交響曲 最新アルバム
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〈#bruckner2024〉
ブルックナー(1824-1896):
交響曲 第1番 ハ短調 (第1稿/レーダー版) [マルクス・ポシュナー(指揮)/リンツ・ブルックナー管弦楽団]発売日:2024年01月12日
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,970円(税込)
CAPRICCIOレーベルと国際ブルックナー協会の主導で、ブルックナーの生誕200年にあたる2024年中にブルックナーの全交響曲のすべての稿(バージョン) を録音しようという企画 「#bruckner2024」の第11弾。「リンツ稿」の本来の姿に迫ろうとするトーマス・レーダー版の楽譜を使用しています。 1863年にへ短調の習作交響曲を書き上げ、1865年にはミサ曲ニ短調(第1番)で成功を収めたブルックナーが、いよいよ交響曲作家として名乗りを挙げようと取り組んだのが第1番。1865年に着手し、66年に完成、68年にリンツで初演されました。ブルックナーはその後、1877年にこの曲に改訂を施し、87年からは更なる改訂作業に取り組んで91年に改訂版が完成しました。前者(第1稿)は「リンツ稿」、後者(第2稿)は「ウィーン稿」とも呼ばれます。しかし、ハース版、ノーヴァク版ともに出版された「リンツ稿」にはその後の改訂による素材が取り込まれていました。#bruckner2024の監修者ポール・ホークショーによる原盤解説によれば、ここで使用されているトーマス・レーダー校訂版は、1868年の初演時のパート譜をもとに後年の改訂部分を取り除いて初演時の姿を再構成する試みで、新ブルックナー全集の一環として2016年に出版されたものです(NBG III/1: 1/1)。リンツ初演以後の改訂で生じた要素を除去する試みとしてはウィリアム・キャラガン校訂版という先例があり、ティントナーやシャラーが録音しています。異同が注目されるところです。 曲は古典的な4楽章構成。ドイツ・ロマン派的な語法によりつつ、後年のブルックナーらしさも時折顔を出します。ポシュナーは引き締まったサウンドと造形を基本に、アダージョではブルックナーらしい抒情を堪能させます。 ※国内仕様盤には石原勇太郎氏(音楽学/国際ブルックナー協会会員)による日本語の解説が付属します。
収録作曲家:
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ヘレヴェッヘ/アントワープ交響楽団
シューマン(1810-1856):
交響曲 第1番「春」・第3番「ライン」 [フィリップ・ヘレヴェッヘ、アントワープ交響楽団]発売日:2023年11月24日
CD国内仕様 日本語解説付き価格:3,300円(税込、送料無料)
ヘレヴェッヘ2度目のシューマン交響曲全集完結ヘレヴェッヘが、1996年と2006年に古楽器オーケストラのシャンゼリゼ管弦楽団と録音し、高い評価を得たシューマンの交響曲。その経験を経た今回の全集再録音では、機能性の高いモダン楽器のオーケストラによってさらに深化した解釈と幅の広い表現を聴くことが出来ます。 引き締まったアクセントと各楽器の伸びやかな歌、そしてダイナミックなオーケストラの鳴りが素晴らしく、なかでも「春」のスケルツォや「ライン」冒頭などは格別の響き。2010年に自主レーベルPhiを立ち上げて以降、「本当に取り組みたい曲だけ指揮する」と標榜するヘレヴェッヘが敢えて臨んだ再録音だけに、大きな意味のある全集になったといえるでしょう。
収録作曲家:
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〈#bruckner2024〉
ブルックナー(1824-1896):
交響曲 第5番 変ロ長調 (ノーヴァク版) [マルクス・ポシュナー(指揮)/ウィーン放送交響楽団]BRUCKNER, A.: Symphony No. 5 (1878 version, ed. L. Nowak) (Complete Symphony Versions Edition, Vol. 10) (ORF Vienna Radio Symphony, M. Poschner)
発売日:2023年11月10日
NMLアルバム番号:C8090
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,970円(税込)
CAPRICCIOレーベルと国際ブルックナー協会の主導で、ブルックナーの生誕200年にあたる2024年までにブルックナーの全交響曲のすべての稿(ヴァージョン) を録音しようという企画、 「#bruckner2024」第10弾。 稿の問題の無い第5番ではノーヴァク版を使用。1908年にアルミン・クナープがいち早く指摘した通り「冒頭の22小節に作品全体の主題と動機の原形がすべて詰まって」いて、それらを素材に構築された壮大な対位法の織物を、ポシュナーはしっかりと音にして伝えてくれます。 約71分という演奏時間はやや速めのテンポを思わせますが、フレージングやアーティキュレーション、アクセントを細かく丁寧に処理しているため、「速さ」が前面に感じられることはありません。神秘的、瞑想的、時にメランコリックなコラール風の旋律はしっかりと腰を据えて聴かせます。 ポシュナーはフィナーレをクライマックスととらえているようで、ヨッフム/ドレスデンやヴァント/北ドイツ放送響とほぼ同じタイムをかけた第4楽章は特に聴きものとなっています。 ※国内仕様盤には専門誌等で好評を得ている石原勇太郎氏(国際ブルックナー協会会員)による日本語解説が付属します。
収録作曲家:
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メンデルスゾーン(1809-1847):
交響曲 第3番 「スコットランド」
交響曲 第5番 「宗教改革」 [マキシム・エメリャニチェフ、スコットランド室内管弦楽団]MENDELSSOHN, Felix: Symphonies Nos. 3 and 5 (Scottish Chamber Orchestra, Emelyanychev)
発売日:2023年11月10日
NMLアルバム番号:CKD667
CD国内仕様 日本語解説付き価格:3,300円(税込、送料無料)
スコットランド室内管創立50周年、
エメリャニチェフとの「スコットランド」「宗教改革」スコットランド室内管弦楽団と首席指揮者マキシム・エメリャニチェフにより、その就任前に録音されたシューベルト「グレート」(NYCX-10112/CKD619)は、「同曲の最もスリリングな演奏」(BBCマガジン)など各所で絶賛されました。 2024年1月に迎える楽団創立50周年を記念すべく今回録音されたのは、メンデルスゾーンがスコットランドを旅行中その自然に触発されて構想してから10年以上、彼の一生の半分近い歳月をかけて手を加えられ、生涯最後に完成させた交響曲となった第3番「スコットランド」。そして、若きメンデルスゾーンが試作的な第1番に続いて2つ目の交響曲として完成させた、ルター派のコラール「神はわがやぐら」を引用する第5番「宗教改革」を併せて収録しています。どちらの作品でもヴィブラートを抑えた少人数の弦の透明感が印象的。「スコットランド」は各パートをよく鳴らし、メロディの歌謡的な美しさのみならず、オーケストレーションの面白さも前面に出す快演となっています。 「宗教改革」も力強くオーケストラを歌わせ、エコーのような効果も心地よく生かしつつメロディを伸びやかに表現し、この作品の素晴らしさを十二分に発揮。なお古楽鍵盤奏者としてピリオド奏法に造詣の深いエメリャニチェフらしく、第4楽章では本来の指定通りにセルパンを使用しています。収録作曲家:
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コダーイ(1882-1967):
組曲『ハーリ・ヤーノシュ』
夏の夕べ
交響曲 ハ長調 [ジョアン・ファレッタ(指揮)/バッファロー・フィルハーモニー管弦楽団]KODÁLY, Z.: Háry János Suite / Summer Evening / Symphony in C Major (Buffalo Philharmonic, Falletta)
発売日:2023年10月27日
NMLアルバム番号:8.574556
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,200円(税込)
民族色豊かなコダーイの名作と、トスカニーニに捧げた晩年の交響曲をカップリング20世紀ハンガリーを代表する作曲家の一人、ゾルターン・コダーイ。彼は祖国の民俗音楽を丹念に収集・研究し、バルトークと共に民謡集の出版を行います。また音楽教育の分野でも活躍、教育用の曲を多数書き、その手法は「コダーイ・メソッド」と呼ばれるほどにハンガリー内外に重要な影響を与えました。彼の管弦楽作品はどれも色彩的でリズミカル。このアルバムの中心となる『ハーリ・ヤーノシュ』は彼の同名の歌劇からの管弦楽組曲で、原作はハンガリーの詩人、ガライ・ヤーノシュ(1812-1853)の叙事詩。元軍人のハーリ・ヤーノシュが酒場で語る波乱万丈の冒険談が描かれています。組曲は歌劇の進行とは関係なく組まれており、第3曲と第5曲では伝統楽器ツィンバロムが使用されているのも特色です。 「夏の夕べ」は作曲家自身が「牧歌」と呼んだ作品で、もともとはハンガリー王立音楽院の卒業作品として書かれたもの。1906年に初演された以降は忘れられてしまったものの、1929年にアルトゥーロ・トスカニーニの勧めにより改訂が行われ、1930年にトスカニーニが指揮するニューヨーク・フィルにより演奏されました。 交響曲はトスカニーニのすすめにより1930年代に構想されましたが、完成したのは1961年のこと。1957年に世を去ったトスカニーニの思い出に捧げられたこの曲は、1961年にフェレンツ・フリッチャイ指揮、ルツェルン祝祭管弦楽団によって初演されました。急緩急の3楽章構成、演奏時間27分ほどで、ルーセルやストラヴィンスキーを思わせる新古典主義のスタイルによる作品です。明瞭な調性をもとにした晦渋さのない楽想、抒情に満ちた緩徐楽章を生気とユーモアに富んだ両端楽章がはさみ、結尾へ向けての盛り上げ方など、一聴しただけでは1960年代の作品と思えない親しみ易さの中にコダーイ晩年の境地が滲む魅力的な音楽です。 演奏はジョアン・ファレッタが指揮するバッファロー・フィルハーモニー管弦楽団。機動力とパワーを生かした闊達な音楽が紡ぎ出されています。 ※国内仕様盤には、東欧の音楽史と民族音楽学を専門とし、『中東欧音楽の回路』(サントリー学芸賞受賞)等の著書のある伊東信宏氏の日本語解説が付属します。
収録作曲家:
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ハイドン(1732-1809):
〈後期交響曲集 第2集〉
交響曲 第96番-第98番 [アダム・フィッシャー(指揮)/デンマーク室内管弦楽団]HAYDN, J.: Late Symphonies, Vol. 2 - Nos. 96-98 (Danish Chamber Orchestra, A. Fischer)
発売日:2023年10月13日
NMLアルバム番号:8.574517
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,200円(税込)
アダム・フィッシャー、ハイドンへ還る。
後期交響曲の再録音第2集!ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスの番号付きの全交響曲を録音した唯一の指揮者アダム・フィッシャー。デンマーク室内管弦楽団の首席指揮者就任から25年となる記念の年に彼が世に問うのはハイドンの後期交響曲シリーズの再録音です。第2集となる今回の演奏も、オーストリア・ハンガリー・ハイドン管弦楽団との旧全集録音に比べると更にシェイプアップ、テンポアップされており、ダイナミックスの切り替えやアクセントも鮮烈。まさに見通しのよいすっきりとしたハイドン像が構築されています。 この第2集には、交響曲「奇跡」を含む第96番から第98番の3曲を収録。第96番のニックネーム「奇跡」とは初演時に会場のシャンデリアが落下するも、観客がハイドン見たさのためにステージ近くに集まっていたため、けが人が出なかったというエピソードに由来するもの(しかし近年の研究では、この出来事は102番の初演時だったということが判明しています)。他には第2楽章に弦楽器の特殊奏法である「スル・ポンティチェロ」が用いられた第97番、終楽章にチェンバロが使用されることで知られる第98番を収録。どの曲も小回りの利いたオーケストラの奏者たちの演奏技術も存分に発揮されています。 当盤の3曲とも第3楽章にはメヌエットが置かれており、ここでも第1集と同じく、ティンパニの打撃が良いアクセントとなった、滑らかなリズムと疾走感にあふれた爽やかな音楽が楽しめます。 ※国内仕様盤には「ミヒャエル・ハイドン・プロジェクト」創設者で、古楽から実験音楽のパフォーマーとしても活躍する布施砂丘彦氏の解説が付属します。収録作曲家:
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メータ/フィレンツェ五月音楽祭管弦楽団
ベートーヴェン(1770-1827):
交響曲全集 [ズービン・メータ(指揮)フィレンツェ五月音楽祭管弦楽団]発売日:2023年09月15日
CD 5枚組国内仕様 日本語解説付き価格:5,500円(税込、送料無料)
メータ初のベートーヴェン交響曲全集が遂に登場!ズービン・メータは1936年生まれ。小澤征爾(1935年生まれ)と同じ世代になります。ウィーンで学び、1959年にはウィーン・フィルとベルリン・フィルを指揮して好評を博し、以来国際的な活躍は60年を越えました。そのメータにしてベートーヴェンの交響曲全集の録音・録画が今まで無かったのには驚かされます。 メータが初めてベートーヴェンの交響曲を録音したのは1974年録音の第7番。ロサンゼルス・フィルの音楽監督に就いてから実に12年目のことで、ベートーヴェンの交響曲に対してはかなり慎重に臨んでいたことがうかがわれます。その後、1978年に第5番と第8番を、1980年に第3番をニューヨーク・フィルと録音。セッション録音されたものはこれがすべて、という少なさです。 一方コンサートでは定期的に取り上げており、第3、5、6、8、9番にはライヴ録音盤があります。第5番には、ベルリン・フィルとイスラエル・フィルとの合同コンサートという極めて特別なイベントのライヴがあり、第9ではニューヨーク・フィルとの特別演奏会(1983年)、バイエルン放送響、ミュンヘン・フィル、バイエルン国立管の合同オーケストラとの東日本大震災復興支援コンサート(2011年)、東京バレエ団創立50周年記念公演のモーリス・ベジャール振付によるバレエ版(イスラエル・フィル、2014年)の3種があります。これらからメータがベートーヴェンの交響曲に特別な思いを持っていることが想像されます。 (曲目・内容欄に続く)
収録作曲家:
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メータ/フィレンツェ五月音楽祭管弦楽団
ベートーヴェン(1770-1827):
交響曲全集 [ズービン・メータ(指揮)フィレンツェ五月音楽祭管弦楽団]発売日:2023年09月15日
Blu-ray 2枚組国内仕様 日本語解説付き価格:5,500円(税込、送料無料)
メータ初のベートーヴェン交響曲全集が遂に登場!ズービン・メータは1936年生まれ。小澤征爾(1935年生まれ)と同じ世代になります。ウィーンで学び、1959年にはウィーン・フィルとベルリン・フィルを指揮して好評を博し、以来国際的な活躍は60年を越えました。そのメータにしてベートーヴェンの交響曲全集の録音・録画が今まで無かったのには驚かされます。 メータが初めてベートーヴェンの交響曲を録音したのは1974年録音の第7番。ロサンゼルス・フィルの音楽監督に就いてから実に12年目のことで、ベートーヴェンの交響曲に対してはかなり慎重に臨んでいたことがうかがわれます。その後、1978年に第5番と第8番を、1980年に第3番をニューヨーク・フィルと録音。セッション録音されたものはこれがすべて、という少なさです。 一方コンサートでは定期的に取り上げており、第3、5、6、8、9番にはライヴ録音盤があります。第5番には、ベルリン・フィルとイスラエル・フィルとの合同コンサートという極めて特別なイベントのライヴがあり、第9ではニューヨーク・フィルとの特別演奏会(1983年)、バイエルン放送響、ミュンヘン・フィル、バイエルン国立管の合同オーケストラとの東日本大震災復興支援コンサート(2011年)、東京バレエ団創立50周年記念公演のモーリス・ベジャール振付によるバレエ版(イスラエル・フィル、2014年)の3種があります。これらからメータがベートーヴェンの交響曲に特別な思いを持っていることが想像されます。 (曲目・内容欄に続く)
収録作曲家:
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〈#bruckner2024〉
ブルックナー(1824-1896):
交響曲 第2番 ハ短調(第2稿/ホークショー版) [マルクス・ポシュナー(指揮) リンツ・ブルックナー管弦楽団]発売日:2023年09月08日
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,970円(税込)
CAPRICCIOレーベルと国際ブルックナー協会の主導で、ブルックナーの生誕200年にあたる2024年までにブルックナーの全交響曲のすべての稿(バージョン)を録音しようという企画、 「#bruckner2024」の第9弾。問題の多い第2番の第2稿に新たな光を投げかけるホークショー版による録音が登場。 #bruckner2024の監修者で当CDに使われた楽譜(NBG III/1: 2/2 出版準備中)の校訂者ポール・ホークショーは、当CDに寄せた原盤解説の中で第2番の歴史をこのように整理しています。1871年作曲着手、翌72年9月完成。同年中の演奏を目指してオットー・デッソフ指揮ウィーン・フィルがリハーサルに取り組むも、演奏は却下。1873年10月26日、ブルックナー自身の指揮するウィーン・フィルにより初演。1876年2月20日、同じ顔触れで再演。1877年、大幅に改訂(=第2稿)。 以後1877年の第2稿と称する楽譜は、1892年ウィーンのAlbert J. Gutmann社よりブルックナーの弟子シリル・ヒュナイス(ツィリル・ヒューナイス)校訂により刊行されたのを初めに、1934年ハース版、1965年ノーヴァク版、2007年キャラガン版と刊行されてきました。 (曲目・内容欄に続く)
収録作曲家:
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〈HAYDN 2032〉
ハイドン交響曲全曲録音シリーズ
Vol.14 ~帝国の響き
交響曲 第33・53・54番 [ジョヴァンニ・アントニーニ、バーゼル室内管弦楽団]発売日:2023年09月08日
CD国内仕様 解説日本語訳付き価格:3,300円(税込、送料無料)
金管・打楽器が映える充実編成!
中期作を中心にハイドンの真価に迫る作曲家生誕300周年となる2032年までに「交響曲の父」ハイドンが残した107曲もの交響曲を全て録音してゆくHAYDN 2032シリーズでは、指揮を務めるジョヴァンニ・アントニーニ自身のグループであるイル・ジャルディーノ・アルモニコと共に、古楽器を使いこなし瑞々しい演奏を聴かせるバーゼル室内管弦楽団も既に多くの名演を聴かせてくれています。 第14弾の演目に選ばれたのは、作曲家の生前から高い人気を誇り、19世紀半ばに「帝国 L’Impériale」の綽名が添えられた交響曲第53番をはじめ、トランペットとティンパニが添えられ勇壮な響きが堪能できる中期の充実作3編。当初は契約により、エステルハージ侯爵家のために書いた作品の宮廷外での発表を禁じられていた宮廷楽長ハイドンでしたが、この頃には主君の計らいもあってパリやロンドン、アムステルダムなど大都市を中心に多くの作品が各地でさかんに演奏されるようになり、急速に国際的な知名度を築きつつあった時期でした。短期間のうちに何度か手直しされ序奏や金管パートの拡張があった第54番、初期作品では異例とも言える大編成をとる第33番に加え、第53番フィナーレの異稿としても使われた人形音楽劇のための序曲も収録。舞台音楽でも経験を積みつつあったハイドンの真相に迫ります。 今回もアントニーニ自身のコメントや最新研究を踏まえた作品解説などライナーノートも充実(英、仏、独語/国内仕様盤は日本語訳付)。収録作曲家:
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フランク(1822-1890):
交響曲 ニ短調
ショーソン(1855-1899):
交響曲 変ロ長調 [ジャン=リュック・タンゴー(指揮)/ベルリン放送交響楽団]発売日:2024年01月12日
CD価格:1,600円(税込)
フランクとショーソン、それぞれ唯一の交響曲をフランス出身のジャン=リュック・タンゴーが演奏したアルバム。 ベートーヴェンの影響を受けながらも、当時、革新的な循環形式を用いたフランクの「交響曲ニ短調」、フランクの弟子であり、やはり循環形式を用いつつ、ワーグナーの影響が感じられるショーソンの「交響曲変ロ長調」。タンゴーはベルリン放送交響楽団の力強い響きを生かしながら、各々の作品の素晴らしさを引き出しています。 なお、ショーソンの交響曲については、出版されている総譜には多くの疑問点を持つというタンゴー自身が自筆譜を入念に研究し、細心の注意を払って校訂した版を用いて演奏しているところにも注目です。
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ブルックナー(1824-1896):
交響曲 第7番 ホ長調 WAB107 [ベルナルト・ハイティンク(指揮)/バイエルン放送交響楽団]発売日:2024年01月12日
CD価格:2,250円(税込)
ハイティンクが後半生で特に愛着を示したブルックナーの第7番、
クーベリック時代のサウンドを残したオケを振った52歳の時のライヴが登場ベルナルト・ハイティンクがバイエルン放送交響楽団の定期演奏会にデビューした1958年から65年となる2023/24シーズンを記念して、1981年のブルックナー:交響曲第7番が初CD化。この時期、バイエルン放送響は18年にわたって楽団を率いたラファエル・クーベリックが1979年に退任し、ようやく後任に決めたキリル・コンドラシンが81年春に急逝して、首席指揮者が空白のまま3シーズン目に入っていました(同市内のライバル、ミュンヘン・フィルは79年からチェリビダッケが就任)。そのような中で楽団を支えた客演指揮者の一人がハイティンクでした。 ハイティンクは1963年から72年にかけてブルックナーの交響曲全集を録音(第7番は66年)。そこでは思い切ったテンポの伸縮や強奏強打をまじえてドラマティックな面を強調する解釈が聞かれますが、1978年の第7番の再録音(オケはどちらもコンセルトヘボウ管)では、そうした操作は目立たないようになり、作品の持つ自然な流れの中でドラマを紡いでゆく巧者ぶりが発揮されています。 (曲目・内容欄に続く)収録作曲家:
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ロージャ(1907-1995):
〈管弦楽作品集〉
シンフォニック・コンサートへの序曲
ハンガリー風セレナード
3つのパルティータ [グレゴール・ビュール(指揮)/ラインラント=プファルツ州立フィルハーモニー管弦楽団]発売日:2024年01月12日
CD価格:2,250円(税込)
映画『ベン・ハー』などでアカデミー賞を3度受賞したミクローシュ・ロージャの管弦楽作品集。1907年、ブラペストに生まれライプツィヒ音楽院で学んだ後、パリとロンドンを経てアメリカ合衆国に移住。映画音楽の作曲家としてアカデミー作曲賞に17回ノミネートされ、3度受賞するなど高く評価されました。それと平行しクラシック作品の作曲も続け、ハリウッドの映画音楽のようなダイナミックな響きと、ハンガリーの民族性がマッチした色彩豊かな曲を多数書きあげています。 このアルバムに収録された3つの作品は、初期、中期、後期と彼の創作期間の全般にわたるもの。1932年に作曲された「ハンガリー風セレナード」はブダペスト劇場で初演、演奏を聴いたリヒャルト・シュトラウスからの提案を受け、のちに改訂が施されました。「シンフォニー・コンサートへの序曲」は1956年の作品。当時アメリカで契約していたMGM(メトロ・ゴールドウィン・メイヤー)の仕事の合間に書かれた曲で、ハンガリーから追放された彼の友人たちに捧げられました。 「3つのパルティータ」は1971年の作品。彼の作品を出版していた出版社からの依頼で作曲、当初イシュトヴァン・ケルテスが初演する予定でしたが、彼はその前に死去してしまったため、アンドレ・プレヴィンがイギリスで、アンタル・ドラティがアメリカで初演を行いました。バルトークを思わせるリズミカルな作品です。 グレゴール・ビュールは1964年生まれ。ストックホルム王立歌劇場で《ニーベルングの指環》を上演、世界的に注目を集めたのち、ハンブルク国立歌劇場、シュトゥットガルト国立歌劇場などで多数の歌劇を指揮、好評を博した指揮者。CAPRICCIOレーベルにはブラウンフェルスの一連の作品の他、レーガーの歌曲集などを録音しています。
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マンツァロス:
シンフォニア集(吹奏楽版) [マンツァロス・フィルハーモニック・ソサエティ、ソクラティス・アンティス]MANTZAROS, N.H.: 5 Symphonies (Mantzaros Philharmonic Society, Anthis)
発売日:2024年01月12日
NMLアルバム番号:PHASMA048
CD価格:2,100円(税込)
ギリシャとキプロスの国歌「自由への讃歌」の作曲者として知られる、古典派時代のギリシャの作曲家マンツァロスが書いたシンフォニアを現代吹奏楽に編曲して収録したアルバム。
収録作曲家:
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ベリ(ベルク)(1879-1957):
交響曲 第4番・第5番 [アリ・ラシライネン(指揮)/ノールショピング交響楽団]発売日:2023年12月22日
CD価格:2,475円(税込)
1879年ストックホルム生まれのナタナエル・ベリ(ベルク)の交響曲全集、完結編。1879年に生まれた彼は獣医の資格を持ち、1939年まで国防省で少佐として軍馬の管理をしたのち、作曲家に転身。アッテルベリやペッタション=ベリエルらとともに20世紀前半のスウェーデンを代表する独創的な作品を書き上げました。 彼の作品目録には6曲の歌劇をはじめ、いくつかのバレエ音楽、オーケストラ伴奏付き声楽作品、交響詩や室内楽曲がありますが、何よりも重要なのが5曲の交響曲です。彼の交響曲はどれもタイトルを持っており、このアルバムに収録されたのは第4番と第5番。 第4番は彼の友人アッテルベリとの賭けから生まれたという軽妙な作品ですが、条件の一つである「20分以内」という長さを超過してしまったため、ベリは罰金を払うことになったというエピソードがあります。 最後の交響曲となる第5番は、華やかでドラマティックな音楽。タイトルの「passioni」には情熱の意と苦しみの意があり、そのどちらも満たすかのような起伏のある各楽章が聴きどころです。終楽章の終結部では天に向かって静かに昇っていくかのようなコラールが登場。情熱と受難は長い逡巡の末、和解に至るという結末です。
収録作曲家:
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コルテ=レアル(1971-):
ロック・シンフォニー集 [ヌノ・コルテ=レアル(指揮)/ミラノ交響楽団]CÔRTE-REAL, N.: Rock Symphonies (Orchestra Sinfonica di Milano, Côrte-Real)
発売日:2023年12月22日
NMLアルバム番号:SM444
CD価格:1,950円(税込)
1971年、リスボン生まれの作曲家、指揮者ヌノ・コルテ=レアル。2018年と2019年に連作歌曲「Now everything changes」とオペラ《Bandit Song 山賊の歌》でそれぞれポルトガル作曲家協会の最優秀クラシック作品賞を受賞し注目を集めています。 このアルバム「ロック・シンフォニー集」には2011年から18年にかけて書かれた、性格の異なる作品をコレクションしたもの。「シンフォニー」という言葉は、ここでは「交響曲」ではなくギリシャ語の語源に相当する「共に鳴る音」という意味を持ち、加えて「ロック」の言葉にも一般的なロックンロールの意味だけでなく「エネルギッシュな感覚」の意が込められています。
収録作曲家:
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エイドリアン・ボールト指揮
ベルク(1885-1935):
歌劇《ヴォツェック》
ストラヴィンスキー(1882-1971):
カプリッチョ
ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958):
交響曲 第4番 [エイドリアン・ボールト指揮/BBC交響楽団&合唱団ハインリヒ・ニリウス/シュザンヌ・ダンコ/パリー・ジョーンズ/ロイヤル・オペラ・ハウス管弦楽団]発売日:2023年12月15日
CD 2枚組価格:3,225円(税込、送料無料)
20世紀の名指揮者エイドリアン・ボールト(1889-1983)の没後40年記念アルバム。2つの歴史的なライヴ録音の初CD化に加え、1965年のヴォーン・ウィリアムズの交響曲第4番を収録した貴重な2枚組です。 イギリス音楽の演奏で評価の高いボールトですが、ベートーヴェンやブラームスなどのドイツ音楽も得意としていたことで知られます。ベルクの《ヴォツェック》はボールトがイギリス初演を指揮、この1949年の録音はイギリスでの2回目の演奏を収録したもので、ヴォツェツクをハインリヒ・ニリウス(バリトン)、マリーをシュザンヌ・ダンコが歌うなど配役も万全です。またボールトの同時代音楽への関心の高さはストラヴィンスキー作品にも及んでおり、この「カプリッチョ」の録音でも素晴らしい技術を備えたオーストラリア人ピアニスト、ノエル・ミュートン=ウッドとともに見事な演奏を披露しています。 またボールトは1965年にロイヤル・オペラ・ハウス管弦楽団を指揮し、およそ30年前に初演したヴォーン・ウィリアムズの交響曲第4番を取り上げ、歴史的録音のスペシャリストであるジョン・トランスキーが「主に不協和音で構成され、しばしば激しく爆発する」と評するこの作品を表情豊かに演奏しています。 ボーナストラックとして収録されたのは、1965年にボールトがBBCラジオのためにバーナード・キーフとの対話。BBC交響楽団の首席指揮者として務めた19年間についての様々なエピソードを聴くことができます(英語)。 CD化に際しては歴史的音源の復刻で定評のあるポール・ベイリーがマスタリングを行っています。
収録作曲家:
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ブレイク(1938-):
〈管弦楽作品集〉
演奏会用舞曲集
交響曲 第1番
愛の宮廷/ひと月の夏 [ハワード・ブレイク(ピアノ/指揮)/フィルハーモニア管弦楽団/ポール・ダニエル(指揮)/イングリッシュ・ノーザン・フィルハーモニア]BLAKE, H.: Concert Dances / Symphony No. 1, "Impressions of a City" / The Court of Love Suite (Philharmonia Orchestra, Blake)
発売日:2023年12月15日
NMLアルバム番号:SOMMCD0678
CD価格:2,025円(税込)
「Walking in the Air」を含む映画『スノーマン』の音楽で知られるイギリスの作曲家ハワード・ブレイクの生誕85周年を記念するアルバム。交響曲、協奏曲、オラトリオ、ピアノ独奏曲、映画音楽まで幅広いジャンルにわたる彼の作品は、世界中のコンサートホールや舞台で演奏されています。 このアルバムにはブレイク自身がピアノを弾きながら指揮をした「演奏会用舞曲」をはじめ、1987年の映画『ひと月の夏』のサウンド・トラックからの組曲や1967年に作曲され1990年に改訂された「交響曲第1番」など多彩な作品が収録されています。 『ひと月の夏』ではイングリッシュ・ナショナル・オペラの音楽監督をつとめた名指揮者ポール・ダニエルがイングリッシュ・ノーザン・フィルハーモニアを指揮し、ブレイクの繊細で表現力豊かなスコアを生き生きと演奏しています。
収録作曲家:
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ズガンバーティ(1841-1914):
シンフォニア・フェスティヴァ
ピアノ協奏曲 [マッシミリアーノ・ダメリーニ(ピアノ)/フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指揮)/ローマ交響楽団]発売日:2023年12月08日
CD価格:1,600円(税込)
イタリア人の父とイギリス人の母の下に生まれたジョヴァンニ・ズガンバーティ。トレヴィで初期の音楽教育を受けたあと、1860年にローマに移住。当時ローマに住んでいたフランツ・リストに師事するとともに親交を結び、師から多大な影響を受けました。またワーグナーの音楽にも接したことで、当時ベルカント・オペラが支配していたイタリアの音楽界にドイツ音楽を採り入れ、オーケストラ音楽の普及に力を尽くしたことでも知られています。 このアルバムには、優れたピアニストでもあったズガンヴァーティの技巧がうかがえる華麗な「ピアノ協奏曲」と、短いながらも、ベートーヴェンの第7交響曲を彷彿させる舞踏的な性格を持つ「シンフォニア・フェスティヴァ」の2曲を収録。 既発の交響曲第1番(8.573007)と同じく、フランチェスコ・ラ・ヴェッキアが指揮するローマ交響楽団の演奏です。
収録作曲家:
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ラフマニノフ(1873-1943):
合唱交響曲「鐘」
カンタータ「春」
3つのロシアの歌 [レナード・スラットキン(指揮)/マリアンナ・クリストス(ソプラノ)/ウォルター・プランテ(テノール)/アーノルド・ヴォケタイティス(バス・バリトン)/セントルイス交響楽団&合唱団セントルイス交響楽団]発売日:2023年12月08日
CD価格:1,950円(税込)
スラットキンとセントルイス響がVOXに録音したラフマニノフの管弦楽作品全集(LP4枚組)から、合唱の加わる作品を集めた1枚。オリジナル・マスターから24bit/192kHzでリマスターしたAudiophile Editionの1枚です。 「鐘」はグラミー賞の「Best Choral Performance=最優秀合唱」部門にノミネートされた名演奏で、合唱にも管弦楽にも厚みがありながら濁らず清澄なサウンドを聴かせる点が特徴。広々として澄んだ音場にオーケストラ、合唱、ソロが距離感をもって展開、ソロは不自然にクローズアップされることも合唱に埋もれることもなく、Elite Recordingsならではの巧みな録音に唸らされます。旧盤CDでも録音の優秀さは伝わりますが、新リマスターにより音の硬さが取れて、特に高域に抜けの良さと柔らかさが加わり、名録音の真価を楽しめます。 ブックレットには歌詞と英訳が掲載されています(1-4は英語歌詞のみ)。
収録作曲家:
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ブルックナー(1824-1896):
交響曲全集 [11枚組 BOX] [レミ・バロー(指揮)/聖フローリアン・アルトモンテ管弦楽団/オーバーエスターライヒ・ユース交響楽団]発売日:2023年11月24日
CD 11枚組価格:9,975円(税込、送料無料)
ブルックナー演奏の聖地ザンクト・フローリアンにおけるレミ・バローの交響曲全集、
新録音を加えてBOXとして集成!リンツ郊外のザンクト・フローリアンにある聖フローリアン修道院は、かつてアントン・ブルックナーが聖歌隊で歌い、オルガニストを務め、今はその墓所となっている場所。ここでは、古くは朝比奈隆と大阪フィルの第7番、カラヤンやブーレーズとウィーン・フィルの第8番など巨匠たちによる記念碑的なブルックナー演奏が繰り広げられてきました。 同地でブルックナーの没後100年を記念して1996年に創設されたのが、聖フローリアン・アルトモンテ管弦楽団とブルックナー週間(Bruckner-Tage)音楽祭。その常任指揮者レミ・バローが指揮して行われた10曲の交響曲のライヴ録音をBOX化しました(第6番と第8番はオーバーエスターライヒ・ユース交響楽団の演奏) 。 会場となった聖フローリアン修道院はとても長い残響があり、チェリビダッケに師事したことのあるバローは、響きの混濁を避けつつ、長く美しい残響と音楽を一体化するためにテンポをゆったりと保ち、雄大な音楽として聴かせます。このため、第3番と第5番では89分、第8番では103分を越える演奏時間となりました。同時にバローは最新の楽譜校訂研究にも目配りしており、一部の曲では新しい校訂版を使用。このBOXが初出となる交響曲ニ短調ではディヴィッド・チャプマンによる2023年校訂版を使っています。 ※第1番から第9番までの単独アルバムはSACDハイブリッド盤で発売されていましたが、このBOXではお求めやすい価格にするために通常CDでの発売となります。 ※レーベルからの情報によれば交響曲ニ短調は通常CDとして2024年に単独リリースが予定されているとのことです。収録作曲家:
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ショスタコーヴィチ(1906-1975):
交響曲 第8番
カバレフスキー(1904-1987):
《コラ・ブルニョン》序曲 [コンスタンティン・シルヴェストリ、ボーンマス交響楽団]発売日:2023年11月24日
CD価格:1,950円(税込)
シルヴェストリ初出レパートリー!
ショスタコーヴィチの第8と《コラ・ブルニョン》登場シルヴェストリと翌年には彼が首席指揮者の座に就くことになるボーンマス交響楽団との、1961年のライヴ録音。シルヴェストリのショスタコーヴィチといえばウィーン・フィルとの第5番、モスクワ放送響との第1番、日本でのN響との第1番ライヴ、ルーマニアでの第10番ライヴなどが知られますが、第8番の登場は初めてとなります。 さらに、同時収録の《コラ・ブルニョン》もまた初レパートリーという嬉しい1枚。BBCのアーカイヴからのCD化で、Re:Sound社のポール・ベイリーによる丁寧なリマスタリングにより、モノラルながらシルヴェストリらしい演奏の凄まじさがひしひしと伝わる音に仕上がっています。 -
ブルックナー(1824-1896):
〈オルガン編曲による交響曲全集 Vol. 8〉
交響曲 第8番 ハ短調 WAB 108 [ハンスイェルク・アルブレヒト(オルガン)]BRUCKNER, A.: Symphonies (Organ Transcriptions), Vol. 8 - Symphony No. 8 (H. Albrecht)
発売日:2023年11月24日
NMLアルバム番号:OC484
CD 2枚組価格:2,850円(税込)
2024年のブルックナー生誕200周年に向けての記念企画、全10巻からなるオルガン版ブルックナー交響曲全集第9弾です。このシリーズは指揮者クリスティアン・ティーレマンの後援のもとに進められ、2024年に完結予定です。 番号順に進んで来た当プロジェクトもいよいよ大作第8番に到達。毎回異なるオルガンを使用してきましたが、今回アルブレヒトは、1892年に同作品が初演されたウィーン楽友協会の大ホールにあるオルガンで演奏しています。 ここで用いられたのは1890年に改訂された第2稿。ヘルマン・レヴィに「演奏不可能」とされた初稿をブルックナーが全面的に改訂した稿で、この現在広く演奏されているヴァージョンを、バーゼルでオルガンを学んだ作曲家エベルハルト・クロツが編曲を担当、スケールの大きな音楽をオルガンに移し替えています。 大オルガンといえども一度に鳴らせる音の数と使える音色の多彩さでは巨大なオーケストラに及びませんが、楽曲の構造とモチーフの重要性を吟味した編曲からは、オーケストラでは埋もれがちなモチーフが浮かび出る瞬間もあって意外な発見があります。オルガンならではの魅力が特に活きていると感じるのはアダージョで、崇高で神秘的、瞑想的なたたずまいは深く印象に残ります。 第8番全曲での演奏時間は約92分(18:28/15:07/32:14/25:58)と長大。アルバムの冒頭ではアルブレヒト自身が編曲したモテット「見よ、大いなる司祭を」が高らかに奏されます。 (曲目・内容欄に続く)
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ラフマニノフ(1873-1943):
交響曲 第3番
交響曲 ニ短調「ユース・シンフォニー」
幻想曲「岩」 [レナード・スラットキン(指揮)/セントルイス交響楽団]発売日:2023年11月24日
CD価格:1,950円(税込)
スラットキンとセントルイス響の画期的業績の一つ、ラフマニノフの管弦楽作品全集から交響曲第3番他が24bit/192kHzリマスターによる「VOX AUDIOPHILE EDITION」で復活。先にリリースされていた第2番&ヴォカリーズは『ステレオ』誌上での既発盤との比較で「最も顕著な違いはオーケストラの立体感。前後左右の広がりと距離感が正確で、ステージの奥行きも深みを増す。グロッケンシュピールのようにトゥッティで他の楽器に埋もれやすい楽器の音も鮮明に聴こえるので、管弦楽の演奏効果を熟したラフマニノフならではの工夫が伝わり、演奏に引き込む力が一気に強まる」と高評を得ました。 スラットキンは第3番を2011年にデトロイト響と再録音していますが、全3楽章を通じて演奏時間はほぼ同じで、当盤時点で解釈は熟成の域に達していたことがうかがわれます。 初出時に『レコード芸術』で「広々とした音場の中にオケが展開する。奥行きもとれ、解像度高く、それでいて全体はよく融け合っている。音はしなやかで艶があり、パートの定位ははっきりしていて、歪みや混濁は出ていない」(相澤昭八郎氏の録音評)と高評価を得ました。アナログ・テイストを留めるリマスターによりリフレッシュされた名録音の魅力に浸ることが出来ます。
収録作曲家:
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ラフマニノフ(1873-1943):
交響曲 第1番
交響詩「ロスティスラフ公」 [レナード・スラットキン(指揮)/セントルイス交響楽団]発売日:2023年11月24日
CD価格:1,950円(税込)
スラットキンとセントルイス響の画期的業績の一つ、ラフマニノフの管弦楽作品全集から交響曲第1番他が24bit/192kHzリマスターによる「VOX AUDIOPHILE EDITION」で復活。先にリリースされていた第2番&ヴォカリーズは『ステレオ』誌上での既発盤との比較で「最も顕著な違いはオーケストラの立体感。前後左右の広がりと距離感が正確で、ステージの奥行きも深みを増す。グロッケンシュピールのようにトゥッティで他の楽器に埋もれやすい楽器の音も鮮明に聴こえるので、管弦楽の演奏効果を熟したラフマニノフならではの工夫が伝わり、演奏に引き込む力が一気に強まる」と高評を得ました。 この第1番は初出時に『レコード芸術』で「セントルイス響の名技を生かした明晰な表現が作られている」(小石忠男氏による演奏評)、「広々とした音場の中にオケが展開する。奥行きもとれ、解像度高く、それでいて全体はよく融け合っている。音はしなやかで艶があり、パートの定位ははっきりしていて、歪みや混濁は出ていない」(相澤昭八郎氏の録音評)と高く評価されました。アナログ・テイストを留めるリマスターによりリフレッシュされた名録音の魅力に浸ることが出来ます。
収録作曲家:
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スクロヴァチェフスキ
生誕100年を記念して
モーツァルト:レクイエム
ベートーヴェン:交響曲 第3番「英雄」他 [スタニスワフ・スクロヴァチェフスキ(指揮)/ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団 他]SKROWACZEWSKI, Stanisław: Centennial Tribute (A)
発売日:2023年11月17日
NMLアルバム番号:CDAccordACD266
CD 3枚組価格:5,100円(税込、送料無料)
スクロヴァチェフスキ生誕100年を記念して
母国ポーランドの貴重音源が初CD化!指揮者・作曲家のスタニスワフ・スクロヴァチェフスキの生誕100年(2023年10月3日)を記念して、母国ポーランドのワルシャワ・フィルハーモニーのアーカイヴから1956年の録音が初CD化。正規盤の無かったモーツァルトのレクイエムや若き日の快速テンポによる「英雄」を含む興味深いリリースです。 スクロヴァチェフスキはポーランドのルヴフ(現ウクライナのリヴィウ)に生まれました。4歳でピアノとヴァイオリンを学び始め、特にピアノで目覚ましい才能を発揮して11歳の時にはデビュー・リサイタルを行うほどでしたが、第2次世界大戦中に手にケガを負い、その後は指揮と作曲に専心します。1946年以降はヴロツワフ、クラクフ、カトヴィツェのオーケストラで指揮者を務め、1956年にはローマで行われた国際指揮者コンクールで優勝。2年後にはジョージ・セルの招きでアメリカ・デビューを果たしました。1956年から59年にかけて、ポーランド国内ではワルシャワ・フィルのポストを得て定期的に指揮。ここに収められた2つのコンサートでは世界へ羽ばたく前夜の指揮を聴くことができます。全6曲中、「英雄」を除く5曲にはスクロヴァチェフスキによる正規録音が無かったので貴重なリリースと言えるでしょう。 (曲目・内容欄に続く) -
ニコラウス・アーノンクール
モーツァルト週間へのデビュー・コンサート
交響曲 第34番・第35番
オーボエ協奏曲、《魔笛》序曲 [ニコラウス・アーノンクール(指揮)/アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団/カメラータ・ザルツブルク]発売日:2023年11月17日
CD 3枚組価格:4,050円(税込、送料無料)
モーツァルトの生地に響いた革新の音、
アーノンクールのザルツブルク・モーツァルト週間デビュー・コンサートがCD初登場モーツァルトの生誕200周年にあたる1956年に生地ザルツブルクで始まった音楽祭「モーツァルト週間」は、毎年彼の誕生日(1月27日)前後にオーストリア内外から演奏家を迎えて開催されます。この3枚組のセットでは、CD1にニコラウス・アーノンクールがコンセルトヘボウ管弦楽団を率いて初登場した1980年の演奏を収録。CD2とCD3には2006年の公開リハーサルを収めています。 1980年の演奏は、アクセントの強調、時に極端と思えるテンポ設定、ダンスのステップを思わせるリズムの強調が聴かれ、抑制されたヴィブラートや、荒々しいほどに強奏される金管と打楽器といった、今では珍しくないHIPスタイル。聴衆の拍手は好意的に聞こえますが、『クーリエ』祇には「彼らはモーツァルトのメロディの自然な流れにわざわざ逆らうようなフレージングで演奏した」との批判的な評が載りました。当時はカラヤンやバーンスタインらが名声を極めており、この演奏の3日後には音楽祭にベームが登場して最後の3つの交響曲を指揮しました。後に話題となるアーノンクールとコンセルトヘボウ管の一連のモーツァルト録音はまだ世に出る前で、この演奏は当時の主流や伝統と異なる、非常に挑戦的なものとして響いたことが想像されます。 (曲目・内容欄に続く)収録作曲家:
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ベートーヴェン=リスト:
〈交響曲全集 第3集〉
交響曲 第5番/第2番
(フランツ・リストによるピアノ独奏編 S464/R128) [ガブリエレ・バルドッチ(ピアノ)]LISZT, F.: Beethoven Symphonies (Complete), Vol. 3 - Symphonies Nos. 2 and 5 (Baldocci)
発売日:2023年11月17日
NMLアルバム番号:CDS7994
CD価格:1,950円(税込)
フランツ・リストは25年という長い年月をかけてベートーヴェンの交響曲をすべてピアノ独奏用に編曲しました。これらはオリジナルのスコアを忠実にピアノで再現できるように、きわめて緻密に書かれています。もちろん演奏も至難で、ピアニストは楽器から立体的な響きを紡ぎだすことが要求されます。 マルタ・アルゲリッチの信頼も厚く、幾たびも共演経験を持つイタリアのピアニスト、ガブリエレ・バルドッチがこの全曲録音に取り組んでおり、今回の第3集では第5番と第2番を演奏。しなやかな表現と見事な技巧で聴き手を魅了します。
収録作曲家:
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ミヤスコフスキー(1881-1950):
交響曲 第17番・第20番 [アレクサンドル・ルーディン、ウラル・ユース交響楽団]MYASKOVSKY, N.Y.: Symphonies Nos. 17 and 20 (Ural Youth Symphony, Rudin)
発売日:2023年11月10日
NMLアルバム番号:FUG820
CD価格:2,475円(税込)
モスクワ出身のチェリスト、指揮者アレクサンドル・ルーディンとウラル・ユース交響楽団によるミヤスコフスキー。2つの大戦間の後期、実験的な作風から離れ古典へと寄っていく時期に書かれた2つの交響曲を収録しています。 45分ほどの比較的大規模な中に、不安や焦燥感、重々しさと大きなクライマックスなど、ミヤスコフスキーらしさがふんだんに盛り込まれた傑作第17番。逆に明るさと郷愁に満ちミヤスコフスキーの別の側面を聴くことの出来る25分ほどの第20番。 長年ミヤスコフスキーにこだわり続けてきたというルーディンはウラル・ユース響を自在に操り、繊細さと力強さを併せ持つ力演で作品を内面から描き上げ、その高い完成度に比して不当に知られていないとされるその作品の真価を問います。
収録作曲家:
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ムストネン(1967-):
交響曲 第3番&第2番 [イアン・ボストリッジ(テノール)/オッリ・ムストネン(指揮)/トゥルク・フィルハーモニー管弦楽団]MUSTONEN, O.: Symphonies Nos. 2, "Johannes Angelos" and 3, "Taivaanvalot" (Bostridge, Turku Philharmonic, Mustonen)
発売日:2023年11月10日
NMLアルバム番号:ODE1422-2
CD価格:2,250円(税込)
ボストリッジ参加! ムストネンが世に問う自作交響曲ピアニスト・指揮者として目覚ましく活躍するオッリ・ムストネン。彼は作曲活動にも力を注いでいます。8歳からエイノユハニ・ラウタヴァーラの指導のもとで作曲を学び、いくつかの室内楽作品を書き上げたのち、2010年代の始めから交響曲の作曲にも取り組んでいます。このアルバムには2013年作曲の第2番と2020年作曲の第3番を収録。 ビザンチウムと、古代都市コンスタンティノープル(現在のイスタンブール)からインスパイアされたという交響曲第2番は、聖母マリアと正教会の司教職の紋章にちなんで名づけられた第1楽章「ブラケルナエのバナキア」のハープと弦楽器の神秘的な響きで幕を開け、終楽章で、オスマン帝国によって都市が陥落するまでの情景が描かれています。 交響曲第3番は、フィンランドの国民的叙事詩カレワラの第47章から第49章の物語に基づいており、フィンランド神話のシャーマニズム的な要素が盛り込まれています。 この録音では、声楽パートを初演者イアン・ボストリッジが歌い、ムストネンとの息のあった演奏を聴かせます。
収録作曲家:
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ハイティンク指揮/バイエルン放送交響楽団
ブルックナー(1824-1896):
テ・デウム
交響曲 第8番 [ベルナルト・ハイティンク(指揮)/バイエルン放送交響楽団 他]発売日:2023年10月27日
CD 2枚組価格:2,400円(税込)
ハイティンクとバイエルン放送響、
緻密で壮大なブルックナー第8番が登場ベルナルト・ハイティンクがバイエルン放送交響楽団の定期演奏会にデビューした1958年から65年となる2023/24シーズンを記念して、バイエルン放送収録の音源から2010年のブルックナー:テ・デウムと1993年の交響曲第8番が初CD化。緻密かつ壮大な第8番が特に聴きものです。 ハイティンクのブルックナー:テ・デウムの録音にはコンセルトヘボウ管(1966)とウィーン・フィル(1988)があり(共にPhilips/現Decca)、これが3種目。ブルックナーを得意とする指揮者でも必ずしもこの作品を録音するわけではないので、ハイティンクがこの曲に寄せる格別な思いがうかがわれます。ここでも、作品の壮大さと神秘的な美しさを遺憾なく表現した演奏を展開しています。 しかし、その後に収められた交響曲第8番は、その上をいく聴きもの。ハイティンクの同曲録音には6種があります。コンセルトヘボウ管との1969年盤は速めのテンポを基本としつつも緩急強弱を細かく操作し、後年のハイティンクを知る人が驚くようなアッチェレランドをかけるなどドラマティックな面を強調した演奏ですが、同じオケを振った1981年盤では慌てず騒がずの正攻法による堂々とした演奏が展開され、解釈が完成の域に入ったことが感じられます。そのスタイルはその後の演奏にも一貫し、1995年のウィーン・フィル盤はレコード・アカデミー賞に輝きました。 このバイエルン盤の演奏も基本的に変わりませんが、他の演奏に比べるとわずかながらテンポを落とし、すべての楽想を噛みしめて緻密に抉り出そうとするかのような緻密さを大きなスケール感の中で実現した演奏になっています。 (曲目・内容欄に続く)収録作曲家:
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ピアノ・デュオによる
ベートーヴェン交響曲全集 第4集 [テッサ・アイス(ピアノ)/ベン・スクーマン(ピアノ)]BEETHOVEN, L. van: Symphonies Nos. 1 and 6 / BUSONI, F.: Duettino concertante … (Symphonies, Vol. 4) (Uys, Schoeman)
発売日:2023年10月27日
NMLアルバム番号:SOMMCD0677
CD価格:2,025円(税込)
全6集が予定されているフランツ・クサヴァー・シャルヴェンカの編曲による4手ピアノ版ベートーヴェンの交響曲全集。今回の第4集で取り上げられているのは、交響曲第1番と第6番「田園」です。 編曲をしたシャルヴェンカはポーランド系ドイツの作曲家。彼の兄ルートヴィヒ・フィリップ・シャルヴェンカも作曲家として知られています。シャルヴェンカ兄弟はツェルニーの弟子テオドール・クラクにピアノを師事しており、ここに聴く編曲にはツェルニー直系のピアニズムや、その師ベートーヴェンへの敬意もうかがわれます。 アルバムの余白にはブゾーニによるモーツァルトのピアノ協奏曲を翻案した作品も収録。原曲に華やかな声部を加えた華麗な編曲は聴きものです。 今作も南アフリカのケープタウン出身のピアニスト、テッサ・アイスと、同じく南アフリカ出身のペン・スクーマンによるピアノ・デュオ。このシャルヴェンカ編曲による交響曲全9曲の録音を行うとともに、ロンドンを中心に各地でコンサートを行い好評を得ています。
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ショスタコーヴィチ(1906-1975):
交響曲 第14番 「死者の歌」
5つの断章 [ミッコ・フランク、アスミク・グリゴリアン、マティアス・ゲルネ、フランス放送フィルハーモニー管弦楽団]SHOSTAKOVICH, D.: Symphony No. 14 / 5 Fragments (Radio France Philharmonic, M. Franck)
発売日:2023年10月20日
NMLアルバム番号:ALPHA918
CD価格:2,475円(税込)
ゲルネとフランクによるショスタコーヴィチ第1弾、
グリゴリアン参加の「死者の歌」ドイツの実力派バリトン、マティアス・ゲルネと、ミッコ・フランク指揮フランス放送フィルハーモニー管弦楽団が、ショスタコーヴィチが残したバスと管弦楽のための作品のリリースを開始。 第1弾の交響曲第14番には今世界で最も注目されているソプラノの一人、2022年にはヤナーチェク《イェヌーファ》でレコード・アカデミー賞ビデオ・ディスク部門を受賞し、ノット指揮東京交響楽団による《サロメ》で成功を収めたのも記憶に新しい、アスミク・グリゴリアンが参加しています。深みのある声で低音域も美しく響かせるゲルネと、豊かな声量と艶を持つグリゴリアン、2人の表情が死について歌われたこの作品に奥行きを生み、フランクによるオーケストラの繊細なコントロールと相まって、濃厚な陰影を感じさせる秀演となっています。 今後は交響曲第13番「バビ・ヤール」と、「ミケランジェロの詩による組曲」のリリースを予定。収録作曲家:
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ブルックナー(1824-1896):
交響曲 第1番 ハ短調 WAB 101 ウィーン稿(1891) [レミ・バロー(指揮)/聖フローリアン・アルトモンテ管弦楽団]BRUCKNER, A.: Symphony No. 1 (1891 Vienna revision, ed. G. Brosche) (Altomonte Orchester St. Florian, Ballot)
発売日:2023年10月20日
NMLアルバム番号:Gramola99283
SACD-Hybrid価格:2,550円(税込)
リンツ大聖堂のオルガニストとして働いていたブルックナーが、オルガン演奏と並行して1865年から作曲を開始、翌年に完成、1868年に初演された「交響曲第1番」。彼は初演後に幾度かの改訂を行っていますが、交響曲第8番完成・改訂後の1890年から1891年にかけて大規模な改訂を行いました。これは初期の作品をもう一度演奏したいという指揮者ハンス・リヒターの要請によるものとされ、この稿の初演は1891年12月13日にリヒターが指揮するウィーン・フィルハーモニーが行っています。番号こそ「第1番」であるものの、改訂されたのが晩年であることもあり、同じ主題を持ちながらも曲の様式は1877年改訂のいわゆる「リンツ稿」とは随分変化しており、洗練された作風から生まれた響きは朴訥さよりも濃厚なものになっています。 聖フローリアン修道院教会の長く美しい残響を活かしたテンポ設定による雄大な演奏を高音質で存分にお楽しみいただけます。
収録作曲家:
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ペンデレツキ(1933-2020):
交響曲 第6番 「中国の歌」
トランペット・コンチェルティーノ [ダヴィド・ゲリエ(トランペット)/アレクサンドラ・クルス(ヴァイオリン)/ヤロスラフ・ブレンク(バス・バリトン)/チェ・ハヨン(チェロ)/シン・シャオリン(二胡)/アントニ・ヴィト(指揮)/ノールショピング交響楽団]PENDERECKI, K.:Symphony No. 6, "Chinese Songs" / Trumpet Concertino / Concerto doppio (Brek, Hsiao Ling Hsin, Guerrier, Kuls, Hayoung Choi, A. Wit)
発売日:2023年10月13日
NMLアルバム番号:8.574050
CD価格:1,600円(税込)
ペンデレツキの交響曲第6番は、バス・バリトンと小オーケストラのための作品。ハンス・ベトゲがドイツ語に翻案した「中国の詩」を用いた8楽章で構成されており、要所要所に二胡のソロが挿入されています。第6番と附番されていますが、長い間スケッチのみが知られていたものを、第8交響曲『はかなさの歌』を完成させた後の2008年再度とりあげ、およそ9年の歳月をかけて完成させた、実質ペンデレツキ“最後の交響曲”となります。ベトゲの詩から想起するのはマーラーの「大地の歌」ですが、この交響曲はまさにマーラー風の響きを持つ後期ロマン派の作風に倣ったもの。哀愁を帯びた旋律が耳に残ります。 2012年のヴァイオリンとヴィオラのための二重協奏曲(この演奏はチェロとヴァイオリン)と2015年のトランペット協奏曲は新古典派風の活発な作品。トランペット協奏曲でソロを吹くダヴィド・ゲリエは2003年ミュンヘン国際コンクール・トランペット部門で1位受賞。2004~2009年フランス国立管弦楽団、2009~2010年ルクセンブルク・フィルのソロ・ホルン奏者を務めたトランペットとホルン二刀流の名手。ここでは超絶技巧を駆使した素晴らしいトランペットを披露しています。
収録作曲家:
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ラフマニノフ(1873-1943):
ピアノ協奏曲 全集
前奏曲集/ユース・シンフォニー[3枚組 BOX] [アンナ・フェドロヴァ、モデスタス・ピトレナス、ザンクト・ガレン交響楽団]発売日:2023年10月13日
CD 3枚組価格:4,425円(税込、送料無料)
2023年は生誕150年没後80年、フェドロヴァによるラフマニノフがBOX化!ウクライナのキーウ出身、2009年のルービンシュタイン国際ピアノ・コンクールでの優勝を始め、オランダを中心に世界的に活躍し数度の来日公演でも素晴らしい演奏を聴かせているアンナ・フェドロヴァ。彼女が完成させたラフマニノフのピアノ協奏曲全集がBOXで登場します。 フェドロヴァのラフマニノフといえば、YouTubeにアップされている2013年9月アムステルダム・コンセルトヘボウでの協奏曲第2番のライヴ映像が、10年間で4000万回近く再生されているというから驚きです。今回の一連の録音では比較的ゆったりとしたテンポを取っており、表情をダイナミックに付けていくピアノと大きくうねるようなオーケストラとの絡みが、作品の持つ叙情性と力強さを十二分に引き出しています。 2023年現在、ロシアの侵攻による母国の現状に深く心を痛めるフェドロヴァは「今は多くの人がロシア音楽の演奏を控えようとしていますが、ラフマニノフを演奏することは私にとって重要なのです。それはその音楽が美しさと力強さ、感動に満ちたものであるとともに、彼自身がロシアという国家に圧力を受けた被害者であったからです」と語ります。 セット化にあたり組替えが行われており、第1番からパガニーニ狂詩曲までが作曲順に収められているのも嬉しいところ。組み合わせて収録されていた前奏曲と「ユース・シンフォニー」も収録されておりますが、第3番と一緒に収録されていたシルヴェストロフの「使者」は、今回収録されておりません。
収録作曲家:
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C・クライバー指揮/バイエルン国立管弦楽団
ベートーヴェン(1770-1827):
交響曲 第4番・第6番・第7番[LP 3枚組] [カルロス・クライバー(指揮)/バイエルン国立管弦楽団]発売日:2023年10月13日
LP 3枚組原盤解説日本語訳を添付価格:9,000円(税込、送料無料)
バイエルン国立管弦楽団創立500周年記念!
カルロス・クライバーが指揮したベートーヴェン交響曲のライヴ録音のLPが復活!「ここでカルロス火を吹いた」のキャッチコピーと共にLP末期にORFEOから登場したクライバーのベートーヴェン第4番は大きな話題となりました。当時、クラシック音楽通の間でベートーヴェンの交響曲第4番は、シューマンの言葉を引用して「北欧神話の二人の巨人(第3番と第5番)にはさまれたギリシャの乙女」のイメージで語られることが多かったのですが、クライバーが聴かせた第4番の演奏は強烈な推進力とはち切れんばかりの躍動感で息もつかせぬ演奏となっていて、曲のイメージを一新してしまうほどの力がありました。また、クライバーの指揮に同化して渾身の演奏を展開するバイエルン国立管弦楽団も強烈な印象を残しました。その後、同じ日の音源から第7番がリリースされ、更に別の日に収録された第6番も登場し、いずれもロングセラーとなっています。 ORFEOでは、2023年がバイエルン国立管弦楽団の500周年にあたることから、2015年にLPのセットでリリースした際のマスターを使って再生産。広瀬大介氏による原盤解説日本語訳を添付してお届けいたします。 ※輸入盤につき、外装に多少のへこみやこすれ、盤面にも若干のスレ傷などがある場合があります。再生に支障のない場合は交換の対象外とさせていただきます。収録作曲家:
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シュターミッツ(1745-1801):
協奏交響曲集 [ポール・メイエ(指揮・クラリネット)/ハンス=ペーター・ホフマン(ヴァイオリン)/ロベルト・コルン(ヴァイオリン)/クリストフ・エーベルル(チェロ)/マンハイム・プファルツ選帝侯室内管弦楽団]発売日:2023年10月06日
CD価格:2,475円(税込)
ポール・メイエが指揮するカール・シュターミッツの協奏交響曲集18世紀ドイツ、プファルツ選帝侯カール4世フィリップ・テオドールの宮廷楽団で活躍した作曲家たちによる“マンハイム楽派”。この中心人物の一人であったカール・シュターミッツ(マンハイム楽派の創始者とされるヨハンの息子)は多数の交響曲や協奏曲を残しましたが、バロックの合奏協奏曲に倣った「協奏交響曲」も40曲近く残しています。これらは少なくとも2人のソリストがオーケストラと対峙するのが特徴で、トゥッティ(総奏)とソロのセクションが並置されているものの、通常の協奏曲よりはトゥッティの部分が大きな割合を占めています。 カール・シュターミッツの作品はたいてい3楽章で構成されており、ヴァイオリンとチェロが独奏を務めるものが多いのですが、中には7つの楽器をソロとしている曲もあります。これらのほとんどは1770年代にパリで書かれ、印刷されました。前2作のクラリネット協奏曲集(555053、555415)に引き続き、ポール・メイエが2019/20シーズンより首席指揮者を務めるマンハイム・プファルツ選帝候室内管弦楽団とともに他の独奏者を交え伸びやかな演奏を聴かせます。 また協奏曲第9番では第2楽章のヴァイオリン・ソロ・パートを代替え可能とされているクラリネットで演奏。名技を披露しています。
収録作曲家:
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カウン(1863-1932):
〔交響的作品集〕
交響曲 第3番 ホ短調 Op.96
交響詩「ミネハハ」 /交響詩「ハイアワサ」 [ジョナサン・シュトックハンマー(指揮)/ベルリン放送交響楽団]発売日:2023年10月06日
CD価格:2,475円(税込)
ヒューゴ(フーゴ)・カウンは1863年、ベルリン生まれの作曲家。地元で音楽を学んだ後1886年にアメリカ大陸に渡り、当時ドイツ系のコミュニティがあったミルウォーキーに居を構えました。この地で合唱指揮者、作曲家として活動するとともに、音楽学校でも教鞭を執り、多くの後進を育てました。1900年初頭にはドイツに帰国、ベルリンで教職に就きます。その後はベルリンに定住し1912年にはプロイセン芸術アカデミー会員に任命されました。 このアルバムにはロングフェローが1855年に発表した叙事詩「ハイアワサの歌」から題材をとった2つの交響詩が収録されています。「ミネハハ」はドヴォルザークの「新世界より」第3楽章のLargoのようにイングリッシュホルンの旋律で始まりますが、すぐにワーグナー風の半音階的な旋律へと移っていきます。「ハイアワサ」は伝説的な英雄をネイティヴ・アメリカンの旋律を用いて描いています。交響曲第3番は1913年に作品。1914年に初演された後人気を博し、プフィッツナーやフルトヴェングラーもこの曲を演奏したとされています。
収録作曲家:
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ハイドン(1732-1809):
交響曲 第6番「朝」
第7番「昼」/第8番「晩」
グルック(1714-1787):
精霊の踊り [ステファン・プレフニャク、ヴェルサイユ王室歌劇場管弦楽団]発売日:2023年10月06日
CD価格:2,475円(税込)
マリー=アントワネットを描いたバレエ音楽として生まれ変わった、傑作の響き後に「交響曲の父」と綽名されることになるハイドンが若い頃、長く仕えることとなったエステルハージ侯爵家に来て間もなく宮廷催事のために書いた3連作の交響曲「朝・昼・晩」。さまざまな楽器のソロを含む聴きどころ満載の物語性豊かなこの傑作は、同じオーストリアの音楽史を舞台音楽の領域で大いに盛り上げたグルックの改革オペラ第1作《オルフェオとエウリディーチェ》とほぼ同時期に生まれました。 フランス南西部ビアリッツに拠点を置くバレエ・カンパニー「マランダン・バレエ・ビアリッツ」を率いるティエリー・マランダンは、後年フランス王室に迎えられフランス王妃となった元オーストリア公女のマリー=アントワネットを描いた新作バレエのため、この3連作交響曲とグルックのオペラからの抜粋を音楽として選択。刺激に満ちたステージを彩った選曲をそのまま、ほかでもないアントワネット妃の本拠にもなったヴェルサイユ宮殿を舞台に古楽器演奏で録音したアルバムの登場です。 エステルハージ侯爵邸での交響曲演奏では使われなかったとも言われるチェンバロも、ここでは当時の一般的な演奏習慣に倣って導入。その響きも絶妙な効果をあげる中、近年カウンターテナー歌手ヤクプ・ヨゼフ・オルリンスキとの共演でも注目されているポーランドの気鋭古楽指揮者ステファン・プレフニャクが全編にわたりメリハリの利いたスリリングな演奏解釈を聴かせ、ハイドンとグルックの綴った作品の造形美を隅々まで堪能させてくれます。 バレエとは別に音楽だけで鑑賞する甲斐のある充実録音です。
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ヤコブ・ブキャナン:
SONG & WIND
スカンジナビア半島のシンフォニック・ジャズ [オーフス・ジャズ・オーケストラ/ヤコブ・ブキャナン(フリューゲルホルン)/マリリン・マズール(パーカッション)/カーステン・セイエ=ハンセン(指揮)/コペンハーゲン・ロイヤル・チャペル合唱団]発売日:2023年09月22日
CD価格:2,175円(税込)
1960年代後半から国際的な脚光を浴びる北欧ジャズ。正統派のジャズやアンビエントのスタイルに北欧の民俗音楽の要素を加えた、温かさと透明感が共存するサウンドが魅力です。 このアルバムは、デンマーク有数のジャズ・トランペッター&フリューゲルホルン奏者ヤコブ・ブキャナンの新作「SONG&WIND」を収録。オーフス・ジャズ・オーケストラとコペンハーゲン・ロイヤル・チャペル合唱団の歌声が融合した美しい響きに、マズールのパーカッションがアクセントを加えた心地良い音楽です。
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クララ、ロベルト、ヨハネス
ロマンスと対位法
シューマン 交響曲 第4番
クララ・シューマン 「ロマンス」
ブラームス 交響曲 第4番 ほか [アレクサンダー・シェリー、ナショナル・アーツ・センター管弦楽団、スチュワート・グッドイヤー、アンジェラ・ヒューイット、川崎洋介]発売日:2023年09月22日
CD 2枚組価格:3,975円(税込、送料無料)
シェリー指揮NAC管によるシューマン夫妻とブラームス完結編、
アンジェラ・ヒューイットも参加!それぞれ4曲あるシューマンとブラームスの交響曲を第1番から1曲ずつとクララ・シューマンの作品を収録し、3人の親密な関係を紐解こうという企画の第4弾にして完結編。ディスク1枚目にはロベルトがクララの誕生日に贈った交響曲第4番と、クララによる「ロマンス」を収録。2枚目にはブラームスがバッハを始めとしたバロック以前の作品研究の成果を巧みに盛り込み昇華した交響曲第4番と、バッハを手本に対位法を駆使したクララのピアノ作品を収録しています。 アレクサンダー・シェリーとナショナル・アーツ・センター管によるこれら2つの交響曲は、速めのテンポ設定と力強さ、隅々までよく歌いメリハリの効いた表現がたいへん効果的な充実した演奏。クララの室内・器楽作品には前作同様スチュワート・グッドイヤーが参加してリリカルなピアノを聴かせてくれるほか、ラストにはクララをテーマにした美しい即興も披露しています。 また作品22には名手アンジェラ・ヒューイットが登場、ここでは川崎洋介のヴァイオリンによく寄り添い、情感あふれる表現で作品のロマン性をよく引き出しています。 -
ベルリオーズ(1803-1869):
劇的交響曲「ロメオとジュリエット」 (抜粋)
スクリャービン (1872-1915):
法悦の詩 [ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー、BBC交響楽団、BBC交響合唱団、ロンドン交響楽団]BERLIOZ, H.: Roméo et Juliette / SCRIABIN, A.: Poème de l'extase (Le) (BBC Symphony Chorus and Orchestra, London Symphony, Rozhdestvensky)
発売日:2023年09月22日
NMLアルバム番号:ICAC5172
CD価格:1,950円(税込)
瞠目! ロジェストヴェンスキー2つの初出音源登場2018年に亡くなったロシアの巨匠ゲンナジー・ロジェストヴェンスキーは、自国の音楽の優れた解釈者であると同時に、ロシアを超えて広くレパートリーを求め続けたことでも知られますが、今回BBCのアーカイヴから登場する2つの初出レパートリーは、国や時代の異なる作品に対応する彼の高い音楽性と統率力を堪能出来る内容となっています。 ロジェストヴェンスキーのベルリオーズといえば、1971年レニングラード・フィルとのロンドンでの爆演を始めとした数種類の「幻想交響曲」が有名ですが、ここにハイライトとは言え、大作「ロメオとジュリエット」が登場することはたいへん喜ばしいことと言えるでしょう。「幻想」からさらに磨きを掛けた絢爛豪華なオーケストレーションの妙を存分に発揮させ、BBC響を自在に操った細部のコントロールと力の解放はロジェストヴェンスキーの面目躍如。 その5年前のライヴとなるロンドン響とのスクリャービンも、自国で生まれた革新的な作品への深い理解と表現意欲をひしひしと感じる熱量の高いものとなっています。ライヴの音場感をよく伝え、レンジも広く見透しのクリアなポール・ベイリーによるリマスターも、この演奏の素晴らしさを十二分に伝えています。
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エイドリアン・ボールト指揮
ホルスト:惑星
ヴォーン・ウィリアムズ:南極交響曲
ウォルトン:交響曲 第1番
バターワース:青柳の堤 ほか [エイドリアン・ボールト、BBC交響楽団、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団]HOLST, G.: Planets (The) / WALTON, W.: Sinfonia antartica / VAUGHAN WILLIAMS, R.: Symphony No. 1 (BBC Symphony Orchestra, London Philharmonic, Boult)
発売日:2023年09月22日
NMLアルバム番号:ICAC5173
CD 2枚組価格:3,000円(税込、送料無料)
ボールト最後の公開公演における「南極交響曲」初登場!英国管弦楽作品集2023年に没後40年を迎えたエイドリアン・ボールトが英国管弦楽の名作を指揮したライヴ音源が、BBCのアーカイヴより新リマスターで登場します。 中でも目玉は、彼が公開で行った最後のオーケストラ・コンサートである1977年の「南極交響曲」の初発売。「デイリー・テレグラフ」紙において、音楽評論家でもあった作曲家アンソニー・ペインにより「素晴らしい解釈」と絶賛されたこの公演は、余力を残して公開の場を退いた巨匠の到達点と言っても差し支えないでしょう。併せてホルストの「ハマースミス」「フーガ風序曲」といった小品の初登場も嬉しいところです。なお、『惑星』も2013年にBBC Music Magazineの付録としてCD化されたのみの貴重なもの、ウォルトンの交響曲第1番はCarlton BBC Radio Classicsで出ていたものと同一の演奏となっています。 ボールトが初演を行った『惑星』や、ウォルトンでの作品のツボを心得た大管弦楽の鳴らしぶりと細やかな統率力はもちろん、バターワースの美しい小品で聴かせる作品を深く慈しむような、紳士的でいて奥深い表現力も大きな聴きどころ。世界中のヒストリカル録音ファンから絶大の信頼を得るポール・ベイリーによる丁寧な新リマスタリングで、いずれの音質も大幅に向上しています。
収録作曲家:
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村川千秋(指揮)/山形交響楽団
シベリウス(1865-1957):
交響曲 第3番
カレリア組曲
「フィンランディア」 [村川千秋(指揮)/山形交響楽団]SIBELIUS, J.: Symphony No. 3 / Karelia Suite / Finlandia (Yamagata Symphony, Chiaki Murakawa)
発売日:2023年09月22日
NMLアルバム番号:MYCL-00045
SACD-Hybrid国内盤価格:3,520円(税込、送料無料)
高らかに鳴り響く魂のシベリウス!
巨匠・村川千秋と山形交響楽団による記念碑的アルバム。山形交響楽団の創立者で今年90歳を迎える巨匠、村川千秋と同楽団の初CDが遂に登場です。当録音は、山形交響楽団の創立50周年記念となる第300回定期演奏会と、村川千秋の90歳を祝ったやまぎん県民ホールでの公演の記念碑的なライヴ・レコーディングです。 50年前村川が種を蒔き山形県民によって愛され育った山形交響楽団。収録曲は村川千秋が最も大事にするレパートリーであるシベリウス。情熱の漲る村川のタクトによって、山形の自然を想起させる壮大で豊かなシベリウスの音楽が威風堂々奏でられます。温かみのある美しい弦楽器、色彩豊かなソロイスティックな木管楽器、力強く輝かしい金管、打楽器セクション。日本の地方オーケストラの雄へと成長した、現在の充実した山響のサウンドが堪能出来ます。 村川千秋が自身を捧げ、心血を注ぎこんできた山響とシベリウス。次の未来へと繋ぐ決意漲る魂のハーモニーです。収録作曲家:
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シューマン 41/51
野生的なフロレスタンと穏やかなオイゼビウス
2つの交響曲第4番 [ジョン・アクセルロッド(指揮)/ブカレスト交響楽団]SCHUMANN, R.: Symphony No. 4 (1841 and 1851 versions) (Schumann 41/51: Florestan and Eusebius) (Bucharest Symphony, Axelrod)
発売日:2023年09月22日
NMLアルバム番号:ORC100257
CD価格:1,950円(税込)
シューマンの交響曲第4番は1841年の初稿と1851年の改訂版、2つのヴァージョンの存在が知られています。クララと結婚した1841年に書かれたニ短調交響曲(初稿)は、シューマン自身は作品に自信を持っていたものの、初演時に成功を収めることがなく、出版は見送られてしまいました。 10年後の1851年、シューマンはオーケストレーションなどの変更を行い、また楽章も切れ目なく続けて演奏されるように改訂。1853年にシューマン自身の指揮で初演され、翌年出版。一方初稿は、シューマンの死後ブラームスが編集を行い、クララの反対意見を受けながらも楽譜を1891年に出版しました。 現在ではもっぱら1851年の改訂版が演奏されますが、このアルバムでは2つのヴァージョンを演奏。シューマン自身の言葉によると「野生的なフロレスタン(初稿)と穏やかなオイゼビウス(改訂版)」ほどに違うという各々の作品を、2022年からブカレスト交響楽団の首席指揮者を務めるジョン・アクセルロッドが掘り下げます。
収録作曲家:
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アブラヴァネル指揮/ユタ交響楽団
チャイコフスキー(1840-1893):
交響曲 第3番「ポーランド」
幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」 [モーリス・アブラヴァネル(指揮)/ユタ交響楽団]発売日:2023年09月22日
CD価格:1,950円(税込)
アブラヴァネル生誕120年&没後30年、ユタ響とのチャイコフスキー復刻第5弾ピアノ協奏曲第1番やバレエ音楽「白鳥の湖」と相前後して書かれた交響曲第3番は、長調で始まる5楽章構成というチャイコフスキーの交響曲としては例外的な作品です。アブラヴァネルの明晰な指揮は、民族舞曲の要素を的確に打ち出しつつ、各楽章をくっきりと性格づけており、オケの明るめのサウンドと相まって楽しめる録音になっています。 「フランチェスカ・ダ・リミニ」は、ややもすれば重苦しく晦渋になりがちな曲ですが、アブラヴァネルとユタ響は曲のドラマ的な展開を明瞭に音にしてゆき、クライマックスでは壮絶なサウンドを聴かせます。混濁の少ない広々とした音場の中に、金管・木管がクリアかつ自然に立ち現れる録音が大きな効果を挙げています。 *ブックレットには初出時のジャケット写真と原盤解説が掲載されています。
収録作曲家:
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アブラヴァネル指揮/ユタ交響楽団
チャイコフスキー(1840-1893):
マンフレッド交響曲
スラヴ行進曲 [モーリス・アブラヴァネル(指揮)/ユタ交響楽団]発売日:2023年09月22日
CD価格:1,950円(税込)
アブラヴァネル生誕120年&没後30年、ユタ響とのマンフレッド交響曲登場!チャイコフスキーの交響曲全集を作る時にこの曲を除外する指揮者は少なくありませんが、アブラヴァネルとユタ響の録音はこの曲のファンにとって嬉しい贈り物と言えるでしょう。 アブラヴァネルの解釈と指揮は楽曲の構造と音楽の展開をわかりやすく伝える点で「啓蒙的」と呼びたくなるようなもの。ここでも緩急の巧みな推移によってドラマの展開をわかりやすく伝えてくれます。同時にチャイコフスキーが用いた様々な管楽器のサウンドを誇張なくクリアに捉え、広い音場の中に再現する録音も見事で、これが50年前のものと知って感心する人は多いでしょう。緩やかな歌と巧みなテンポアップとの対比は「スラヴ行進曲」で一層の効果を挙げています。 *ブックレットには初出時のジャケット写真と原盤解説が掲載されています。
収録作曲家:
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ブルックナー(1824-1896):
〈オルガン編曲による交響曲全集 Vol. 7〉
交響曲 第7番 ホ長調 WAB 107 [ハンスイェルク・アルブレヒト(オルガン)]BRUCKNER, A.: Symphonies (Organ Transcriptions), Vol. 7 - Symphony No. 7 (H. Albrecht)
発売日:2023年09月15日
NMLアルバム番号:OC483
CD価格:2,250円(税込)
2024年のブルックナー生誕200周年に向けての記念企画、全10巻からなるオルガン版ブルックナー交響曲全集第8弾です。このシリーズは指揮者クリスティアン・ティーレマンの後援のもとに進められ、2024年に完結予定です。 番号順に進んで来た当プロジェクトもいよいよ第7番に到達。毎回異なるオルガンを使用してきましたが、今回は第7番初演の地ライプツィヒでの収録です。 オルガン編曲はシリーズの常連エルヴィン・ホルン。前半2楽章は美しく息の長い旋律に満ちていますが、第1楽章では壮大さよりも敬虔さを、ワーグナー追悼が込められた第2楽章では詠嘆よりも瞑想や祈りを強く感じさせます。スケルツォの迫力と、対位法的に手の込んだフィナーレは、前半とは違ったオルガンの特性が活かされたダイナミックな演奏。録音会場となったのは、1981年に落成したホールに備えられた6638本のパイプを持つポツダム・シュッケ社のパイプオルガン(東ドイツ時代に作られた最大のオルガン)で、その壮麗な響きも聴きどころです。 このシリーズでは「ブルックナー・フェンスター=ブルックナーの窓」と称して、ブルックナーの音楽にインスピレーションを得た新作も収録しています(Vol.5では収録時間の関係で配信のみ)。ここではVol.0とVol.4にも登場したドイツの作曲家フィリップ・マインツによるコラール前奏曲「テ・デウム」を収録。交響曲第7番の素材を用いた重厚な作品です。最初に置かれた前奏曲は1884年の作品。ブルックナーがワーグナー没後1周年のバイロイト音楽祭に赴いた際、意気投合したペルクの革職人ディルンハーファーの依頼により作曲された27小節の短いオルガン曲で、ハ長調に基づきつつ半音階の使用が目立つワーグナー風の音楽です。
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ラフ(1822-1882):
交響曲 第5番 「レノーレ」 [ウルス・シュナイダー(指揮)/スロヴァキア国立コシツェ・フィルハーモニー管弦楽団]RAFF, J.: Symphony No. 5, "Lenore" / Ein feste Burg ist unser Gott (Slovak State Philharmonic, Košice, U. Schneider)
発売日:2023年09月08日
NMLアルバム番号:8.555541
CD価格:1,600円(税込)
ヨアヒム・ラフが書いた10曲以上の交響曲の中で、最も人気を博したのが1872年に作曲された交響曲第5番。「レノーレ」の副題を持つこの作品は、ゴットフリート・アウグスト・ビュルガーが三十年戦争を題材にして書いたバラード『レノーレ』に基づいたもので、戦争によって引き裂かれた恋人たちの悲劇が音楽で描かれています。ワーグナーを思わせる愛の情景描写や勇壮な行進曲、全てを締めくくる長大な終楽章など聴きどころの多い作品です。 末尾に収録された序曲「われらが神は堅き砦」は1865年の作品。ハンス・フォン・ビューローに捧げられており、こちらも三十年戦争に関連しています。ゆったりとした序奏に導かれ、有名なルターの賛美歌が木管楽器で奏されます。そして旋律は次々と展開し、最後は高らかに勝利が歌われます。
収録作曲家:
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ショスタコーヴィチ(1906-1975):
交響曲 第5番・第9番 [ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン(指揮)/香港フィルハーモニー管弦楽団]SHOSTAKOVICH, D.: Symphonies Nos. 5 and 9 (Hong Kong Philharmonic, van Zweden)
発売日:2023年09月08日
NMLアルバム番号:8.574549
CD価格:1,600円(税込)
マーラーとショスタコーヴィチの「交響曲第10番」に続く香港フィルハーモニー管弦楽団とヤープ・ヴァン・ズヴェーデンの新録音はショスタコーヴィチの2つの交響曲です。 収録されているのは第5番と第9番。2012年よりオーケストラの音楽監督を務めるズヴェーデンはかつて香港ポスト誌のインタヴューで「オーケストラはカメレオンのようでなければならないと考えます」と語ったように、このアルバムでもオーケストラの高い機能性を用い、性格の異なる2つの交響曲(重厚、複雑な第5番、かたや新古典的な様式を持つ軽妙な第9番)を鮮やかに描きわけ、ショスタコーヴィチの多面性を際立たせています。
収録作曲家:
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〈HAYDN 2032〉
Vol.9 別れのとき[LP 2枚組]
ハイドン(1732-1809):
交響曲 第35番・第45番・第15番
ベレニーチェの告別の場面 [ジョヴァンニ・アントニーニ、イル・ジャルディーノ・アルモニコ、サンドリーヌ・ピオー]発売日:2023年09月08日
2LP+1CD+ハイレゾDL価格:5,250円(税込、送料無料)
交響曲全曲録音第9巻がアナログに!
「別れ」をテーマにした厳選3曲、ピオーが歌うハイドン晩年の稀少声楽曲入りイタリアの古楽器合奏団イル・ジャルディーノ・アルモニコを主宰するジョヴァンニ・アントニーニが、この団体とバーゼル室内管弦楽団を指揮して進める交響曲全曲録音シリーズHAYDN 2032。作曲家の生誕300周年までの完成をめざし名演が次々現れるプロジェクトですが、第9弾のテーマは「別れ」。 旅立ちや人生の転機が何かしら作品成立の背景にあった3曲の交響曲のうち、中軸を占めるのはやはり「告別」の綽名で知られる第45番。疾風怒濤期特有のスリリングな短調展開がクライマックスに達したところで突如ゆったり始まる各楽器のソロ部分は、名手揃いのこの楽団だからこその頼もしさで、最後まで聴きどころに事欠かない精妙解釈を味わえます。 エステルハージ宮廷楽団着任後まもなく書かれた第15番、ニコラウス侯の人生に大きな影響を及ぼした旅からの帰還を祝う第35番も、それぞれダイナミックかつスタイリッシュな逸品。最後の交響曲第104番とともに、ハイドンのロンドン滞在の末尾を飾った演奏会で披露された独唱曲は、贅沢にも名歌手ピオーの歌で聴くことができます。 発見に満ちた77分あまりを彩る、最新の研究成果が反映された解説(仏、英、独語)も充実の内容です。収録作曲家: