2024年4月
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DISSONANCE(不調和)
ラフマニノフ(1873-1943):
歌曲集 [アスミク・グリゴリアン、ルーカス・ゲニューシャス]発売日:2024年04月26日
CD国内仕様 日本語解説、歌詞訳付き価格:3,520円(税込、送料無料)
アスミク・グリゴリアンによるダイナミックなラフマニノフ!
歌詞日本語訳付国内仕様が登場ザルツブルク音楽祭、バイロイト音楽祭、コヴェント・ガーデン王立歌劇場などのステージにおいて、圧倒的な歌唱力と表現力で聴衆を魅了し続けているアスミク・グリゴリアン。今や日本でも、ノット指揮東京交響楽団による《サロメ》の成功などで高い人気を誇る彼女にとって、初のソロ・アルバムであったラフマニノフの歌曲集に国内仕様盤が登場。 彼女自身が「ラフマニノフの歌曲はオペラなみの力強い表現が必要。彼は数分のオペラを何曲も書いた」と語るように、ここで聴かせる彼女のダイナミックな歌唱には驚かされます。そしてそれをピアノで支えるのは、ショパン・コンクール、チャイコフスキー・コンクールなどでの輝かしい受賞歴のほか、世界中の大ホールで演奏経験を積んできたルーカス・ゲニューシャスという万全の布陣。グリゴリアンの幅広い表現の魅力を存分に味わうことの出来る、聴き応えたっぷりのアルバムです。 国内仕様盤には『ラフマーニノフ歌曲歌詞対訳全集』などの著書のある伊東一郎氏による日本語解説と、歌詞日本語訳が付属します。収録作曲家:
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チャイコフスキー(1840-1893):
歌劇《チャロデイカ》 [フランクフルト歌劇場/アスミク・グリゴリアン(ソプラノ)/イアン・マクニール(バリトン)/アレクサンドル・ミハイロフ(テノール) 他/指揮:ヴァレンティン・ウリューピン/フランクフルト歌劇場管弦楽団&合唱団]発売日:2024年04月26日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:5,500円(税込、送料無料)
フランクフルト歌劇場よりチャイコフスキー円熟期の隠れた名作歌劇《チャロデイカ》登場 ――
アスミク・グリゴリアンが歌う迫真の愛憎ドラマ!チャイコフスキーが生涯に完成させた11作(改作を除くと10作)のオペラの最後から3番目に当たる歌劇《チャロデイカ》は、同名の戯曲の作者、劇作家イッポリート・シュパジンスキーに台本を委嘱。1885年から作曲に取りかかり1887年初冬、サンクトペテルブルクのマリインスキー劇場でチャイコフスキー自身の指揮で初演されました。 交響曲第5番(1888年)、バレエ『眠りの森の美女』(1890年)、歌劇《スペードの女王》(1890年)などに先立つ作曲家の円熟期に作曲されたこの作品は、その初演時にドラマトゥルギーの弱さ(冗長さ)から酷評を受けたと伝えられています。作曲家は、それにめげることなく「…私は決して絶望していません。これは慣れなければならないオペラなのです。聴衆の耳がこのオペラに慣れれば、いずれはレパートリーとして定着するでしょう…(旧暦1887年11月9日付ユリア・シュパジンスカヤ宛の手紙)」と、述べています。 しかし、3年後1890年のモスクワ初演もさしたる成功を収めることもなく、20世紀中盤にソ連時代のロシアでの蘇演はあったものの、国際的にはほとんど上演されることのない作品として、現在に至っています。 (曲目・内容欄に続く)収録作曲家:
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ドニゼッティ(1797-1848):
歌劇《当惑した家庭教師》 [ドニゼッティ音楽祭/アレッサンドロ・コルベッリ(バリトン)/アレックス・エスポージト(バス・バリトン)/フランチェスコ・ルチイ(テノール) 他/指揮:ヴィンチェンツォ・ミッレタリ/ドニゼッティ歌劇場管弦楽団&合唱団]発売日:2024年04月26日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:4,950円(税込、送料無料)
若きドニゼッティの秀作歌劇《当惑した家庭教師》 ――
ローマ初演版による蘇演舞台映像!若きドニゼッティが作曲した歌劇《当惑した家庭教師》は1824年、ローマで初演され大好評を博したと伝えられています。本作は、ドニゼッティの生地ベルガモのドニゼッティ財団と市の共同プロジェクトとして2015年に発足し、ドニゼッティの作品上演に革新的な新風を吹き込んできた「ドニゼッティ音楽祭」の新制作となるローマ初演版の蘇演舞台です。 「ドニゼッティ音楽祭」の芸術監督、フランチェスコ・ミケーリによる演出は、舞台を2042年の近未来に置き、デジタル技術(SNS、タブレット、VRゴーグル、アバターと思しき登場人物など)が教育現場を席巻する様を諷刺しつつ、旧弊な道徳に囚われた父親と自由な男女交際を求める息子たち、その間を取り持つ家庭教師の姿を活写しています。 ドン・ジューリオ役のアレッサンドロ・コルベッリ、家庭教師グレゴーリオ役のアレックス・エスポージトというオペラ・ブッファの重鎮たる二人の名歌手を中心に、ドニゼッティ劇場財団が運営するマスタークラス「ボッテーガ・ドニゼッティ」の研修生から選抜された活きの良い若手歌手たちが、1990年生まれの新鋭ヴィンチェンツォ・ミッレタリの軽快で瑞々しいタクトに導かれた音楽に応えて、溌剌とした演技歌唱を繰り広げます。収録作曲家:
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メンデルスゾーン(1809-1847):
交響曲全集
劇音楽『夏の夜の夢』(抜粋) [パーヴォ・ヤルヴィ、チューリヒ・トーンハレ管弦楽団]発売日:2024年04月12日
CD 4枚組国内仕様 日本語解説、歌詞日本語訳付き価格:6,930円(税込、送料無料)
パーヴォ・ヤルヴィ&トーンハレ管のメンデルスゾーン、一挙全集で登場!交響曲全5曲に『夏の夜の夢』まで収録した4枚組のボリュームで登場の、パーヴォ・ヤルヴィによるメンデルスゾーン。この作曲家らしい瑞々しいメロディと躍動的なリズム、そして若々しい疾走感といった各作品の魅力を十二分に生かした、美しくもテンションの高い演奏を聴かせています。 ドイツを中心とした歌劇場で活躍するチェン・レイスとカタリナ・コンラディ、バロックから古典派の宗教作品を得意とするマリー・ヘンリエッテ・ラインホルトとパトリック・グラール、来日ツアーも成功させているプエルトリコ系アメリカ人ソプラノのソフィア・ブルゴスと、個性的な歌手陣が随所で持ち味を生かしているのもポイント。 さらに低音金管古楽器の名手パトリック・ヴィバールが『夏の夜の夢』にオフィクレイドで、「宗教改革」には(原盤ブックレットに表記がありませんが)セルパンで参加、「讃歌」のオルガンは名手クリスティアン・シュミットが務めています。
収録作曲家:
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ベートーヴェン(1770-1827):
交響曲 第3番 「英雄」
「コリオラン」序曲 [イヴァン・フィッシャー、ブダペスト祝祭管弦楽団]BEETHOVEN, L. van: Symphony No. 3, "Eroica" / Coriolan Overture (Budapest Festival Orchestra, I. Fischer)
発売日:2024年04月12日 NMLアルバム番号:CCSSA46524
SACD-Hybrid国内仕様 日本語解説付き価格:3,630円(税込、送料無料)
精悍にして気品と詩情を併せ持つ、
イヴァン・フィッシャーとブダペスト祝祭管による「英雄」第7番(2006年)、第4番と第6番(2010年)、第1番と第5番(2017年)と、稀に見るスロー・ペースで進められているイヴァン・フィッシャーとブダペスト祝祭管によるベートーヴェン・シリーズに「英雄」が登場。53分(繰り返し全てあり)という、近年ではゆったり目のテンポ設定ながら遅いという印象をほとんど感じさせません。精悍で引き締まった第1楽章に始まり、低い重心でじっくりと歌い込まれフーガのクライマックスも雄大な第2楽章、特徴的なリズムを際立たせた第3楽章、堅固な構造美を感じさせながら気品と力強さを両立させた第4楽章と、心地よい緊張の糸が切れることのない素晴らしい演奏となっています。 「コリオラン」もメリハリのある骨太の演奏で聴き応えあり。DSD256録音による高音質を最大限引き出すSACDハイブリッド・ディスクでの発売も嬉しいところです。 国内仕様盤には鈴木淳史氏による日本語解説付。収録作曲家:
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サン=サーンス(1835-1921):
歌劇《デジャニール》(全曲) [山田和樹、モンテカルロ・フィル、ケイト・アルドリッチ、ジュリアン・ドラン、アナイス・コンスタン ほか]SAINT-SAËNS, C.: Déjanire [Opera] (Aldrich, Dran, Constans, Monte Carlo Opera Choir, Monte-Carlo Philharmonic, Kazuki Yamada)
発売日:2024年04月12日 NMLアルバム番号:BZ1055
CD 2枚組+Book国内仕様 日本語解説・歌詞全訳付き価格:7,260円(税込、送料無料)
山田和樹の快挙!
サン=サーンス最後のオペラ《デジャニール》世界初録音1898年、ルイ・ガレによる悲劇のための劇付随音楽としてベジエの野外競技場で初演された『デジャニール』でしたが、サン=サーンスはこれを音楽的に発展させ歌劇として再構成することを計画。劇音楽初演の年にガレが亡くなったことを受けて台本はサン=サーンス自らが手を入れ、1911年、歌劇《デジャニール》はモンテカルロで初演されました。 物語はギリシャ神話のヘラクレスの最期を題材としたもので、古代ギリシャのトラキスが舞台。トラキス地方の町オエカリアを征服したエルキュール(ヘラクレス)は、王の娘イオール(イオレ)を我が物にしようとするものの、妻のデジャニール(デーイアネイラ)の激しい拒否にあい、さらに友人のフィロクテート(ピロクテーテス)に裏切られイオールを奪われてしまいます。デジャニールはエルキュールが殺めたケンタウロスであるネッシュ(ネッソス)の血の付いた上着をエルキュールに着せると、その魔法の力で彼の心を変えられると信じて計画を練りますが…。 サン=サーンスが残した最後のオペラであるこの作品は、コーラングレ、バス・クラリネット、ソプラノ・サクソフォン、コントラファゴット、バス・トランペット、ハープ2台などを含む3管編成の管弦楽のほか舞台裏にブラスバンドを置くという大規模な編成で書かれており、スペクタクルな響きや美しいメロディ・ラインなどサン=サーンスらしい場面に溢れるほか、丁々発止のやり取りに添えられた鬼気迫る音楽などはワーグナーを思わせるところもあり、これまでほとんど顧みられなかったことが不思議なほどの充実ぶり。初演の地モンテカルロで山田和樹が持ち前の牽引力を発揮し、作品の魅力を十二分に引き出す素晴らしい演奏を披露しています。 原盤ブックレットは写真資料も豊富な145ページに及ぶもの(仏・英語)。国内仕様盤にはオペラ研究家岸純信氏による解説と、山下賢司氏による貴重な歌詞全訳が付属します。収録作曲家:
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風景
フランス・ロマン派の歌曲、管弦楽曲集(管弦楽伴奏歌曲集) [ヴェロニク・ジャンス、エルヴェ・ニケ、ミュンヘン放送管弦楽団]Vocal Recital (Soprano): Gens, Véronique - CHAUSSON, E. / DUBOIS, T. / FAURÉ, G. / GOUNOD, C.-F. / HAHN, R. / MASSENET, J. (Paysage)
発売日:2024年04月05日 NMLアルバム番号:ALPHA1030
CD国内仕様 日本語解説・歌詞訳付き価格:3,520円(税込、送料無料)
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〈#bruckner2024〉
ブルックナー(1824-1896):
交響曲 第7番 ホ長調(ホークショー版) [マルクス・ポシュナー(指揮)/ウィーン放送交響楽団]BRUCKNER, A.: Symphony No. 7 (ed. P. Hawkshaw) (Complete Symphony Versions Edition, Vol. 14) (ORF Vienna Radio Symphony, M. Poschner)
発売日:2024年04月05日 NMLアルバム番号:C8091
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,970円(税込)
CAPRICCIOレーベルと国際ブルックナー協会の主導でブルックナーの交響曲全11曲全18ヴァージョン(稿)を録音する企画 「#bruckner2024」に名作の誉れ高い第7番が登場。新校訂版の使用と、ポシュナー&ウィーン放送響の高度に洗練された演奏にも注目です。 ICMA(International Classical Music Award)2024の特別賞「Spcecial Achivement Award」を受賞、「私たちが習慣にしてきた聴き方と伝統と見なしてきたものを問い直す」と讃えられた#bruckner2024。第7番ではポール・ホークショーによる新校訂版(NBG III/1: 7、2024年2月時点で未出版)を使用しています。 アルトゥール・ニキシュやヘルマン・レヴィが「ベートーヴェン亡き後に書かれた交響曲の中で最も重要なもの」等と高く評した第7番は、早くに成功を収めたこともあり、稿は一つしかありません。しかし、ウィーン国立図書館に所蔵されている自筆総譜(整理番号 Mus.Hs 19479/1-3)には、1883年9月の完成から1885年に印刷用の彫版を起こすまでの間に書き込まれた追加や変更が少なからずあり、作曲家が意図した最終形を読み取る上での課題となって来ました。ハースは曲が最初に完成した時の姿を求め、ブルックナー自身によるものも含めて後から書き加えられた部分を除去し、ノーヴァクは取捨選択の上で(しばしばカッコに入れるなどして)加筆部分を盛り込んでいますが、そこにはブルックナー以外の人物による加筆も含まれています。 新ブルックナー全集の編集主幹で#bruckner2024の監修者でもあるホークショーは、上記自筆総譜においてブルックナー自身が書いたか、承認したとされるものをすべて盛り込むべく努めたと当CDの原盤解説(英語とドイツ語)で書いています(第2楽章クライマックスではシンバルとトライアングルが効果的に用いられています)。詳細は楽譜出版と校訂報告を待たねばなりませんが、演奏上の選択肢が複数提示されている箇所もあると思われます。 (曲目・内容欄に続く) ※国内仕様盤には石原勇太郎氏(音楽学/国際ブルックナー協会会員)による日本語の解説が付属します。
収録作曲家:
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コッペル(1947-):
室内協奏曲集 [スカンジナビア・ギター・デュオ/ルーネ・モスト(フルート)/ティーネ・レーリング(ハープ)/デイヴィッド・リデル(指揮)/デンマーク・シンフォニエッタ(ラナース室内管弦楽団)]KOPPEL, A.: Chamber Concertos (Chamber Concertos, Most, Scandinavian Guitar Duo, The Danish Sinfonietta, Riddell)
発売日:2024年04月26日 NMLアルバム番号:8.224758
CD価格:2,475円(税込)
サイケデリック・ロックやジャズ、民俗音楽からの影響を受けた作品や前衛的な作品など様々な顔を持つアナス・コッペルの音楽。 このアルバムでは2台のギター、フルート、ハープをそれぞれ独奏楽器に据えた魅力的な協奏曲を発表。ラテンのグルーヴと北欧のクールな雰囲気を併せもつギター協奏曲、しなやかなリズムを持つフルート協奏曲「ツバメ」、有名なマルクス兄弟の次男ハーポ・マルクスのコミカルな演技からインスパイアされたというミニマル風のハープ協奏曲の3曲。 3曲ともデンマーク・シンフォニエッタの委嘱作で、彼らが初演も行っています。
収録作曲家:
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フチーク(1872-1916):
舞曲と行進曲集 [ヴァルター・ホフバウアー(フリューゲルホルン)/マレク・シュティレツ(指揮)/チェコ室内管弦楽団パルドビツェ]FUČÍK, J.: Dances and Marches (Czech Chamber Philharmonic, Pardubice, Štilec)
発売日:2024年04月26日 NMLアルバム番号:8.225381
CD価格:2,175円(税込)
半音階を駆使したユニークな旋律を特徴とする『剣士の入場』で知られる作曲家ユリウス・フチークの作品集。 フチークはチェコで生まれ、プラハ音楽院でドヴォルザークに師事、1891年にオーストリア=ハンガリー第49歩兵連隊に軍楽隊員として入団したのち、ウィーンの軍楽隊に入団。一時期はプラハのオーケストラで演奏していましたが、1897年からはサラエヴォの軍楽隊の指揮者となり、以降は吹奏楽の指揮者として自作を演奏し大好評を博しました。 彼は1916年にこの世を去りましたが、残された楽譜は遺族によって処分されたため、多くの作品が失われてしまいました。このアルバムに収録された作品のうち7曲は過去に出版されたことが無く、今回プラハの国立博物館に保存されていた自筆譜を編集して世界初録音にこぎつけました。 他の8曲も英国ヨハン・シュトラウス協会会長が率いる専任チームが丹念に編集したオーケストラ・スコアを用いた初録音となります。
収録作曲家:
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イン・タイム
アロス・ギター・デュオのための作品集 [アロス・ギター・デュオ]Guitar Duo Recital: Aros Guitar Duo - BUUR, A.A. / LOHSE, M. / BRUUN, P. / ZWICKI, R. / FRANDSEN, J. / SIEGEL, W. (In Time)
発売日:2024年04月26日 NMLアルバム番号:8.226919
CD価格:2,400円(税込)
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ピアソラ(1921-1992):
ブエノスアイレスの四季
チン・チン/天使の復活/ムムキ 他
ヴァイオリンと弦楽のための編曲集 [トーマス・コーティク(ヴァイオリン)/ケン・セルデン(指揮)/マーティンゲイル・アンサンブル]PIAZZOLLA, A.: Arrangements for Violin & String Orchestra (Buenos Aires) (Cotik, Martingale Ensemble, Selden)
発売日:2024年04月26日 NMLアルバム番号:8.574308
CD価格:1,900円(税込)
アストル・ピアソラの『Nuevo Tango=新しいタンゴ』はタンゴというカテゴリーを超え、全世界の人々に影響を及ぼすほどの人気を獲得しています。このアルバムでは、ピアソラが自身の五重奏団のために作曲した器楽作品を、独奏ヴァイオリンと弦楽オーケストラのために編曲したヴァージョンを演奏。 最も有名なのはレオニード・デシャトニコフによる「ブエノス・アイレスの四季」でしょう。他の7曲は、ポートランド州立大学管弦楽団の音楽監督を務める指揮者ケン・セルデンが編曲。ピアソラのオリジナル演奏の録音を参考にしたという即興演奏も組み込まれるなど、創意工夫が凝らされています。 ヴァイオリン独奏はNAXOSに2枚のピアソラ・アルバムを録音しているトマス・コーティク。ヴァイオリンとピアノのための編曲集(8.573789)でも「ブエノスアイレスの四季」を披露していますが、今回では更に華やかな演奏を聴かせます。
収録作曲家:
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エーリヒ・J・ヴォルフ(1874-1913):
〈歌曲全集 第1集〉 [ダニエル・ヨハンセン/サマンサ・ガウル/クラウス・ジモン(ピアノ)]WOLFF, E.J.: Songs (Complete), Vol. 1 (S. Gaul, D. Johannsen, K. Simon)
発売日:2024年04月26日 NMLアルバム番号:8.574451
CD価格:1,900円(税込)
エーリヒ・ジャック・ヴォルフはウィーンで生まれたユダヤ人作曲家。現在ではその名前を知る人はほとんどいませんが、38歳の若さで亡くなるまでに少なくとも168曲の歌曲を書き、全て存命中に発表されています。 1927年に出版された書籍『2000 der beliebtesten Kunstlieder 最も人気のある芸術歌曲2000』では同名のヴォルフやリヒャルト・シュトラウスやマーラーの歌曲に次ぐ人気を博していました。このアルバムは、ヴォルフの歌曲全てを録音するシリーズの第1集で、マーラーも素材とした「子供の魔法の角笛」を用いた歌曲や、リヒャルト・デーメルの詩を用いた歌曲などを聴くことができます。 彼は時折大胆な和声進行を用いるものの、無調に踏み込むことはなく、曲はどれもロマンティックな味わいを持っています。また高度な技法で描かれたピアノ・パートにも注目、歌を引き立てながらも存在感の強い旋律が耳に残ります。 バロックから古典派作品を得意とするテノール、ヨハンセンとロマン派作品を得意とするソプラノ、ガウルが見事な歌唱を聴かせ、ヴォルフ作品を愛しブックレットに詳細な解説(ドイツ語・英語)も書いたジモンが伴奏を務めます。
収録作曲家:
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オーベール(1872-1871):
〈序曲集 第6集〉 [ダリオ・サルヴィ(指揮)/カルロヴィ・ヴァリ交響楽団]AUBER, D.-F.: Overtures, Vol. 6 - Ambassadrice (L') / La part du diable / Haydée / Le premier jour de bonheur (Karlovy Vary Symphony, Salvi)
発売日:2024年04月26日 NMLアルバム番号:8.574532
CD価格:1,900円(税込)
かつてはロッシーニやスッペ作品と肩を並べるほどの人気を誇ったオーベールの歌劇。かのチャイコフスキーも高く評価したと伝えられますが、現在では一部を除きほとんど上演されることがありません。 ここで聴けるのは、オーベールの最高傑作と呼ばれたこともある《女大使》をはじめとする歌劇の序曲やバレエ音楽。どの曲もオーベールらしい優美な旋律、繊細な響き、軽やかな音楽が魅力です。 変わり種は、1866年にパリのオペラ座でモーツァルトの《ドン・ジョヴァンニ》が上演された際に第2幕に挿入されたディヴェルティスマン。モーツァルトの短調作品のモチーフをふんだんに散りばめたメドレー風の音楽で、最後は有名なトルコ行進曲で締めくくられます。 この分野の第一人者ダリオ・サルヴィの指揮で。
収録作曲家:
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〈期待の新進演奏家〉
ゲオルギ・ディミトロフ(ギター)
J.S.バッハ(1685-1750):
ギターのための編曲作品集 [ゲオルギ・ディミトロフ(ギター)]Guitar Recital: Dimitrov-Jojo, Georgi - BACH, J.S.: Transcriptions for Guitar
発売日:2024年04月26日 NMLアルバム番号:8.574541
CD価格:1,900円(税込)
2022年に開催された第1回「European Bach Guitar Award ヨーロッパ・バッハ・ギター・アワード」コンクールで第1位を獲得した期待の新人ゲオルギ・ディミトロフのバッハ・アルバム(同コンクールでは山下愛陽が第3位に入りました)。 2000年ブルガリア生まれのディミトロフは幼い頃からギターをはじめ、パコ・デ・ルシアに賞賛された才能の持ち主。ブルガリアの国立音楽アカデミーで学び数多くの賞を受賞、その後はグラーツ音楽舞台芸術大学での研鑽を積みながらバロック・ギターとヴィオラ・ダ・ガンバのクラスも受講し、現在はロンドンの王立音楽アカデミーで学んでいます。 このアルバムでは、彼が得意とするJ.S.バッハのギター用に編曲された作品を演奏。バッハ自身が無伴奏ヴァイオリン・パルティータをリュート用に編曲した組曲第4番 BWV 1006aを冒頭に置き、バルエコが編曲した無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番、リュートとチェンバロのどちらでも演奏できるBWV 998、そして最後に無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番のシャコンヌが壮大なクライマックスを築きます。
収録作曲家:
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ローマのハープ
バロックハープを伴う17世紀ローマの声楽曲集 [リッカルド・ピザーニ、ラ・スミズランツァ]発売日:2024年04月26日
CD価格:2,775円(税込)
バロック・ハープの弦音が幾重にも重なる妙なる響き。
バロックの真髄を美声の独唱と共に16世紀末から17世紀にかけて、音楽よりも先に建築や美術で後年「バロック」と呼ばれることになる新芸術が大きく開花したローマ。17世紀にはフィレンツェで花開いたオペラの技法やヴェネツィア複合唱様式などの影響で、音楽でも独唱に重きを置いた新しい様式が発展します。ソナタなどの器楽芸術も躍進してゆくこの時代、ローマでは声楽の伴奏も含め撥弦楽器奏者たちが大活躍。特にハープは古代を思わせる外観とあいまって、幾人かの名手の活躍を通じバロック期のローマで大いに愛されました。 3人の古楽ハープ奏者たちが集うラ・スミズランツァは今回、ローマ生まれで教皇庁聖歌隊出身の古楽歌手リッカルド・ピザーニと共に、この時代にハープで奏でられたローマの作曲家たちの声楽作品と器楽曲を厳選。殆どの曲が世界初録音となる貴重なプログラムを通じ、半音階を多様した当時の音楽にも対応できるよう作られたバロック型のダブルハープあればこその充実アルバムを編み上げました。 ランディやカプスベルガーなど同時代の声楽作曲家たちの曲をとりあげた録音物でたびたび言及される「ハープのミーキ」ことオラツィオ・ミーキ、不協和音も取り入れた緻密な和声語法で独特の味わいを生み出す異才マラッツォーリなどのユニークな音楽の魅力が、妙なる撥弦の重なりと古楽のスペシャリストによる美声で生々しく「いま」に蘇ります。 フレスコバルディやモンテヴェルディなど同時期のイタリア音楽の捉え方にも新たな光を投げかけてくれる、ARCANAならではの充実盤の登場です。 -
プロコフィエフ(1891-1953):
『ロメオとジュリエット』 組曲(抜粋)
ラヴェル(1875-1937):
『ダフニスとクロエ』 第2組曲
オゴネク(1989-):
ALL THESE LIGHTED THINGS [エリム・チャン、アントワープ交響楽団]発売日:2024年04月26日
CD価格:2,775円(税込)
香港が生んだ若き俊英、エリム・チャン初のフル・アルバム香港に生まれアメリカで指揮を学んだエリム・チャン(陳以琳)。2014年ドナテッラ・フリック指揮者コンクールで女性として初めて優勝、2019年からアントワープ交響楽団の首席指揮者を務めています。 これまで協奏曲の伴奏やコンクールのライヴはあったものの、初めてのフル・アルバムのテーマとして今回彼女が選んだのは舞曲。プロコフィエフ『ロメオとジュリエット』の組曲から独自に選曲した8曲とラヴェル『ダフニスとクロエ』第2組曲では、大仰な表現は控えながら細部まで歌い込み、さらに引き締まったリズムとしなやかさを兼ね備えた深い音楽を聴かせます。 そしてアメリカの作曲家オゴネクによる「管弦楽のための3つの舞曲」のサブタイトルの付いた『ALL THESE LIGHTED THINGS』では、曲の特性の深い理解に基づき、多彩なパーカッションと弦や管によるリズムの交感を巧妙に描き、たいへん魅力的に仕上げています。 巨匠然とした重さとも鋭角的な表現とも違う、創造性と柔軟性の高い音楽を作り上げる新しい才能を感じさせるアルバムです。
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Piano Dances
ピアノのための舞曲集 [アンナ・ヴィニツカヤ]発売日:2024年04月26日
CD価格:2,775円(税込)
ヴィニツカヤが描き上げるピアノの舞曲ロシア出身で2007年のエリザベート王妃国際音楽コンクールのほか数々のコンクールを制し、2009年にCDデビュー、同年より母校でもあるハンブルク音楽演劇大学で後進の指導にもあたっているヴィニツカヤ。 2021年の「ショパン: バラードと即興曲」以来3年ぶりとなる今作のテーマは舞曲。ラヴェルの名作2曲では、持ち前のテクニックに支えられた繊細かつダイナミックな表現を存分に聴かせます。ショスタコーヴィチの「人形の踊り」は彼が映画などのために書いた曲を再構成した子供のための易しいピアノ曲ながら、ヴィニツカヤはほんの10年ほど前に出会ってぜひ録音したいと願っていたもので、愛らしい曲想を慈しむように聴かせます。 カーネギーホールの依頼で2012年に書かれたヴィトマンの「サーカス・ダンス」は、芸術的あるいはピアニスティックな視点のみならず、彼自身の履歴書のような意味合いがある作品とされ、ヴィニツカヤは今回の録音の前にヴィトマンと語り合う機会を得たことで、作品理解が大きく深まったと語っています。 その終曲はヴィトマン自身のオペラ《バビロン》から引用された軍楽隊の賑やかな行進曲。
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〈HAYDN 2032 第10集〉[LP]
『一日の時の移ろい』
ハイドン(1732-1809):
交響曲「朝」「昼」「晩」
モーツァルト(1756-1791):
「セレナータ・ノットゥルナ」 [ジョヴァンニ・アントニーニ、イル・ジャルディーノ・アルモニコ]発売日:2024年04月26日
2LP+1CD+DL 3枚組価格:5,175円(税込、送料無料)
交響曲全曲録音シリーズ第10弾に豪華アナログ盤登場ハイドン生誕300周年となる2032年までに、その100曲を越える交響曲を全て実演・録音してリリースするプロジェクト「HAYDN 2032」第10作目に、CDのほかハイレゾのダウンロード用コードまで付属した豪華なアナログ盤が登場。毎回テーマ性ある選曲が興味深く、そこに他の作曲家の作品などが適宜盛り込まれるのも面白いところですが、今作には作曲当初から連作として構想されていたことが明らかな初期の3曲「朝」「昼」「晩」を収録。 ハイドンがエステルハージ侯爵家に副楽長として雇われて間もなくの1761年に発表されたと考えられるこれらの作品は、宮廷楽団の名手たちの技量と新任副楽長の才覚を存分に印象づけるべく、多様な作曲様式が盛り込まれた傑作です。弦楽器で奏でられるレチタティーヴォ、フルートからコントラバスまで様々な楽器が随所で繰り広げるソロなど聴きどころ満載で、現代の演奏団体にとっても腕が試される作品群ですが、イル・ジャルディーノ・アルモニコは流石の腕利き揃いで、隅々まで才気あふれる演奏を味わえます。 選び抜かれた古楽器の素材感に満ちたサウンドもさることながら、アンサンブル全体が一つの生き物のような一体感で伸縮自在のダイナミズムを堪能でき、ハイドンならではの曲作りの面白さが存分に伝わる痛快さ。各交響曲が朝から晩(夕)まで、一日の三つの時間をそれぞれ表現しているハイドン作品の続きとして、モーツァルトがザルツブルクの音楽夜会のために書いた「セレナータ・ノットゥルナ」を“夜”にあたる曲として併録。こちらも首席ヴァイオリンのバルネスキによる当意即妙な即興パッセージが心地良く、全編を通じて生気に満ちた音作りがたまりません。 当シリーズの常通り、音楽学者モーリッツ・バウアーによる最新研究をふまえた作品解説も添えられています。
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リゲティ作品集 [ピエール・ブリューズ 、アンサンブル・アンテルコンタンポラン]
LIGETI, G.: Violin Concerto / Cello Concerto / Piano Concerto / Chamber Concerto / Capriccios Nos. 1 and 2 (Ensemble InterContemporain, Bleuse)
発売日:2024年04月26日 NMLアルバム番号:ALPHA993
CD 2枚組価格:4,650円(税込、送料無料)
リゲティの経歴をほぼカバーする、アンサンブル・アンテルコンタンポランとブリューズによる2枚組アンサンブル・アンテルコンタンポランと、2023/24年のシーズンからその音楽監督を務めるピエール・ブリューズによるリゲティの作品集が2枚組で登場。 1枚目にはメンバーが務めるソリストと20-30人規模のアンサンブルによる3つの協奏曲を収録。これらはアンサンブル・アンテルコンタンポランにとって約10年ぶりの再録音となります。 2枚目には小規模な編成のための作品を収録。1940年代から1990年代までリゲティの活動期間をほぼカバーしており、様々な新しい手法を取り入れ発展させた作風の変転を俯瞰することが出来る、有意義な作品集となっています。
収録作曲家:
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発売日:2024年04月26日
SACD-Hybrid日本語解説付き価格:3,000円(税込、送料無料)
加藤訓子、多重録音によるライヒ作品集第3弾!2011年にリリースされたLINNからのデビュー・アルバム「kuniko plays reich」から約13年。2018年には「Drumming」のリリースもあった加藤訓子による、ライヒ作品を集めた3枚目のアルバムが登場。 今回は電子オルガンの演奏のほか、ヴィブラフォンによる「ピアノ・フェイズ」、鍵盤打楽器のためのオリジナル作品などを多重録音で収録。LINN RECORDSのフィリップ・ホッブス監修の下、寒河江ゆうじによる録音とミキシングに、CHANNEL CLASSICS創立者ジャレッド・サックスがマスタリングを行った高音質録音を生かす、SACDハイブリッド盤での発売です。
収録作曲家:
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ボー・リンデ(1933-1970):
室内楽曲集
ピアノ三重奏曲/6つの性格的小品/ディヴェルティメント [イルヴァ・ラースドッテル(ヴァイオリン)/トールン・セーテル・スターヴセン(チェロ)/ピーター・フリース・ユーハンソン(ピアノ)]LINDE, B.: Piano Trio No. 1 / 6 Character Pieces / Divertimento (Larsdotter, Stavseng, Johansson)
発売日:2024年04月26日 NMLアルバム番号:dBCD213
CD価格:2,475円(税込)
20世紀スウェーデンの作曲家ボー(ブーとも)・リンデ。若い頃から才能を発揮し、ストックホルム音楽大学に入学、作曲をラーシュ=エリク・ラーションに学んだ後、ウィーンを皮切りとしてヨーロッパ各地で研鑽を積みました。彼は当時、比較的先進的なスウェーデン音楽界にあって、新古典派スタイルによる調性感のある穏健な作品を書き続けたためか、あまり知られることもなく37歳で夭折してしまいましたが、ヴァイオリン協奏曲などのいくつかの作品は現在でも愛されています。 アルバムに収録されたピアノ三重奏曲と6つの性格的小品は世界初録音、ディヴェルティメントもピアノ三重奏版は世界初録音。北欧を中心に活躍する3人の奏者が魅力的な作品を聴かせます。
収録作曲家:
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シューマン(1810-1856):
幻想曲
クライスレリアーナ他
[SACD 3枚組] [ブルカルト・シュリースマン(ピアノ)]SCHUMANN, R.: Kreisleriana / Fantasie, Op. 17 / Arabeske / Fantasiestücke / Nachtstücke / 5 Gesänge der Frühe (Schliessmann)
発売日:2024年04月26日 NMLアルバム番号:DDC25753
SACD-Hybrid 3枚組価格:5,550円(税込、送料無料)
シューラ・チェルカスキーやブルーノ・レオナルド・ゲルバーに師事したドイツの中堅ピアニスト、ブルカルト・シュリースマンが弾くシューマン作品集。 タイトルに「幻想」が付く作品を中心とした選曲で、シューマンの内なる世界を表現しました。
収録作曲家:
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ピットフィールド(1903-1999):
歌曲集 [ジェイムス・ギルクリスト(テノール)/ネイサン・ウィリアムソン(ピアノ)]発売日:2024年04月26日
CD価格:2,475円(税込)
近代イギリスの作曲家トーマス・ピットフィールドの歌曲集。 ピットフィールドは王立マンチェスター音楽大学(現王立ノーザン音楽大学)でピアノ、チェロと和声を学んだ後、ボストンに留学し美術と家具製作を学んだという異色の経歴を持ちます。第二次世界大戦後は王立マンチェスター音楽大学で作曲科の教授となり、ジョン・オグドンらの指導を行いました。 このアルバムには彼が書いた歌曲を収録。どれも民謡や英国の詩人たちの作品から素材を得た素朴な味わいを持ち、いくつかの曲は彼の友人たちに捧げられています。アルバムジャケットには、画家としても活躍したピットフィールドの絵が用いられています。 演奏は、現代イギリス歌曲の第一人者、テノール歌手ジェイムズ・ギルクリスト。その美しく甘い声は、作品のもつ魅力を余すことなく引き出しています。
収録作曲家:
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デイヴィッド・ジョンソン(1942-2009):
12の前奏曲とフーガ [クリストファー・ギルド(ピアノ)]発売日:2024年04月26日
CD価格:2,475円(税込)
スコットランド、エディンバラの作曲家デイヴィッド・ジョンソン。18世紀スコットランド音楽の研究者として知られるとともに、弦楽四重奏曲や無伴奏チェロ組曲など数多くの作品を残しています。 この「12の前奏曲とフーガ」は彼の数少ないピアノ曲の一つで、ピアニストで作曲家のロナルド・スティーヴンソンのために書かれました。前奏曲とフーガが一組となった5分程度の小さな作品集には、プロコフィエフなどを思わせる曲や、J.S.バッハからの引用、あるいは「Johnny Cope」や「The Animals Went Marching Two by Two(ノアの箱舟の歌)」などよく知られた民謡の旋律が用いられた曲などが含まれています。 演奏するクリストファー・ギルドは、とりわけスコットランドのピアノ音楽を得意としており、これまでにもスティーヴンソンやワーズワース作品の録音で高く評価されています。
収録作曲家:
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レイノルズ(1934-):
木管のための協奏曲集 [ジャクリーン・ルクレア(オーボエ)/ケアスティン・ティーレ(フルート)/ハーヴェイ・ソルバーガー(フルート:コンピューター処理)/エスビェア・アンサンブル&ゲストマティアス・ロイメルト(指揮)]発売日:2024年04月26日
CD価格:2,475円(税込)
アメリカの作曲家ロジャー・レイノルズとデンマークのミュージシャン兼プロデューサー、マティアス・ロイメルトのコラボレーションによるシリーズの第1弾。このアルバムでは世界初録音を含むレイノルズの木管のための協奏曲が紹介されます。 オーボエ協奏曲「JOURNEY」は2023年の最新作。ソリストのジャクリーン・ルクレアのために書かれた作品で、巧みな対位法が巡らされたオーケストラと、技巧的なオーボエが競い合うかのような緻密なアンサンブルを作り出していきます。 1984年の「Transfigured Wind III」は20世紀後半に書かれた名作。クリスティアン・ティーレのフルートと、レイノルズ作品を最初に演奏した奏者の一人、ハーヴェイ・ソルバーガー(1938-)の音を電気的に処理した響きを組み合わせ、ロイメルトが指揮するエスビェア・アンサンブルが伴奏、ユニークな音楽が生み出されています。
収録作曲家:
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マリヘ・モラディ & エフサン・マトーリ (イラン)
私たちの悲しみ [マリヘ・モラディ & エフサン・マトーリ]Our Sorrow/ Maliheh Moradi & Ehsan Matoori
発売日:2024年04月26日
CD価格:2,025円(税込)
1979年に起きたイラン革命以来、イランの女性は公共の場で独唱することを許されていません。 ヴォーカリストのマリヘ・モラディと作曲家エフサン・マトーリによるコラボレーションは、イランに生まれた女性ミュージシャンの葛藤を共に表現し、悲しみ、苦しみ、そして不当な扱いを受けているコミュニティが耐え忍んでいる不正義に対して、自由のために戦っています。 マリヘの個人的な回想録にインスピレーションを得たエフサンは、さまざまな感情を魅惑的なイランのトラディショナルな楽曲に変化させ、マリヘの歌声の美しさを際立たせています。
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オタヴァ・ヨ (ロシア)
ラウド・アンド・クリア [オタヴァ・ヨ]Loud and Clear / Otava Yo
発売日:2024年04月26日
CD価格:2,025円(税込)
サンクトペテルブルグの民族音楽愛好家グループから結成されたロシアのトラッド・バンド、オタヴァ・ヨ。 イギリス、アメリカ、インド、フランス、ラトビアなど30カ国以上でソールド・アウトのコンサートやマスタークラスを開催し、2018年には初来日を果たしています。また、ミュージックビデオは世界中で数億回の再生回数を誇り、New York Indie Film Award ミュージックビデオ部門の最高賞を受賞するなど、専門映画祭で15以上の国際的な賞を受賞しています。 最新アルバム『Loud and Clear』では、ロシアの伝統的なフォーク・ソングを現代の幅広い聴衆に届けるという、これまでのコンセプトをさらに発展させています。ロシア独特のグースリ(チター型の撥弦楽器)や特別に再現されたロシアのバグパイプなど多くのアコースティック楽器を使用し、現代のアイデア、メロディー、語彙を駆使して、オタヴァ・ヨの音楽に興味を持つ聴衆に語りかけています。
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カウイー(1943-):
クロイツェル・エフェクト
室内楽作品集 [クロイツェル四重奏団]発売日:2024年04月26日
CD価格:2,475円(税込)
1943年、イギリスで生まれたエドワード・カウイー。ヴィトルト・ルトスワフスキに学び、マイケル・ティペットからも影響を受け、大学では物理や絵画も学んだカウイーは、優れたビジュアル・アーティストとしても知られており、作曲する際には絵を描いてイメージを構築するといいます。彼は、クロイツェル四重奏団と10年にわたるコラボレーションを行っており、これまでに6つの弦楽四重奏曲をはじめ、メンバーたちのために独奏曲や二重奏曲を書いてきました。 このアルバムに収録された7つめの四重奏曲「西オーストリア州」も彼らに捧げられた作品。広大な地に広がる美しい風景が音で描き出されており、メンバーたちはこれを巧みに表現しています。 「グラウコーピス」もフクロウの習性からインスパイアされた作品で、クロイツェル四重奏団のチェリストであるニール・ヘイドが見事な演奏を聴かせます。他の3曲もメンバーのピーター・シェパード・スケアヴェズとミハイロ・トランダフィロフスキが演奏。アルバム全てがクロイツェル四重奏団のための作品です。
収録作曲家:
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Les ombres du Fantôme
ロバート・ショル&ジャスティン・パターソン:
亡霊の影 [ロバート・ショル(オルガン)/ジャスティン・パターソン(エレクトロニクス) 他]発売日:2024年04月26日
CD価格:2,475円(税込)
ガストン・ルルーの小説『オペラ座の怪人』の14の場面をロバート・ショルのオルガン即興演奏で描いたアルバム。 伝統的な録音技術と革新的なデジタル加工を組み合わせた音響テクスチャーに、コヴェントリー大聖堂とアランデル大聖堂の空間における幻想的なエコーが融合、即興には映画のための曲やポッドキャスト用の曲など過去の作品も織り込みつつ、歌やサクソフォンの音色も加えることで、時空を超えた悲しい物語を描き出しています。
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ラフマニノフ(1873-1943):
2台のピアノのための組曲 第1番&第2番
チャイコフスキー(1840-1893)(ラフマニノフ編):
「眠れる森の美女」組曲他 [大嶺未来(ピアノ)、高橋多佳子(ピアノ)]発売日:2024年04月26日
CD価格:3,300円(税込、送料無料)
圧巻のピアニズム!
2台のピアノが描くラフマニノフの魂。ラフマニノフをライフワークにし、その演奏活動とCD共に高い評価を受ける大嶺未来と、第12回ショパン国際ピアノ・コンクールにて第5位となり日本を代表するピアニストの一人高橋多佳子によるラフマニノフ・デュオアルバムです。当盤は、2023年10月20日東京文化会館にて行われたライヴ・レコーディングです。 2台ピアノ作品の極致といえるラフマニノフの2つの組曲。雄大でロマンティシズム溢れるラフマニノフの世界を、圧巻の技術と精緻なアンサンブルで描ききります。美しい音色とヴィルトゥオジティを兼ね備える二人だからこそ到達できる高みの音楽と妙技をお聴き下さい。 連弾によるラフマニノフ編のチャイコフスキー作曲「眠れる森の美女」組曲も必聴。ピアニズム満載のアルバムです。 -
ワーグナー(1813-1883):
舞台祝祭劇《ニーベルングの指環》第2夜
楽劇《ジークフリート》 [ベルリン・ドイツ・オペラ/ニーナ・シュテンメ/クレイ・ヒーリー/イアン・パターソン 他/指揮:ドナルド・ラニクルズ/ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団]発売日:2024年04月26日
Blu-ray日本語字幕付き価格:4,200円(税込、送料無料)
ベルリン・ドイツ・オペラの最新作《ニーベルングの指環》4部作映像、分売第3弾!
楽劇《ジークフリート》ワーグナー作品の上演に輝かしい伝統を持つベルリン・ドイツ・オペラは、2021年の年末に世界中のオペラシーンで引く手あまたの演出家ステファン・ヘアハイムを招いて、音楽総監督ドナルド・ラニクルズの指揮による新制作《ニーベルングの指環》全4部作の通し上演を果たしました。その全4部作収録映像《ニーベルングの指環》から分売第3弾の楽劇《ジークフリート》をお届けします。 この《指環》4部作に共通するキー・オブジェ『グランドピアノ』を舞台の中心に据え、ヘアハイム入魂の創意によるドラマトゥルギーとスペクタクルなシーンに溢れた舞台を、ラニクルズの端正なタクトが導くオーケストラの雄渾なワーグナー・サウンドが見事に支えています。 歌唱陣は当代切ってのブリュンヒルデ歌いのニーナ・シュテンメにジークフリート役で世界中の歌劇場から引く手あまたの新星クレイ・ヒーリー、さすらい人(ヴォータン)役のイアン・パターソンらバイロイト音楽祭でもお馴染みの顔ぶれに加えて、今回もミーメ役のヤーツォン・ホァンが大活躍。 演出、オーケストラ、歌唱演技の3拍子揃った新時代の《ジークフリート》です。収録作曲家:
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シェイクスピア
『ヘンリー5世』 [ナショナル・シアター/キット・ハリントン他]発売日:2024年04月26日
DVD価格:3,825円(税込、送料無料)
15世紀初頭、イングランド王ヘンリー5世は、フランス王位の継承権を主張してフランス遠征を開始。アジンコート(アザンクール)の戦いでフランスの大軍勢を撃破。フランス王シャルル6世と有利な条件で講和を結び、その娘キャサリンをイングランド王妃に迎えます…… キット・ハリントン(TVドラマシリーズ『ゲーム・オブ・スローンズ』ジョン・スノウ役)が若く野心的なイングランド王ヘンリー5世役を演じます。本作はロンドンのドンマー・ウェアハウスでのライヴ撮影。演出のマックス・ウェブスター(ナショナル・シアター『ライフ・オブ・パイ』演出)が、シェイクスピアの史劇を現代劇として大胆に再構成した舞台です。
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エルガー(1857-1934):
交響曲 第1番
序曲「コケイン」 [アレクサンダー・ソディ(指揮)/マンハイム国立劇場管弦楽団]ELGAR, E.: Symphony No. 1 / Cockaigne (Mannheim National Theatre Orchestra, Soddy)
発売日:2024年04月26日 NMLアルバム番号:OC1730
CD価格:2,475円(税込)
2016/17年のシーズンからマンハイム国立劇場管弦楽団の音楽監督を務め、オーケストラのレパートリーを飛躍的に拡大させた功績が知られる1982年オックスフォード生まれの中堅指揮者アレクサンダー・ソディ。前作のメシアン:トゥーランガリラ交響曲(OEHMS OC472)では大規模なオーケストラを自在に操り、煌びやかな音楽を披露しましたが、今作では彼のお国もののエルガーの2作品を演奏。 明るく賑やかな序曲「コケイン」、長大重厚な「交響曲第1番」と、各々の作品の持つ性格を鮮やかに描き分け、共感溢れる演奏を聴かせています。
収録作曲家:
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〈Beethoven/5 Vol.1〉
ベートーヴェン(1770-1827):
ピアノ協奏曲 第5番「皇帝」
ディーン(1961-):
ピアノ協奏曲「グナイクセンドルフの音楽 - ある冬の旅」 [ジョナサン・ビス(ピアノ)/ダーフィト・アフカム(指揮)/スウェーデン放送交響楽団]発売日:2024年04月26日
CD価格:2,175円(税込)
1980年生まれのジョナサン・ビスは若いうちから脚光を浴び、共演した音楽家たちからも篤い信頼を得てきました。35歳になる2015年にはセントポール室内管と合同で、ベートーヴェンの5曲のピアノ協奏曲それぞれにインスパイアされた新作を5人の作曲家に委嘱し、両曲をペアで演奏するBeethoven/5というプロジェクトを立ち上げました。ORCHID CLASSICSは、それら5組の協奏曲の録音を順次リリースしてゆく予定です。 第1弾として「皇帝」とブレット・ディーンの「グナイクセンドルフの音楽 - ある冬の旅」が登場。「皇帝」はスケールが大きく、正攻法の堂々たる演奏。ベートーヴェンのソナタ全集の録音も完成させたビスの円熟を示す演奏となっています。 ディーンの作品名にあるグナイクセンドルフはベートーヴェンの弟ヨハンの家があった街。自殺未遂を起こした甥のカールを連れたベートーヴェンが1826年の秋から初冬にかけて滞在した後、ウィーンに戻る旅の途中で体調を崩し、それから4カ月足らずで世を去りました。 作品は急緩急の3楽章構成で演奏時間約25分。熱にうなされて乱れがちな意識の中に「皇帝」のフレーズが浮かんでは消えるといった趣きで、全編を通じてピアノにはヴィルトゥオーゾ的なテクニックが求められます。 (曲目・内容欄に続く)
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EnSuite グランド・ツアーの続き
~18世紀中盤のオリジナル・チェンバロで巡る音楽紀行2~ [コルネール・ベルノレット]発売日:2024年04月26日
CD価格:2,775円(税込)
極上の響き再び!
古楽大国ベルギー発、歴史的チェンバロの美音で辿る生の18世紀豊かな歴史遺産が息づくベルギーの古都アントウェルペンで、同市に残る18世紀の貴重なオリジナル1段鍵盤チェンバロを使って18世紀各地の鍵盤作品を辿るRaméeレーベルの充実盤『グランド・ツアー』(RAM2009)に、嬉しい続編が登場。 欧州各地それぞれの伝統の違いに光を当てた前作に対し、今回はブリュッセル、ハンブルク、ベルリン、パリという三つの大都市を巡りながら、古典派前夜の18世紀中盤にあって当時の二大潮流だったフランス様式とイタリア様式がどう各地の流行に浸透したかを探るプログラム。フランス語で「続き」をあらわすensuiteの語に「フランス流の組曲で」〔仏〕または「そして組曲も」〔蘭〕の表現が重なるタイトルも頷けます。 ブリュッセル生まれのイタリア系作曲家フィオッコは、フランス流の表題を冠した鍵盤曲集にイタリア様式を柔軟に取り入れた作風が魅力。大バッハ次男とベンダ家の若き弟の作品は、イタリア風ソナタをドイツ流に深めた書法にロココの感傷性を滲ませた仕上がりが美しく、ロンドンでのイタリア音楽人気を甘受した後にパリ向けのフランス様式も模索したジェミニアーニ後期の鍵盤作品と好対照をみせます。 (曲目・内容欄に続く) -
ポーレ(1624-1695):
ソナタと舞踏曲(器楽合奏曲)全集 [クレマチス(ステファニー・ド・ファイー、ブリス・サイー ほか)]発売日:2024年04月26日
CD 2枚組価格:4,650円(税込、送料無料)
ドイツ17世紀の器楽芸術に新境地を拓いたポーレの多彩な芸術性今年2024年に生誕400年を迎えるドイツの作曲家ダーフィト・ポーレは、17世紀ドイツ屈指の音楽拠点だったドレスデン宮廷で、名匠ハインリヒ・シュッツに師事した中でも特に大きな業績を残した一人。ドレスデンを離れた後はヘッセン=カッセル方伯やシュレスヴィヒ=ホルシュタイン公の宮廷を経て、1660年から亡くなるまでハレでマクデブルク公の宮廷楽団の長として活躍し、少年ヘンデルの父とも親交があったと言われています。 声楽作品も多数残していますが、注目すべきは最大8声までの多様な編成のために書かれた器楽合奏曲の数々。17世紀初頭のポスト=ルネサンス的ドイツ器楽に似た編成を取りながら、ヴァイオリン属の楽器の特性を活かし、各パートの独立性を際立たせつつ合奏としての響きも充実させた一連のソナタや舞踏曲は、後のバッハの『ブランデンブルク協奏曲集』第3番や第6番を予感させる先進的な作風で興趣が尽きません。中声部が厚い編成の曲が多いのもこの時代ならでは。 演奏は17世紀音楽の作法を知り尽くしたステファニー・ド・ファイー、低音ダブルリードの名手ジェレミー・パパセルジオー、頼もしい低弦奏者マチュラン・マタレル、大ヴェテラン古楽鍵盤奏者ギィ・パンソンら名手続々のアンサンブル、クレマチス。 (曲目・内容欄に続く)
収録作曲家:
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Sanctuary - 聖域
ペトロヴィチ=ヴラチャンスカ(1965-):
歌曲集 [アンナ・ビネタ・ディオウフ(メゾ・ソプラノ)/エウジニア・ラドスラヴァ(ピアノ)]PETROVIC-VRATCHANSKA, A.: Melodies for Voice and Piano (Sanctuary) (Diouf, Radoslava)
発売日:2024年04月26日 NMLアルバム番号:SM448
CD価格:2,175円(税込)
ブルガリア系ルクセンブルクの作曲家アルベーナ・ペトロヴィチ=ヴラチャンスカの歌曲集。 ルクセンブルク大公国から数多くの賞を受賞した彼女は平和を願い続けており、この「聖域」と題されたアルバムもその心から生まれたもの。20世紀初頭の表現主義の詩からインスピレーションを受けたという12の曲は、調性感はもたず、時には歌手とピアニストがパーカッションを演奏するなどの独自な表現が試みられており、彼女の様々なメッセージが込められています。
収録作曲家:
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ハイドン(1732-1809):
弦楽四重奏曲 ヘ短調 Op.20 No.5
リゲティ(1923-2006):
弦楽四重奏曲 第1番「夜の変容」
メンデルスゾーン=ヘンゼル(1805-1847):
弦楽四重奏曲 変ホ長調 H. 277 [ケイオス弦楽四重奏団]HAYDN, J.: String Quartet No. 23 / LIGETI, G.: String Quartet No. 1 / MENDELSSOHN-HENSEL, F.: String Quartet (Chaos String Quartet)
発売日:2024年04月26日 NMLアルバム番号:SM457
CD価格:2,175円(税込)
2019年創設のケイオス弦楽四重奏団は、ウィーン音楽演劇大学でヨハネス・マイスルに指導を受け、その後カザルス四重奏団に師事しました。2022年にはミュンヘンARDとボルドーという名門コンクールで優勝し、2023-25年の「BBC Radio3 新世代アーティスト」に選出されるなど注目を集めています。 デビュー・アルバムとなる当盤は、「高度に洗練された技術と実験的かつエネルギッシュなアプローチが生み出す情熱的演奏」を標ぼうするこのグループにふさわしく、弦楽四重奏の多面性を見せてくれるプログラムです。
収録作曲家:
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グリーグ(1843-1907):
交響的舞曲
抒情組曲/2つの悲しい旋律他 [モーリス・アブラヴァネル(指揮)/ユタ交響楽団]発売日:2024年04月26日
CD価格:2,175円(税込)
高音質録音で名高いエリート・レコーディングズ制作のVOX原盤を現代の名エンジニア、マイク・クレメンツがオリジナル・マスターテープから192kHz/24bitでデジタル化するVOX AUDIOPHILE EDITION。 VOXに数多いアブラヴァネルの録音から、グリーグの管弦楽作品集を復刻。録音場所は明記されていませんが当時ユタ響が主な録音会場として使っていたモルモン・タバナクルと想像されます。 豊かな響きを伴ったオーケストラの一体感のあるサウンドからソロ・パートを奏でる楽器が小さめの音像ながらふわりと浮かび上がる様子は、録音エンジニアのマーク・オーボートならでは。今回のリマスターでS/Nが改善しました。「中庸の美」を音にしたような演奏は極端な表現に走ることなく、それでいて民族的な舞曲は十分ダイナミックに、感傷的な旋律には哀感を湛えて、安心して曲の魅力に浸ることが出来ます。 ブックレットには初出時のジャケットと解説を転載しています。
収録作曲家:
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スメタナ(1824-1884):
連作交響詩『わが祖国』 [ヴァルター・ジュスキント(指揮)/セントルイス交響楽団]発売日:2024年04月26日
CD価格:2,175円(税込)
高音質録音で名高いエリート・レコーディングズ制作のVOX原盤を現代の名エンジニア、マイク・クレメンツがオリジナル・マスターテープから192kHz/24bitでデジタル化するVOX AUDIOPHILE EDITION。 プラハ生まれの指揮者ヴァルター・ジュスキントが1968年から75年まで音楽監督を務めたセントルイス響を指揮した「わが祖国」、彼の任期最終年を飾った録音です。オケの音色が落ち着いて中欧的に感じられるのは指揮者のカラーが浸透していたことを思わせます。 録音エンジニアのマーク・オーボートは極力少ないマイクで録音することを心がけていたと言いますが、オケの溶け合いの良さ、ソロ・パートの音像が大きくならずに自然に定位しているところはその効果と言えるでしょう。 演奏・録音共にまさにナチュラル。派手さ志向の音作りではないので一聴地味に聴こえがちですが、耳をすませばまろやかな響きの中に豊かなディテールを聞き取ることができる、味わい深い名録音です。 ブックレットには初出時のジャケットと解説を転載しています。
収録作曲家:
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レーガー(1873-1916):
〈オルガン作品集 第9集〉
3つの小品 Op.7
52のやさしいコラール前奏曲 Op.67他 [ゲルハルト・ヴァインベルガー(オルガン)]発売日:2024年04月19日
SACD-Hybrid 2枚組価格:5,550円(税込、送料無料)
2012年から続くゲルハルト・ヴァインベルガーの
レーガー:オルガン作品全集録音、遂に完結!レーガーのオルガン作品はどれも複雑な対位法が巡らされ厚みのある響きを持つだけではなく、旋律は半音階的に進行するなど難解なものが多く、例えば、このアルバムに10曲が収録されている「52のやさしいコラール前奏曲」も、演奏は決して容易ではありません。彼自身は、この作品はバッハが書いた多くのコラール前奏曲に比肩するものと自負していたといいます。 そんなレーガーのオルガン作品全集に挑んだのは、すでにバッハのオルガン全集(cpo 777363)で高い評価を受けているドイツのオルガニスト、ゲルハルト・ヴァインベルガー。バッハの流れを汲むレーガー作品の演奏には、これ以上ない人選であると言えるでしょう。彼は10年以上の年月をかけ、アルバムに収録されている作品に最もふさわしいオルガンを選定、演奏と録音を続けてきました。最終巻となるこの第9集ではケムニッツのザウアー=オルガンとシュヴィーツのゴル=オルガンを使用、この上なく美しい響きを紡ぎ出しています。 また、これまでと同じくマルチ・チャンネル対応のSACDフォーマットで、オルガンの美しい響きが余すことなく捉えられており、高音質を楽しむことができる2枚組となっています。収録作曲家:
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テレマン(1681-1767):
カンタータ『雷のオード』
晩年の教会音楽 [ジョナサン・セルズ/ソロモンズ・ノット(声楽アンサンブル)/メレト・リュティ(ヴァイオリン&指揮)/レ・パシオン・ド・ラーム]発売日:2024年04月19日
CD価格:2,775円(税込)
テレマンは晩年になっても創作意欲が衰えることがなく、70歳を超えて書かれた「イエスの死」や81歳の時の「審判の日」など高齢になっても次々と熟練の作品を生み出していきました。 このアルバムに収録されたのは、テレマン晩年の充実した声楽作品の一つである『雷のオード』を中心とした一連の作品です。これは、雷鳴を思わせるバス二重唱とティンパニ・ソロが絡み合うなど当時としては先進的な書法が用いられた大胆なカンタータで、1756年に初演された第1部「Wie ist dein Name so groß」と、1756年に書かれ1760年にハンブルクで初演された(当時の新聞では「第2部が追加された」と報じられた)「Mein Herz is voll」を合わせて『雷のオード』と呼ばれています。2つの作品の主題は異なりますが、どちらも創造神を崇拝するものです。 アルバムには世界初録音となる2曲のカンタータも収録。イギリスのアンサンブル、ソロモンズ・ノットと、ビーバーなどの作品を得意とするレ・パシオン・ド・ラームの素晴らしい演奏でお楽しみいただけます。
収録作曲家:
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パデレフスキ(1860-1941):
歌劇《マンル》 Op.20(ドイツ語歌唱) [トーマス・モール/ロメリア・リヒテンシュタイン/ガブリエラ・ギルフォイル 他/ミヒャエル・ヴェンデベルク(指揮)/シュターツカペレ・ハレ/ハレ歌劇場合唱団]発売日:2024年04月19日
CD 2枚組価格:4,800円(税込、送料無料)
パデレフスキの唯一の歌劇《マンル》、初のドイツ語上演録音!ロマの若者マンルと禁断の恋に落ちた娘ウラーナは、母親からも村からも拒絶されてしまいます。村を出てロマとともに放浪し、子供を授かったウラーナとマンルは数々の苦難に直面、マンルが妖女アーサの誘惑に負けたことを知りウラーナは湖に身を投げます。本来はこの場面で終幕となりますが、後にパデレフスキはエンディングを変更、恋人のアーサを奪われたオロスが復讐のためにマンルを湖に突き落として幕となります(この上演ではこちらのエンディングが用いられています)。 ピアニスト・作曲家として活躍するとともに、第1次世界大戦後に発足したポーランド第二共和国の首相を務めたパデレフスキ。これは彼の唯一の歌劇《マンル》の全曲を収録したアルバムです。 (曲目・内容欄に続く)
収録作曲家:
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ラフ(1822-1882):
オラトリオ『世界の終わり - 審判 - 新世界』 [マリー・ヘンリエッテ・ラインホルト/アンドレアス・ヴォルフ/グレゴール・メイヤー(指揮)/カメラータ・リプシエンシス/ゲヴァントハウス合唱団]RAFF, J.: Welt-Ende, Gericht, Neue Welt [Oratorio] (M.H. Reinhold, A. Wolf, Gewandhaus Chorus, Camerata Lipsiensis, G. Meyer)
発売日:2024年04月19日 NMLアルバム番号:555562-2
CD 2枚組価格:4,800円(税込、送料無料)
スイスに生まれ、ドイツ・ロマン派のスタイルで書かれた10曲余りの交響曲で知られるヨアヒム・ラフ。彼は晩年になって自身の最高傑作を書き上げたいと願うようになり、このオラトリオ『世界の終わり - 審判 - 新世界』を作り上げました。 交響曲第10番と同じ頃の1879年から81年に書かれたこの作品、題材はヨハネ黙示録の「七つの封印の書」から採られており、ラフは自身で台本を作成し、ヨハネの目を通して世界の深淵を語っています。壮大な合唱シーンや、装飾的なアルトのソロに加え、随所に用いられたコラールなど、ヘンデルやメンデルスゾーンのオラトリオを思わせる様式の中に、美しい旋律が散りばめられた見事な作品です。 演奏はラフに所縁の深いゲヴァントハウス合唱団とクーナウの一連の作品の演奏で知られるカメラータ・リプシエンシス。
収録作曲家:
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ロゼッティ(1750頃-1792):
オラトリオ『死にゆくイエス』 [アンナ=レーナ・エルベルト/アンネ・ビールヴィルト/ゲオルク・ポプルッツ/ダニエル・オチョア(バス)/ヴォーカルアンサンブル・ベッカープサルター/ヨハネス・メーズス(指揮)/ラルパ・フェスタンテ(古楽器オーケストラ)]ROSETTI, A.: Sterbende Jesus (Der) [Oratorio] (Elbert, Bierwirth, Poplutz, Ochoa, Vokalensemble BeckerPsalter, L'arpa festante, Moesus)
発売日:2024年04月19日 NMLアルバム番号:555567-2
CD価格:2,775円(税込)
アントニオ・ロゼッティの『死にゆくイエス』は聖句を用いない受難オラトリオです。バロック期の作品とは異なり、一般的な文学や美的傾向に合わせたこの台本は18世紀後半にハンブルクを中心に活躍する作曲家たちが多く手がけ、まるで歌劇を思わせる演劇的なプロットを持ち、登場人物たちのエピソードや心情に光をあて、聴き手の心を捉えました。 ゲッセマネでのイエスの最期の場面を劇的に描いた作品を、バロック音楽の演奏で知られるラルパ・フェスタンテとポプルッツ、オチョアらの独唱陣、若き歌手たちのアンサンブル「ベッカープサルター」をヨハネス・メーズスが見事にまとめています。
収録作曲家:
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アイヒナー(1740-1777):
交響曲集 [ヴァンニ・モレット(指揮)/テレジア管弦楽団]発売日:2024年04月19日
CD価格:2,775円(税込)
歌劇や室内楽曲、そして多数の交響曲など優れた作品を多く書いたにもかかわらず、現在では全く忘れ去られた作曲家エルンスト・アイヒナー。彼はドイツの宮廷音楽家の家庭に生まれ、まずは父親から音楽を学びました。ファゴット、ヴァイオリンの名手であり、ツヴァイブリュッケンの宮廷楽団員も務め、ロンドン、パリ、フランクフルトなどに演奏旅行に出かけるなど活躍後、ベルリンのプロイセン宮廷楽団の奏者を務めたのち37歳で世を去りました。 このアルバムではイタリアのオーケストラ「テレジア管弦楽団」が全作品から4曲を選び演奏。収録されたこれらの交響曲は、全て三楽章の当時の定型に収まった交響曲初期の形式に則ったものですが、そのどれもが躍動感と緊張感に溢れたもので、まさにこの時代に流行していた「疾風怒濤」の精神を反映した聴きごたえのあるものです。
収録作曲家:
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カウフマン(1907-1984):
〈管弦楽作品集 第1集〉
ピアノ協奏曲 第3番
交響曲 第3番他 [エリザヴェータ・ブルーミナ(ピアノ)/デイヴィッド・ロバート・コールマン(指揮)/ベルリン放送交響楽団]発売日:2024年04月19日
CD価格:2,775円(税込)
ボヘミアのカールスバート(当時オーストリア=ハンガリー帝国の一部)で生まれたウォルター・カウフマンの作品集。ベルリンではフランツ・シュレーカーに学び、学生時代には相対性理論で知られるアルベルト・アインシュタインと親交を結んでいます。卒業時にはマーラーに関する学位論文を提出するも、ナチス支持者の教授に抗議し学位取得を拒否、その後は指揮者ブルーノ・ワルターのアシスタントを務めながら自身の作品の演奏にも携わっています。 フランツ・カフカの姪と結婚し、ナチスの迫害から逃れ1934年には家族で亡命、インドのボンベイに移住します。同地ではインドとアジア音楽の研究をする傍らオール・インディア・ラジオのディレクターを務め、同局が放送開始前に流す音楽(インターバル・シグナル)を作曲。またスービン・メータの父メーリ・メータらと共にボンベイ室内楽協会を設立し、一時期はズービンを教えていました。その後イギリス、カナダを経てアメリカに渡り、ダリウス・ミヨーの紹介でインディアナ大学に職を得て、亡くなるまで音楽学を教えました。 彼は80曲を超えるオーケストラ曲や、10曲以上の歌劇などを残しましたが、それらは現在ほとんど知られていません。このアルバムでは4つの作品をフィーチャー。インドの旋律を用いたエキゾチックな小品や、ブルーミナが独奏を務めるピアノ協奏曲など、全てが世界初録音です。
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ベルリオーズ(1803-1869):
幻想交響曲 Op.14 [コリン・デイヴィス(指揮)/ バイエルン放送交響楽団]BERLIOZ, H.: Symphonie fantastique (Bavarian Radio Symphony, Colin Davis)
発売日:2024年04月19日 NMLアルバム番号:900220
CD価格:2,325円(税込)
バイエルン放送交響楽団75周年記念。
コリン・デイヴィス十八番の「幻想交響曲」にライヴならではのドラマティックな演奏が登場。2024年に創立75周年を迎えたバイエルン放送交響楽団(BRSO)のアーカイヴから、第3代首席指揮者コリン・デイヴィスが得意とした「幻想交響曲」の初出音源が登場。すでに4種の録音があるデイヴィスの同曲ですが、他の録音とは一味違う演奏が展開されています。 デイヴィスの「幻想交響曲」にはロンドン響(1963年)、コンセルトヘボウ管(1974年)、ウィーン・フィル(1990年)、ロンドン響再録音(2000年)があり、特にコンセルトヘボウ盤はフィリップス・レーベル黄金期の名録音として同曲のベスト盤にしばしば挙げられてきました。 感心するのは、この4種の録音を通じて演奏時間がほぼ同じであること。最短のコンセルトヘボウ盤(55:14)と最長のロンドン響再録音盤(56:44)との間の違いが1分半しかなく、各楽章の演奏時間にも大きなブレがありません。デイヴィスの解釈がいかに完成されたものであったかを物語ります。 (曲目・内容欄に続く)収録作曲家:
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ツェムリンスキー(1871-1942):
歌劇《フィレンツェの悲劇》 [クリストファー・モルトマン/レイチェル・ウィルソン/ベンヤミン・ブルンス/パトリック・ハーン(指揮)/ミュンヘン放送管弦楽団]ZEMLINSKY, A.: Florentinische Tragödie (Eine) (Maltman, R. Wilson, B. Bruns, Munich Radio Orchestra, P. Hahn)
発売日:2024年04月19日 NMLアルバム番号:900347
CD価格:2,325円(税込)
妻ビアンカの浮気を疑う商人シモーネ、ビアンカと密通するグイード。ビアンカの気持ちは瞬時グイードに傾きますが、嫉妬したシモーネがグイードを手にかけると、ビアンカは改めて強いシモーネを見直し、ちゃっかり二人は元の鞘に収まるという物語。 オスカー・ワイルドの戯曲を原作とする短いこの歌劇は3人の登場人物のみで進行し、ツェムリンスキーは緊張感に満ちた音楽を付けています。強さと狡猾さを併せ持つシモーネ役を英国出身のバリトン歌手クリストファー・モルトマンが演じ、若きアメリカ人ソプラノ、レイチェル・ウィルソンが輝かしい声でビアンカを歌います。この夫婦に翻弄されるグイード役には古楽レパートリーにも堪能なベンヤミン・ブルンス。 指揮のパトリック・ハーンは1995年生まれの若手ながら2021年からヴッパータール響と同歌劇場の音楽総監督に就任し、ドイツで最年少の音楽総監督として話題になった逸材。2023年12月には新国立劇場の《こうもり》を指揮して喝采を浴びました。ミュンヘン放送管の首席客演指揮者でもあり、BR-KLASSIKではウルマンの《アトランティスの皇帝》の録音が出ています。
収録作曲家:
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〈musica viva #43〉
ラッヘンマン(1935-):
マイ・メロディーズ他 [マティアス・ヘルマン(指揮)/バイエルン放送交響楽団のホルン・グループ/バイエルン放送交響楽団]LACHENMANN, H.: My Melodies (2023 musica viva München version) (musica viva, Vol. 43) (Bavarian Radio Symphony, M. Hermann)
発売日:2024年04月19日 NMLアルバム番号:900643
CD価格:2,325円(税込)
ヘルムート・ラッヘンマンの「マイ・メロディーズ」は2016年から18年にかけて作曲された後、早くも翌年に改訂、更に2023年に再び改訂された作品です。 このアルバムは2023年の改訂版初演時の演奏を収録したもの。ヴェネツィアでルイジ・ノーノに師事して以来、長い間「メロディ」にこだわっていたというラッヘンマン、この作品は2008年にマドリードで《マッチ売りの少女》のリハーサルをした際、8本のホルンが奏でる音色からアイデアを得て書き上げたものです。 アルバムの ボーナス・トラックでは作品の特徴的な部分の抜粋を聴くことができ、ラッヘンマン特有の音形やホルンの特殊奏法、息遣いが生み出すノイズまでを含む多彩なサウンドを知ることができます。
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現代ポーランドのピアノ五重奏曲集 [シレジア弦楽四重奏団 他]
Polish Piano Quintets - LASOŃ, A. / MEYER, K. / KRAUZE, Z. / BARGIELSKI, Z. (Knapik, Sałajczyk, Krauze, Bies, Silesian String Quartet)
発売日:2024年04月19日 NMLアルバム番号:CDAccordACD332
CD 2枚組価格:4,800円(税込、送料無料)
現代ポーランドの6人の作曲家によるピアノ五重奏曲を収録した2枚組アルバム。演奏はポーランドを代表するシレジア弦楽四重奏団と4名のピアニストが担当。 収録作品の作曲家の顔ぶれは、1970年代後半、音楽祭「Young Musicians to the Young City」に作品を発表、一躍注目を集めた1951年生まれのアレクサンダー・ラソニ。作曲家、ピアニスト、室内楽奏者として世界的に著名な1943年生まれのクシシュトフ・マイヤー。作曲家、ピアニスト、教育者であり、IRCAM の音楽顧問やアメリカ、ヨーロッパ、アジアのいくつかの大学で作曲教師を務める1938年生まれのジグムント・クラウゼ。ナディア・ブーランジェに学び、ポーランドの音楽にフランスの美的様式を採り入れた1937年生まれのズビグネフ・バルギェルスキ。ポズナン音楽アカデミーで音楽理論と作曲の学位を取得した後、スイスでさらに勉強し、現在はルツェルン大学で講師を務める1963年生まれのベッティーナ・スクルチプチャク。カトヴィツェのカロル・シマノフスキ音楽アカデミーで作曲を学び、数多くのコンクールに入賞した1998年生まれのバルトシュ・ヴィトコフスキの6名です。 20世紀後半から21世紀にかけてのポーランド音楽の潮流を窺える興味深いアルバムと言えるでしょう。
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ヘルジン(1970-):
レクイエム [オルガ・パシチニク/アンジェイ・ランペルト/カミール・ズデベル/クシシュトフ・ヘルジン(指揮)/ポーランド放送交響楽団/ワルシャワ・フィルハーモニー合唱団]HERDZIN, K.: Requiem (Pasichnyk, Lampert, Zdebel, Warsaw Philharmonic Choir, Polish Radio Orchestra, Michalowski)
発売日:2024年04月19日 NMLアルバム番号:CDAccordACD333
CD価格:3,000円(税込、送料無料)
1970年、ポーランドのブィドゴシュチュに生まれたクシシュトフ・ヘルジン。地元の音楽アカデミーでカタルジナ・ポポワ・ジドロンらにピアノを学び、卒業後はジャズやポップスの分野でもピアニストおよび編曲家として活躍。これまでに多彩なジャンルにまたがる20枚以上のアルバムを制作し、200枚を超えるCDのレコーディングに参加するなど精力的に活動しています。 このアルバムには2018年の「レクイエム」を収録。ヘルジンは「死と人生のはかなさを振り返ることが、自分の道を見つける助けになると私は深く信じています。」と語り、 死を熟考し受け入れることだけが心の平安をもたらすことができると説きます。そして作品からは痛みと苦しみに満ちた「Dies irae 怒りの日」を排除、「Kyrie eleison」の一部は神学者と相談の上、新しく構築した「復活したイエス、勝利の王を歓迎し、感謝する」明るい曲に仕上げています。 作品全体にも耳なじみのよい旋律が用いられており、時には華やかな映画音楽を思わせる箇所もあり、最後の「In paradisum 楽園にて」での光に満ちた旋律が、悲しみの心を優しく包み込みます。 現代の人々に贈るレクイエムです。
収録作曲家:
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HIMMELFAHRT
バッハ(1685-1750)
テレマン(1681-1767):
昇天祭のための教会カンタータ [リオネル・ムニエ、ヴォクス・ルミニス、フライブルク・バロック管弦楽団、フィオラ・ブラッヘ、ズュジ・トート、アレクサンダー・チャンス ほか]Choral Concert: Vox Luminis - BACH, J.S. / TELEMANN, G.P. (Himmelfahrt)
発売日:2024年04月19日 NMLアルバム番号:ALPHA1032
CD価格:2,775円(税込)
ナチュラル金管も絶好調!
昇天祭を寿ぐバッハとテレマン3傑作に聴くアンサンブルの妙各パート2~3人の小編成で古楽シーンを牽引する名歌手が集い、欧州各地の古楽祭を中心に見事なアンサンブル歌唱を聴かせてきたヴォクス・ルミニス。世界的古楽器オーケストラのフライブルク・バロック管弦楽団との共演による今回のアルバムでは、十字架で亡くなった後に復活した救世主イエスが天に上げられたことを祝う昇天祭のため、バッハとテレマンが残した3傑作をとりあげます。 トランペットとティンパニが祝祭感を盛り上げるバッハの活動後期の充実作「昇天祭オラトリオ」は、大編成の迫力に甘んじない緩急自在の音作りのしなやかさが圧巻。残る2作はそれぞれテレマンがハンブルクの、またバッハがライプツィヒの音楽監督職に就いて間もない時期の作で、いずれもふくよかなナチュラルホルンの響きが美しい1720年代の名品。高音域まで見事なナチュラル金管の美音もさることながら、コンサートマスターに迎えられた名手ライラ・シャイエークを筆頭に、ヴィオラの朝吹園子、バスーンのシャビエル・サフラ、リュートのリー・サンタナら器楽勢も鮮やかなサポートを聴かせます。 ヘレヴェッヘとの共演でも名唱が多いズュジ・トートやバッハ・コレギウム・ジャパンでも活躍する水越 啓、近年躍進めざましいアレクサンダー・チャンスら歌手勢も俊才揃いなのはヴォクス・ルミニスならでは。ドイツ語圏の春を寿ぐ充実の音楽を通じて欧州最前線の古楽シーンの活況に触れられる素晴しいアルバムの登場です。 -
フランツ・シュミット(1874-1939):
交響曲 第4番
オラトリオ『7つの封印の書』 [ルドルフ・モラルト(指揮)/ウィーン交響楽団/ユリウス・パツァーク/オットー・ヴィーナー/アントン・リッペ(指揮)/ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団]発売日:2024年04月19日
CD 2枚組価格:3,675円(税込、送料無料)
フランツ・シュミット生誕150周年記念。
代表作のオラトリオ『7つの封印の書』と交響曲第4番の歴史的録音の登場!プレスブルク(現在はスロヴァキアの首都ブラチスラヴァ)に生まれ、14歳の時に家族とともにウィーンに移り、ウィーン音楽アカデミーにて作曲をロベルト・フックスに、チェロをフェルディナント・ヘルメスベルガーに師事したフランツ・シュミット。卒業後はマーラー指揮のウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のチェリストを務めたほどのチェロの腕前を誇っただけではなく、作曲家としても、独自の和声表現と対位法スキルを示し、1933年作曲の交響曲第4番はハンス・プフィッツナーに「ブルックナー作品よりも完璧に近い」と評されたほどの出来栄えを誇っています。 このアルバムには前述の交響曲第4番と1938年に完成されたオラトリオ『7つの封印の書』の歴史的録音を収録。交響曲第4番が成功を収めた後、当時迫りくる世界情勢の悪化と自身の健康状態の悪化を鑑み、シュミットが自らの作曲活動の集大成として構想したのが新約聖書の『ヨハネの黙示録』を題材としたオラトリオ『7つの封印の書』です。こちらは大規模な管弦楽と独唱、混声合唱、オルガンを要する作品で1938年に完成。ウィーン楽友協会創設125周年記念行事の一つとして、同年6月15日にウィーンで初演されました。 アルバムに収録された1962年ライヴ録音は、ワルター指揮の「大地の歌」(1952)の情熱的な名唱で知られるユリウス・パツァークを筆頭に、ワーグナー歌手として名高いオットー・ヴィーナーをソリストに迎え、聖職者としても知られるアントン・リッペが指揮を執り、劇的、かつ崇高な演奏を披露しています。交響曲第4番はウィーン国立歌劇場の首席指揮者を務めたルドルフ・モラルトの指揮。 当CDは交響曲第4番がEpic LC 3164、 『7つの封印の書』がAmadeo AVRS 5004/05の復刻です。収録作曲家:
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ドホナーニのピアノ
(ドホナーニ所有の1910年ベーゼンドルファー・ピアノ)
ドホナーニ(1877-1960):
ピアノ作品集 [ソフィア・ギュリバダモヴァ(ピアノ)]DOHNÁNYI, E.: Piano Works - Suite in the Olden Style / Pastorale / Variations, Op. 29 (The Original Bösendorfer Piano of Dohnányi) (Gülbadamova)
発売日:2024年04月19日 NMLアルバム番号:C5519
CD価格:2,475円(税込)
優れたピアニストでもあった作曲家ドホナーニが書いた作品を、彼が所有していた歴史的ピアノで演奏した1枚。 ハンガリーの作曲家エルンスト・フォン・ドホナーニ(エルネー・ドホナーニ)は優れたピアニストであり、楽器の発明や改良にも強い関心を持っていました。彼はとりわけ半円を描くように湾曲した鍵盤を備えたピアノが気に入り、1909年から1910年頃にはこの楽器の推進者となりました。 この方式の鍵盤は、高音、中音、低音のどこを弾く時も体の中心からの距離がほとんど変わらないため、体を動かすことなく演奏できるのがポイントで、1820年代に開発されると、オーストリア、ロンドン、ドイツで競って実用化が行われた後、オーストラリアの音楽家・発明家のフレデリック・クラッサム(1869-1934)が1907年12月に特許を取得しました。クラッサムは1908年末もしくは1909年初頭にベルリンで新楽器を発表するとともに、著名ピアニストやピアノメーカーに協力をもちかけ、ドホナーニも有名なピアノ製造社「イバッハ」製の楽器を演奏、普及に尽力しました。その後、各地の音楽大学に納入される予定でしたが、実際に購入されることはほとんどなかったようです。 (曲目・内容欄に続く)
収録作曲家:
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オレフィーチェ(1865-1922):
ピアノ曲集 [アンドレア・ボスクッティ(ピアノ)]発売日:2024年04月19日
CD 2枚組価格:2,175円(税込)
19世紀後半から20世紀にかけてイアリアで活躍した作曲家ジャコモ・オレフィーチェのピアノ曲集。ボローニャで学び、後にミラノ音楽院の作曲科の教授となったオレフィーチェは歌劇《ショパン》(1901)をはじめとしたいくつかの歌劇と歌曲などで名を馳せました。 ショパンを愛した彼だけに、そのピアノ曲にも「練習曲」や「即興曲」「マズルカ」などのタイトルが付された小品が多く、どれも魅力的な旋律を持っています。「ベックリンの絵画」は、彼が絵から得たインスピレーションを表現した組曲。明るい「恋人たちのワルツ」も聴きどころです。 演奏するアンドレア・ボスクッティは、イタリア国内外でソリスト、室内楽者として活躍しています。
収録作曲家:
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パガニーニ(1782-1840):
Sonata a Preghiera - 祈りのソナタ [ルカ・ファンフォーニ(ヴァイオリン) 他]PAGANINI, N.: 4 Studies for Violin Solo / Sonata a violino scordato (Sonata a Preghiera) (L. Fanfoni, Reale Concerto, I Musici di Parma, Lorenzi)
発売日:2024年04月19日 NMLアルバム番号:CDS8015
CD価格:2,175円(税込)
DYNAMICレーベルが力を入れているパガニーニのシリーズの最新作。冒頭に置かれた「祈りのソナタ」は、ロッシーニの歌劇《エジプトのモーゼ》から主題を採り変奏曲に仕立てた「モーゼ変奏曲」として知られる作品。通常は1855年に出版されたピアノとヴァイオリン版が演奏されますが、このアルバムは、I.ヴェスコーヴォがソロ・パートの欠けている箇所を補筆完成させたオリジナルの管弦楽伴奏版を収録。世界初録音となります。また変則調弦ヴァイオリンのための断章や、カプリッチョ、アジタートは未出版作品でこちらも世界初録音です。 最後の「うつろな心」の主題による序奏と変奏曲は、全体に超絶技巧が施された極めてよく知られる華麗な曲。もともとは1830年にカール・グール(1787-1848)が出版した『ヴァイオリン物語』の付録として印刷されたもので、現在でもこの譜面が一般的に使われていますが、完全な自筆原稿は残っておらず、グールが自身の記憶を辿って譜面にしたと主張していました(ベルリンの国立図書館に保存されているパガニーニの未完成の自筆譜はグールの印刷譜と一致しています)。 ファンフォーニの素晴らしい演奏でお楽しみください。
収録作曲家:
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〈20世紀のフォックストロット集 第6集〉
南ヨーロッパ [ゴットリープ・ヴァリッシュ(ピアノ)]Piano Music - LIMA, A.T. de / MOMPOU, F. / CAMILLERI, C. / DE SABATA, V. / DESDERI, E. (20th Century Foxtrots, Vol. 6: Southern Europe) (G. Wallisch)
発売日:2024年04月19日 NMLアルバム番号:GP926
CD価格:2,175円(税込)
フォックストロットとはダンスのための音楽の1ジャンルで、もともとは19世紀末アメリカで生まれたラグタイムを前身とするスピーディーでアクションの激しい音楽です。第一次世界大戦後の1920~30年代、ヨーロッパでは人々の憧れであったアメリカ文化の象徴として流入してきたジャズやフォックストロットが大流行。このアルバムでは地中海沿岸諸国の作曲家たちによるファッショナブルなフォックストロットを聞くことができます。 アルバムではプッチーニ、カステルヌオーヴォ=テデスコ、カゼッラ、スカルコッタス、モンポウなどのよく知られる人たちの珍しい小品の他、現在では忘れられてしまった作曲家たちの世界初録音を含む作品を収録。彼らがジャズやダンス・ミュージックからどのように影響を受けたかを明らかにしています。 シリーズを通じて演奏を担当するゴットリープ・ヴァリッシュの華麗な演奏でお楽しみいただけます。
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Longa Vienna - ロンガ・ウィーン
オスマン帝国にもたらされた東洋の舞曲集 [マルワン・アバド(ウード/歌)/マチェイ・ゴレビョフスキ(クラリネット)/アルヌルフ・リントナー(バス・ギター)/ペーター・ロスマニト(パーカッション)]発売日:2024年04月19日
CD価格:2,550円(税込)
パレスチナ生まれの音楽家マルワン・アバドは、ウィーンに約40年間住んでいます。この「Longa Vienna」は、この年月を振り返り制作したアルバム。「Longa」とは、18世紀中頃にロマたちによってオスマン帝国にもたらされた東洋の音楽形式の名前で、コンサートの終わりを告げる速いテンポの舞曲を指します。当時オスマン帝国の一部であったアラブの音楽家や作曲家は、この形式を取り入れ、アラブ器楽音楽の伝統の一部として継承してきました。 ここでアバドは、多彩な楽器と歌によって、緻密に作りこまれた曲を演奏、文化的な坩堝である現代都市「ウィーン」を通過していく音楽を表現していきます。
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ハイドン(1732-1809):
十字架上のキリストの最後の7つの言葉
Hob. XX:1B(弦楽四重奏版)
聖ペトロ司祭兄弟会ユリウス・カッペル司祭による考察付き [カペラ・パウラーナ(弦楽四重奏)/ミヒャエル・ケーニヒ(朗読)]発売日:2024年04月19日
CD 2枚組価格:3,750円(税込、送料無料)
ハイドンの『十字架上のキリストの最後の7つの言葉』は1786年、スペインのカディス大聖堂からの依頼によって書かれたもので、聖金曜日の礼拝において福音書のキリストの十字架上での7つの言葉をそれぞれ読み、瞑想する時間に演奏されるための音楽です。もともとは管弦楽のために書かれましたが、後にハイドン自身によって弦楽四重奏版とオラトリオ版が作られ、クラヴィーア用の編曲版も作られました。 初演時は「前奏の後、司祭は説教壇に上がり、7つの言葉のうちの1つを読み上げ黙想しました。それが終わるとすぐに、彼は説教壇から降りて祭壇の前にひざまずき この時間は音楽によって満たされました。そして司教は二回目、三回目と説教壇に登場、説教終了後に再び管弦楽が演奏。 私の作品はこの表現にふさわしいものでなければなりませんでした。」とハイドンが振り返っており、このアルバムは初演時の構成に倣いつつ、カペラ・パウラーナによる弦楽四重奏版が演奏されています。 7つの言葉についての考察はFSSP(Fraternitas Sacerdotalis Sancti Petri 聖ペトロ司祭兄弟会)のユリウス・カッペル司祭(1993年生まれ)のもので、ここではドイツの名俳優ミヒャエル・ケーニヒが朗読を行っています。
収録作曲家:
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フレデリック・ローレンス(1884-1942)の音楽 [ジャック・リーベック(ヴァイオリン)/アンナ・ティルブルック(ピアノ)]
LAURENCE, F.: Violin and Piano Works (Liebeck, Tilbrook)
発売日:2024年04月19日 NMLアルバム番号:ORC100284
CD価格:2,175円(税込)
20世紀初めに脚光を浴びたイギリスの作曲家フレデリック・ローレンスの作品を集めた貴重なアルバム。ヘンリー・ウッドは彼のTristis(苦み、悲しみなどの意)を気に入り、1919年から23年まで5年連続でプロムナード・コンサートで指揮しました(ヴァイオリンとピアノのためのヴァージョンが当アルバムの最後に収録されています)。 ドイツ系の家庭に「フレデリック・ケスラー」として生まれたローレンスは先進的な作風で評価され、20代半ばで「一見難解だが良質な音楽」「輝かしい将来を予感させる」と高い評価を得ました。その後第1次世界大戦が勃発して反ドイツ感情が高まると姓をイギリス風に改め、クラシック音楽と映画音楽の作曲で注目されましたが、早世したこともあって歴史に埋もれてしまい、録音もほとんどありません。 このアルバムは彼の作品を音として知ることのできる貴重なリリースです。
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咲きほこるバラ
鳥たちと花の歌曲集 [エリン・モーリー/ジェラルド・マーティン・ムーア(ピアノ)]発売日:2024年04月19日
CD価格:2,175円(税込)
アメリカ生まれで、メトロポリタン歌劇場、ウィーン国立歌劇場、バイエルン国立歌劇場、パリ・オペラ座など世界トップの歌劇場でひっぱりだこのソプラノ、エリン・モーリーが待望のソロ・デビュー・アルバムをリリース。花鳥風月からインスパイアされた魅力的な歌の数々を披露しています。 世界の劇場で高く評価されるだけあって、発声も表現も工夫を凝らして一辺倒にならないところは見事。アルバムの中心に据えたリッキー・イアン・ゴードンの連作歌曲「8つの花の歌」は、死や復活、儚さを花の姿に例えた作品で多彩な表現が聴きどころです。 最後に置かれた We’ll Gather Lilacs(春になったらライラックの花を集めましょう)は1945年のミュージカル「Perchance to Dream」の中のヒット曲で、ビング・クロスビー、フランク・シナトラ、ジュリー・アンドリュースから最近ではキャサリン・ジェンキンスへと歌い継がれている名曲。モーリーにとっては幼いころから身近にあった曲なのでしょう。ここでは自らピアノを演奏しつつ情感たっぷりに歌い上げています。 他の曲で伴奏を務めるジェラルド・マーティン・ムーアはイェール音楽大学で声楽研究のコーディネーターを務めるとともに、グラインドボーン音楽祭やパリ・オペラ座で声楽コンサルタントとして活躍、特にルネ・フレミングとの共演で知られています。
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ドッジソン(1924-2013):
Mirage - 蜃気楼
ピアノ曲集 [オスマン・タック(ピアノ)]発売日:2024年04月19日
CD価格:2,250円(税込)
「不思議の国のアリス」の作者、ルイス・キャロル(本名チャールズ・ラトウィッジ・ドッジソン)の遠縁にあたる作曲家スティーブン・ドッジソン。このアルバムは彼の10周忌を記念して制作された1枚で、1956年から2005年に書かれた多彩な作品が収録されています。この中には晩年に書かれた充実した内容を持つピアノ・ソナタ第7番なども含まれ、英国の作曲家ロバート・マシュー=ウォーカーが「都会的で文化的」と評したドッジソンの音楽を存分にお楽しみいただけます。 演奏はオックスフォード生まれで「Chandos Young Musician of the Year」の受賞経験を持つオスマン・タック。2022年からドッジソン作品をバーンズ音楽祭などで演奏し、作品の普及に尽力しています。
収録作曲家:
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C.P.E.バッハ(1714-1788)/
J.G.グラウン(1703-1771):
ヴィオラ協奏曲集 [マティス・ロシャ(ヴィオラ)/スティーヴン・ワーツ(ヴァイオリン)/ハワード・グリフィス(指揮)/カメラータ・シュヴァイツ]BACH, C.P.E.: Cello Concerto, Wq. 171, H. 436 (arr. for viola) / GRAUN, J.G.: Concertante / Viola Concerto (Rochat, Camerata Schweiz, H. Griffiths)
発売日:2024年04月12日 NMLアルバム番号:555613-2
CD価格:2,775円(税込)
ヨーロッパで注目されている若手ヴィオラ奏者マティス・ロシャが宿願だったというC.P.E.バッハのチェロ協奏曲に挑んだアルバム。 ロシャはケルンでアントワン・タメスティに、ライプツィヒでタチヤナ・マスレンコに師事、現在はミゲル・ダ・シルバと共にベルギーのエリザベート王妃音楽院でアーティスト・イン・レジデンスを務めつつ、ベルギー、ドイツ、フランス、スイスなどで演奏活動を行っています。2021年にはラフマニノフのチェロ・ソナタや歌曲をヴィオラで演奏したアルバムをリリースして、そのテクニックと歌心あふれる演奏が注目されました。 ここでは彼がかねてからの夢だったと語るC.P.E.バッハのチェロ協奏曲 変ロ長調 Wq 171のソロをヴィオラで演奏。原盤解説(英語・独語)では「この曲の軽やかなヴィルトゥオジティはヴィオラに向いている」と語る一方、10代の頃からの相談役であった指揮者ハワード・グリフィスに賛同してもらうためにアレンジには周到な工夫を凝らしたとも語っています。 他にはヴァイオリンの名手だったグラウンの作品を2曲収録。コンチェルタンテで共演しているのは2014年メニューイン国際コンクールの覇者、オランダのステファン・ワーツ。グリフィス率いるカメラータ・シュヴァイツが見事なサポートを聴かせます。
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ウォーカー(1922-2018):
〈ピアノ作品全集 第1集〉
ピアノ・ソナタ 第1番-第3番他 [アレクサンダー・ドッシン(ピアノ)]WALKER, George: Piano Works (Complete), Vol. 1 (Dossin)
発売日:2024年04月12日 NMLアルバム番号:8.559916
CD価格:1,900円(税込)
1996年に声楽とオーケストラのための作品「ライラック」でピューリッツァー賞を受賞した、アフリカ系アメリカ人作曲家ジョージ・ウォーカー。カーティス音楽院で作曲とピアノを学び、1945年に同音楽院初の黒人卒業生となった彼は、60年以上にわたってピアノ曲を書き続け、バーバーやバーンスタインらから影響を受けた作品を数多く遺しました。 このアルバムには1941年から1979年までの作品が収録されています。アメリカ民謡が用いられたソナタ第1番、1955年に入学を許されたイーストマン音楽学校の卒業試験作品として書かれたソナタ第2番、各楽章にタイトルが付されたソナタ第3番、この3つのソナタを中心に、無調で書かれた小品を配置、ウォーカーの知られざるピアノ曲を堪能いただけます。
収録作曲家:
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ジョン・アダムズ(1947-):
シティ・ノワール
フィアフル・シンメトリーズ
ローラ・モンテスはスパイダー・ダンスを踊る [マリン・オルソップ(指揮)/ウィーン放送交響楽団]ADAMS, John: City Noir / Fearful Symmetries / Lola Montez Does the Spider Dance (ORF Vienna Radio Symphony, Alsop)
発売日:2024年04月12日 NMLアルバム番号:8.559935
CD価格:1,900円(税込)
現代アメリカを代表する作曲家の一人、ジョン・アダムズの作品集。このアルバムには、彼の代表作「シティ・ノワール」を含む3つの作品が収録されています。 冒頭の「シティ・ノワール」は1940年代から50年代のロサンゼルスの文化と社会史からインスピレーションを受けた“想像上の映画音楽”と彼が呼ぶ作品。巨大なオーケストラを縦横無尽にあやつるアダムズの手腕を知ることができます。 「フィアフル・シンメトリーズ」は彼が《中国のニクソン》を成功させた時期の作品。管弦楽にシンセサイザー、サクソフォンなど多彩な楽器を加えた、いわば変型版ビッグバンドとも言える編成で、打楽器などのサンプリング音源も用い、蒸気機関で動く機械を連想させるミニマル風の曲です。 指揮者のマリン・オルソップはカブリヨ現代音楽祭で活動を始めた30年以上も前からアダムズと協働を続け、その間に彼の作品を数多く演奏してきました。今回は彼女の手兵であるウィーン放送交響楽団とともに愛するアダムズの作品を演奏、共感溢れる音楽を披露しています。 アルバムの最後に置かれた「ローラ・モンテスはスパイダー・ダンスを踊る」は、オルソップがカブリヨ現代音楽祭を離れる時にアダムズが彼女のために書いた曲で、短いながらも温かい心情、ユーモアにあふれた作品です。
収録作曲家:
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トゥリーナ(1882-1949):
弦楽のための作品集
闘牛士の祈り/タンゴ/オルジア [ロベルト・ジョルダーノ(ピアノ)/ヒル・デ・ガルベス(指揮)/コンセルト・マラガ]TURINA, J.: Works for String Orchestra - La oración del torero / Tango / Orgía (R. Giordano, Concerto Málaga, Gil de Gálvez)
発売日:2024年04月12日 NMLアルバム番号:8.573391
CD価格:1,900円(税込)
イタリア系スペイン人のトゥリーナは、セビリアに生まれ1905年から1914年までパリのスコラ・カントルムで作曲をヴァンサン・ダンディに、ピアノをモシュコフスキーに師事、1914年に帰国してからはアンダルシアの民俗音楽の要素を採り入れたスペイン民族色の濃い作品を数多く発表しました。 2024年はホアキン・トゥリーナの没後75周年にあたります。このアルバムでは彼の作品の中でもよく知られる「闘牛士の祈り」や「タンゴ」「セレナータ」をはじめ、ピアノを加えた4作品まで、2曲の世界初録音を含むトゥリーナの代表的な名作を弦楽オーケストラ用にアレンジしたものを収録、トゥリーナのノスタルジックな曲調を存分にお楽しみいただけます。
収録作曲家:
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アルファーノ(1875-1954):
ロマンティックな組曲
ディヴェルティメント他 [ジュゼッペ・グラツィオーリ(指揮)/ミラノ交響楽団/ダヴィデ・ヴェンドラミン(アコーディオン)/ヴィットーリオ・ラバリアーティ(ピアノ)]ALFANO, F.: Suite Romantica / Una danza / Nenia / Divertimento / Amour… Amour… (Vendramin, V. Rabagliati, Orchestra Sinfonica di Milano, G. Grazioli)
発売日:2024年04月12日 NMLアルバム番号:8.574533
CD価格:1,900円(税込)
プッチーニの死後、歌劇《トゥーランドット》の補筆を行ったことで知られるイタリアの作曲家フランコ・アルファーノの管弦楽作品集。ナポリで学んだ後、ライプツィヒ音楽院に留学、ザーロモン・ヤーダスゾーンに作曲を師事した彼は、ピアニストとして活躍する傍ら、トルストイの『復活』を題材にした同名歌劇で名を上げ、《シラノ・ド・ベルジュラック》など10作ほどの歌劇を書き上げます。 このアルバムには“イタリアを旅する二人の恋人の心情“を描き出した「ロマンティックな組曲」から、ドビュッシーを思わせる印象派風の「舞曲」、無伴奏アコーディオンのための物悲しい「葬送歌」、新古典派的な作風で書かれた「ディヴェルティメント」と、軽妙なワルツ「Amour… Amour…」の5曲が収録されており、アルファーノの豊かな表現法を知ることができます。
収録作曲家:
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ブルーサ(1954-):
〈管弦楽作品集 第5集〉
レクイエム
スターバト・マーテル [レーカ・クリストーフ/ドロティア・ラーング/イシュトヴァーン・ホルヴァート/マルセル・バコニー/リッカルド・フリッツァ (指揮)/ハンガリー放送交響楽団&合唱団]BRUSA, E.: Orchestral Works, Vol. 5 - Requiem / Stabat Mater (Kristóf, D. Láng, I. Horváth, Bakonyi, Hungarian Radio Choir and Symphony, Frizza)
発売日:2024年04月12日 NMLアルバム番号:8.574589
CD価格:1,900円(税込)
1954年ミラノ生まれの女性作曲家、エリザベッタ・ブルーサの管弦楽作品集。2002年からゆっくりとしたペースで進むシリーズ第5集には、彼女の最新の合唱を伴う作品が収録されています。 以前からレクイエムを作曲したいと願っていたものの、人生経験の不足などからどうしても納得のいくものが書けなかったというブルーサ、これまでに様々な試作を重ねてきたといいます。しかしヤコポーネ・ダ・トーディの『スターバト・マーテル』のテキストを読み、その苦しみに対する表現の豊かさに衝撃を受け、レクイエムの足掛かりとしてまずソプラノ独唱を伴う『スターバト・マーテル』を作曲、次いで『レクイエム』を書き上げたのです。 完成した作品はどちらも調性感を伴う古典的な雰囲気を纏いながらも、熟達したオーケストラの使用法が際立つ堂々たる風格を備えています。
収録作曲家:
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ジャ・ダーチュン(1955-):
押し寄せる思考の波
巴蜀奇想曲 [ミハウ・クラウザ(指揮)/シンフォニア・ヴァルソヴィア/ヤクブ・ハウファ(ヴァイオリン)]JIA, Daqun: Wave of Surging Thoughts (The) / Bashu Capriccio (Haufa, Sinfonia Varsovia, Klauza)
発売日:2024年04月12日 NMLアルバム番号:8.579157
CD価格:1,900円(税込)
現代中国を代表する作曲家の一人ジャ・ダーチュン(贾达群)。数多くの作品を発表、とりわけオーケストラ作品で世界的な高い評価を受けています。 このアルバムに収録された「The Wave of the Surging Thoughts 押し寄せる思考の波」は、チェロの深い音色をフィーチャーした第1楽章、パーカッションセクションが活躍する第2楽章、ヴァイオリン・ソロが際立つ第3楽章、主題がさまざまな形で執拗に繰り返される第4楽章、華やかな金管を特徴とし、ワーグナーの「タンホイザー序曲」を思わせる勇壮な第5楽章の5つの楽章で構成されています。一連の流れは古典的な交響曲の基本パターンである「苦悩から勝利へ」に基づいており、高度な統一感を持つ音楽です。 最後に置かれた「巴蜀奇想曲」の「巴蜀」とは四川省の古い名称で、この地に根付く文化的伝統を表現した見事な作品です。
収録作曲家:
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ドニゼッティ(1797-1848):
歌劇《ラ・ファヴォリート》 [アンナリーザ・ストロッパ/ハビエル・カマレナ/フロリアン・センペイ 他/リッカルド・フリッツァ(指揮)/ドニゼッティ歌劇場管弦楽団&合唱団]発売日:2024年04月12日
CD 3枚組価格:3,900円(税込、送料無料)
「お気に入り、愛妾」を意味する《ラ・ファヴォリート》は、ドニゼッティが1839年に作曲した《ニシダの天使》を転用し、フランス語の台本を用いて書き上げた作品。1840年のパリ・オペラ座での上演は大成功を収めました。 《ラ・ファヴォリータ》として知られるイタリア語版が、20世紀の後半に至るまで、世界各地での上演の主流となりましたが、近年、ドニゼッティの作品を作曲家の意図したオリジナルの姿で上演する機運が高まり、ドニゼッティ音楽祭2022における本上演でも、レベッカ・ハリス=ウォリックによるオリジナルのフランス語台本による、比較校訂版スコア(1997 リコルディ社)が用いられています。 レオノール役のアンナリーザ・ストロッパ、フェルナン役のハビエル・カマレナ、アルフォンス11世役のフロリアン・センペイ、バルタザール役のエフゲニー・スタヴィンスキーら錚々たる歌唱陣が歌い上げる名アリアと重唱の数々に彩られたこの壮大な作品を、ドニゼッティ音楽祭の音楽監督を務めるリッカルド・フリッツァの引き締まったタクトが表情豊かに描き尽くしています。
収録作曲家:
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異教の天使
~ボスニア・ヘルツェゴビナに伝わる中世の礼拝音楽~ [ディアロゴス、カンタドゥリ]HERETICAL ANGELS - Rituals of Medieval Bosnia and Herzegovina (Dialogos, Livljanić, Kantaduri, Ćaleta)
発売日:2024年04月12日 NMLアルバム番号:A560
CD価格:2,775円(税込)
バルカン半島の伝統と古楽の接点。
ボスニア・ヘルツェゴヴィナの中世へ!古楽研究と並行して地元の伝統音楽からも多くを学びながら、バルカン半島の歴史遺産の素顔に迫り続けるクロアチアの古楽歌手カタリナ・リヴリャニチ。自身のグループであるディアロゴスと共に、男声アンサンブルでバルカン半島の伝統歌を追求し続けるカンタドゥリをゲストに迎えての活動も長く続けていますが、今回はクロアチアからさらにバルカン半島の奥へ踏み込み、ユーゴ内戦後着実に復興を遂げてきたボスニア・ヘルツェゴヴィナの中世音楽に注目。音楽が記されず詩句だけが残る礼拝歌の復元版を中心に、先唱者が息が続く限り歌う長いフレーズのなか他の歌手が声を添える伝統唱法を用いた碑文の朗誦も交えつつ、ア・カペラと数少ない中世楽器の伴奏で風格豊かな独特の音世界を聴かせます。 楽曲の復元は詩句の韻律や現代に残る口承伝統歌などを参照、東方正教のキリスト教だけでなく、イスラムやユダヤの伝統も歴史を彩ってきたこの地ならではのサウンドスケープを浮き彫りにしてゆく意欲的な試みを、「試み」に終わらせない音楽性は圧巻の一言! アドリア海を挟んでイタリアに伝わる笛やボスニア・ヘルツェゴヴィナの二本笛ドヴォイニツェ、独特の雑味を含んだ羊腸弦の響きが美しい弓奏ヴィエル(中世フィドル)などが随所で独特な音色を聴かせ、美しい男声ア・カペラや女声独唱と響きあいながら織り上げてゆく音世界。折に触れ何度も再訪したくなるユニークな魅力に満ちた1枚です。収録作曲家:
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Mozart, You Drive Me Crazy!
モーツァルト(1756-1791):
ダ・ポンテ三部作名場面集 [ゴルダ・シュルツ、アントネッロ・マナコルダ、カンマーアカデミー・ポツダム、ジュリー・ロゼ、アミタイ・パティ ほか]MOZART, YOU DRIVE ME CRAZY! (Schultz, Kammerakademie Potsdam, Manacorda)
発売日:2024年04月12日 NMLアルバム番号:ALPHA1026
CD価格:2,775円(税込)
劇的かつ繊細!
様式感確かなマナコルダ共演によるゴルダ・シュルツのモーツァルト欧州歌劇界の舞台のみならず歌曲リサイタルでも躍進中の南アフリカ出身歌手ゴルダ・シュルツによる、モーツァルト後期の重要なオペラ3作から名場面を集めたアルバム。基本的には彼女が主役のアリア集ですが、かなり大掛かりなアンサンブルや二重唱も意欲的に選曲されています。その共演歌手たちについても、今まさに注目を集めつつある新時代の気鋭ソリストが多く名を連ねている点からも、ゴルダ・シュルツという歌手へのシーン全体の期待感が伝わります。 アルバムを通して彼女の歌唱はきわめてドラマティックでありながら繊細な表情も圧巻で、アンサンブルでの真に迫った対話や心情描写と共に深い作品理解のあり方が窺えます。各オペラの物語全体を見据えながら1枚のアルバムとして意義ある形を構築する見識の高さは、古今東西の女性作曲家たちの歌曲を集めた先行アルバム(ALPHA799)にも通じるところ。 近年相次ぐ来日公演でも話題を呼んでいるアントネッロ・マナコルダ指揮のもと、18世紀の奏法を踏まえた抜群の解釈を響かせるカンマーアカデミー・ポツダムと共に、21世紀ならではのモーツァルト像を存分に味わわせてくれます。収録作曲家:
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リスト(1811-1886):
ピアノ・ソナタ ロ短調
3つのペトラルカのソネット
忘れられたワルツ 第2番
演奏会用練習曲 第2番他 [ネルソン・ゲルナー]LISZT, F.: Piano Sonata in B Minor / Années de pèlerinage (excerpts) / Valse oubliée No. 2 (Goerner)
発売日:2024年04月12日 NMLアルバム番号:ALPHA1036
CD価格:2,775円(税込)
ゲルナー、リストのソナタを16年ぶりに再録音1969年アルゼンチン生まれ、日本でも多くのファンを持つネルソン・ゲルナーによるリスト。Cascavelleレーベルに残した2枚のアルバム以来のまとまったリスト録音となります。 高い演奏技術に裏打ちされた鮮やかな場面描写と色彩感、そして気品に溢れる表現が大きな魅力。堅固な構成力で聴かせるソナタは、録音の少し前に行われた2023年1月の来日公演でも披露され聴衆を魅了しており、今回が再録音となっています。
収録作曲家:
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イヴァン(1891-1965):
オペレッタ《イエス!》 [レ・フリヴォリテ・パリジェンヌ]YVAIN, M.: Yes [Operetta] (Orchestre des Frivolités Parisiennes)
発売日:2024年04月12日 NMLアルバム番号:ALPHA974
CD 2枚組価格:4,650円(税込、送料無料)
1920年代から30年代にかけてパリで人気を博したオペレッタ、ミュージカル作曲家モーリス・イヴァンによる作品。厳格な父から結婚を命じられた放蕩息子が、それを避けるために周囲の男女と繰り広げる策と恋愛事情が絡み、フランスのル・トゥケとロンドンを行き来するちょっと複雑なドタバタ劇。 1928年1月に初演されて大ヒットした舞台を出来る限り再現し、現存する音楽素材も最大限盛り込んだ、当時の熱気が伝わる楽しいアルバムです。
収録作曲家:
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J.S.バッハ(1685-1750):
〈カンタータ 第46集〉
カンタータ 第31番・第85番・第178番
[テリー・ウェイ/ゲオルク・ポプルッツ/マルクス・フォルペルト 他/ルドルフ・ルッツ(指揮)/バッハ財団管弦楽団&合唱団]BACH, J.S.: Cantatas, Vol. 46 - BWV 31, 85 and 178 (J.S. Bach Foundation Choir and Orchestra, Lutz)
発売日:2024年04月12日 NMLアルバム番号:BSSG-C368
CD価格:5,175円(税込、送料無料)
ルドルフ・ルッツとバッハ財団管弦楽団によるカンタータ第46集。 第31番「天は笑い、地は歓呼す」は復活祭用のカンタータ。ザロモン・フランクの台本が用いられたこの作品は3本のトランペット、ティンパニ、3本のオーボエとオーボエ・ダ・カッチャを含む祝祭的な楽器編成が用いられており、キリスト復活の喜びが表現されています。初演は1715年4月21日。その翌年にも再演されています。ソナタと題された協奏曲風の器楽合奏で幕をあけ、バス、テノール、ソプラノのアリアが続き、最後は輝かしいコラールで曲を閉じます。 第85番「われは善き羊飼いなり」は、1725年4月15日に初演された復活後第2日曜日のカンタータ。よき羊飼いとしてのイエスの姿が示されています。落ち着いたバスのアリアで曲が始まり、装飾的な前奏に導かれたアルトのアリアが続きます。牧歌的なソプラノのコラールが続き、弦楽器による三連符のモテーフが際立つテノールの美しいアリア、最後は簡素なコラールで聴き手を慈悲と神の加護の世界へと導きます。 1724年7月30日に初演された第178番「主なる神、われらがもとにあらずば」は、ユストゥス・ヨナスのコラールを基にした劇的な内容を持つカンタータ。コラールは詩篇第12篇によるもので、神の下、敵と戦うことをテーマにしています。付点音符が際立つ合奏が印象的な冒頭の合唱、手の込んだ手法で書かれたアルトのレチタティーヴォ、そして舟の心地よい揺れを表す低弦の響きに乗ったバスのアリアが続きます。信仰と理性が葛藤する人々を諫めるかのようなテノールのコラールとアリア、最後は天と地、全てを掌握する神を湛えるコラールが続きます。
収録作曲家:
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南ベトナムの音楽 [グエン・ヴィン・バオ・アンサンブル]
発売日:2024年04月12日
CD価格:2,775円(税込)
OCORAレーベルの名盤再発売シリーズ。南ベトナムの名手グエン・ヴィン・バオとそのアンサンブルによる演奏を現地録音したもの。3つの撥弦楽器と1つの擦弦楽器による、たいへん心地よい響きを楽しめます。
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モンドンヴィル(1711-1772):
英雄舞踏劇《パルナス山の謝肉祭》 [アレクシス・コセンコ、レザンバサドゥール=ラ・グランド・エキュリー、ナミュール室内合唱団、グヴェンドリーヌ・ブロンデール ほか]発売日:2024年04月12日
CD 2枚組価格:4,650円(税込、送料無料)
ラモーに追い迫り新時代を築いたフランス18世紀の名匠、
象徴的傑作待望の全曲録音!既に数多くのグラン・モテ(管弦楽付き教会声楽曲)や舞台音楽が録音されてきたモンドンヴィルは、巨匠ラモーと共にフランス王ルイ15世の公妾ポンパドゥール夫人の愛顧を受けた18世紀中盤の人気作曲家。 《パルナス山の謝肉祭》はラモーと共に彼の名声も絶頂に達しつつあった1749年に初演されて大成功を収め、その後も1759年と1767年、そして作曲家歿後の1774年にもリヴァイヴァルされた金字塔的傑作。ニケやヴァシュヘーギら古楽シーンの俊才たちも折に触れ名場面をとりあげ録音もしていますが、全曲通しての録音はこれが初となります。 26人の弦楽器奏者に対しフルート、オーボエ、バスーンをそれぞれ4人ずつ起用、一対のホルンとティンパニ、パイプ&テイバーが加わる充実編成。これを率いメロディアスで精彩に富んだ作品美を十全に引き出すのは、近年バロックから初期ロマン派まで広範なレパートリーの古楽器演奏で話題を呼んでいる指揮者アレクシス・コセンコ! ブロンデール、ギユメット、ヴィダルら今を時めく欧州歌劇界の名歌手たちと共に、羊飼いたちが暮らす理想郷で少女リコリスへ思いを寄せる太陽神アポロンを巡る物語を起伏豊かに現代に蘇らせます。 「英雄舞踏劇」と銘打たれている通り、躍動感に富んだ舞曲ナンバーが多い点も魅力の一つ。モンドンヴィル随一の自然でメロディアスな音運びを通じ、古典派前夜の流麗な音楽を抜群の古楽器オーケストラと名歌唱で堪能できる録音です。収録作曲家:
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デトゥーシュ(1672-1749):
音楽悲劇《テレマークとカリプソ》 [マルゴー・ブランシャール、シルヴァン・サルトル、レゾンブル、イザベル・ドリュエ、アントナン・ロンドピエール、エマニュエル・ド・ネグリ ほか]発売日:2024年04月12日
CD 2枚組価格:4,650円(税込、送料無料)
ルイ14世最晩期を彩った気鋭デトゥーシュの充実作ヴィヴァルディやヘンデルが注目を集め始めた頃、1714年11月にパリの王室音楽アカデミー劇場(オペラ座)で初演された《テレマークとカリプソ》は、翌年9月に亡くなることになる老王ルイ14世が最晩期に賞賛した人気作曲家デトゥーシュの充実作。前年にオペラ座の総監査役を任された彼は、王が愛した往年の大家リュリを彷彿とさせる活躍を劇音楽の世界で見せていました。 古代ギリシャの英雄叙事詩『オデュッセイアー』に取材した、オデュッセウスの息子テレマーク(テレマコス)が父を探しにゆく途中で海難の末たどりついた島での顛末を描いた序幕付き全5幕の構成も、まさしくリュリの伝統を受け継ぐ正統派。全編を通じて合唱を効果的に用いつつ、いたるところに舞曲をふんだんに盛り込みながら、フランス語の韻律をイタリア流の歌心に沿わせるデトゥーシュの確かな作曲手腕が活きています。 小ぶりのアンサンブルで驚くほど雄弁な音楽を織り上げてゆくのは、フランスのバロック・オペラ界で目覚ましい活躍を続ける才人集団レゾンブル!表題役のドリュエとロンドピエールを筆頭に、さまざまな役柄をこなすハスナア・ベナニや女主人公を演じるエマニュエル・ド・ネグリら独唱者には存在感ある歌手が揃い、名手揃いの器楽合奏(弦楽合奏にはレ・タンブルの名手・川久保洋子も参加)と緊密なアンサンブルを通じて正統派のフランス・バロック劇音楽世界を描き出します。 再評価目覚ましいデトゥーシュの真髄に触れられる、本場ヴェルサイユ発の頼もしい全曲録音です。
収録作曲家:
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管弦楽のない協奏曲
シューマン(1810-1856):
ピアノ・ソナタ 第3番
ラフマニノフ(1873-1943):
楽興の時
J.S.バッハ(1685-1750):
イタリア協奏曲 [サーリ・ジャン・ゲヴレック]Piano Recital: Gevrek, Salih Can - SCHUMANN, R. / BACH, J.S. / RACHMANINOV, S. (Concertos Without Orchestra)
発売日:2024年04月12日 NMLアルバム番号:FUG826
CD価格:2,775円(税込)
1992年トルコ生まれの若きピアニスト、サーリ・ジャン・ゲヴレック。2011年にはロンドンのロイヤル・カレッジ・オヴ・ミュージックに入学、ドミトリー・アレクセーエフに師事してアーティスト・ディプロマを取得し、エリザベート王妃音楽院のアーティスト・イン・レジデンスを務めています。 彼にとって初のフル・アルバムとなる今作は、「管弦楽のない協奏曲」がテーマ。シューマンのソナタ第3番は、その規模の大きさからまさに「管弦楽のない協奏曲」あるいは「グランド・ソナタ」と呼ばれたもの。 続いて協奏曲の楽器の対照を鍵盤楽器1台で表現したバッハの傑作、そしてラフマニノフの規模の大きな作品へと繋がるプログラム。ゲヴレックの深い作品解釈と多彩な表現力が、ばらばらの時代の作品たちを有機的に関連付けています。
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シューマン(1810-1856):
ピアノと弦楽器のための三重奏曲、四重奏曲 [テオ・フシュヌレ、ピエール・フシュヌレ、ヴィクトル・ジュリアン=ラフェリエール、リズ・ベルトー]SCHUMANN, R.: Piano Trios / Piano Quartet, Op. 47 (Schumann Collection - Trios and Quartet for Piano and Strings) (P. and T. Fouchenneret, Berthaud)
発売日:2024年04月12日 NMLアルバム番号:LBM059
CD 2枚組価格:4,650円(税込、送料無料)
フシュヌレ兄弟を中心として録音が続けられるシューマンの室内楽ライヴ録音シリーズの第3弾。2017年エリザベート王妃国際音楽コンクール・チェロ部門の初代覇者ジュリアン=ラフェリエールを迎えた三重奏曲、ル・サージュほか多くのアーティストの信頼篤くアンサンブルやソリストとして活躍するリズ・ベルトーをさらに加えた四重奏曲を収録しています。 ライヴならではの緊張感と彼らの深い交感が生み出す親密さにより、たいへん心地よい演奏に仕上がっています。
収録作曲家:
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J.S.バッハ(1685-1750):
フーガの技法 BWV 1080 [アーポ・ハッキネン(チェンバロ) 他]BACH, J.S.: Kunst der Fuge (Die) (The Art of Fugue) (Häkkinen)
発売日:2024年04月12日 NMLアルバム番号:ODE1437-2
CD価格:2,475円(税込)
ボブ・ファン・アスペレンやピエール・アンタイに師事し、今や北欧を代表する古楽鍵盤奏者・指揮者として目覚ましい活躍を繰り広げるハッキネンがフーガの技法を録音しました。 ハッキネンはバッハの死後出された出版譜ではなく1740年代に書かれた自筆譜の順番で演奏しており、その理由を「作品の持つ周期性と対称性がわかり易いから」としています。同時に、部分的には出版譜の解釈を採用し、未完のコントラプンクトゥス14は含まず、古風なコンソート・スタイルに通じるコントラプンクトゥス12はヴィオール・コンソートで(ハッキネンは参加せず)、トリオ・ソナタの書法を採り入れたコントラプンクトゥス13はヴァオリンとチェンバロのデュオで演奏しています。 使われた楽器はアンドレアス・ルッカースが1614年に製作した2段鍵盤のオリジナルで、後に作曲家ジョン・ブロウの手に渡り、ヘンデルも演奏した記録も残っています。録音で聴くと、非常に豊かな響きを持つ楽器のようです。 原盤ブックレットの作品解説にはバッハの伝記作者でもある音楽史家フィリップ・シュピッタ(1841-1894)が1880年に書いたものを採用しています(英語・ドイツ語)。
収録作曲家:
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トーマス(1826-1913):
〈ハープとピアノのための二重奏曲全集 第4集〉
ハープ協奏曲 第1番他 [デュオ・プラクセディス]THOMAS, J.: Harp and Piano Duos (Complete), Vol. 4 (Duo Praxedis)
発売日:2024年04月12日 NMLアルバム番号:TOCC0582
CD価格:2,175円(税込)
ウェールズ出身のジョン・トーマスは、18世紀後半に最も称賛されたハープ奏者・作曲家の一人。ヴィクトリア女王専属のハープ奏者を務め、その洗練された技巧で広く愛されました。 この第4集には当時流行していたマイアベーアの歌劇《ディノラ》や、ベッリーニの《ノルマ》の旋律を用いたパラフレーズ、イタリア歌曲集でおなじみのアルディーティの作品を行進曲風にアレンジした「くちづけ」、トーマス自身のハープ協奏曲のアンダンティーノをピアノとハープのために編曲したものなどが収録されています。 シリーズを通じて演奏する「デュオ・プラクセディス」は18世紀末から20世紀初頭までの知られざるハープとピアノ二重奏曲の復興に力を注ぐアンサンブルです。
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ランバート(1951-):
金管とオルガンのための音楽 [リチャード・ランバート(指揮)/チェスター・コンコルディア・ブラス・アンサンブル/フィリップ・ラッシュフォース(オルガン)/ロバート・マーシュ(オルガン)]LAMBERT, R.: Music for Brass and Organ (Jermy, Marsh, Rushfort, Chester Concordia Brass Ensemble, Lambert)
発売日:2024年04月12日 NMLアルバム番号:TOCC0718
CD価格:2,175円(税込)
1951年イギリス、バースに生まれた作曲家、指揮者リチャード・ランバート。彼の父と祖父が地元の教会のバンドマスターを務めており、とりわけ父が優れたコルネット奏者であったため、幼い頃からオルガンとブラスの音に触れて育ちました。やがて自分でもトランペットを演奏するようになり、16歳頃からは友人たちが演奏するための曲を作曲していたといいます。以降彼は様々なアンサンブルで演奏、多彩な経験を積んできました。 同時にオルガンのレッスンも受けたランバート、このアルバムに収録された一連の作品は、主として彼の友人や知人の特別な場面を記念するために作曲されたものです。作品はどれもプーランクやウォルトンを彷彿させる雰囲気を持ち、祝祭的なムードの中にもユーモアをにじませたユニークな作風が魅力です。
収録作曲家:
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チェピーティス(1908-1989):
〈手稿譜によるピアノ小品集 第1集〉
ソナチネ ロ長調/7つの小品集
3つのカプリース/2つの子守歌/5つの前奏曲 [ノラ・ルーセ(ピアノ)]ĶEPĪTIS, J.: Piano Miniatures from the Manuscripts,Vol. 1 (Lūse)
発売日:2024年04月12日 NMLアルバム番号:TOCC0721
CD価格:2,175円(税込)
ラトヴィアの作曲家ヤーニス・チェピーティス。ラトヴィア音楽院でヤーセプス・ヴィートルスから作曲を、ヤーニス・メディンシュから指揮を学びました。その後パリでピアノをカサドシュとギーゼキングに師事、ラトヴィアに戻ってからは放送局で働きます。終戦後はラトヴィア国立音楽院の室内楽クラスの教授を務めました。 彼の作品は母国ラトヴィアでもほとんど知られておりませんが、実は驚くほど多作家であり、6つの交響曲をはじめ、歌劇やバレエ、室内楽、カンタータや民謡編曲など数多くの作品を残しています。中でもピアノ曲は約100曲確認されており、その多くは小品です。 このアルバムに収録されているのは、ピアニスト、ノラ・ルーセがチェピーティスの手稿譜を用いて演奏した様々な小品で、スクリャービンやラフマニノフの雰囲気を湛えながらも、ラトヴィア民謡の香りも感じられる美しい作品を聴くことができます。
収録作曲家:
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センター(1913-1973):
〈器楽と室内楽作品集 第3集〉
ヴァイオリンとピアノのためのソナタ [タマーシュ・フェイェシュ(ヴァイオリン)/バラージュ・レンツェシュ(チェロ)/クリストファー・ギルド(ピアノ)]CENTER, R.: Instrumental and Chamber Music, Vol. 3 (Fejes, Renczes, Guild)
発売日:2024年04月12日 NMLアルバム番号:TOCC0723
CD価格:2,175円(税込)
スコットランドの作曲家ロナルド・センターの室内楽作品集。アバディーンに生まれ、地元でピアノとオルガンを学んだセンターは、1943年にアバディーンシャーのハントリーに移り6年間の教師生活を送った後、作曲家として活動。1944年からは彼の作品がBBCで放送され人気を博しています。「スコットランドのバルトーク」と異名をとるほど、荒々しいエネルギーを備えた作品を書いていますが、作品の公開には意欲的ではなく、現在でもごく一部の作品が出版されているのみです。 彼は基本的にはピアノ曲に力を注いだ作曲家であり、アルバムの最後に置かれた一連の「前奏曲とフーガ」では、対位法を自在に操る手腕も見せています。一方、1945年に出会った2人のポーランド兵(一人はチェリスト、もう一人はヴァイオリニスト)に触発され、このアルバムに収録されたソナタなどいくつかの室内楽作品も書き上げており、これらはブリテンを思わせる味わいを持っています。 ピアノを演奏するクリストファー・ギルドは、これまでにもスティーヴンソンやワーズワースなど、イギリス近現代作品の解釈で高く評価されるベテランです。
収録作曲家:
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マーラー(1860-1911):
交響曲 第3番 ニ短調 [ナタリー・シュトゥッツマン/テルツ少年合唱団 他/マリス・ヤンソンス(指揮)/バイエルン放送交響楽団]MAHLER, G.: Symphony No. 3 (Stutzmann, Tölz Boys' Choir, Bavarian Radio Chorus, Bavarian Radio Symphony, M. Jansons)
発売日:2024年04月05日 NMLアルバム番号:900194
CD 2枚組価格:2,700円(税込)
2010年はヤンソンスがマーラーの3番に取り組んだ年でした。2月にコンセルトヘボウ管(RCO)を指揮した演奏はCDと映像でリリースされ、11月にはRCOとの来日公演でも演奏して聴衆に深い感銘を残しました。 このCDは、その翌月にミュンヘンで行われたバイエルン放送交響楽団とのライヴ録音。常に準備周到だったヤンソンスですが、これはまさに万全の状態で臨んだ演奏会だったと言えるでしょう。各楽章の演奏時間はRCO盤とほぼ同じで、ここでもヤンソンスの解釈が迷いのないものであったことがうかがわれます。 全6楽章、100分近い長丁場を弛緩することなく曲の持つドラマ性を提示しながら、丁寧にオーケストラをまとめるヤンソンスの手腕の見事さ。第4楽章でのシュトゥッツマンの独唱は暗闇の中に射し込む一筋の光のように鮮烈な輝きを放ち、第5楽章での少年たちの歌声はまさに天使の合唱、そして最終楽章の荘厳かつ壮麗なクライマックスはオーケストラの実力を存分に見せつけるとともに、ライヴならではの高揚感に満ちています。
収録作曲家:
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R.シュトラウス(1864-1949):
歌劇《無口な女》(ハイライト) [ハンス・ホッター/フリッツ・ヴンダーリヒ/インゲボルグ・ハルシュタイン 他/ハインツ・ワルベルク(指揮)/バイエルン放送交響楽団]STRAUSS, R.: Schweigsame Frau (Die) (excerpts) (Wunderlich, H. Prey, Hallstein, Hotter, Bavarian Radio Symphony, Wallberg)
発売日:2024年04月05日 NMLアルバム番号:900219
CD価格:2,325円(税込)
バイエルン放送交響楽団創立75周年。豪華歌手を揃えた未発表音源をCD化《無口な女》は1934年に完成され、1935年6月24日にカール・ベームの指揮によりドレスデンで初演されましたが、台本作者のツヴァイクがユダヤ人だったこともあって3回の上演だけでナチスによって禁止処分となり、復活は終戦後の1946年まで待たねばなりませんでした。 作品の舞台は1780年頃のロンドン近郊。年老いた元軍人モロズス卿と、彼の甥でオペラ歌手のヘンリー、彼の妻アミンタ(高度なコロラトゥーラ歌唱が求られる)、《セビリアの理髪師》のフィガロを彷彿させる理髪師と彼に横恋慕する家政婦など様々な人物が登場。ドタバタ騒ぎの末、最後はモロズス卿の「Wie schön ist doch die Musik - aber wie schön erst, wenn sie vorbei ist! 音楽は美しい、しかしもっと美しいのは音楽が終わったあとだ」の印象的な独白で幕を閉じます。 このCDで聴けるのはその抜粋(名場面集)で、1960年11月6日のテレビ向け公開収録の前日と前々日に行われていたセッション録音。モロズス卿にハンス・ホッター、ヘンリーにフリッツ・ヴンダーリヒ、理髪師にヘルマン・プライと、前年夏にベームとウィーン・フィルがザルツブルクで上演した際と同じ豪華キャストによる歌が聴きものです。 指揮はN響への客演でも親しまれたハインツ・ワルベルク。ドイツとオーストリアで歌劇場やオーケストラのポストを歴任し、ウィーン国立歌劇場では450回以上も指揮をした実力者です。
収録作曲家:
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チェロの誕生
~ナポリ、ボローニャ、モデナ~ [ブリュノ・コクセ、レ・バッス・レユニ]NASCITA DEL VIOLONCELLO (LA) - Napoli / Bologna / Modena (Les Basses Réunies, Cocset)
発売日:2024年04月05日 NMLアルバム番号:ALPHA1023
CD 2枚組+Book価格:5,025円(税込、送料無料)
「チェロ」と呼ばれる低音弦楽器の源流を探って、名手コクセはイタリア半島の北と南へ。ALPHAでレーベル創設初期からアルバム制作を続け、バロック~古典派の低音弦楽器のための音楽の真相を問い続けてきたバロック・チェロ奏者ブリュノ・コクセとレ・バッス・レユニ。今回は「チェロ」という呼称が定まる前の時代まで遡って、イタリアでどのように低音弦楽器のための音楽が発展し、今日知られるチェロのイメージが形成されていったかを探ります。 軸になるのは学術都市として知られると共に、弦楽器のための音楽に通じた知識人たちが多かったボローニャとモデナ、そして南の王都ナポリ。それぞれの地域で16~18世紀に活躍した作曲家たちの作品を厳選、時に高音部も演奏できる楽器なども交え、一筋縄ではいかないチェロ芸術の多様なルーツを精妙に解きほぐしてゆくプログラムの妙は興味が尽きません。今回もこれまで通り古い弦楽器の構造に通じた製作家シャルル・リシェ、初期のチェロの研究に通じた音楽学者マーク・ヴァンスヘーウェイクの全面協力のもと、多種多様な楽器を使い、60ページに及ぶブックレット(英・仏語)でそれぞれの使用論拠もカラー写真入りで詳述。 近年では他のバロック・チェロ奏者たちもさかんにとりあげているヤッキーニ、ガブリエッリ、スプリアーニなどの作品の数々ですが、抜群の音楽性と作品理解を誇るコクセらの解釈による演奏は目が覚めるような新鮮な体験をもたらし、低音弦楽器の世界の奥深さに改めて開眼させられるに違いありません。 ALPHA初期からの名技師ユーグ・デショーのこだわりぬいた仕事ぶりにも驚かされ、各楽器そのものの音色はもちろん会場の気配まで克明に伝えるそのエンジニアリングは見事なもの。充実の2枚組です。
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ヨーゼフ・シゲティ
AFRS録音全集他
ベルク(1885-1935):
ヴァイオリン協奏曲
ベートーヴェン(1770-1827):
ロマンス 第1番 ト長調 Op.40他 [ヨーゼフ・シゲティ(ヴァイオリン) 他]発売日:2024年04月05日
CD価格:2,175円(税込)
名演の誉れ高いミトロプーロスとのベルクの協奏曲や、若きバーンスタインとの共演、更に第2次大戦中の貴重な録音を含むシゲティのAFRS音源を復刻。 1939年にアメリカに移住したシゲティは米コロンビアに多くの録音を行いましたが、第2次大戦中の1942年8月から44年11月の間はアメリカ音楽家連盟(American Federation of Musicians)が市販用の録音のストライキを行ったため、シゲティにもコロンビア録音がありません。トラック1から7はこの空白期間を埋める貴重な音源です。 AFRS(Armed Forces Radio Service)は国外で暮らすアメリカ人向けに1940年代初めに米軍が開設した短波放送局。同局の放送用の録音は上記のストライキの対象外となったため、ジャンルを問わず多くの音楽家・団体が参加しました。このディスクはシゲティがAFRSのために行った録音のすべてを収めています。 AFRS音源の中でミトロプーロスとのベルクはこれまでにもCDが出ており、ファンの間では名演として知られて来たもの。今では20世紀の傑作の一つに数えられる同曲も1945年当時は知名度が低く、この曲を非常に高く評価していたシゲティとミトロプーロスは演奏会のプログラムに載せるためにオーケストラとその理事会を説得するため共闘したと伝えられます。これは同曲がアメリカで初めて放送された時の演奏という点でも貴重な記録です。 (曲目・内容欄に続く)
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フランツ・シュミット(1874-1939):
歌劇《フレディグンディス》 [ドゥーニャ・ヴェイソヴィチ/マルティン・エーゲル/ヴェルナー・ヘルヴェヒ 他/エルンスト・メルツェンドルファー(指揮)/ウィーン放送交響楽団]SCHMIDT, F.: Fredigundis [Opera] (Vejzovic, M. Egel, Hollweg, Bunger, Sandu, ORF Vienna Radio Choir and Symphony, Märzendorfer)
発売日:2024年04月05日 NMLアルバム番号:C380012
CD 2枚組価格:3,750円(税込、送料無料)
フランツ・シュミット生誕150周年記念、
歌劇《フレディグンディス》世界初録音盤が登場!1914年、ウィーン宮廷歌劇場で初演された歌劇《ノートルダム》が大成功を収めたことを受け、フランツ・シュミットが次の歌劇の題材として選んだのがフェリックス・ダーンの『フレディグンディス』でした。 舞台は6世紀のフランク王国。赤い髪を持つ召使いフレディグンディスが輝かしい美貌と奸計で国王キルペリク1世の妃の座と莫大な富を手に入れるも、数々の悪行を重ねた末に破滅していく様を、ワーグナーやリヒャルト・シュトラウスを思わせる半音階を用いた濃厚な音楽で描き出しています。 主役のフレディグンディスを歌うのはクロアチア出身のドゥーニャ・ヴェイソヴィチ。強靭な声を生かし、メゾ・ソプラノとソプラノ両方の役柄でワーグナー歌手としてバイロイトやザルツブルクで絶賛されました。 指揮のエルンスト・メルツェンドルファーはザルツブルク・モーツァルテウムでクレメンス・クラウスに師事、史上初めてハイドン交響曲全集を録音すると共に現代音楽に至る広いレパートリーを持ち、数多くの作品を初演しました。収録作曲家:
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ドニゼッティ(1797-1848):
歌劇《ダリンダ》 [リディア・フリードマン/ルチアーノ・ガンチ/パオロ・ボルドーニャ/内山 建人 他/フェリックス・クリーガー(指揮)/ベルリン・オペラグループ管弦楽団&合唱団]DONIZETTI, G.: Dalinda [Opera] (L. Fridman, L. Ganci, Bordogna, Yajie Zhang, Oštrek, A.M. García, Berliner Operngruppe Choir and Orchestra, Krieger)
発売日:2024年04月05日 NMLアルバム番号:OC989
CD 2枚組価格:3,975円(税込、送料無料)
1833年、ドニゼッティがユゴーの戯曲『リュクレース・ボルジア』をもとに作曲しミラノで初演された歌劇《ルクレツィア・ボルジア》。この作品をナポリで上演するために、ドニゼッティは大幅な手直しを行行い《ダリンダ》と改題したものの検閲を通すことができず、この版は未上演のまま忘れられてしまいました。 近年、この楽譜が音楽学者エレオノーラ・ディ・シンティラによって発見され、彼女の綿密な調査とドニゼッティ研究家のロジャー・パーカーの協力により作品を復元、リコルディ社から比較校訂版が出版されました。それによって実現した2023年5月14日の本公演(セミステージ上演)は、ドニゼッティが意図したイスラム教徒とキリスト教徒の間の宗教的、社会的軋轢が上手く描き出されたことで評判となりました。 題名役ダリンダを歌うリディア・フリードマンは高い歌唱力を生かし、息子への愛と自身の忠誠心の間で揺れ動く取り乱した母親を演じ、息子イルデマロ役のルチアーノ・ガンチも絶妙な歌唱を聴かせます。敵対するアクメットを歌うパオロ・ボルドーニャはビロードのような声で統治者のプライドを歌いきっています。騎士の一人には日本のバス・バリトン、内山建人もキャスティングされています。 2010年にフェリックス・クリーガーによって設立されたベルリン・オペラグループは年に1回、珍しい歌劇を表演することで知られる団体。これまでにマスカーニの《イリス》などを上演、非常に高く評価されています。
収録作曲家:
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赤坂達三
夕べの歌
ブラームス(1833 - 1897):
クラリネット・ソナタ 第1番&第2番他 [赤坂達三、齊藤一也]発売日:2024年04月03日
SACD-Hybrid国内盤価格:3,850円(税込、送料無料)