成も大規模なものですが、彼が過去の作品に行った変更は少し方向が違います。場所により弦楽器に管楽器を重ねる、弦の細かなフレーズを強調するために管のパートを省く、管の動きにオクターヴを付与する、といった楽器間のバランスを整えて効果的に響かせるためのものが多く、また細かな演奏指示も書き込まれており、指揮者マーラーがどのパートを重視したか分かるのが興味深いところです。また金管楽器の改良や用法の変遷に伴って、かつては音が出なかった旋律が足されたり、高すぎる音を下げるといった処理も行われています。 しかしながら、ホルンは基本的に倍管となっており、「第九」はティンパニ2人を擁するマーラーらしい巨大編成へと変貌していることも事実。「英雄」葬送行進曲フーガのクライマックスや第4楽章コーダ前にティンパニが加筆されていたり、「第九」第1楽章で低弦にトロンボーンを重ねたり第4楽章でコントラファゴットのサポートにチューバが動員されたりといったところは、なかなか衝撃的でもあります。 英国出身の指揮者マイケル・フランシスが2019年から首席指揮者を務める手兵オケを指揮してこれらを次々と浮き彫りにしてゆきます。 (曲目・内容欄に続く)収録作曲家:
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ランゴー(1893-1952) :
歌劇《アンチキリスト》 [シュテファン・ツィリアス(指揮)、ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団、トーマス・レーマン、フルリナ・シュトゥッキ 他]発売日:2024年07月26日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕/日本語解説付き価格:4,950円(税込、送料無料)
ベルリン発:ランゴーの教会オペラ《アンチキリスト》衝撃の映像登場!終末を迎える世界に堕天使ルシファーがアンチキリストを召喚。「虚栄」、「失望」が人間を堕落させ、「欲望」や「虚言」により「憎悪」が生まれ、ルシファーが全能の神の力を強奪しようとします…… コルンゴルトの《ヘリアーネの奇蹟》やツェムリンスキーの《こびと》など意欲的な新制作で話題を呼ぶベルリン・ドイツ・オペラより、近年、再評価の機運の高まるデンマークの作曲家ルーズ・ランゴー(1893-1952)が20世紀初頭に作曲した教会オペラ《アンチキリスト》の舞台映像の登場です。 本作《アンチキリスト》は、デンマークの作家ピーダ・エガト・ベンソンが新約聖書を基に著わした『アンチキリスト』の詩行を用いつつ、ランゴー自身が台本を執筆し作曲(「アンチキリスト」とは、終末に現れるという偽のキリスト)。しかし、この作品がオペラとして初演されたのは、作曲家の没後ほぼ半世紀を経た20世紀の末のことでした(1999年、ニルス・ムース指揮チロル州立劇場)。 本上演の歌唱陣にはルシファー役のトーマス・レーマン、大娼婦役のフルリナ・シュトゥッキらベルリン・ドイツ・オペラの優れた若手アンサンブル・メンバーを中心に、バイロイト音楽祭常連のベテラン、クレメンス・ビーバー(大言を吐く口)ら歌唱演技に優れた歌手たちを起用。2020年よりハノーファー州立劇場の音楽総監督を務める俊英シュテファン・ツィリアスが率いるベルリン・ドイツ・オペラのオーケストラと合唱団が、耽美的で陰影に富む豊潤な音楽を奏で、斬新な舞台作りで話題を呼ぶエルサン・モントタークによるアンドロギュノス(両性具有)的な着ぐるみや迷彩を施されたグロテスクなレオタードを着用した登場人物とダンサー、群衆(合唱団員)がコミカルな所作と歌唱を繰り広げます。
収録作曲家:
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伝ボエリオ:
インテルメッゾ《過ぎ去った美しい時よ》 [アントニオ・フローリオ(指揮)、カペッラ・ナポリターナ、ピノ・デ・ヴィットーリオ、ジュゼッペ・ナヴィリオ他]発売日:2024年07月26日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:4,950円(税込、送料無料)
カペッラ・ナポリターナによる、
ナポリ最古のインテルメッゾ《過ぎ去った美しい時よ》 ― 世界初収録!17世紀の中頃、ヴェネツィアから進出したオペラという芸術ジャンルがナポリで活況を呈するなか、同地で作曲されたオペラのインテルメッゾ(幕間劇)《過ぎ去った美しい時よ》が蘇演収録されました。この作品は、アントニオ・フローリオが文献研究で発掘したフランチェスコ・アントニーノ・ボエリオ作曲の歌劇《絶望的な無実》に付随した、現存するナポリ最古のインテルメッゾです。 舞台は17世紀、ハプスブルク・スペイン統治下のナポリの街角。ナポリ人、カラブリア人、少年というナポリ地方の喜劇にお決まりのキャラクター3人にスペイン人を加えた4人が登場 ― 4種類の言語を取り混ぜた滑稽な歌唱とラ・フォリアやタランテッラ、パッサカリアなどの舞曲を組み合わせた歌芝居を考証、再現しています。 ナポリのバロック音楽復興の第一人者アントニオ・フローリオ率いる古楽アンサンブル、カペッラ・ナポリターナに、ナポリ歌劇の名歌手たちをフィーチャーした活気とユーモアに溢れる舞台をお楽しみください。 -
ヴェルディ(1813-1901):
歌劇《アイーダ》 [コヴェント・ガーデン王立歌劇場/エレナ・スティヒナ(ソプラノ)/フランチェスコ・メーリ(テノール)/アグニェシュカ・レーリス(メゾ・ソプラノ) 他/指揮:アントニオ・パッパーノ/コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団&合唱団]発売日:2024年07月12日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕・日本語解説付き価格:5,500円(税込、送料無料)
コヴェント・ガーデンが放つ、
巨匠アントニオ・パッパーノと鬼才ロバート・カーセンのコラボによる、圧巻の《アイーダ》登場!コヴェント・ガーデン王立歌劇場より、2022/23シーズンの開幕ラインナップのひとつとして上演された新制作の《アイーダ》の登場です。一作毎に話題を集める鬼才ロバート・カーセンによる演出は、舞台に戦闘シーンや軍事パレードのビデオ映像をコラージュ的に投影し、軍事大国の対立と紛争の中で、国家への忠誠と男女の愛憎のはざまで葛藤する人々の姿を浮き彫りにします。 アイーダ役を高い歌唱力で情感豊かに歌い上げるエレナ・スティヒナ、軍人としての矜持とアイーダへの愛に揺れる陰影に富む表情が出色のフランチェスコ・メーリ(ラダメス役)、愛と嫉妬に苦しむ誇り高い王女を見事に演ずるアグニェシュカ・レーリス(アムネリス役)に加えて、リュドヴィク・テジエ、ソロマン・ハワード、シム・インスンら世界中で活躍する名歌手を起用した豪華な配役。 コヴェント・ガーデンでの20年余に渡る芸術監督としてのキャリアの仕上げとして、ヴェルディ作品を精力的に取り上げるアントニオ・パッパーノの、細やかな情感とダイナミックな息吹を両立させた円熟の音楽が聴きものです。収録作曲家:
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〈#bruckner2024〉
ブルックナー(1824-1896):
交響曲 第9番 ニ短調
交響曲 ヘ短調 [マルクス・ポシュナー(指揮)/リンツ・ブルックナー管弦楽団]BRUCKNER, A.: Symphony No. 9 (1894 version, ed. L. Nowak) (Complete Symphony Versions Edition, Vol. 17) (Linz Bruckner Orchestra, M. Poschner)
発売日:2024年07月05日 NMLアルバム番号:C8096
CD 2枚組国内仕様 日本語解説付き価格:2,970円(税込)
#bruckner2024、遂に完結。
最終巻はブルックナーの交響曲の最初と最後を一堂に収録CAPRICCIOレーベルと国際ブルックナー協会の主導でブルックナーの交響曲全11曲全18バージョン(稿)を録音するプロジェクト、#bruckner2024が遂に完結。同一指揮者による全稿録音は史上初の快挙ですが、最新の知見を援用した解釈と、ブルックナーの細かい指示を丹念に踏まえたポシュナーの指揮によって新たなブルックナー像を提示することに成功。「私たちが習慣にしてきた聴き方と伝統と見なしてきたものを問い直す企画」としてICMA(International Classical Music Award)2024の特別賞を受賞しました。 最終巻にはブルックナーの交響曲創造の出発点となった交響曲ヘ短調(別名「習作交響曲」、通称「第00番」とも)と未完の遺作となった第9番を収録。どちらも異稿は無く、使用楽譜はノーヴァク版ですが、このプロジェクトに一貫する「スコアの読み直し」によって新鮮なサウンドと解釈が聞かれます。 ヘ短調の交響曲はブルックナーが作曲の師キツラーに提出した最終課題の一つ。ブルックナー自身はこれを出版することを考えていた形跡があり、自信作であったことがうかがわれます。ポシュナーはリピートを省いているので全曲の演奏時間は34分弱。インバル盤(Teldec、現Warner)の46分余りに比べてだいぶ短くなっていますが、シューマンやメンデルスゾーンに連なるドイツ・ロマン派の風合いを感じさせる、颯爽としてチャーミングな作品として独自の魅力を提示しています。 (曲目・内容欄に続く)収録作曲家:
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モーツァルト(1756-1791):
ピアノ協奏曲 第20番・第23番 [オルガ・パシチェンコ、イル・ガルデリーノ]MOZART, W.A.: Piano Concertos Nos. 20 and 23 (O. Pashchenko, Il Gardellino)
発売日:2024年07月05日 NMLアルバム番号:ALPHA942
CD国内仕様 解説日本語訳付き価格:3,300円(税込、送料無料)
歴史的ピアノ最前線をゆくパシチェンコと精鋭集団による、
対話劇としてのモーツァルトアムステルダムとヘントの音楽院で教鞭をとりながら世界的な活躍を続けるフォルテピアノ奏者オルガ・パシチェンコと、ベルギーの実力派古楽器集団イル・ガルデリーノによるモーツァルトのピアノ協奏曲録音シリーズに待望の第2弾が登場。『レクイエム』などと並ぶニ短調の傑作=第20番と、オーボエの代わりに一対のクラリネットが印象的な響きを添える第23番、いずれもモーツァルトがウィーンで希代のピアニストとして活躍しながら間もなく《フィガロの結婚》で新たな成功を掴む躍進期の充実作2曲が選ばれています。 パシチェンコはもはや「アレクセイ・リュビモフ門下」と紹介するまでもなく強い存在感を欧州第一線で発揮していますが、今作も冒頭総奏部分の通奏低音から絶妙の立ち回りで、経験豊かな奏者たちと対話を続けながら各曲それぞれの物語を引き出してゆく演奏は抜群の瑞々しさ。緩徐楽章の息をのむようなカンティレーナから説得力豊かなアレグロの音使いまで隅々まで聴きどころに事欠かず、ニ短調の協奏曲ではファンタジーに満ちた独自のカデンツァまで披露してくれます。 他の奏者たちも古楽器の音ならではの玄妙なニュアンスや鮮烈なアクセントを大いに活かし、「これらの協奏曲をオペラと同じと考え、加わる楽器全てを主人公たちと認識する」(パシチェンコ談、本盤解説より)という一貫した姿勢がありありと示された解釈を披露。トラヴェルソのデ・ヴィンネやオーボエのポンセ―ル、クラリネットのボウドら管楽器奏者にも世界的名手が続々。同レーベルのHAYDN 2032シリーズでも活躍中の技師J-D.ノワールによる古楽器の機微をよく踏まえた録音でお楽しみください。収録作曲家:
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大家C.P.E.バッハと
躍進期のモーツァルト [アレクサンドル・メルニコフ、セリーヌ・フリッシュ、カフェ・ツィマーマン]発売日:2024年06月28日
CD国内仕様 解説日本語訳付き価格:3,300円(税込、送料無料)
ALPHAの看板楽団カフェ・ツィマーマン、
名手メルニコフを迎えついに古典派へ!ALPHAレーベル創設直後から数々の名盤を世に送り出してきた古楽器楽団カフェ・ツィマーマン。高い評価を博した大バッハの協奏曲&管弦楽組曲シリーズに象徴される通りバロック作品の録音が目立つ彼らが今回、ついに18世紀後半の古典派時代に充実編成で臨みました。 同団創設以来の中心メンバーで独奏者としても活躍するセリーヌ・フリッシュがチェンバロ独奏を務め(通奏低音ではフォルテピアノも使用)、ゲストはなんと来日公演でもおなじみの俊才アレクサンドル・メルニコフ! 1770~80年代には既に国際的な名声を誇る巨匠となったハンブルク市の音楽監督C.P.E.バッハ(大バッハの次男)、かたやザルツブルクとウィーンで続々名曲を生みつつあった躍進期のモーツァルト、同時期とは思えないほど対照的な作風の両者それぞれ2作品ずつ収録。 C.P.E.バッハが最晩年に手がけた協奏曲はオーケストラの傍ら二つの鍵盤楽器を対置させた異色作で、両独奏者それぞれに異なる才気煥発なソロが音色の違いと共に十全に味わえる一方、モーツァルトのピアノ協奏曲では総奏部分からメルニコフがフォルテピアノで通奏低音も演奏。充実の管楽器セクションにはオーボエのボジローやファゴットのル・シュナーデクらバッハ録音でも活躍をみせた名手たちも参加、どの曲でも各パートの自発性と楽団の一体感が不思議な共存をみせながら、じっくり曲を聴かせる解釈の深みはまさにカフェ・ツィマーマンならでは。 名技師アリーヌ・ブロンディオの丁寧な仕事やバーゼル出身の作曲家テュリング・ブレムによる洞察に富んだ解説(国内仕様では全訳付)まで、示唆と音楽性に富んだ演奏を十全に堪能できる1枚です。 -
細川俊夫(1955-):
〈管弦楽作品集 第4集〉
さくら
トランペット協奏曲「霧のなかで」
ヴァイオリン協奏曲『ゲネシス』(生成)
渦 [準・メルクル(指揮)/ハーグ・レジデンティ管弦楽団 /イエルーン・ベルワルツ(トランペット)/ポール・ホアン(ヴァイオリン)]HOSOKAWA, Toshio: Orchestral Works, Vol. 4 (Berwaerts, Paul Huang, Residentie Orkest The Hague, Märkl)
発売日:2024年06月28日 NMLアルバム番号:8.574543
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,200円(税込)
2021年ゲーテ・メダルを受賞。
世界がますます注目する細川俊夫の管弦楽作品第4集!ヘルマン・ヘッセの同名の詩からインスピレーションを得たトランペット協奏曲「霧のなかで」は、孤独に歩くトランペッターが世界に歌いかけていく情景を描いた作品。独奏は世界的な奏者イエルーン・ベルワルツが担当。これまでにもこの曲をはじめとした細川作品を幾度となく演奏してきたベルワルツが堂々とした演奏を披露します。 ヴァイオリン協奏曲「ゲネシス」(生成)は初演を担ったヴァイオリニストの出産祝いとして作曲されたもので、細川は「ソリストは人、オーケストラはそのソリストを取り囲む自然、宇宙」と捉えているということです。冒頭からオーケストラは、いのちを育む羊水をイメージする波動を反復し、対立の中で調和を見つけるという普遍的なドラマが表出されます。この録音では、ソロを担う若手奏者ポール・ホアンの卓越した技巧が聴きどころ。 笙から影響を受けたという「渦」は楽器が生み出す螺旋状の響きが効果的に用いられた作品。冒頭の「さくら」は日本で最も愛されている曲の一つを細川がオーケストラ用に編曲したものです。 細川が全ての録音セッションに立ち会っており、彼の友人にして良き理解者の準・メルクルが指揮するハーグ・レジデンティ管弦楽団は、ドラマティックな抑揚と繊細な音色を巧みにいかし、作曲家のイメージを余すことなく伝えます。 ※作曲家による日本語解説が付属いたします。収録作曲家:
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ドニゼッティ(1797-1848):
歌劇《アルフレッド大王》 [ドニゼッティ音楽祭/アントニーノ・シラグーザ(テノール)/ジルダ・フィウメ(ソプラノ)/ロドヴィコ・フィリッポ・ラヴィッツァ(バリトン) 他/指揮:コッラード・ロヴァーリス/ドニゼッティ歌劇場管弦楽団&ハンガリー放送合唱団]発売日:2024年06月28日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:4,950円(税込、送料無料)
シラグーザが歌うドニゼッティの史劇オペラ《アルフレッド大王》― 世界初映像化!若きドニゼッティによる、オペラ《アルフレッド大王》は、のちに作曲家が取り組む、英国を舞台にした一連の史劇オペラ(《ケニスワール城のエリザベッタ》、《アンナ・ボレーナ》、《イングランドのロズモンダ》、《マリア・ステュアルダ》、《ロベルト・デヴリュー》など)の先駆けとなったもの。この作品は1823年にナポリのサン・カルロ劇場で初演されましたが、数回の上演で打ち切られ、お蔵入りとなりました。その失敗の理由は、おもに台本のプロットの弱さにあったとされています。 本作は、ドニゼッティの作品上演に革新的な新風を吹き込んできた、作曲家の生地ベルガモの「ドニゼッティ音楽祭」による、初演から200年目にあたる2023年の蘇演舞台の収録です。ステファノ・シモーネ・ピントルによる演出は、舞台が9世紀のイングランドと現代の紛争地帯を行き来するというユニークなもの。 ロッシーニ・テノールとしてその名を馳せるアントニーノ・シラグーザ(アルフレッド役)、ヴェルディ・ソプラノとして活躍するジルダ・フィウメ(王妃アマーリア役)ら粒ぞろいの歌手たちと、新国立劇場の《ドン・パスクワーレ》や《ファルスタッフ》を振って日本でもおなじみの俊英コッラード・ロヴァーリスに導かれたドニゼッティ歌劇場管弦楽団と、ハンガリー放送合唱団による溌剌とした歌唱演奏が、ドニゼッティの知られざる作品の魅力を存分に伝えています。
収録作曲家:
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モーツァルト(1756-1791):
ピアノ協奏曲 第25番&第27番他 [ロバート・レヴィン/アカデミー・オヴ・エンシェント・ミュージック 他]発売日:2024年06月21日
CD国内仕様 日本語解説付き価格:3,300円(税込、送料無料)
計30余年をかけて、類を見ない全集がついに完結モーツァルトの演奏史に革命を起こしたクリストファー・ホグウッドとアカデミー・オブ・エンシェント・ミュージックが、モーツァルト研究家でピアニストのロバート・レヴィンを迎えて1993年に開始したピアノ協奏曲全集の録音。8枚をリリースして2001年を最後に途絶えていたプロジェクトが2023年に再開、当リリースをもって遂に完結します。 収録曲は、モーツァルト後期作品の中でも壮麗な規模と楽想を持つ第25番K.503と当ジャンル最後の作品第27番K.595。間に挟まれたコンサート・アリアK.505は、作曲年代が近くピアノが活躍するという点に加えて、その歌詞「どうしてあなたを忘れられよう...心配しないで、愛する人よ」に、当プロジェクトに携わってきたすべての音楽家の気持ちを込めた採用と思われます。 ピアノ協奏曲のカデンツァはここでもレヴィンの即興によるもの。全体的に即興や装飾など「楽譜に書かれていない」音符の多さに注意が行きがちですが、それらがモーツァルトのスタイルに見事にフィットしているところが特徴です。既存の録音との差別化を意図したものではなく、モーツァルトのスタイルを徹底的に尊重し、その細部にまで注意を払った結果生まれる「モーツァルトらしさ」の再発見にあると言えるでしょう。調律にはキルンベルガーから派生した調律法Prinzが使われています。 ※国内仕様盤には大津聡氏による日本語解説が付属します。
収録作曲家:
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ドヴォルザーク(1841-1904):
歌劇《ルサルカ》(日本語字幕付)
3幕のおとぎ話のオペラ [コヴェント・ガーデン王立歌劇場/アスミク・グリゴリアン(ソプラノ)/デイヴィッド・バット・フィリップ(テノール)/マシュー・ローズ(バス) 他/指揮:セミヨン・ビシュコフ/コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団&合唱団]発売日:2024年06月07日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:5,500円(税込、送料無料)
アスミク・グリゴリアン、
コヴェント・ガーデンでルサルカを歌う!18世紀後半、チェコの詩人・劇作家のヤロスラフ・クヴァピルが、スラブの民話に登場する水の精を主題に台本を執筆し、最晩年のドヴォルザークが作曲した歌劇《ルサルカ》。重厚なサウンドとライトモチーフの使用はワーグナーの音楽からの影響を見せつつも、チェコの民族的な情感が香り立つノスタルジックな旋律や、水の世界を描写する繊細な音の表情はドヴォルザークならではのものです。ルサルカのアリア「月に寄せる歌」が突出して有名だったこの作品は、近年世界中の歌劇場で広く上演され、チェコ歌劇の金字塔と評価されるようになりました。 2023年2月、コヴェント・ガーデンの新制作として登場した《ルサルカ》のアン・イー&ナタリー・アブラハミによる演出は、「環境サステナビリティ」をその中心コンセプトに置き、過去にコヴェント・ガーデンで制作され、お蔵入りになっていた舞台美術、衣装を再利用するというユニークなもの。 ルサルカ役を歌うのは、 迫真の演技歌唱で人気を集める実力派ソプラノ、アスミク・グリゴリアン。この世のものとは思えないルサルカの姿を浮かび上がらせる透明感溢れる歌唱で、 聴く者を惹きつけます。幅広いレパートリーを誇り、世界中の歌劇場から引く手あまたのデイヴィッド・バット・フィリップが、ルサルカに対する裏切りから真の愛に目覚める王子役を輝かしく歌い上げ、サラ・コノリーが不気味ながらも滑稽味溢れるイェジババ役を達者に演じます。 2018年以来チェコ・フィルの音楽監 督を務め、チェコ音楽に造詣の深いセミヨン・ビシュコフの端正なタクトが、この幻想味溢れる《ルサルカ》の音楽を艶やかに紡いでいきます。収録作曲家:
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ロレンゾ・フェルナンデス(1897-1948):
組曲「田園風東方の三博士祭」
交響曲 第1番
交響曲 第2番「エメラルド・ハンター」 [ファビオ・メケッティ (指揮)/ミナスジェライス・フィルハーモニー管弦楽団]LORENZO FERNÁNDEZ, O.: Symphonies Nos. 1 and 2, "O Caçador de Esmeraldas" / Reisado do pastoreio (Minas Gerais Philharmonic, Mechetti)
発売日:2024年06月07日 NMLアルバム番号:8.574412
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,200円(税込)
20世紀に活躍したブラジルの多くの作曲家と同様、フェルナンデスは民族主義的な作風から出発し、それらを国際的な技法や様式と統合することを試みました。 「田園風東方の三博士祭」組曲は初期の民族主義的な路線による代表作。クリスマスをモチーフにした親しみ易い音楽で、特に覚えやすくノリ易い第3曲「バトゥーキ」はブラジル管弦楽名曲集の定番の一つ。2022年に東京で行われたブラジル独立記念200周年コンサートでも演奏され喝采を博しました。 交響曲第1番はバルトークに影響されて書いた4楽章形式の力作。古典的な構成による純粋音楽を目指しつつもブラジルらしいリズムや旋律が随所に顔を出します。エメラルドを求めて密林に入り、先住民や大自然の脅威に直面した冒険家を描いた第2番は標題音楽の性格が強く、ドラマティックな作品。作曲者は初演を聴くことなく世を去りました。 ※国内仕様盤には木許裕介氏(指揮者/日本ヴィラ=ロボス協会会長)の日本語解説が付属します。
収録作曲家:
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〈#bruckner2024〉
ブルックナー(1824-1896):
交響曲 第3番 ニ短調(第2稿)
アダージョ(1876年) [マルクス・ポシュナー(指揮)/ウィーン放送交響楽団/リンツ・ブルックナー管弦楽団]BRUCKNER, A.: Symphony No. 3 (1877 version, ed. L. Nowak) (Complete Symphony Versions Edition, Vol. 16) (ORF Vienna Radio Symphony, M. Poschner)
発売日:2024年06月07日 NMLアルバム番号:C8095
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,970円(税込)
CAPRICCIOレーベルと国際ブルックナー協会の主導で、ブルックナーの全交響曲のすべての稿を録音する企画 「#bruckner2024」の第16弾。 ブルックナーがワーグナーに献呈したことで「ワーグナー」のニックネームを持つ第3番には3つの稿があり、改訂の度に全体は短くなって、ワーグナー作品からの引用は削られてゆきます。第3稿の完成時にはブルックナーは第5番まで書き終えており、その経験が反映されていますが、この経過を「完成度を高めた」と取るか、「オリジナリティが減じた」と取るか、研究者でも評価が分かれます。CAPRICCIOの#bruckner2024では3つの稿すべてに加え、第1稿と第2稿の間に作曲された1876年のアダージョも収録(ノーヴァクが「アダージョ2」と命名したもの)。これで第3番創作と改訂の軌跡を同一指揮者の解釈でたどれることとなりました。 ポシュナーの解釈は重々しいサウンドやテンポから決別し、見通しよく、細部の指示をわかりやすく音にしてゆく姿勢で当初から一貫してきました。1876年のアダージョにはティントナーやヴァンスカの録音があり、いずれも演奏時間20分を越えますが、ポシュナーは約16分。瞑想性よりも清らかな抒情が感じられます。それでも第2稿(1877年)の第2楽章(アンダンテ…クワジ・アダージョ。演奏時間約14分)と比べると、この微妙なテンポ指定の違いをしっかりと認識して指揮していることがわかります。こうした態度は、異稿の録音が集積された今こそ意義や効用があらためて実感されることでしょう。 ブルックナー研究家のウィリアム・キャラガンはブルックナーの異稿について「自分の好み、理想の姿、究極の形を探すのはやめよう。すべてのスコアには価値がある。特に第3番は傑作だ。どのような姿であろうとも」と語っており、その言葉に感じるところのあるファンには是非聞いて頂きたい1枚です。 ※国内仕様盤には石原勇太郎氏(音楽学/国際ブルックナー協会会員)による日本語の解説が付属します。
収録作曲家:
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取り戻されたミューズ
~英国バロックの室内楽を集めて~ [レイチェル・ポッジャー、ブレコン・バロック]発売日:2024年05月24日
CD国内仕様 解説日本語訳付き価格:3,300円(税込、送料無料)
ポッジャーと実力派古楽奏者たちが追求する、英国バロック室内楽の真髄バロック・ヴァイオリンの世界を席捲する英国の名手レイチェル・ポッジャーによる、17~18世紀初頭の英国室内楽を集めた充実プログラム。15世紀から16世紀にかけたエリザベス女王の時代に欧州最大級の洗練された音楽文化を誇ったイングランドは、17世紀半ばの清教徒革命による文化破壊でその伝統が途絶えかけたものの、1660年の王政復古を経て徐々にかつての活況と豊かさを取り戻し、フランスやイタリアの最先端の流行からも大きな影響を受けつつ新たな音楽世界を花開かせます。 本盤はその勢いの只中で活路を見出したドイツ人作曲家ヘンデルのソナタに始まり、王政復古期の新潮流の礎を築いた革命前夜の室内楽まで時代を遡った後、バロック期の英国人たちを惹きつけたスコットランドやアイルランドの伝承音楽にも触れながら、徐々に18世紀へと年代を追って英国音楽の変化を辿ってゆく流れ。ポッジャーのヴァイオリンはもちろんのこと、英国を拠点に幅広い活躍をみせてきたガンバ奏者の市瀬礼子や、ルネサンス・バロック2種のリュートを使いこなす撥弦奏者エリザベス・ケニーなど、全ての奏者が音楽的対話を通じみずみずしい存在感を示し続ける様子はさながら、自発性と高いコミュニケーション感覚で紡ぎ出されていった英国貴族たちの語らいのよう。 名技師ジャレッド・サックスならではの精妙なエンジニアリングもそれぞれの古楽器の味わいを最大限に伝え、やんごとなき人々の社交の嗜みの中で大きな意味を持った当時の音楽芸術の素顔がありありと蘇る奥深い1枚です。
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チレア(1866-1950):
歌劇《グロリア》(日本語字幕付)
3幕のドランマ・リリコ [カリアリ歌劇場/アナスタジア・バルトリ(ソプラノ)/カルロ・ヴェントレ(テノール)/フランコ・ヴァッサッロ(バリトン) 他/指揮:フランチェスコ・チッルッフォ/カリアリ歌劇場管弦楽団&合唱団]発売日:2024年05月24日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:4,950円(税込、送料無料)
フランチェスコ・チレア最後の名作歌劇《グロリア》
新星アナスタジア・バルトリが題名役! 世界初映像化!チレアがその生涯に作曲した5作のオペラで最大のヒット作となった《アドリアーナ・ルクヴルール》(1902年)につづき、作曲家が取り組んだのが、歌劇《グロリア》。1908年のミラノ・スカラ座での初演(トスカニーニ指揮)は失敗に終わり、作曲家は筆を折ってしまいます。しかしその後、パレルモやナポリで教育者としての活動を続けていたチレアは、音楽出版社の強い要請を受けて、このオペラに大幅な改訂を施し、1932年にナポリで上演。この上演は好評を得たものの、イタリアの時局の影響もあって、歌劇場のレパートリーとして定着することはありませんでした。 本作は、埋もれた歌劇作品の蘇演を旺盛に展開するサルデーニャのカリアリ歌劇場の新制作。イタリア・オペラの伝統を受け継いだ流麗なカンタービレと、洗練された色彩的な管弦楽法が印象的なチレア晩年の名作を取り上げました。表題役を歌うのは2021年東京・春・音楽祭のリッカルド・ムーティ指揮《マクベス》のマクベス夫人役で日本デビューを果たした新星アナスタジア・バルトリ。ドラマティックでありながら、優れた歌唱技術に裏づけられた清冽な表現が光る知性派ソプラノです。リオネット役は、伸びやかで輝かしい歌声を持ち、新国立劇場の《トスカ》《アイーダ》《アンドレア・シェニエ》《オテロ》に題名役で出演し、日本でもお馴染みのカルロ・ヴェントレ。さらに世界の檜舞台で活躍するヴェルディ・バリトンのフランコ・ヴァッサッロ(バルド役)が、暗い情念を歌う敵役として見事な歌唱を聴かせます。 アントニオ・アルバネーゼの演出は、時代設定を中世から古代イタリアに置き換えたスペクタクルな舞台づくり。近現代の作品を中心レパートリーとするフランチェスコ・チッルッフォが導くカリアリ歌劇場のオーケストラが、チレアによる虹色に輝くカンタービレと精緻な響きを活かしながら、優れた歌唱陣と共に作曲家最後の歌劇に新たな光をもたらしています。収録作曲家:
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リース(1784-1838):
交響曲 第1番&第2番 [ヤンネ・ニソネン(指揮)/タピオラ・シンフォニエッタ]発売日:2024年05月10日 NMLアルバム番号:ODE1443-2
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,970円(税込)
にわかに脚光を浴びるリースの交響曲。北欧から全集録音がスタート!フェルディナント・リースは人気コンポーザー・ピアニストとして欧州各地を席巻し、ピアノ・ソナタやピアノ協奏曲をはじめ、交響曲、弦楽四重奏曲からオペラやオラトリオに至る幅広いジャンルに作品を書きました。しかし師が余りにも偉大であったためか、「ベートーヴェンの弟子」のイメージが強く、その交響曲もベートーヴェン作品を思わせるフレーズが出て来ることに関心が向けられがちで、なかなか独自の評価を得られずにいました。 状況が変わったのは2020年代になってから。日本でリースの評伝が出版され、2024年2月には飯森範親の指揮でパシフィック・フィルハーモニア東京が全曲演奏会を開始。更にリースが1813年に演奏会を行ったことのあるフィンランドのONDINEから交響曲全集の開始が発表されたのです。 リースの交響曲全集録音はハワード・グリフィス指揮、チューリヒ室内管(1997-2002、cpoレーベル)が今のところ唯一の存在。ここに登場したニソネン盤はオケのサイズは大差無いと思われますが、アプローチにはかなり違いがあります。基本テンポが快速であること、舞曲を思わせるフレーズでの軽やかに跳ねるような処理、アクセントの利いたティンパニやブラスなど、古楽演奏のスタイルに通じる点が多く、音色は多彩で楽想ごとの表情付けは細かく且つ濃密。ころころと表情を変えてゆくリースの音楽を、爽快な流れに乗って細大漏らさず伝え、その創意の豊かさで聴き手を驚かせます。 世界初の全集として高品位のスタンダードを目指したであろう端正なグリフィス盤に対して、ニソネン盤は作品の持つ感情表現のポテンシャルを引き出すことに挑戦し、見事な成果を挙げています。ベートーヴェンの名を借りなくても、聴く人を驚かせ感心させる作品であることを知らしめる快演と言えるでしょう。 (曲目・内容欄に続く)
収録作曲家:
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〈HAYDN 2032 第15集〉
~王妃~
ハイドン(1732-1809):
交響曲 第50番・第62番・第85番 [ジョヴァンニ・アントニーニ、バーゼル室内管弦楽団]発売日:2024年05月03日
CD国内仕様 解説日本語訳付き価格:3,300円(税込、送料無料)
後期の傑作群への推移を示す充実作3作。
スリルと深みの交錯はアントニーニならでは!40年近くの歳月を通じて100曲以上の充実した交響曲を書き、門弟ベートーヴェンの同分野における新境地の開拓を導いた“交響曲の父”ハイドン。作曲家生誕300周年の2032年までに、時に関連作も交えつつ現存する彼の交響曲を全て録音する「HAYDN 2032」プロジェクトで指揮を務めるのは、古楽器演奏の分野で目覚ましい存在感を発揮し続けてきた異才ジョヴァンニ・アントニーニ。2014年の企画開始以来、指揮者と演奏者たちの才気と深い洞察が隅々まで行き届いた才気煥発な新解釈で注目を集めてきました。 入念かつ順調に中盤に差し掛かったプロジェクトの第15弾に選ばれたのは、ハイドンの作曲活動の拠点エステルハージ侯爵家での創造力の結実が遠隔地から注目を集めつつあった作曲家40~50代の充実作3曲。宮廷劇場を沸かせた舞台音楽に由来するドラマティックな書法を駆使、民俗調と知的洗練の間でスリリングなバランスを聴かせるハイドン随一の手腕の魅力に、アントニーニのタクトが余すところなく光を当ててゆきます。 ナチュラル金管やティンパニが華やかに活躍する第50番、全楽章が同一調による異色の第62番、そしてフランス王妃マリー=アントワネットが愛したという逸話で知られる「パリ交響曲」中の白眉・第85番…古楽器を使いこなすバーゼル室内管弦楽団の妙演もさることながら、最新研究を踏まえた背景解説(英仏独3言語、国内仕様盤では追補情報を含む日本語全訳付き )、テーマに沿った美麗写真を多数含むブックレットの充実もこのシリーズならでは。 作風の深まりに垣間見るハイドンの底知れぬ深さに気づかされる3曲、今回もじっくりお楽しみください。収録作曲家:
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〈#bruckner2024〉
ブルックナー(1824-1896):
交響曲 第1番 ハ短調(第2稿/ブロシェ版)
スケルツォ(1865年/グランジャン版) [マルクス・ポシュナー(指揮)/リンツ・ブルックナー管弦楽団]BRUCKNER, A.: Symphony No. 1 (1891 revision, ed. G. Brosche) (Complete Symphony Versions Edition, Vol. 15) (Linz Bruckner Orchestra, M. Poschner)
発売日:2024年05月03日 NMLアルバム番号:C8094
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,970円(税込)
CAPRICCIOレーベルと国際ブルックナー協会の主導で、ブルックナーの生誕200年にあたる2024年中にブルックナーの全交響曲のすべての稿(バージョン)を録音する企画 「#bruckner2024」の第15弾。 交響曲作家ブルックナーのデビュー作「第1番」をめぐる興味深いアルバム。最後に収められた1865年作のスケルツォは第1番のスケルツォ楽章として作曲されたと見られますが、後に差し替えられたため、演奏・録音の機会に恵まれませんでした。主部は第1稿、第2稿のスケルツォとは別物ですが、トリオの素材は共通しており、ブルックナーの音楽的成長を知る上で興味深いものです。ここでは1995年に出版された楽譜を使用。もはやブルックナーのスペシャリストの感のある当コンビの録音は貴重な資料となります。 交響曲第1番は1865年に着手され、翌66年に完成(第1稿)、68年にリンツで初演された後、1877年以後数回の改訂を経て91年に改訂版(第2稿)が完成しました。2つの稿の間には基本的な素材や構造の面では大きな違いはありませんが、第8番までの経験をふまえて世に出された第2稿ではオーケストレーションがより熟達し、アーティキュレーションやフレーズは理解しやすいように整えられています。 この点をブルックナーのオリジナルの発想が薄められたと見るか、完成度が高められたと取るか、評価の分かれるところですが、作曲家が公認して出版した演奏会用バージョンとしての第2稿の地位が揺らぐことはなく、両者を比べて楽しみたいところです。 ※国内仕様盤には石原勇太郎氏(音楽学/国際ブルックナー協会会員)による日本語の解説が付属します。
収録作曲家:
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リース(1784-1838):
交響曲全集[4枚組] [ハワード・グリフィス(指揮)/チューリヒ室内管弦楽団]発売日:2024年05月03日
CD 4枚組国内仕様 日本語解説付き価格:6,600円(税込、送料無料)
“ベートーヴェンの愛弟子”が、8作もの交響曲を世に送り出していた……日本国内のプロ/アマチュアオーケストラでも演奏機会が増えつつあるフェルディナント・リース(1784-1838)の交響曲、世界唯一の全集が国内仕様盤としてリリース。 1784年にボンで生まれたリースは1801年にウィーンに移り、ベートーヴェンに師事。後に人気コンポーザー・ピアニストとして欧州各地を席巻しました。ピアノ・ソナタやピアノ協奏曲を始め、交響曲、弦楽四重奏曲からオペラやオラトリオに至る幅広いジャンルに作品を書いたのは師ベートーヴェンに通じます。作風は盛期古典派様式から初期ロマン派のスタイル。8曲の交響曲はすべてオーソドックスな4楽章構成で、曲想も構成も親しみ易く、ベートーヴェン作品を思わせるモチーフが随所に登場します。 2024年2月にはパシフィックフィルハーモニア東京が飯森範親の指揮で交響曲第1番が日本初演されたのに続き、7月には同メンバーにて交響曲第2番の日本初演も予定されているなど、ますます古典派の作曲家としてのフェルディナント・リースへの注目が高まっています。 国内仕様盤には『ベートーヴェンの愛弟子~フェルディナント・リースの数奇なる運命』の著者、かげはら史帆氏による日本語解説が付属します。
収録作曲家:
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DISSONANCE(不調和)
ラフマニノフ(1873-1943):
歌曲集 [アスミク・グリゴリアン、ルーカス・ゲニューシャス]発売日:2024年04月26日
CD国内仕様 日本語解説、歌詞訳付き価格:3,520円(税込、送料無料)
アスミク・グリゴリアンによるダイナミックなラフマニノフ!
歌詞日本語訳付国内仕様が登場ザルツブルク音楽祭、バイロイト音楽祭、コヴェント・ガーデン王立歌劇場などのステージにおいて、圧倒的な歌唱力と表現力で聴衆を魅了し続けているアスミク・グリゴリアン。今や日本でも、ノット指揮東京交響楽団による《サロメ》の成功などで高い人気を誇る彼女にとって、初のソロ・アルバムであったラフマニノフの歌曲集に国内仕様盤が登場。 彼女自身が「ラフマニノフの歌曲はオペラなみの力強い表現が必要。彼は数分のオペラを何曲も書いた」と語るように、ここで聴かせる彼女のダイナミックな歌唱には驚かされます。そしてそれをピアノで支えるのは、ショパン・コンクール、チャイコフスキー・コンクールなどでの輝かしい受賞歴のほか、世界中の大ホールで演奏経験を積んできたルーカス・ゲニューシャスという万全の布陣。グリゴリアンの幅広い表現の魅力を存分に味わうことの出来る、聴き応えたっぷりのアルバムです。 国内仕様盤には『ラフマーニノフ歌曲歌詞対訳全集』などの著書のある伊東一郎氏による日本語解説と、歌詞日本語訳が付属します。収録作曲家:
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チャイコフスキー(1840-1893):
歌劇《チャロデイカ》 [フランクフルト歌劇場/アスミク・グリゴリアン(ソプラノ)/イアン・マクニール(バリトン)/アレクサンドル・ミハイロフ(テノール) 他/指揮:ヴァレンティン・ウリューピン/フランクフルト歌劇場管弦楽団&合唱団]発売日:2024年04月26日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:5,500円(税込、送料無料)
フランクフルト歌劇場よりチャイコフスキー円熟期の隠れた名作歌劇《チャロデイカ》登場 ――
アスミク・グリゴリアンが歌う迫真の愛憎ドラマ!チャイコフスキーが生涯に完成させた11作(改作を除くと10作)のオペラの最後から3番目に当たる歌劇《チャロデイカ》は、同名の戯曲の作者、劇作家イッポリート・シュパジンスキーに台本を委嘱。1885年から作曲に取りかかり1887年初冬、サンクトペテルブルクのマリインスキー劇場でチャイコフスキー自身の指揮で初演されました。 交響曲第5番(1888年)、バレエ『眠りの森の美女』(1890年)、歌劇《スペードの女王》(1890年)などに先立つ作曲家の円熟期に作曲されたこの作品は、その初演時にドラマトゥルギーの弱さ(冗長さ)から酷評を受けたと伝えられています。作曲家は、それにめげることなく「…私は決して絶望していません。これは慣れなければならないオペラなのです。聴衆の耳がこのオペラに慣れれば、いずれはレパートリーとして定着するでしょう…(旧暦1887年11月9日付ユリア・シュパジンスカヤ宛の手紙)」と、述べています。 しかし、3年後1890年のモスクワ初演もさしたる成功を収めることもなく、20世紀中盤にソ連時代のロシアでの蘇演はあったものの、国際的にはほとんど上演されることのない作品として、現在に至っています。 (曲目・内容欄に続く)収録作曲家:
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ドニゼッティ(1797-1848):
歌劇《当惑した家庭教師》 [ドニゼッティ音楽祭/アレッサンドロ・コルベッリ(バリトン)/アレックス・エスポージト(バス・バリトン)/フランチェスコ・ルチイ(テノール) 他/指揮:ヴィンチェンツォ・ミッレタリ/ドニゼッティ歌劇場管弦楽団&合唱団]発売日:2024年04月26日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:4,950円(税込、送料無料)
若きドニゼッティの秀作歌劇《当惑した家庭教師》 ――
ローマ初演版による蘇演舞台映像!若きドニゼッティが作曲した歌劇《当惑した家庭教師》は1824年、ローマで初演され大好評を博したと伝えられています。本作は、ドニゼッティの生地ベルガモのドニゼッティ財団と市の共同プロジェクトとして2015年に発足し、ドニゼッティの作品上演に革新的な新風を吹き込んできた「ドニゼッティ音楽祭」の新制作となるローマ初演版の蘇演舞台です。 「ドニゼッティ音楽祭」の芸術監督、フランチェスコ・ミケーリによる演出は、舞台を2042年の近未来に置き、デジタル技術(SNS、タブレット、VRゴーグル、アバターと思しき登場人物など)が教育現場を席巻する様を諷刺しつつ、旧弊な道徳に囚われた父親と自由な男女交際を求める息子たち、その間を取り持つ家庭教師の姿を活写しています。 ドン・ジューリオ役のアレッサンドロ・コルベッリ、家庭教師グレゴーリオ役のアレックス・エスポージトというオペラ・ブッファの重鎮たる二人の名歌手を中心に、ドニゼッティ劇場財団が運営するマスタークラス「ボッテーガ・ドニゼッティ」の研修生から選抜された活きの良い若手歌手たちが、1990年生まれの新鋭ヴィンチェンツォ・ミッレタリの軽快で瑞々しいタクトに導かれた音楽に応えて、溌剌とした演技歌唱を繰り広げます。収録作曲家:
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メンデルスゾーン(1809-1847):
交響曲全集
劇音楽『夏の夜の夢』(抜粋) [パーヴォ・ヤルヴィ、チューリヒ・トーンハレ管弦楽団]発売日:2024年04月12日
CD 4枚組国内仕様 日本語解説、歌詞日本語訳付き価格:6,930円(税込、送料無料)
パーヴォ・ヤルヴィ&トーンハレ管のメンデルスゾーン、一挙全集で登場!交響曲全5曲に『夏の夜の夢』まで収録した4枚組のボリュームで登場の、パーヴォ・ヤルヴィによるメンデルスゾーン。この作曲家らしい瑞々しいメロディと躍動的なリズム、そして若々しい疾走感といった各作品の魅力を十二分に生かした、美しくもテンションの高い演奏を聴かせています。 ドイツを中心とした歌劇場で活躍するチェン・レイスとカタリナ・コンラディ、バロックから古典派の宗教作品を得意とするマリー・ヘンリエッテ・ラインホルトとパトリック・グラール、来日ツアーも成功させているプエルトリコ系アメリカ人ソプラノのソフィア・ブルゴスと、個性的な歌手陣が随所で持ち味を生かしているのもポイント。 さらに低音金管古楽器の名手パトリック・ヴィバールが『夏の夜の夢』にオフィクレイドで、「宗教改革」には(原盤ブックレットに表記がありませんが)セルパンで参加、「讃歌」のオルガンは名手クリスティアン・シュミットが務めています。
収録作曲家:
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ベートーヴェン(1770-1827):
交響曲 第3番 「英雄」
「コリオラン」序曲 [イヴァン・フィッシャー、ブダペスト祝祭管弦楽団]BEETHOVEN, L. van: Symphony No. 3, "Eroica" / Coriolan Overture (Budapest Festival Orchestra, I. Fischer)
発売日:2024年04月12日 NMLアルバム番号:CCSSA46524
SACD-Hybrid国内仕様 日本語解説付き価格:3,630円(税込、送料無料)
精悍にして気品と詩情を併せ持つ、
イヴァン・フィッシャーとブダペスト祝祭管による「英雄」第7番(2006年)、第4番と第6番(2010年)、第1番と第5番(2017年)と、稀に見るスロー・ペースで進められているイヴァン・フィッシャーとブダペスト祝祭管によるベートーヴェン・シリーズに「英雄」が登場。53分(繰り返し全てあり)という、近年ではゆったり目のテンポ設定ながら遅いという印象をほとんど感じさせません。精悍で引き締まった第1楽章に始まり、低い重心でじっくりと歌い込まれフーガのクライマックスも雄大な第2楽章、特徴的なリズムを際立たせた第3楽章、堅固な構造美を感じさせながら気品と力強さを両立させた第4楽章と、心地よい緊張の糸が切れることのない素晴らしい演奏となっています。 「コリオラン」もメリハリのある骨太の演奏で聴き応えあり。DSD256録音による高音質を最大限引き出すSACDハイブリッド・ディスクでの発売も嬉しいところです。 国内仕様盤には鈴木淳史氏による日本語解説付。収録作曲家:
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サン=サーンス(1835-1921):
歌劇《デジャニール》(全曲) [山田和樹、モンテカルロ・フィル、ケイト・アルドリッチ、ジュリアン・ドラン、アナイス・コンスタン ほか]SAINT-SAËNS, C.: Déjanire [Opera] (Aldrich, Dran, Constans, Monte Carlo Opera Choir, Monte-Carlo Philharmonic, Kazuki Yamada)
発売日:2024年04月12日 NMLアルバム番号:BZ1055
CD 2枚組+Book国内仕様 日本語解説・歌詞全訳付き価格:7,260円(税込、送料無料)
山田和樹の快挙!
サン=サーンス最後のオペラ《デジャニール》世界初録音1898年、ルイ・ガレによる悲劇のための劇付随音楽としてベジエの野外競技場で初演された『デジャニール』でしたが、サン=サーンスはこれを音楽的に発展させ歌劇として再構成することを計画。劇音楽初演の年にガレが亡くなったことを受けて台本はサン=サーンス自らが手を入れ、1911年、歌劇《デジャニール》はモンテカルロで初演されました。 物語はギリシャ神話のヘラクレスの最期を題材としたもので、古代ギリシャのトラキスが舞台。トラキス地方の町オエカリアを征服したエルキュール(ヘラクレス)は、王の娘イオール(イオレ)を我が物にしようとするものの、妻のデジャニール(デーイアネイラ)の激しい拒否にあい、さらに友人のフィロクテート(ピロクテーテス)に裏切られイオールを奪われてしまいます。デジャニールはエルキュールが殺めたケンタウロスであるネッシュ(ネッソス)の血の付いた上着をエルキュールに着せると、その魔法の力で彼の心を変えられると信じて計画を練りますが…。 サン=サーンスが残した最後のオペラであるこの作品は、コーラングレ、バス・クラリネット、ソプラノ・サクソフォン、コントラファゴット、バス・トランペット、ハープ2台などを含む3管編成の管弦楽のほか舞台裏にブラスバンドを置くという大規模な編成で書かれており、スペクタクルな響きや美しいメロディ・ラインなどサン=サーンスらしい場面に溢れるほか、丁々発止のやり取りに添えられた鬼気迫る音楽などはワーグナーを思わせるところもあり、これまでほとんど顧みられなかったことが不思議なほどの充実ぶり。初演の地モンテカルロで山田和樹が持ち前の牽引力を発揮し、作品の魅力を十二分に引き出す素晴らしい演奏を披露しています。 原盤ブックレットは写真資料も豊富な145ページに及ぶもの(仏・英語)。国内仕様盤にはオペラ研究家岸純信氏による解説と、山下賢司氏による貴重な歌詞全訳が付属します。収録作曲家:
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風景
フランス・ロマン派の歌曲、管弦楽曲集(管弦楽伴奏歌曲集) [ヴェロニク・ジャンス、エルヴェ・ニケ、ミュンヘン放送管弦楽団]Vocal Recital (Soprano): Gens, Véronique - CHAUSSON, E. / DUBOIS, T. / FAURÉ, G. / GOUNOD, C.-F. / HAHN, R. / MASSENET, J. (Paysage)
発売日:2024年04月05日 NMLアルバム番号:ALPHA1030
CD国内仕様 日本語解説・歌詞訳付き価格:3,520円(税込、送料無料)
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〈#bruckner2024〉
ブルックナー(1824-1896):
交響曲 第7番 ホ長調(ホークショー版) [マルクス・ポシュナー(指揮)/ウィーン放送交響楽団]BRUCKNER, A.: Symphony No. 7 (ed. P. Hawkshaw) (Complete Symphony Versions Edition, Vol. 14) (ORF Vienna Radio Symphony, M. Poschner)
発売日:2024年04月05日 NMLアルバム番号:C8091
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,970円(税込)
CAPRICCIOレーベルと国際ブルックナー協会の主導でブルックナーの交響曲全11曲全18ヴァージョン(稿)を録音する企画 「#bruckner2024」に名作の誉れ高い第7番が登場。新校訂版の使用と、ポシュナー&ウィーン放送響の高度に洗練された演奏にも注目です。 ICMA(International Classical Music Award)2024の特別賞「Spcecial Achivement Award」を受賞、「私たちが習慣にしてきた聴き方と伝統と見なしてきたものを問い直す」と讃えられた#bruckner2024。第7番ではポール・ホークショーによる新校訂版(NBG III/1: 7、2024年2月時点で未出版)を使用しています。 アルトゥール・ニキシュやヘルマン・レヴィが「ベートーヴェン亡き後に書かれた交響曲の中で最も重要なもの」等と高く評した第7番は、早くに成功を収めたこともあり、稿は一つしかありません。しかし、ウィーン国立図書館に所蔵されている自筆総譜(整理番号 Mus.Hs 19479/1-3)には、1883年9月の完成から1885年に印刷用の彫版を起こすまでの間に書き込まれた追加や変更が少なからずあり、作曲家が意図した最終形を読み取る上での課題となって来ました。ハースは曲が最初に完成した時の姿を求め、ブルックナー自身によるものも含めて後から書き加えられた部分を除去し、ノーヴァクは取捨選択の上で(しばしばカッコに入れるなどして)加筆部分を盛り込んでいますが、そこにはブルックナー以外の人物による加筆も含まれています。 新ブルックナー全集の編集主幹で#bruckner2024の監修者でもあるホークショーは、上記自筆総譜においてブルックナー自身が書いたか、承認したとされるものをすべて盛り込むべく努めたと当CDの原盤解説(英語とドイツ語)で書いています(第2楽章クライマックスではシンバルとトライアングルが効果的に用いられています)。詳細は楽譜出版と校訂報告を待たねばなりませんが、演奏上の選択肢が複数提示されている箇所もあると思われます。 (曲目・内容欄に続く) ※国内仕様盤には石原勇太郎氏(音楽学/国際ブルックナー協会会員)による日本語の解説が付属します。
収録作曲家:
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ニールセン(1865-1931):
歌劇《仮面舞踏会》 [フランクフルト歌劇場/アルフレート・ライター(バス)/スーザン・ブロック(ソプラノ)/マイケル・ポーター(テノール) 他/指揮:ティトゥス・エンゲル/フランクフルト歌劇場管弦楽団&合唱団]発売日:2024年03月29日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:4,950円(税込、送料無料)
斬新な新制作歌劇の上演で注目を集めるフランクルト歌劇場が放つ
ニールセン唯一のコミック・オペラ《仮面舞踏会》!近代デンマークを代表するシンフォニスト、ニールセンによる歌劇《仮面舞踏会》。この作品はヴェルディによる同名のオペラが悲劇なのに対し、ヨハン・シュトラウスやオッフェンバックのオペレッタをも連想させるコミック・オペラです。 18世紀初頭のデンマーク=ノルウェー同君連合時代の高名な作家、哲学者のルズヴィ・ホルベアの戯曲をもとにニールセンの盟友ヴィルヘルム・アンデルセンが執筆した台本に作曲。その音楽は、流麗で親しみやすい楽想や溌剌としたバレエ音楽など、ニールセンの声価を高めた交響曲とはかなり異なる相貌を見せています。 2021年12月にフランクフルト歌劇場でプレミエ上演された新制作《仮面舞踏会》は、この公演のために気鋭の演出家マーティン・G.ベルガーが、オリジナルのデンマーク語台本から新訳のドイツ語台本を作成。いま世界のオペラシーンで最も注目を浴びる演出家のひとりトビアス・クラッツァーの、舞台を現代に置き換えた刺激的な演出と共に、デンマークでは国民的オペラとして定着しているこの傑作を、国境を越えて広めようという意図で制作されました。 バロック音楽から、現代オペラ、バレエ音楽まで、幅広いレパートリーを誇るティトゥス・エンゲルの振るフランクフルト歌劇場のオーケストラの活気溢れる演奏に乗せて、イェロニムス役のアルフレート・ライター、マグデローネ役のスーザン・ブロック、ふたりの名歌手を中心にフランクフルト歌劇場所属の若手アンサンブル・メンバーとダンサーたちが舞台狭しと歌唱演技、ダンスを繰り広げます。収録作曲家:
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ブゾーニ(1866-1924):
歌劇《ドクトル・ファウスト》 [フィレンツェ五月音楽祭/ディートリヒ・ヘンシェル(バリトン)/ダニエル・ブレンナ(テノール)/ヴィルヘルム・シュヴィングハマー(バス) 他/指揮:コルネリウス・マイスター/フィレンツェ五月音楽祭管弦楽団&合唱団]発売日:2024年03月29日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:5,500円(税込、送料無料)
フェルッチョ・ブゾーニ没後100年周年記念企画!
フィレンツェ五月音楽祭よりブゾーニ畢生の大作 歌劇《ドクトル・ファウスト》登場ヴィルトゥオーゾ・ピアニスト、作曲家、編曲者、指揮者、教育者として19世紀末から20世紀初頭にかけて多彩な音楽活動を繰り広げたブゾーニが、そのキャリアの集大成として取り組んだ歌劇《ドクトル・ファウスト》は、ヨーロッパ中世のファウスト伝説に基づく人形劇(プッペンシュピーレ)とシェイクスピアと同時代のイングランドの劇作家クリストファー・マーロウの戯曲『フォースタス博士』を素材にブゾーニ自身が台本を執筆。完成間近にブゾーニの死によって未完となったこの作品は、弟子のフィリップ・ヤルナッハに引き継がれ作曲家の死の翌年(1925年)ドレスデンで初演されました。 その作風は、同世代の作曲家リヒャルト・シュトラウス(後期ロマン派)やピエトロ・マスカーニ(ヴェリズモ・オペラ)らと一線を画す、「起こり得ないことの現実性による劇作法」を標榜した作曲家の真価を示す作品として、近年、再評価の機運が高まっています。 フィレンツェ五月音楽祭で上演された本作は、イタリア演出界の鬼才ダヴィデ・リヴェルモーレのプロジェクション・マッピングを大胆に使用した演出により、ゴシックホラーと見まがうばかりの不気味な雰囲気を湛えています。1997年、リヨン歌劇場でファウスト役を演じて以来、この役を嵌まり役とするディートリヒ・ヘンシェル、加えてウィーン国立歌劇場でそのキャリアを築いてきた、パルマ公爵夫人役のオルガ・ベスメルトナを始めとした粒ぞろいの歌手たちを起用。近現代の作品をその中心レパートリーとするコルネリウス・マイスターの雄弁なタクトが、複雑に構成されたブゾーニの音楽から劇的な響きと抒情的な陰影を見事に引き出しています。収録作曲家:
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ヴィヴァルディ(1678-1741):
ヴァイオリン協奏曲集『四季』
ラ・フォリア
アリア「太陽の強い輝きは」 [ジュリアン・ショーヴァン、ポール=アントワーヌ・ベノス=ディアン、ル・コンセール・ド・ラ・ロージュ]VIVALDI, A.: Four Seasons (The) / Trio Sonata, RV 63, "Follia" (Chauvin, Le Concert de la Loge)
発売日:2024年03月22日 NMLアルバム番号:ALPHA1005
CD国内仕様 日本語解説・歌詞訳付き価格:3,300円(税込、送料無料)
新鮮解釈、ショーヴァンの「四季」と「ラ・フォリア」モーツアルトの後期交響曲や「レクイエム」のような有名作をこれまでにない視点からの新解釈で披露し、世界中の音楽ファンを新鮮な驚きと共に楽しませてくれているジュリアン・ショーヴァンによる『四季』が登場。 子供たちや俳優など様々な人々とこの作品で共演してきたという彼ら。特に、パリ五輪の公式ダンスでも話題のフランスの振付師ムラッド・メルズキのダンサー達からは大きな影響を受けたと言い、極端な独創性や誇張されたダイナミクスなどに頼ることなく、自然な身体的バランスと呼吸、自発性から今回の演奏が生まれたということです。 とはいえ、ここに聴く演奏は十分に刺激的。曲順は通常の「春」からではなく「秋」から始められており、間に近年発見されたヴァイオリンのオブリガート付きアリアを挟み、最後にはフォリアを置くという構成となっています。弦楽を各パート一人ずつに絞った緊密なやり取りの中で映えるショーヴァンの緩急織り交ぜた妙技のほか、テオルボとバロック・ギターには名手キート・ガートも参加してアンサンブルを支え、時には煽るように先導することも。 名盤あまたの『四季』ですが、異彩を放つ注目盤がまた一つ加わりました。
収録作曲家:
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ゲーハ=ペイシ(1914-1993):
ラグーナからの撤退(管弦楽作品集) [アブネル・ランディム(ヴァイオリン)/ニール・トムソン(指揮)/ゴイアス・フィルハーモニー管弦楽団]GUERRA-PEIXE, C.: Retirada da Laguna (A) / Violin Concertino / Museu da Inconfidência (Landim, Goiás Philharmonic, N. Thomson)
発売日:2024年03月22日 NMLアルバム番号:8.573924
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,200円(税込)
「交響的組曲第1番、第2番」のCD(NYCX-10322/8.573925)が『レコード芸術』や『朝日新聞』等で称賛され、突如として注目を集めた20世紀ブラジルの作曲家セーザル・ゲーハ=ペイシ、待望の新録音が登場。「ラテンのノリ」というイメージに相応しいリズムと色彩に、時としてショスタコーヴィチを思わせる劇的でシリアスな場面描写を伴う作品群に注目です。 ゲーハ=ペイシは、ポルトガル移民でアマチュアの音楽家だった父からギターを学び、音楽学校でヴァイオリンを学んだ後、指揮者・教育者として活躍。ラジオ・テレビ番組や映画のための音楽も手掛け、ブラジルのフォーク・ミュージックの要素を取り入れた作品を残しています。 冒頭の「ラグーナからの撤退」は、1867年のブラジルとパラグアイの戦争を描いた小説にインスパイアされた交響組曲風の作品。演奏時間40分余りの大作で、勇壮で高揚感のある第1部、恐怖、飢饉、疫病などさまざまな危機に直面するブラジル軍を描いた第2部、戦死者たちを悼みながら撤退する兵士たちを描く第3部で構成されており、最後は悲劇を浄化し平和を願うかのような抒情的な旋律で締めくくられます。最後の 「インコフィデンシア博物館」は、ポルトガルからの独立運動の引き金となった事件の指導者で悲劇的な死を遂げたチラデンテスへのオマージュ的作品です。両曲とも場面や心情描写に長けたゲーハ=ペイシの手腕が遺憾なく発揮されており、熱気をはらみ、時として鬼気迫るようなサウンドと共に、聴く人の心にストレートに迫る力をもっています。 悲劇的要素の強い2作に挟まれた「独奏ヴァイオリンと室内管弦楽のためのコンチェルティーノ」は、ヴァイオリニストでもあったゲーハ=ペイシの面目躍如とした陽気でエンターテインメント性の高いコンサート・ピース。ブラジル北部の民族文化を取り入れながら新しい作品の創作をめざす「アルモリアル運動」から生まれた作品で、民族色豊かな旋律とリズムに乗ってソロが華麗な技巧を披露してゆく音楽は理屈抜きに楽しめるものです。 ※国内仕様盤には木許裕介氏(指揮者/日本ヴィラ=ロボス協会会長)の日本語解説が付属します。
収録作曲家:
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モーツァルト(1756-1791):
ピアノ協奏曲 第6番&第8番
3台のピアノのための協奏曲 [ロバート・レヴィン(タンジェント・ピアノ)/ヤ=フェイ・チュアン(フォルテピアノ)/ローレンス・カミングズ(チェンバロ/指揮)/ボヤン・チチッチ(指揮)/アカデミー・オヴ・エンシェント・ミュージック]発売日:2024年03月15日
CD国内仕様 日本語解説付き価格:3,300円(税込、送料無料)
長い中断の後、2023年春にレーベルを変えて再開したレヴィン&AAMによるモーツァルト:ピアノ協奏曲の全曲録音。第4集は1776年にザルツブルクで作曲された協奏曲を集めています。 注目は鍵盤楽器の選択。当時のザルツブルクではチェンバロまたはクラヴィコードという言葉が鍵盤楽器全般を指して使われていました。モーツァルトが「チェンバロ」と書いた曲に強弱記号があるのもそうした背景によります。 レヴィンはこれらの作品に取り組むにあたり「チェンバロとフォルテピアノの中間的な存在でクラヴィコード的な性格もある」タンジェント・ピアノ(タンゲンテンフリューゲル)を使用。フォルテピアノに比べると音質は軽くて音量も小さめですが、4/3/2/2/1の弦の編成とうまくマッチして俊敏な音楽を透明なテクスチュアで奏でています。 3台の鍵盤楽器のための協奏曲ではフォルテピアノとチェンバロを加えることで3種の音色が生み出す華麗な効果が生まれ、各パートの音の動きを追いやすくなりました。 今回も64ページのブックレット(英語のみ)に、曲目解説と演奏者のプロフィールに加え、使用楽器の詳細や、AAM楽団員へのインタビュー、製作スタッフの回想等を掲載し、充実した内容となっています。ジャケットにはこのシリーズ共通で、AAMの創設者ホグウッドが愛好したパウル・クレーの絵が使われています。 ※国内仕様盤には大津聡氏による日本語解説が付属します。
収録作曲家:
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〈#bruckner2024〉
ブルックナー(1824-1896):
交響曲 第3番 ニ短調(第3稿 ノーヴァク版) [マルクス・ポシュナー(指揮)/リンツ・ブルックナー管弦楽団]BRUCKNER, A.: Symphony No. 3 (1889 version, ed. L. Nowak) (Complete Symphony Versions Edition, Vol. 13) (Linz Bruckner Orchestra, M. Poschner)
発売日:2024年03月08日 NMLアルバム番号:C8088
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,970円(税込)
CAPRICCIOレーベルと国際ブルックナー協会の主導で、ブルックナーの生誕200年にあたる2024年中にブルックナーの全交響曲のすべての稿(バージョン) を録音しようという企画 「#bruckner2024」の第13弾。 ブルックナーの第3番には3つの稿があり、第1稿、第2稿、第3稿と進むにつれて小節数は少なくなります。1872年に一旦の完成を見た第1稿から1889年の第3稿までの間には、オーケストラに自作の演奏を拒否されたこともありましたが、第7番ではついに大きな成功をおさめ、第8番(第1稿)の初演も成し遂げていました。そうした体験を経て改訂された第3番の第3稿は、先行の稿に比べて洗練されて無駄がなく、より効果的な音楽となっており、1890年の初演も大成功に終わりました。 一方で、荒々しいファンタジーが噴出し渦巻く「ブルックナーらしさ」が減ってしまったとの指摘もあります。ブルックナー研究者のトーマス・レーダーが「何はともあれ、作曲者が他の稿の演奏を禁じてこれを『決定稿』とした事実は重んじられなければならない」と語る第3稿、練達のブルックナー解釈者となったポシュナーの指揮は、各楽想に応じたテンポと表現の描き分けが精緻で明快。この曲の古典的な造形とロマン的な雰囲気を十全に伝えてくれます。 ※国内仕様盤には石原勇太郎氏(音楽学/国際ブルックナー協会会員)による日本語の解説が付属します。
収録作曲家:
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R.シュトラウス(1864-1949):
バレエ音楽『ヨゼフ伝説』 Op.63 TrV 231 [ファブリース・ボロン(指揮)/シュターツカペレ・ハレ]STRAUSS, R.: Josephslegende(The Legend of Joseph) (Staatskapelle Halle, Bollon)
発売日:2024年03月08日 NMLアルバム番号:8.574551
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,200円(税込)
1914年、第1次世界大戦による世界情勢不安の時期に誕生したリヒャルト・シュトラウスのバレエ『ヨゼフの伝説』。1912年、ディアギレフのロシア・バレエ団(バレエ・リュス)の公演に感銘を受けた詩人ホフマンスタールが、バレエ団のために作品を書くことを構想。友人のケスラー伯爵とともに、旧約聖書から「エジプト王宮の侍従長ポティファルの妻の誘惑を拒み、苦境に陥る若者ヨゼフの物語」をもとに台本を作成し、シュトラウスに作曲を依頼しましたが、シュトラウスは、この清廉潔白な物語になじめず「退屈なものに音楽をつけるのは難しい」と語り、最初につけた音楽はモーツァルトを思わせる18世紀風のものでした。 このバレエをニジンスキーに踊ってもらうことを想定していたホフマンスタールはこの音楽に満足することなく、ケスラーと共に台本を修正、作曲を渋るシュトラウスを再度奮い立たせることで、ようやくコントラファゴットまでを用いた大編成のオーケストラによるエキゾチックな響きが存分が盛り込まれた煌びやかな作品が完成しました。しかし、初演時にニジンスキーがバレエ団を離れてしまったため、主役はレオニード・マシーンが躍ることになるなどトラブルが続出。実は、シュトラウスは若きマシーンを評価していませんでしたが、それでも1914年5月14日のパリ・オペラ座初演は成功裡に終わり、上演後にシュトラウスは盛大なカーテンコールを受けています。 その後ロンドンでトーマス・ビーチャムの指揮で6回公演が行われるなど、一時的に人気を博しました。戦時中は演奏されることがありませんでしたが、戦後に各地で演奏されるようになり、作品の再評価が進みました。 作曲家、アレンジャーとしても活躍する指揮者ファブリース・ボロンが、シュターツカペレ・ハレから官能的な響きを紡ぎだしています。 ※国内仕様盤には広瀬大介氏による日本語の解説が付属します。
収録作曲家:
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リュリ(1632-1687):
テ・デウム
詩篇 第19篇 [ステファーヌ・フュジェ、レゼポペー、ヴェルサイユ・バロック音楽センター合唱団]発売日:2024年03月08日
CD国内仕様 解説・歌詞日本語訳付き価格:3,520円(税込、送料無料)
一体感と自発性。
ヴェルサイユに集う本場最高峰の古楽奏者勢が聴かせるリュリの至芸21世紀のフランス古楽界で実力ある音楽家たちと信頼関係を深めながら、声楽指揮者として着実に存在感を高めてきたステファーヌ・フュジェ。Château de Versailles Spectaclesレーベルでは太陽王ルイ14世の王室音楽総監督リュリが残したグラン・モテ(大規模な器楽合奏と合唱で演奏される教会音楽)の体系的録音を進めてきましたが、第4作となる今回のアルバムでは王室祝賀行事など晴れがましい場面で愛奏される、リュリの傑作『テ・デウム』(リュリはこの作品の演奏中拍子をとる杖で自らの足を傷つけ、これが元となり2か月後に亡くなりました)を中心とする選曲が見逃せません。 華やかな金管の吹奏で始まる冒頭部(少し後にシャルパンティエも同種の傑作でこの手法を踏襲しています)が印象的なこの作品の演奏に際し、フュジェはその頃の習慣を踏まえてルイ14世の入場を暗示するティンパニとトランペットを使った当時の祝典音楽でアルバムを開始。レザ―ル・フロリサンやレ・タラン・リリクなど古楽シーン最前線の楽団を支えてきた名手マリー=アンジュ・プティの鮮烈な撥捌き、野趣と気高さを兼ね備えたマドゥーフ兄弟らのナチュラル・トランペットの吹奏が導くリュリ作品の解釈は緩急自在、後続の詩篇第19篇と共に細部まで深い味わいをよく引き出してやみません。 総勢50に上る合唱はヴェルサイユ・バロック音楽センターの合唱団に加え、フュジェの楽団レゼポペーのソリストたちが小合唱を構成。こちらもクレール・ルフィリアトルやシリル・オヴィティなど実力派が揃い、24人の弦楽器奏者に多くの管楽器奏者と鍵盤・撥弦各2名が加わる器楽勢と共に、いかなる局面でも精緻な音作りで自発性豊かな演奏を聴かせてくれます。 -
三曲の芸術 [邦楽四重奏団]
発売日:2024年03月08日
CD国内仕様 解説日本語訳付き価格:3,300円(税込、送料無料)
一柳慧作品収録、
邦楽四重奏団による新録音アルバム登場フランスのOCORAレーベル7枚目の邦人演奏家による録音として、「邦楽四重奏団」によるCDが発売される。メンバー全員が東京藝術大学邦楽科出身というこのグループの演奏は、今までとは一味違った先達の教えを守りつつ新たな地平を模索している。特筆すべきは日本の伝統的レパートリーに加えて、いわゆる民族音楽に特化しているOCORAにとって初となる現代作品とのカップリングである。「邦楽四重奏団」が作曲家自身に親しく教えを受けた一柳慧「花の変容」も同時に収録されているこのCDは伝統の再確認と未来へ繋ぐ新しい伝統を示唆する注目すべき一枚と言えよう。 ――――
板倉康明(プロデューサー) 2011年春、東京藝術大学邦楽科の卒業生により結成された邦楽四重奏団。ラジオ・フランスが運営するOCORAより、その新録音アルバムが登場します。今回は「三曲の芸術」と言う事で3人による演奏となりました。 -
マーラー(1860-1911):
交響曲 第6番 イ短調 [サイモン・ラトル(指揮)/バイエルン放送交響楽団]MAHLER, G.: Symphony No. 6 (Bavarian Radio Symphony, Rattle)
発売日:2024年03月08日 NMLアルバム番号:900217
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,970円(税込)
「首席指揮者ラトル」遂に始動!
バイエルン放送響75周年の記念すべき年に放つ得意曲のライヴ録音2023/24シーズンからヤンソンスの後を継いでバイエルン放送響の第6代首席指揮者に就任したサイモン・ラトル、マーラーの第6番やハイドンの天地創造といった得意曲でシーズン・オープニングを飾りました。特にマーラーの第6番はベルリン・フィルへの初登場(1987年)と同フィル首席指揮者としての最後の演奏会(2018年)でもとりあげた曲で、それをバイエルン放送響の任期の始めに持ってきたところに特別な思いと万全の自信がうかがわれます。 演奏はいかにも曲を手の内に収めたもので、躍動感も流動性も十分に全曲が流れてゆく様はオケの妙技と相俟って圧巻です。悲劇一色で塗りこめることなく、重層する音楽のテクスチャーをそのままに矛盾や希望もはらんだ巨大で多面的な建築物のように描き込んだ演奏は情報量も豊か。録音会場となったイザールフィルハーモニー・イン・ガスタイクHP8の音響の良さも演奏の細部を伝える上で貢献しています。 尚、ラトルとバイエルン放送響はCDリリース後の2024年3月から5月にかけてウィーン、フンランクフルト、ケルン、シカゴ、フィラデルフィア、ニューヨークで、8月から9月にかけてザルツブルク、ルツェルン、ベルリン、ロンドンでマーラーの第6番を演奏する予定で、ここからも同曲への自信が感じられます。 ※国内仕様盤には増田良介氏による日本語の解説が付属します。収録作曲家:
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〈次世代ソリストによるモーツァルト Vol.8〉
モーツァルト(1756-1791):
ピアノ協奏曲 第18番・第21番 [ジョナタン・フルネル、ハワード・グリフィス、ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団]発売日:2024年02月23日
CD国内仕様 日本語解説付き価格:3,300円(税込、送料無料)
次世代ソリストによるモーツァルトのシリーズに、ジョナタン・フルネル登場!若手から中堅までの注目ソリストが登場するモーツァルトの協奏曲シリーズ第8弾に、2021年エリザベート王妃コンクールの覇者ジョナタン・フルネルが登場。2021年にALPHAから発売されたブラームスはコンクール直前のセッション録音だったということもあり、彼にとって待望の新録音でもあります。 曲は、そのエリザベート王妃コンクールのセミ・ファイナルでも素晴らしい演奏を披露した第18番と、人気曲第21番という絶好の組み合わせ。CPOでのリース交響曲全集など古典派や初期ロマン派の解釈に秀でたハワード・グリフィス率いるモーツァルテウム管弦楽団と共に、隅々までよく歌いつつたいへん伸びやかなモーツァルトを聴かせおり、持ち前の高い表現力を存分に発揮しています。第21番でリパッティのカデンツァを弾いているのも嬉しいところ。
収録作曲家:
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音楽劇『ただ憧れを知る者だけが』
構成&演出 クリストフ・ロイ [フランクフルト歌劇場/ウラジスラフ・スリムスキー/オレーシャ・ゴロヴニョーワ(ソプラノ) 他/マリウシュ・クウブチュク(ピアノ) /フランクフルト歌劇場管弦楽団団員 他]発売日:2024年02月23日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:4,950円(税込、送料無料)
チャイコフスキーの歌曲による音楽劇、フランクフルト歌劇場より登場!本作は、世界中のオペラ・シーンで引く手あまたの演出家クリストフ・ロイが、チャイコフスキーがその生涯を通じて作曲した100曲余りの歌曲から24曲を抽出し、数曲の器楽曲を加えて構成制作した音楽劇『ただ憧れを知る者だけが』――コロナ禍下のフランクフルト歌劇場での無観客上演の収録です。 クリストフ・ロイは、かつてチャイコフスキーの《エフゲニー・オネーギン》の演出をした際、同様に声楽作品である作曲家の「歌曲」を集中的に研究し、その結果、本来はモノローグである歌曲を組み合わせてダイアローグとして立体化することにより、作曲家チャイコフスキーの生涯を象徴的なドラマとして描くことに思い至った、とインタビューで語っています。 作曲家になぞらえられた主人公に、世界の檜舞台で活躍するバリトンのウラジスラフ・スリムスキー、彼を取り巻く男女4人に舞台演技にも秀でた実力派の歌手を起用。チャイコフスキーの憧憬、憂愁、諧謔、そして激情に彩られた歌曲の数々から編み出されたドラマが、深い余韻を伴って繰り広げられます。
収録作曲家:
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ドニゼッティ(1797-1848):
歌劇《キアラとセラフィーナ》 [ドニゼッティ音楽祭/グレタ・ドヴェーリ/ファン・ジョウ/ピエトロ・スパニョーリ 他/セスト・クアトリーニ(指揮)/オーケストラ・リ・オリジナーリ/スカラ座アカデミア合唱団]発売日:2024年02月23日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:4,950円(税込、送料無料)
若きドニゼッティの秀作《キアラとセラフィーナ》200年の時を経て復活!――世界初映像化!
ドニゼッティ歌劇場&スカラ座アカデミア共同制作ドニゼッティは、ナポリ、ローマでの歌劇上演の成功を経て、20代半ばにしてミラノ・スカラ座より誉れある新作を委嘱されます。その歌劇《キアラとセラフィーナ》は、高名な作家フェリーチェ・ロマーニが台本を担当。しかし、その台本執筆の大幅な遅れにより、ドニゼッティは、ごく短期間での作曲を余儀なくされた上、リハーサルもままならない最悪のコンディションで初演(1822年10月26日)を迎えます。その結果、この作品は大不評を喫し、数回の舞台で打ち切られ、お蔵入りとなってしまいました。 本作は、その初演から200年を経た2022年12月、ドニゼッティの生地、ベルガモでの復活蘇演の舞台収録です。19世紀のオペラをピリオド楽器で演奏する目的で創設されたオーケストラ、リ・オリジナーリを、このジャンルのエキスパート、セスト・クワルティーニが率い、新国立歌劇場の《フィガロの結婚》(2017年)のアルマヴィーヴァ伯爵役で日本でもお馴染みのピエトロ・スパニョーリを中心に、スカラ座アカデミアの若手歌手を起用。イタリアの著名な服飾デザイナーで演出家のジャンルカ・ファラスキによるポップでカラフルな仮装、衣装を身につけた歌手たちの溌剌とした演技と歌唱によって若きドニゼッティの意欲作を、鮮やかに現代に蘇らせました。収録作曲家:
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〈#bruckner2024〉
ブルックナー(1824-1896):
交響曲 第2番 ハ短調(第1稿 キャラガン版) [マルクス・ポシュナー(指揮)/ウィーン放送交響楽団]BRUCKNER, A.: Symphony No. 2 (1872 version, ed. W. Carragan) (Complete Symphony Versions Edition, Vol. 12) (ORF Vienna Radio Symphony, M. Poschner)
発売日:2024年02月09日 NMLアルバム番号:C8093
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,970円(税込)
CAPRICCIOレーベルと国際ブルックナー協会の主導で、ブルックナーの生誕200年にあたる2024年中にブルックナーの全交響曲のすべての稿(バージョン) を録音しようという企画 「#bruckner2024」の第12弾。第1稿のウィリアム・キャラガン校訂版による演奏ですが、第2楽章と第3楽章の順番を入れ替えている点が目を引きます。 1868年にリンツで交響曲第1番を初演したブルックナーは続いてニ短調の交響曲に取り組み、翌69年に完成させますが、この曲に当初予定していた第2番を与えることなく、Nulte=無効と書いて封印してしまいました(今日では第0番と呼ばれることが多い)。心機一転、1871年に着手して翌年に仕上げたのがここに録音されている第2番(第1稿)です。初演は1873年、ブルックナー自身の指揮で行われました。 この録音では2005年に出版されたキャラガン版を使っていますが、第2楽章をアダージョ、第3楽章をスケルツォという、出版楽譜とは逆の配置にしています。これについて、当シリーズの監修者ポール・ホークショーは原盤解説(英語・ドイツ語)で、現在オーストリア国立図書館に収蔵されている自筆総譜ではアダージョ、スケルツォの順であること等を理由に挙げています。結果として、第7番までと同じく第2楽章に緩徐楽章、その次にスケルツォという構成になりました。 ポシュナーの演奏はこれまでと同様に曲の構造に応じてテンポを明瞭に切り替えるもので、他の録音と比べて速い箇所はより速く進めて軽快かつ迫力ある印象を与えますが、緩やかな箇所はしっかりとテンポを落として清澄な抒情の雰囲気を描き出します。全体の演奏時間は61分弱で、ブロムシュテット指揮のゲヴァントハウス盤と並んで同曲の最短レベルですが、ブロムシュテットと比べると第1楽章とスケルツォが速く、アダージョとフィナーレはより長い時間をかけています。 ※国内仕様盤には石原勇太郎氏(音楽学/国際ブルックナー協会会員)による日本語の解説が付属します。
収録作曲家:
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ツェルニー(1791-1857):
夜想曲集 [ロベルテ・マムー(ピアノ)]CZERNY, C.: Nocturnes, Opp. 368, 537 and 604 (Mamou)
発売日:2024年02月09日 NMLアルバム番号:8.574581
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,200円(税込)
あのツェルニーのノクターン(夜想曲)!
ロマンティックで創造性豊かなOp.604は特に注目日本ではもっぱら「練習曲の作曲家」として知られているカール・ツェルニー。しかし最近では研究も進み、ベートーヴェンの弟子であり、リストの師としての人物像に光があたるようになってきました。66年の生涯に、未出版も含め1000曲以上の作品を残し(作品番号付きは861作)ており、近年では宗教曲やオルガン作品なども演奏される機会があるなど、注目が高まっています。 このアルバムに収録されているのは、ツェルニーの一連の夜想曲。このジャンルの先駆者としてはアイルランド出身の作曲家ジョン・フィールド(1782-1837)が知られており、その作品の柔らかく気怠い雰囲気は、彼の「8つの夜想曲 Op. 368」にも受け継がれています。美しい旋律を湛えながらも、それほど技巧を必要としないこれらの作品は当時の中流階級の家庭での演奏に適したエレガントな佇まいを持っています。トラック9『シュトラウスのお気に入りのモティーフ「アレクサンドラのワルツ」による感傷的で華麗な夜想曲』は、ロシアのニコライ1世の皇后アレクサンドラ・フョードロヴナにヨハン・シュトラウス1世が捧げたワルツの第2主題をモティーフにした作品。穏やかな曲調で始まるものの「華麗な」のタイトルとおり中間部では華やかな曲調に変化します。 1843年に出版された「さまざまな性格のロマンティックな8つの夜想曲 Op. 604」はOp. 368に比べ、リストの作品ほどではないものの、はるかに上級者向けに書かれており、感情表現も豊かになっています。ベートーヴェンのソナタ楽章を思わせるエネルギッシュな曲から、ヨハン・シュトラウス風のワルツや、ショパンの練習曲「革命」を彷彿させるドラマティックな曲など、単なる夜想曲の括りには収めきれないほどの多彩な曲集になっています。 演奏は古典派からロマン派作品を得意とするベルギーのピアニスト、ロベルテ・マムー。シューマンやモーツァルト、ジョン・フィールド作品の録音が高く評価されています。 ※国内仕様盤には音楽学者でツェルニーの研究をしている中川航氏の解説が付属します。収録作曲家:
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R.シュトラウス(1864-1945):
4つの最後の歌 (管弦楽伴奏版&ピアノ伴奏版) [アスミク・グリゴリアン、マルクス・ヒンターホイザー、ミッコ・フランク、フランス放送フィルハーモニー管弦楽団]STRAUSS, R.: 4 Last Songs (Grigorian, Hinterhäuser, Orchestre Philharmonique de Radio France, Franck)
発売日:2024年02月09日 NMLアルバム番号:ALPHA1046
CD国内仕様 日本語解説、歌詞対訳付き価格:3,520円(税込、送料無料)
アスミク・グリゴリアンによる「4つの最後の歌」、
管弦楽版とピアノ版のカップリングで登場!今世界で最も注目されているソプラノの一人、2022年にはヤナーチェク《イェヌーファ》でレコード・アカデミー賞ビデオ・ディスク部門を受賞し、ノット指揮東京交響楽団による《サロメ》で成功を収めたのも記憶に新しい、アスミク・グリゴリアンによる「4つの最後の歌」が登場。しかも管弦楽とピアノの伴奏版2つを組み合わせるという興味深い内容となっています。 伴奏を務めるのはそれぞれミッコ・フランク指揮フランス放送フィルと、ロマン派から現代までを得意とするマルクス・ヒンターホイザーという万全の布陣。グリゴリアンも管弦楽版ではよりダイナミックに、ピアノ版ではより繊細にと大きく違いをつけ、歌曲からオペラまで幅広い表現力に定評のある彼女の実力をありありと見せつけるとともに、リヒャルト・シュトラウス最晩年の傑作が持つ様々な表情を聴かせてくれます。収録作曲家:
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Take 3
プーランク、バルトーク、シェーンフィールド、ニキフォル [パトリツィア・コパチンスカヤ、レト・ビエリ、ポリーナ・レシチェンコ]発売日:2024年01月26日
CD国内仕様 日本語解説付き価格:3,300円(税込、送料無料)
コパチンスカヤと友人たちのトリオで聴く、東からの風パトリツィア・コパチンスカヤのALPHAデビュー盤であり、様々なアーティストとの二重奏を集めて大きな話題となった『Take Two』から10年。そのアルバムにも参加したクラリネット奏者のレト・ビエリと、こちらも長年の盟友ポリーナ・レシチェンコとの共演による『Take 3』が登場しました。タイトルはもちろん、デイヴ・ブルーベックの演奏で知られる名曲「Take Five」にちなんだものと思われますが、このアルバムでも奏者が3人ということに加え三拍子が重要なテーマとなっています。 プログラムはプーランクとバルトークの作品を中心としたものですが、コパチンスカヤならではのはち切れんばかりのダイナミックな表現はそのルーツに深く切り込み、これらの作品がオーストリアなどのワルツのみならず、東欧の伝承曲やクレズマー、ロマなどと深い関連があることを際立たせています。 またジャズやフォークなどのイディオムを取り込むクロスオーヴァーな作風で知られるアメリカの作曲家ポール・シェーンフィールドの作品を収録しているほか、ルーマニアのシェルバン・ニキフォルによる小品にはイリヤ・グリンゴルツなどのゲストも参加、アルバムに色を添えています。
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コレッリとカンタン
フラウト・トラヴェルソによるソナタ集 [アンナ・ベッソン、ミリアム・リニョル、ジャン・ロンドー]発売日:2024年01月26日
CD国内仕様 解説日本語訳付き価格:3,300円(税込、送料無料)
俊英3人、18世紀フランス流の横笛の離れ業を艶やかに!2023年の来日公演で新たな成果をあげ、ますます注目が集まる新世代の古楽鍵盤奏者ジャン・ロンドーと、彼と共に凄腕揃いのユニット、ネヴァーマインドのメンバーでもあるトラヴェルソ奏者アンナ・ベッソン、様々なアンサンブルで引く手あまたであり、ソロでも「バッハ: 無伴奏チェロ組曲 ヴィオール版」などのリリースで注目を集めるミリアム・リニョル。この3人の顔合わせによる「18世紀フランスのイタリア式ソナタ」をテーマとしたアルバムがリリースとなりました。 18世紀フランスの人々をイタリア音楽に開眼させたコレッリの作品5のヴァイオリン・ソナタ集から当時の編曲版で3曲と、ネヴァーマインドのデビュー盤でもスリリングな演奏を聴かせたタルティーニ世代のフランスの作曲家カンタンのソナタを収録しています。全て当時流のフラウト・トラヴェルソで吹きこなすアンナ・ベッソンの出どころ・引きどころを踏まえた味わい深い吹奏の傍ら、阿吽の呼吸で巧みな合いの手を入れてゆくリニョルとロンドーも随所に聴きどころを散りばめます。 コレッリ作品は重音奏法を前提としたフーガ楽章もありながら、編曲版でその処理を自然に聴かせる手腕も圧巻。ALPHAの名技師アリーヌ・ブロンディオの丁寧な仕事で、個々の楽器の美音が最大限に味わえるのも嬉しいところです。作品解説はベッソン自身が執筆(国内仕様盤は日本語訳付)。隅々まで音楽愛に満ちたフランス最前線の古楽アルバムです。
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シベリウス(1865-1957):
交響曲 第4番
森の精/悲しきワルツ [サントゥ=マティアス・ロウヴァリ、エーテボリ交響楽団]発売日:2024年01月26日
CD国内仕様 日本語解説付き価格:3,300円(税込、送料無料)
ロウヴァリのシベリウス第4弾は、
難曲第4番と若き日の隠れた傑作「森の精」、そして「悲しきワルツ」サントゥ=マティアス・ロウヴァリが手兵エーテボリ交響楽団と進めるシベリウスの交響曲チクルス第4弾は、全7曲の交響曲の中で最も難解と見られがちながら、傑作の呼び声もまた高い第4番です。 シリーズのこれまでのアルバムで個性的でありつつも説得力のある解釈を聴かせ、作品の新しい魅力を知らしめてきたロウヴァリ。今回も終始暗い影が支配するこの作品から、彼ならではの際立って精緻なスコア整理と、細部まで行き届いたコントロールと表現力によって様々な側面を引き出し、その充実した内容をあぶり出すことに成功しています。 併せて収録されたのは、30歳を目前にしたシベリウスがスウェーデンの詩人ヴィクトル・リュードベリの詩に基づいて書き上げた標題音楽「森の精」。20分を超える演奏時間を要する力作ながら、なぜか半世紀以上忘れられていたというこの作品をロウヴァリは素晴らしい躍動感と物語性で描き上げ、その完成度の高さを証明してみせました。 そして最後は人気曲「悲しきワルツ」のメリハリのある引き締まった演奏で、余韻を残すラストの引きも見事。収録作曲家:
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チマローザ(1749-1801):
歌劇《ロンドンのイタリア女》 [フランクフルト歌劇場/アンジェラ・ヴァローネ/ビアンカ・トニョッキ/テオ・レボウ 他/指揮:レオ・フセイン/フランクフルト歌劇場管弦楽団]発売日:2024年01月26日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:4,950円(税込、送料無料)
2021年フランクフルト歌劇場新制作
チマローザの知られざる秀作オペラ《ロンドンのイタリア女》
レオ・フセイン& R.B.シュラザー ― 気鋭のコンビによる稀覯作品映像!若きチマローザが作曲した《ロンドンのイタリア女》(1778)は、ローマ、ミラノ、ヴェネツィアさらに欧州各地の主要な歌劇場で成功を収め、後に作曲家の代表作となる《秘密の結婚》(1792)に先立つ、出世作となりました。本作は、英国の俊英レオ・フセインと2019年にフランクフルト歌劇場の新制作《タメルラーノ》で衝撃の欧州デビューを果たした米国出身のR.B.シュラザーという気鋭のコンビによる新制作の舞台映像。 舞台はホテルのロビーに置かれたレセプション・デスク、ソファ、公衆電話ボックスだけのシンプルな設定。そこに登場する5人のキャラクターは、世界各地からフランクフルト歌劇場に集結した歌唱演技に秀でた粒ぞろいの新鋭たち。 フセインのタクトが導く優美で闊達自在な調べに乗せて、モーツァルトと同時代に欧州各地で活躍し、大いに人気を博したチマローザの知られざる秀作オペラが見事に現代に蘇っています。収録作曲家:
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ワーグナー(1813-1883):
歌劇《さまよえるオランダ人》 [ソフィア国立歌劇場/マルクス・マルクヴァルト/クルト・リドル/ラドスティーナ・ニコラエワ 他/指揮:ロッセン・ゲルゴフ/ソフィア国立歌劇場管弦楽団&合唱団]発売日:2024年01月26日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:4,950円(税込、送料無料)
パンチャレヴォ音楽祭より湖畔の《さまよえるオランダ人》登場!
俊英ロッセン・ゲルゴフ指揮
クルト・リドルがダーラント役と歌唱指導を兼務ブルガリアの首都ソフィア郊外、風光明媚なパンチャレヴォ湖の湖畔で開催されるパンチャレヴォ音楽祭。本作は2022年夏に開催されたこの音楽祭でのソフィア国立歌劇場による《さまよえるオランダ人》の上演収録です。 湖畔に組み立てられたステージは、上演の演出も務める歌劇場の芸術監督プラメン・カルタロフが20世紀イギリスの彫刻家バーバラ・ヘップワースへのオマージュとして設計製作したユニークなもの。題名役のドイツの歌劇場を中心に活躍するマルクス・マルクヴァルト、ゼンタ役のブルガリア歌劇場生え抜きの名花ラドスティーナ・ニコラエワ、同じくブルガリア出身で国際的なキャリアを築きつつある新鋭アレクサンドリーナ・ストヤノヴァがマリー役で見事な歌唱を聴かせます。加えてオールドファンに懐かしい「ザ・メガ・バス」の異名をとるクルト・リドルがダーラント役を務めているのも注目です(クルト・リドルは本公演の歌手たちにドイツ語の歌唱指導も行っています)。 西に傾く日差しの中で始まり、次第に暮色が深まり暗い夜へと移っていく湖畔の風景を背景としたステージで、カルタロフ演出のもとブルガリアの俊英ロッセン・ゲルゴフ率いるソフィア歌劇場オーケストラのダイナミックで引き締まった演奏による《オランダ人》が雰囲気豊かに繰り広げられます。収録作曲家:
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サン=サーンス(1835-1921):
歌劇《サムソンとデリラ》 [コヴェント・ガーデン王立歌劇場/エリーナ・ガランチャ/ソクジョン・ベク/ウカシュ・ゴリンスキ 他/指揮:アントニオ・パッパーノ/コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団&合唱団]発売日:2024年01月26日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:5,500円(税込、送料無料)
サン=サーンスの《サムソンとデリラ》 2022年コヴェント・ガーデン新制作
エリーナ・ガランチャ、デリラ役で登場!
パッパーノ指揮/リチャード・ジョーンズ演出旧約聖書の士師記にその題材を採った台本に作曲された《サムソンとデリラ》は、サン=サーンスの代表作の一つであるとともに、フランスの近代オペラの頂点をなす作品の一つ。本作は、2002年より20年に渡りコヴェント・ガーデンの音楽監督を務め、2023/24のシーズンでその任期を満了するアントニオ・パッパーノと、9回のオリヴィエ賞受賞(2023年11月現在)に輝くイギリス演出界の名匠リチャード・ジョーンズのコラボレーションによる新プロダクションの収録です。 題名役の二人に、2018年よりウィーン国立歌劇場、メトロポリタン歌劇場、ベルリン国立歌劇場、ザルツブルク音楽祭など世界の名だたる舞台でデリラ役を演じ、現代最高のデリラ歌手と評されるメゾ・ソプラノのエリーナ・ガランチャ、力強く純朴な歌唱でガランチャと見事に渡り合うサムソン役の韓国出身のテノール、ソクジョン・ベク。パッパーノ率いるコヴェント・ガーデンのオーケストラと合唱団が、題名役の二人を始めとした優れた歌唱陣と共にスペクタクルなシーンに満ちた音楽ドラマを、精緻に、かつダイナミックに描きだしています。収録作曲家:
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〈#bruckner2024〉
ブルックナー(1824-1896):
交響曲 第1番 ハ短調 (第1稿/レーダー版) [マルクス・ポシュナー(指揮)/リンツ・ブルックナー管弦楽団]BRUCKNER, A.: Symphony No. 1 (1868 Linz version, ed. T. Röder) (Complete Symphony Versions Edition, Vol. 11) (Linz Bruckner Orchestra, M. Poschner)
発売日:2024年01月12日 NMLアルバム番号:C8092
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,970円(税込)
CAPRICCIOレーベルと国際ブルックナー協会の主導で、ブルックナーの生誕200年にあたる2024年中にブルックナーの全交響曲のすべての稿(バージョン) を録音しようという企画 「#bruckner2024」の第11弾。「リンツ稿」の本来の姿に迫ろうとするトーマス・レーダー版の楽譜を使用しています。 1863年にへ短調の習作交響曲を書き上げ、1865年にはミサ曲ニ短調(第1番)で成功を収めたブルックナーが、いよいよ交響曲作家として名乗りを挙げようと取り組んだのが第1番。1865年に着手し、66年に完成、68年にリンツで初演されました。ブルックナーはその後、1877年にこの曲に改訂を施し、87年からは更なる改訂作業に取り組んで91年に改訂版が完成しました。前者(第1稿)は「リンツ稿」、後者(第2稿)は「ウィーン稿」とも呼ばれます。しかし、ハース版、ノーヴァク版ともに出版された「リンツ稿」にはその後の改訂による素材が取り込まれていました。#bruckner2024の監修者ポール・ホークショーによる原盤解説によれば、ここで使用されているトーマス・レーダー校訂版は、1868年の初演時のパート譜をもとに後年の改訂部分を取り除いて初演時の姿を再構成する試みで、新ブルックナー全集の一環として2016年に出版されたものです(NBG III/1: 1/1)。リンツ初演以後の改訂で生じた要素を除去する試みとしてはウィリアム・キャラガン校訂版という先例があり、ティントナーやシャラーが録音しています。異同が注目されるところです。 曲は古典的な4楽章構成。ドイツ・ロマン派的な語法によりつつ、後年のブルックナーらしさも時折顔を出します。ポシュナーは引き締まったサウンドと造形を基本に、アダージョではブルックナーらしい抒情を堪能させます。 ※国内仕様盤には石原勇太郎氏(音楽学/国際ブルックナー協会会員)による日本語の解説が付属します。
収録作曲家:
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反映
管弦楽伴奏によるフランス歌曲集 [サンドリーヌ・ピオー、ジャン=フランソワ・ヴェルディエ、ヴィクトル・ユーゴー・フランシュ=コンテ管弦楽団]発売日:2024年01月12日
CD国内仕様 日本語解説/歌詞日本語訳付き価格:3,520円(税込、送料無料)
歌姫ピオーの美声を堪能!
管弦楽伴奏によるフランス歌曲集2019年にリリースされ世界的ヒットとなった『恋の相手は…』以来となる、サンドリーヌ・ピオーの管弦楽伴奏フランス歌曲集。 前作では、特にバロック歌手として成功してきた彼女に馴染み深いピリオド・オケとの共演でしたが、今回はモダン・オケとの共演となっており、さらに磨きをかけた彼女の幅広い表現を堪能することが出来ます。ドイツ歌曲を集めた『光と影』でも共演したヴェルディエ指揮ヴィクトル・ユーゴー管弦楽団は、ピオーの奥行きのある歌声に終始柔らかく寄り添い、それぞれの作品が持つ浮遊感、儚さ、神秘性などを纏った世界感を美しく描き出します。 管弦楽のみによる2曲のドビュッシー作品は、場面転換のようにアルバム全体を引き締める効果を発揮。歌曲ファンのみならずフランス音楽を愛する広い層にお薦めしたい、たいへん優美な一枚です。 -
シャルパンティエ(1643-1704)&
デマレ(1661-1741):
テ・デウム [ルイ=ノエル・ベスティオン・ド・カンブラ、アンサンブル・レ・シュルプリーズ]発売日:2024年01月12日
CD国内仕様 日本語解説/歌詞日本語訳付き価格:3,520円(税込、送料無料)
華やぎに満ちたルイ14世時代の祝典音楽を、フランス古楽シーン最前線の精妙な解釈で!毎年正月、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤー・コンサート世界放送時に番組テーマ曲として流れる「トランペットの前奏」が有名な、17世紀フランスの大家シャルパンティエの「テ・デウム」。かの作曲家が生きたルイ14世時代のフランスでは、晴れがましい祝典を彩る華麗な讃美の詩篇曲として「テ・デウム」が数多く書かれました。その活況は、ルイ14世の療養からの快癒を祝う場が王国中に設けられた1687年初頭、最初の絶頂を迎えています(王室音楽総監督リュリは、この機会に自作の「テ・デウム」を指揮していた時の事故がもとで亡くなっています)。 その当時も演奏されたと考えられているシャルパンティエの傑作に加え、ここでは老王の後を継いだルイ15世が1725年にマリー・レグザンスカ妃を迎えたさい演奏された「リヨンのテ・デウム」も収録。作曲者デマレはフランス王室音楽の立役者リュリ亡き後、その至芸を受け継ぐ世代として若い頃から注目されながら、人間関係の問題で長く亡命を余儀なくされており、当の作品も王宮から遠く離れたロレーヌの宮廷で作曲されました。 バロック時代の管楽器ならではのアクセント豊かな響きを十全に活かし、緩急豊かな音作りでフランス音楽の玄妙と華やぎを伝える指揮者ベスティオン・ド・カンブラは、近年の古楽シーンで大きな躍進をみせALPHAにも録音の多い俊才。フランス語圏のメンバーにボスニアのブラニスラフ・ラキチや日本の出口実祈など次世代の注目奏者も混じる古楽器楽団の濃やかな表現が、熱気と一体感に満ちた声楽勢の活躍と美しいハーモニーを見せ、作品の魅力を十全に伝えてやみません。
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ドニゼッティ(1797-1848):
歌劇《ラ・ファヴォリート》 [ドニゼッティ歌劇場/アンナリーザ・ストロッパ/ハビエル・カマレナ/フロリアン・センペイ 他/指揮:リッカルド・フリッツァ/ドニゼッティ歌劇場管弦楽団&合唱団]発売日:2023年12月22日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:5,500円(税込、送料無料)
ドニゼッティ・オペラの聖地ベルガモより
充実の《ラ・ファヴォリート》登場!《ラ・ファヴォリート》(1840)は、《アンナ・ボレーナ》(1830)、《愛の妙薬》(1832)、《ランメルモールのルチア》(1835)、《連隊の娘》(1839)などのヒット作により一世を風靡する人気作曲家としてパリを訪れたドニゼッティが、フランス語の台本に作曲。パリ・オペラ座での上演は大成功を収めました。 後にこの作品は、フランス国外での上演に際し、翻訳された台本に当局の検閲により登場人物の相関関係に改変が加えられた結果、《ラ・ファヴォリータ》として知られるイタリア語版が、20世紀の後半に至るまで、世界各地での上演の主流となりました。しかし近年、ドニゼッティの作品を作曲家の意図したオリジナルの姿で上演する機運が高まり、ドニゼッティ音楽祭2022における本上演でも、レベッカ・ハリス=ウォリックによるオリジナルのフランス語台本による、比較校訂版スコア(1997 リコルディ社)を採用しています。 スペインの舞踏集団ラ・フラ・デルス・バウスで活躍し、2012年ブエノスアイレスのコロン劇場の《ニーベルングの指環》の短縮版の上演で演出を担当して話題を集めたヴァレンティナ・カラスコによる演出は、シンプルな舞台装置によってドラマの流れを明確に示しつつ、第2幕の戦勝を祝うバレエのシーンでは、王宮に侍(はべ)る大勢の年老いた愛妾たちが踊りながら王を嬲(なぶ)るものの最後は檻に閉じ込められる、というユニークな解釈を加えています。 レオノール役のアンナリーザ・ストロッパ、フェルナン役のハビエル・カマレナ、アルフォンス11世役のフロリアン・センペイ、バルタザール役のエフゲニー・スタヴィンスキーら錚々たる歌唱陣が歌い上げる名アリアと重唱の数々に彩られたこの壮大な作品を、ドニゼッティ音楽祭の音楽監督を務めるリッカルド・フリッツァの引き締まったタクトが表情豊かに描き尽くしています。収録作曲家:
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メノッティ(1911-2007):
歌劇《アマールと夜の訪問者》 [アン・デア・ウィーン劇場/石嶋天風/シャミリア・カイザー他/指揮:マグヌス・ロドガール/ウィーン交響楽団/アルノルト・シェーンベルク合唱団他]発売日:2023年12月22日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:4,400円(税込、送料無料)
クリスマス・イヴの奇蹟 《アマールと夜の訪問者》 ――
アン・デア・ウィーン劇場よりステファン・ヘアハイムの演出で登場!1951年のクリスマス・イヴ(12月24日)に、NBCのテレビ全米ネットワークでライヴ放送されたメノッティの歌劇《アマールと夜の訪問者》は、バレエ『くるみ割り人形』や歌劇《ヘンゼルとグレーテル》とならんで、欧米を中心にクリスマスの子供とその家族のための劇場定番演目となりました。 本作は、2022/23のシーズンにアン・デア・ウィーン劇場の芸術監督に就任したステファン・ヘアハイムの演出により、2022年12月に同劇場で上演されたステージの収録映像です。 主役の健気な少年アマール役にボーイ・ソプラノ石嶋天風(ウィーン少年合唱団団員)、アマールの母役には演劇的な役柄に定評のあるメゾ・ソプラノ、シャミリア・カイザーを起用。ヘアハイムと同郷ノルウェー出身の指揮者マグヌス・ロドガールが、充実した歌唱陣、ダンス・チーム、合唱団、オーケストラを率いて、クリスマス・イヴの心温まる物語をいきいきと織りなしていきます。収録作曲家:
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モーツァルト(1756-1791):
レクイエム(ミヒャエル・オストシガ補筆完成版)
アヴェ・ヴェルム・コルプス K.618
エクスルターテ・ユビラーテ K.165 [ジョン・ネルソン、マリー・リス、ベス・テイラー、シリル・デュボワ、ハンノ・ミュラー=ブラッハマン、ローザンヌ声楽アンサンブル、ローザンヌ室内管弦楽団]発売日:2023年12月08日
CD国内仕様 日本語解説・歌詞対訳付き価格:2,970円(税込)
モーツァルト「レクイエム」、
オストシガ補筆完成による新エディションに基づく初録音バロックからロマン派まで幅広いレパートリーを持ち、ベルリオーズの大作で高い評価を得ているジョン・ネルソンと、コルボとの数々の名演で知られるローザンヌ声楽アンサンブルとのモーツァルト・ライヴ。 レクイエムはドイツの作曲家ミヒャエル・オストシガによる補筆完成版を使用しています。オストシガ版は2019年に一旦完成しラインガウ音楽祭で試演され、その後フローリアン・ヘルガートの指揮で録音もされておりますが(COVIELLO CLASSICS)、今回の録音には2022年にベーレンライターから出版された楽譜が初めて用いられました。 オストシガ版はジュスマイヤー版を底本としながら、バイヤー版などと同様ジュスマイヤーによる甘美な音の上塗りや過度に劇的な表現を排除し、モーツァルトが残したほかの宗教作品を参考にしながら、その晩年に於いて顕著となったヘンデルとバッハの影響も考慮してオーケストレーションにも多くの修正を加えています。 また「ラクリモサ」「サンクトゥス」「ベネディクトゥス」では演奏者に稿の選択肢を与えていることも特徴的。今回ネルソンはヘルガート盤と違い「ラクリモサ」はアーメン・フーガ無し、「サンクトゥス」はニ長調の稿という、ジュスマイヤー版に近い選択をしています。しかしながら特に「サンクトゥス」以降では、大仰な表現やフレーズが容赦なく削られ曲のサイズなども変わり、聴きなれた「レクイエム」とは大きく違う部分も随所に。 ネルソンはそのようなスコアを整理して曲の流れを重視した解釈を聴かせており、声楽陣を中心に演奏のクオリティも高く、さらに見透し良い録音も相まって、たいへん美しい演奏を楽しめることも嬉しいところです。収録作曲家:
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INFINITE VOYAGE - 終わりなき航海
シェーンベルク(1874-1951):
弦楽四重奏曲 第2番
ベルク(1885-1935):
弦楽四重奏曲他 [エマーソン弦楽四重奏団、バーバラ・ハンニガン、ベルトラン・シャマユ]Vocal and Chamber Music - SCHOENBERG, A. / HINDEMITH, P. / BERG, A. / CHAUSSON, E. (Infinite Voyage) (Hannigan, Chamayou, Emerson String Quartet)
発売日:2023年12月08日 NMLアルバム番号:ALPHA1000
CD国内仕様 日本語解説・歌詞訳付き価格:3,520円(税込、送料無料)
エマーソン弦楽四重奏団、47年の歴史に幕。
ラスト・アルバムはバーバラ・ハンニガンとの共演。2023年10月をもって解散することを発表した、現代弦楽四重奏の雄エマーソン弦楽四重奏団。ラスト・アルバムの中心演目に選ばれたのは、2015年のバーバラ・ハンニガンとの初共演から録音を決めていたという、シェーンベルクの弦楽四重奏曲第2番。 調性から無調への流れを1つの作品の中で体験するようなこの作品を彼らは「私たちを未知の音響的領域へと誘う、深い感情的な根を持つ、登らなければならない高い樹」に例えており、第3楽章から加わるソプラノ独唱についてハンニガンは「世紀末の原始的な叫びで愛からの解放を願う、重い一撃」だと語ります。 併せて収録されたのは、シェーンベルクの元で学び本格的な作曲家としてデビューしてまもなくのベルクによる弦楽四重奏曲、二十代前半の若きヒンデミットによって書かれ、ハンニガンが「宝石のような作品」と大切にしている「メランコリー」、そしてベルトラン・シャマユが加わり美しく歌い上げられるショーソンの傑作「終わりなき歌」。半世紀近くに渡る彼らの芸術の余韻を重く美しく引くアルバムです。 今回改めて発売となる国内仕様盤には、松平敬氏による解説と歌詞訳が付属します。 -
フォークト/パリ室内管弦楽団
メンデルスゾーン(1809-1847):
ピアノ協奏曲 第1番&第2番 [ラルス・フォークト(ピアノ&指揮)/パリ室内管弦楽団]MENDELSSOHN, Felix: Piano Concertos Nos. 1 and 2 / Capriccio brillant (L. Vogt, Orchestre de Chambre de Paris)
発売日:2023年12月08日 NMLアルバム番号:ODE1400-2
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,970円(税込)
ドイツの中堅世代を代表するピアニストとして敬愛されてきたラルス・フォークト(1970.9.8 - 2022.9.5)。2020年7月にパリ室内管弦楽団の音楽監督に就任すると、意欲的なプログラムを組み、彼を慕う第一級のソリストたちを招いたコンサート・シリーズを展開して、高い評価と人気を獲得しました。パリ室内管とは3年の契約でしたが、オーケストラはいち早く2025年までの延長を申し出ました。そのような充実した関係の中で録音され、作曲家の没後175周年に向けてリリースされたのが、このメンデルスゾーンのピアノ協奏曲集でした。 メンデルスゾーン22歳の時に書かれた第1番は冒頭の激しいパッセージが印象的。第2番とともにメンデルスゾーンらしい優雅な旋律、技巧的なパッセージが多用されたピアノ・パート、力強いオーケストラ・パートが特徴。「華麗なカプリッチョ ロ短調」はゆったりとしたピアノの独奏に先導され、オーケストラが巧みな伴奏を付けていきますが、突然激しい曲調に変わるなど、カプリッチョ(奇想曲)のタイトルにふさわしい華やかな作品です。フォークトが奏する目の覚めるようなパッセージに耳を奪われることでしょう。 ※今回発売の国内仕様盤には、飯田有抄氏による日本語解説が付属します。
収録作曲家:
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英国ロイヤル・バレエ
プロコフィエフ(1891-1953):
バレエ『シンデレラ』 フレデリック・アシュトン版 [マリアネラ・ヌニェス/ワディム・ムンタギロフ/アクリ瑠嘉/ギャリー・エイヴィス/ベネット・ガートサイド/金子扶生 他/指揮:コーエン・ケッセルス/コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団]発売日:2023年12月01日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:5,500円(税込、送料無料)
英国初演75周年 ―
英国ロイヤルバレエよりアシュトン版『シンデレラ』リバイバル上演映像登場!フレデリック・アシュトン振付によるバレエの代表作として知られる『シンデレラ』が、コヴェント・ガーデンで初演された1948年から75周年となる2023年春、衣裳・舞台美術の大胆なリニューアルを伴ってリバイバル上演されました。 本上演は、アシュトンによるオリジナル振付を忠実に再現しつつ、初演時に大きな話題を呼んだシンデレラの二人の義姉(アグリー・シスターズ ― アシュトン自身も同役の一人として出演)の現代的なアップデートや、草花をイメージさせる色鮮やかな衣裳、プロジェクション・マッピングによるスペクタクルな舞台美術など新たな見どころが満載。シンデレラ役のマリアネラ・ヌニェス、王子役のワディム・ムンタギロフを始め、コミカルな義姉役のギャリー・エイヴィスとアクリ瑠嘉、仙女役の金子扶生、道化役の中尾太亮らによる、めくるめくアシュトン・ステップが舞台一杯に繰り広げられます。 プロコフィエフによるバレエ音楽『シンデレラ』は、前作『ロミオとジュリエット』と同様に、登場人物や情景を示すライトモチーフを使用しながらも、よりクラシック・バレエの舞踏形式とポスト・チャイコフスキーのバレエ音楽の伝統を意識して作曲された名作。バレエ音楽演奏の名匠コーエン・ケッセルスの導くオーケストラが、ウィットと生気に溢れる演奏でこの舞台を見事に支えています。収録作曲家:
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ヘレヴェッヘ/アントワープ交響楽団
シューマン(1810-1856):
交響曲 第1番「春」・第3番「ライン」 [フィリップ・ヘレヴェッヘ、アントワープ交響楽団]発売日:2023年11月24日
CD国内仕様 日本語解説付き価格:3,300円(税込、送料無料)
ヘレヴェッヘ2度目のシューマン交響曲全集完結ヘレヴェッヘが、1996年と2006年に古楽器オーケストラのシャンゼリゼ管弦楽団と録音し、高い評価を得たシューマンの交響曲。その経験を経た今回の全集再録音では、機能性の高いモダン楽器のオーケストラによってさらに深化した解釈と幅の広い表現を聴くことが出来ます。 引き締まったアクセントと各楽器の伸びやかな歌、そしてダイナミックなオーケストラの鳴りが素晴らしく、なかでも「春」のスケルツォや「ライン」冒頭などは格別の響き。2010年に自主レーベルPhiを立ち上げて以降、「本当に取り組みたい曲だけ指揮する」と標榜するヘレヴェッヘが敢えて臨んだ再録音だけに、大きな意味のある全集になったといえるでしょう。
収録作曲家:
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「フィラルモニカ夫人」と
17世紀末のロンドンの音楽愛好家たち [ル・コンソート、ルイーズ・エアトン]Baroque Chamber Music - PURCELL, H. / MATTEIS SR., N. / MRS PHILARMONICA (Philarmonica) (Le Consort)
発売日:2023年11月17日 NMLアルバム番号:ALPHA1011
CD国内仕様 解説日本語訳付き価格:3,300円(税込、送料無料)
フランス最前線の俊才たちが奏でる、みずみずしいロンドンの南国趣味これまで2度の来日公演を成功させ2020年代の古楽シーンを日本でも賑わせているフランスのチェンバロ奏者ジュスタン・テイラーが、ウィリアム・クリスティとの共演でも注目される気鋭バロック・ヴァイオリン奏者テオティム・ラングロワ・ド・スヴァルトをはじめ、新世代の名手たちと伸縮自在の編成で新鮮な演奏を聴かせる古楽器アンサンブル、ル・コンソート。好評が続くALPHAレーベルでのリリース最新作は、バロック後期の英国を舞台にしたアルバムです。18世紀初頭、声楽の本場イタリアで成功を重ねた若きヘンデルの渡英後すぐロンドンでオペラが流行しましたが、それはその頃までに同地でイタリア人音楽家たちの技量が定評を得ていたため。このアルバムでは17世紀後半にナポリからロンドンに渡ったヴァイオリンの名手マッテイスを筆頭に、イタリアのトリオ・ソナタに大きな影響を受けた世代であるパーセルの小編成作品、そしてヘンデル渡英の時期に「フィラルモニカ〔=音楽愛好〕夫人」の筆名の下、イタリア語の表題を添えロンドンで刊行された2つの曲集から選曲し、起伏に満ちたプログラムで1700年前後の英国人たちのイタリア熱狂を活写します。いずれ劣らぬ気品に満ちた構成が美しい英国の音楽と、マッテイスが綴った情熱的な響きとのコントラストも絶妙。英国の大都市の気風と南国の音楽家とが互いに刺激を与えあった300年前の世界の躍動を、ル・コンソートならではの精緻とパッションの調和する演奏が遺憾なく甦らせてゆくさまが、古楽器の味わいをよく捉えた俊才技師ユーグ・デショーのエンジニアリングで克明に味わえます。
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〈#bruckner2024〉
ブルックナー(1824-1896):
交響曲 第5番 変ロ長調 (ノーヴァク版) [マルクス・ポシュナー(指揮)/ウィーン放送交響楽団]BRUCKNER, A.: Symphony No. 5 (1878 version, ed. L. Nowak) (Complete Symphony Versions Edition, Vol. 10) (ORF Vienna Radio Symphony, M. Poschner)
発売日:2023年11月10日 NMLアルバム番号:C8090
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,970円(税込)
CAPRICCIOレーベルと国際ブルックナー協会の主導で、ブルックナーの生誕200年にあたる2024年までにブルックナーの全交響曲のすべての稿(ヴァージョン) を録音しようという企画、 「#bruckner2024」第10弾。 稿の問題の無い第5番ではノーヴァク版を使用。1908年にアルミン・クナープがいち早く指摘した通り「冒頭の22小節に作品全体の主題と動機の原形がすべて詰まって」いて、それらを素材に構築された壮大な対位法の織物を、ポシュナーはしっかりと音にして伝えてくれます。 約71分という演奏時間はやや速めのテンポを思わせますが、フレージングやアーティキュレーション、アクセントを細かく丁寧に処理しているため、「速さ」が前面に感じられることはありません。神秘的、瞑想的、時にメランコリックなコラール風の旋律はしっかりと腰を据えて聴かせます。 ポシュナーはフィナーレをクライマックスととらえているようで、ヨッフム/ドレスデンやヴァント/北ドイツ放送響とほぼ同じタイムをかけた第4楽章は特に聴きものとなっています。 ※国内仕様盤には専門誌等で好評を得ている石原勇太郎氏(国際ブルックナー協会会員)による日本語解説が付属します。
収録作曲家:
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モーツァルト(1756-1791):
ピアノ協奏曲 第7番&第10番他 [ロバート・レヴィン(フォルテピアノ)/ヤ=フェイ・チュアン(フォルテピアノ)/ボヤン・チチッチ(ヴァイオリン)/ローレンス・カミングズ(指揮)/アカデミー・オヴ・エンシェント・ミュージック]発売日:2023年11月10日
CD国内仕様 日本語解説付き価格:3,300円(税込、送料無料)
長い中断の後、2023年春にレーベルを変えて突如再開したレヴィン&AAMによるモーツァルト:ピアノ協奏曲の全曲録音。第3集は複数楽器のための協奏曲がテーマで、2台ピアノのための協奏曲2篇に加え、レヴィンが補筆完成した協奏曲楽章を収録しています(K.242は3台ピアノ用の協奏曲をモーツァルトが2台ピアノ用に編曲したもの)。 2台ピアノのための協奏曲ではロバート・レヴィンとヤ=フェイ・チュアンの夫妻が息の合ったダイナミックな演奏を聴かせます。チュアンはブレンデルが高く評価しており、レヴィンとのデュオでは古典派から現代に至るレパートリーをピリオド楽器とモダン楽器で演奏、録音でもグリーグ、デュティユー、それにレーガーによるワーグナー作品の編曲などがあります。ここではモーツァルト=レヴィンのスタイルによる音の会話を楽しませてくれます。 ピアノ、ヴァイオリンと管弦楽のための協奏曲楽章は1778年のマンハイム滞在中に協奏曲の第1楽章として構想されたとされるもの。かつてモーツァルト研究の大家アルフレート・アインシュタインは「これが未完に終わったことはモーツァルトの芸術にとって最大の損失」と語ったそうです。120小節が遺されていますが、ファンファーレ風の最初のトゥッティこそ完全にオーケストレーションがなされているものの、ソロ楽器(モーツァルトの自筆譜では「チェンバロとヴァイオリン」。チェンバロは当時、鍵盤楽器全般の呼称でもありました)の登場後のオーケストラは、第1ヴァイオリンと低音パートしか書かれていません。レヴィンはここでも、モーツァルトの語法に則った、明るく躍動感のある楽章に仕上げています。 (曲目・内容欄に続く)
収録作曲家:
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メンデルスゾーン(1809-1847):
交響曲 第3番 「スコットランド」
交響曲 第5番 「宗教改革」 [マキシム・エメリャニチェフ、スコットランド室内管弦楽団]MENDELSSOHN, Felix: Symphonies Nos. 3 and 5 (Scottish Chamber Orchestra, Emelyanychev)
発売日:2023年11月10日 NMLアルバム番号:CKD667
CD国内仕様 日本語解説付き価格:3,300円(税込、送料無料)
スコットランド室内管創立50周年、
エメリャニチェフとの「スコットランド」「宗教改革」スコットランド室内管弦楽団と首席指揮者マキシム・エメリャニチェフにより、その就任前に録音されたシューベルト「グレート」(NYCX-10112/CKD619)は、「同曲の最もスリリングな演奏」(BBCマガジン)など各所で絶賛されました。 2024年1月に迎える楽団創立50周年を記念すべく今回録音されたのは、メンデルスゾーンがスコットランドを旅行中その自然に触発されて構想してから10年以上、彼の一生の半分近い歳月をかけて手を加えられ、生涯最後に完成させた交響曲となった第3番「スコットランド」。そして、若きメンデルスゾーンが試作的な第1番に続いて2つ目の交響曲として完成させた、ルター派のコラール「神はわがやぐら」を引用する第5番「宗教改革」を併せて収録しています。どちらの作品でもヴィブラートを抑えた少人数の弦の透明感が印象的。「スコットランド」は各パートをよく鳴らし、メロディの歌謡的な美しさのみならず、オーケストレーションの面白さも前面に出す快演となっています。 「宗教改革」も力強くオーケストラを歌わせ、エコーのような効果も心地よく生かしつつメロディを伸びやかに表現し、この作品の素晴らしさを十二分に発揮。なお古楽鍵盤奏者としてピリオド奏法に造詣の深いエメリャニチェフらしく、第4楽章では本来の指定通りにセルパンを使用しています。収録作曲家:
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ヴェルディ(1813 -1901):
歌劇《エルナーニ》 [フランチェスコ・メーリ(テノール)/マリア・ホセ・シーリ(ソプラノ)/ロベルト・フロンターリ(バリトン)/ヴィタリー・コワリョフ(バス) 他/ジェイムズ・コンロン(指揮)/フィレンツェ五月祭管弦楽団&合唱団]発売日:2023年11月03日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:4,950円(税込、送料無料)
主役4歌手の万全な布陣による若きヴェルディの傑作《エルナーニ》登場!歌劇《エルナーニ》は、ヴェルディがその素材をフランス・ロマン派演劇の嚆矢とされるヴィクトル・ユゴーの戯曲『エルナニ』に求め、台本をフランチェスコ・マリア・ピアーヴェに依頼。ヴェルディとピアーヴェのその後の実り多い協力関係(ピアーヴェはヴェルディに最も多い9作の台本を執筆提供)の記念すべき第一作となりました。この作品は複雑な関係にある登場人物一人ひとりの心の動きを、アリアと重唱によって巧みに表現するという、ヴェルディの音楽的な劇作法の進境が著しい作品として知られています。 本映像では主役4役に、エルナーニ役の気品溢れるテノールのフランチェスコ・メーリ、エルヴィーラ役のドラマティックな高揚感が目覚ましいソプラノのマリア・ホセ・シーリ、国王ドン・カルロ役のヴェルディ・バリトンとして名高い、ロベルト・フロンターリ、そしてシルヴァ役の性格俳優的なバスのヴィタリー・コワリョフと、この作品にふさわしい万全の布陣がなされています。 レオ・ムスカートの洗練された舞台演出を背景に、名匠ジェイムズ・コンロンが率いるオーケストラと合唱団による、若きヴェルディの鮮烈なドラマをご堪能ください。
収録作曲家:
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コダーイ(1882-1967):
組曲『ハーリ・ヤーノシュ』
夏の夕べ
交響曲 ハ長調 [ジョアン・ファレッタ(指揮)/バッファロー・フィルハーモニー管弦楽団]KODÁLY, Z.: Háry János Suite / Summer Evening / Symphony in C Major (Buffalo Philharmonic, Falletta)
発売日:2023年10月27日 NMLアルバム番号:8.574556
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,200円(税込)
民族色豊かなコダーイの名作と、トスカニーニに捧げた晩年の交響曲をカップリング20世紀ハンガリーを代表する作曲家の一人、ゾルターン・コダーイ。彼は祖国の民俗音楽を丹念に収集・研究し、バルトークと共に民謡集の出版を行います。また音楽教育の分野でも活躍、教育用の曲を多数書き、その手法は「コダーイ・メソッド」と呼ばれるほどにハンガリー内外に重要な影響を与えました。彼の管弦楽作品はどれも色彩的でリズミカル。このアルバムの中心となる『ハーリ・ヤーノシュ』は彼の同名の歌劇からの管弦楽組曲で、原作はハンガリーの詩人、ガライ・ヤーノシュ(1812-1853)の叙事詩。元軍人のハーリ・ヤーノシュが酒場で語る波乱万丈の冒険談が描かれています。組曲は歌劇の進行とは関係なく組まれており、第3曲と第5曲では伝統楽器ツィンバロムが使用されているのも特色です。 「夏の夕べ」は作曲家自身が「牧歌」と呼んだ作品で、もともとはハンガリー王立音楽院の卒業作品として書かれたもの。1906年に初演された以降は忘れられてしまったものの、1929年にアルトゥーロ・トスカニーニの勧めにより改訂が行われ、1930年にトスカニーニが指揮するニューヨーク・フィルにより演奏されました。 交響曲はトスカニーニのすすめにより1930年代に構想されましたが、完成したのは1961年のこと。1957年に世を去ったトスカニーニの思い出に捧げられたこの曲は、1961年にフェレンツ・フリッチャイ指揮、ルツェルン祝祭管弦楽団によって初演されました。急緩急の3楽章構成、演奏時間27分ほどで、ルーセルやストラヴィンスキーを思わせる新古典主義のスタイルによる作品です。明瞭な調性をもとにした晦渋さのない楽想、抒情に満ちた緩徐楽章を生気とユーモアに富んだ両端楽章がはさみ、結尾へ向けての盛り上げ方など、一聴しただけでは1960年代の作品と思えない親しみ易さの中にコダーイ晩年の境地が滲む魅力的な音楽です。 演奏はジョアン・ファレッタが指揮するバッファロー・フィルハーモニー管弦楽団。機動力とパワーを生かした闊達な音楽が紡ぎ出されています。 ※国内仕様盤には、東欧の音楽史と民族音楽学を専門とし、『中東欧音楽の回路』(サントリー学芸賞受賞)等の著書のある伊東信宏氏の日本語解説が付属します。
収録作曲家:
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ドリーブ(1836-1891):
歌劇《ラクメ》 [サビーヌ・ドゥヴィエル(ソプラノ)/フレデリック・アントゥーン(テノール)/ステファヌ・ドゥグー(バリトン)/ラファエル・ピション(指揮)/ピグマリオン(合唱・管弦楽)]発売日:2023年10月27日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:4,950円(税込、送料無料)
ドゥヴィエル主演、ピション指揮、ペリー演出の新制作《ラクメ》 ――
初演の地オペラ=コミック座より登場!バレエ『コッペリア』の作曲家として知られるレオ・ドリーブによる歌劇《ラクメ》は、1883年パリのオペラ=コミック座で初演され、当時の楽壇と聴衆の異国趣味を反映した親しみやすい音楽とドラマティックな筋立てで大好評を博しました。以来、この作品は同劇場で現在に至るまで1600回以上の公演を重ね、フランスのオペラ・コミック(セリフ入りのオペラ)の大ヒット作となっています。 本作は、20年以上に亘って斬新な創意工夫によりオペラ演出界に新風を吹き込んで来た鬼才ロラン・ペリーの演出による、オペラ=コミック座の新制作。意表を突く無彩色を基調とした舞台美術を背景に、悲恋の物語が繰り広げられます。 タイトル・ロールは、バロック音楽に始まりベルカント・オペラ、近代作品まで幅広いレパートリーを誇る歌姫サビーヌ・ドゥヴィエル。澄み渡る美声と精確な歌唱技術が、コロラトゥーラの名アリア〈鐘の歌〉や、侍女マリカ(アンブロワジーヌ・ブレ)と共に歌う〈花の二重唱〉などで輝いています。 さらに、娘ラクメの掟破りと、信徒の指導者たる神官としての葛藤に苦しむニーラカンタ役のステファヌ・ドゥグーら充実の歌唱陣を起用。近年、その演奏活動が高い関心を集め、『マタイ受難曲』で2022年度のレコード・アカデミー賞金賞に輝いたラファエル・ピション率いる古楽アンサンブル、ピグマリオンが《ラクメ》の初演地であるオペラ=コミック座で鮮やかな歌唱と演奏を繰り広げています。収録作曲家:
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チマローザ(1749-1801):
歌劇《女の手管》 [エレオノーラ・ベロッチ(ソプラノ)/マルティーナ・リカリ(ソプラノ)/ロッコ・カヴァルッツィ(バス)/アレッサンドロ・デ・マルキ(指揮)/テレージア管弦楽団]発売日:2023年10月27日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:5,500円(税込、送料無料)
チマローザの傑作オペラ《女の手管》 ― レアーテ音楽祭より世界初映像化!ウィーンの宮廷楽長時代に上演した《秘密の結婚》(1792)に続いて、故郷ナポリに帰ったドメニコ・チマローザが1794年に発表した《女の手管》は、前作に負けずとも劣らない喜劇オペラの傑作。本作は、作曲家の代表作《秘密の結婚》の影に隠れて上演機会が少ないこの作品を、希少な古楽オペラ作品を積極的に取り上げることで知られるレアーテ音楽祭(2022)で上演収録した世界初公開映像となります。 バロック・古典派からベルカントまで、イタリア・オペラの名匠アレッサンドロ・デ・マルキが、ピリオド楽器オーケストラと歌手に新進気鋭の若手奏者・歌手を起用。流麗な旋律と機知に溢れたチマローザの知られざる傑作をお楽しみください。
収録作曲家:
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18世紀パリのクラヴサン
~フランスの鍵盤音楽と同時代の名器 [ジョス・ファン・インマゼール]Clavecin à Paris au XVIIIe siècle (Le) - BALBASTRE, C.-B. / COUPERIN, F. / DUPHLY, J. / RAMEAU, J.-P. (Immerseel)
発売日:2023年10月20日 NMLアルバム番号:CCS45523
CD 3枚組国内仕様 解説日本語訳付き価格:5,940円(税込、送料無料)
フォルテピアノの大御所、原点回帰。
18世紀オリジナル楽器による豊穣なクラヴサン芸術クラヴサン〔チェンバロ〕奏者として研鑽を重ねつつ早くから18~19世紀モデルのフォルテピアノを演奏、LPレコードの時代からモーツァルトやベートーヴェンが馴染んでいた響きの真相に迫ってきたベルギーの大御所ジョス・ファン・インマゼール。その後も古楽器を使ったレパートリーは20世紀まで及び、古楽器オーケストラ指揮の傍らドビュッシーやラフマニノフの鍵盤作品も当時のピアノで録音していますが、今回は満を持して、そうした後の時代の響きまで細やかな解像度で解釈してきた彼ならではのクラヴサン独奏曲集を録音。 使用楽器は現代随一の古楽鍵盤製作家3人の手で丁寧に修復された、18世紀パリ屈指の製作家たちによるオリジナル楽器3台。ルイ14世の治世末期から古典派前夜の1768年までに刊行された重要なクラヴサン曲集群から名品を厳選、さまざまな世代の巨匠7人の至芸に、18世紀パリそのままの響きを通じて迫ります。 前世紀からの伝統を受け継いだマルシャンやクープラン、バロック末期に新機軸を打ち出したラモーやフォルクレ、タッチで音量に強弱がつかない特性を逆手に取りピアノとは違ったダイナミックな音楽表現を聴かせるバルバストルやデュフリ、A-L.クープランと、深い作品分析を経ての趣き豊かな演奏でそれぞれの世界の違いを味わえる喜びは格別。国内仕様盤では各楽器について詳述された原盤解説の訳に加えて各作曲家紹介も付属します。 時代が進むにつれクラヴサンより人気を得ていったフォルテピアノの機微を知る奏者ならではのクラヴサン芸術後期の世界、じっくりお楽しみください。 -
J.S.バッハ(1685-1750)/チャド・ケリー:
ゴルトベルク変奏曲 リイマジンド [レイチェル・ポッジャー、ブレコン・バロック、チャド・ケリー]BACH, J.S.: Goldberg Variations (arr. C.M. Kelly) (Podger, Brecon Baroqe)
発売日:2023年10月20日 NMLアルバム番号:CCSSA44923
SACD-Hybrid国内仕様 日本語解説付き価格:3,630円(税込、送料無料)
ポッジャーの快挙!
「ゴルトベルク」室内管弦楽のための新編曲版登場バロック・ヴァイオリン現代随一の名手として、実演録音共に刺激的な活動で世界中の音楽ファンを楽しませてくれるレイチェル・ポッジャー。2007年に彼女が組織したブレコン・バロックとの久しぶりのアルバムは、なんと「ゴルトベルク変奏曲」の新編曲版です。 イギリス出身の鍵盤奏者・指揮者で、現在はオーストラリアを中心に活躍するチャド・ケリーによる、「リイマジンド」と呼ばれる一歩踏み込んだ編曲は、原曲の素材を最大限生かしながら、「もしバッハがこの作品を編曲したら?」を基本的なコンセプトとして進められたもの。バッハが残した他の作品を参考に、例えば冒頭のアリアはヴァイオリンとオブリガート・チェンバロによる緩徐楽章風に始められ、以降ポッジャーのヴァイオリンを中心としながら、トリオ・ソナタ風、フルート・ソナタ風、室内協奏曲風、チェンバロ協奏曲風と、変奏ごとに趣向を変えて様々な顔を見せてくれます。また第30変奏やアリア・ダ・カーポなどでの木管楽器の扱いに特徴的なモダンな手法もアクセントとなり、古楽器の響きが絶妙な効果も与えてたいへん新鮮。名編曲の多い「ゴルトベルク」の中でも異色かつ出色の出来栄えと言えるでしょう。 編曲者のケリーは古楽の鍵盤奏者としても活躍しており、ガーディナーやピノックとも共演を重ねた経歴の持ち主。今回もチェンバロで録音に参加し、ポッジャーほか名手揃いのアンサンブルをがっちりと支える頼もしい演奏を聴かせます。 国内仕様盤には澤谷夏樹氏による日本語解説付。収録作曲家:
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星々に
フランスの交響詩集 [ニコライ・シェプス=ズナイダー、リヨン国立管弦楽団]Aux étoiles - BRUNEAU, A. / SAINT-SAËNS, C. / DUPARC, H. / HOLMÈS, A. / DUKAS, P. (Lyon National Orchestra, Znaider)
発売日:2023年10月20日 NMLアルバム番号:BZ2007
CD 2枚組国内仕様 日本語解説付き価格:4,950円(税込、送料無料)
貴重! フランスの知られざる交響詩を一挙に収める好企画1900年前後に主にフランスで活躍した作曲家によって作られた交響詩、あるいはそれに準ずる作品を集めたアルバム。収録曲のうちよく知られるのは「魔法使いの弟子」「スペイン」「死の舞踏」、そしてせいぜい「呪われた狩人」といったところで、ほかはあまり聞かない作品から、作曲家の名前すらほぼ知られていないものまでをCD2枚組のヴォリュームで収めているという、フランス音楽とオーケストラ作品のファンにとっては堪らない内容となっています。 演奏は、デンマーク出身の指揮者・ヴァイオリニストのニコライ・シェプス=ズナイダーと、彼が音楽監督を務めるリヨン国立管弦楽団。深い陰影とダイナミックな解放感、伸びやかで色彩感豊かな表現をもって、それぞれの作品に寄り添った演奏でその魅力を十二分に引き出しています。 作曲家と作品に迫る100ページに及ぶカラー・ブックレット(英・仏・独語)が付属。国内仕様盤には中西充弥氏による日本語解説付。
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モリコーネ(1928-2020):
ヴァイオリンと弦楽合奏のための
「シネマ・レアリティーズ」 [マルコ・セリーノ、パドヴァ・ヴェネト管弦楽団]MORRICONE, E.: Cinema Rarities for Violin and String Orchestra (Serino, Padova e del Veneto Orchestra)
発売日:2023年10月13日 NMLアルバム番号:A554
CD国内仕様 日本語解説付き価格:3,300円(税込、送料無料)
巨匠の信頼篤いマルコ・セリーノが弾く、モリコーネ作品集第2弾2022年1月に発売され、映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネが最後に書き上げた自作の再構成としてロング・セラーを続けるヴァイオリンと管弦楽のための「シネマ組曲」(NYCX-10268/A495)。そこでソリストを務め、巨匠とも長年共演してきたヴァイオリニスト、マルコ・セリーノによるモリコーネ・アルバムの続編が登場。今回は「シネマ・レアリティーズ」のタイトル通り、「デボラのテーマ」と「古い階段の下で」など一部を除き、前作と被らない珍しい曲を集めた内容となっています。日本未公開作品の曲も多いですがいずれもモリコーネらしい美しさを湛えており、聴き込むほどに巨匠の才能の奥深さを改めて実感させられることでしょう。 モリコーネ自身の編曲に加え、そのスタイルに沿ったセリーノによる編曲も数曲収録。「マウロ・ボロニーニ組曲」はこのアルバムで初めて演奏されたものであり、オリジナル・サウンドトラック盤と同じ「シルヴァーノ・アゴスティ組曲」以外は、今回が初録音となる編曲で収録されています。
収録作曲家:
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ブラームス(1833-1897):
二重協奏曲 Op.102
ヴィオッティ(1755-1824):
ヴァイオリン協奏曲 第22番
ドヴォルザーク(1841-1904):
森の静けさ [クリスティアン・テツラフ(ヴァイオリン)/ターニャ・テツラフ(チェロ)/パーヴォ・ヤルヴィ(指揮)/ベルリン・ドイツ交響楽団]発売日:2023年10月13日 NMLアルバム番号:ODE1423-2
CD国内仕様 インタビューの日本語訳付き価格:2,970円(税込)
ラルス・フォークトの思い出をブラームスに重ねて...このアルバムはラルス・フォークト(1970-2022)と共演を重ねてきたクリスティアン・テツラフとターニャ・テツラフが、フォークトとの友情を記念すべく企画したもの。フォークトが敬愛していたブラームスと、彼を取り巻く友情をヒントに組まれたプログラムです。 ブラームスの「二重協奏曲」は彼の最後の管弦楽作品であり、ブラームスが“8本の弦のために書いた”というこの曲は、一度は友情が途切れてしまった彼の親友ヨーゼフ・ヨアヒムとの和解のきっかけを作った作品でもあったことから、ラルスとの不変の友情を記念して今回の録音曲に決定したというもの。テツラフ兄妹による親密な対話が聴きどころです。 2曲目は、そのブラームスが高く評価していたというヴィオッティのヴァイオリン協奏曲。ブラームスはヨアヒムが演奏するこのイ短調協奏曲に心を奪われ、クララ・シューマンに熱狂的な手紙を書き送り、二重協奏曲の中にも旋律を引用しており、テツラフはやはり友情の証としてこの曲を演奏したといいます。 最後の「森の静けさ」はターニャからの友情の証。ドヴォルザークとブラームスの友情に加え、この曲を「チェロのための最も素晴らしく美しい小さな宝石」と語るターニャが、自らの悲しみ、喪失感と愛を表現するのにふさわしい曲として選んだということです。ベルリン・ドイツ交響楽団を指揮するのは、ラルス・フォークトの親友でもあったパーヴォ・ヤルヴィ。万全の演奏でテツラフ兄妹を支えています。 ※国内仕様盤には、フレデリーケ・ヴェスターハウスによるテツラフ兄妹へのインタビューの日本語訳が付属いたします。
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ショパン(1810-1849):
マズルカ全集 第2集 [ペーテル・ヤブロンスキー(ピアノ)]発売日:2023年10月13日 NMLアルバム番号:ODE1431-2
CD国内仕様 解説日本語訳付き価格:2,970円(税込)
スウェーデン出身のピアニスト、ペーテル・ヤブロンスキーが演奏するショパンのマズルカ全曲集。好評の第1集(NYCX-10345/ODE-1412)に続く第2集は第30番から第51番までの後期のマズルカと、遺作の6つのマズルカを収録。パリで活躍を始めたショパンが、生涯を通じてポーランドの作曲家としての心の拠り所としていたマズルカをじっくり味わうことができます。とりわけ死の数週間前に作曲した第49番の悲痛な曲調は耳に残ることでしょう。遺作の6曲はショパン10代から20代前半の作品。瑞々しい息吹に溢れた華麗な作風が聴きどころです。 今作でもヤブロンスキーは卓越したテクニックによって積年の演奏経験を通じて育んだショパンへの共感を表現。ブックレットに自ら解説を寄稿(共著、英語)しています。 ※日本仕様盤には原盤解説の日本語訳が付属します。
収録作曲家:
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ハイドン(1732-1809):
〈後期交響曲集 第2集〉
交響曲 第96番-第98番 [アダム・フィッシャー(指揮)/デンマーク室内管弦楽団]HAYDN, J.: Late Symphonies, Vol. 2 - Nos. 96-98 (Danish Chamber Orchestra, A. Fischer)
発売日:2023年10月13日 NMLアルバム番号:8.574517
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,200円(税込)
アダム・フィッシャー、ハイドンへ還る。
後期交響曲の再録音第2集!ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスの番号付きの全交響曲を録音した唯一の指揮者アダム・フィッシャー。デンマーク室内管弦楽団の首席指揮者就任から25年となる記念の年に彼が世に問うのはハイドンの後期交響曲シリーズの再録音です。第2集となる今回の演奏も、オーストリア・ハンガリー・ハイドン管弦楽団との旧全集録音に比べると更にシェイプアップ、テンポアップされており、ダイナミックスの切り替えやアクセントも鮮烈。まさに見通しのよいすっきりとしたハイドン像が構築されています。 この第2集には、交響曲「奇跡」を含む第96番から第98番の3曲を収録。第96番のニックネーム「奇跡」とは初演時に会場のシャンデリアが落下するも、観客がハイドン見たさのためにステージ近くに集まっていたため、けが人が出なかったというエピソードに由来するもの(しかし近年の研究では、この出来事は102番の初演時だったということが判明しています)。他には第2楽章に弦楽器の特殊奏法である「スル・ポンティチェロ」が用いられた第97番、終楽章にチェンバロが使用されることで知られる第98番を収録。どの曲も小回りの利いたオーケストラの奏者たちの演奏技術も存分に発揮されています。 当盤の3曲とも第3楽章にはメヌエットが置かれており、ここでも第1集と同じく、ティンパニの打撃が良いアクセントとなった、滑らかなリズムと疾走感にあふれた爽やかな音楽が楽しめます。 ※国内仕様盤には「ミヒャエル・ハイドン・プロジェクト」創設者で、古楽から実験音楽のパフォーマーとしても活躍する布施砂丘彦氏の解説が付属します。収録作曲家:
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CORELLIMANIA
コレッリマニア [ミカラ・ペトリ(リコーダー)/ヒレ・パール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)/マハン・エスファハニ(チェンバロ)]Chamber Music (Baroque) - CORELLI, A. / BACH, J.S. / HANDEL, G.F. / TELEMANN, G.P. (Corellimania) (Petri, Perl, Esfahani)
発売日:2023年10月13日 NMLアルバム番号:6.220682
SACD-Hybrid国内仕様 日本語解説付き価格:2,970円(税込)
ミカラ・ペトリ、ヒレ・パール、マハン・エスファハニ。
3人の名手が探る18世紀におけるコレッリの影響1653年イタリア生まれのヴァイオリニスト・作曲家アルカンジェロ・コレッリ。13歳でボローニャに移り17歳で「アカデミア・フィラルモニカ」の会員になりヴァイオリンの演奏と作曲を学びます。パリからイタリアでヴァイオリン奏者として成功を収め、1681年にはバイエルン選帝侯の下に仕え、1681年にトリオ・ソナタ作品1を発表。この「ヴァイオリンなどの旋律楽器、通奏低音を受け持つ低弦楽器とチェンバロ」で構成されたトリオ・ソナタの形式はコレッリが完成したものとされ、当時のヨーロッパ各国の作曲家たちに多大な影響を与えました。 このアルバムでは、コレッリの代表的なトリオ・ソナタと、バッハ、ヘンデル、テレマンがコレッリに倣って書いたトリオ・ソナタの数々を収録。軽やかな旋律はミカラ・ペトリがリコーダーで演奏し、ヒレ・パールのヴィオラ・ダ・ガンバがこれを支え、マハン・エスファハニのチェンバロが旋律を彩っていくさまは見事という他ありません。コレッリ作品の持つ影響力の大きさをまざまざと感じさせる選曲も興味深いものです。アルバムの最後には、コレッリの極めつきともいえる、18世紀に異例のヒットを放ったテーマによる人気曲「ラ・フォリア」が置かれています。 ミカラ・ペトリはこの録音のために、通常より低いピッチの“特別な”リコーダーを準備。レーベルが誇る高音質録音によるくっきりとした音も魅力です。 ※国内仕様盤には矢澤孝樹氏による日本語解説が付属します。 -
バルトーク(1881-1945):
管弦楽のための協奏曲
ヴィオラ協奏曲 [アミハイ・グロス、アレクサンドル・ブロック、リール国立管弦楽団]BARTÓK, B.: Concerto for Orchestra / Viola Concerto (Grosz, Lille National Orchestra, Bloch)
発売日:2023年10月06日 NMLアルバム番号:ALPHA1013
CD国内仕様 日本語解説付き価格:3,300円(税込、送料無料)
圧倒的統率力! アレクサンドル・ブロックによるバルトーク、
ソリストにはアミハイ・グロスが登場アレクサンドル・ブロックとリール国立管弦楽団によるALPHA第5弾は、バルトークの管弦楽のための協奏曲とヴィオラ協奏曲という組み合わせ。細部まで行き届いたコントロールと全体を見通す堅固な構築力で、高いテンションを保ちながら難曲を鋭利にまとめ上げるブロックの高い統率力と、それに十全に応えるリール国立管の集中力と演奏技術は今回も健在で、両作品の素晴らしさを十二分に引き出しています。 ヴィオラ協奏曲ではベルリン・フィル首席奏者のアミハイ・グロスが登場。見事な技術で緊張感漲る演奏を聴かせますが、一瞬の弛緩や解放で表情に幅を持たせつつ集中を持続させる表現力の高さはさすがの一言に尽きます。収録作曲家:
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モーツァルト(1756-1791):
ミサ曲 ハ短調 (ケンメ補筆版)
C.P.E.バッハ(1714-1788):
聖なるかな、万軍の主なる神 [ジョン・バット、ダニーデン・コンソート]MOZART, W.A.: Mass No. 18, "Great" (reconstructed by C. Kemme) / BACH, C.P.E.: Heilig (Dunedin Consort, Butt)
発売日:2023年10月06日 NMLアルバム番号:CKD721
CD国内仕様 日本語解説付き価格:3,520円(税込、送料無料)
ダニーデン・コンソートとジョン・バットが描く、
校訂・補筆を経たモーツァルト未完の傑作18世紀当時のモデルの楽器と演奏様式を徹底追求、バッハやヘンデルの大作声楽曲などでユニークな演奏解釈を送り出してきたダニーデン・コンソートが、古典派の未完大作を録音、同じく二重合唱を活かしたC.P.E.バッハ晩年の充実作と共に一つのアルバムにまとめました。モーツァルトが結婚式を挙げるためザルツブルクに一時帰郷した1783年に作曲したものの未完に終わったハ短調ミサ曲K. 427は、20世紀以降ランドン(1956)、バイヤー(1989)、モンダー(1990)、レヴィン(2005)など数々の音楽学者により校訂・補筆がなされましたが、ここではブライトコップフ&ヘルテル社から2018年に刊行されたオランダの音楽学者クレメンス・ケンメによる補筆が採用されています。 ケンメの補筆校訂は2012年に録音されたペーター・ダイクストラ指揮の録音でも話題になりましたが、先行録音はあるものの、コンパクトな編成で楽譜の特徴をよく伝えるダニーデン・コンソートの解釈は、2023年8月6日のBBCプロムスでも演奏、放送もされ大きな反響を呼びました。 同日のプログラム前半でも演奏されたC.P.E.バッハ晩年の合唱曲「聖なるかな」は、ミサのサンクトゥスの章をラテン語ではなくドイツ語で、出典である新約聖書の羊飼いへのお告げの場面を生々しく描写するよう仕上げた音楽。こちらも短いながら金管・打楽器が二重合唱を効果的に盛り上げ、声楽・器楽パートの精妙な解釈と相俟ってC.P.E.バッハ特有の書法が大いに迫力を発揮します。 両作曲家の異同にも気づかされる刺激的な新録音です。 -
ジャン・ジル(1668-1705):
モテ「主よ、わが神、あなたが頼りなのです」
レクイエム [ファビアン・アルマンゴー、レ・フォリー・フランセーズ]発売日:2023年10月06日
CD国内仕様 解説日本語訳付き価格:3,520円(税込、送料無料)
フランス王室が愛したレクイエム、
同国精鋭陣による新録音には異形のモテも併録!南フランスのプロヴァンス地方出身の天才作曲家ジャン・ジル。大クープランと同じ1668年に生まれ、生涯を通じて専らフランスの南側で活躍しパリにもヴェルサイユにも来ないまま早世しましたが、ルイ14世の治世下で作曲したレクイエムが王室でもとりあげられ注目を浴び、18世紀を通じて王室の葬儀で頻繁に再演されるという栄に浴しました。有名な定期演奏会コンセール・スピリチュエルも発足20年前に亡くなったこの昔日の巨匠の作品を何度も演奏、パリの人々にも喝采を博し続けました。 20世紀の古楽復権の流れでもシャルパンティエやデュ・モンと並んで注目されてきた彼のレクイエムに、ブルボン家歴代の王たちの祈りの場となってきたヴェルサイユ宮殿の王室礼拝堂での最新録音が登場。手稿譜の形でのみ残る珍しいグラン・モテ(合奏付き合唱曲)と共に演奏を聴かせるのは、フランス17~18世紀音楽の知られざる魅力を実演と録音を通じて根強く紹介し続けてきた実力派ファビアン・アルマンゴー率いるヴェルサイユ・バロック音楽センター(CMBV)の合唱団。器楽陣にはCMBVでの研究成果を比類ない演奏に昇華してきた精鋭集団レ・フォリー・フランセーズが加わり、残された楽譜の持ち味を最大限に引き出す精妙な解釈に仕上げられています。モテ「主よ、わが神、あなたが頼りなのです」では時として舞踏劇やオペラを思わせる音使いもあり、メリハリの利いた古楽器演奏と相俟ってジルの作風の広がりを印象づけてやみません。 CMBVの音楽学者ジュリアン・デュブリュクによる解説(仏・英・独語/国内仕様盤には日本語訳付)も充実、フランス・バロックの奥深さと欧州古楽界の層の厚さに改めて驚かされる新録音です。収録作曲家:
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シュレーカー(1878-1934):
歌劇《宝を探す男》 [ダニエル・ヨハンソン(テノール)/エリザベト・ストリッド(ソプラノ)/トゥオマス・プルシオ(バス・バリトン) 他/マルク・アルブレヒト(指揮)/ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団&合唱団]発売日:2023年09月29日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:4,950円(税込、送料無料)
ベルリン・ドイツ・オペラよりシュレーカーの代表作《宝を探す男》 ――
稀少な映像作品登場!20世紀初頭にその名を馳せたオペラ作曲家フランツ・シュレーカーの《はるかな響き》、《烙印を押された人々》とならぶ代表作《宝を探す男》が、クリストフ・ロイとマルク・アルブレヒトのコラボレーションにより好評を博したコルンゴルトの《ヘリアーネの奇蹟》に続いて、2022年5月ベルリン・ドイツ・オペラにおいて舞台収録が行われました。 シュレーカーは当時、リヒャルト・シュトラウスと肩を並べる人気作曲家で、この作品が初演された1920年にはベルリン高等音楽院の院長に就任しています。その作風はシュトラウスと同様に後期ロマン派(ポスト・ワーグナー)の流れを汲みつつも、そこに当時の様々な新しい芸術的潮流(印象主義、表現主義、新即物主義、さらにはイタリアのヴェリズモ・オペラまで)を取り入れたユニークなものとして知られています。 本作品でも、先行する2作と同様、作曲家自身による台本に作曲した男女のエロス的な心理を描く爛熟した響きの多用を特徴とし、シュレーカーのオペラを数多く指揮したクレンペラーは「…批評家パウル・ベッカーは(中略)『宝を掘る人(ママ)』の愛の二重唱は『トリスタン』以後の最高のものであると主張した」(白水社刊『クレンペラーとの対話』)と語っています。 この上演ではエリザベト・ストリッドが言い寄る男たちを手玉にとる悪女エルス役を蠱惑的に演じ、ダニエル・ヨハンソンがエルスとの葛藤の末に悔い改めた彼女の罪を赦すエリス役を情熱的な歌唱で応えています。そして、このふたりの主役を中心とした充実した歌唱陣とオーケストラを、オペラのストーリーを可視化するクリストフ・ロイの明快な演出を背景に、マルク・アルブレヒトの俊敏なタクトが精彩豊かにリードしています。収録作曲家:
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ドニゼッティ(1797-1848):
歌劇《ドン・パスクワーレ》 [ブリン・ターフェル(バス・バリトン)/オルガ・ペレチャッコ(ソプラノ)/イオアン・ホテア(テノール)/マルクス・ウェルバ(バリトン) 他/エヴェリーノ・ピド(指揮)/コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団&合唱団]発売日:2023年09月29日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:5,500円(税込、送料無料)
コヴェント・ガーデンより
底抜けに愉快なターフェル&ペレチャッコの《ドン・パスクワーレ》登場!2019年コヴェント・ガーデンにおける鬼才ダミアーノ・ミキエレット演出による、《愛の妙薬》と並ぶドニゼッティのオペラ・ブッファの傑作《ドン・パスクワーレ》は、舞台に現代風俗を取り入れ、スマートで愉快なアプローチが光る新制作のプレミエ上演。タイトル・ロールはこのオペラ・ハウスの顔ともいえるブリン・ターフェルが初挑戦、ヒロイン、ノリーナ役はその卓越した技巧と美声で人気を集める歌姫オルガ・ペレチャッコのコヴェント・ガーデンへのデビューと、初めてずくめの上演記録です。 ターフェル演ずるドン・パスクワーレは、これが同役デビューとは信じられないほど見事な役への嵌まりぶり、コミカルでコケティッシュな演技と歌唱が目覚ましいペレチャッコと丁々発止のやりとりを繰り広げます。 脇を固めるマルクス・ウェルバ(ワルぶりが板についたマラテスタ役)と、イオアン・ホテア(脳天気な純情青年エルネスト役)らも舞台を大いにもり立て、ドニゼッティとベッリーニのオペラをそのレパートリーの中心におく名匠エヴェリーノ・ピドの端正で気品溢れるタクトが、この作品に新鮮な息吹をもたらしています。収録作曲家:
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ヴィラ=ロボス(1887-1959):
チェロ協奏曲 第1番・第2番
チェロと管弦楽のための幻想曲 [アントニオ・メネセス(チェロ)/イサーク・カラブチェフスキー(指揮)/サンパウロ交響楽団]VILLA-LOBOS, H.: Cello Concertos Nos. 1 and 2 / Fantasia for Cello and Orchestra (A. Meneses, São Paulo Symphony, Karabtchevsky)
発売日:2023年09月22日 NMLアルバム番号:8.574531
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,200円(税込)
ブラジル外務省が主導するプロジェクト「Brasil em Concerto」。19世紀から20世紀にかけて作曲された約100曲のブラジル音楽をブラジルのオーケストラが演奏、録音するという、これまでになかった大がかりな企画です。 今作はブラジルを代表する作曲家ヴィラ=ロボスのチェロと管弦楽のための作品集。収録曲は、サイレント映画のサウンドトラックを思わせる第1番、セルゲイ・クーセヴィツキーに捧げられた3つの楽章からなる「幻想曲」、最晩年の大作第2番の3作品。幼い頃に父からチェロを学び、生涯を通じてこの楽器に強い愛着を抱いていたというだけあり、どれも素晴らしい仕上がりを誇ります。 ヴィラ=ロボス交響曲全集の名演が印象に残るカラブチェフスキーとサンパウロ交響楽団の名コンビが世界的チェリストのアントニオ・メネセスをソロに迎えた、「チーム・ブラジル」による待望の録音の登場です。 ※国内仕様盤には木許裕介氏(指揮者、日本ヴィラ=ロボス協会会長)による日本語解説が付属します。
収録作曲家:
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バッハとイタリア
~半音階的幻想曲、イタリア協奏曲 ほか
[ジュスタン・テイラー]Harpsichord Recital: Taylor, Justin - BACH, J.S. / MARCELLO, B. / SCARLATTI, A. / VIVALDI, A. (Bach and L'Italie)
発売日:2023年09月22日 NMLアルバム番号:ALPHA998
CD国内仕様 日本語解説付き価格:3,300円(税込、送料無料)
俊英ジュスタン・テイラーが紐解くイタリア音楽のバッハへの影響、
スコット・ロスゆかりの名器を使用!コロナ禍に二度も来日し、私たちに素晴らしい音楽を停滞なしに届けてくれたチェンバロの若き俊才、ジュスタン・テイラーが大バッハとイタリアの関係を紐解く一枚。 バッハは故郷のザクセン地方を離れることは滅多にありませんでしたが、ヨーロッパ中の最新の音楽情報を常に収集していました。なかでもコンチェルタンテ様式の発祥の地であるイタリアの革新的な音楽に細心の注意を払い、ヴィヴァルディやマルチェッロ兄弟の作品を研究し、自身の鍵盤作品に、アルプスの向こうの煌びやかな輝きを巧みに盛り込んでいました。 このアルバムには、バッハが研究のために鍵盤独奏用に編曲したイタリアの作品や、その集大成である半音階的幻想曲やイタリア協奏曲を収録。イタリアのオリジナル作品などの小品で収録曲を繋いでゆく構成も興味深いものです。 スコット・ロスが愛奏したことで知られるアサス城の名器を自在に操るテイラーの生き生きとした表現がたいへん魅力的で、チェンバロにもここまで振幅のある表現が出来るのかと感心させられる一枚です。 -
J.S.バッハ(1685-1750)/
エーラー(1980-)(リイマジンド):
パルティータ
第1番・第2番・第5番 (室内管弦楽版)他 [トレヴァー・ピノック、ロイヤル・アカデミー・オブ・ミュージック・ソロイスツ・アンサンブル ほか]BACH, J.S.: Partitas, BWV 825, 826, 829, 830 (arr. T. Oehler) (Royal Academy of Music Soloists Ensemble, Glenn Gould School, Pinnock)
発売日:2023年09月22日 NMLアルバム番号:CKD730
CD国内仕様 解説日本語訳付き価格:3,300円(税込、送料無料)
ピノックが”振る” 『パルティータ』室内管弦楽版ユゼフ・コフレル編曲「ゴルトベルク変奏曲」が大きな話題となったトレヴァー・ピノックとロイヤル・アカデミー・オブ・ミュージック・ソロイスツ・アンサンブルによる、バッハの鍵盤楽器のための名作を室内管弦楽で演奏する企画第2弾。今回は同様の編成による新しい編曲をロイヤル・アカデミー出身の作曲家トーマス・エーラーに依頼しました。 コフレルの編曲のような親しみやすさと、それとは異なるアプローチを目指すエーラーが6曲のパルティータから選んだのは1番、2番、5番、そして6番からコレンテで、編成は弦(4/4/3/3/1)、フルート、オーボエ、コーラングレ、ファゴットが各1というもの。編曲よりも一歩踏み込んだ「リイマジンド(再想像)」という作業を経て生み出された作品は、バッハの書いた音型のみを使いながら様々な楽器がフレーズを受け継いで声部の動きを鮮やかな色彩感で表現しており、さらに和声を厚く印象的に響かせることで、バッハの鍵盤作品の最高峰という完成度を保ちながら、ロマン派を思わせる超時代的な美しさを纏わせることに成功しています。 最後にはエーラーのオリジナル作品「光の小川」を収録。ドイツ語のBach(小川)に掛けたタイトルのこの作品は、パルティータの回想もかすかに姿を現しつつ、バッハの音楽が人々の魂を照らし出すイメージを表現しているということです。見通しの良い録音も相まって、たいへん爽やかなアルバムに仕上がっています。
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メータ/フィレンツェ五月音楽祭管弦楽団
ベートーヴェン(1770-1827):
交響曲全集 [ズービン・メータ(指揮)フィレンツェ五月音楽祭管弦楽団]発売日:2023年09月15日
CD 5枚組国内仕様 日本語解説付き価格:5,500円(税込、送料無料)
メータ初のベートーヴェン交響曲全集が遂に登場!ズービン・メータは1936年生まれ。小澤征爾(1935年生まれ)と同じ世代になります。ウィーンで学び、1959年にはウィーン・フィルとベルリン・フィルを指揮して好評を博し、以来国際的な活躍は60年を越えました。そのメータにしてベートーヴェンの交響曲全集の録音・録画が今まで無かったのには驚かされます。 メータが初めてベートーヴェンの交響曲を録音したのは1974年録音の第7番。ロサンゼルス・フィルの音楽監督に就いてから実に12年目のことで、ベートーヴェンの交響曲に対してはかなり慎重に臨んでいたことがうかがわれます。その後、1978年に第5番と第8番を、1980年に第3番をニューヨーク・フィルと録音。セッション録音されたものはこれがすべて、という少なさです。 一方コンサートでは定期的に取り上げており、第3、5、6、8、9番にはライヴ録音盤があります。第5番には、ベルリン・フィルとイスラエル・フィルとの合同コンサートという極めて特別なイベントのライヴがあり、第9ではニューヨーク・フィルとの特別演奏会(1983年)、バイエルン放送響、ミュンヘン・フィル、バイエルン国立管の合同オーケストラとの東日本大震災復興支援コンサート(2011年)、東京バレエ団創立50周年記念公演のモーリス・ベジャール振付によるバレエ版(イスラエル・フィル、2014年)の3種があります。これらからメータがベートーヴェンの交響曲に特別な思いを持っていることが想像されます。 (曲目・内容欄に続く)
収録作曲家:
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メータ/フィレンツェ五月音楽祭管弦楽団
ベートーヴェン(1770-1827):
交響曲全集 [ズービン・メータ(指揮)フィレンツェ五月音楽祭管弦楽団]発売日:2023年09月15日
Blu-ray 2枚組国内仕様 日本語解説付き価格:5,500円(税込、送料無料)
メータ初のベートーヴェン交響曲全集が遂に登場!ズービン・メータは1936年生まれ。小澤征爾(1935年生まれ)と同じ世代になります。ウィーンで学び、1959年にはウィーン・フィルとベルリン・フィルを指揮して好評を博し、以来国際的な活躍は60年を越えました。そのメータにしてベートーヴェンの交響曲全集の録音・録画が今まで無かったのには驚かされます。 メータが初めてベートーヴェンの交響曲を録音したのは1974年録音の第7番。ロサンゼルス・フィルの音楽監督に就いてから実に12年目のことで、ベートーヴェンの交響曲に対してはかなり慎重に臨んでいたことがうかがわれます。その後、1978年に第5番と第8番を、1980年に第3番をニューヨーク・フィルと録音。セッション録音されたものはこれがすべて、という少なさです。 一方コンサートでは定期的に取り上げており、第3、5、6、8、9番にはライヴ録音盤があります。第5番には、ベルリン・フィルとイスラエル・フィルとの合同コンサートという極めて特別なイベントのライヴがあり、第9ではニューヨーク・フィルとの特別演奏会(1983年)、バイエルン放送響、ミュンヘン・フィル、バイエルン国立管の合同オーケストラとの東日本大震災復興支援コンサート(2011年)、東京バレエ団創立50周年記念公演のモーリス・ベジャール振付によるバレエ版(イスラエル・フィル、2014年)の3種があります。これらからメータがベートーヴェンの交響曲に特別な思いを持っていることが想像されます。 (曲目・内容欄に続く)
収録作曲家:
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愛の死
ヴァイオリンとピアノのための作品集 [フリーデマン・アイヒホルン(ヴァイオリン)/ファジル・サイ(ピアノ)]発売日:2023年09月08日
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,200円(税込)
トルコの鬼才コンポーザー・ピアニスト、ファズル・サイの新しいアルバムは、彼の長年の友人フリーデマン・アイヒホルンとのデュオ。選ばれた作品はシューマンの晩年のヴァイオリン・ソナタ第1番と、3つのロマンス。そしてシューマンとブラームス、ディートリヒの合作「F.A.E.ソナタ」です。 ヨアヒムに献呈されたこのソナタは、第1楽章をディートリヒが作曲、第2楽章と第4楽章はシューマン、第3楽章のスケルツォはブラームスが作曲しました。のちにシューマンが自身の筆になる部分に手を加え、新たにヴァイオリン・ソナタ第3番として完成させていますが、こちらの「F.A.E.ソナタ」の全曲を耳にすることはあまりありません。ここでのアイヒホルンとサイは緊張感あふれる演奏を披露しています。 そして最後に置かれたワーグナーの《トリスタンとイゾルデ》からの2曲が圧巻。世界初録音となるこのヴァージョンでは、サイのアレンジの妙が生かされており、ワーグナーのうねるような官能的な響きを存分に堪能できます。 ※国内仕様盤には鈴木淳史氏による日本語解説が付属します。
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〈#bruckner2024〉
ブルックナー(1824-1896):
交響曲 第2番 ハ短調(第2稿 ホークショー版) [マルクス・ポシュナー(指揮) リンツ・ブルックナー管弦楽団]発売日:2023年09月08日
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,970円(税込)
CAPRICCIOレーベルと国際ブルックナー協会の主導で、ブルックナーの生誕200年にあたる2024年までにブルックナーの全交響曲のすべての稿(バージョン)を録音しようという企画、 「#bruckner2024」の第9弾。問題の多い第2番の第2稿に新たな光を投げかけるホークショー版による録音が登場。 #bruckner2024の監修者で当CDに使われた楽譜(NBG III/1: 2/2 出版準備中)の校訂者ポール・ホークショーは、当CDに寄せた原盤解説の中で第2番の歴史をこのように整理しています。1871年作曲着手、翌72年9月完成。同年中の演奏を目指してオットー・デッソフ指揮ウィーン・フィルがリハーサルに取り組むも、演奏は却下。1873年10月26日、ブルックナー自身の指揮するウィーン・フィルにより初演。1876年2月20日、同じ顔触れで再演。1877年、大幅に改訂(=第2稿)。 以後1877年の第2稿と称する楽譜は、1892年ウィーンのAlbert J. Gutmann社よりブルックナーの弟子シリル・ヒュナイス(ツィリル・ヒューナイス)校訂により刊行されたのを初めに、1934年ハース版、1965年ノーヴァク版、2007年キャラガン版と刊行されてきました。 (曲目・内容欄に続く)
収録作曲家:
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レスピーギ(1879-1936):
ローマ三部作
ローマの噴水/ローマの祭り/ローマの松 [ロバート・トレヴィーノ(指揮)/RAI国立響]RESPIGHI, O.: Roman Trilogy - Pines of Rome / Fountains of Rome / Roman Festivals (RAI National Symphony, R. Treviño)
発売日:2023年09月08日 NMLアルバム番号:ODE1425-2
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,970円(税込)
トレヴィーノとRAI国立響の初録音、
近代イタリアを代表する名作「ローマ三部作」で堂々登場!衝撃的なベートーヴェン交響曲全集の次はラヴェルの2枚のアルバムで聴き手を震撼させ、続くラウタヴァーラとアメリカ作品集で新たな側面を見せた指揮者ロバート・トレヴィーノ。2017/18シーズンからバスク国立管の音楽監督を務め、2021/22シーズンからはRAI国立交響楽団の首席客演指揮者も兼務しています。 RAI国立響はローマ、トリノ、ミラノ、ナポリにあったRAI交響楽団を1994年に統合して発足したオーケストラで、当盤はトレヴィーノとの記念すべき初録音。選ばれたのはレスピーギの通称「ローマ三部作」。2022年11月23日のコンサートで練り上げた演奏を披露した後、3日間のセッション録音を組んで入念に収録したアルバムです。 1913年、ローマに職を得たレスピーギが訪れたローマ各地の名所から受けたインスピレーションと、その土地の歴史や自然を織り込んだこの3つの交響詩は、師の一人リムスキー=コルサコフ譲りの見事な管弦楽法が花開いた彼の代表作。三部作の中で最初に作曲され、洗練された管弦楽法の繊細な部分を最も堪能できる「ローマの噴水」、大編成のオーケストラと多彩な打楽器群による絢爛豪華な音絵巻を繰り広げつつ、マンドリンを導入したセレナーデも盛り込んだ「ローマの祭り」、 同じく大編成のオーケストラと舞台裏のトランペット、録音された夜鳴きウグイスの声までが用いられた人気作「ローマの松」。これらをトレヴィーノとRAI国立響が深い共感を持って、熱く鮮やかに描いています。 なおレスピーギがサクソルン族の金管楽器を想定して書いた「アッピア街道の松」のバンダは、通常ではトランペットやトロンボーンで代用されることが多いのですが、ここではフリューゲルホーン(トランペット持ち替え)、ワーグナーチューバ、ユーフォニアムが用いられており、特に全体を包むようなユーフォニアムの響きは、この演奏を特徴づけるものとなっています。 ※国内仕様盤には増田良介氏による日本語解説が付属します。収録作曲家:
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モーツァルト(1756-1791):
ピアノ協奏曲 第9番&第24番 [ラルス・フォークト(ピアノ&指揮)/パリ室内管弦楽団]MOZART, W.A.: Piano Concertos No. 9, "Jeunehomme" and 24 (L. Vogt, Orchestre de Chambre de Paris)
発売日:2023年09月08日 NMLアルバム番号:ODE1414-2
CD国内仕様 原盤解説の全訳、解説付き価格:2,970円(税込)
ラルス・フォークトの遺産がまた一つ登場。
53回目の誕生日にモーツァルト・アルバムをリリースドイツの中堅世代を代表するピアニストとして敬愛されてきたラルス・フォークト(1970.9.8 - 2022.9.5)が世を去ると、多くの演奏家から痛切な感情を伴った追悼メッセージが発信されました。そこで異口同音に讃えられていたのは、その真摯で虚飾の無い音楽性とあたたかな人柄。フォークトが生前に遺していた録音としては、先にテツラフ兄妹とのシューベルト:ピアノ三重奏曲集が発売されて大きな反響を呼んでいます。彼の53回目の誕生日となる2023年9月8日にリリースされる当モーツァルト・アルバムも、フォークトの音楽を愛する人にとってかけがえのないものとなることでしょう。 フォークトは2020年にパリ室内管弦楽団の音楽監督に着任すると、次々と意欲的なプログラムに取り組みましたが、期せずして病が進行し、このコンビの録音としてはメンデルスゾーンのピアノ協奏曲集(ODE-1400として発売済)とここに収録されたモーツァルトの2曲だけとなってしまいました。原盤解説書(英語と独語)には当録音のプロデューサーであるクリストフ・フランケ氏が7ページ余りにおよぶ回想を寄せています。それによればフォークトは録音期間中も闘病という現実に向き合いつつも常にものごとを前向きに考え、相反する感情の中を生きていたと言います。 ここに聴かれる演奏も、決して自らの死を予感した人の悲しみ一色の演奏というようなものではなく、第9番の若々しい華やぎと中間楽章の悲嘆、第24番の暗く力強いドラマにはさまれた中間楽章の無垢な音の戯れなど、フォークトの円熟が自然体で伝わるものとなっています。フォークトの遺産としてのみならず、現代にふさわしい美感と様式感を備えた両曲の名演奏の一つとして聴き継がれるに値する1枚と言えるでしょう。 第24番のカデンツァはラルス・フォークトの自作。マルティン・ヘルムヒェンもPENTATONE盤でこのカデンツァを演奏しています。 ※国内仕様盤には原盤解説の全訳に加え、 大津聡氏による解説が付属します 。収録作曲家:
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〈HAYDN 2032 第14集〉
~帝国の響き~
交響曲 第33・53・54番 [ジョヴァンニ・アントニーニ、バーゼル室内管弦楽団]発売日:2023年09月08日
CD国内仕様 解説日本語訳付き価格:3,300円(税込、送料無料)
金管・打楽器が映える充実編成!
中期作を中心にハイドンの真価に迫る作曲家生誕300周年となる2032年までに「交響曲の父」ハイドンが残した107曲もの交響曲を全て録音してゆくHAYDN 2032シリーズでは、指揮を務めるジョヴァンニ・アントニーニ自身のグループであるイル・ジャルディーノ・アルモニコと共に、古楽器を使いこなし瑞々しい演奏を聴かせるバーゼル室内管弦楽団も既に多くの名演を聴かせてくれています。 第14弾の演目に選ばれたのは、作曲家の生前から高い人気を誇り、19世紀半ばに「帝国 L’Impériale」の綽名が添えられた交響曲第53番をはじめ、トランペットとティンパニが添えられ勇壮な響きが堪能できる中期の充実作3編。当初は契約により、エステルハージ侯爵家のために書いた作品の宮廷外での発表を禁じられていた宮廷楽長ハイドンでしたが、この頃には主君の計らいもあってパリやロンドン、アムステルダムなど大都市を中心に多くの作品が各地でさかんに演奏されるようになり、急速に国際的な知名度を築きつつあった時期でした。短期間のうちに何度か手直しされ序奏や金管パートの拡張があった第54番、初期作品では異例とも言える大編成をとる第33番に加え、第53番フィナーレの異稿としても使われた人形音楽劇のための序曲も収録。舞台音楽でも経験を積みつつあったハイドンの真相に迫ります。 今回もアントニーニ自身のコメントや最新研究を踏まえた作品解説などライナーノートも充実(英、仏、独語/国内仕様盤は日本語訳付)。収録作曲家:
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心と口と行いと命もて
J.S.バッハ(1685-1750):
カンタータ BWV 6・99・147 [フィリップ・ヘレヴェッヘ、コレギウム・ヴォカーレ・ヘント]発売日:2023年09月08日
CD国内仕様 日本語解説、歌詞日本語訳付き価格:3,520円(税込、送料無料)
ヘレヴェッヘの指揮で聴く「主よ、人の望みの喜びよ」
カンタータ集に第147番登場ヘレヴェッヘが自主レーベルPhiで続けている、200曲近いバッハの教会カンタータからの厳選録音に、人気曲第147番が登場。 今回収録された3曲は1723年から25年までの間にライプツィヒ聖トーマス教会のために作曲されたもので、いずれも各声部にアリアやレチタティーヴォがあり合唱との鮮やかな対照を聴かせるほか、管楽器も随所でオブリガート的に活躍するなど、聴きどころの多い作品です。1723年、聖母マリアのエリザベト訪問の祝日のために書かれた第147番は2部構成の大掛かりなもので、トランペットも用いられて冒頭から華やか。終曲の合唱が「主よ、人の望みの喜びよ」の名で(第1部の終曲も同じ音楽に違う歌詞を載せたもの)広く有名です。併せて1724年の三位一体後第15主日のために書かれた第99番、1725年の復活節第2日のために書かれた第6番といった傑作を収録しています。 声楽陣は各パート3名の精鋭で固められ、アルト(カウンターテナー)にアレックス・ポッター、バスにペーター・コーイといったお馴染みの名歌手を配置。ソプラノにはドロテー・ミールズのほか、ミュンヘン在住の岡村知由紀も参加しています。ヘレヴェッヘはいずれの作品でも自然な躍動感と伸びやかさを大切にし、それぞれの歌詞が表出する世界観を瑞々しく歌い上げます。収録作曲家:
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ブルックナー(1824-1896):
交響曲 第8番 ハ短調 WAB 108
ノーヴァク版 第2稿 [パーヴォ・ヤルヴィ、チューリヒ・トーンハレ管弦楽団]BRUCKNER, A.: Symphony No. 8 (Zürich Tonhalle Orchestra, P. Järvi)
発売日:2023年08月25日 NMLアルバム番号:ALPHA987
CD国内仕様 日本語解説付き価格:3,300円(税込、送料無料)
パーヴォ・ヤルヴィ、
ブルックナー交響曲第8番を再録音!パーヴォ・ヤルヴィとチューリヒ・トーンハレ管弦楽団によるブルックナー後期3大交響曲の第2弾として、フランクフルト放送響との全集録音から10年ぶりの再録音となる第8番が登場。約15年ぶりの再録音となった前回の第7番では全ての楽章においてテンポが速くなっているのが特徴でしたが、第8番では逆に全楽章で遅くなっており、特に第4楽章では2分30秒を超える差が生じています。しかしながら演奏は、むしろより引き締まった印象を与えるもので、たいへん力強く聴きごたえのある出来栄え。またホールの特性もあってか各パートのフレーズが際立ち、見通しのよい録音であることも良い結果をもたらしているといえるでしょう。 今回もヴァイオリンを両翼、左奥にコントラバスという弦の配置を採用していますが、金管楽器については、前回第7番で右に独立して配置したワーグナー・チューバはホルンと持ち替えとなるために左へ集約、その代わりバス・チューバ(シンカポール交響楽団の夏目友樹がエキストラ参加)をティンパニ隣の最上段ほぼ中央に配してワーグナー・チューバとのアンサンブルに親和性を持たせ、その右にトロンボーン、さらに右にトランペットという、やや特殊な配置となりました。中央に低音金管楽器が置かれることで得られる安定感に加え、第1楽章クライマックスではトランペットとホルンによるリズム動機が左右から鳴り響くという効果も得られています。 パーヴォの拘りが大きな実を結んだブルックナー・シリーズ、今後発売予定の第9番にも期待が大きく膨らむところです。収録作曲家:
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バッハ・ミニマリスト
J.S.バッハ、グレツキ、アダムズ [ルイ=ノエル・ベスティオン・ド・カンブラ、シモン=ピエール・ベスティオン、ラ・タンペート]BACH MINIMALISTE (Camboulas, La Tempête, Bestion)
発売日:2023年08月25日 NMLアルバム番号:ALPHA985
CD国内仕様 日本語解説付き価格:3,300円(税込、送料無料)
刺激的な美しさ!
バッハとミニマル、インプロヴィゼーションの出会いシモン=ピエール・ベスティオンが2015年に結成したラ・タンペート。これまで主に声楽アンサンブルとしてCDをリリースしてきましたが、器楽アンサンブルにも力を入れている彼らならではの、目の覚めるような弦楽合奏によるアルバムが届けられました。 ベスティオンが「まるで現代の曲のように聴こえる」という大バッハのチェンバロ協奏曲第1番第1楽章から、同じニ短調で書かれたグレツキの協奏曲になだれ込むというオープニングからたいへんスリリング。チェンバロは、指揮者ベスティオンの弟でアンサンブル・レ・シュルプリーズの共同主宰者でもあるルイ=ノエル・ベスティオン・ド・カンブラが担当しています。またガット弦を用いているため、ジョン・アダムズなどはたいへん新鮮な響き。 現代ノルウェーの作曲家クヌート・ニーステッドが、バッハのコラール「甘き死よ来たれ」BWV 478を元にゆったりとしたインプロヴィゼーションの要素を加えて作曲した合唱曲「不滅のバッハ」は、弦楽合奏版とラ・タンペートのためのア・カペラ版と2回収録しており、トーンクラスターが美しく響くこの作品で、今回ただ1曲だけ彼らの高度な合唱(メンバーはアンサンブルと兼任)を聴くことが出来ます。最後は、視力を失った死の床のバッハが口伝で譜面を起こさせたという伝説を持つ美しいコラールを小編成で収録。 これまでのアルバムでも古楽と現代を行き来する先鋭的なプログラムを得意としてきた彼らですが、今回はより刺激的な構成になっているといえるでしょう。 -
18世紀フランス王室の祝典
~1773年、アルトワ伯の結婚に寄せて~ [アレクシス ・コセンコ、レザンバサドゥール=ラ・グランド・エキュリ]発売日:2023年08月25日
CD 2枚組国内仕様 解説日本語訳付き価格:4,950円(税込、送料無料)
18世紀の通例を大きく上回る編成!
話題の古楽指揮者がフランス王室祭典を再現フランス随一のフラウト・トラヴェルソ奏者として注目を集め、録音ではポーランドの気鋭古楽器楽団アルテ・デイ・スオナトーリや自身が創設したレザンバサドゥ―ルの指揮者としてALPHAやChateau de Versailles Spéctacles、Apartéなどの気鋭レーベルで活躍をみせてきたアレクシス・コセンコ。レザンバサドゥールは近年、古楽器による管楽合奏団ラ・グランド・エキュリ(創設者は近年亡くなった古楽器シーンの大先達ジャン=クロード・マルゴワール)を吸収してさらに勢いを増し、メンデルスゾーンの交響曲録音(Aparté)でも注目されているなか登場するこのアルバムでは、18世紀後半のユニークな王室音楽祭典の再現に挑みます。 テーマは1773年のアルトワ伯(翌年ルイ16世となる王太子ルイ=オーギュストの弟、革命と王政復古の後1825年にシャルル10世として戴冠)の結婚祝宴。そこでは王室音楽総監督を務めた大御所フランクールが音楽をとりしきり、彼の長年の共作者F.ルベル(《四大元素》の作曲家J-F.ルベルの子)やドーヴェルニュ、モンドンヴィルといった同時代作曲家たちの往年の傑作群から曲が厳選され、古典派時代にありながらルイ14世時代以来の流儀にならったバロック風の食卓音楽が続きました。 最新監修の楽譜に基づくこの録音は、過去いくつか出ていた同祭典音楽の再現録音より曲数がはるかに多いうえ、1773年当時の王室楽団とほぼ同じ70人規模の大編成(弦楽器12/11/9/12/4、フルート2、オーボエ5、クラリネット2、ファゴット6、ホルン4、トランペット1、ティンパニ1)で、まさにその頃オープンしたヴェルサイユ宮殿王室歌劇場の音響の中、革命前夜のフランス王室音楽の壮麗さを追求。シーン最前線をゆく名手たちの妙技もさることながら、これほどの編成で一体感あるスリリングな演奏を実現したコセンコの巧みな指揮にも驚かされます。 なお国内仕様盤では原盤解説の翻訳に加え、登場する各作曲家の紹介も添えられます。 -
フンパーディンク (1854-1921) :
歌劇《王の子供たち》 [ダニエル・ベーレ(テノール)/オルガ・クルチンスカ(ソプラノ)/ヨーゼフ・ワーグナー(バリトン)/ドリス・ゾッフェル(メゾ・ソプラノ) 他/マルク・アルブレヒト(指揮)/オランダ・フィルハーモニー管弦楽団]発売日:2023年08月25日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:4,950円(税込、送料無料)
ロイ&アルブレヒトによるフンパーディンクの傑作
歌劇《王の子供たち》登場!このメルヒェン・オペラ《王の子供たち》は、エンゲルベルト・フンパーディンクがエルンスト・ロズマーの台本に作曲。1910年ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で世界初演(伝説の名歌手ジェラルディン・ファーラーがガチョウ娘役を創唱)し、大好評を博しました。フンパーディンクの代表作《ヘンゼルとグレーテル》同様、グリム童話にその題材を求めたメルヒェン・オペラですが、物語の結末は《ヘンゼルとグレーテル》のハッピー・エンドとは真逆の、主人公の若い王族のふたりが哀れな末路をたどるという悲劇です。フンパーディンクは、そこに師のワーグナーから受け継いだ、輝かしくも重厚緻密な管弦楽法を駆使し、登場人物たちに朗唱的な歌唱を与え、迫真の音楽ドラマとして描きだしています。 本作は、歌唱陣に王の息子役のダニエル・ベーレ、ガチョウ娘役のオルガ・クルチンスカ、吟遊詩人役のヨーゼフ・ワーグナーを初めとした粒ぞろいの歌手を起用。数多くの革新的なプロジェクトで話題を呼ぶ人気演出家クリストフ・ロイと、英国の国際オペラ・アワードで2019年度のコンダクター・オブ・ザ・イヤーの栄誉に輝いたマルク・アルブレヒトのコラボレーションは、《ヘンゼルとグレーテル》の影に隠れた感のあるこの作品に、随所にダンサーによる踊りとマイムをちりばめ、モノクロームの投影映像を挿入するなどの工夫を凝らした舞台づくりによって、斬新な光を当てています。収録作曲家:
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モーツァルト(1756-91):
歌劇《フィガロの結婚》 [リッカルド・ファッシ(バス)/ジュリア・セメンツァート(ソプラノ)/ジェルマン・E. アルカンタラ(バリトン)/フェデリーカ・ロンバルディ(ソプラノ) 他/アントニオ・パッパーノ(指揮)/コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団&合唱団]発売日:2023年08月25日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:5,500円(税込、送料無料)
パッパーノ&マクヴィカーによる極上の《フィガロの結婚》、
コヴェント・ガーデンより再び登場!2006年、コヴェント・ガーデンでプレミエ上演されたデイヴィッド・マクヴィカー演出の《フィガロの結婚》は、同年アントニオ・パッパーノの指揮、アーウィン・シュロット(フィガロ)、ミア・パーション(スザンナ)、ドロテア・レッシュマン(伯爵夫人)、ジェラルド・フィンリー(アルマヴィーヴァ伯爵)ら錚々たるキャストで収録され、《フィガロの結婚》の定番映像のひとつとして長らく好評を得てきました。この度の《フィガロの結婚》は、2002年以来コヴェント・ガーデンの芸術監督を務め2023/24のシーズンで任期満了となるパッパーノのたっての希望で2022年1月、マクヴィカー演出の上演を再び映像収録したものです。 メイン・キャストに新進気鋭の若手歌手を起用。マクヴィカーがすべてのリハーサルに立ち会い、パッパーノと協同しながら細部にわたって演出を施し、オリジナル・プロダクションチームによるオーソドックスな衣装・舞台美術・照明を背景に、演劇的な活力と音楽的な高揚感溢れる極上の《フィガロの結婚》として結実しました。収録作曲家:
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『モーツァルトとマンボ』 3
美しきキューバ娘 [サラ・ウィリス、ジョナサン・ケリー、ヴェンツェル・フックス、シュテファン・シュヴァイゲルト ほか]Horn Recital: Willis, Sarah - FERNÁNDEZ, J. / MOZART, W.A. / OLIVERO, E. / WHITE LAFITTE, J. (Mozart y Mambo: La Bella Cubana)
発売日:2023年08月25日 NMLアルバム番号:ALPHA937
CD国内仕様 日本語解説付き価格:3,300円(税込、送料無料)
世界的大ヒット企画が完結!
ベルリン・フィル・メンバーも参加の「モーツァルトとマンボ」第3弾ベルリン・フィルの人気ホルン奏者サラ・ウィリスがキューバのミュージシャンたちと録音し、世界的な大ヒットとなった2020年のアルバム「モーツァルトとマンボ」(ALPHA578/NYCX-10151)、2022年の「キューバン・ダンス」(ALPHA878/NYCX-10336)に続く三部作の完結編が登場。「モーツァルトはきっと素晴らしいキューバ人になったはず」という現地の友人の一言がきっかけとなり、彼女自身が大好きなキューバの音楽とモーツァルトを取り合わせるというなんとも不思議な企画が立ち上がりましたが、これが非常に面白い相乗効果を生みました。 3つのアルバムを合わせてサラ・ウィリスとハバナ・リセウム・オーケストラによるモーツアルトのホルン協奏曲全4曲が揃いますが、ここにもう1曲モーツアルトを加えたいという彼女の熱意に応えて、ベルリン・フィルから3人の首席奏者たちがハバナへ駆けつけ協奏交響曲の録音が実現しました。 彼らはアンコールとして19世紀にフランスで活躍したキューバ出身の作曲家・ヴァイオリニスト、ホセ・ホワイト・ラフィットが作曲した「美しきキューバ娘」も演奏。4人のソリストもオーケストラも肩の力を抜いて、音楽を心から楽しんでいるのが伝わる素晴らしい演奏を聴かせています。 最後はキューバ国内はもとより世界中で親しまれている名曲「グァンタナメラ(グァンタナモの娘)」のライヴ感覚溢れるパフォーマンスで、コロナ禍を乗り越えて完結したこのシリーズを締めくくります。収録作曲家:
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ハイドン(1732-1809):
〈後期交響曲集 第1集〉
交響曲 第93番-第95番 [アダム・フィッシャー(指揮)/デンマーク室内管弦楽団]発売日:2023年08月11日
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,200円(税込)
アダム・フィッシャー、ハイドンへ還る。
後期交響曲の再録音がスタート!ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスの番号付きの全交響曲を録音した唯一の指揮者アダム・フィッシャー。デンマーク室内管弦楽団の首席指揮者就任から25年となる記念の年に彼が世に問うのはハイドンの後期交響曲シリーズの再録音です。第1集はロンドン交響曲から人気作「驚愕」を含む3曲を収録。旧盤との違いも大きく、全編通じてエキサイティングかつ魅力的な音楽が展開し、今後への期待が大いに募ります。 アダム・フィッシャーはハイドンの全交響曲を演奏するためにオーストリア・ハンガリー・ハイドン管弦楽団を組織し、ハイドンゆかりのエステルハージ宮で1987年から2001年にかけてNimbusレーベルに録音を行いました。それらは50人ほどに絞り込まれたオーケストラによる見通しの良いサウンドと、緩急のコントラストが利いた解釈、録音会場の音響を生かしたまろやかなサウンドが印象的に残るものです。 デンマーク室内管との再録音はそれらに比べると、更にシェイプアップ、テンポアップされており、ダイナミックスの切り替えやアクセントも鮮烈になっています。流れるようなスピード感のあるフレージングには古楽演奏の影響が聞き取れますが、オーケストラの伸縮自在な演奏ぶりからは、このスタイルが彼らのスタンダードとなっていることがうかがわれます。弓使いにも工夫を凝らし、通常よりも生き生きとした効果が得られるためのリコシェ(跳弓)などのテクニックを意図的に使っています。 新旧比較で顕著な違いがあるのはメヌエット楽章で、恰幅の良い旧盤に対して新盤のステップの速さと滑らかさは別次元。他にも第93番の最終楽章は「これぞプレスト!」と快哉を叫びたくなる疾走感、第94番の第2楽章冒頭での無音かと思えるほどの再弱音から一転しての強烈な一撃はまさに「驚愕」。原盤解説で「コンサートと同じようにレコーディングでも聴衆を魅了することを願っています」とアダム・フィッシャーが語るように、ライヴ感に満ちた演奏で、大注目のプロジェクトです。 ※国内仕様盤には鈴木淳史氏による日本語解説が付属します。収録作曲家:
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映画『チューリヒ・アフェア』
~ワーグナー 唯ひとつの愛~ [イェンス・ノイバート監督]発売日:2023年07月28日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:4,400円(税込、送料無料)
ワーグナー・ファン必見!
ワーグナーのチューリヒ亡命時代を描く『チューリヒ・アフェア』 ~ワーグナー 唯ひとつの愛~1849年のドレスデン5月蜂起の失敗後、故郷から追放され妻ミンナを伴ってチューリヒにたどりついたワーグナーは、彼の音楽の熱烈な崇拝者である裕福な商人オットー・ヴェーゼンドンクとその妻マティルデと出会います。ワーグナーは、街の劇場のオーケストラの指揮やマティルデへの音楽の個人教授などで糊口を凌ぎながら《トリスタンとイゾルデ》の作曲に取り組みます…… ウェーバーの歌劇《魔弾の射手》を映画化した『狩人の花嫁』(2013年ドイツ)で知られるイェンス・ノイバート監督によるワーグナーのマティルデとのスキャンダラスな恋愛、創作への情熱、彼を取り巻く人々との葛藤を描く伝記映画『チューリヒ・アフェア』。アメリカの人気作家ポール・オースターの娘で、シンガーソングライター&女優のソフィー・オースターがマティルデ・ヴェーゼンドンク役、ヒップホップ・アーティストとしても活躍するフィンランドのマルチ・タレント、ヨナス・サールタモがワーグナー役を演じています。 特典映像として映画本編で歌手役を務めるミヒャエル・フォッレの映画解説を併録。収録作曲家:
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ピツェッティ(1880-1968):
ソフォクレスの『オイディプス王』への
3つの交響的前奏曲
ストラヴィンスキー(1882-1971):
オペラ=オラトリオ《エディプス王》 [AJ. グリュッカート(テノール)/エカテリーナ・セメンチュク(メゾ・ソプラノ)/アレックス・エスポジト(バリトン) 他/指揮:ダニエレ・ガッティ/フィレンツェ五月音楽祭管弦楽団&合唱団(合唱指揮:ロレンツォ・フラティーニ)]発売日:2023年07月28日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:4,950円(税込、送料無料)
ピツェッティ&ストラヴィンスキーによる2つの『エディプス王』 ――
ガッティ&フィレンツェ五月音楽祭のユニークなコンサート、ライヴ古代ギリシャ悲劇の最高傑作の一つに挙げられる『オイディプス王(エディプス王)』を素材にして、ピツェッティ(1880-1968)とストラヴィンスキー(1882-1972)という同時代を生きた二人の作曲家が書いた対照的な作品を並べた意欲的なコンサートのライヴ映像。 「ソフォクレスの『オイディプス王』への3つの交響的前奏曲」はピツェッティ24歳の作品。ミラノの劇場でのソフォクレス:『オイディプス王』上演のために書かれました。バロック音楽やルネサンス音楽に対して強い関心を持っていたピツェッティが古代ギリシャに思いを馳せて書いた清澄な響きが興味を惹きます。 一方、オペラ=オラトリオ《エディプス王》は、ジャン・コクトーがソフォクレスの『オイディプス王』に依って書いた台本のラテン語訳詞にストラヴィンスキーが作曲し、 1927年、バレエ・リュスのパリ公演の一環として作曲家自身の指揮で初演。翌1928年、ベルリンでこの作品を上演したクレンペラーは「《エディプス王》は(…中略)クロール・オーパーで採り上げた現代作品の中で、私に最も大きな喜びを与えた作品でした」(白水社刊「クレンペラーとの対話」)と語っています。 この演奏会では同じギリシャ悲劇をテーマとしながらも、かたや清澄な抒情とドラマを併せ持つ管弦楽曲、こなた叙事性に重きを置いたナレーション付きの声楽による音楽劇、という対照的な性格の2つの作品をカップリング。近・現代作品の解釈に定評のあるダニエレ・ガッティのタクトのもと、フィレンツェ音楽祭管弦楽団(&合唱団、独唱陣)による端正なたたずまいと高い緊張感に貫かれた演奏が聴きものです。 -
ムソルグスキー(1839-81):
歌劇《ボリス・ゴドゥノフ》原典版(1869年) [ブリン・ターフェル(バス・バリトン)/ヴラダ・ボロフコ(ソプラノ)/ベン・ナイト(バリトン) 他/指揮:アントニオ・パッパーノ/コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団]発売日:2023年07月28日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:5,500円(税込、送料無料)
ブリン・ターフェル&パッパーノによる作品の「原型」に迫る
《ボリス・ゴドゥノフ》原典版(1869)登場!歌劇《ボリス・ゴドゥノフ》は1869年に完成したものの、その後作曲家自身、リムスキー=コルサコフ、ショスタコーヴィチらによる手が加えられた複数の改訂版により、この原典版(1869)はあまり顧みられることはありませんでした。 本作は、この《ボリス・ゴドゥノフ》のオリジナルの姿を蘇らせるべく、音楽的にはボリス役初挑戦となったブリン・ターフェルが倨傲と脆弱さを併せ持つ主人公の姿を、迫真の歌唱で演じ、近年その充実ぶりが目覚ましいコヴェント・ガーデンの合唱団とオーケストラから、パッパーノが厳(いか)つく重厚な響きを引き出しています。 さらに、演劇的にも皇位簒奪者の心の闇、廷臣の陰謀、無名の民衆の動きをくっきりと可視化するリチャード・ジョーンズによる舞台演出により、ムソルグスキーがプーシキンの史劇から着想した《ボリス・ゴドゥノフ》の原案かくやあらんという説得力あるドラマとして結実しています。収録作曲家:
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ジョルダーノ(1867-1948):
歌劇《アンドレア・シェニエ》 4幕の歴史劇 [ヨナス・カウフマン(テノール)/ジョルジュ・ペテアン(バリトン)/アニヤ・ハルテロス(ソプラノ)他/指揮:マルコ・アルミリアート/バイエルン国立歌劇場管弦楽団&合唱団]発売日:2023年07月28日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:6,050円(税込、送料無料)
バイエルン国立歌劇場より
アルミリアート指揮、カウフマン、ハルテロス主演の《アンドレア・シェニエ》登場ヴェリズモ・オペラの傑作のひとつとされる《アンドレア・シェニエ》は、フランス革命の最中に断頭台で処刑された実在の詩人、アンドレ・マリ=シェニエをモデルにしたルイージ・イッリカによる台本にジョルダーノが作曲、1896年3月ミラノ・スカラ座で初演され、大成功を収めました。ジョルダーノならではの豊潤な調べに乗せて、シェニエとマッダレーナの出会いから悲劇的な結末に至るまでの物語が、ドラマティックに繰り広げられます。 本収録《アンドレア・シェニエ》(2017)の主役の二人、ヨナス・カウフマンとアニヤ・ハルテロスのバイエルン国立歌劇場での共演は、《ローエングリン》(2009)に始まり《ドン・カルロ》(2012)、《イル・トロヴァトーレ》(2013)に続く4作目。今をときめくゴールデン・コンビとして人気を博する二人の絶唱と息のあった二重唱が見事です。 さらにメトロポリタン歌劇場、ウィーン国立歌劇場をその指揮活動の中心に置き、世界中から引く手あまたのイタリア・オペラの名匠マルコ・アルミリアートのタクトが、フィリップ・シュテルツルによる豪華な舞台作りと相まって、このフランス革命下の男女の愛憎と悲劇を雄弁に描き出しています。収録作曲家:
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ピツェッティ(1880-1968):
ソフォクレスの『オイディプス王』への
3つの交響的前奏曲
ストラヴィンスキー(1882-1971):
オペラ=オラトリオ《エディプス王》 [AJ. グリュッカート(テノール)/エカテリーナ・セメンチュク(メゾ・ソプラノ)/アレックス・エスポジト(バリトン) 他/指揮:ダニエレ・ガッティ/フィレンツェ五月音楽祭管弦楽団&合唱団(合唱指揮:ロレンツォ・フラティーニ)]STRAVINSKY, I.: Oedipus Rex [Opera] / PIZZETTI, I.: Per l'Edipo re di Sofocle (Glueckert, Fiorentino Maggio Musicale Chorus and Orchestra, Gatti)
発売日:2023年07月28日 NMLアルバム番号:CDS7981
CD国内仕様価格:2,325円(税込)
古代ギリシャ悲劇の最高傑作の一つに挙げられる『オイディプス王(エディプス王)』を素材にして、ピツェッティ(1880-1968)とストラヴィンスキー(1882-1972)という同時代を生きた二人の作曲家が書いた対照的な作品を並べた意欲的なコンサートのライヴ録音。 「ソフォクレスの『オイディプス王』への3つの交響的前奏曲」はピツェッティ24歳の作品。ミラノの劇場でのソフォクレス:『オイディプス王』上演のために書かれました。バロック音楽やルネサンス音楽に対して強い関心を持っていたピツェッティが古代ギリシャに思いを馳せて書いた清澄な響きが興味を惹きます。 ストラヴィンスキーのオペラ=オラトリオ《エディプス王》は、ジャン・コクトーが『オイディプス王』に依って書いた台本のラテン語訳を用いたナレーション付きの音楽劇。 1927年、バレエ・リュスのパリ公演の一環として作曲家自身の指揮で初演されました。 ここではダニエレ・ガッティの指揮の下、端正なたたずまいと高い緊張感に貫かれた演奏が聴きものです。
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サントロ(1919-1989):
〈交響曲全集 第3集〉
交響曲 第8番
チェロ協奏曲他 [マリーナ・マルチンス (チェロ)/デニーシ・ジ・フレイタス (メゾ・ソプラノ)/ニール・トムソン (指揮)/ゴイアス・フィルハーモニー管弦楽団]SANTORO, C.: Symphonies (Complete), Vol. 3 - No. 8 / Cello Concerto (D. de Freitas, Marina Martins, Goiás Philharmonic, N. Thomson)
発売日:2023年07月14日 NMLアルバム番号:8.574410
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,200円(税込)
ブラジル外務省が主導するプロジェクト「Brasil em Concerto」。19世紀から20世紀にかけて作曲された約100曲のブラジル音楽をブラジルのオーケストラが演奏、録音するという、これまでになかった大がかりな企画です。その中でもブラジルを代表するシンフォニストであるクラウジオ・サントロの交響曲全集は注目の企画です。 このアルバムには1960年代の作品を収録。この時期は波乱に富んだサントロの人生の中でも特筆に値する激動の時代であり、単に交響曲全集のうちの1枚というだけでなく、その時代を映した選曲がなされていることも興味を惹きます。 1960年、サントロは西ドイツ(当時)政府の招きでケルンを訪れ、その後電子音楽を研究するためにベルリンへ移ります。そこで体調を崩し資金にも難渋したサントロに支援を申し出たのが東ドイツの作曲家連盟で、彼は1961年夏を東ベルリンで迎え、8月13日のベルリンの壁着工を目撃することとなりました。 (曲目・内容欄へ続く)
収録作曲家:
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イム・ユンチャン
ライヴ・フロム・クライバーン
リスト(1811-1886):
超絶技巧練習曲集 [イム・ユンチャン(ピアノ)]LISZT, F.: 12 Études d'exécution transcendante (Live from The Cliburn) (Yunchan Lim)
発売日:2023年07月14日 NMLアルバム番号:Steinway30217
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,970円(税込)
2022年のクライバーン・コンクールを最年少で制したイム・ユンチャン。
大きな話題となったセミ・ファイナルのライヴが遂にCDリリース!2022年6月に開催されたヴァン・クライバーン国際コンクールにおいて史上最年少で優勝を飾ったイム・ユンチャン。加えて新作課題曲の最優秀演奏賞と聴衆賞にも選ばれ、審査委員長のマリン・オルソップから「深い音楽性と並外れたテクニックが有機的に結びついた稀有なアーティスト」と称賛されました。 コンクールはインターネットでライヴ配信されましたが、特に評判になったのがセミ・ファイナルでのリスト:超絶技巧練習曲集全12曲の演奏。イギリスの『グラモフォン』誌が「世界中のネット上のピアノ・ファンの間でバズった」と言及した演奏がCDでリリースされます。聴衆の拍手に迎えられたイムは拍手が続いているうちに演奏をスタート。この場に臨む気迫と集中を感じさせます。以後、難曲の連続ながら解釈も音も輝きを保ったまま硬直することがなく、緩急や明暗は自在に推移し、全12曲を通しての巧みな設計のもとに演奏を楽しんでいるかのような雰囲気さえ感じられます。『ダラス・モーニング・ポスト』紙が「100万人に1人の才能だ」と評したのも納得の、華やかな魅力ある演奏と言えるでしょう。 ※国内仕様盤にはクライバーン・コンクールを現地取材した高坂はる香氏による日本語解説が付属します。収録作曲家:
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フレスコバルディと
南イタリアの作曲家たち
~16-17世紀ナポリ前衛音楽の影響~ [フランチェスコ・コルティ]FRESCOBALDI AND THE SOUTH - Intendomi chi può che m'intend'io (Corti)
発売日:2023年07月07日 NMLアルバム番号:A547
CD国内仕様 解説日本語訳付き価格:3,300円(税込、送料無料)
イタリア式チェンバロの美音が解き明かすナポリ流儀の影響。
名手コルティの快挙!2018年の単独来日で話題を呼び、ARCANAレーベルではヘンデル『八つの組曲』(A499/NYCX-10285)が大きなヒットとなったイタリアの実力派チェンバロ奏者フランチェスコ・コルティ。古楽器楽団イル・ポモ・ドーロとのバロック・オペラやバッハ協奏曲でも名盤を連発していますが、今回は古楽鍵盤奏者としての原点に立ち返り、17世紀前半にローマ教皇庁のオルガン奏者として活躍しバロック鍵盤音楽史上に不滅の地位を築いたフレスコバルディに迫ります。 この重要作曲家の精巧にして多面的な音楽語法は無から生じたわけではなく、前世紀以来ナポリで育まれていた、不協和音を多用する実験精神旺盛な鍵盤技法から大きな影響を受けていたことが音楽史研究の末明らかになっていますが、ここでは具体的な作品の演奏を通じてその影響関係を探求。バロック期のイタリアのモデルに基づく2台のチェンバロを駆使し、1600年前後の和声感覚に立ち返って織り上げられる高雅な解釈に触れるうち、フレスコバルディの傑作群という金字塔的存在の「下絵」が明かされてゆくような、発見に満ちた選曲と曲順となっています(有名なトッカータや変奏曲が多数含まれている点も好感度大)。欧州古楽界に数多くの愛奏者を持つ名工フィリップ・ユモーが手掛けた楽器はいずれも、イタリア式楽器ならではの鋭角的な音の立ち上がりが急速なパッセージで粒立ちの良さを失わないばかりか、各音に含まれる豊饒な音色成分がこの上なく魅力的。 数々の古楽名盤の録音場所にもなっている教会のほどよい残響をよく伝える、ALPHAレーベルでの活躍も目覚ましいエンジニア吉田研の精妙な仕事も頼もしい1枚です。 -
映像ドキュメンタリー
アンネ=ゾフィー・ムター
『ヴィヴァーチェ』 [ジグリット・ファルティン監督]発売日:2023年06月30日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:3,960円(税込、送料無料)
不世出の天才ヴァイオリニスト、アンネ=ゾフィー・ムター
―― 半生の軌跡を追う力作ドキュメンタリー『ヴィヴァーチェ』!2023年6月29日、60歳の誕生日を迎えるアンネ=ゾフィー・ムターの半生の人生行路と現在を描く映像ドキュメンタリー『ヴィヴァーチェ』。旧東ドイツ、デッサウ出身のジャーナリスト、ジグリット・ファルティンが3年間に渡りアーカイヴ映像の調査発掘を行い、さらに密着取材で新たに収録された世界各地の芸術上の盟友たちとの対話、ペットや衣食の嗜好などについてのプライヴェート映像――これらの映像を巧みなモンタージュによって構成し不世出の天才ヴァイオリニスト、ムターの人物像をビビッドに浮かび上がらせています。 本編にちりばめられた演奏シーンを含むアーカイヴ映像には、ムターの少女時代からの数多くのステージ映像に加えて、近年では2009年4月、バーデン=バーデンのクアハウスで開催されたNATOのサミット会合で当時のアメリカ大統領バラク・オバマの臨席のもとに行われた演奏会(ピアノ伴奏ランバート・オルキス)のワンシーン、2020年2月、サントリーホールの室内楽演奏会でのイェルク・ヴィトマン作曲、弦楽四重奏曲『スタディー・オン・ベートーヴェン』のリハーサル風景など、貴重なカットが含まれています。 また息子リチャードと共に、テニス界のスーパー・スター、ロジャー・フェデラーをチューリヒの自宅に訪問して行った鼎談(本編と特典映像3編に収録)では、憧れのアイドルに会って喜びはしゃぐ少女ファンのような、ほほえましいムターの素顔を見ることができます。 -
モーツァルト(1756-1791):
ピアノ協奏曲 第5番
教会ソナタ他 [ロバート・レヴィン(チェンバロ・オルガン)/アカデミー・オヴ・エンシェント・ミュージック]発売日:2023年06月23日
CD国内仕様 日本語解説付き価格:3,300円(税込、送料無料)
ロバート・レヴィンとアカデミー・オヴ・エンシェント・ミュージック(AAM)によるモーツァルト:鍵盤楽器のための協奏曲全集、再開第2作はピアノ協奏曲第5番のソロを歴史的考証に基づいてオルガンで演奏。レヴィンが「復元」した協奏曲楽章の初録音も含む、注目の内容です。 ※国内仕様盤には大津聡氏による日本語解説が付属します。 注目の1曲目は、モーツァルトの父レオポルトがモーツァルトの姉ナンネルの学習用に始めた『ナンネルの音楽帳』に書かれていた曲による「復元」。この曲は協奏曲の第1楽章のスタイルで書かれていますが、オーケストラ・パートがありません。書法に未熟さが見られることからレオポルトの作ではないとされたものの作者は特定されていませんでした。しかし2009年にモーツァルトの作と判定され、オーケストラ・パートを付けて協奏曲として復元する作業をロバート・レヴィンが担当しました。晴朗で快活な5分余りの曲です。 ピアノ協奏曲第5番として知られるK.175は、若きモーツァルトが旅先で好んで演奏したため改訂が重ねられ、最初のバージョンを完全な形で復元することはできません。ロバート・レヴィンは残された資料を基に、初稿にはピアノ曲に当然あるべき強弱記号が全く無く、当時のピアノやチェンバロの音域に照らすと不自然な点があることから、モーツァルトはこの曲をザルツブルク大学の付属教会のオルガンで初演したものと推定。それに近い環境を求めて、モーツァルト在世中の1760年に作られたオルガンで演奏・録音しました。レヴィンの演奏は俊敏で明快、AAMのサウンドと相まって、時にヘンデルのオルガン協奏曲を思わせます。 アルバムにはこのほかに、モーツァルトがヨハン・クリスティアン・バッハのソナタ3曲を鍵盤楽器のための協奏曲に編曲したK.107(ここでのソロ楽器はチェンバロ)と、ザルツブルク時代に完成した教会ソナタの最後の作品K.336(ソロ楽器はオルガン)が収録されています。 64ページのブックレット(英語のみ)は、曲目解説と演奏者のプロフィールに加え、使用楽器の詳細や、AAM楽団員へのインタビュー、録音エンジニアの回想と現場レポート等を掲載し、充実した内容となっています。
収録作曲家:
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オッフェンバック(1819-80):
喜歌劇《ラ・ペリコール》 [ステファニー・ドゥストラック(メゾ・ソプラノ)/フィリップ・タルボ(テノール)/タシス・クリストヤニス(バリトン) 他/ジュリアン・ルロワ(指揮)/パリ室内管弦楽団/レゼレマン合唱団(合唱指揮:マルタン・スュロ)]発売日:2023年06月23日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:4,950円(税込、送料無料)
ドゥストラック主演
オペラ=コミック座より待望のオッフェンバック:《ラ・ペリコール》登場!1858年に《天国と地獄(地獄のオルフェ)》で最初の成功を収め、人気の流行作曲家になったオッフェンバックによる《美しきエレーヌ》、《パリの生活》、《青ひげ》、《ジェロルスタン女大公》に続くヒット作《ラ・ペリコール》。オッフェンバックの作品に共通する当時の為政者の不品行や、世相風俗を痛烈に諷刺するこのオペレッタは、諷刺される側のナポレオン三世も大いに楽しんだと伝えられています。 本上演では、日本でもおなじみのステファニー・ドゥストラックが、タイトルロールを抜群の歌唱&演技で見事にこなしています。恋人ピキーヨ役のフィリップ・タルボを始めとしてタシス・クリストヤニス、エリック・ユシェらオッフェンバックのオペレッタのエキスパート歌手陣が脇を固め、ピエール・ブーレーズにその才能を見出されアンサンブル・アンテルコンタンポランのアシスタント指揮者としてそのキャリアをスタートし、現在フランスを中心に活躍する俊英ジュリアン・ルロワが愉悦とペーソスに溢れるオッフェンバックの音楽を活き活きと表現。さらにヴァレリー・ルソールによる、カラフルでポップな舞台作りがこの上演に大輪の華を添えています。収録作曲家:
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カヴァッリ(1602-1676):
歌劇《セルセ》 [カルロ・ヴィストーリ(カウンターテナー)/エカテリーナ・プロツェンコ(ソプラノ)/ガイア・ペトローネ(メゾ・ソプラノ) 他/フェデリコ・マリア・サルデッリ(指揮)/オーケストラ・バロッカ・モード・アンティクオ]発売日:2023年06月23日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:5,500円(税込、送料無料)
カヴァッリ作曲:〈オンブラ・マイ・フ〉で始まるもうひとつの《セルセ》 ――世界初映像化!興味深い蘇演プロジェクトの数々で話題を集めるヴァッレ・ディトリア音楽祭より、イタリア・バロック・オペラの創始者モンテヴェルディの高弟として、17世紀中盤に絶大な人気を誇ったフランチェスコ・カヴァッリの歌劇《セルセ》の登場です。 《セルセ》といえば、ヘンデルのオペラがその冒頭のアリア〈オンブラ・マイ・フ〉と共によく知られていますが、この台本は作家ニコロ・ミナートが元々はカヴァッリのために書いたもの。この作品は1655年ヴェネツィア初演の後1660年パリで再演されカヴァッリの声価はフランスでも大いに高まりました。 外題役のカルロ・ヴィストーリ、セルセの弟アルサメーネ役のガイア・ペトローネら中堅、若手を中心としたフレッシュな歌手陣による演唱、レオ・ムスカートと彼のチームによるペルシャ模様を駆使したカラフルな舞台美術と演出が、バロック・オペラの名匠、フェデリコ・マリア・サルデッリ率いるオーケストラ・バロッカ・モード・アンティクオの伸びやかな演奏と相まって、この隠れていた名作を見事、現代に蘇らせています。
収録作曲家:
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英国ロイヤル・バレエ
バレエ『赤い薔薇ソースの伝説』 [フランチェスカ・ヘイワード/マルセリーノ・サンベ/ラウラ・モレーラ/ミーガン・グレース・ヒンキス/ロイヤル・バレエ団員 他/振付:クリストファー・ウィールドン/アロンドラ・デ・ラ・パッラ(指揮)/コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団/ギター独奏:トマス・バレイロ 他]発売日:2023年06月23日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:5,500円(税込、送料無料)
英国ロイヤル・バレエ――
ウィールドン新演出『赤い薔薇ソースの伝説』登場!『赤い薔薇ソースの伝説』は、英国ロイヤル・バレエとの協同でいくつもの名作を生み出したクリストファー・ウィールドン振付による待望の新作バレエです(2022年6月初演)。 大ヒット作『不思議の国のアリス』以来の名クリエイティブチーム(ウィールドン、タルボット、クローリー)が再集結し、メキシコ人作家ラウラ・エスキヴェルによる壮大なマジックリアリズム小説を全幕バレエ化。詩的な造形を散りばめたダイナミックなダンス、民族楽器を取り入れた雄弁な音楽、メキシコの風土、文化にインスパイアされた舞台美術によって、料理と官能が交錯する新しい形のドラマティック・バレエとして結実しています。 伝統習俗によって恋人との仲を引き裂かれ、その抑圧された感情を料理に込めるヒロイン、ティタ役には、天性の女優バレリーナ、フランチェスカ・ヘイワード。恋人ティタの側にいたい一心で彼女の姉と結婚、22年間ティタへの純愛を貫くペドロ役には、しなやかな身体表現が魅力のマルセリーノ・サンべ。自らも宿命に翻弄され、トラウマを抱えた毒母エレナ役には、英国バレエ界随一の演技派ラウラ・モレーラ、ティタを一途に愛するジョン・ブラウン医師役にマシュー・ボール、次姉ヘルトルーディスを連れ去る革命戦士フアン役にカリスマ溢れるセザール・コラレスなど、英国ロイヤル・バレエのプリンシパルを中心とした豪華キャストによるバレエ・ファン必見映像です。収録作曲家:
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サン=ジョルジュ(1745-1799):
ヴァイオリン協奏曲集 第3集
(毛利文香によるカデンツァ) [毛利 文香(ヴァイオリン)/ミヒャエル・ハラース指揮、チェコ室内管弦楽団パルドビツェ]SAINT-GEORGES, J.B.C. de: Violin Concertos, Opp. 2 and 7 (Fumika Mohri, Czech Chamber Philharmonic, Pardubice, M. Halász)
発売日:2023年06月09日 NMLアルバム番号:8.574452
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,200円(税込)
カリブ海のフランス領、グアドループ島出身のサン=ジョルジュ。アフリカ系の母親の血を引いたため褐色の肌を持った彼は、アスリートで剣の達人であるとともに、優れたヴァイオリニスト&作曲家として18世紀後半のフランスで活躍、「黒い肌を持つモーツァルト」の異名をとりました。 彼のヴァイオリン協奏曲は14作が確認されており、その多くは2曲ずつペアで出版されています。このアルバムにもそうした2組、4曲の協奏曲が収録されており、どの曲も技巧的なヴァイオリン独奏パートを中心として、モーツァルトを思わせる魅力的で多彩な楽想が展開します。 今作で独奏ヴァイオリンを演奏するのは、日独で活躍の場を急速に広げている毛利文香。彼女自身によるカデンツァも聴きどころです。 ※国内仕様盤には八木宏之氏による日本語解説が付属いたします。
収録作曲家:
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-★『レコード芸術』特選盤(2023年7月号)★-
ミュージカル映画
『アムステルダムの春』
クリストフ・ロイ監督 [アネッテ・ダッシュ(ソプラノ)/トーマス・オリーマンス(バリトン)/テレーザ・クロンターラー(メゾ・ソプラノ) 他]発売日:2023年06月02日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:4,400円(税込、送料無料)
『アムステルダムの春』――
オペレッタ、ミュージカルのナンバーで綴る2つの恋の物語その旅の途上、コロナ禍で人気(ひとけ)もまばらな春のアムステルダムで偶然出会った二組の男女。かりそめの恋のはずがいつしか真剣なものに…… 人気オペラ演出家クリストフ・ロイが台本を書きメガホンを取った本作は、アムステルダムの美しい街並みを背景に、行きずりの男女の恋とその別れをオペレッタやミュージカルのヒット・ナンバーの数々をパスティーシュとして綴ったミュージカル映画。この作品にはクリストフ・ロイのクラシックに留まらない幅広い音楽作品と映画への愛情が息づいています。 主役の二組のカップル、アネッテ・ダッシュ、テレーザ・クロンターラーの二人のディーヴァ、性格俳優的バリトンのトーマス・オリーマンス、二枚目テノールのノーマン・ラインハルトが本人役として粋な演技と歌唱を披露。 また、本作はオランダの伝説的シンガー・ソングライター、ヴァリー・タクスが1989年に発表した、別れた恋人への思いを歌い上げたヒット・ソング「Springtime in Amsterdam」へのオマージュともなっています。 -
リュリ(1632-1687):
歌劇《アシスとガラテア》
プロローグと3幕の英雄的牧歌劇 1686年パリ版 [ジャン=フランソワ・ロンバール(テノール)/エレナ・ハルシャーニ(ソプラノ)/ヴァレーリア・ラ・グロッタ(ソプラノ) 他 フェデリコ・マリア・サルデッリ指揮/フィレンツェ五月音楽祭合唱団/フィレンツェ五月音楽祭管弦楽団(古楽器使用)]発売日:2023年06月02日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:4,950円(税込、送料無料)
リュリ作曲《アシスとガラテア》 ― イタリア初演&世界初映像化!フランス・バロック音楽の大家ジャン=バティスト・リュリ(1632-1687)が、不慮の事故による病で他界する前年、1686年に貴族の祝宴のために作曲し、作曲家最後の完成したオペラとなった牧歌劇《アシスとガラテア》。この作品はフランス風序曲で荘重に始まり、数々の歌唱とバレ(舞踊)が繰り広げられ、華々しいパッサカリアで締めくくられるというリュリならではの秀作です。 本作は、フィレンツェの出身であるにもかかわらずイタリアで演奏される機会が極端に少ないリュリの作品を復興させることを目的に、作曲家生誕390年にあたる2022年に発足したフィレンツェ市の「リュリ・プロジェクト」の第1弾として上演収録されました。バンジャマン・ラザールによる美しい舞台美術とグートルン・スカムレッツ振付のエレガントなバレが目を楽しませてくれます。 歌手陣には、ガラテア役を優美に演ずるエレナ・ハルシャーニとアシス役のノーブルな表情が出色のジャン=フランソワ・ロンバール、二人のタイトルロールを中心に優れた若手歌手を起用。リュリへのオマージュとして指揮杖で床を打ち鳴らす名匠サルデッリに導かれたフィレンツェ五月音楽祭オーケストラがピリオド楽器に持ち替え、活気と古雅な味わいに満ちた演奏を繰り広げます。
収録作曲家:
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-★『レコード芸術』特選盤(2023年7月号)★-
ドイツ・バロック・レクイエム
バロック期ドイツのルター派宗教作品集 [リオネル・ムニエ、ヴォクス・ルミニス]発売日:2023年05月26日
CD国内仕様 日本語解説、歌詞日本語訳付き価格:3,520円(税込、送料無料)
ブラームスに先立つこと200年、
「ドイツ・レクイエム」と同じテキストに作曲されたバロックの作品を集めてドイツ語圏の17世紀作品の解釈できわめて高い評価を博してきた少数精鋭の声楽集団ヴォクス・ルミニス。卓越したバス歌手であるリオネル・ムニエ率いる彼らの今回のテーマは、なんとブラームスの「ドイツ・レクイエム」。とはいえ彼らがブラームスを歌うわけではなく、ブラームスがルター訳のドイツ語版聖書から選りすぐったものと同じテキストを用いた作品を中心とした、ドイツ・バロックの宗教作品を集めています。 同様のテキストにはシュッツなどにも作品例がありますが、敢えて知られざる作品を集めているのが彼ららしいところ。重心の低いずっしりとしたアンサンブルも彼らの真骨頂で、これらの作品の魅力を十二分に引き出す素晴らしい演奏を聴かせます。 バロック作品の研究に熱心であったブラームスがそこから多くのインスピレーションを受けていたことも知られており、ここに収録された作品の精神が、ブラームスへと受け継がれたと言っても過言ではないでしょう。 -
アルメイダ・プラド(1943-2010):
オリシャたちの交響曲
ささやかなる葬送歌 [クラリッサ・カブラル(メゾ・ソプラノ)/サバ・テイシェイラ(バス・バリトン)/ニール・トムソン(指揮)/サンパウロ交響楽団&合唱団]REZENDE DE ALMEIDA PRADO, J.A.: Sinfonia dos orixás / Pequenos funerais cantantes (São Paulo Symphony Choir and Orchestra, Neil Thomson)
発売日:2023年05月26日 NMLアルバム番号:8.574411
CD国内仕様 日本語訳解説付き価格:2,200円(税込)
ブラジル外務省が主導するプロジェクト「Brasil em Concerto」。19世紀から20世紀にかけて作曲された約100曲の作品をブラジルのオーケストラが演奏、録音するという、これまでになかった大がかりな企画です。 このアルバムに登場するアルメイダ・プラドは、20世紀後半から21世紀初頭にかけてブラジルで活躍した作曲家。カマルゴ・グァルニエリから音楽を学んだプラドは、やがてシュトックハウゼンやブーレーズ、リゲティの作品に興味を持ち、奨学金を得てパリに留学。ナディア・ブーランジェに教えを請うとともに、メシアンの神秘主義からも影響を受け、自国のブラジル音楽にこれらのエッセンスを融合させ、ピアノ曲集『カルタス・セレステス=天体の図表』などに見られる独自の作風を確立しました。 このアルバムに収録されている2つの作品は、作曲年代がほぼ20年離れており、彼の異なるスタイルが反映されています。初期の作品「詩人カルロス・マリア・ジ・アラウジョへのささやかなる葬送歌」は若くして命を落とした詩人に捧げる嘆きの調べ。合唱とパーカッションが効果的に用いられたオーケストラのための作品です。 対してカンピーナス市立交響楽団設立10周年のために書かれた「オリシャたちの交響曲」はブラジルの伝統的宗教と儀式、大いなる自然への賛美が描かれており、緻密なオーケストレーションと沸き立つようなリズム使用が際立つ作品です。深い森を思わせる神秘的な音色あり、原始的・異教的なリズムとサウンドの炸裂ありで、「春の祭典」のブラジル版と呼べるかもしれません。 ※ 国内仕様盤には木許裕介(日本ヴィラ=ロボス協会会長)氏による日本語訳解説が付属します。
収録作曲家:
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-★『レコード芸術』特選盤(2023年7月号)★-
モンテヴェルディ(1813-1901):
歌劇《オルフェオ》
序幕と5幕の音楽寓話劇 [ジョルディ・サヴァール、マルク・モイヨン、ルチアーナ・マンチーニ、サラ・ミンガルド 他]発売日:2023年05月26日
CD 2枚組国内仕様 日本語解説・歌詞日本語訳付き価格:5,280円(税込、送料無料)
サヴァールの《オルフェオ》新録音がCDでも登場、
マルク・モイヨンほか凄腕揃いの演奏陣!2021年、パリ・オペラ・コミック座とヴェルサイユ王室歌劇場などの共同制作で実現した、ジョルディ・サヴァール指揮による《オルフェオ》再録音。先にリリースされたオペラ・コミック座収録の映像作品に続き、ヴェルサイユでセッション録音されたCDが登場します。 地中海諸国の17世紀音楽はいうまでもなくサヴァールにとって自家薬籠中のもので、《オルフェオ》も2002年に満を持しての録音(映像とCD)がありましたが、今回の新録音では主人公オルフェオに超実力派古楽歌手マルク・モイヨンを起用! その圧倒的な「声の演技」は、さながら動物たちや草木をも感動させたという伝説の竪琴詩人オルフェウスそのもの。ほかの歌手勢も旧盤で主役を演じたフリオ・ザナージや同役で再登場のサラ・ミンガルドの他、マリアンネ=ベアーテ・キーラントやルチアーナ・マンチーニなど注目の歌手、さらに羊飼いや精霊たちに至るまで存在感ある才人揃い。また、長年の共演で信頼関係を重ねてきた大御所プレイヤーも数多く参加しており、バロック・ハープのアンドリュー・ローレンス=キングなどベテラン続々の通奏低音陣や打楽器のペドロ・エステバンに加え、リコーダーにはピエール・アモン、木管コルネットにはジャン=ピエール・カニアックといったソリスト級の俊才たちも随所で妙技を披露。 ヴェルサイユ宮殿という古楽音楽劇にうってつけの「場」を得てじっくり収録された解釈は、音楽劇というもののあり方から問い直す説得力に貫かれ、バロック・ファンならずとも深く聴き込み甲斐のある、新たなる決定的盤というべき内容に仕上がっています。収録作曲家:
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-★『レコード芸術』特選盤(2023年7月号)★-
ヴェネツィア弓決戦
18世紀のヴェネツィア共和国とヴァイオリンの名手たち [シュシャーヌ・シラノシアン、アンドレア・マルコン、ヴェニス・バロック・オーケストラ]Violin Recital: Siranossian, Chouchane - LOCATELLI, P.A. / TARTINI, G. / VERACINI, F.M. / VIVALDI, A. (Duello d'archi a Venezia)
発売日:2023年05月26日 NMLアルバム番号:ALPHA935
CD国内仕様 解説日本語訳付き価格:3,300円(税込、送料無料)
ヴィヴァルディと肩を並べた個性派続々!
豪華な顔合わせで聴く鮮烈バロック鬼才インマゼールとのデュオ・アルバムや古楽器によるメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲録音で話題を呼び、その後もタルティーニ、ロンベルク、バッハと幅広い時代の音楽で痛快な名演を聴かせ続けるヴァイオリン奏者シュシャーヌ・シラノシアン。 タルティーニの協奏曲集に続くアンドレア・マルコン&ヴェニス・バロック・オーケストラとの新たな録音は「赤毛の司祭」ヴィヴァルディが自ら鮮やかなカデンツァまで書いた協奏曲「ムガール大帝」に、いずれ劣らぬ同時代の実力派作曲家3人の協奏曲をカップリングした充実企画! いずれもバロック期にしてはかなり長大と言ってよい力作ばかりで、ヴェラチーニの管楽器入り協奏曲、無伴奏カプリッチョをカデンツァ風に添えてのロカテッリ『ヴァイオリンの技法』からの1編、タルティーニの艶やかな旋律と和声に陶然とさせられるD 61と、それぞれの作曲家の個性の違いが明確になる選曲が絶妙。シラノシアンはますます冴えわたる弓さばきで18世紀イタリアならではの歌心とヴィルトゥオジティを縦横無尽に披露し、マルコン率いる合奏勢もこれに応えて地中海の情熱をはらんだ起伏豊かなドラマを聴かせてくれます。 バロック舞踏とヴィヴァルディ研究で注目されるオリヴィエ・フレの解説(国内仕様盤は日本語訳付)も的確かつ注目の情報を盛り込んだ読み応えある内容。多角的に生々しい18世紀へ引きずり込まれること必至の、ALPHAレーベルならではの突き抜けたイタリア・バロック・アルバムの登場です。 -
ヘンデル(1685-1759):
歌劇《テオドーラ》 [ジュリア・ブロック(ソプラノ)/ヤクブ・ヨゼフ・オルリンスキ(カウンターテナー)/ジョイス・ディドナート(メゾ・ソプラノ)/エド・リヨン(テノール)/ハリー・ビケット(指揮)/コヴェント・ガーデン王立歌劇場合唱団/コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団]発売日:2023年05月26日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:5,500円(税込、送料無料)
衝撃の問題作―ヘンデル《テオドーラ》ROHより登場!1750年に初演されたオラトリオ《テオドーラ》は、はるか270年余りの時を経て、2022年初演の地であるコヴェント・ガーデンに舞台作品として帰ってきました。その舞台は異教徒ローマ人の駐在する大使館に置き換えられ、大使館の従業員に身をやつしたキリスト教徒が、密かに大使館の破壊工作を進めるもののそれが露見し、首謀者のテオドーラは捕らえられ性的暴行を加えられる…… 2022年夏、新国立劇場で上演された《ペレアスとメリザンド》の演出で話題を呼んだイギリス演劇界の鬼才ケイティ・ミッチェルによる演出は、オリジナルの台本に描かれた宗教間の確執を現代の政治的対立によるテロリズムに大胆に読み替えた問題作として、賛否両論の渦を巻き起こしました。 音楽面ではバロックから現代まで幅広いレパートリーを持つ、タイトル・ロールのジュリア・ブロック、ディディムス役にヨーロッパを中心に絶大な人気を誇る若きカウンターテナー、ヤクブ・ヨゼフ・オルリンスキという注目の二人の俊英歌手と、アイリーンを持ち役とするベテラン、ジョイス・ディドナートらを擁する歌唱陣が精確な歌唱技術と豊かな感情表現を見事に両立。ヘンデルの音楽劇作品をその中心レパートリーとし欧米の名だたる歌劇場でその声価を高めたハリー・ビケットが、コヴェント・ガーデンの合唱団とオーケストラを率い、このヘンデル円熟期の傑作を深く清澄な響きで満たしています。
収録作曲家:
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ALMA - わが魂
アルマ・マーラー(1879-1964): 歌曲全集 [エリーゼ・カールワールツ、マリアンナ・シリニャン]MAHLER-WERFEL, A.M.: Songs (Complete) (Meine seele) (Caluwaerts, Shirinyan)
発売日:2023年05月19日 NMLアルバム番号:FUG796
CD国内仕様 日本語解説、歌詞対訳付き価格:3,520円(税込、送料無料)
アルマ・マーラーが残した歌曲全17作品を初収録!
ピアノは当時のオリジナル楽器を使用グスタフ・マーラーとの結婚生活のほか、多くの音楽家、芸術家と交流を持ったアルマ・マーラー。彼女自身様々な才能に恵まれていたと言われており、作曲家としては歌曲が残されています。このアルバムには、最晩年のマーラーによって出版の準備がなされた5つの歌曲(トラック3-7)から、2018年に出版された「独りの歩み」まで、全17曲が初めて収録されています。 ソプラノのエリーゼ・カールワールツは母国ベルギーを中心にヨーロッパ各地で活躍、モーツアルトからベルクまで幅広いレパートリーを持ち、これまで2枚のアルバムをリリースしています。ボーイ・ソプラノを思わせる澄んだ中高音域から、深い憂いを帯びた低音域まで多彩な表現力で、作品の魅力を伝えています。 ピアノは来日経験もあるアルメニア出身のマリアンナ・シリニャン。アルマが生きた時代のスタインウェイから美しい音色を引き出しています。収録作曲家:
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〈#bruckner2024〉
ブルックナー(1824-1896):
交響曲 第4番「ロマンティック」
(第3稿/コーストヴェット版) [マルクス・ポシュナー(指揮)/ウィーン放送交響楽団]BRUCKNER, A.: Symphony No. 4, "Romantic" (1888 version, ed. B. Korstvedt) (Complete Symphony Versions Edition, Vol. 8) (M. Poschner)
発売日:2023年05月12日 NMLアルバム番号:C8085
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,970円(税込)
CAPRICCIOレーベルと国際ブルックナー協会の主導で、ブルックナーの生誕200年にあたる2024年までにブルックナーの全交響曲のすべての稿(バージョン)を録音しようという企画、 「#bruckner2024」の第8弾。 先に発売されて好評の第1稿と第2稿に続き、当CDで交響曲第4番の3つの稿が最新のコーストヴェット版で揃いました。第4番の第3稿はブルックナーが弟子のレーヴェやシャルク兄弟らの意見をきいて改訂したことから「改ざん版」などと呼ばれた時期もありましたが、コーストヴェットはそのような見方を排し、第3稿を実際の演奏経験を経た上でブルックナー自身による実用的な改訂版と位置付けています。ポシュナーは速めのテンポを基調にしつつ、緩急の差をはっきりと付けるなど曲想の変化を明瞭に打ち出してゆき、コーストヴェットの考えを音として立証しています。 ポシュナーの指揮で揃った第1稿及び第2稿との聞き比べに加え、フルシャ/バンベルク響やヴァンスカ/ミネソタ管など第3稿を採用した他の演奏といった聞き比べの楽しみも広がりそうです。 ※国内仕様盤には専門誌等で好評を得ている石原勇太郎氏(国内ブルックナー協会会員)による日本語解説が付属します。
収録作曲家:
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-★『レコード芸術』特選盤(2023年7月号)★-
バツェヴィチ(1909-1969):
序曲/ピアノ協奏曲
2台のピアノとオーケストラのための協奏曲
弦楽、トランペットと打楽器のための音楽 [ペーテル・ヤブロンスキー(ピアノ)/ニコラス・コロン(指揮)/フィンランド放送交響楽団 他]BACEWICZ, G.: Piano Concerto / Concerto for 2 Pianos / Overture (P. Jablonski, Brauss, Finnish Radio Symphony, N. Collon)
発売日:2023年05月12日 NMLアルバム番号:ODE1427-2
CD国内仕様 解説日本語訳付き価格:2,970円(税込)
再評価著しいバツェヴィチの協奏的作品を集めた貴重なアルバム。
ニコラス・コロン指揮フィンランド放送響、ピアノにペーテル・ヤブロンスキーと、演奏家にも注目!演奏家として、作曲家として、20世紀ポーランド楽壇を席巻したグラジナ・バツェヴィチ。彼女自身が極めて優れたヴァイオリニストであったことからヴァイオリン奏者は早くから彼女の作品に注目して来ましたが、近年はクリスティアン・ツィメルマンらが演奏するようになってピアノ作品も広く注目されています。当CDはポーランドの独立回復100周年(2018年)を記念する国際文化プログラムの一環として、アダム・ミツキエヴィチ協会と共同で制作されたもので、バツェヴィチの協奏的作品を3曲収録。いずれも録音が極めて少ないものばかりで貴重です。 バツェヴィチは次のような言葉を残しています。「私は[ポーランドの同世代の作曲家からは]孤立しています。なぜなら私は作品における形式を重視しているからです。もし物を乱雑に置いたり、物が積み重なっているところに石を投げたりすれば、崩れるに決まっています。同様に、音楽においても構造的な法則が必要で、自立できるようにしなければならないのです。もちろんその法則は古いものである必要は決してありません」 その言葉通り、2曲の協奏曲と「弦楽、トランペットと打楽器のための音楽」はいずれも伝統的な急-緩-急の3楽章形式をとっていますが、その語法は桁外れの情熱家だったと伝えられるバツェヴィチらしく、両端楽章はエネルギッシュでヴィルトゥオーゾ的、中間楽章は沈思や深い祈りや畏怖の念を感じさせて、コントラストが鮮やかです。技術的要求は高度ですが、当盤ではソリストもオーケストラも万全の対応を見せています。冒頭に序曲を置いて一晩のコンサートのように仕上げています。 ※国内仕様盤には原盤解説の日本語訳が付属します。収録作曲家:
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-★『レコード芸術』特選盤(2023年7月号)★-
リスト(1811-1886):
〈ピアノ作品全集 第60集〉
シューベルト歌曲編曲集 第3集 [ゴラン・フィリペツ(ピアノ)]発売日:2023年04月28日
CD国内仕様 日本語訳解説付き価格:2,200円(税込)
NAXOSの人気シリーズ、リスト:ピアノ作品全集が第60巻に到達。
記念の1枚は名手フィリペツで。脈々と続くNAXOSのリスト:ピアノ作品全集。記念すべき第60巻はシューベルト歌曲の編曲集で、異稿・異版をまじえた内容になっています。 リストはシューベルトの歌曲を敬愛し、歌のパートとピアノ伴奏のパートを1台のピアノ用に編曲して自ら演奏しました。それはピアノ曲としての効果を意図したもので、多くの場合、元になったシューベルトの歌曲よりも「リストのピアノ曲」としての面が強く出ています。演奏は難しく、特に歌の旋律を効果的に浮かびがらせねばなりません。 演奏者のゴラン・フィリペツは『リスト:パガニーニ練習曲』(国内仕様盤 NYCX-10139/輸入盤 8.573458)と『リスト:ハンガリー幻想曲』(NYCX-10188 国内仕様盤/8.573866 輸入盤)で、ブダペスト・リスト協会の“Grand Prix International du Disque”を受賞した名手。目覚ましいテクニックで難関をクリアしてゆきます。更に、全曲に渡って三連符の激しい打鍵が続く「魔王」で低音に新たな音を加えるなど、曲によって自らのアレンジも加えて一層華やかな仕上がりとしています。 「糸をつむぐグレートヒェン」はリストの研究者で全曲録音でも知られるレスリー・ハワードが編集した版を用いての演奏。「ます」の編曲にはいくつかの異稿が存在しますが、ここではよく演奏される1844年の初稿版S.563と、リスト自身によるOssia(選択可能な別バージョン)で演奏した2ヴァージョンが収録されています。多くの点で興味がひかれる1枚です。 ※ 国内仕様盤には内藤 晃氏による日本語訳解説が付属します。収録作曲家:
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-★『レコード芸術』特選盤(2023年7月号)★-
C.P.E.バッハ(1714-1788):
ヴァイオリンと鍵盤楽器のためのソナタ集 [レイチェル・ポッジャー、クリスティアン・ベザイデンホウト]発売日:2023年04月28日
SACD-Hybrid国内仕様 日本語解説付き価格:3,630円(税込、送料無料)
情感豊か! ポッジャーとベザイデンホウトによるC.P.E.バッハコンサートでは度々共演しているレイチェル・ポッジャーとクリスティアン・ベザイデンホウトの共演による初めてのCDは、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハの作品集。 冒頭のト短調のソナタはまだ十代の頃に書かれ、父ヨハン・ゼバスティアン・バッハのフルート・ソナタBWV 1020によるものですが、そもそもエマヌエルの作品、あるいは父との習作なのではないかという可能性が濃厚なもの。この作品と、やはり十代に書かれたWq. 71ではベザイデンホウトはチェンバロを演奏しており、フォルテピアノとは大きく違うその表現力に強いこだわりを持つ彼ならではのパフォーマンスで、ポッジャーのヴァイオリンと共に活き活きとした音楽を作り上げます。 作曲家円熟期に書かれたほかの3曲では、ヴァイオリンとフォルテピアノが共によく歌い、たっぷりと情感豊かな表現で多感様式と呼ばれる作品の特性を十二分に引き出しながらも、すっきりとした後味を残すバランス感覚が素晴らしい出来栄えとなっています。
収録作曲家:
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ラフマニノフ(1873-1943):
ピアノ協奏曲 第3番
シルヴェストロフ(1937-):
使者 [アンナ・フェドロヴァ、モデスタス・ピトレナス、ザンクト・ガレン交響楽団]発売日:2023年04月28日
CD国内仕様 日本語解説付き価格:3,300円(税込、送料無料)
フェドロヴァによるラフマニノフのピアノ協奏曲全集完結、
母国の巨匠シルヴェストロフによる「使者」も収録!ウクライナのキーウ出身、2009年のルービンシュタイン国際ピアノ・コンクールでの優勝を始め、オランダを中心に世界的に活躍するアンナ・フェドロヴァによるラフマニノフの協奏曲第3番が登場。第1番と「パガニーニ狂詩曲」を収録した第1弾(CCS42620)、第2番と第4番を収録した第2弾(CCS42522/NYCX-10338)に続き、ラフマニノフのピアノ協奏曲全集がこれで完結となります。 併せて、若きラフマニノフによる交響曲の断章と、ウクライナの巨匠シルヴェストロフによる「使者」を収録。共演はこれまでと同様、リトアニアの指揮者モデスタス・ピトレナスと、彼が首席指揮者を務めるスイスのザンクト・ガレン交響楽団となっています。 ロシアの侵攻による母国の現状に深く心を痛めるフェドロヴァは「今は多くの人がロシア音楽の演奏を控えようとしていますが、ラフマニノフを演奏することは私にとって重要なのです。それはその音楽が美しさと力強さ、感動に満ちたものであるとともに、彼自身がロシアという国家に圧力を受けた被害者であったからです」と語ります。今回もゆったりとしたテンポを採用し、作品が持つ抒情性と力強さをオーケストラと共に、美しくもダイナミックに歌い上げています。シルヴェストロフによる「使者」は弦楽とピアノのため版も存在しますが、ここにはピアノ独奏のための版を収録。憧憬を湛えた美しいメロディが終始静かに続くこの作品を、フェドロヴァは慈しむように奏で、祈るように終えています。 -
プッチーニ(1858-1924):
歌劇《トスカ》 [マリン・ビストレム(ソプラノ)/ジョシュア・ゲレーロ(テノール)/スカルピア男爵ゲヴォルグ・ハコブヤン(バリトン)/指揮:ロレンツォ・ヴィオッティ/オランダ・フィルハーモニー管弦楽団]発売日:2023年04月28日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:4,950円(税込、送料無料)
鬼才バリー・コスキー&気鋭ロレンツォ・ヴィオッティ
新制作《トスカ》誕生!2022年5月、オランダ歌劇場で上演された《トスカ》は、2021年に同歌劇場の音楽監督に就任した気鋭のマエストロ、ロレンツォ・ヴィオッティとタッグを組んだ、鬼才バリー・コスキーの演出による新制作。その舞台は、3人の主要登場人物の心理の動きに焦点を当て、露骨な暴力とエロティシズム、そして彼らの死をリアルに描き、大きな反響を呼びました。 トスカ役にクールでありながらなまめかしい表情が印象的なマリン・ビストレム、自身の置かれた状況にどこか脳天気なカヴァラドッシ役を見事に演ずるジョシュア・ゲレーロ。とりわけ、誘惑的なエロスを漂わせたスカルピア役の実力派バリトン、ゲヴォルグ・ハコブヤンが、合唱とともに巨大な地獄の祭壇画を前に歌う〈テ・デウム〉のシーンは圧巻です。収録作曲家:
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R.シュトラウス(1864-1949):
歌劇《ナクソス島のアリアドネ》 [クラッシミラ・ストヤノヴァ(ソプラノ)/AJ. グリュッカート(テノール)/ジェシカ・プラット(ソプラノ)/ソフィー・コシュ(メゾ・ソプラノ)指揮:ダニエレ・ガッティ/フィレンツェ五月音楽祭管弦楽団]発売日:2023年04月28日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:4,950円(税込、送料無料)
フィレンツェ五月音楽祭より
ガッティ指揮のフレッシュな《ナクソス島のアリアドネ》登場!ギリシャ悲劇から採られたシリアスな物語と、イタリア古典喜劇(コンメディア・デラルテ)の道化芝居が同時進行するというハイブリッドな「オペラ」に、その上演前の楽屋でのひと騒ぎが「序幕」として置かれたリヒャルト・シュトラウスの歌劇《ナクソス島のアリアドネ》。イタリアでは上演機会の少ないこの作品が、2022年6月、旺盛な新制作上演で気を吐くフィレンツェ五月音楽祭で取り上げられました。 指揮はリヒャルト・シュトラウス作品の演奏に定評があり2021年から同音楽祭の音楽監督を務めるダニエレ・ガッティ。機敏かつ優雅なタクトで、この重層的に構成された小編成オーケストラ向けのスコアから見事な響きを引き出しています。 アリアドネ役は当代切っての実力派ソプラノ、クラッシミラ・ストヤノヴァ、コロラトゥーラ歌唱に進境著しいツェルビネッタ役のジェシカ・プラット、ズボン役を得意とし、作曲家を持ち役のひとつとするソフィー・コシュ。これらのベテラン歌手とともに優れた若手歌手が起用され、マティアス・ハルトマンによるポップで活気に満ちた演出と相まって、この作品に爽やかな新風を吹き込んでいます。収録作曲家:
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-★『レコード芸術』特選盤(2023年6月号)★-
聖女マリア/母マリア/娼婦マリア [アンナ・プロハスカ、パトリツィア・コパチンスカヤ、カメラータ・ベルン]
発売日:2023年04月21日
CD国内仕様 解説・歌詞日本語訳付き価格:3,520円(税込、送料無料)
プロハスカとコパチンスカヤ、
挑戦を恐れない2つの個性が描く、2人のマリアの物語2022年に発売されたイザベル・ファウストとの共演盤『カフカ断章』(HMF)が高い評価を受けたアンナ・プロハスカ。ALPHAレーベルからも個性的なアルバムをリリースしてきている彼女が、今回は長年の盟友、奇才パトリツィア・コパチンスカヤと手を組み、新約聖書に登場する聖母マリアとマグダラのマリアという2人の物語に挑みます。 コパチンスカヤにとっては2019年リリースの『つかの間と、永遠と』の流れを汲む企画と言え、そこでマルタンの『キリスト受難の6つの印象(複連祭壇画)』を中心に据えたのと同様、今回も同じマルタンの『マリア三部作(三連祭壇画)』を核とした選曲により、聖なるマリア、母としてのマリア、そして卑しい身分の象徴としてのマリアとその救済という側面に切り込み、西洋世界に於ける女性のイメージの二面性を描き出すとともに、その意味を問うという内容となっています。 2人が絶大な信頼を置く作曲家、ヴァイオリニストであるミチ(美智)・ウィアンコが多くの曲で編曲を務めており、カメラータ・ベルンの高いアンサンブル能力と、その音色が持つ煌びやかさを内に秘めたほの暗さを魅力的に引き出しました。さらにはプロハスカとコパチンスカヤによる、作品の振幅の激しさをものともしない表現力と強烈な個性が、時に寄り添い時に激しくぶつかり合いながら、このアルバムの得も言われぬ魅力を作り出しています。 -
-★『レコード芸術』特選盤(2023年6月号)★-
J.S.バッハ(1685-1750):
三位一体節のためのカンタータ(第47番・第60番・第78番)
トリオ・ソナタ 第2番 [ダミアン・ギヨン、モード・グラットン、セリーヌ・シェーン、トーマス・ホッブズ、ブノワ・アルヌー、ル・バンケ・セレスト]発売日:2023年04月21日
CD国内仕様 日本語解説、歌詞日本語訳付き価格:3,520円(税込、送料無料)
ル・バンケ・セレストによるバッハのカンタータ第3弾日本でも高い知名度と人気を誇るカウンターテナー、ダミアン・ギヨン率いるル・バンケ・セレストによるバッハ。ALPHAとZIG-ZAGからこれまでアルト独唱を中心としたカンタータのアルバム2枚をリリースしましたが、今回は三位一体節に関わる、全くの趣の異なった3つの作品を収録しています。声楽器楽ともに世界中で活躍する名手たちが、1パート1人で担当する声部の綾が素晴らしく、さらにきめ細かかつダイナミックな表現も楽しめるアルバムです。 また使用されているオルガンは、歴史的オルガンに通じたドミニク・トマ工房が18世紀テューリンゲン式のモデルで建造したもので、カンタータの間には名手モード・グラットンによる独奏も収録。カンタータ第47番の前には、その冒頭合唱曲の主題の元となったBWV 546の前奏曲も聴くことが出来ます。
収録作曲家:
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-★『レコード芸術』特選盤(2023年6月号)★-
ホルスト(1874-1934):
『惑星』 Op.32 [ダニエル・ハーディング(指揮)/バイエルン放送交響楽団]発売日:2023年04月21日
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,970円(税込)
ハーディング初の「惑星」が稀に見る雄大なスケールで登場!英国出身のハーディングですが、意外にもこれまで『惑星』の全曲録音は無く、ウィーン・フィルとのシェーンブルン宮殿コンサートのライヴで「木星」があるのみでした。そこに登場したバイエルン放送響とのライヴ録音が出色の内容です。全曲の演奏時間は57分近くで、50分前後が多いこの曲の録音の中にあって異例の長さ。遅めのテンポの中でフレーズをたっぷりと歌わせて細やかな表情付けを行い、バス・オーボエを際立たせるなど特殊なオーケストレーションを生かす意図も感じられます。 レーベルからの情報によればバイエルン放送響は長い間この曲を演奏していなかったとのこと。高度な演奏能力を持ちながらも「惑星」に関しては伝統が染みついていないオーケストラを得て、ハーディングが思いのままに解釈を披露しています。 「火星」では重量感のある響きでテンポを刻み、「木星」中間部の有名な旋律では力強く歌い上げます。「土星」では瞑想的な弱音と爆発的な中間部との対比が鮮烈。「海王星」最後の女声合唱のヴォカリーズは、きわめてゆっくりと繰り返されつつ極小音量に絞り込まれて消えてゆきます。この曲の持つ外面的な効果は活かしつつ、深い内面性をも感じさせる演奏となっています。 ※国内仕様盤日本語解説 … 片桐卓也
収録作曲家:
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-★『レコード芸術』特選盤(2023年6月号)★-
西澤 安澄(ピアノ)
ベリッシモ [西澤 安澄(ピアノ)]発売日:2023年04月21日
CD国内仕様 日本語解説付き価格:3,080円(税込、送料無料)
このアルバムに寄せてピアノも、ピアノの祖先のチェンバロもイタリアで生まれました。モーツァルトもバッハも憧れていた音楽の先進国イタリア。でも、私達ピアニストは意外なほどイタリアの曲を弾きません。ローマの友人カルロが教えてくれたロマン派以降のイタリアのピアノ曲。あまりの美しさにうっとりとして、練習しては携帯で録画してローマに。また新しい曲を一緒に発見し、電話でやりとりする。これらの音楽に、2020年の私達―カルロと私―はどれだけ心を慰められたことでしょう。それぞれの物語(音楽)は、穏やかなイタリアの自然の持つ優しい色彩(ハーモニー)をともないながら、お話(メロディー)となり、ピアノの周りに、マッチ売りの少女のともす灯の幻影のように、現れます。そうして生まれたうたの、自然なあり様は、ピアノという楽器の存在を、ピアノがあることさえも忘れさせてしまう。私は、音楽の暖かい腕の中に、すっぽりくるまっていました。あらためて感じました、音楽の裸の姿は、進化や変化とは無縁で、国境も、時代の隔てもない、と。これらの曲によって少しでも心が軽くなったり、小さな微笑みをみなさまが誘われたりしたら、とても幸せに思います。 ――― 西澤安澄 ※ブックレットに日本語解説付き
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ファリャ(1876-1946):
ピアノ編曲作品全集 [西澤 安澄(ピアノ)]FALLA, M. de: Piano Transcriptions (Complete) (Azumi Nishizawa)
発売日:2023年04月21日 NMLアルバム番号:NYCX-20011
CD国内仕様 日本語解説付き価格:3,080円(税込、送料無料)
デビュー・アルバム「ファリャ:ピアノ独奏のためのオリジナル作品全集」に続く西澤のファリャ第2作。リズムへの敏感さとメロディーへの対応が際立つ西澤の演奏によって、ファリャの多彩なオーケストラ作品が見事なピアノ曲として生まれ変わっています。 ※ブックレットに日本語解説付き
収録作曲家:
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ファリャ(1876-1946):
ピアノ独奏のためのオリジナル作品全集 [西澤 安澄(ピアノ)]FALLA, M. de: Piano Works (Complete) (Azumi Nishizawa)
発売日:2023年04月21日 NMLアルバム番号:NYCX-20012
CD国内仕様 日本語解説付き価格:3,080円(税込、送料無料)
このアルバムには、スペインが生んだ偉大な作曲家ファリャの、現存するオリジナルピアノ曲が全て収録されています。自分に対して非常に厳しかったファリャは、1904年以前の作品を自身では過小評価していたものの、近年は魅力的な作品群として評価が高まっています。西澤は持ち味である音の美しさと切れ味のよいリズム感で表現。ファリャの初期作品の録音は少なく、このアルバムはとても貴重なものとして評価されています。 ※ブックレットに日本語解説付き
収録作曲家:
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ラフマニノフ(1873-1943):
ピアノ協奏曲第1番、第4番
パガニーニの主題による狂詩曲 [ボリス・ギルトブルグ(ピアノ)/ヴァシリー・シナイスキー指揮、ブリュッセル・フィルハーモニー管弦楽団]発売日:2023年04月14日
CD国内仕様 解説日本語訳付き価格:2,200円(税込)
ボリス・ギルトブルグによるラフマニノフのピアノ協奏曲全集が完結。 収録されたのはピアノ協奏曲第1番と第4番、そして人気の高い「パガニーニの主題による狂詩曲」の3曲。ギルトブルグは7歳か8歳の時に初めて第1番を聴いて以来、愛着を感じていて「こんなに美しいメロディに満ちた曲がいま一つ人気が無いのは理解できない」というコメントから始めて、この曲の魅力と聞きどころを熱く仔細に原盤解説に綴っており、満を持しての録音にかける意気込みが感じられます。第4番とパガニーニ狂詩曲についてもギルトブルグは洞察に富んだ解説を寄せていますが、何よりも彼の切れ味の良いピアニズムがこれら3曲の作品のドラマティックな構成を鮮やかに伝えるものとなっている点が当ディスクの一番の魅力です。 第2番と第3番でのカルロス・ミゲル・プリエト指揮ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管に代わり、今回はロシア音楽に素晴らしい解釈を示すヴァシリー・シナイスキがブリュッセル・フィルを指揮してバックを務めています。 ※ 日本仕様盤にはギルトブルグ自身による原盤解説の日本語訳解説が付属します。
収録作曲家:
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ダウランド(1563-1626):
ラクリメ、あるいは7つの涙 [ミュジカル・ユモール(ジュリアン・レオナール、ミリアム・リニョル、リュシル・ブーランジェ、トーマス・ダンフォード ほか)]発売日:2023年04月14日
CD国内仕様 解説日本語訳付き価格:3,300円(税込、送料無料)
名手たち集結のコンソートで聴くダウランドジュリアン・レオナールを中心に、フランスほかヨーロッパで活躍するヴィオール(=ヴァイオル、ヴィオラ・ダ・ガンバ)奏者たちとリュートのトーマス・ダンフォードによるアンサンブル、ミュジカル・ユモールが奏でるダウランド。1604年に出版された『ラクリメ、あるいは7つの涙』全21曲を収録しています。 トレブル、テナー、ベースそれぞれ2種類の楽器を使用。通常続けて演奏される7つの「涙」を、間に動きのあるガリアードを挟んで分ける曲順とすることで各曲の個性と美しさが際立ち、たいへん新鮮に響きます。 名手たちそれぞれが奏でる声部の綾もたいへん魅力的。
収録作曲家:
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ヴェネツィアのサンタンジェロ劇場
~ヴィヴァルディと同時代のオペラ・アリア集~ [アデル・シャルヴェ、ル・コンソート]発売日:2023年04月14日
CD国内仕様 日本語解説・歌詞日本語訳付き価格:3,520円(税込、送料無料)
アデル・シャルヴェ、躍進!
伸縮自在の古楽アンサンブルと聴かせるヴィヴァルディ時代の息吹バロック・オペラが歌劇界を沸かせ、古楽に高い適性を持つ歌手たちが広く活躍するフランス。その最前線で躍進を見せるメゾ・ソプラノのアデル・シャルヴェが、同国の新世代を代表するチェンバロ奏者ジュスタン・テイラーとバロック・ヴァイオリン奏者テオティム・ラングロワ・ド・スヴァルトを中心とする才人集団ル・コンソートと共に、待望のソロ名義によるオペラ・アリア集をALPHAレーベルに録音しました。「赤毛の司祭」ヴィヴァルディが熾烈な競争社会で人気を博した頃のヴェネツィア歌劇界に光をあて、当時の水の都を席捲した人気劇場の一つサンタンジェロ劇場を沸かせた作品の数々をじっくり聴かせます。 近年ヴィヴァルディ研究に大きな貢献を果たしている音楽学者で、自身バロック・ヴァイオリンを弾く古楽舞踏の専門家でもあるオリヴィエ・フレ(ライナーノートも担当)の協力のもと、収録作の大半は今回が世界初録音! ヴィヴァルディはもちろんのこと、後年ドイツやスウェーデンでも重用されたケッレーリ、バッハも憧れたドレスデン宮廷楽団での活躍も知られるリスト―リら、ヴィヴァルディ作品に全く遜色のない音楽を書く作曲家たちがヴェネツィアにひしめいていたことが強く実感できる選曲に驚かされます。 いかなる秘曲もこれほど瑞々しく味わえるのは、リート歌手として先に注目を集めたシャルヴェならではの緻密で繊細な表現力もさることながら、柔軟に各作品の機微に触れてゆくル・コンソートの精妙な解釈あればこそ。大型リュートの一種テオルボをチェロと同数(3挺)起用し、数人だけの室内楽的な語らいから精悍なオーケストラ・サウンドまで伸縮自在の編成が、来るべきロココへの一歩を予感させるバロック後期の音楽世界の魅力を余すところなく伝えてやみません。 -
-★『レコード芸術』特選盤(2023年6月号)★-
ゴルターマン(1824-1898):
チェロ協奏曲 第1番 Op.14
交響曲 Op.20
ロマンス/バラード [ジャマル・アリエフ(チェロ)/ハワード・グリフィス(指揮)/ウィーン放送交響楽団]発売日:2023年04月14日
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,970円(税込)
知る人ぞ知るドイツ・ロマン派の作曲家ゲオルク・ゴルターマン。
待望のチェロ協奏曲第1番、そして初録音の交響曲が登場!チェロ奏者の間では知らぬ人はいないとも言われるゲオルク・ゴルターマン。北ドイツのハノーファーに生まれ、ベルンハルト・ロンベルクの弟子クリスティアン・プレルにチェロを学んでいち早く頭角を現し、23歳でミュンヘンに移った時にはすでにチェロのヴィルオゥオーゾとしてよく知られる存在だったそうです。ミュンヘンではヨーゼフ・メンターにチェロを、イグナーツ・ラハナーに作曲を学びました。その後、ヴュルツブルク劇場の第1チェロ奏者兼指揮者を経てフランクフルト歌劇場のカペルマイスターとなり、亡くなるまでの40年間を同地で過ごしました。 ゴルターマンは作曲にも勤しみ、作品番号が付いたものは133曲を数えます。彼のチェロ協奏曲は全部で5曲とも8曲とも言われますが、演奏の難度と楽曲の充実度で最もハイレベルとみなされるのがここに収録された第1番。第2楽章アンダンテは「カンティレーナ」の名前でカザルスがアンコール・ピールとして録音していますが、全曲盤は久しくなかっただけに貴重な録音です。シューマンやメンデルスゾーンを思わせる、馥郁としたハーモニーと胸を高鳴らせるような旋律に満ち、ヴィルトゥオーゾ的なソロの見せ場にも事欠きません。今日のコンサート・レパートリーに定着していないのが不思議です。2曲の小品も美しいメロディの宝庫。 ソロを弾くジャマル・アリエフは1993年アゼルバイジャン生まれで、その才能に目をとめたモスクワ音楽院とメニューイン音楽学校(ロンドン)が競って招いたという逸材。ロンドンを選んだアリエフは、2017年のBBCプロムス「ジョン・ウィリアムズ85歳記念プログラム」のソリストに起用されるなど注目を浴び続けています。 世界初録音となる交響曲は32分ほどの作品で、こちらも耳と心にすっと入って来るメロディがたくさんあります。例えるならば、メンデルスゾーンの「夏の夜の夢」のような交響曲といったところ。 ※国内仕様盤には本田裕暉氏による日本語解説が付属します。収録作曲家:
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-★『レコード芸術』特選盤(2023年6月号)★-
モーツァルト(1756-1791):
ピアノ協奏曲 第21番&第24番 [ロバート・レヴィン(フォルテピアノ)リチャード・エガー(指揮)/アカデミー・オヴ・エンシェント・ミュージック]発売日:2023年03月31日
CD国内仕様価格:3,300円(税込、送料無料)
20年余りの中断を経て、注目の企画が再起動!モーツァルトのピアノ協奏曲には15,000種類もの録音があるそうだ。今さら新しい録音を出す意味があるのかと問う人がいるならば、この1枚については「ある」と断言する。
――ジョン・マクマン(アカデミー・オヴ・エンシェント・ミュージック総裁) モーツァルトの演奏史に革命を起こしたクリストファー・ホグウッドとアカデミー・オヴ・エンシェント・ミュージックが、モーツァルト研究家でピアニストのロバート・レヴィンを迎えて1993年に開始したピアノ協奏曲全集の録音。8枚をリリースして2001年を最後に途絶えていたプロジェクトが再開します。指揮者はホグウッドからリチャード・エガーに代わり、レヴィンの演奏は溌剌とした即興の精神に満ち溢れ、モーツァルトの神髄に迫るサウンドは一層の磨きをかけています。 2024年6月の完結を目指す全5枚の旅路は大注目です。収録作曲家:
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カルロス・ゴメス(1836-1896):
オペラ序曲と前奏曲全集 [ファビオ・メケッティ(指揮)/ミナス・ジェライス・フィルハーモニー管弦楽団]発売日:2023年03月31日
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,200円(税込)
注目のNAXOSブラジル音楽シリーズ。
19世紀後半のイタリア・オペラ界に旋風を巻き起こしたカルロス・ゴメスが登場ブラジル外務省が主導するプロジェクト「Brasil em Concerto」。19世紀から20世紀にかけて作曲された約100曲の作品をブラジルのオーケストラが演奏、録音するという、これまでになかった大がかりな企画です。 今作はヨーロッパで成功を収めたブラジル人作曲家の草分け的存在、カルロス・ゴメスの作品です。リオデジャネイロ音楽院でイタリア人作曲家ジョアッキーノ・ジャンニに学び、卒業後すぐの1861年に最初の歌劇《城の夜》を上演。その2年後には2作目の《Joana de Flandres》でも人気を獲得。この2作の成功により当時の皇帝ドン・ペドロ2世から奨学金を授与され、1864年にイタリアへ留学してミラノ音楽院でラウロ・ロッシに学びます。1870年にはブラジルの先住民の物語を題材にした《グワラニー族の男》をスカラ座で初演し、ロッシーニやヴェルディと比肩されるほどの評判となりました。その後はブラジルとイタリアを行き来しながら創作活動を続け、60歳で亡くなるまでに全8作の歌劇と合唱曲、ピアノ曲などを遺しましたが、何と言ってもオペラ作曲家として高く評価されています。 このアルバムにはゴメスが書いた全8作の歌劇の序曲(前奏曲)他を収録。ゴメスの音楽には、20世紀に活躍したブラジル人作曲家の持つ民族的な雰囲気が前面に出ることはありませんが、ヴェリズモ・オペラの名旋律に通じる、パワフルで感情にダイレクトに訴えかける魅力があります。 ファビオ・メケッティはサンパウロ生まれの指揮者。ジュリアード音楽院で学び、ニコライ・マルコ国際指揮者コンクールで優勝。ワシントン・ナショナル交響楽団でロストロポーヴィチのアシスタントを務めました。2008年にミナス・ジェライス・フィルが創設されて以来指揮者を務め、このコンビの録音はグラミー賞に2度ノミネートされるなど、国際的に注目されています。 ※国内仕様盤には木許裕介(指揮者・日本ヴィラ=ロボス協会会長)氏による日本語解説が付属します。収録作曲家:
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-★『レコード芸術』特選盤(2023年5月号)★-
モーツァルト(1756-1791):
レクイエム(1804年パリ初演版)
パイジェッロ(1740-1816):
ナポレオン1世戴冠式のためのミサ [ジュリアン・ショーヴァン、サンドリーヌ・ピオー ほか ナミュール室内合唱団、ル・コンセール・ド・ラ・ロージュ]発売日:2023年03月24日
CD国内仕様 解説・歌詞日本語訳付き価格:3,520円(税込、送料無料)
ナポレオン治世下で絶賛された傑作の異版を、最前線の古楽器演奏でソリストとしても活躍してきたヴァイオリン奏者ジュリアン・ショーヴァンと共に、フランスの古楽器演奏シーンの最前線をゆくル・コンセール・ド・ラ・ロージュ。ALPHAで好評のうちにスタートしたモーツァルト後期作品シリーズ第3弾は『レクイエム』が演目の中心ですが、革命期前後のフランスにおける演奏習慣を常に意識している団体だけに、一般的なジュスマイヤー補筆版に手を加えた1804年パリ初演版という意外なヴァージョンで臨みます。 1800年前後は歿後間もないモーツァルトの作品復権が進み、フランスでも『フィガロの結婚』や『魔笛』が上演され話題を呼んでいた頃で、その成功を受け1804年12月21日にケルビーニ指揮によるこのヴァージョンで披露された『レクイエム』も熱狂をもって迎えられました。パリでも人気のあった18世紀ナポリ楽派の巨匠ヨンメッリの同題作冒頭が最初に盛り込まれているほか、ジュスマイヤーの手による後半を中心に大胆なカットも加えられて演奏時間は30分あまり。しかしながら、バセットホルンの代わりにコーラングレ(イングリッシュホルン)が使われ、「喇叭は不思議な響きをTuba mirum」のトロンボーン独奏が冒頭は堂々たる金管のユニゾン、その後はバスーンに置き換えられるなど随所に聴きどころが秘められており、その魅力をショーヴァンの元に集まった古楽器の名手たちがコントラスト豊かに伝えます。 カップリングは人気オペラ作曲家として欧州を席巻した後、ナポレオンに忠誠を誓い、充実したイタリア歌劇様式でこのフランス皇帝を魅了した大御所パイジェッロが、同年12月2日のナポレオン皇位着任を祝う式典のために書いたミサ曲。こちらも当時流の管楽器が聴かせる豊かな響きと相俟って聴き応え充分。「クレド」に挿入されたハープ独奏も美しさに満ちています。 ピオー、サントン=ジェフェリ、ヴィダル……とフランス最前線の実力派が揃った申し分ない独唱陣の立ちまわりも聴き逃せません。
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-★『レコード芸術』特選盤(2023年5月号)★-
ベートーヴェン(1770-1827):
ピアノ協奏曲 第2番
ラヴェル(1875-1937):
ピアノ協奏曲 [マルタ・アルゲリッチ、ラハフ・シャニ、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団]発売日:2023年03月24日
CD国内仕様 日本語解説付き価格:3,300円(税込、送料無料)
アルゲリッチ、自家薬籠中の2曲をシャニ指揮イスラエル・フィルと今回登場するのは2019年のライヴで、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番とラヴェルのピアノ協奏曲です。アルゲリッチにとってはいずれの作品もすでに5種類ほどの録音が出ていますが、音圧ではなく音色で表現される押しと引き、冴えわたるタッチで瑞々しくも情感豊かな表現を聴かせ、今なお新鮮に聴かせてくれることに驚きを禁じ得ません。 共演のラハフ・シャニは、2018年からロッテルダム・フィルの首席指揮者、2021年のシーズンからイスラエル・フィルの音楽監督、そして2026年からは解任されたゲルギエフの後を受けてミュンヘン・フィルの首席指揮者に就くことが決まったという、現在最も目の離せない指揮者の一人。そしてイスラエル・フィルは意外にも、アルゲリッチとの共演CDは初めてとのことです。推進力のある彼らのサポートがアルゲリッチのピアノをしっかりと支え、活き活きとした音楽を作り上げている素晴らしい記録です。 ラヴェルの後に収められた歓声も熱狂的。
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カヴァリエーリ(1550頃-1602):
《魂と肉体の劇》 [ゲオルク・ニグル(バリトン)/シリル・オヴィティ(テノール)/アネット・フリッチュ(ソプラノ) 他/ジョヴァンニ・アントニーニ(指揮)/イル・ジャルディーノ・アルモニコ(古楽器使用)/アルノルト・シェーンベルク合唱団]発売日:2023年03月24日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:4,950円(税込、送料無料)
ロバート・カーセン演出:
400有余年の時を隔てて現代に蘇る音楽劇《魂と肉体の劇》!「魂」と「肉体」という人間の2つの側面を擬人化した男女のカップルが、現世を遍歴する中で「知性」「忠告」「快楽」「守護の天使」らと遭遇、苦悩と葛藤をくりかえしながら生命の救済に至る物語… 音楽史上、ルネサンスからバロックへの様式の転換期にあたる1600年、イタリアのローマでエミーリオ・デ・カヴァリエーリによる宗教的音楽劇《魂と肉体の劇》が上演されました。この作品は、モノディ様式による独唱、合唱と器楽曲(シンフォニアや舞踊を伴った舞曲など)で構成される総合芸術として、時を置かずイタリア各地で開花する「オペラ」の先駆けとなった最古の音楽劇の一つとして知られています。 本上演では、アネット・フリッチュ、シリル・オヴィティ、ゲオルク・ニグルら注目の歌手たち、ニコラウス・アーノンクールとの数々の共演でその声価を高めたアルノルト・シェーンベルク合唱団、ジョヴァンニ・アントニーニ率いる古楽アンサンブルの雄、イル・ジャルディーノ・アルモニコらによる生気に満ちた演唱と共に、鬼才ロバート・カーセンのコンテンポラリーダンス・チームを縦横に駆使した演出が、この《魂と肉体の劇》に現代の観衆に強くアピールする新風をもたらしています。収録作曲家:
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-★『レコード芸術』特選盤(2023年6月号)★-
ブロウ(1649-1708):
歌劇《ヴィーナスとアドニス》
パーセル(1659-1695):
歌劇《ディドーとエネアス》 [イーダ・レンスレーヴ(ソプラノ)/ベルント・オーラ・ヴォルングホーレン(バリトン)/ルパート・エンティクナップ(カウンターテナー) 他/ウーロフ・ボマン(指揮)/コンフィデンセン音楽祭管弦楽団]発売日:2023年03月24日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:5,500円(税込、送料無料)
第3回コンフィデンセン音楽祭より
ブロウ/パーセル師弟のダブルビル・オペラ上演映像登場!ストックホルム郊外ソレナに18世紀中葉に設立された現存するスウェーデン最古のオペラ劇場「コンフィデンセン(ウルリクスダール宮殿劇場)」。その劇場を会場として2021年夏に開催された第3回コンフィデンセン音楽祭のメイン・プログラム ― ジョン・ブロウ/ヘンリー・パーセルによるオペラ《ヴィーナスとアドニス》/《ディドーとエネアス》 ― の上演映像をお届けします。初期英国バロックオペラを代表する《ディドーとエネアス》は、パーセルの音楽の師のひとりジョン・ブロウによる、《ヴィーナスとアドニス》(完全なスコアが現存する最古の英国オペラ)に触発されてパーセルが創作した作品と言われています。 本上演では、この師弟の2つのオペラをスウェーデン出身のソプラノ、イーダ・レンスレーヴとノルウェー出身のバリトン、ベルント・オーラ・ヴォルングホーレンが題名役として優雅な時代衣装を身にまとい、共にギリシャ神話に題材を採ったオペラをパーセルが師ブロウから何を受け継ぎ、いかにそれを発展深化させたのかを見事に演じ分けています。 スウェーデン出身、2019年からコンフィデンセン音楽祭の音楽監督を務める古楽演奏界の新鋭ウーロフ・ボマンのタクトのもと、名ヴァイオリニスト、ペーター・スピシュスキー率いるオーケストラが、こぢんまりとしたロココ・スタイルの劇場を古雅な響きで満たしています。 -
ケンペ/ミュンヘン・フィル(1972年プロムス・ライヴ)
ドヴォルザーク(1841-1904):
交響曲 第8番
R.シュトラウス(1864-1949):
死と浄化
ベートーヴェン(1770-1827):
『プロメテウスの創造物』序曲 [ルドルフ・ケンペ、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団]発売日:2023年02月24日
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,750円(税込)
初出! ケンペとミュンヘン・フィルの熱きプロムス・ライヴ1972年9月9日プロムスに於けるケンペとミュンヘン・フィルのライヴ音源が登場。演目もベートーヴェン、リヒャルト・シュトラウス、ドヴォルザークとケンペが得意とする作曲家が並ぶのが嬉しいところ。当日のプログラムでは、リヒャルト・シュトラウスとドヴォルザークの間にクルト・グントナーをソリストとするメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲が演奏されており、翌10日には過去にBBCレジェンズから発売され高い評価を得たマーラーの「復活」が演奏されています。 ケンペとミュンヘン・フィルにとって1972年といえば、独エレクトローラにベートーヴェンの交響曲全集録音が進行している充実した時期であり、9月6日には前日に発生したミュンヘン事件の追悼式で「英雄」第2楽章を演奏、そのすぐ後のライヴということになります。当日は、この年のプロムスに於ける彼らの3回のコンサートの初日であったためか、1曲目『プロメテウスの創造物』序曲冒頭では、巨大なキャパシティを持つロイヤル・アルバート・ホールの音場にオーケストラがやや戸惑うかのような様子も聴かれますが、それもすぐに修正され、「死と浄化」でのきめ細やかでメリハリの効いた表情はまさに彼らの面目躍如たるもの。そしてドヴォルザークではライヴのケンペならではの白熱した演奏を聴かせており、終演後の歓声と割れんばかりの拍手が聴衆の熱狂を伝えています。 BBCに残されていたオリジナル・テープを、ヒストリカル音源の復刻で高い評価を得ているポール・ベイリーがデジタル・リマスター。ヴァイオリン両翼配置が映える良質なステレオ録音で、メディアとして発売されるのは今回が初めてとなる貴重なものです。 国内仕様盤日本語解説 … 山崎浩太郎
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-★『レコード芸術』特選盤(2023年4月号)★-
ショスタコーヴィチ(1906-1975):
交響曲 第10番
(ザンデルリング、ニュー・フィルハーモニア管弦楽団)
バラキレフ(1837-1910):
イスラメイ
(コンドラシン、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団) [クルト・ザンデルリング、キリル・コンドラシン、ニュー・フィルハーモニア管弦楽団、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団]発売日:2023年02月24日
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,750円(税込)
初出! ザンデルリング&ニュー・フィルハーモニアのショスタコーヴィチ10番、
コンドラシン&ロイヤル・フィルのイスラメイ!ザンデルリング指揮によるショスタコーヴィチの交響曲第10番といえば、1977年ベルリン交響楽団とのセッション録音と、1978年フランス国立管弦楽団とのライヴ録音などが知られますが、それらより前となる1973年のライヴ録音が登場します。 当時首席客演指揮者の座にあったニュー・フィルハーモニア管との録音は、1980年代に入ってからのベートーヴェンなどがよく知られますが、今回のライヴはその経歴初期のものとはいえ両者のコミュニケーションは万全。重心の低い音楽運びはザンデルリングならではですが、第1楽章や第4楽章クライマックスでの凄まじい巻き上げや、第2楽章の緊張感などは素晴らしいもので、終演後の拍手も熱狂的。 カップリングはコンドラシン指揮による「イスラメイ」というもので、ここに収録されたカゼッラ編曲版はソヴィエト時代から彼のレパートリーであったようですが、録音のリリースは初めてのようです。色彩感豊かで非常に細やかなオーケストレーションを整然とまとめつつ、疾走するようなクライマックスへと導くコントールはさすがの一言。 良質なステレオ録音で、BBCに残されたオリジナル・テープから、ヒストリカル音源の復刻で高い評価を得ているポール・ベイリーがデジタル・リマスター。これらの演奏の魅力を最大限引き出す素晴らしい音に仕上げています。 国内仕様盤日本語解説 … 鈴木淳史 -
シューベルト&クリストフ・ロイ:
音楽劇 もうひとつの『冬の旅』 [アンネ・ゾフィー・フォン・オッター(メゾ・ソプラノ)/クリスティアン・ベザイデンホウト(フォルテピアノ)/クラウディオ・ラード(ヴァイオリン) 他]発売日:2023年02月24日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:4,950円(税込、送料無料)
音楽とパントマイムで綴るシューベルト青春のドラマ もうひとつの『冬の旅』 登場!ザルツブルグ音楽祭や欧州の名門オペラハウスを中心に活躍する演出家クリストフ・ロイの創案、演出による音楽劇 もうひとつの『冬の旅』 の登場です。 ドラマの語り手(歌い手)は、仮構の年老いたシューベルト(アンネ=ゾフィー・フォン・オッター)。ドラマに登場するのは黙役の男女4人――若き日のシューベルト、その親友ショーバーと二人の少女。オッターは、あるときは彼らの心象風景を歌い、あるときは劇中に飛び込んで彼らを慰めたり、勇気づけたり…
そしてクリスティアン・ベザイデンホウト(伴奏とソロ)のフォルテピアノの奏でるシューベルトの歌曲、器楽曲が、このシューベルトの青春のドラマを陰影豊かに彩ります。収録作曲家:
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オッフェンバック(1819-1880):
喜歌劇《パリの生活》 [ジョディ・デヴォス(ソプラノ)/ロドルフ・ブリアン(テノール)/マルク・モイヨン(バリトン)他/ロマン・デュマ指揮/ルーブル宮音楽隊&ルーブル宮音楽隊アカデミー/ジュヌ・オルケストル・アトランティク]発売日:2023年02月24日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:5,500円(税込、送料無料)
オッフェンバック《パリの生活》
パラツェット・ブリュ・ザーネ版 必見映像誕生!《地獄のオルフェ》《美しきエレーヌ》《青ひげ》と並ぶオッフェンバックのオペレッタの傑作《パリの生活》。時は1867年の万国博覧会を目前に控えたナポレオン3世治世の絶頂期のパリ。その世相風俗と訪れる外国の成金観光客たちを戯画化したこの作品は、記録的なヒットとなりました。 本作は、2009年創設の19世紀を中心としたフランスの音楽遺産の再発見と国際的普及をミッションとするパラツェット・ブリュ・ザーネ(フランス・ロマン派音楽センター)による、この作品のオリジナルの姿に迫る復刻版上演の収録。ジョディ・デヴォス、フランク・ルゲリネル、マルク・モイヨンらオッフェンバックのオペレッタ上演には欠かせない選りすぐりの歌唱陣、クリスティアン・ラクロワによる華麗な舞台美術と演出、新進気鋭の指揮者ロマン・デュマのタクトが導く底抜けに愉快でありながら、時にメラコリーを帯びる音楽… 3拍子揃ったオッフェンバック・オペレッタの必見映像の誕生です。収録作曲家:
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-★『レコード芸術』特選盤(2023年5月号)★-
マスカーニ(1863-1945):
歌劇《友人フリッツ》 [サロメ・ジチア(ソプラノ)/チャールズ・カストロノヴォ(テノール)/テレーザ・イエルヴォリーノ(メゾ・ソプラノ)/マッシモ・カヴァレッティ(バリトン) 他/指揮:リッカルド・フリッツァ/フィレンツェ五月音楽祭管弦楽団&合唱]発売日:2023年02月24日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:4,950円(税込、送料無料)
フィレンツェ五月音楽祭より
マスカーニの心温まる歌劇《友人フリッツ》お目見え!イタリア・オペラ史の中でヴェリズモ・オペラの嚆矢とされる《カヴァレリア・ルスティカーナ》で一躍脚光を浴びたマスカーニが、その次作として発表したのが《友人フリッツ》。この作品は、前作のシチリアの寒村で繰り広げられる男女の愛憎劇と打って代わり、豊かなアルザスの田園を舞台とする初々しい恋の物語です。 本上演のロゼッタ・クッキによる演出は、舞台をアルザスから20世紀中葉のアメリカの田園地方に置き換え、シックな舞台美術と相まって独特な雰囲気を醸成しています。主人公のフリッツ役に人気テノール、チャールズ・カストロノヴォ、恋人スゼル役にジョージア出身の伸びやかな美声ソプラノ、サロメ・ジチア、ズボン役ベッペを見事にこなすテレーザ・イエルヴォリーノら粒よりの歌唱陣に、日本でもおなじみの名匠リッカルド・フリッツァがフィレンツェ五月音楽祭管弦楽団を振り、マスカーニならではの美しい旋律に満ちた心温まるオペラを表情豊かに描き出しています。 本作は、フィレンツェ五月音楽祭の終身名誉指揮者ズービン・メータの功績を称え同劇場の中に新たに設けられたズービン・メータ・ホール(Sala Zubin Metha: 2021年12月落成)で行われた初めてのパッケージ(映像 / CD)向けの公演収録です。収録作曲家:
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ヘンデル(1685-1759):
歌劇《セメレ》 [エンマ・ピアソン(ソプラノ)/アミタイ・パーティ(テノール)/サラ・キャッスル(アルト)/ポール・ウィーラン(バス) 他指揮:ピーター・ウォールズ/ニュージーランド・オペラ・バロック管弦楽団]発売日:2023年02月24日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:5,500円(税込、送料無料)
名門ニュージーランド・オペラより注目のヘンデル《セメレ》登場キリ・テ・カナワの出身オペラ・ハウスとして知られる名門ニュージーランド歌劇場より、ヘンデルの名作《セメレ》をお届けします。この作品はヘンデルが《メサイヤ》に代表される英語歌唱のオラトリオを集中して作曲した時期(1740年代)の作品のひとつで、台本はギリシャ神話から、神と人間の禁断の愛を題材にしたウイリアム・コングレーヴによるものです。 本上演は、ジョーヴェがセメレの婚礼の祭壇にバイクで乗り付け、セメレを攫(さら)っていく…
まるでアクション映画の1シーンのように始まります。コロラトゥーラ歌唱に秀でる題名役のエンマ・ピアソン、野性味溢れるジョーヴェ役のアミタイ・パーティら充実した歌唱陣、そしてバロック音楽研究の泰斗ピーター・ウォールズが振るオペラ・ハウスの優れた合唱団、オーケストラによるドラマティックな上演です。収録作曲家:
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-★『レコード芸術』特選盤(2023年4月号)★-
テツラフ(ヴァイオリン)/フォークト(ピアノ)
ブラームス(1833-1897):
ヴァイオリン・ソナタ全集 [クリスティアン・テツラフ(ヴァイオリン)/ラルス・フォークト(ピアノ)]BRAHMS, J.: Violin Sonatas Nos. 1-3 / Violin Sonata, "F-A-E": III. Scherzo (C. Tetzlaff, Vogt)
発売日:2023年02月24日 NMLアルバム番号:ODE1284-2
CD国内仕様 解説日本語訳付き価格:2,970円(税込)
4年ぶりの再録音。
深い共感が描き出す陰影と温かみを聴く。テツラフとフォークトは2002年に当アルバムと同一のプログラムをEMIに録音し(シュパンヌンゲン音楽祭でのライヴ)、キレのよいテクニック、様式感、流れの良さが相まって高く評価されました。当盤の原盤解説によれば14年を経て再録音に臨んだ理由は、二人とも演奏家として成長し、共演を重ねたことによってデュオとしての自在さも獲得したため「今や(2002年)当時とは別人のようで、ずっと多くのことを語れるから」としています。 二人ともブラームスの音楽に順風満帆とはゆかない人生への内省を見出し、フォークトはこれらの作品演奏のポイントを「メランコリックな幸福感や朗らかな寂寥感といったパラドックス。それらを至福の響きで表現すること」と語り、そこがこの再録音の核心となっています。 実際当盤では2002年録音に比べると各曲により多くの演奏時間をかけており、旋律の流れの良さだけでなく陰影や逡巡を感じさせる箇所をさりげなく強調する結果、音楽はより繊細緻密に響いて味わいを増し、多くの場面や情感が立ち上ってくるように感じられます。このデュオが到達した境地を示す記念すべき演奏です。 原盤ブックレットには Friederike Westerhaus によるテツラフとフォークトへのインタビューが8ページにわたって掲載されており、今回の国内仕様盤解説書にはその全訳を掲載します。収録作曲家:
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-★『レコード芸術』特選盤(2023年4月号)★-
テツラフ(ヴァイオリン)/フォークト(ピアノ)
ベートーヴェン(1770-1827):
ヴァイオリン・ソナタ 第6番-第8番 [クリスティアン・テツラフ(ヴァイオリン)/ラルス・フォークト(ピアノ)]BEETHOVEN, L. van: Violin Sonatas Nos. 6-8 (Tetzlaff, Vogt)
発売日:2023年02月24日 NMLアルバム番号:ODE1392-2
CD国内仕様 解説日本語訳付き価格:2,970円(税込)
テツラフのベートーヴェン・ソナタ初録音。
記念の年に選んだ3曲に聴く「人間ベートーヴェン」への共感。バッハからブラームスに至るドイツ音楽をレパートリーの中心とし、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲に至っては3度も録音しているテツラフですが、そのヴァイオリン・ソナタの録音は当盤までありませんでした。 作曲家の生誕250年に選ばれたレパートリーは「春」でも「クロイツェル」も第10番でもない、作品30の3曲。テツラフは原盤解説の中で、ベートーヴェンは交響曲第3番や第5番に感じるヒロイズムや闇から光への闘争と勝利のイメージが強いが、実際はユーモアもあれば庶民的な悲喜こもごもの感情があったとし、この作品30には彼の心の諸相が等身大で描かれていると感じて共感を深めたことを選曲理由に挙げています。 第6番は晴朗な歌に満ちた作品で、モーツァルトやシューベルトのヴァイオリン曲に通じる雰囲気を持っています。第7番はベートーヴェンにとって特別な「ハ短調」で書かれ、感情の起伏が劇的に表現されています。とりわけ抒情的な第2楽章と、輝かしい勝利の代りに「嵐が降りかかってきたような」とフォークトが語る第4楽章の結尾は印象的。時に短調の陰影に傾きつつも、朗らかな躍動感に富む第8番についてテツラフは「人を悲しませるよりも幸福な気持ちにする芸術の方が偉大だ」と語っています。 原盤ブックレットには Friederike Westerhaus によるテツラフとフォークトへのインタビューが9ページにわたって掲載されており、今回の国内仕様盤解説書にはその全訳を掲載します。収録作曲家:
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カプースチン(1937-2020):
ピアノ協奏曲 第4番
ヴァイオリン、ピアノと
弦楽オーケストラのための協奏曲
室内交響曲 [フランク・デュプレー(ピアノ)/ロザンネ・フィリッペンス(ヴァイオリン)/カーセ・スカリョーネ(指揮)/ハイルブロン・ヴュルテンベルク室内管弦楽団]発売日:2023年02月17日
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,970円(税込)
ニコライ・カプースチンの
「ヴァイオリン、ピアノと弦楽オーケストラのための協奏曲」を含むアルバムを国内仕様盤化!ニコライ・カプースチン(1937-2020)は現ウクライナのドンバス地方(当時はソ連の一部)に生まれました。アメリカ発の短波放送Voice of Americaで聴いたジャズに魅了され、名門モスクワ音楽院で学ぶ間にジャズ・ピアニスト及び作曲家として評判を得ます。 近年日本でも人気急上昇中のカプースチンの曲は「ジャズっぽいクラシック」というよりもジャズそのもの。しかしホットなアドリブが展開しているような箇所でもすべてが音符として書きこまれていることに驚かされます。音楽院卒業後はジャズとクラシック双方のオーケストラに加わり、放送局のオーケストラでは当時の最先端の音楽から映画音楽まで非常に広いレパートリーを演奏し、この経験がオーケストレーションのセンスを磨くのに役立ちました。 ここに収められた3曲はいずれも演奏時間20分前後の曲。ピアノ協奏曲第4番は冒頭からノリの良いリズミカルな音楽が展開し、ジャズ・パーカッショニストの経歴を持つピアニスト、フランク・デュプレーが切れの良い演奏を聞かせます。ヴァイオリン、ピアノと弦楽オーケストラのための協奏曲は古き良きアメリカン・ポップスを思わせるテイストで、歌とスイング感にあふれたヴァイオリンのカンタービレが更なる魅力を加えます。室内交響曲はカプースチンとしてはモダンな作風。カプースチンの三つの顔を味わえるアルバムです。 ※国内仕様盤には音楽全般(クラシック、ジャズ、映画音楽など)を深く掘り下げて、分かりやすく伝えることで定評の小室敬幸氏の解説が付属します。収録作曲家:
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-★『レコード芸術』特選盤(2023年4月号)★-
シューベルト(1797-1828):
ピアノ三重奏曲集
アルペジオーネ・ソナタ
ノットゥルノ/ロンド [クリスティアン・テツラフ(ヴァイオリン)/ターニャ・テツラフ(チェロ)/ラルス・フォークト(ピアノ)]発売日:2023年02月17日
CD 2枚組国内仕様 解説日本語訳/日本語解説付き価格:4,400円(税込、送料無料)
「あまり時間が残されていないなら、お別れにはこれがふさわしい。君たち二人は最高だ。クリストフも実に素晴らしい。そしてフランツときたら。信じがたい。なんという表現。なんという壊れやすさ。なんという愛」 このアルバムの録音を聞いたラルス・フォークトがクリスティアン・テツラフとターニャ・テツラフに宛てた言葉です(「クリストフ」は録音プロデューサー兼エンジニアのクリストフ・フランケ、「フランツ」は作曲者のシューベルト)。 ドイツの中堅世代を代表するソリスト3人によるシューベルトの後期作品を集めたアルバムは、フォークトの早すぎる死により、このトリオの最後の録音となってしまいました。録音セッションが行われたのはフォークトが癌の診断を受ける少し前でしたが、彼はセッションの合間に痛みをこらえてソファに横たわることもあったそうです。しかし録音からはそのような気配は感じられず、端正で軽やかに、必要とあらば地響きを感じさせるほどの力強さでピアノを奏で、テツラフ兄妹と一体となり触発し合って間然するところの無い音楽を奏でています。 3人の技術・解釈は言うまでもなく最高水準で、後期シューベルトならではの天国的な「歌」の魅力と、和声の変化がもたらす明暗の情感も十分に表出。フォークトが「僕の人生のすべてはここに向かっていたんじゃないかとさえ思える」と語った第2番をはじめとする会心の出来。選曲の充実と相まって後期シューベルトの世界に深く浸れるアルバムとなっています。 輸入盤ブックレット(ドイツ語・英語)にはテツラフ兄妹がこの録音の思い出を7ページにわたって綴っており、フォークトを知る人は特別な思いを禁じ得ないでしょう。 国内仕様盤にはその全訳に加え、シューベルト研究家の堀朋平氏による解説が付きます。
収録作曲家:
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『私的な旅』
ドイツ、オーストリアとフランスの歌曲集 [サンドリーヌ・ピオー、ダヴィッド・カドゥシュ]発売日:2023年02月17日
CD国内仕様 日本語解説/歌詞日本語訳付き価格:3,520円(税込、送料無料)
ピオーとカドゥシュの新生デュオが誘う、歌で紡ぐ旅初めて行ったデュオでのリサイタルを成功させたサンドリーヌ・ピオーとダヴィッド・カドゥシュによる、待望のアルバムが登場。新たな出会いの喜びとそこから見えるもの、憧れの地への旅、到達できない場所への探求といったものを出発点として、様々な作曲家と詩人たちによる言葉の交差を楽しむというのがテーマとなっており、結果的には有名作を多く含むドイツ語圏とフランスの作品を収めた内容となっています。 どの作品でも詩情を奥深く表現するピオーの特性が生きており、「魔王」での切迫した表情も歌姫の貫禄十分。フランスを中心にソリストとして活躍めざましいカドゥシュのピアノも、これにそっと寄り添う素晴らしいサポートを聴かせてます。
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ベートーヴェン(1770-1827):
ピアノ協奏曲 第3番・第4番 [ボリス・ギルトブルグ(ピアノ)/ヴァシリー・ペトレンコ(指揮)/ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団]発売日:2023年02月10日
CD国内仕様 解説日本語訳付き価格:2,200円(税込)
ボリス・ギルトブルグとヴァシリー・ペトレンコ指揮リヴァプール・フィルとのベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集が遂に完結。ギルトブルグにとって個人的に思い入れの深い2曲を繊細かつ雄弁に奏でています。 クラシック音楽の魅力を伝えるブログや解説動画を得意としているギルトブルグは、当盤にも魅力的で説得力のある解説を寄稿しています。第3番については、子供の時にベートーヴェンのピアノ協奏曲の中で最も強烈に魅了されていたこと、特に曲が始まってしばらく続くハ短調の暗い闘争的なドラマに心酔していたこと、演奏を重ねるうちに、優しく抒情的でユーモラスでさえある第2主題の長調部分とのコンビネーションこそ真の天才の業と気づいたこと。また第4番については、ベートーヴェンのピアノ協奏曲の中で技術的には最も難しいとしつつ、より難しいのは「すべての音を繊細微妙に呼吸するような詩情で満たすこと」と綴っています。 幼少時から親しんだ第3番はダイナミックなドラマを感じさせる演奏。第4番はギルトブルグ自身が挙げた課題を見事にクリアした演奏で、録音がコロナ禍で再々の延期を余儀なくされた間にベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲を録音したことが、彼の解釈を一層成熟させたのかもしれません。ギルトブルグにとって一つの集大成であると同時に、新たな出発を予感させる仕上がりとなりました。 ※日本仕様盤にはギルトブルグ自身による原盤解説の日本語訳解説が付属します。
収録作曲家:
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〈#bruckner2024〉
ブルックナー(1824-1896):
交響曲 第8番 ハ短調 WAB108
(第1稿/ホークショー版) [マルクス・ポシュナー(指揮)/リンツ・ブルックナー管弦楽団]BRUCKNER, A.: Symphony No. 8 (original 1887 version, ed. P. Hawkshaw) (Complete Symphony Versions Edition, Vol. 7) (M. Poschner)
発売日:2023年02月10日 NMLアルバム番号:C8087
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,970円(税込)
CAPRICCIOレーベルと国際ブルックナー協会の主導で、ブルックナーの生誕200年にあたる2024年までにブルックナーの全交響曲のすべての稿(バージョン)を録音しようという企画、 「#bruckner2024」の第7弾。今回は第8番の第1稿で、2022年に出版されたばかりのポール・ホークショー校訂版にもとづく録音となります。 ブルックナーが交響曲第8番の作曲に着手したのは1884年夏。同年12月に第7番の初演が大成功を収め、自信を深めた彼は1887年8月に第8番(第1稿)を完成。第7番のミュンヘン初演を成功させたヘルマン・レヴィに初演を託しますが、レヴィはスコアを吟味した結果これを辞退。ショックを受けたブルックナーは全面的な改訂に取り掛かり、1890年に第2稿を完成させます。これは1892年に初演されて好評を得ましたが、その陰で第1稿は埋もれてしまいました。 ブルックナー生誕130年の1954年5月2日にはオイゲン・ヨッフムの指揮で第1稿の第1楽章が初演されましたが、全曲初演は1973年9月2日(ハンス・フーベルト・シェーンツェラー指揮)を待たねばならず、その後も第1稿が「市民権を得た」と言える状況にはなりませんでした。 (曲目・内容欄に続く) ※国内仕様盤には石原勇太郎氏(音楽学/国際ブルックナー協会会員)による日本語の解説が付属します。
収録作曲家:
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-★『レコード芸術』特選盤(2023年4月号)★-
アンソニー・ロマニウク
『Perpetuum ~無窮動』 [アンソニー・ロマニウク]発売日:2023年02月10日
CD国内仕様 解説日本語訳付き価格:3,300円(税込、送料無料)
アンソニー・ロマニウクのソロ第2弾、鍵盤作品縦横無尽!バロックからロマン派、現代に至るまで幅広い時代の作品を、広く深い知見とテクニックに裏打ちされた類まれな適応力で演奏し、世界各地のアーティストから篤い信頼を得ているアンソニー・ロマニウク。来日公演でもその個性で聴衆を魅了した彼のセカンド・ソロ・アルバムは、前作『BELLS 鐘』(NYCX-10300/ALPHA631)の方向性をさらに推し進めたものといえ、古楽器から現代楽器、そして電子楽器までを操り、バロックから現代音楽、ポップスに至るまでを、まさに縦横無尽に行き交う内容となっています。一見ばらばらな選曲ですがその流れが極めて自然なことにまず驚かされ、聴き進むほどに、それぞれの作品を引き立てる楽器選択の素晴らしさにも気付かされることでしょう。 これからの鍵盤楽器のありようを提案しつつ、際立って優れた構成力で全体を美しくまとめ上げた、新しい魅力に溢れるアルバムです。
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シューマン(1810-1856):
交響曲 第3番・第4番
(グスタフ・マーラーによる編曲版) [マリン・オルソップ(指揮)/ウィーン放送交響楽団]発売日:2023年01月27日
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,200円(税込)
斬新な響きが注目を集めたオルソップ&ウィーン放送響による
マーラー版のシューマン: 交響曲全集、第2弾ドイツ・ロマン派を代表する作曲家ロベルト・シューマンが完成させた交響曲は4曲ありますが、これらを近代以降のオーケストラで演奏すると、音が濁ったり、バランスが取れなかったりすることが多く、指揮者泣かせの曲と言われてきました。この難題に大胆な回答を出したのが、作曲家にして当代屈指の名指揮者でもあったマーラー。彼の時代のオーケストラで聴き映えがするよう、4曲の交響曲のスコアに数多くの改変やカットを加えました。 それらの多くは打楽器や金管の増減などによってマーラーが重要と見なすモチーフを補強し、そうでないと考えた部分を抑えるというものでしたが、今ではシューマン自身が書いた通りではないという理由で敬遠されがちです。オルソップはマーラーのオーケストレーションを再評価すべく、ウィーン放送響と全4曲を収録。こちらは第2弾となる第3番「ライン」と第4番が収録されています。 (曲目・内容欄につづく) ※国内仕様盤には相場ひろ氏による日本語解説が付属します。 -
-★『レコード芸術』特選盤(2023年4月号)★-
パーヴォ・ヤルヴィ指揮
ブルックナー(1824-1896):
交響曲 第7番 [パーヴォ・ヤルヴィ、チューリヒ・トーンハレ管弦楽団]発売日:2023年01月27日
CD国内仕様 日本語解説付き価格:3,300円(税込、送料無料)
パーヴォ・ヤルヴィ、約15年ぶりのブルックナー7番再録音!フランクフルト放送交響楽団と11年の歳月をかけて完成させたブルックナー交響曲全集の発売が記憶に新しいパーヴォ・ヤルヴィが、その第7番を再び取り上げました。先の全集の中でも第7番はパーヴォ初のブルックナー録音として2006年11月の収録であったため、再録音のタイミングとして近すぎるとは言えないでしょう。 旧盤と収録時間を比較すると全ての楽章で速くなっており、特に第2楽章では1分30秒近い差が出ていますが、演奏はくっきりとした音楽の輪郭を感じさせながら、むしろロマンティックな印象を与えるもので、フレーズ感のメリハリの効いた、個性的な解釈も随所に聴くことが出来ます。また今回は版の明記がされておりませんが、第2楽章での打楽器の使用を始め旧盤同様ノーヴァク版を基調としながらも、第4楽章冒頭の頻繁なリタルダンドなどは前回以上にイン・テンポで進められている印象です。 対位法的な面白さをしっかり味わえるヴァイオリンの両翼配置に加え、ワーグナー・チューバをホルンとは反対となる右側、トロンボーンとバス・チューバの前に持ってくることでアンサンブルの親和性を向上させるとともに、響きに奥行きを与えることにも成功。再録音の期待に応える素晴らしいアルバムです。 パーヴォ・ヤルヴィとチューリヒ・トーンハレ管は、ブルックナー生誕200年となる2024年までに、さらに第8番、第9番の録音を予定しているということです。
収録作曲家:
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-★『レコード芸術』特選盤(2023年4月号)★-
〈HAYDN 2032 第13集〉
~ホルン信号~
交響曲 第31番・第59番・第48番 [ジョヴァンニ・アントニーニ、イル・ジャルディーノ・アルモニコ]発売日:2023年01月27日
CD国内仕様 解説日本語訳付き価格:3,300円(税込、送料無料)
ソロ続々の「ホルン信号」を中心に、第13弾は全て表題付きの傑作揃い!ハイドン生誕300周年にあたる2032年までに、この「交響曲の父」が残した107曲の交響曲全てを録音してゆくジョヴァンニ・アントニーニの注目企画が、第1巻(ALPHA670)がリリースされた2014年から8年を経てますます充実をみせています。エステルハージ侯爵家での30年近くに及ぶ現役活動中、ウィーンから遠く離れた侯爵領で世評を気にせず試行錯誤を繰り返しながら書かれたハイドンの一連の交響曲は、ティンパニやトランペット、クラリネットを使わない小規模な二管編成でも驚くほど多彩な音楽作法で聴きどころが尽きませんが、今回はその中でも特に味わい深い中期前半の3曲を厳選。 各パートのソロが多く聴きどころに事欠かない長大な第31番「ホルン信号」、独立した管楽器パートが一対のオーボエとホルンだけの小規模編成で変幻自在の展開が続く第59番「火事」、打楽器が入らないオリジナル版の演奏でも勇壮なスケールを存分に感じさせる第48番「マリア・テレジア」、といずれもアントニーニ自身の楽団であるイル・ジャルディーノ・アルモニコならではの、全奏者の個性が生かされながら豊かな一体感あふれる解釈が映える作品ばかり。特に「ホルン信号」では、圧倒的かつ痛快な吹奏でデュナーミク豊かなサウンド作りをみせる4人のナチュラルホルン奏者たちの活躍もさることながら、コントラバスやヴィオラにまでソロが出てくる終楽章での大規模室内楽風アンサンブルが絶妙で、個々の楽器の妙味をじっくり味わえます。 最新研究を反映した解説(国内仕様盤は日本語訳付き)でも、各曲の表題にまつわる謎やアントニーニの解釈上の見解など情報満載。どこまでも見逃せない内容です。
収録作曲家:
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-★『レコード芸術』特選盤(2023年4月号)★-
『パリの夜』
ミュージック・ホールとオペラからの舞曲集 [フランソワ=グザヴィエ・ロト、レ・シエクル]発売日:2023年01月27日
CD国内仕様 日本語解説付き価格:3,300円(税込、送料無料)
心躍る! ロトが紐解くフランス19世紀フランスの知られざる舞曲集ロト率いるレ・シエクルによる、フランスのベル・エポック期周辺の舞曲を集めたアルバムが登場。『コッペリア』などのバレエ作品、《ファウスト》などオペラからのバレエ音楽、「フォリー・ベルジェール」に代表されるミュージック・ホールの音楽といった作品を収めています。有名な『スケートをする人々』や、いわゆる《天国と地獄》のカン・カンで盛り上がるストロースのカドリーユなどのほか、華やかながらほとんど知られていない作品を発見する喜びもあり、聴きどころ満載のアルバムとなっています。 60ページを超えるカラー・ブックレット(英・仏・独語)付き。
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カミラ・ニールンド
『ザ・グレート・アメリカン・ソングブック』より [カミラ・ニールンド(ソプラノ)/指揮:マリン・オルソップ/ウィーン放送交響楽団]発売日:2023年01月27日
Blu-ray+CD 2枚組国内仕様 日本語字幕付き価格:4,950円(税込、送料無料)
カミラ・ニールンドが歌う古き良きアメリカ ―― 愛の歌の数々20世紀アメリカのミュージカル、映画音楽の作曲家コール・ポーター、ジョージ・ガーシュウィン、リチャード・ロジャース、ジェローム・カーンらによる不滅の輝きを放つ、古き良きアメリカのポップソングの総称『ザ・グレート・アメリカン・ソングブック』。世界中のオペラ・シーンで引く手あまたのカミラ・ニールンドが、そのソングブックから彼女のために選ばれ、編曲されたナンバーを情感豊かに歌い上げます。 伴奏を務めるのはマリン・オルソップ指揮のウィーン放送交響楽団。歌うニールンドとそれに寄り添う楽団の演奏風景が、マルチタレントの鬼才アンドレ・ヘラー演出によるモノクローム映像によって雰囲気豊かに捉えられています。
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ポルポラ(1686-1768):
歌劇《アンジェリカ》 [エカテリーナ・バカノヴァ(ソプラノ)/ テレーザ・イエルヴォリーノ(メゾ・ソプラノ)/ 他/指揮:フェデリコ・マリア・サルデッリ/ラ・リラ・ディ・オルフェオ(古楽器使用)]発売日:2023年01月27日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:4,950円(税込、送料無料)
ナポリ楽派の名匠、ニコラ・ポルポラ作『アンジェリカ』 ―― 世界初映像化!ナポリ楽派を代表する作曲家のひとり、ニコラ・ポルポラの歌劇(セレナータ)《アンジェリカ》は、宮廷の慶事を祝う機会音楽として作曲され、その台本が劇作家メタスタージオの一作目であるとともに、後年「ファリネッリ」としてその名声を馳せるカストラートのカルロ・ブロスキが、歌手デビューを飾った作品としても知られています。そのロンドン時代はヘンデルのライバルと目され、ウィーン時代にはハイドンが師事したポルポラの音楽は、華やかな色彩と豊かな楽想に満ちたもの。 演出・舞台美術・衣装は著名な服飾デザイナー、ジャンルカ・ファラスキが担当。題名役のエカテリーナ・バカノヴァ、オルランド役のテレーザ・イエルヴォリーノら粒ぞろいの歌唱陣と、ラ・リラ・ディ・オルフェオ(ラッファエーレ・ペー主宰)が古楽演奏を中心に活躍する名匠フェデリコ・マリア・サルデッリのタクトのもと躍動感と抒情に溢れる演唱を繰り広げます。
収録作曲家:
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-★『レコード芸術』特選盤(2023年4月号)★-
バレエ『ダンテ・プロジェクト』(マクレガー振付)
英国ロイヤル・バレエ [エドワード・ワトソン/ギャリー・エイヴィス/サラ・ラム 他/英国ロイヤル・バレエ団/指揮:コーエン・ケッセルス/コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団]発売日:2023年01月27日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:5,500円(税込、送料無料)
エドワード・ワトソン主演、英国ロイヤル・バレエの大胆な野心作 ――
『ダンテ・プロジェクト』誕生!2021年10月に初演された『ダンテ・プロジェクト』は、英国ロイヤル・バレエのレジデント振付家ウェイン・マクレガーによる待望の新作バレエ。14世紀初頭にダンテが書いた壮大な叙事詩『神曲』をテーマに、「ベンジャミン・ブリテンの再来」との呼び声高い作曲家のトーマス・アデス、数々の受賞歴を誇るビジュアルアーティスト、タシタ・ディーンら各界の才能を結集し、総合芸術としてのバレエの醍醐味を存分に味わえる大胆な野心作が誕生しました。 生きながらにして地獄・煉獄・天国という死後の3つの世界を旅するダンテ役を踊ったのは、その独自の身体性と感性で「唯一無二」のダンサーと評されたエドワード・ワトソン。本公演で英国ロイヤル・バレエでの27年間に及ぶキャリアを有終の美で飾る名演は必見です。 ロイヤル・バレエのトップ・ダンサーたちが多数参加する豪華キャストも魅力。収録作曲家:
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ミュージカル『エリザベート』
シェーンブルン宮殿コンサート(2022) [マヤ・ハクフォート/アブラ・アラウィ/ルカス・ペルマン 他/ミヒャエル・レーマー(指揮)ウィーン劇場協会管弦楽団]発売日:2023年01月20日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:4,950円(税込、送料無料)
2022年夏 初演30周年ウィーン生まれの世界的ヒット・ミュージカル ――
『エリザベート』シェーンブルン宮殿コンサート!落日のハプスブルク帝国の皇帝フランツ・ヨーゼフの妃となり、宮廷生活の束縛に苦しみながらも自由に生きることを望みつつ波乱に満ちた生涯を送ったオーストリア皇后エリザベート。本作はこのエリザベートを主人公とし、ミヒャエル・クンツェ(作詞・台本)、シルヴェスター・リーヴァイ(作曲)の名コンビによる美しいメロディと躍動するスペクタクルに溢れた史劇ミュージカルの傑作です。1992年ウィーン初演以来、世界中で翻訳版が上演(14カ国、9言語、観客動員数1200万人)され、日本でも宝塚歌劇団と東宝による再演が重ねられて絶大な人気を博しています。 ここに初演から30周年の記念すべき2022年の夏、華麗なシェーンブルン宮殿を背景に、綺羅星のごとく並ぶ欧州のミュジーカル・スターによって演じられたコンサートの映像収録をお届けします。 -
コパチンスカヤ&サイ
ヤナーチェク、ブラームス、バルトーク:
ヴァイオリン・ソナタ集 [パトリツィア・コパチンスカヤ、ファジル・サイ]発売日:2023年01月13日
CD国内仕様 解説日本語訳付き価格:3,300円(税込、送料無料)
コパチンスカヤ&サイ、スーパー・デュオ再び!今や鬼才の名を欲しいままにしているヴァイオリニスト、パトリツィア・コパチンスカヤ。2008年にリリースされた彼女のデビュー・アルバムでパートナーを務めたのが、こちらも当時から鬼才の呼び声高いコンポーザー・ピアニスト、ファジル・サイでした。その後も共演を重ね、名コンビとしての評判を揺るぎないものにしているこの二人が、およそ15年ぶりに録音に臨んだのがこちらのアルバム。 お互いに「火山のように不屈の精神力とエネルギーを持つピアニスト」、「公演の度に異なったキャラクターと新しいストーリーを自然に繰り出してくる変幻自在なヴァイオリニスト」と評する二人がここで聴かせるのは、バルトーク、ブラームス、ヤナーチェクによる全く異なった性格を持つソナタ3曲。2つの個性が時に寄り添い、時にせめぎ合いながら紡ぐ音楽は、他では味わえない陶酔感と火花が飛ぶような激しさを併せ持つ唯一無二のもの。 特にコパチンスカヤが「始まりから終わりまで実に素晴らしい」と評するバルトークがハイライトで、終楽章の緊張感溢れる掛け合いは格別です。
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クープラン一族の
クラヴサン音楽 [バンジャマン・アラール]発売日:2023年01月13日
CD国内仕様 解説日本語訳付き価格:3,300円(税込、送料無料)
バッハ録音で名高いアラールの「お国もの」、かくも濃やかで繊細!フランスの名手バンジャマン・アラールが、若き古楽器演奏家たちの登竜門ブリュッヘ(ブルージュ)国際古楽コンクールを制したのが2004年。翌年パリのサン=ルイ=アン=リル教会に新設されたオーベルタン・オルガンの専属奏者となり、この足鍵盤の音栓まで充実した楽器をはじめ各地のオルガンで堂々たるバッハ演奏を聴かせる一方、録音でもチェンバロとオルガンの双方を等しく弾きこなし、ALPHAやHarmonia Mundi Franceでバッハの鍵盤作品を続々と録音してきました。逆にバッハ以外を演奏するアラールの様子に触れる機会は滅多にありませんでしたが、2022年5月の来日公演アンコールではスカルラッティのソナタの驚くべき解釈を披露、バッハ作品へのこだわりが彼の適性や嗜好の限界を示すものではなかったことを明らかにしました。 そのことをさらに裏付ける驚くべき録音が意外にもスペインのレーベルMarch Vivoから登場。2020年2月1日にマドリードで行われた演奏会の記録で、フランス音楽史に名高いクープラン一族の最も重要な3人の作品を厳選したプログラム。3人それぞれの作風は大きく違いますが、そのいずれにおいてもごく自然な佇まいで様式感を捉え、曲ごとの個性を描き分けてゆく解釈の妙は圧巻の一言。彼のバッハ演奏を特徴づける寛いだ安定感はここでも健在で、ライヴの臨場感に貫かれていながら危うさとは全く無縁、各作曲家の音楽世界にじっくり浸らせてくれます。 イタリア屈指の古楽器奏者たちの名録音を数多く手掛けてきたロベルト・キネッラートのマスタリングで、現代最高峰の域にあるクラヴサン音楽の比類ない境地をじっくりお楽しみ頂けます。
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-★『レコード芸術』特選盤(2023年2月号)★-
J.S.バッハ(1685-1750):
チェロ・ピッコロによる協奏曲 6編 [マリオ・ブルネロ、リッカルド・ドーニ、アカデミア・デッラヌンチアータ]発売日:2022年12月16日
CD国内仕様 解説日本語訳付き価格:3,300円(税込、送料無料)
ヴァイオリン作品をチェロ・ピッコロで弾くブルネロの情熱、バッハの協奏曲へ!通常のチェロ演奏でも世界的な活躍を続けてきたイタリアの名手マリオ・ブルネロ。近年はバロック期に使われていたという小型のチェロ(4弦チェロ・ピッコロ=ヴァイオリンと丁度1オクターヴ低い調弦となる楽器)をピリオド奏法で弾きこなし、ARCANAでのバッハの無伴奏曲集や二重奏ソナタ6曲の全曲録音など、当時の習慣に従ってヴァイオリン作品を演奏する機会も増えています。 今回は同じイタリアの古楽器シーン最前線をゆくアカデミア・デッラヌンチアータとともに、バッハの協奏曲6曲をチェロ・ピッコロで演奏。収録曲の大半は当初別の独奏楽器のために書かれていた作品をバッハがチェンバロ向けに編曲したもので、原曲の特定や復元の試みも多くの専門家たちによってなされてきました。18世紀当時は演奏環境に合わせた編成のために楽譜を調えることまでが音楽家の仕事でもあり、バッハ自身も多くの教会カンタータに使用したチェロ・ピッコロでこれらの協奏曲を演奏する試みは、当時流の正当なアプローチであるといえるでしょう。 ブルネロが繰り出す中低音で綴られる旋律は、室内協奏曲型の編曲でも弦楽合奏ありの編曲でも過去の観賞体験を一新する瑞々しさ。合奏向け協奏曲を二段鍵盤チェンバロひとつで再現した独奏曲「イタリア協奏曲」も合奏向けに逆編曲。抜群のピリオド奏法とあいまって作品の意外な一面に驚かされるのではないでしょうか。 なおライナーにはブルネロ自身のコメントの他、ライプツィヒ・バッハ・アルヒーフ館長ペーター・ヴォルニーによる解説が添えられています(英・仏・伊語/国内仕様盤は日本語訳付)。
収録作曲家:
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シェーンベルク(1874-1951):
月に憑かれたピエロ
幻想曲/6つの小さなピアノ曲
ウェーベルン(1883-1945):
4つの小品他 [パトリツィア・コパチンスカヤ、ミーサン・ホン、ジュリア・ガレゴ、レト・ビエリ、トーマス・カウフマン、ヨーナス・アホネン ほか]発売日:2022年12月16日
CD国内仕様 解説・歌詞日本語訳付き価格:3,300円(税込、送料無料)
コパチンスカヤが歌う「月に憑かれたピエロ」、
歌詞日本語訳付きが再登場!異才のヴァイオリニストとして不動の地位を築いたといえるパトリツィア・コパチンスカヤ。彼女がヴァイオリンではなく歌でソロをとり、派手なピエロの衣装を着てベルリン・フィルハーモニーほか欧米各国で公演した「月に憑かれたピエロ」は大きな話題となりました。2021年に満を持してCDリリースされ、世界的なヒットとなったアルバムの国内盤を再発売いたします。 このシェーンベルクの問題作は、5人の奏者による室内アンサンブルと、「語るように歌う」シュプレヒゲザング(あるいはシュプレヒシュティンメ)と呼ばれるソロのために書かれおり、現在はソプラノ歌手がソリストを務めることが多く、演奏至難なことで知られています。コパチンスカヤのアプローチは、歌うことよりも演劇的にダイナミックな表情を付けて語ることに主眼が置かれており、これは、この作品を委嘱し初演したアルベルティーネ・ツェーメが歌手ではなく女優であったことを踏まえると、彼女なりに原点を追求した形と言えるかもしれません。時に叫び声に近い激しい表現を加えながらも、コパチンスカヤが持つ音楽的な下地がその芸術性をしっかりと支えており、彼女の、そして作品の新たな魅力を堪能することの出来る素晴らしい出来栄えとなっています。 そのほかの作品では、コパチンスカヤはいつも通りヴァイオリンで参加しており、シェーンベルクが「私的演奏協会」のために編曲したのち、「ピエロ」に近い編成で再編曲した版の「皇帝円舞曲」などを収録しています。収録作曲家:
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ヴェルディ(1813-1901):
歌劇《リゴレット》 [カルロス・アルバレス(バリトン)/リセット・オロペサ(ソプラノ)/リパリット・アヴェティシャン(テノール) 他/アントニオ・パッパーノ(指揮)/コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団&合唱団]発売日:2022年12月16日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:5,500円(税込、送料無料)
リセット・オロペサ、ジルダ役でコヴェント・ガーデン登場、
白熱の新制作《リゴレット》!快進撃を続けるコヴェント・ガーデンから2021年9月のシーズン開幕公演、新制作の《リゴレット》をお届けします。 清純なジルダ役を高い歌唱力で情感豊かに歌い上げるリセット・オロペサ、屈折したリゴレットの感情の襞を見事に表現するベテラン、カルロス・アルバレス、マントヴァ公爵役を張りのある美声と端正な表情で歌いきる新進テノール、リパリット・アヴェティシャンという超強力キャストを得てオリヴァー・ミアーズの新演出は、その舞台に西洋美術史上の重要な絵画作品が喚起するイメージを要所々々で援用し、作品に秘められた愛憎の心理劇の可視化を試みています。そして、その音楽表現にますます深みを加えるアントニオ・パッパーノが導くコヴェント・ガーデンのオーケストラと合唱団がそのすべてを包み込み、白熱の《リゴレット》を一気呵成に聴かせます。収録作曲家:
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ワーグナー(1813-1883):
舞台祝祭劇《ニーベルングの指環》[BOX] [クレイ・ヒーリー(テノール)/ニーナ・シュテンメ(ソプラノ)/イアン・パターソン(バリトン) 他/ドナルド・ラニクルズ(指揮)/ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団&合唱団]発売日:2022年12月16日
Blu-ray 4枚組国内仕様 日本語字幕付き価格:16,500円(税込、送料無料)
ベルリン発。《ニーベルングの指環》上演史に新たな地平を拓く充実の4部作映像、BOXにて一挙登場!ベルリン・ドイツ・オペラにて2021年11月にプレミエ公演された《ニーベルングの指環》。世界中のオペラ・シーンでひっぱりだこの鬼才ステファン・ヘアハイムが、この新制作の《指環》の演出を担いました。「ワーグナーは生涯をかけて挑戦する対象」と語るヘアハイムは、この《指環》4部作に共通のキー・オブジェ『グランドピアノ』を舞台の中心に据え、黙役の男女の群衆がそれを取り囲み、次々と繰り出す演出上の創意とスペクタルなシーンによって弛みなくドラマの生成展開を促します。 ブリュンヒルデ役のベテラン、ニーナ・シュテンメを筆頭に、演出家の意図に見事に応える粒ぞろいの歌唱陣と群衆、そしてベルリン・ドイツ・オペラのオーケストラから雄渾なワーグナー・サウンドを引き出す音楽総監督ドナルド・ラニクルズのタクトにより舞台、演唱、オーケストラが三位一体となった充実の《指環》4部作として結実。特典映像の演出家と指揮者が語る『《指環》のメイキング』では《指環》上演史の中で、このプロダクションが占めるユニークなポジションが解き明かされます。
収録作曲家:
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ベッリーニ(1801-1835):
歌劇《ビアンカとフェルナンド》 [サロメ・ジチア(ソプラノ)/ジョルジョ・ミッセーリ(テノール)/ニコラ・ウリヴィエーリ(バリトン) 他/ドナート・レンゼッティ(指揮)/カルロ・フェリーチェ歌劇場管弦楽団&合唱団]発売日:2022年12月16日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:4,950円(税込、送料無料)
ベッリーニの歌劇《ビアンカとフェルナンド》
初演の地ジェノヴァより世界初映像登場!ベッリーニ2作目の歌劇《ビアンカとフェルナンド》(1826年初演の《ビアンカとジェルナンド》の大改訂版)は、1828年4月7日、ジェノヴァのカルロ・フェリーチェ歌劇場の落成式典の杮落としとして上演されました。その作風は大先達ロッシーニの大きな影響下にあるものの、憂愁を帯びた美しい抒情に溢れるベッリーニの音楽の特質が、既に随所に見られる佳作として知られています。 アルゼンチン出身のオペラ演出界の重鎮ウーゴ・デ・アナによる、巨大な天球儀を模したユニークな舞台装置を背景に、ジョージア出身のサロメ・ジチア(ビアンカ役)が俊敏な美声で高難度のパッセージを歌い上げ、ジョルジョ・ミッセーリ(フェルナンド役)が伸びやかでリリカルなテノール歌唱でそれに応えます。 名匠ドナート・レンゼッティのタクトが導く引き締まったテンポと緊密なアンサンブルが、この上演に高い完成度をもたらしています。収録作曲家:
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-★『レコード芸術』特選盤(2023年3月号)★-
ストラヴィンスキー(1882-1971):
歌劇《マヴラ》
チャイコフスキー(1840-1893):
歌劇《イオランタ》 [アンナ・エル=カシェム(ソプラノ)/ノア・ベイナート(アルト)/マルクス・スイコネン(バス)/ミリヤム・メサック(ソプラノ) 他/アレフティーナ・ヨッフェ(指揮)/バイエルン国立管弦楽団]発売日:2022年12月16日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:6,050円(税込、送料無料)
バイエルン国立歌劇場自主レーベルBSOrecより映像リリース第3弾。
新制作、歌劇《マヴラ/イオランタ》!本作は、数ある欧州のオペラ研修所の中でも屈指の水準と実績を誇り、数多くの国際的な才能を育成してきた「バイエルン国立歌劇場オペラ・スタジオ」研修生による2019年度の卒業公演の収録です。 演目はドイツで人気の俳優、映画&舞台監督のアクセル・ラニッシュ演出による新制作の歌劇《マヴラ/イオランタ》。ストラヴィンスキーの新古典主義時代の始まりの作品と目されるラヴ・コメディ《マヴラ》とチャイコフスキーの情緒溢れる《イオランタ》、この二つのコンパクトな歌劇が交互に進みながら、やがて融合して行くという野心的な試みです。 ロシア出身の気鋭の女性指揮者アレフティーナ・ヨッフェの指揮するバイエルン国立歌劇場の小編成オーケストラがバックを務め、《マヴラ》のパラーシャ役のアンナ・エル=カシェム、《イオランタ》の題名役のミリヤム・メサック、ヴォーデモン役のロン・ロンら、世界中から集まった若く才能溢れる歌手たちが、チャーミングで溌剌とした舞台を創り上げています。 -
-★『レコード芸術』特選盤(2023年2月号)★-
アルヴェーン(1872-1960):
交響曲全集・管弦楽曲集[7枚組 BOX] [ニクラス・ヴィレーン(指揮)/ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団/アイルランド国立交響楽団/アイスランド交響楽団/ノールショピング交響楽団 他]発売日:2022年12月09日
CD 7枚組国内仕様 日本語解説付き価格:7,700円(税込、送料無料)
ヒューゴ・アルヴェーンはステーンハンマルと並ぶ近代スウェーデンを代表する作曲家。1872年にストックホルムに生まれ、1887年から91年まで王立音楽大学でヴァイオリンを専攻し、並行して作曲のプライベート・レッスンも受けました。在学中の1890年から王立歌劇場のヴァイオリン奏者としても活動。その後、ヨーロッパでヴァイオリンと指揮を学び、帰国後の1910年にはウプサラ大学の音楽監督に就任、同時に世界屈指の男声合唱団オルフェイ・ドレンガーの指揮者を37年間にわたって務めるなど、指揮者としても活躍しました。 アルヴェーンの交響曲第1番が書かれたのは1897年。その作曲家としての活動の大半は20世紀ですが、彼は調性に基づく後期ロマン派のスタイルによる作品を書き続けました。そのため保守的な作曲家と見なされたこともありますが、抒情的なメロディと情緒豊かな和声に彩られた作品群は親しみやすく、時代を越えた魅力をもっています。特にスウェーデン狂詩曲第1番『夏至の徹夜祭』はパーシー・フェイスやマントヴァーニがカバー。日本でもNHK「みんなのうた」で「風のくれたひみつ(スウェディッシュラプソディ)」として発表されたこともあります。アルヴェーンは水彩画を得意とし、画家として身を立てようとした時期もありました。アルヴェーンの音楽が北欧の自然や情景を想起させるのは、そのような才能と無関係ではないのでしょう。 ちなみに、アルヴェーンの甥ハンネス(ハンス)は1970年にノーベル物理学賞を受賞しました。アルヴェーンの「祝典序曲 作品25」はノーベル賞の授賞式におけるレパートリーの一つとなっているので、その折にも演奏されたのかもしれません。 ※国内仕様盤には、スウェーデン音楽の紹介に取り組んでいるステーンハンマル友の会代表でピアニストの和田記代氏による日本語解説が付属します。
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-★『レコード芸術』特選盤(2023年2月号)★-
ブラームス(1833-1897):
交響曲 第1番
ハンガリー舞曲集
ドヴォルザーク(1841-1904):
交響曲 第6番 [ヤクブ・フルシャ(指揮) バンベルク交響楽団]