シルヴェストロフ(ヴァレンティン) Silvestrov, Valentin
生没年 | 1935- | 国 | ウクライナ |
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辞書順 | 「シ」 | NML作曲家番号 | 17722 |
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ラフマニノフ(1873-1943):
ピアノ協奏曲 第3番
シルヴェストロフ(1937-):
使者 [アンナ・フェドロヴァ、モデスタス・ピトレナス、ザンクト・ガレン交響楽団]発売日:2023年04月28日
CD国内仕様 日本語解説付き価格:3,300円(税込、送料無料)
フェドロヴァによるラフマニノフのピアノ協奏曲全集完結、
母国の巨匠シルヴェストロフによる「使者」も収録!ウクライナのキーウ出身、2009年のルービンシュタイン国際ピアノ・コンクールでの優勝を始め、オランダを中心に世界的に活躍するアンナ・フェドロヴァによるラフマニノフの協奏曲第3番が登場。第1番と「パガニーニ狂詩曲」を収録した第1弾(CCS42620)、第2番と第4番を収録した第2弾(CCS42522/NYCX-10338)に続き、ラフマニノフのピアノ協奏曲全集がこれで完結となります。 併せて、若きラフマニノフによる交響曲の断章と、ウクライナの巨匠シルヴェストロフによる「使者」を収録。共演はこれまでと同様、リトアニアの指揮者モデスタス・ピトレナスと、彼が首席指揮者を務めるスイスのザンクト・ガレン交響楽団となっています。 ロシアの侵攻による母国の現状に深く心を痛めるフェドロヴァは「今は多くの人がロシア音楽の演奏を控えようとしていますが、ラフマニノフを演奏することは私にとって重要なのです。それはその音楽が美しさと力強さ、感動に満ちたものであるとともに、彼自身がロシアという国家に圧力を受けた被害者であったからです」と語ります。今回もゆったりとしたテンポを採用し、作品が持つ抒情性と力強さをオーケストラと共に、美しくもダイナミックに歌い上げています。シルヴェストロフによる「使者」は弦楽とピアノのため版も存在しますが、ここにはピアノ独奏のための版を収録。憧憬を湛えた美しいメロディが終始静かに続くこの作品を、フェドロヴァは慈しむように奏で、祈るように終えています。 -
シルヴェストロフ(1937-):
ラリッサに捧げるレクイエム [プリツカ・エーザー(ソプラノ)/ユッタ・ノイマン(アルト)/アンドレアス・ヒルトライター(テノール)/ヴォルフガング・クローゼ(バス)/ミヒャエル・マンタイ(バス)/アンドレス・ムストネン(指揮)/バイエルン放送合唱団/ミュンヘン放送管弦楽団]SILVESTROV, V.: Requiem für Larissa (Bavarian Radio Chorus, Munich Radio Orchestra, A. Mustonen)
発売日:2022年09月30日
NMLアルバム番号:900344
CD国内仕様 原盤解説・歌詞の日本語訳付き価格:3,300円(税込、送料無料)
シルヴェストロフ生誕85周年。
キーウの姉妹都市ミュンヘンの合唱団による演奏をCD化ウクライナのキーウ(キエフ)に生まれたシルヴェストロフ。「キエフ・アヴァンギャルド」の一員として前衛的な作品を発表し、ソ連時代には演奏を禁じられたこともありますが、1970年代には調性感のある、穏やかな曲想の音楽に転じ、近年はじわじわと人気を広げて来ました。シルヴェストロフはかつて自身が取り組んだ前衛音楽を音楽史の終着点とし、近年の自身の作品を「音楽史が尽きた後に鳴り響く音楽」と位置付けています。 この「レクイエム」は、1996年に音楽学者で文学者でもあった妻ラリッサ・ボンダレンコに先立たれたシルヴェストロフが3年をかけて完成させた作品。全7章からなり、ラテン語のレクイエムの断片を歌詞としつつ、中央の楽章ではウクライナの国民的詩人タラス・シェフチェンコの詩「夢」が引用されています。 最愛の人を悼んで書かれたこのレクイエムの特徴は、多くの作曲家が激烈な音楽を付けてドラマティックに描いた神による裁きの場面が無いこと。時に甘美な回想をまじえつつ、60分余りをかけてゆるやかに起伏する悲しみと哀悼の音楽は、亡き人の魂の平安を願いつつ、残された人の心を慰めるかのようです。 2022年2月にロシアがウクライナに侵攻すると、キーウにいたシルヴェストロフは知人らの働きかけによって避難し、3月上旬にドイツに移りました。この録音は、キーウの姉妹都市ミュンヘンから、シルヴェストロフ85歳の記念としてリリースされるものです。 指揮のアンドレス・ムストネンはエストニアのタリンに生まれ、中世音楽や中近東の音楽、バロック、古典派から現代音楽まで演奏。特にトゥール、ペルト、グバイドゥーリナ、ペンデレツキの作品に熱心に取り組んでいます。ここでは合唱団とオーケストラから繊細で緻密な響きを引き出し、作品を織り上げています。 ※国内仕様盤には原盤解説及び歌詞の日本語訳が付属します。収録作曲家:
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ウクライナのピアノ五重奏曲集
リャトシンスキー/シルヴェストロフ/ポレーヴァ [ボグダナ・ピヴネンコ(ヴァイオリン)/タラス・ヤロブード(ヴァイオリン)/カテリーナ・スプルン(ヴィオラ)/ユーリー・ポゴレツキー(チェロ)/イリーナ・スタロドゥブ(ピアノ)]Piano Quintets (Ukrainian) - LYATOSHINSKY, B.M. / SILVESTROV, V. / POLEVA, V.V. (Pivnenko, Yaropud, Suprun, Pogoretskyi, Starodub)
発売日:2022年08月12日
NMLアルバム番号:8.579098
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,200円(税込)
近現代ウクライナの3人の作曲家によるピアノ五重奏曲集。 リャトシンスキーは1920年代に登場した「新世代ウクライナ作曲家グループ」の一人。初期こそスクリャービンの影響を受けた調性感の希薄な作品を書いていましたが、やがて国民楽派の伝統に則った愛国的な作品にも取り組みます。この五重奏曲も優美な旋律を持つ美しい作品。第2楽章の憂愁に満ちた雰囲気が強い印象を残します。 シルヴェストロフの五重奏曲は、彼が現在のような瞑想的な作風に至る以前の作品。第3楽章は比較的穏やかであるものの、1960年代の激しいシルヴェストロフを知ることができる貴重な作品です。 世界初録音となるポレーヴァの「シームルグ五重奏曲」は動きの少ないシンプルな弦の旋律にピアノのパッセージが絡む神秘的な作品。シームルグとはイラン神話に登場する巨大な鳥の名前です。 ※国内仕様盤には増田良介氏による日本語解説が付属します。
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シルヴェストロフ(1937-):
汝のためにわれらは歌う ~ 宗教合唱作品集 [ラトヴィア放送合唱団、シグヴァルズ・クラーヴァ(指揮)]SILVESTROV, V.: Sacred Choral Works (To Thee We Sing) (Latvian Radio Choir, Kļava)
発売日:2022年08月12日
NMLアルバム番号:ODE1266-5
SACD-Hybrid国内仕様 日本語解説付き価格:3,300円(税込、送料無料)
注目を集めるウクライナの作曲家シルヴェストロフの合唱作品集ウクライナの作曲家シルヴェストロフ(1937-)の合唱作品集です。シルヴェストロフは、創作の初期には前衛的な作品を書いていましたが、ある時期から穏やかで美しい旋律と調性感のあるあたたかなハーモニーによって回想や瞑想に誘うような作品を書いています。特に1996年に亡くなった妻ラリッサを悼んで書かれた「レクイエム」は世界的に注目を集めました。 このアルバムに収録されている2000年以降の作品には、その哀しみを乗り越えたかのような「突き抜けた美しさ」が感じられます。正教会の伝統と自身の音楽語法が昇華された、心から美しいと思える音楽がここにあります。 ※国内仕様盤には松平敬氏による日本語解説が付属します。
収録作曲家:
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シルヴェストロフ(1937-):
交響曲 第7番
ナイチンゲールへの頌歌
ピアノ・コンチェルティーノ
カンタータ 第4番/詩と音楽の瞬間 [イナ・ガラテンコ(ソプラノ) 他/クリストファー・リンドン=ジー(指揮)/リトアニア国立交響楽団]SILVESTROV, V.: Ode to a Nightingale / Symphony No. 7 / Piano Concertino (Galatenko, Bezborodko, Lithuanian National Symphony, Lyndon-Gee)
発売日:2020年08月14日
NMLアルバム番号:8.574123
CD価格:1,600円(税込)
「ポスト・モダニズム」の作曲家として伝統的な調性や旋法を用い、ゆったりとしたテンポで聴き手の望郷や回顧の念を呼び起こす音楽が人気が集めるヴァレンティン・シルヴェストロフ(1937-)。しかし、彼がこのような作風に転向したのは1970年代以降であり、それ以前にはマデルナに大絶賛されるほどの前衛的な作品を書いていました。 このアルバムには3曲の世界初録音を含む、シルヴェストロフの80年代以降の作品が収録されています。冒頭の「ナイチンゲールへの頌歌」はジョン・キーツの詩(ロシア語訳)を用いた、アルバム中最も「先進的な」響きを持つ作品。もともとは室内オーケストラの伴奏による歌曲でしたが、シルヴェストロフが試行錯誤を重ね、この形に仕上げたものです。 2014年の「カンタータ第4番」と2015年の「ピアノ・コンチェルティーノ」には、いくつかの共通する素材が用いられています。2003年の「詩と音楽の瞬間」にはパウル・ツェランの詩が断片的に用いられており、聴き手のイメージを喚起しています。同じく2003年に書かれた「交響曲第7番」も、冒頭こそ不協和音の嵐が続くものの、いつしか曲は落ち着き、失ったものを追憶するかのように静かに消えていきます。
収録作曲家:
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シルヴェストロフ(1937-):作品集
記憶の瞬間(とき)II
セレナード/使者 - 1996
別れのセレナード/沈黙の音楽 [スタロドウブ/キエフ・ヴィルトゥオーゾ室内管/ヤブロンスキー]SILVESTROV, V.: Moments of Memory II / Serenades / The Messenger - 1996 (Starodub, Kiev Virtuosi Chamber Orchestra, Yablonsky)
発売日:2017年09月29日
NMLアルバム番号:8.573598
2)
CD価格:1,600円(税込)
2017年に生誕80年を迎えるウクライナの作曲家シルヴェストロフ。アルヴォ・ペルトのようなロシア・アバンギャルドの作曲家の例に漏れず、1960年~70年代までは前衛的な作品を書いていましたが、ある時から現代的な作風を放棄し、瞑想的な作品を書き始めます。そして1996年、愛する妻ラリッサ・ボンダレンコを失ったことをきっかけに書かれた「使者」と「ラリッサのためのレクイエム」が一部のファンの人気を獲得(ECMレコードの主宰者マンフレート・アイヒャーが彼の音楽を愛していたことも一つの要因)し、現在では静かなブームが起き始めています。 このアルバムには、シルヴェストロフの代表作「使者」をはじめ、郷愁を誘う数々の曲が収録されており、シルヴェストロフを初めて聴く人にとっても良い道標となることでしょう。
収録作曲家:
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ウストヴォリスカヤ(1919-2006):
シルヴェストロフ(1935-):
カンチェリ(1935-):
ピアノと管弦楽のための作品集 [ブルーミナ/シュトゥットガルト室内管/T. ザンデルリンク]USTVOLSKAYA, G.I. / SILVESTROV, V. / KANCHELI, G.: Piano and Orchestra Works (E. Blumina, Stuttgart Chamber Orchestra, T. Sanderling)
発売日:2016年10月21日
NMLアルバム番号:GP678
1)
CD価格:1,950円(税込)
ロシア周辺の3人の現代作曲家が書いたピアノと管弦楽のための作品集。どの曲も親しみやすく耳に優しいものばかりです。ショスタコーヴィチに師事し、強い影響を受けたペトログラード生まれの女性作曲家、ウストヴォリスカヤ。その作品は常にショスタコーヴィチと比較されるも、独自の神秘的な作風は一部の愛好家に強く愛されています。この《協奏曲》は幾分調性感に支えられながらも、その音列は不可思議な肌触りを持っており、決して溶け合うことのないティンパニの響きが独特な味わいを加えています。 シルヴェストロフの《ポストリュード》は想像通りの穏やかな作品。ロマン派の残滓が色濃く感じられる静謐な響きに彩られています。カンチェリの《SIO=そよ風》は、彼の故郷であるグルジア民謡が効果的に用いられた印象的な音楽です。こちらはドレスデン・シュターツカペレ創立450周年の委嘱作品で、懐かしいメロディを伴いながら吹いて来る風がダイレクトにイメージできる曲です。最後のシルヴェストロフの「賛歌」は冒頭の3秒を聴いただけでなぜか涙が溢れてくるほどの懐かしさを伴う“心にしみる曲”です。
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シルヴェストロフ(1935-):
ピアノ作品集 [ブルーミナ]SILVESTROV, V.: Piano Music - Naive Music / Der Bote / 2 Waltzes / 4 Pieces / 2 Bagatelles / Kitsch-Musik (Blumina)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2013年05月22日
NMLアルバム番号:GP639
52)
CD価格:1,710円(税込)
最近になって、クレーメルやリュビーモフを始めとした、熱烈な「シルヴェストロフ・マニア」の尽力もあって、このウクライナの作曲家の極めて繊細な作品が知られるようになってきました。とは言え、彼の作品は本当に繊細であり、また静かな様相を湛えているので、ちょっとでも気持ちを逸らしてしまうと、この音楽の魅力…永続性を切り取った瞬間など…を捉えることは難しいでしょう。 このアルバムには世界初録音となる初期の作品(1993年に改編された)である「素朴な音楽…Naive Music」は古典的な和声とシューベルトにも似た清明な旋律で書かれていますが、このメロディに聞き惚れていると、ふと隣に横たわる“深い闇”と“沈黙の世界”に気が付く瞬間が訪れるはず。彼の名を高めた「使者」はロシアの哲学者ドゥルスキンのテキストにインスパイアされたものですが、ここではモーツァルト風のメロディを媒体とし、音色の変化、テンポ、これらはが一体となり、聴き手は現世界と空蝉の世界を体感するのです。
収録作曲家:
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PERFECT MOODS
パーフェクト・ムード
思索的で現代的なピアノ小品集 [さまざまな演奏家]発売日:2022年09月09日
CD 6枚組価格:5,625円(税込、送料無料)
Grand Pianoレーベル10周年記念企画!このボックスの特徴をわかりやすく言えば「極上のヒーリング系ピアノ作品集」でしょう。確かに美しく繊細な音楽が並んでいます。しかし、このセレクションにはもう一つの側面があります。それは20世紀以降の現代音楽の潮流に背を向け、調性のある音楽の“今”を追い求めた開拓者たちの記録なのです。ユダヤ教の祈りの歌をひたすらに切なく綴ったハスラム、アルメニアの民俗性を時折覗かせるステパニアン、ナイーヴな美の求道者シルヴェストロフ、ミニマルの要素は抑え気味に深い内面の感情を描いたグラスの映画音楽、様々な音楽の要素を結合させたエカナヤカ(日本からは滝廉太郎が引用されています)、恋愛ドラマのBGMのようなアイラペティアンと、まさに陶酔のラインナップです。 ――吉池拓男(監修)