交響曲 最新アルバム
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サントロ(1919-1989):
〈交響曲全集 第3集〉
交響曲 第8番
チェロ協奏曲他 [マリーナ・マルチンス (チェロ)/デニーシ・ジ・フレイタス (メゾ・ソプラノ)/ニール・トムソン (指揮)/ゴイアス・フィルハーモニー管弦楽団]発売日:2023年07月14日
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,200円(税込)
ブラジル外務省が主導するプロジェクト「Brasil em Concerto」。19世紀から20世紀にかけて作曲された約100曲のブラジル音楽をブラジルのオーケストラが演奏、録音するという、これまでになかった大がかりな企画です。その中でもブラジルを代表するシンフォニストであるクラウジオ・サントロの交響曲全集は注目の企画です。 このアルバムには1960年代の作品を収録。この時期は波乱に富んだサントロの人生の中でも特筆に値する激動の時代であり、単に交響曲全集のうちの1枚というだけでなく、その時代を映した選曲がなされていることも興味を惹きます。 1960年、サントロは西ドイツ(当時)政府の招きでケルンを訪れ、その後電子音楽を研究するためにベルリンへ移ります。そこで体調を崩し資金にも難渋したサントロに支援を申し出たのが東ドイツの作曲家連盟で、彼は1961年夏を東ベルリンで迎え、8月13日のベルリンの壁着工を目撃することとなりました。 (曲目・内容欄へ続く)
収録作曲家:
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アルメイダ・プラド(1943-2010):
オリシャたちの交響曲
ささやかなる葬送歌 [クラリッサ・カブラル(メゾ・ソプラノ)/サバ・テイシェイラ(バス・バリトン)/ニール・トムソン(指揮)/サンパウロ交響楽団&合唱団]REZENDE DE ALMEIDA PRADO, J.A.: Sinfonia dos orixás / Pequenos funerais cantantes (São Paulo Symphony Choir and Orchestra, Neil Thomson)
発売日:2023年05月26日
NMLアルバム番号:8.574411
CD国内仕様 日本語訳解説付き価格:2,200円(税込)
ブラジル外務省が主導するプロジェクト「Brasil em Concerto」。19世紀から20世紀にかけて作曲された約100曲の作品をブラジルのオーケストラが演奏、録音するという、これまでになかった大がかりな企画です。 このアルバムに登場するアルメイダ・プラドは、20世紀後半から21世紀初頭にかけてブラジルで活躍した作曲家。カマルゴ・グァルニエリから音楽を学んだプラドは、やがてシュトックハウゼンやブーレーズ、リゲティの作品に興味を持ち、奨学金を得てパリに留学。ナディア・ブーランジェに教えを請うとともに、メシアンの神秘主義からも影響を受け、自国のブラジル音楽にこれらのエッセンスを融合させ、ピアノ曲集『カルタス・セレステス=天体の図表』などに見られる独自の作風を確立しました。 このアルバムに収録されている2つの作品は、作曲年代がほぼ20年離れており、彼の異なるスタイルが反映されています。初期の作品「詩人カルロス・マリア・ジ・アラウジョへのささやかなる葬送歌」は若くして命を落とした詩人に捧げる嘆きの調べ。合唱とパーカッションが効果的に用いられたオーケストラのための作品です。 対してカンピーナス市立交響楽団設立10周年のために書かれた「オリシャたちの交響曲」はブラジルの伝統的宗教と儀式、大いなる自然への賛美が描かれており、緻密なオーケストレーションと沸き立つようなリズム使用が際立つ作品です。深い森を思わせる神秘的な音色あり、原始的・異教的なリズムとサウンドの炸裂ありで、「春の祭典」のブラジル版と呼べるかもしれません。 ※ 国内仕様盤には木許裕介(日本ヴィラ=ロボス協会会長)氏による日本語訳解説が付属します。
収録作曲家:
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〈#bruckner2024〉
ブルックナー(1824-1896):
交響曲 第4番「ロマンティック」
(第3稿/コーストヴェット版) [マルクス・ポシュナー(指揮)/ウィーン放送交響楽団]BRUCKNER, A.: Symphony No. 4, "Romantic" (1888 version, ed. B. Korstvedt) (Complete Symphony Versions Edition, Vol. 8) (M. Poschner)
発売日:2023年05月12日
NMLアルバム番号:C8085
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,970円(税込)
CAPRICCIOレーベルと国際ブルックナー協会の主導で、ブルックナーの生誕200年にあたる2024年までにブルックナーの全交響曲のすべての稿(バージョン)を録音しようという企画、 「#bruckner2024」の第8弾。 先に発売されて好評の第1稿と第2稿に続き、当CDで交響曲第4番の3つの稿が最新のコーストヴェット版で揃いました。第4番の第3稿はブルックナーが弟子のレーヴェやシャルク兄弟らの意見をきいて改訂したことから「改ざん版」などと呼ばれた時期もありましたが、コーストヴェットはそのような見方を排し、第3稿を実際の演奏経験を経た上でブルックナー自身による実用的な改訂版と位置付けています。ポシュナーは速めのテンポを基調にしつつ、緩急の差をはっきりと付けるなど曲想の変化を明瞭に打ち出してゆき、コーストヴェットの考えを音として立証しています。 ポシュナーの指揮で揃った第1稿及び第2稿との聞き比べに加え、フルシャ/バンベルク響やヴァンスカ/ミネソタ管など第3稿を採用した他の演奏といった聞き比べの楽しみも広がりそうです。 ※国内仕様盤には専門誌等で好評を得ている石原勇太郎氏(国内ブルックナー協会会員)による日本語解説が付属します。
収録作曲家:
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-★『レコード芸術』特選盤(2023年6月号)★-
ゴルターマン(1824-1898):
チェロ協奏曲 第1番 Op.14
交響曲 Op.20
ロマンス/バラード [ジャマル・アリエフ(チェロ)/ハワード・グリフィス(指揮)/ウィーン放送交響楽団]発売日:2023年04月14日
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,970円(税込)
知る人ぞ知るドイツ・ロマン派の作曲家ゲオルク・ゴルターマン。
待望のチェロ協奏曲第1番、そして初録音の交響曲が登場!チェロ奏者の間では知らぬ人はいないとも言われるゲオルク・ゴルターマン。北ドイツのハノーファーに生まれ、ベルンハルト・ロンベルクの弟子クリスティアン・プレルにチェロを学んでいち早く頭角を現し、23歳でミュンヘンに移った時にはすでにチェロのヴィルオゥオーゾとしてよく知られる存在だったそうです。ミュンヘンではヨーゼフ・メンターにチェロを、イグナーツ・ラハナーに作曲を学びました。その後、ヴュルツブルク劇場の第1チェロ奏者兼指揮者を経てフランクフルト歌劇場のカペルマイスターとなり、亡くなるまでの40年間を同地で過ごしました。 ゴルターマンは作曲にも勤しみ、作品番号が付いたものは133曲を数えます。彼のチェロ協奏曲は全部で5曲とも8曲とも言われますが、演奏の難度と楽曲の充実度で最もハイレベルとみなされるのがここに収録された第1番。第2楽章アンダンテは「カンティレーナ」の名前でカザルスがアンコール・ピールとして録音していますが、全曲盤は久しくなかっただけに貴重な録音です。シューマンやメンデルスゾーンを思わせる、馥郁としたハーモニーと胸を高鳴らせるような旋律に満ち、ヴィルトゥオーゾ的なソロの見せ場にも事欠きません。今日のコンサート・レパートリーに定着していないのが不思議です。2曲の小品も美しいメロディの宝庫。 ソロを弾くジャマル・アリエフは1993年アゼルバイジャン生まれで、その才能に目をとめたモスクワ音楽院とメニューイン音楽学校(ロンドン)が競って招いたという逸材。ロンドンを選んだアリエフは、2017年のBBCプロムス「ジョン・ウィリアムズ85歳記念プログラム」のソリストに起用されるなど注目を浴び続けています。 世界初録音となる交響曲は32分ほどの作品で、こちらも耳と心にすっと入って来るメロディがたくさんあります。例えるならば、メンデルスゾーンの「夏の夜の夢」のような交響曲といったところ。 ※国内仕様盤には本田裕暉氏による日本語解説が付属します。収録作曲家:
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シュテール(1874-1967):
〈管弦楽作品集 第2集〉
組曲 第1番 ハ長調 Op.8 - 弦楽オーケストラのために
交響曲 第1番 イ短調 Op.18 [ピオトル・ヴィルチンスキ(オルガン)/イアン・ホブソン(指揮)/シンフォニア・ヴァルソヴィア]発売日:2023年07月14日
CD価格:1,950円(税込)
リヒャルト・シュテールは、同時期に活躍したコルンゴルトやシェーンベルクと同じく、ナチスの迫害により祖国を追われ、アメリカに亡命した作曲家。激動の人生を送りながらも93年という長命を得て、7つの交響曲をはじめ、室内楽、歌曲、合唱曲、ピアノ曲などの膨大な作品を残しました。 第1集(TOCC-468)に続く、管弦楽作品集第2集には1909年までに書かれた2作品を収録。前奏曲、緩徐楽章、フーガというバロック音楽のような形式で書かれた「組曲第1番」、4楽章からなる伝統的な形式が用いられた交響曲第2番。どちらもブルックナーやマーラー、そして同時代のウィーンの作曲家フランツ・シュミットの影響が感じられながらも、シュテール独自の語法も見られる壮大な作品です。
収録作曲家:
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クラーク(1960-):
マーリンの予言
ヴァイオリンとオーケストラのための交響曲 [ピーター・シェパード・スケアヴェズ(ヴァイオリン)/ニール・トムソン(指揮)/ウィーン放送交響楽団]CLARKE, N.: Prophecies of Merlin (The) (P. Sheppard Skærved, ORF Vienna Radio Symphony, N. Thomson)
発売日:2023年06月23日
NMLアルバム番号:8.579127
CD価格:1,600円(税込)
リムスキー=コルサコフのシェヘラザードの舞台を中世イギリスに移したような、ドラマティックな新作が登場。 英国出身で現在はブリュッセルを拠点に活躍する作曲家ナイジェル・クラーク。現代的な音楽語法による吹奏楽作品を中心に人気があります。 この「マーリンの予言」は、「ヴァイオリンを伴う交響曲」と銘打たれており、ソロ・ヴァイオリンが全曲を通じて活躍する交響的組曲のような作品です。ヴァイオリンが演じるのは12世紀にジェフリー・オブ・モンマスが書いた「ブリタニア列王史」に出て来る予言者・魔術師のマーリン。5つの楽章はマーリンが登場する場面を描いたもので、森や海を舞台に嵐のような激しさから神秘的で瞑想的な表現まで、この作品の発案者でもある名手ピーター・シェパード・スケアヴェズが縦横無尽に演奏し、ニール・トムソンが指揮するウィーン放送交響楽団もダイナミックにサポートしています。
収録作曲家:
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チャイコフスキー(1840-1893):
交響曲 第4番
ロメオとジュリエット [モーリス・アブラヴァネル(指揮)/ユタ交響楽団]発売日:2023年06月23日
CD価格:1,950円(税込)
アブラヴァネル生誕120年&没後30年。
ユタ響とのチャイコフスキーがAUDIOPHILE EDITIONで復刻決定、第1弾は第4番1972年から73年にかけてVOXに録音したチャイコフスキーの交響曲全集の録音は1972年から73年にかけて。ユタ響の音楽監督就任から25年目で、オケとの関係も円熟していたことが想像されます。 復刻第1弾に選ばれたのは交響曲第4番と「ロメオとジュリエット」。若いころは斬新な解釈で物議を醸したというアブラヴァネルですが、ここでは整った様式感による演奏を聴くことができます。明るめの音色と相まって、音楽の陽性な面が浮かび上がる傾向がありますが、陰影も熱気も十分。交響曲の各楽章、「ロメオとジュリエット」の各場面もしっかりと性格付けされています。 残る交響曲も順次当シリーズでリリース予定。収録作曲家:
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マーラー(1860-1911):
交響曲 第3番 ニ短調 [ベッティナ・ランチ(アルト)/エッセン・フィルハーモニー合唱団女声パート/アールト児童合唱団/ドイツ・ベルリン歌劇場児童合唱団/トマーシュ・ネトピル(指揮)/エッセン・フィルハーモニー管弦楽団]MAHLER, G.: Symphony No. 3 (B. Ranch, Deutsche Oper Berlin Children's Choir, Essen Philharmonic Chorus and Orchestra, T. Netopil)
発売日:2023年06月16日
NMLアルバム番号:OC1718
CD 2枚組価格:2,850円(税込)
1975年、チェコに生まれ、ストックホルム王立音楽院でヨルマ・パヌラに指揮法を学んだトマーシュ・ネトピル。“チェコの次代を担う若手”として聴衆の期待を一身に集めている注目の指揮者です。2002年に開催された“第1回ゲオルク・ショルティ指揮者コンクール”で優勝、プラハ国立劇場の音楽監督を経て2013/2014年からはエッセン・フィルハーモニー管弦楽団とアールト歌劇場の音楽監督を務めています。 チェコと深い関係にあるマーラーの音楽に強く共感しているネトピル。今回は巨大なオーケストラと女声・児童合唱、アルト独唱を要する第3番の録音。冒頭の8本のホルンの斉奏に導かれた長大な第1楽章をはじめ、マーラーが愛する「子供の不思議な角笛」からの引用が聴かれる第3楽章と第5楽章、ニーチェの「ツァラトゥストラはかく語りき」を用いたアルト独唱が美しい第4楽章など、様々な素材を巧みに用いた聴かせどころの多い作品を、ネトピルは鮮やかに聴かせます。
収録作曲家:
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ブルク(1937-):
〈管弦楽作品集 第4集〉
交響曲 第15番「リフレクションズ」
交響曲 第16番「ドニプロ川」 [イマンツ・レスニス(指揮)/リトアニア国立交響楽団]発売日:2023年06月16日
CD価格:1,950円(税込)
1937年、ウクライナのハルキウ(ハリコフ)生まれの作曲家ブルク。現在はフィンランドに住み、タンゴの作曲家として知られていますが、彼の作品の中で重要な位置を占めるのが20曲を越える交響曲です。 3つの楽章からなる第15番は、フィンランドの軍人で大統領マンネルヘイム、エストニアの革命家で初代大統領パッツ、スウェーデンとロシアという強国にはさまれたフィンランドのウーシマー地方の歴史から想を得ています。バスドラムやティンパニなど打楽器を多用するニールセン風の音楽に、シベリウスを思わせる繊細なワルツをまじえています。 第16番はロシアからベラルーシ、ウクライナを経て黒海にそそぐ大河「ドニプロ(ドニエプル)川」沿岸地域の歴史から着想した作品。「チョルノービリ(チェルノブイリ)の物語」と題された第2楽章は1986年の原発事故の破局や恐怖を描き、「嵐と啓蒙」と題された終楽章も予定調和的な解決からは程遠く、この地域の多難な歴史があらためて思い起こされます。
収録作曲家:
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マーラー(1860-1911):
交響曲 第7番 ホ短調「夜の歌」 [ベルナルト・ハイティンク(指揮)/バイエルン放送交響楽団]発売日:2023年06月09日
CD価格:2,250円(税込)
ハイティンク6種類目の「夜の歌」。21世紀の演奏が初登場!ハイティンクがバイエルン放送交響楽団の定期公演を初めて指揮したのは1958年。以来60年余りの長きにわたる共演を続けました。 バイエルン放送のアーカイヴからこの度発掘されたのは2011年2月のライヴ録音で、マーラーの交響曲第7番「夜の歌」。マーラーを得意としたハイティンクだけに、この曲にはコンセルトヘボウ管弦楽団との録音が3つ(1969、82、85年)とベルリン・フィルとの録音と録画が一つずつ(いずれも1992年)ありますが、21世紀の演奏が世に出るのはこれが初めてです。 この演奏の当時82歳目前だったハイティンクですが、その約20年前のベルリン・フィル盤と比べても演奏時間はほとんど同じ。極端なデフォルメもなく、高齢になっても弛緩することのなかった彼らしいバランスの取れた演奏が聞かれます。バイエルン放送交響楽団も細心かつ渾身の演奏で指揮にこたえています。
収録作曲家:
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ラフマニノフ(1873-1943):
交響曲 第3番 /鐘 [トーマス・ビーチャム(指揮)/ヘンリー・ウッド(指揮)]発売日:2023年06月09日
CD価格:2,025円(税込)
ラフマニノフ・イヤーにBiddulphから貴重な初出音源が登場!Biddulphからラフマニノフの交響曲第3番英国初演時のライヴ録音他が登場。両曲にとって音に残された最古の演奏記録で、ビーチャムとウッドのラフマニノフ録音が世に出るのは初です。 交響曲第3番はイギリス及びヨーロッパ初演時のライヴ。1936年に作曲された第3番は同年11月6日にストコフスキー指揮のフィラデルフィア管弦楽団によって初演されましたが、欧州での初演は翌37年11月18日まで待たねばなりませんでした。その大任を務めたのがビーチャム率いるロンドン・フィル。速めのテンポと強い推進力を土台に時に激しい情熱を感じさせる演奏を繰り広げます。 ビーチャムはこの演奏の翌月、マンチェスターでハレ管を指揮して第3番を演奏しましたが、なぜかその後は指揮することがなく、ラフマニノフ作品の録音も残されていません。この音源は第3番の演奏記録として最初のもので、またビーチャム唯一のラフマニノフ録音ということになります。 BBCプロムスの創設者で指揮者のヘンリー・ウッドはラフマニノフと親交があり、1921年にはリヴァプールでラフマニノフの合唱交響曲『鐘』をイギリス初演しています。その際にウッドは特に第3楽章の演奏が非常に難しかったとラフマニノフに伝えましたが、これはウッドが英語の詞で上演したことと関係があるとみられます。 15年後の1936年10月、ウッドはラフマニノフをシェフィールド音楽祭に招き、前半にはラフマニノフ自身のソロでピアノ協奏曲第2番を演奏、後半に『鐘』を演奏しました。その時のスコアはラフマニノフがウッドの意見をいれて第3楽章の声楽パートを全面的に書き直したもので、ここに収録された1937年の演奏でも使われています。 ウッドはラフマニノフの作品を熱心にとりあげましたが録音は残されておらず、この音源がウッド唯一のラフマニノフ録音となります。また『鐘』の録音としても最初のもので、いくつもの観点から貴重な記録と言えるでしょう。これらの音源はBBCの放送をロシア音楽の熱心なファンだったHarold Vincent Marrotが個人的にディスク録音したもので、Marrotからディスクを相続したマイク・セルが大英図書館サウンド・アーカイヴに遺贈、同館クラシック音楽部門学芸員のジョナサン・サマーズの協力の元で復刻されました。 尚、交響曲第3番第2楽章9:52から10:04にかけて、放送受信時に入ったとみられるノイズによるお聞き苦しい箇所があります。
収録作曲家:
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ハチャトゥリアン(1903-1978):
交響曲 第3番 「交響詩曲」
ガイーヌより組曲 第3番 [フランク・ベールマン(指揮)/ロベルト・シューマン・フィルハーモニー]発売日:2023年05月26日
CD価格:2,475円(税込)
トランペットとオルガンの饗宴! ハチャトゥリアンの渾身の作品ハチャトゥリアンの交響曲第3番は、1947年の「ロシア革命30周年記念」のために交響詩として作曲され、その年の12月にムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィルによって初演されました。15本のトランペットとオルガンを含む大編成のオーケストラのために書かれ、荒れ狂うような音の洪水の中、五音音階による民族的な旋律が時折聞こえてくるなど、ハチャトゥリアンらしさ満点。最後は圧倒的な大音響で結ばれます。 その特異な編成によって一般的な演奏には向かないという批判を受けましたが、スターリンが没した後、「交響曲第3番」として復活しました。録音が少ない曲だけに、最新録音の登場は歓迎されるでしょう。 併録のガイーヌからの抜粋も聴きものです。
収録作曲家:
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ランゴー(1893-1952):
交響曲全集[7枚組 BOX] [トーマス・ダウスゴー(指揮)/デンマーク国立交響楽団/デンマーク国立合唱団]発売日:2023年05月26日
CD 7枚組価格:6,225円(税込、送料無料)
デンマーク音楽史上屈指の天才にして問題児、ルーズ・ランゴーの交響曲全集。作曲家の母国のレーベルと演奏家たちが10年余りをかけて取り組んだ一大プロジェクトです。収録内容の点でも演奏と録音のクオリティの点でも、このレパートリーの基準となるにふさわしいものと言えるでしょう。 ※初出時の6.200001(SACDハイブリッド・ディスク)から、通常CDに仕様変更しての再発売となります。
収録作曲家:
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クレナウ(1883-1946):
ヴァイオリン協奏曲
ピアノ協奏曲/交響曲 第8番 [ヘ・ジユ(ヴァイオリン)/セーアン・ラストギ(ピアノ)/ハンス・グラーフ(指揮)/シンガポール交響楽団]KLENAU, P. von: Concertos / Symphony No. 8 (Ziyu He, Rastogi, Singapore Symphony, H. Graf)
発売日:2023年05月26日
NMLアルバム番号:8.224744
CD価格:2,250円(税込)
ワーグナー、ブルックナー、リヒャルト・シュトラウスなど後期ロマン派のイディオムを用いた大編成の楽曲を好んだクレナウ。このアルバムでは第二次世界大戦中に書かれた3作品を紹介しています。 無調と調性の間を揺れ動きながらも、時に美しい旋律が見え隠れするヴァイオリン協奏曲とピアノ協奏曲。まるで古典派に戻ったかのような清明な主題が発展していく「交響曲第8番」と聴きごたえある作品です。 ヴァイオリン協奏曲のソリストを務めるのは2016年ユーディ・メニューイン国際コンクールの覇者、中国のヘ・ジユ。ピアノ協奏曲のソリストは北欧歌曲の伴奏で定評のあるセーアン・ラストギ。ハンス・グラーフが全曲を手堅くまとめています。
収録作曲家:
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ワーグナー(1813-1883):
楽劇《トリスタンとイゾルデ》
- オーケストラ・パッション
シンフォニック・コンピレーション ~ フリーヘルによる編曲 [ハンスイェルク・アルブレヒト(指揮)/シュターツカペレ・ワイマール]WAGNER, R.: Tristan und Isolde (arr. H. de Vlieger as An Orchestral Passion) (Weimar Staatskapelle, H. Albrecht)
発売日:2023年05月26日
NMLアルバム番号:OC1729
CD価格:1,950円(税込)
オルガンによるブルックナー:交響曲全集の録音に取り組んでいるアルブレヒト、
指揮者としてワーグナーの編曲を振るOehmsレーベルでのオルガン録音で注目されているハンスイェルク・アルブレヒトは、指揮者としても活躍中。ミュンヘン・バッハ管弦楽団&合唱団の芸術監督で、バーリ(イタリア)のペトルッツェッリ劇場の首席客演指揮者も務めています。 尊敬する音楽家として真っ先にストコフスキーを挙げるアルブレヒトは、大オーケストラのための編曲作品も好んでとり上げ、Oehmsにはマゼール編の 『言葉のない指環』 (OC1872) の録音がありました。今回はワーグナーの楽劇《トリスタンとイゾルデ》の音楽の抜粋を、ヘンク・デ・フリーヘルが管弦楽用に編曲したものをとりあげています。収録作曲家:
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ピアノ・デュオによるベートーヴェン
〈交響曲全集 第2集〉
ベートーヴェン:交響曲 第5番
シューマン:アンダンテと変奏
サン=サーンス:
ベートーヴェンの主題による変奏曲 [テッサ・アイス(ピアノ)/ベン・スクーマン(ピアノ)]Piano Duo Recital: Uys, Tessa / Schoeman, Ben - BEETHOVEN, L. van / SCHUMANN, R. / SAINT-SAËNS, C. (Symphonies, Vol. 2)
発売日:2023年05月26日
NMLアルバム番号:SOMMCD0650
CD価格:2,025円(税込)
第1集(SOMMCD0637)が好評を得たフランツ・クサヴァー・シャルヴェンカの編曲によるベートーヴェンの交響曲全集。編曲をしたシャルヴェンカはポーランド系ドイツの作曲家。彼の兄ルートヴィヒ・フィリップ・シャルヴェンカも作曲家として知られています。兄弟はベルリンでツェルニーの弟子であったテオドール・クラクにピアノを師事しており、この編曲にもベートーヴェン直系の弟子(ツェルニーはベートーヴェンに直接師事していた)ならではの作品に対する敬愛が感じられる見事な仕上がりを見せています。 この第2集には4手版の交響曲第5番の他、シューマンの「アンダンテと変奏」、ベートーヴェンのピアノソナタ第18番 Op.31-3の第3楽章を用いたサン=サーンスの「ベートーヴェンの主題による変奏曲」が収録されています。
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ピアノ・デュオによるベートーヴェン
〈交響曲全集 第3集〉 [テッサ・アイス(ピアノ)/ベン・スクーマン(ピアノ)]BEETHOVEN, L. van: Symphonies, Vol. 3 - Nos. 2, and 7 (arr. F.X. Scharwenka for 2 pianos) (Uys, Schoeman)
発売日:2023年05月26日
NMLアルバム番号:SOMMCD0666
CD価格:2,025円(税込)
第1集(SOMMCD0637)、第2集(SOMMCD0650)がヨーロッパの音楽誌で高く評価されたフランツ・クサヴァー・シャルヴェンカの編曲によるベートーヴェンの交響曲全集。全6集が予定されており、この第3集には4手版の交響曲第2番と交響曲第7番が収録されています。耳の不調に苦しんだ時期に作曲されるも、明るい曲想を持つ第2番、心地よいリズムに貫かれた第7番、とベートーヴェン作品の中でも楽天的な2曲をテッサ・アイスとベン・スクーマンが息のあったデュオで聴かせます。 編曲をしたシャルヴェンカはポーランド系ドイツの作曲家。彼の兄ルートヴィヒ・フィリップ・シャルヴェンカも作曲家として知られています。兄弟はベルリンでツェルニーの弟子であったテオドール・クラクにピアノを師事しており、この編曲にもベートーヴェン直系の弟子(ツェルニーはベートーヴェンに直接師事していた)ならではの作品に対する敬愛が感じられる見事な仕上がりを見せています。 演奏しているのは南アフリカのケープタウン出身のピアニスト、テッサ・アイスと、同じく南アフリカ出身のペン・スクーマンによるピアノ・デュオ。2020年にはベートーヴェン生誕250周年記念として、シャルヴェンカ編曲による交響曲全9曲の録音を行うとともに、ロンドンを中心に各地でコンサートを行い好評を得ています。
収録作曲家:
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チャイコフスキー(1840-1893):
交響曲 第5番
リスト(1811-1886):
マゼッパ [ズービン・メータ(指揮)/バイエルン放送交響楽団]TCHAIKOVSKY, P.I.: Symphony No. 5 / LISZT, F.: Mazeppa (Bavarian Radio Symphony, Z. Mehta)
発売日:2023年05月12日
NMLアルバム番号:900207
CD価格:2,250円(税込)
バイエルン放送交響楽団とズービン・メータによる、なんと初めての録音。チャイコフスキーの第5番はロス・フィルとの1977年録音(Decca)以来36年ぶりの再録音です。 メータはバイエルン放送交響楽団を度重ね指揮しており、2018年秋には急病でキャンセルしたヤンソンスに代わって日本ツアーを指揮。『音楽の友』誌で同年のベスト・コンサートに選ばれました。2020年1月にヤンソンス追悼コンサートの指揮を任されたのもメータ。これほどの厚い信頼関係がありながら、これまでLPもCDも無かった(バイエルン放送響調べ)というのは意外です。 このアルバムは2013年2月から3月にかけて行われた演奏会の際に収録されたもの。チャイコフスキーの第5番は、第3楽章を除きロス・フィル盤よりも若干遅めのテンポをとり、この曲の魅力である歌うような旋律をしっかりと聴かせます。「マゼッパ」はメータの得意曲で機能性抜群のオーケストラを駆使したゴージャスなサウンドと高揚感をたっぷりと味わえます。
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ベルガー(1861-1911):
交響曲 Op.71
小協奏曲 Op.43a [オリヴァー・トリンドル(ピアノ)/クレメンス・シュルト(指揮)/ロイトリンゲン・ヴュルテンベルク・フィルハーモニー管弦楽団]発売日:2023年04月28日
CD価格:2,475円(税込)
1861年、ボストンで楽譜店を営んでいたブレーメン出身の父のもとに生まれたヴィルヘルム・ベルガー。翌年家族でドイツに帰国し、優れた音楽の才能を発揮、14歳で初の公開演奏会を開くとともに、多数の歌曲やピアノ曲を作曲しました。その後、ベルリン高等音楽院で専門教育を受け、1888年から1903年まではクリントヴォルト=シャルヴェンカ音楽院の教員を務める傍ら、ベルリン音楽協会の指揮者を務めるなど、ベルリン作曲家サークルの中心的存在として活躍しました。 彼の作風はヨハネス・ブラームスに近いものですが、時折挟まれる不協和音や、精緻な対位法の使用などは、彼の次世代であるマックス・レーガーの作曲様式を先取りするものでもあります。49歳という短命にもかかわらず、100作以上の作品を遺し、それらの何曲かは彼の死後も長らく演奏されていましたが、近年では演奏機会はほとんどありません。 これまでに出版された形跡のない小協奏曲 Op.43は、ピアノの妙技を際立たせるのではなく、ブラームスのピアノ協奏曲のようにピアノをオーケストラの楽器の一つとして扱うことで、作品全体がポリフォニックで重厚な響きで覆われています。このアルバムでは名手オリヴァー・トリンドルがピアノを担当、見事な演奏を聴かせます。その10年後に書かれた交響曲はベルガーの代表作です。
収録作曲家:
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『クララ、ロベルト、ヨハネス ~ 情感と構成力』
シューマン(1810-1856):
交響曲 第3番
ブラームス(1833-1897):
交響曲 第3番
クララ・シューマン(1819-1896):
ピアノ三重奏曲他 [アレクサンダー・シェリー、ナショナル・アーツ・センター管弦楽団、スチュワート・グッドイヤー、川崎洋介、ガブリエラ・モンテーロ 他]発売日:2023年04月28日
CD 2枚組価格:3,975円(税込、送料無料)
シェリー指揮NAC管によるシューマン夫妻とブラームス第3弾それぞれ4曲あるシューマンとブラームスの交響曲を第1番から1曲ずつとクララ・シューマンの作品を収録し、3人の親密な関係を紐解こうという企画の第3弾。まずは企画の柱でもあるシェリーとナショナル・アーツ・センター管による、2つの交響曲の充実ぶりが大きな聴きもの。今回は名手スチュワート・グッドイヤーも参入し、精悍さと繊細な美しさを併せ持つそのタッチが、ガブリエラ・モンテーロの深い情熱を秘めた表現との好対照を聴かせます。 またナショナル・アーツ・センター管のコンサート・マスターである川崎洋介が室内楽にも参加し、端正ながらも奥行きのある表現を聴かせています。
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ベートーヴェン(1770-1827):
交響曲 第3番 変ホ長調「英雄」 Op.55 [ルドルフ・ルッツ(指揮)/バッハ財団管弦楽団]BEETHOVEN, L. van: Symphony No. 3, "Eroica" (J.S. Bach Foundation Orchestra, Lutz)
発売日:2023年04月28日
NMLアルバム番号:BSSG-C143
CD価格:4,500円(税込、送料無料)
2006年にルドルフ・ルッツによって創設されたバッハ財団管弦楽団&合唱団は、毎月1回のコンサートで、バッハのカンタータ全曲演奏を行っており、これらの録音は入念な解釈と優れた演奏で高く評価されています。 ルッツはベートーヴェンの演奏でも優れた手腕を発揮することで知られ、2013年のスイス・ツアーで演奏された第9番のアルバム(B904CD)は大好評をもって迎えられました。今回のアルバムは2022年8月に行われた演奏会のライヴ録音で、曲目は「英雄」と呼ばれる第3番。ルッツは標準的なテンポをとりながらも引き締まった演奏を聴かせます。 ブックレットでは、ドイツの音楽学者アンセルム・ハーティンガーが作品を多面的に分析するとともに、彼とルドルフ・ルッツの対談も掲載されており(英語とドイツ語)、ルッツがベートーヴェンに寄せる強い思いも知ることができます。
収録作曲家:
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ラフマニノフ(1873-1943):
交響曲 第2番 ホ短調 Op.27 [ドミトリー・リス、ウラル・フィルハーモニー管弦楽団]RACHMANINOV, S.: Symphony No. 2 (Ural Philharmonic, Liss)
発売日:2023年04月28日
NMLアルバム番号:FUG816
CD価格:2,475円(税込)
ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンで度々来日してきたドミトリー・リス指揮ウラル・フィルによる、ラフマニノフの交響曲第2番が登場。ラフマニノフの全作品中で最も人気のあるものの一つであり、美しいメロディに溢れたこの交響曲を雄大なスケールで歌い上げていると共に、各楽章のクライマックス、終楽章のコーダなどはライヴならではの巻き上げでぐいぐい引き込まれます。ロシア伝統の解釈に則った、たいへん立派な仕上がりです。
収録作曲家:
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モーツァルト(1756-1791):
交響曲 第39番・第40番・第41番 [ヘルベルト・ブロムシュテット(指揮)/バイエルン放送交響楽団]MOZART, W.A.: Symphonies Nos. 39, 40 and 41, "Jupiter" (Bavarian Radio Symphony, Blomstedt)
発売日:2023年04月21日
NMLアルバム番号:900196
CD 2枚組価格:2,400円(税込)
初CD化の第39番を加えて、後期三大交響曲が完成。 2022年7月11日に95歳の誕生日を迎えたヘルベルト・ブロムシュテット。高齢にもかかわらず精力的に演奏活動を行っています。日本にもしばしば来日し、2022年10月には足腰の怪我を克服して桂冠名誉指揮者を務めるNHK交響楽団を指揮、マーラーとシューベルトの交響曲を演奏し聴衆を沸かせました。 この2枚組は、すでに発売されている交響曲第40番・第41番(900164)に、今回初CD化となる交響曲第39番を加えたもの。 ブロムシュテットは「第40番の交響曲には人間の内面に存在する全ての暗い側面が表現されている」と語るほど、第40番に魅せられているといい、この演奏でも端正な表現の中に、情熱的なモーツァルト像を構築しています。第41番では最終楽章の壮大なフーガが圧巻。そして柔和な雰囲気と華やぎに彩られた第39番は、齢を重ねても若さを失わないブロムシュテットらしい演奏。熟成された正攻法のモーツァルトです。 ※900164(第40番&第41番)は生産中止となります。
収録作曲家:
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シュターミッツ(1717-1757):
ヴァイオリン協奏曲集
交響曲 変ホ長調 [ダヴィド・カストロ=バルビ(ヴァイオリン)/ケヴィン・グリフィス(指揮)/ハイルブロン・ヴュルテンベルク室内管弦楽団]STAMITZ, J.: Violin Concertos Nos. 2-4 / Symphony, Op. 4, No. 4 (Castro-Balbi, Württemberg Chamber Orchestra of Heilbronn, K. Griffiths)
発売日:2023年04月14日
NMLアルバム番号:555479-2
CD価格:2,475円(税込)
ボヘミア出身の作曲家・ヴァイオリニスト、ヨハン・シュターミッツのヴァイオリン協奏曲集。 マンハイムの宮廷楽団の首席ヴァイオリニストから宮廷楽長に昇進し、このオーケストラを育て上げるとともに、当時活躍していた作曲家たちをまとめ「マンハイム楽派の父」として尊敬を集めました。彼は50作以上の交響曲を書くとともに、ソナタ形式の発展にも尽力。バロック期と古典派の時代の端境期を埋めるハイドンの先人として活躍、また二人の息子、カールとアントンも優れた作曲家になりました。 そんなヨハン・シュターミッツですが、現代に伝わるヴァイオリン協奏曲はごくわずかです。そのほとんどは主題をはさみながら進行するリトルネッロ形式で書かれた第1楽章を持つヴィヴァルディの協奏曲の形式を模しています。このアルバムに収録された3曲のなかで、最も技術的に難しいのは第2番の第1楽章で、シュターミッツが得意とした旋律の幅広い跳躍と重音がたっぷりと織り込まれた華やかな作品です。 アルバムには交響曲も1曲収録されています。
収録作曲家:
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メルケシュ(1882-1961):
交響曲と交響詩集 [ハイメ・マルティン(指揮)/イェヴレ交響楽団]MELCHERS, M.: Symphony in D Minor / La Kermesse / Élégie (Gävle Symphony, J. Martín)
発売日:2023年04月14日
NMLアルバム番号:ODE1418-2
CD価格:2,250円(税込)
スウェーデンの作曲家メルケル・メルケシュの作品集。1910年代にパリで学んだメルケシュは、当時のフランス音楽と、留学先で知り合ったマティスやピカソ、モディリアーニらの芸術に強い影響を受けました。しかし彼は比較的保守的な作風を貫き、どちらかというとセザール・フランクに近い厳格な形式による作品を多く遺しています。 メルケシュは頻繁にルーヴル美術館へ足を運び、とりわけルーベンスの絵画に魅了されました。このアルバムに収録されている「La Kermesse ケルメス」は、結婚を祝う農村の祭りを描いたとされるルーベンスの作品にインスパイアされたもので、全編明るい雰囲気に満たされています。「エレジー」は“私の母の記憶に”と記された抒情的な作品。母クリスティーネを亡くしたばかりのメルケシュの悲しみが表現されており、初演時には批評家からも絶賛されました。 彼の代表作の一つ「交響曲 ニ短調」は急緩急の3楽章で書かれた演奏時間36分余りの作品。3管編成で、持ち換えのピッコロ、イングリッシュホルン、バス・クラリネットに、更にハープを加えたオーケストレーションからはフランス近代音楽風の色彩豊かな響きが立ち上ります。メルケシュはこの作品をストックホルムの新コンサートホールこけら落としのための新作コンクールに出品しました。審査員はカール・ニールセン、ロベルト・カヤヌス、ヨハン・ハルヴォルセンの3名。結果はアッテルベリの「歌」が第1位で、この曲は第2位。しかしこけら落とし翌日の公演で演奏され、音楽関係者からは好評を得たと伝えられています。 1912年に創立された100年以上の歴史を持つイェヴレ交響楽団と、2022年から首席指揮者を務めるハイメ・マルティンが作品の魅力を引き出しています。
収録作曲家:
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〈ヴォーン・ウィリアムズ・ライヴ 第4集〉
トマス・タリスの主題による幻想曲
2台ピアノのための協奏曲 ハ長調
交響曲 第8番 ニ短調
ミトロプーロス指揮/ニューヨーク・フィル
バルビローリ指揮/ハレ管 [アーサー・ホイットモア(ピアノ)/ジャック・ロウ(ピアノ)/ニューヨーク・フィルハーモニック/ディミトリ・ミトロプーロス(指揮)/ハレ管弦楽団/ジョン・バルビローリ(指揮)-8]VAUGHAN WILLIAMS, R.: Concerto for 2 Pianos / Symphony No. 8 (Vaughan Williams Live, Vol. 4) (Mitropoulos, Barbirolli) (1943-1964)
発売日:2023年03月24日
NMLアルバム番号:ARIADNE5020
CD価格:2,025円(税込)
2022年、ヴォーン・ウィリアムズ生誕150年を記念したアルバムの第4集。第3集ではヴォーン・ウィリアムズの自作自演をご紹介しましたが、この第4集はヴォーン・ウィリアムズ作品の熱心な支持者であったミトロプーロスが1942年にニューヨーク・フィルの弦楽セクションを指揮した「トマス・タリスの主題による幻想曲」と、1952年に演奏した「2台ピアノのための協奏曲」を収録。熱気あふれる雰囲気が聴きどころです。 後半には、1964年バルビローリがハレ管を指揮した交響曲第8番を収録。この曲は1956年にバルビローリとハレ管によって初演されており、作品の見せ場を知り尽くしたバルビローリならではの充実した演奏が楽しめます。今回の復刻も、これまでに数々の名盤の復刻にあたった英国を代表するリマスター・エンジニア、ラーニ・スパールが手掛けており、丁寧なリマスターによるノイズの少ないリアルな音が蘇りました。 なお、ブックレットにはヴォーン・ウィリアムズの評伝を執筆した英国の研究家サイモン・ヘファーによる解説(英語のみ)が掲載されています。
収録作曲家:
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フルーリー(1896-1967):
〈管弦楽作品集 第3集〉
交響曲 第1番
交響曲 第4番「リヒテンシュタイン風」 [ポール・マン(指揮)/BBC交響楽団]FLURY, R.: Orchestral Music, Vol. 3 (BBC Symphony, Mann)
発売日:2023年03月24日
NMLアルバム番号:TOCC0643
CD価格:1,950円(税込)
スイスの作曲家リヒャルト・フルーリー。音楽一家に生まれ、地元の音楽院でフェリックス・ワインガルトナーに指揮、ウィーンではヨーゼフ・マルクスに作曲を学びました。やがてゾロトゥルン市のオーケストラを30年間指揮するとともに、作曲家としても活動。後期ロマン派の作風を踏襲する雄大な作品を数多く遺しています。 このアルバムには1920年代の交響曲第1番と50年代の交響曲第4番を収録しています。抒情的で壮大な第1番はブルックナーを彷彿させ、またハリウッド映画の音楽のようなゴージャスな響きを味わえる第4番は、彼が幼少期に訪れたリヒテンシュタインでの思い出からインスパイアされたという作品です。ポール・マンが指揮するBBC交響楽団が作品の持ち味を存分に生かした演奏を聴かせます。
収録作曲家:
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ルオフ(1957-):
〈オルガン作品全集 第4集〉
序奏、変奏とフーガ
交響曲 第1番
グロテスク組曲 [ヤン・レヘトラ(オルガン)]RUOFF, A.: Organ Works (Complete), Vol. 4 (Lehtola)
発売日:2023年03月24日
NMLアルバム番号:TOCC0672
CD価格:1,950円(税込)
1957年シュトゥットガルト生まれのアクセル・ルオフは、ドイツやイタリアの作曲コンクールで受賞歴が多数あり、オルガン音楽の分野にも大きな貢献を果たしています。東京藝大に留学経験があり、日本の大学でも度々講演しています。 ヤン・レヘトラによるオルガン全集の第4集では、コラール主題による壮麗な変奏とフーガ、30年以上オルガン音楽に携わってきた彼の“最後の作品”として構想された「グロテスク組曲」、オルガンのための大規模なスケールを持つ「交響曲第1番」と異なる形式による3作品を聴くことができます。 交響曲第1番を除いた2作品は世界初録音です。
収録作曲家:
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フルトヴェングラー指揮/ベルリン・フィル
ベートーヴェン(1770-1827):
交響曲 第4番 変ロ長調 Op.60 [ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指揮)/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団]発売日:2023年03月24日
CD-R価格:1,950円(税込)
フルトヴェングラーのベートーヴェン:第4番、VOX盤の復刻がVOXから登場1951年にVOXレーベルからPL 7210の番号でリリースされたフルトヴェングラー指揮、ベルリン・フィルのベートーヴェン:交響曲第4番の復刻です。この音源は初出LPでは1945年の録音と記載されていましたが、その後の研究により1943年6月、ベルリンでのライヴ録音ということが判明しました。 復刻素材 はレーベル所蔵のLPを使用し、アメリカ、ナッシュヴィルのスタジオで2022年に新規リマスターしました。収録時間36分余り。ブックレットに初出時のLPジャケットをカラーで掲載しています。 ※ディスクはCDRになります。
収録作曲家:
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スラットキン指揮/セントルイス交響楽団
ラフマニノフ(1873-1943):
交響曲 第2番 Op.27
ヴォカリーズ Op.34, No.14 [レナード・スラットキン(指揮)/セントルイス交響楽団]発売日:2023年03月24日
CD価格:1,950円(税込)
レナード・スラットキンとセントルイス交響楽団は1970年代半ばから1980年代冒頭にかけて、交響曲とピアノ協奏曲に合唱交響曲「鐘」やカンタータ「春」までも含むラフマニノフの管弦楽作品全集をVoxに録音しました。その中から交響曲第2番とヴォカリーズを新リマスターでカップリング。交響曲第2番はグラミー賞の最優秀オーケストラ録音と最優秀録音技術の2部門にノミネートされた名演名録音です。 日本での初出時にも『レコード芸術』誌で「オーケストラをバランスよくまとめながら、息づくように自然なルバートを駆使して、ラフマニノフのなめらかな旋律をほれぼれするほどつややかに歌わせている」(小石忠男氏による演奏評)、「広々とした音場の中にオケが展開する。奥行きもとれ、解像度高く、それでいて全体はよく融け合っている。音はしなやかで艶があり、パートの定位ははっきりしていて、歪みや混濁は出ていない」(相澤昭八郎氏の録音評)と高く評価されました。 スラットキンは交響曲第2番を30年後にデトロイト響と再録音しており、自家薬籠中におさめた作品を引き締まったテンポでドライヴして熱気と勢いを感じさせる演奏となっています。一方の当盤では端正な造形で細部まで丁寧に彫琢し、この曲がまだ定番とは言えなかった当時において曲の真価を伝えようとする真摯で熱い思いが伝わって来るような演奏となっています。最新リマスターによってリフレッシュされたサウンドをお楽しみください。 エリート・レコーディングズの制作、24bit/192kHzリマスターによるVOX AUDIOPHILE EDITIONの1枚。
収録作曲家:
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ラフマニノフ(1873-1943):
〈交響曲全集〉[3枚組]
交響曲 第1番 - 第3番
死の島/ヴォカリーズ/交響的舞曲 [レナード・スラットキン(指揮)/デトロイト交響楽団]発売日:2023年03月17日
CD 3枚組価格:2,775円(税込)
ラフマニノフ生誕150周年記念、スラットキンのベストセラーをセット化!2022年11月にも来日、NHK交響楽団を指揮して見事な演奏を披露した指揮者レナード・スラットキン。この交響曲全集は2009年から2012年にかけて録音されたもので、初出時には「理想的で心に残る解釈」(グラモフォン誌)と高く評価されました。基本的にはセントルイス響盤の解釈を引き継いでいますが、第2番だけはすべての楽章で演奏時間が短くなり、情緒に溺れることなくスタイリッシュな演奏に仕上がっています(この曲のみ最後に拍手あり)。 デトロイト響の力強く輝かしくゴージャスな響きを余すことなく捉えた高音質の録音が魅力を増しています。
収録作曲家:
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ブルックナー(1824-1896):
〈オルガン編曲による交響曲全集 Vol. 6〉
交響曲 第6番 イ長調 WAB 106 [ハンスイェルク・アルブレヒト(オルガン)]発売日:2023年03月17日
NMLアルバム番号:OC482
CD価格:1,950円(税込)
2024年のブルックナー生誕200周年に向けての記念企画、全10巻からなるオルガン版ブルックナー交響曲全集第7弾です。このシリーズは指揮者クリス ティアン・ティーレマンの後援のもとに進められ、2024年に完結予定です。 交響曲第6番はブルックナーの交響曲としてはコンパクトですが、他の交響曲にはみられないほどの実験的な姿勢が表れており、作曲者自ら「最も大胆なもの」と呼んだそうです。 このアルバムではバーゼルで学び同地のオルガニストとして活躍するエベルハルト・クロッツによるオルガン編曲版で収録。ブルックナーが第6番を作曲中に訪れて演奏会を行ったルツェルンのホーフ教会のオルガンで収録を行うという凝りようにも注目です。 このオルガンは1648年に建造された歴史的な楽器で、創建当時は世界最大重量のパイプを備える壮麗なものでした。1651年には雷の音を模した「サンダーパイプ」(同種のものとしては世界最古)が付けられ、更に1862年にオルガン製作家のフリードリヒ・ハースが拡張工事を行った際に雨の音を奏でる「レインマシン」の新機能を付け加えました。これが信じられないほどにリアルな響きをもたらしたため、実際にこの音を教会で聴いた人は思わず傘を開いたほどだったと伝えられます。 ハンスイェルク・アルブレヒトの「アルプスの祝福、雷と雨のマシン」はこの特別なオルガンへのトリビュートです。アルブレヒトは他にも2曲の「エクアーレ」を編曲して収録。このシリーズではブルックナーの音楽にインスパイアされた新作オルガン曲を委嘱しています。 今回はイタリア出身でバーゼルで学んだアンドレア・ロレンツォ・スカルタッツィーニの「ブルックナーブルーメ」を収録。ブルーメは「花」や、ワインの「香」も意味します。 交響曲第6番第1楽章の第2主題を題材とした作品で、後に続く交響曲本体への輝かしい前奏となっています。