オルティス(ディエゴ) Ortiz, Diego
生没年 | 1510-1570 | 国 | スペイン |
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辞書順 | 「オ」 | NML作曲家番号 | 22821 |
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我が騎士の歌
アントニオ・デ・カベソンと、
スペイン・ルネサンスの器楽合奏曲 [スキップ・センペ、カプリッチョ・ストラヴァガンテ]CANTO A MI CABALLERO (Capriccio Stravagante, Sempé)
発売日:2023年08月25日
NMLアルバム番号:PA0021
CD価格:2,475円(税込)
名手続々の幻の傑作古楽盤、
鬼才ユーグ・デショーのリマスターで堂々復活!アメリカ屈指のジャズの本場にして、同国の歴史の上でもフランス文化と深いつながりを持つニューオリンズ出身のチェンバロ奏者スキップ・センペ。フランスの精鋭古楽器奏者たちを集めて1986年に彼が結成したカプリッチョ・ストラヴァガンテはDeutsche Harmonia MundiやAstrée/Naïve、発足初期のALPHAなどシーン最前線の古楽レーベルに数々の名盤を刻んだのち、2005年からはセンペの自主レーベルParadizoで快進撃を続けています。 別レーベルで制作された充実盤も折に触れてParadizoから再発売されていますが、今回は1998年に録音されAstrée/Naïveレーベルから発売されたものの、長くプレスが切れていた幻のスペイン・ルネサンス作品集が新装復活。ALPHAレーベル初期の立役者である古楽器録音の天才技師ユーグ・デショーによるリマスターを経て、数百年前の音楽を奏でる名手たちの素材感溢れる古楽器の響きが一層生々しく甦ります。 ル・ポエム・アルモニークやクレマン・ジャヌカン・アンサンブル、ラルペッジャータなどでも大活躍をみせる俊才たちばかりの編成で、たおやかに音を重ねるガンバ合奏はスペイン・ルネサンスの精妙な音作りの中、躍動感を秘めた血脈を触感確かに伝える比類ない解釈を続けてゆきます。スペイン王室の絶大な信頼を得ていた盲目の鍵盤奏者カベソンの傑作変奏曲群を中心に、ナルバエスやオルティス、ムダーラらスペイン音楽史上の大家たちの重要作品群に、彼らに影響を与えたデ・ローレやゴンベールらフランドル楽派の傑作群を添えた選曲の確かさも出色。 入手難が惜しまれたこの名盤の新装版は、亡き元メンバーのチェロ奏者ミシェル・ミュルジエの思い出に捧げられています。 -
完璧に踊るには
13~16世紀のヨーロッパ宮廷舞曲 [イントゥ・ザ・ウィンズ]PARFAICT DANSER (LE) - Dance Music 1300-1500 (Into the Winds)
発売日:2023年05月12日
NMLアルバム番号:RIC452
CD価格:2,475円(税込)
限りなく中世ヨーロッパ風。
昔日の管楽器の音色とアクセントが痛快!十字軍遠征のあった13世紀から人文主義文化が盛り上がるルネサンスの16世紀まで、ヨーロッパ宮廷人たちの暮らしを折にふれ彩り続けたのが、宮廷舞踏と音楽でした。文字が読めて紙とインクを使えた宮廷人・知識人たちが書き残した当時の写本や初期印刷物の数々をもとに、ここでは中世から近世に至るヨーロッパ宮廷舞踏の音楽の数々を、入念に再現製作された当時流の様々な管楽器のアンサンブルで演奏。管楽器は金管・木管とも宮廷の楽師たちが頻繁に演奏していたことは当時の史料からも裏付けられますが、現代のオーケストラ楽器ともバロックの古楽器とも違う素材感豊かなその響きは、曲の古風な節回しや和声とあいまって昔日のヨーロッパ宮廷文化の気配を強く喚起してやみません。 演奏は中世音楽の専門家も多いフランスのトゥールを拠点とするイントゥ・ザ・ウィンズ。軸となるのは15世紀イタリアの舞踏家コルナッツァロによる欧州初の宮廷舞踏指南書で(アルバムタイトルもここから取られています)、そこから数世紀遡っての中世舞曲の数々やルネサンス期の楽曲も、それぞれの時代の定番と言ってよい名曲がほどよく織り交ぜられており、古い舞曲のリファレンスとしても十分お勧めできる内容となっています。 -
『CLAROSCURO クラロスクーロ』
セルバンテスにまつわるスペイン黄金時代の音楽、その光と影 [カペリャ・デ・ミニストレルス、カルレス・マグラネル]発売日:2021年05月28日
CD価格:2,475円(税込)
バレンシアの俊才が、『ドン・キホーテ物語』を軸にスペイン黄金時代の鮮烈さを伝える「よいかサンチョ、在りし日のさすらいの騎士たるものはことごとく、ないし殆どは偉大なる恋愛詩人(トルバドール)であり音楽家としても一流だったのじゃ。これらの技芸は、いやむしろ神の与えたもう才能と申すべきじゃな、どちらも恋するさすらい人にはつきものだったのじゃよ」 (『ドン・キホーテ物語正編』第23章より/白石達生 訳)
クラシック音楽の世界で、やや特殊な領域として扱われることも少なくないスペインの音楽。しかし大航海時代からバロック初期まで、そこは欧州のみならず世界に覇権を誇った大国であり、音楽文化においても文学や演劇同様、他の地域に強い影響を与える側にありました。 スペイン黄金時代と呼ばれるこの時期の終わり頃、大画家ベラスケスやムリーリョの傑作と同じ頃に生まれたスペイン文学の金字塔『ドン・キホーテ物語』には、随所に当時の音楽文化のありようを垣間見せる描写が見つかりますが、このアルバムはそれらを丹念に追い検証しながら、16-17世紀のスペイン音楽史を概観してゆく充実したプログラムが魅力。オルティス、ムダーラ、ナルバエスといった16世紀の天才たちからリバヤス、サンスら17世紀の巨匠まで、あるときは丹念・静謐に、あるときはダイナミックに撥弦と弓奏が映える名品の数々を、スペイン・バレンシア地方に本拠を置く才人4人が縦横無尽に聴かせてくれます。 曲順は『ドン・キホーテ物語』になぞらえた2部構成に序章と終章となる部分も構想、フランスやドイツへの音楽的波及も見て取れるようになっています。 -
Passacaglia della Vita
… 人生のパッサカリア …
初期バロックの音楽 [チェンバレス(古楽アンサンブル)]Ensemble Music (Baroque) - MURCIA, S. de / SANCES, G.F. / MERULA, T. / MONTEVERDI, C. (Passacaglia della Vita) (Cembaless)
発売日:2021年02月26日
NMLアルバム番号:8.551439
CD価格:1,600円(税込)
2014年に設立された古楽アンサンブル「チェンバレス」。アンサンブル名の通り「チェンバロを用いることなく」ヴィオラ・ダ・ガンバやテオルボ、アーチリュートを中心に、多彩な打楽器を加えたユニークな編成を取り、様々な作品を演奏しています。 2015年にケルンの古楽センターで開催したリサイタルで大成功を収め、以降、着実に活動の幅を広げるチェンバレス、この「人生のパッサカリア」と名付けられたアルバムでは、生きていくことにつきものの、心痛、裏切り、誘惑、無常、興奮、楽しさと笑いなどの感情に即した作品を、大胆に楽しく、そして情熱的に演奏します。 シェンユの饒舌なガンバ、ソプラノのシュトリツキの清冽な歌唱、リコーダーのオペルトの超絶技巧、さまざまな打楽器を自在に操るラスターニなど、各々の奏者の妙技をお楽しみください。
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オルティス『変奏論』と、16世紀の低音弦
~チェロとガンバの源流~
(オルティス、ミラン、カベソン、ビクトリア) [ブリュノ・コクセ、グイード・バレストラッチ、レ・バッス・レユニ (古楽器使用)]ORTIZ, D.: Trattado de glosas (Cocset, Balestracci, Les Basses Réunies)
発売日:2020年03月27日
NMLアルバム番号:ALPHA563
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,970円(税込)
バロック・チェロの名手コクセが、ガンバを手に紐解く16世紀の低音弦作品集!バロック初期から初期古典派にかけての低音弦音楽を、それぞれの作品にあわせて周到に研究、「チェロ」の定型に甘んじることなく、時代ごとの低音弦のあり方を追求してきたバロック・チェロ奏者ブリュノ・コクセ。Alphaレーベルでリリースがあるたび、必ず何か新たな発見がそこに詰め込まれているのですが、それは彼が低音弦研究に秀でた音楽学者マルク・ファンスへーウェイクや古楽器製作家シャルル・リシェなど、協力者に恵まれてきたことの結実と言えるでしょう。しかも最近ではヴィオラ・ダ・ガンバの名手グイード・バレストラッチとも協力関係を続け、チェロとガンバの歴史が互いに不可分だった17世紀前後の作品演奏にも積極的に取り組んでいます。本盤はまさにそうしたコクセの活動あればこそ、の注目すべき新録音です。 フレスコバルディのカンツォーナ集やガンバの異才トバイアス・ヒュームなど17世紀の低音弦世界の真相を探ってきたコクセは、ここでさらに時を遡り、まだチェロという楽器ができる前の、さまざまな低音弦楽器が併存していた16世紀に光をあてます。重点的に扱われるのは、ガンバのための作曲家として知られたスペイン生まれのローマの巨匠、ディエゴ・オルティス。コクセは俊才バレストラッチ(アルペジョーネを使ったユニークな新譜を出したばかり!)の協力のもと、シャルル・リシェ制作のガンバ属の楽器を自らもさまざまに弾き分けながら、16世紀の低音弦楽器音楽がどのような世界だったかをくまなく探ってゆきます。 オルガンやチェンバロ、ビウエラ(ルネサンス期の撥弦楽器)などで同時代音楽を混ぜてゆくアルバム制作姿勢も好感度大。今回も闊達な弓さばきと丁寧な解釈に期待です。
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Music from the Acoustic Neighbourhood
「どこから来たのか、山の女たち」
~ 古今スペインのラヴソング [アンチェ・リュクス/リー・サンタナ/アンドレアス・ワール/マルテ・パール]Vocal and Chamber Music - SALINAS, F. de / SANTANA, L. / VALDERRÁBANO, E. de (Dónde son estas serranas) (A. Rux, L. Santana, M. Wahl, M. Perl)
発売日:2018年12月21日
NMLアルバム番号:CD-16319
CD価格:2,475円(税込)
ギター、リュート奏者リー・サンタナと、ヒレ・パールとの間の愛娘マルテ・パールなどのユニット「Music from the Acoustic Neighbourhood」による、16世紀スペインのラヴ・ソングをメインとしたアルバム。ビウエラなどのスペイン系撥弦楽器とガンバの響きの中にエレキ・ギターの参加が異彩を放ち、電気的な振動で弓によるボウイングに似た効果を出す「e-bow」なども駆使して、ポップスからアヴァンギャルドまで世界を大きく広げています。 収録作品の中ではよく聴かれる「どこから来たのか、山の女たち」は、ワールとサンタナによる2種の編曲を収録しています。
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Il Pianto della Madonna - 聖母マリアの嘆き [マリ・ド・ヴィユトレイ /ロナン・ハリル/アンサンブル・デマレ]
Vocal and Chamber Music - ORTIZ, D. / STROZZI, B. / ROSSI, L. / MONTEVERDI, C. (Il Pianto della Madonna) (Villoutreys, Ensemble Desmarest, R. Khalil)
発売日:2018年10月31日
NMLアルバム番号:LBM005
CD価格:2,475円(税込)
バロック時代に「聖母マリア」について書かれた様々な作品を集めた演奏会のライヴ。ソプラノのヴィユトレイは9歳でブルターニュのマスター・クラスに参加しその歌声を認められたという神童。その後は順調に年齢を重ね、現在では様々なバロック・アンサンブル(アマリリス、ピグマリオン、リチェルカール・コンソートなど)と共演、またバロック以外の分野でも活躍しています。 作曲家アンリ・デマレの名を冠したアンサンブル「アンサンブル・デマレ」はパリのシンガー・ポリニャック財団のレジデント・アーティストを務める注目の団体です。メンバーにはヴィオラ・ダ・ガンバのロビン・パロとロナルド・マーティン・アロンソ、アーチリュートのマルク・ウォルフ、オルガンを演奏しているのは話題のジャン・ロンドーなど錚々たる顔ぶれが揃っています。
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Le Corps des Cordes ― 弦の躯 [デュフロ]
Cello Recital: Duflot, Charles-Antoine - ORTIZ, D. / MUNDRY, I. / BACH, J.S. / POULENC, F. (Le Corps des Cordes)
発売日:2015年06月24日
NMLアルバム番号:OC765
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CD
通常価格:1,824円→ 特価!:1,800円(税込)1986年生まれの若きチェリスト、シャルル=アントワーヌ・デュフロによる「弦」に拘ったアルバムです。弦楽器の歴史を紐解く時、人々は往々にして楽器本体に目を向けますが、使われる4本の弦にも多くのストーリーがあります。彼は曲ごとに、使用する弦を変え、その時代の音楽を丁寧に描き出すことを試みたのです。16世紀の音楽と、バッハの音楽の違い、そして現代の作曲家ムンドリーによる「弦」の強い主張、プーランクでは、チェロだけでなくピアノの弦も加わり、異なった響きを醸し出します。呼吸とともに、自然な弦の振動を味わうこと。これも弦楽器を聴くときの楽しみなのかもしれません。