En Phases
Zig-Zag Territoiresの主宰者だったフランク・ジャフレスが、プロデューサーとして活動してきたステファニー・フラメントと創設したEn Phases(アン・ファズ)は、アーティスト自身の手による新レーベル。アーティスト達自身がブランドそのものなので、人々が今聴きたいと待ち望んでいる音楽に敏感に反応し、録音制作のプロフェッショナル達と共にユニークなリリースを行います。古楽からジャズまで、常に変化する今現在の音楽を後世に残していくことを目指しています。
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UTRIQUE FIDELIS(互いに忠節を)
バロック様式による
フランス中部ヴァンデ県の伝統音楽 [アンサンブル・レ・プレザンス]発売日:2023年12月01日
CD価格:2,475円(税込)
昔日のフランス民衆が暮らした世界の光と闇。
バロックの名手たちが陰翳鮮やかにフランス西部、ポワトゥー地方ヴァンデ県の民衆伝統音楽を集め、バロック期の作法に基づくアレンジによって古楽器で演奏したアルバム。ヴァンデ県はブルターニュ半島のすぐ南に位置し、民衆舞踏の豊かな伝統があるポワトゥー地方の中でも特にユニークな11拍子、13拍子などの不規則なリズムも聴かれる、独特な民衆音楽が発達しました。 RICERCARレーベルでマレのヴィオール作品全曲録音にも加わっている古楽撥弦奏者ミゲル・アンリは、旧友でもある民俗音楽歌手ローラン・ティクシエと協力し、このヴァンデ県のさまざまな音楽を収集。素材感豊かでニュアンスに富んだ古楽器の味わいがよく生きるアレンジで、時にいかにも民衆音楽風、時にいかにも宮廷楽団然とした響きで、さながら民衆文化を好んで宮廷でも楽しんだ昔日の貴族たちの楽しみを彷彿とさせる音楽世界を紡ぎ出しました。 いずれもピグマリオンの一員として活躍をみせるヴァイオリンのジェローム・ヴァン・ワールベーケやクラヴサンのアルノー・ド・パスクアルをはじめ、演奏に加わる古楽器奏者たちは皆ミゲル・アンリ同様の経験豊かな才人揃い。民衆音楽ならではの躍動感を洗練された宮廷音楽流儀に読み替えるか、それとも土気の匂いたつ民俗情緒の側面を際立たせるか、曲ごとに絶妙の匙加減で両世界を行き来してゆくセンスは圧巻です。 各作品の出典も解説(仏、英語)に明記。聴き深めるほどに旅情を誘われる21世紀ならではの越境型古楽アルバムです。 -
フォーレと、その教え子たちの
ヴァイオリン作品
ラヴェル、エネスク、ブーランジェ [ガエターネ・プルヴォスト、ダナ・チョカルリエ、マラ・ドブレスコ]Violin Recital: Prouvost, Gaëtane - FAURÉ, G. / RAVEL, M. / ENESCU, G. / BOULANGER, L.
発売日:2023年10月20日
NMLアルバム番号:ENP012
CD価格:2,475円(税込)
フランコ・ベルギー派の名手ガエターネ・プルヴォストによる、フォーレとその教え子たちのヴァイオリン作品集。艶やかな音色と、程よい抒情を湛えた演奏が楽しめます。
収録作曲家:
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J.S.バッハ:
無伴奏チェロ組曲(全6曲) [ヴァレリー・エマール]BACH, J.S.: Suites for Solo Cello Nos. 1-6, BWV 1007-1012 (Aimard)
発売日:2023年10月06日
NMLアルバム番号:ENP014
CD 2枚組価格:3,975円(税込、送料無料)
確かな作品解釈が自ずから導き出す傑作の魅力ピアニストのピエール=ローラン・エマールの妹ヴァレリー・エマールが、満を持してバッハの傑作組曲を録音。 パリ国立高等音楽院でミシェル・ストロースとフィリップ・ミュレールに師事した後、ボザール・トリオのメンバーとしても名高いバーナード・グリーンハウス門下で大きな影響を受け、マールボロ音楽祭などでも活躍してきた彼女は「コンクールに頻繁に出ていた頃から“あなたのバッハにとても惹かれた”と言われることが多かった、ただ書かれた音符と向き合っていただけなのに」と語ります。 1980~90年代に急速に注目が高まった古楽器演奏にも意識を向けつつ、グリーンハウス門下では「自分を示せ」との教えを受けた彼女のバッハ解釈は、きわめて誠実でありながら凡庸とは程遠い、安定したテンポと磨き抜かれた音の魅力で聴き手を捉えて離さない演奏に結晶しています。 歴史的に貴重な銘器と弓を伝って響き渡る確かなバッハ像、じっくりお楽しみください。
収録作曲家:
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マチャド(1961-):
冷淡な美男子 ~音楽絵本~ [オロール・ビュシェ ほか]MACHADO, J.-M.: Bel Indifférent (Le) [Musical] (Bucher, Ensemble Virêvolte)
発売日:2023年09月22日
NMLアルバム番号:ENP013
CD価格:2,475円(税込)
フランス六人組を思わせる21世紀音楽。
ピアフに捧げられたコクトー劇の初音楽化詩人、小説家、舞台人、イラストレーター、批評家……と多方面に才能を開花させたジャン・コクトーが1940年、エディット・ピアフ主演で書き下ろした一幕物の戯曲『冷淡な美男子』は、コクトー晩年の1957年にジャック・ドゥミ(『シュプールの雨傘』などを監督)の出世作として銀幕を飾りましたが、音楽劇としての作曲許可が遺族主宰のコクトー協会から下りたのは、このアルバムに録音されたモロッコ出身の作曲家ジャン=マリー・マチャドによる作品が初めて。テクストは冒頭の電話のシーンを始め朗読される部分もありますが、マチャドが歌にした部分はコクトーと世代も近いフランス六人組やその前後の作風を思わせる親しみやすさの中、室内楽編成の楽音が映画音楽のように絡み、極上の舞台音楽としての説得力が耳を捉えてやみません。 ヴィブラフォン他の打楽器にクラリネット、チェロとアコーディオンという四重奏編成が、演奏全体をまとめながらテクストを歌い語るオロール・ビュシェの指揮で織り上げてゆく音楽は、コクトーにも通じるモノクロ描線が美しいロール・スタビアクのイラストレーションに彩られた、アコーディオン同様に蛇腹状に伸びる絵本風ブックレット(仏語のみ)と共に味わえるようにできています。収録作曲家:
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La Fille du Verseau
水瓶座の少女 [セシル・コルベル]TIXIER, L.: Vocal and Chamber Music (La Fille du Verseau) (Corbel)
発売日:2023年07月07日
NMLアルバム番号:ENP011
CD価格:2,475円(税込)
フランスのケルティック・ハーピスト、シンガー・ソングライターで、映画『借りぐらしのアリエッティ』の主題歌とサウンドトラックで日本でも知られるセシル・コルベル。彼女とフランスの作曲家ローラン・ティクシエがブルターニュで出会い、誕生したのがこのアルバム。 少女を思わせるコルベルの歌声と、ハープやフィドルのほか様々な民族楽器を始めとするアコースティックのサウンドに、エレクトロニクスがダイナミックな味付けを施し、目の前から広大な風景へと視界が大きく広がっていくような美しい世界観を楽しませてくれます。
収録作曲家:
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ベルナベイ(1622-1687):
さまざまな組み合わせの3声〔と通奏低音〕のためのマドリガーレ風コンチェルト集
(1669年ローマ刊) [ファエンツァ]BERNABEI, E.: Concerto madrigalesco (Faenza, Horvat)
発売日:2023年03月24日
NMLアルバム番号:ENP010
CD価格:2,475円(税込)
異才集団ファエンツァ、コレッリ登場前夜のローマで出版された注目曲集に迫る17世紀前半にはフレスコバルディやベネヴォリ、世紀後半にはコレッリやA.スカルラッティが活躍したことで知られる「永遠の都」ローマ。その両時代の間にこの芸術都市で活躍したベルナベイは、ルネサンス末期に一世を風靡したマドリガーレという曲種を17世紀半ばになお探求した注目すべき作曲家の一人。パスクィーニやストラデッラなど多くの重要な音楽家たちを擁護した貴族フラヴィオ・オルシーニのもとで活躍を続けた末、1669年に発表された曲集には、多声音楽全盛の時代に流行ったこの曲種を用いながら、独唱芸術に重きを置く17世紀ならではのコンチェルト様式が存分に生かされた興味深い音作りが見られます。少し上の世代のマッツォッキやM.ロッシらのマドリガーレより後期バロックのカンタータに近く、官能的な詩句に品のある艶やかさをまとわせる旋律美は何とも魅力的。 演奏は異才歌手=撥弦奏者マルコ・オルヴァを中心に結成されたファエンツァ。初期のALPHAレーベルにも録音がある才人集団で、Hortusからほぼ同時に発売される彼らのフランス・バロック曲集とともに注目したいリリースと言えるでしょう。
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ハイドン(1732-1809):
弦楽四重奏曲 Op.54
「第1トスト四重奏曲集」 [プソフォス四重奏団]HAYDN, J.: String Quartets Nos. 42-44 (Psophos Quartet)
発売日:2022年10月14日
NMLアルバム番号:ENP009
CD価格:2,475円(税込)
着実に世界を魅了し続ける21世紀のカルテット、軽快でありながら精妙なハイドン解釈大阪国際室内楽コンクールやヴィットリオ・グイ国際コンクールなどを賑わせ第一線に出たのが今から20年ほど前。世界的に活躍する弦楽四重奏団が少なくないフランスにあって、現代作曲家たちとの仕事も数多く成功させながらも比較的堅実にキャリアを重ねてきたプソフォス四重奏団ですが、これまでの録音が19世紀から新ウィーン楽派を経てニコラ・バクリ、マルク・モネといった現代作品中心だったところ、今回は大きく古典派に舵を切ります。 ハイドンの作品54は、ウィーンを中心に同業者たちに多大な刺激を与えた作品33の曲集(1781)の後に続く弦楽四重奏曲ラッシュの時期に作曲されたものの一つで、作曲家がパリやロンドンなど諸外国の大都市で絶大な名声を築きつつあった頃の作。手堅い曲作りと民俗音楽的気配が絶妙のバランスで同居する注目作です。 プソフォス四重奏団の解釈はピリオド奏法にも通じるヴィブラートを控えた軽やかな推進力の中、聴き込むほどに精巧な解釈やニュアンスの妙が奥深く、聴きどころに事欠きません。 ト長調の四重奏曲Hob. III-58では彼らの導き手でもあるイザイ四重奏団の解釈と同様、冒頭からほどなく一般的な版とはやや異なる細部も聴かれる点が興味深いところ。スル・ポンティチェロ(弦の極端に駒寄りの部分を弾く奏法)や、さりげないグリッサンドなど思わぬところで耳を惹く仕掛も繰り出しもしながら、徹底して作品の様式感を裏切らない音作りはまさに温故知新、堅牢な構成の中に遊び心がいたるところに潜むハイドンの音楽を、このうえなく面白く聴かせる彼らの未来がますます楽しみでなりません。
収録作曲家:
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ダンディ(1851-1931):
ヴァイオリン・ソナタ/アンダンテ
デュピュイ(1877-1967):
ヴァイオリン・ソナタ
ボナル(1880-1944):
嵐のあとに [ガエターヌ・プルヴォスト (ヴァイオリン)、エリアーヌ・レイエス (ピアノ)]INDY, V. d': Violin Sonata, Op. 59 / Andante / DUPUIS, A.: Violin Sonata (Prouvost, Reyes)
発売日:2020年03月13日
NMLアルバム番号:ENP007
CD価格:2,475円(税込)
フランス、ベルギーのヴァイオリン秘曲を集めた好企画!フランスはベルギーに近いリール出身、IntegralやContinuoといったレーベルでのフランス秘曲開拓に定評のある名手プルヴォストと、ゴダール(GP683、GP684)、タンスマン(8.572266、8.573021)、バクリ(8.572530)などのアルバムで高い評価を得ているベルギーのピアニスト、レイエス。知られざる作品に光を当てることに長けた二人が手を組み、フランスとベルギーの作品を集めたアルバムを製作しました。 ダンディのソナタはそれなりに演奏されるものの、若き日に書かれたアンダンテや、フランスのオルガン奏者ボナルの小品、ベルギーの作曲家デュピュイによるソナタなどは、ほとんど知られていないもの。いずれも抒情的なメロディ・ラインが魅力的な歌心溢れる作品ばかりで、しなやかで優美な二人の演奏が、曲の魅力を十二分に引き立てています。
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キュイ(1835-1918):
ジャン・リシュパンの詩による歌曲集 Op.44
6つの歌曲 Op.23 [セリーヌ・ラリ(ソプラノ)、エマニュエル・クリスティアン(ピアノ)]CUI, C.: Vocal Music - 20 Poèmes de Jean Richepin / 6 Mélodies (Laly, Christien)
発売日:2019年06月28日
NMLアルバム番号:ENP005
CD国内仕様 日本語解説付価格:2,970円(税込)
貴重な歌詞訳付登場! 国際色豊かなキュイによるフランス語歌曲集ロシア五人組の一人として有名なキュイですが、実は生まれはリトアニアの首都ヴィリニュス(当時はロシア領)、父はフランス人で母はリトアニアとポーランドの血を引き…と出自から国際的。外国語にも堪能で、その長い生涯のあいだにフランスやベルギーなど諸外国も訪れ、ロシア国粋主義にとどまらない広範な作曲活動を続けていました。批評家としても辣腕をふるい、いわば外から見たロシア音楽のあり方をよく理解したうえで創作に臨んだ人でもありました。 歌曲も数多く書いているのですが、そのなかにはフランス語の歌詞によるものも少なからず見つかります。コペー、プリュドム、ユーゴー…といったフランス19世紀の重要な詩人たちの作品にもとづく6つの歌曲(1884)、多作な詩人・劇作家としてフランス文学史上に独特の立ち位置を占めるジャン・リシュパンの作品を歌詞にした大作歌曲集(1891)、いずれもドビュッシー初期歌曲群やフォーレ、ショーソンらと同時代に書かれフランスで出版された「フランス音楽としてのキュイ」。 細やかな世紀末情緒に異国の気配をほんのり忍び込ませた作風を、すでにドイツやイタリアなど諸外国の最前線でも活躍している古楽歌手セリーヌ・ラリと、同じパリ音楽院出身の俊才エマニュエル・クリスティアンが「同じフランスの芸術」として解釈してゆく注目盤です。
収録作曲家:
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「シレンティウム ~ 静寂のなかで」
フランス・バロック ターユ(テノール)のためのモテット集 [ジャン=フランソワ・ノヴェリ,ステファン・デュデルメル/フランソワ・コスタ/齋藤由香/マチュー・リュソン/ステファニー・プティボン/ファビアン・アルマンゴー]Vocal, Instrumental and Chamber Music - BOUTEILLER, P. / CHARPENTIER, M.-A. (Silentium) (J.-F. Novelli, Ensemble Sébastien de Brossard, Armengaud)
発売日:2019年04月26日
NMLアルバム番号:ENP001
CD価格:2,475円(税込)
レパートリーの空白を埋める重要作の数々を、美しい歌声でフランス・バロックの魅力の粋は、なんといっても美しい独唱にあるのではないでしょうか。それは太陽王ルイ14世のもとリュリが創始した「叙情悲劇」がこの国のバロック音楽の基本にあり、フランス語の抑揚が生きる節回しがそのまま楽器のための音楽にも応用されているからかもしれません。 Alphaレーベルでもソリストとして録音を残してきた一方、数々のバロック・オペラ復興の舞台に立ち、際立った個性をみせてきたノヴェリを独唱者に、17世紀のさまざまな時代に書かれた極小編成の宗教曲を通じて、内省的でありながら官能的な魅惑にみちた音楽の数々を妙なる男声一筋で聴ける1枚。ヴィオラ・ダ・ガンバを弾く齋藤由香はフランスでの活躍が長い古楽シーンの俊才。
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「Senti Lo Mare」
タルティーニ(1692-1770):
無伴奏ヴァイオリン・ソナタとバロック式即興 [マチュー・カミレリ]TARTINI, G.: Sonatas for Solo Violin (Senti lo mare) (Camilleri)
発売日:2019年04月26日
NMLアルバム番号:ENP002
CD価格:2,475円(税込)
バロックの即興的な要素を盛り込んだ、美しいタルティーニバーゼル・スコラ・カントルムでキアラ・バンキーニの教えを受けたのち、パリ音楽院でフランソワ・フェルナンデスにも師事したカミレリ。ピリオド・スタイルでの演奏のみならず、作曲された時代では当然であった即興を、その演奏習慣に則って加えたアプローチを持ち味とする彼が、得意のタルティーニに臨んだアルバム。 タルティーニの音楽的精神的探求の極みといえる、最後に残された自筆スケッチのソナタ。カミレリはこの白鳥の詩ともいえる譜面に記された音に即興的な解釈を加え、新しいアプローチで臨んでいます。トラック6では美しいカウンターテナーも披露。
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「モーツァルト・プロジェクト」
ピアノと室内楽によるモーツァルト [オーレル・マルタン/アンセン四重奏団/エティエンヌ・デュランテル/フィリベール・ペリーヌ/アモリ・ヴィデュヴィエ/ギヨーム・ベニ/ラファエル・アングステール/オリヴィエ・デルベス]MOZART, W.A.: Piano Sonata No. 4 / Piano Quintet, K. 452 / Piano Concerto No. 13, K. 415 (Mozart Project) (Marthan, Durantel, Perrine, Viduvier)
発売日:2019年04月26日
NMLアルバム番号:ENP003
CD価格:2,475円(税込)
ピアノを含む室内楽を集めたモーツァルト・プロジェクトパリ音楽院のほか、クレモナやロンドンでも学んだピアニスト、オーレル・マルタンが友人たちと取り組んだモーツァルト。弦楽五重奏とのピアノ協奏曲第13番、ソナタ第4番のほか、管楽器との室内楽を収めています。 オーボエのペリーヌ、ホルンのベニはパリ・オペラ座管弦楽団、ファゴットのアングステールはストラスブール・フィルで活躍する名手。気心の知れた仲間同士の会話のような、軽快で親密なコミュニケーションによる音楽の楽しさを味わえるアルバムです。
収録作曲家:
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クープラン(1668-1733)
「ルソン・ド・テネブル」
「王宮のコンセール」(抜粋)
「復活祭のためのプティ・モテ」 [レ・パラダン:ジャン=フランソワ・ロンバール/ロマン・シャンピオン/シルヴィア・アブラモヴィチ/フランソワーズ・エノク/バンジャマン・ナルヴェ/ジェローム・コレアス]COUPERIN, F.: Leçons de ténèbres / Concerts royaux: Concertos Nos. 1 and 2 (Les Paladins, Correas)
発売日:2019年04月26日
NMLアルバム番号:ENP004
CD価格:2,475円(税込)
ぞくぞくするほど豪華なメンバーで録音された、クープランの名作「ルソン・ド・テネブル」イエスが十字架にかけられたあと復活したことを祝う早春の復活祭の前には、救世主の死とその原因としての人類の罪に想いをはせ慎ましく過ごす節制の日々「受難節(四旬節)」があります。その最後の週に、早朝の闇のなか蝋燭を灯しては消しつつ祈るフランスのルソン・ド・テネブル(暗闇の朝課)はやがて、四旬節を彩る自省的な音楽として作曲されるようになりました。 ド・ラランドやシャルパンティエをはじめ数々の名作がフランス・バロックの作曲家たちによって書かれましたが、クープランのそれは出色の傑作と目され、数々の名盤も生んできました。しかし本盤が何より注目される点は、概して女声で歌われることの多い本作を2人の高音男声歌手(オートコントル)が歌っているところ。しかも演奏陣には20世紀末から数々の伝説的バロック・オペラ舞台を賑わせてきた名歌手ロンバール、ル・ポエム・アルモニークの名盤の数々でもすばらしい腕前を披露しているヴィオール奏者二人など稀代の名手が続々! アルバム末尾には復活祭を祝うクープランの佳品が添えられ、四旬節から復活祭へといたるキリスト教世界の峻厳な季節の移ろいを追体験できる1枚にもなっています。
収録作曲家:
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キュイ(1835-1918):
ジャン・リシュパンの詩による歌曲集Op.44
6つの歌曲 Op.23 [セリーヌ・ラリ/エマニュエル・クリスティアン]CUI, C.: Vocal Music - 20 Poèmes de Jean Richepin / 6 Mélodies (Laly, Christien)
発売日:2019年04月26日
NMLアルバム番号:ENP005
CD価格:2,475円(税込)
国際色豊かなキュイによる、フランス語歌曲集ロシア五人組の一人として有名なキュイですが、実は生まれはリトアニアの首都ヴィリニュス(当時はロシア領)、父はフランス人で母はリトアニアとポーランドの血を引き…と出自から国際的。外国語にも堪能で、その長い生涯のあいだにフランスやベルギーなど諸外国も訪れ、ロシア国粋主義にとどまらない広範な作曲活動を続けていました。批評家としても辣腕をふるい、いわば外から見たロシア音楽のあり方をよく理解したうえで創作に臨んだ人でもありました。 歌曲も数多く書いているのですが、そのなかにはフランス語の歌詞によるものも少なからず見つかります。コペー、プリュドム、ユーゴー…といったフランス19世紀の重要な詩人たちの作品にもとづく6つの歌曲(1884)、多作な詩人・劇作家としてフランス文学史上に独特の立ち位置を占めるジャン・リシュパンの作品を歌詞にした大作歌曲集(1891)、いずれもドビュッシー初期歌曲群やフォーレ、ショーソンらと同時代に書かれフランスで出版された「フランス音楽としてのキュイ」。 細やかな世紀末情緒に異国の気配をほんのり忍び込ませた作風を、すでにドイツやイタリアなど諸外国の最前線でも活躍している古楽歌手セリーヌ・ラリと、同じパリ音楽院出身の俊才エマニュエル・クリスティアンが「同じフランスの芸術」として解釈してゆく注目盤です。
収録作曲家:
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「行け、愛の手紙よ!」
モンテヴェルディから現代まで、
音楽による手紙を集めて [フランソワーズ・マセ/ラ・ジョアンニーナ/ナーニャ・ブレーデイク/レミ・カセーニュ]Vocal and Instrumental Music - BOUCHOT, V, / CARISSIMI, G. / CHAMINADE, C. / FRESCOBALDI, G. / NEGRI, M.A. (O Carta Amorosa!) (La Gioannina)
発売日:2019年04月26日
NMLアルバム番号:ENP006
CD価格:2,475円(税込)
手紙にみる400年の愛の形モンテヴェルディの有名な「愛の手紙」を軸に、主に男女の間でやり取りされる手紙にまつわる作品を集めたアルバム。歌(ソプラノ域)と、中世から親しまれていたトリプルハープ、そしてテオルボとバロックギターという撥弦楽器のみの伴奏での組み合わせで、初期バロックから現代の委嘱作品までを集めています。歌の切々とした、また情熱的な味わいが生きているのは小編成ならでは。息の合ったアンサンブルで、幅広い年代の作品を緩やかに繋いでいきます。 フレスコバルディやストラデッラに続いて、現代的な「ツイッター」(トラック6-12)が違和感なく収まっているのも面白いところ。これは、2016年に亡くなった詩人ミシェル・ビュトールが、ツイッターと同じ140文字(当時)という制限で作ったソネットに、ヴァンサン・ブショが曲を付けたものです。 ラストには近代の女流作家シャミナードによる悲しくも親しみやすい作品が収められた、美しい余韻を引くアルバム。