アラネス(フアン) Aranes, Juan
生没年 | -1649 | 国 | スペイン |
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辞書順 | 「ア」 | NML作曲家番号 | 49916 |
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『CLAROSCURO クラロスクーロ』
セルバンテスにまつわるスペイン黄金時代の音楽、その光と影 [カペリャ・デ・ミニストレルス、カルレス・マグラネル]発売日:2021年05月28日
CD価格:2,475円(税込)
バレンシアの俊才が、『ドン・キホーテ物語』を軸にスペイン黄金時代の鮮烈さを伝える「よいかサンチョ、在りし日のさすらいの騎士たるものはことごとく、ないし殆どは偉大なる恋愛詩人(トルバドール)であり音楽家としても一流だったのじゃ。これらの技芸は、いやむしろ神の与えたもう才能と申すべきじゃな、どちらも恋するさすらい人にはつきものだったのじゃよ」 (『ドン・キホーテ物語正編』第23章より/白石達生 訳)
クラシック音楽の世界で、やや特殊な領域として扱われることも少なくないスペインの音楽。しかし大航海時代からバロック初期まで、そこは欧州のみならず世界に覇権を誇った大国であり、音楽文化においても文学や演劇同様、他の地域に強い影響を与える側にありました。 スペイン黄金時代と呼ばれるこの時期の終わり頃、大画家ベラスケスやムリーリョの傑作と同じ頃に生まれたスペイン文学の金字塔『ドン・キホーテ物語』には、随所に当時の音楽文化のありようを垣間見せる描写が見つかりますが、このアルバムはそれらを丹念に追い検証しながら、16-17世紀のスペイン音楽史を概観してゆく充実したプログラムが魅力。オルティス、ムダーラ、ナルバエスといった16世紀の天才たちからリバヤス、サンスら17世紀の巨匠まで、あるときは丹念・静謐に、あるときはダイナミックに撥弦と弓奏が映える名品の数々を、スペイン・バレンシア地方に本拠を置く才人4人が縦横無尽に聴かせてくれます。 曲順は『ドン・キホーテ物語』になぞらえた2部構成に序章と終章となる部分も構想、フランスやドイツへの音楽的波及も見て取れるようになっています。 -
Passacaglia della Vita
… 人生のパッサカリア …
初期バロックの音楽 [チェンバレス(古楽アンサンブル)]Ensemble Music (Baroque) - MURCIA, S. de / SANCES, G.F. / MERULA, T. / MONTEVERDI, C. (Passacaglia della Vita) (Cembaless)
発売日:2021年02月26日 NMLアルバム番号:8.551439
CD価格:1,900円(税込)
2014年に設立された古楽アンサンブル「チェンバレス」。アンサンブル名の通り「チェンバロを用いることなく」ヴィオラ・ダ・ガンバやテオルボ、アーチリュートを中心に、多彩な打楽器を加えたユニークな編成を取り、様々な作品を演奏しています。 2015年にケルンの古楽センターで開催したリサイタルで大成功を収め、以降、着実に活動の幅を広げるチェンバレス、この「人生のパッサカリア」と名付けられたアルバムでは、生きていくことにつきものの、心痛、裏切り、誘惑、無常、興奮、楽しさと笑いなどの感情に即した作品を、大胆に楽しく、そして情熱的に演奏します。 シェンユの饒舌なガンバ、ソプラノのシュトリツキの清冽な歌唱、リコーダーのオペルトの超絶技巧、さまざまな打楽器を自在に操るラスターニなど、各々の奏者の妙技をお楽しみください。
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『D'Amor mormora il vento
~ 愛は風がささやく』
(17世紀スペインとイタリアの作曲家による、民衆歌と民俗舞踊にもとづく音楽) [ラ・ボス・ガラナ]Vocal and Chamber Music (Baroque) - ARAÑÉS, J. / CARBONCHI, A. / KAPSBERGER, G.G. / LANDI, S. (D'Amor Mormora Il Vento) (La Boz Galana)
発売日:2020年01月24日 NMLアルバム番号:RAM1909
CD価格:2,475円(税込)
17世紀スペインとイタリアの大衆の息吹を感じる、歌と踊りを集めてバーゼルのスコラ・カントルムの学生たちによって2011年に結成され、スペインとラテン・アメリカの古楽の紹介を目的とするラ・ボス・ガラナ。Lindoro(リンドロ)レーベルより発売されたマティアス・ドゥランゴを中心としたスペイン・アルバムが好評を博した彼らが、今回は2つの撥弦楽器とバリトンというシンプルな編成で、17世紀にイタリアで活躍した、スペインとイタリアの作曲家の作品を集めています。 カプスベルガーやランディといった比較的知られる作曲家の作品から伝承曲によるものまで、いずれも民衆歌の感覚を活かして書かれたもの。当時の躍動感あふれる地中海の民衆感覚がにじむ作品が多く、歌詞もあけすけさと詩的情緒すれすれを突いたきわどいものが少なくありません。力強くリズミカルな音楽が現在でもたいへん分かりやすく、抗いがたい魅力を持っています。 グループ名は「輝かしい声」という意味の彼ら、その名の通り張りと艶のある美しいセバスティアン・レオンの歌声と、息の合った器楽とのアンサンブルを堪能できるアルバムです。