ロッシ(ルイジ) Rossi, Luigi
生没年 | 1598-1653 | 国 | イタリア |
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辞書順 | 「ロ」 | NML作曲家番号 | 26312 |
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フレスコバルディと
南イタリアの作曲家たち
~16-17世紀ナポリ前衛音楽の影響~ [フランチェスコ・コルティ]FRESCOBALDI AND THE SOUTH - Intendomi chi può che m'intend'io (Corti)
発売日:2023年07月07日
NMLアルバム番号:A547
CD国内仕様 解説日本語訳付き価格:3,300円(税込、送料無料)
イタリア式チェンバロの美音が解き明かすナポリ流儀の影響。
名手コルティの快挙!2018年の単独来日で話題を呼び、ARCANAレーベルではヘンデル『八つの組曲』(A499/NYCX-10285)が大きなヒットとなったイタリアの実力派チェンバロ奏者フランチェスコ・コルティ。古楽器楽団イル・ポモ・ドーロとのバロック・オペラやバッハ協奏曲でも名盤を連発していますが、今回は古楽鍵盤奏者としての原点に立ち返り、17世紀前半にローマ教皇庁のオルガン奏者として活躍しバロック鍵盤音楽史上に不滅の地位を築いたフレスコバルディに迫ります。 この重要作曲家の精巧にして多面的な音楽語法は無から生じたわけではなく、前世紀以来ナポリで育まれていた、不協和音を多用する実験精神旺盛な鍵盤技法から大きな影響を受けていたことが音楽史研究の末明らかになっていますが、ここでは具体的な作品の演奏を通じてその影響関係を探求。バロック期のイタリアのモデルに基づく2台のチェンバロを駆使し、1600年前後の和声感覚に立ち返って織り上げられる高雅な解釈に触れるうち、フレスコバルディの傑作群という金字塔的存在の「下絵」が明かされてゆくような、発見に満ちた選曲と曲順となっています(有名なトッカータや変奏曲が多数含まれている点も好感度大)。欧州古楽界に数多くの愛奏者を持つ名工フィリップ・ユモーが手掛けた楽器はいずれも、イタリア式楽器ならではの鋭角的な音の立ち上がりが急速なパッセージで粒立ちの良さを失わないばかりか、各音に含まれる豊饒な音色成分がこの上なく魅力的。 数々の古楽名盤の録音場所にもなっている教会のほどよい残響をよく伝える、ALPHAレーベルでの活躍も目覚ましいエンジニア吉田研の精妙な仕事も頼もしい1枚です。 -
『幸せな恋などない』
イタリア17世紀の器楽曲と声楽曲 [ラ・パラティーネ、マリー・テオレル、ローラン・ソーロン]発売日:2022年11月11日
CD価格:2,475円(税込)
「言葉を音にする」というバロックの本質に、器楽・声楽両面から迫るル・ポエム・アルモニーク、アンサンブル・エリマ、レザール・フロリサンなどフランス最前線のアンサンブルで活躍する新世代の古楽プレイヤーたちが集まって2019年に誕生した若きアンサンブル、ラ・パラティーネ。 打楽器奏者ローラン・ソーロンの協力を得て、エッジの聴いたバロックギターのかき鳴らしや緩急自在のヴィオラ・ダ・ガンバ、躍動感と歌心に満ちたチェンバロや静謐なオルガンの響きとともに、人間の生々しい心情描写に迫った17世紀イタリアの声楽曲の機微を鮮やかに伝えるのは、高音域までみずみずしい美質に貫かれたマリー・テオレルの歌声。器楽トラックでは各楽器の味わいが活かされたナンバーが続き、イタリア貴族たちが愉しんだ宮廷舞踏や楽器演奏のひとときを彷彿とさせます。 全編を通じて寛いだ佇まいの音作りが心地良く、詩へのリスペクトが高く一体感に貫かれた演奏に仕上がっており、最後の(そしてアルバムの表題にもなっている)20世紀シャンソンの大家ブラッサンスの名曲へと自然に繋がる流れは実に魅力的。テオルボ、チェンバロ、ガンバの音色が20世紀の歌と難なく共存し、詩の朗読や演説と切っても切り離せなかったバロック音楽の本質に気づかせてくれます。 フランスの古楽シーンの成熟を改めて印象づけてくれる最前線からのアルバムの登場です。
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『天使のように、悪魔のように』
~アリオスト『狂えるオルランド』によるバロック独唱曲集~ [ジュリア・セメンツァート、バーゼル室内管弦楽団]Opera Arias (Soprano): Semenzato, Giulia - HANDEL, G.F. / PORPORA, N. / ROSSI, L. / STEFFANI, A. (Angelica diabolica)
発売日:2022年05月13日
NMLアルバム番号:ALPHA830
CD価格:2,475円(税込)
古楽シーンの新時代に輝くソプラノが魅せる、筋の通ったバロック歌劇プログラム17世紀のバロック・オペラや18世紀ナポリ楽派の宗教曲からプッチーニ《三部作》に至るまで、広い時代のイタリア歌劇作曲家たちの解釈で、欧州の明敏な聴き手たちをすでに虜にしつつある新世代のイタリア人歌手ジュリア・セメンツァート。 古楽にこだわりありのレーベルAlphaから堂々リリースとなるソロ・アルバムのテーマは、近世イタリアで大いに愛された詩人アリオストの傑作『狂えるオルランド』の女主人公アンジェリカを標題に、その悪魔的ともいえる激しい感情の起伏を音楽化した17~18世紀のオペラから名場面を厳選。アルチーナや《ガウラのアマディージ》のメリッサなど、他の物語に登場する女妖術師たちの歌も交え、濃やかな歌詞のニュアンスが活きるバロック特有の表情豊かな音楽世界を一本筋の通ったプログラムで聴かせます。 共演は古楽器演奏にも秀でた新時代型の才人集団バーゼル室内管弦楽団。Alphaではジョヴァンニ・アントニーニ指揮のもとハイドンの交響曲全曲録音にも参画する彼らの音作りも、冒頭の勢いよい打楽器とバロックギター掻き鳴らしから折々の金管・木管ソロ、しなやかな通奏低音の扱いなど各セクションが実に巧みで、曲ごとの声楽パートの魅力を精緻に盛り上げます。歌やその詩句と器楽とが混然一体となったバロック舞台の真髄を味わえ、作曲家ごとの音作りの違いの面白さにも気づかせてくれます。 ヴィヴァルディ登場以前からヴェネツィアを湧かせてきたポッラローロや、ドイツで活躍しヘンデルにも多大な影響を与えたステッファーニなど、近年再評価めざましい作曲家たちの音世界を発見する喜びもさることながら、ヘンデル作品で聴かせるアルト音域の深みから圧倒的に力強いコロラトゥーラまで、セメンツァートの堂に入った歌いこなしは今後ますますの活躍を期待させてやみません。
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『大厩舎楽団の祝宴』
~17世紀フランス王室の吹奏楽団の世界~ [ジェレミー・パパセルジオー、シンタグマ・アミーチ&ジョウルディーナ]Renaissance and Baroque Music (French) - PHILIDOR, A.D. / LULLY, J.-B. / DU CAURROY, E. (Fastes de la grande écurie) (Syntagma Amici, Giourdina)
発売日:2022年04月15日
NMLアルバム番号:RIC439
CD価格:2,475円(税込)
管楽器の王国フランスの源流!
周到な検証を経てルイ14世以前の管楽合奏に迫る名手たちフランスの宮廷文化を、ヨーロッパ中の君主たちが注目する境地へ押し上げ、音楽の世界でも大きな貢献を果たした「太陽王」ルイ14世。その王室楽団において、室内楽団(シャンブル)と礼拝堂楽団(シャペル)と共に重要な3部門のうちの一つを担ったのが、主に屋外演奏を受け持つ吹奏楽団「大厩舎楽団(グランテキュリー)」でした。 オーボエ属のダブルリード楽器が欧州中の宮廷楽団に採用されていった源流はここにありますが、そのさらなるルーツを17世紀初頭まで遡り、オーボエと呼びうる楽器の発祥期から最初の栄華まで、周到な検証のもと再現製作された様々な古楽器で辿る充実企画盤がRicercarから登場。 総勢18名の演奏家たちは、エルヴェ・ニケ指揮によるヘンデル『王宮の花火の音楽』で楽器再現に携わり注目を浴びたドゥルツィアン(ルネサンス・バスーン)の名手ジェレミー・パパセルジオーを中心に、金管陣にはマドゥーフ兄弟も加わった俊才揃い。誕生まもない頃の貴重なモデルのオーボエやバスーン、17世紀フランス特有のクロモルヌ(ダブルリード楽器の一種、クルムホルンとは別物)無弁のナチュラル・トランペットなどに加え、レザール・フロリサンやシャンゼリゼ管弦楽団の数々の名演を彩った打楽器奏者マリー=アンジュ・プティが壮麗かつ絶妙なアクセントを添えてゆく音響世界はたいへんユニークで、過去の同種の企画盤の更なる先を行く最前線のピリオド管楽器アルバムとして出色の仕上がりを見せています。 王室の歴史に関わる使用楽譜の出典詳細や使用楽器に関するライナーノート(英・仏語)の充実度も素晴しく、フランス管楽芸術のさらなる源流を知る上で見逃せない1枚です。 -
サンチェス(1600頃-1679):
モテット集 [スケルツィ・ムジカーリ、アクテン]SACES, G.F.: Motets (Dulcis Amor Iesu) (Scherzi Musicali)
発売日:2020年03月27日
CD価格:1,425円(税込)
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-★『レコード芸術』特選盤(2020年1月号)★-
アッレーグリの「ミゼレーレ」
ANAMORFOSI
ローマと北イタリアのバロック声楽芸術 [ル・ポエム・アルモニーク(古楽器使用)、デボラ・カシェ、マルト・ダヴォ(ソプラノ)、エヴァ・ザイシク(メゾソプラノ)、アナイス・ベルトラン(アルト)、ニコラス・スコット、ヤン・ファン・エルサッケル(テノール)、マルク・モイヨン、ブノワ・アルヌー(バリトン)、ヴィルジル・アンスリ(バス)]ALLEGRI, G.: Miserere / MONTEVERDI, C.: Sí dolce è'l tormento / Maria quid ploras ad monumentum (Anamorfosi) (Le Poème Harmonique, Dumestre)
発売日:2019年09月27日
NMLアルバム番号:ALPHA438
CD国内仕様 日本語解説付価格:2,970円(税込)
同時代作品とともに解き明かす、バロック本来の「ミゼレーレ」Alphaレーベルを創設期から盛り上げてきたフランス随一の古楽アンサンブル、ル・ポエム・アルモニーク待望の新譜……久々の本格的なイタリア・バロック新録音です。 中心をなす演目は、アッレーグリの『ミゼレーレ』――モーツァルトが暗記して記譜するまで楽譜が門外不出だったことで知られるこの作品に、可能なかぎり17世紀に書かれた当初の響きで迫ろうとするうち、プログラムはいつしかイタリア初期バロック最大の音楽拠点でもあったローマの作曲家たちの世界へ。微妙な半音階や暗喩的な音使いが驚くほど官能的な、なまめかしい音で信仰心をかきたてる初期バロック特有の音世界がいかに魅力的か、肌感覚で伝わる至芸を存分に味わえます。 録音デビュー当初から重点的にイタリア初期バロックの知られざる音世界を探り、2003年の『ノヴァ・メタモルフォージ』で17世紀ミラノの独特なア・カペラ教会音楽世界に迫ってみせたル・ポエム・アルモニーク、今回のメンバーには初期からの腕利き器楽陣に加え、声楽パートは長年の演奏仲間であるブノワ・アルヌーやヤン・ファン・エルサッケルらだけでなく、近年ますます躍進めざましいエヴァ・ザイシクのようなソリストも! アッレーグリがいかに同時代人モンテヴェルディのバロックな音世界の近くにいたか、当時の宗教的替歌なども織り込みながら聴かせる注目のプログラムです。
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ET MANCHI PIETÀ - 喪失の嘆き
アルテミジア・ジェンティレスキと彼女の同世代の音楽
[シルヴィア・フリガート/アレッサンドラ・ロッシ・リューリヒ//アカデミア・ダルカディア]Vocal and Chamber Music (Italian Baroque) - ROSSI, L. / MONTEVERDI, C. / STROZZI, B. (Et manchi pietà) (Frigato, Accademia d'Arcadia, Lürig)
発売日:2018年12月21日
NMLアルバム番号:CDS7829
CD価格:1,950円(税込)
17世紀、カラヴァッジオ派に属した女性画家ジェンティレスキ。工房を営む父から絵画を学び、幼少時から優れた才能を開花させました。しかし18歳の時に、父が彼女のための教師として雇った画家アゴスティーノ・タッシから性暴力を受けたことで生活が一変。タッシは有罪判決を受けたものの、裁判の流れでジェンティレスキは心に深い傷を負い、その心理は代表作「ホロフェルネスの首を斬るユーディット」として描き出されたことでも知られています。その後はフィレンツェ芸術院で初の女性会員として受け入れられ、多くの芸術家と親交を結び数多くの作品を残しましたが、彼女の成功の根源には若い頃の苦しい経験があったことは想像に難くありません。 このアルバムには彼女の13枚の絵画を掲載、その絵にふさわしい作品をアカデミア・ダルカディアが演奏しています。愛、涙、戦い・・・これらのタイトルが彼女の生涯を端的に表現しているかのようです。
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Il Pianto della Madonna - 聖母マリアの嘆き [マリ・ド・ヴィユトレイ /ロナン・ハリル/アンサンブル・デマレ]
Vocal and Chamber Music - ORTIZ, D. / STROZZI, B. / ROSSI, L. / MONTEVERDI, C. (Il Pianto della Madonna) (Villoutreys, Ensemble Desmarest, R. Khalil)
発売日:2018年10月31日
NMLアルバム番号:LBM005
CD価格:2,475円(税込)
バロック時代に「聖母マリア」について書かれた様々な作品を集めた演奏会のライヴ。ソプラノのヴィユトレイは9歳でブルターニュのマスター・クラスに参加しその歌声を認められたという神童。その後は順調に年齢を重ね、現在では様々なバロック・アンサンブル(アマリリス、ピグマリオン、リチェルカール・コンソートなど)と共演、またバロック以外の分野でも活躍しています。 作曲家アンリ・デマレの名を冠したアンサンブル「アンサンブル・デマレ」はパリのシンガー・ポリニャック財団のレジデント・アーティストを務める注目の団体です。メンバーにはヴィオラ・ダ・ガンバのロビン・パロとロナルド・マーティン・アロンソ、アーチリュートのマルク・ウォルフ、オルガンを演奏しているのは話題のジャン・ロンドーなど錚々たる顔ぶれが揃っています。
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オルフェウス -
17世紀の歌、アリアとマドリガル集 [プレガルディエン/テアトロ・デル・モンド/キュッペルス]Vocal Music (Tenor) (Orpheus - Songs, Arias and Madrigals from the 17th Century) (J. Prégardien, Teatro del mondo, Küppers)
発売日:2018年03月23日
NMLアルバム番号:555168-2
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CD
通常価格:1,800円→ 特価!:690円(税込)17世紀初頭、楽器伴奏による初期のバロック独唱曲は、それまで主流であったルネサンス期の多声合唱作品との共存を始めました。これは、もちろん音楽の形態は違えども、表現の多様性を求めてのことであったとされています。タイトルに付された「オルフェウス」とはギリシャ神話に登場する詩人、音楽家であり、彼が弾くリラの音色に全ての動物、草花が魅了されたと言われ、17世紀終わりのイギリスでは「オルフェウス・ブリタニクス」という歌曲集が出版されるほど、その名前は音楽と一体化していました。 このアルバムでは現代の名歌手ユリアン・プレガルディエンがオルフェウスを讃え、イギリス、ドイツ、イタリアの歌曲を歌い、キュッペルスが指揮するテアトロ・デル・モンドが、様々な舞曲で曲間を繋いでいくという趣向です。
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バロックの悲歌集[3枚組BOX]
Lamenti Barocchi (3-CD Box Set)
発売日:2018年03月23日
CD 3枚組価格:1,600円(税込)
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バッロ・トルコ ‐
ヴェニスからイスタンブール[LP] [ペーラ・アンサンブル]BALLO TURCO - From Venice to Istanbul (Mazzulli, Pera Ensemble, Yeşilçay)
発売日:2016年10月21日
LP 2枚組価格:4,400円(税込、送料無料)
地中海は多くの偉大な文化の発祥地であり、また東洋と西洋の文化が融合する地でもあります。15世紀に東ローマ帝国を滅ぼし、コンスタンティノポリスを征服したオスマン帝国は、その後勢力を拡大し、17世紀にはアゼルバイジャンからモロッコ、イエメンからウクライナ、ハンガリーからチェコスロバキアに至る広大な領域を手中に収めます。当時、最盛を誇っていたキョプリュリュ家ですが、1683年に当家の婿であった首相カラ・ムスタファ・パシャが敢行した第二次ウィーン包囲が失敗、16年間の戦争状態を経て、1699年に結ばれたカルロヴィッツ条約において、史上初めてオスマン帝国の領土は削減され、以降覇権はオーストリアに奪われることとなります。 さて、そんな歴史的背景のもとに様々な文化交流が行われ、文学や絵画、そして音楽においても「東洋的なテイスト」が入り込んで来たことも良く知られています。このペーラ・アンサンブルによる意欲的なアルバムは、16世紀から17世紀、トルコからイタリア、またイタリアからトルコへと渡った様々な音楽が収録されています。想像以上に複雑に入り組んでいるこれらの多彩な音楽は、当時の文化を想像させるに余りあるものです。