【ナクソス】 アメリカン・クラシックス
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プライス(1887-1953):
弦楽四重奏曲 第2番
サワビー(1895-1968):
弦楽四重奏曲 ト短調他 [アヴァロン弦楽四重奏団]PRICE, F.: String Quartet No. 2 / 5 Folksongs in Counterpoint (1951) / SOWERBY, L.: String Quartet in G Minor (Avalon String Quartet)
発売日:2024年03月22日 NMLアルバム番号:8.559941
CD価格:1,600円(税込)
2020年代に入って急速に脚光を浴びる作曲家フローレンス・プライス。その弦楽四重奏曲第2番をメインに、彼女の師匠ともいえるサワビーの作品を合わせて紹介する、NAXOSのアメリカン・クラシックらしい1枚。 「アメリカ初の黒人女性作曲家」と呼ばれるプライスは、2021年のBBCプロムスで交響曲第3番の第3楽章が演奏され、2022年には交響曲第1番と第3番を収めたアルバムがグラミー賞を受賞、2023年には「アメリカにおけるエチオピアの影」が神奈川フィルにより日本初演されるなど、世界的に脚光を浴びています。彼女の作品の多くは死後も未発表のままで、その真価や全貌はまだ発掘途上と言えます。 レオ・サワビーは、ローマのアメリカン・アカデミーのローマ賞やピューリッツァー賞を受賞するなど国際的な名声を得ていました。プライスとサワビーは共に1930年代から40年代にかけてシカゴの音楽コミュニティのメンバーで、お互いの作品を尊敬していたことが知られています。 このアルバムには両者の弦楽四重奏曲を収めています。最後に置かれたプライスの「ネグロ・フォークソング・イン・カウンターポイント」は5つの民謡旋律に基づくアフリカ由来のリズムや黒人霊歌を大胆に取り入れた作品。とりわけ第2曲の旋律は「雪山讃歌」として誰もが耳にしたことがあるのではないでしょうか。
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リール(1943-2020):
American Mosaic
アメリカン・モザイク
チェロ協奏曲/ピアノ協奏曲第1番/ピアノ・ソナタ 第6番 [キム・クック(チェロ)/ジョン・ジェンセン(ピアノ)/ポール・リール(ピアノ)/ウィリアム・ボートン(指揮)/イェール交響楽団]REALE, P.: Cello Concerto / Piano Concerto No. 1 / Piano Sonata No. 6 (American Mosaic) (K. Cook, John Jensen, P. Reale, Yale Symphony, W. Boughton)
発売日:2024年03月08日 NMLアルバム番号:8.559898
CD価格:1,600円(税込)
ニュージャージー生まれのポール・リール。もともとは英文学と自然科学の研究者でしたが、ロックバーグとクラムの作品に触れて作曲に興味を持ち、2年間ほど作曲法を学んだ後、12曲のピアノ・ソナタやチェロ・ソナタなど数多くの独創的な作品を発表。これらは晩年に相次いで録音され高く評価されました。 このアルバムの冒頭に収録されたチェロ協奏曲は、彼が長年構想を温めていた曲ですが、2018年に末期の病気と診断されたことをきっかけに僅か17日で完成させたというもの。バロックの対位法やジャズのイディオム、無調が採り入れられており、副題として「Live Free or Die 自由に生きる、さもなくば死を」という、彼が2歳の時に住んでいたニューハンプシャー州の公式標語が用いられています。 ピアノ協奏曲第1番は1986年の作品。ロイ・ハリスやデイヴィッド・ダイアモンドら先人作曲家たちへのオマージュであり、また1940年代のジャズへの傾倒も見られますが、リールは仕上がりに満足しておらず、2016年と2020年に改訂を施しています。 ピアノを演奏しているのは、1986年の初演時の演奏と同じジョン・ジェンセン。リールが「私の作品の理想的な演奏者」と絶賛したピアニストです。 ピアノ・ソナタ第6番はジョン・エリオットの詩からインスパイアされた、映画音楽を思わせる描写的な作品。こちらはリール自身の演奏です。
収録作曲家:
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デライラ(1949-):
歌劇《山猫(Leopard)》 [キム・ヨセフソン/ミンハオ・リュウ/レドモン・ロビン 他/ジェラード・シュワルツ(指揮)/フロスト交響楽団/フロスト歌劇場合唱団]DELLAIRA, M.: Leopard (The) [Opera] (K. Josephson, Redmon, F. Ragsdale, Frost Opera Theater Chorus, Frost Symphony, Gerard Schwarz)
発売日:2024年03月08日 NMLアルバム番号:8.669052-53
CD 2枚組価格:2,500円(税込)
ニューヨークの作曲家マイケル・デライラは、若い頃にはギタリスト、ドラマー、ソングライターとして活動したのち、作曲家に転向、彼が影響を受けたというストラヴィンスキー風の劇音楽や歌劇作品で高い評価を受けています。 この歌劇《山猫(Leopard)》は、イタリアの作家ジュゼッペ・トマージ・ディ・ランペドゥーサが1958年に著した小説『山猫』(ヴィスコンティ監督による同名映画の原作)をもとに、詩人J. D. マクラッチーが台本を作成。「イタリア統一運動」下の社会的、政治的大変動に翻弄され「山猫」と呼ばれた貴族ファブリツィオ・コルベラと、若き理想主義者のタンクレイディ、そして彼らをめぐる人々の姿を描いています。 主役コルベラを歌うのはメトロポリタン歌劇場を中心に活躍するベテラン、キム・ヨセフソン。タンクレイディ役は2020年にペーザロ国際音楽コンクールで優勝した若手、ミンハオ・リウが担当。作品の初演はジェラード・シュワルツの指揮で行われ、Opera Magazine誌によって「見事に作りこまれている」と絶賛されました。
収録作曲家:
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ガーシュウイン(1898-1937):
ラプソディ・イン・ブルー
(クリティカル・エディションによる世界初録音)
第2ラプソディ/キューバ序曲他 [ケヴィン・コール(ピアノ)/デイヴィッド・アラン・ミラー(指揮)/ナショナル・オーケストラ・インスティテュート・フィルハーモニック]GERSHWIN, G.: Rhapsody in Blue / TOWER, J.: 1920/2019 / STUCKY, S.: Dreamwaltzes (Kevin Cole, National Orchestral Institute Philharmonic, D.A. Miller)
発売日:2024年02月09日 NMLアルバム番号:8.559934
CD価格:1,600円(税込)
ミシガン大学と、ガーシュウィン家の協力により2013年から始まった「ガーシュウィン・クリティカル・エディション」を用いた初の録音となる3作品を収録したアルバム。既存のすべての資料に加えて、ピアノ・ロールなどありとあらゆるソースを使用して、作曲家の意図を最も正確に表現することを目指したこのプロジェクトによる演奏は、すでに「パリのアメリカ人」(8.559859)で聴くことができますが、このキューバ序曲、第2ラプソディ、ラプソディ・イン・ブルーの3曲にも新たな研究成果が反映されています。 とりわけ「ラプソディ・イン・ブルー」は、原曲の2台ピアノ版から、オーケストレーションが不得手だったガーシュウィンに代わり、グローフェがオリジナルのジャズ・バンド稿を作成、その後さまざまな稿が作られたという複雑な経緯を持つだけでなく、グローフェのオーケストラ版でさえ複数のヴァージョンがあり、なかなか本当の姿を洗い出すのは困難な作品です。ここではグローフェのシンフォニック・アレンジに基づく版が用いられていますが、ピアニストのコールはもともとのジャズ・バンド稿にあった44小節を加え演奏しているところも聴きどころです。 他にジョン・タワーの推進力に満ちたリズムがはじける「1920/2016」と、スタッキーの幽玄な「ドリームワルツ」が収録されています。
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ハーゲン(1961-):
アート・オヴ・ソング [リリック・フェスト(声楽アンサンブル)]HAGEN, D.A.: Art of Song (The) (Lyric Fest)
発売日:2024年01月12日 NMLアルバム番号:8.559919
CD価格:1,600円(税込)
アメリカの作曲家ダロン・アリック・ハーゲンは、カーティス音楽院でネッド・ローレムに師事したのち、レナード・バーンスタインの勧めによりジュリアード音楽院に進みデイヴィッド・ダイアモンドらから作曲を学びました。これまでにオペラから吹奏楽曲まで500を超える作品を書き、グッゲンハイム賞、ロックフェラー賞、ケネディ・センター・フリードハイム賞などを受賞しています。 この「アート・オヴ・ソング」は、ホイットマンをはじめ、サッフォーからリンカーン、オーソン・ウェルズらの言葉をテキストに用いた歌曲集。南北戦争以来のアメリカ政治の犠牲となった人々に焦点を当てた「夏」、老いや愛、郷愁など人間の内面を見つめた「秋」、加齢とともに失う純真さと、信仰を維持する困難を歌った「冬」、ニューヨーカーの若者たちを描くとともに、時代を超えた歌の役割が描かれた「春」の4部で構成されています。
収録作曲家:
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アメリカの協奏曲と管弦楽組曲集
コープランド/クレストン/ケイ/ピストン [アンナ・マティクス(コールアングレ)/ティモシー・マカリスター(アルト・サクソフォン)/ジョアン・ファレッタ(指揮)/ナショナル・オーケストラ・インスティトゥート・フィルハーモニック]COPLAND, A.: Tender Land Suite (The) / CRESTON, P.: Saxophone Concerto / PISTON, W.: The Incredible Flutist Suite (Mattix, T. McAllister, Falletta)
発売日:2023年11月24日 NMLアルバム番号:8.559911
CD価格:1,600円(税込)
20世紀半ばのアメリカ音楽の形成に貢献した4人の傑出した作曲家たちの作品を集めたアルバム。 コープランドの「入札地」は高校卒業を間近に控えた少女を巡る、米国中西部の農家の出来事を題材にした歌劇からの組曲。のどかな牧場風景と都会への憧れがコープランドらしい明快な曲調で描かれています。歌劇では合唱が入る「The Promise of Living 生活の約束」もここではオーケストラのみで奏されます。 クレストンの「サクソフォン協奏曲」は、1930年代のアメリカにサクソフォンを広めた奏者セシル・リーソンのために書かれた曲。ジャズ・バンドで活躍することの多かったこの楽器の“本当に美しい音色と可能性”を追求した作品として評価されています。 コールアングレと弦楽オーケストラのための「ピエタ」を作曲したユリシーズ・ケイはローマ賞を受賞した初の黒人作曲家。彼がローマに赴いた際、現在バチカン市国のサン・ピエトロ大聖堂に安置されているミケランジェロの有名な同名彫刻にインスピレーションを得た作品とされています。ソリスト、アンナ・マティクスがこの作品を発見し、ファレッタに演奏を持ちかけたというものです。 ピストンの「不思議な笛吹き」は、1938年にアーサー・フィードラーがボストン・ポップス・オーケストラのために依頼した作品。聞く人の悲しみを癒すことができる魔法の音楽家が率いる旅するサーカス団を描いたバレエ音楽です。 ファレッタの巧みな指揮が各作品のすばらしさを際立たせています。
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バラード(1931-2007):
4つの月
悪魔の遊歩道
アボリジニ幻想曲 第3番「ココペリ」
「インディアンの生活」からの情景 [ジョン・ジーター(指揮)/フォート・スミス交響楽団]BALLARD, L.W.: Four Moons (The) / Devil's Promenade / Fantasy Aborigine No. 3 / Scenes from Indian Life (Fort Smith Symphony, John Jeter)
発売日:2023年11月10日 NMLアルバム番号:8.559923
CD価格:1,600円(税込)
ルイス・ウェイン・バラードは最初の北米先住民族の音楽家の一人であり、居住区のクアポー語で「ホンガノゼ=鷲とともに立つ」を意味する別名でも知られています。彼はタルサ大学で音楽を学び、卒業後はニューメキシコ州サンタフェのアメリカン・インディアン・アート研究所(IAIA)で働きました。当時この地域の若い学生たちは自分たちの部族の歌を知らなかったため、バラードは先住民たちの歌を集め、これらについて講義したり教えたりしています。北米の民俗音楽や舞曲、そして神話から影響を受けた彼の作品は12音を採り入れながらも、調性的であり、ユニークな打楽器の用い方でも異彩を放ちます。 このアルバムには4作品を収録。クアポー族の舞曲と楽器を用いた「悪魔の散歩道」、6つの「アボリジニ幻想曲」から音楽の神の名を持つ第3番「ココペリ」、オクラホマ州創立60周年を記念して作曲されたバラードの3番目のバレエ音楽「4つの月」、2つの部族の会話を風刺的に扱った「インディアンの生活」からの情景。どれもリズミカルな要素を持つ親しみやすい音楽です。
収録作曲家:
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ハービソン(1938-):
ピアノ作品集 [ジン・セヒ(ピアノ)]HARBISON, J.: Piano Works - Nocturne / Gatsby Etudes / 4 More Occasional Pieces / Leonard Stein Anagrams / Piano Sonata No. 1 (Se-Hee Jin)
発売日:2023年09月22日 NMLアルバム番号:8.559918
CD価格:1,600円(税込)
1987年にピューリッツァー賞を受賞した作曲家ジョン・ハービソン。オペラや合唱作品を含む300作以上を発表、その中にはジェームズ・レヴァインのメトロポリタン歌劇場音楽監督就任25周年を記念しての委嘱作《The Great Gatsby 華麗なるギャツビー》が含まれるなど、アメリカの主要な音楽機関から多くの委嘱を受けています。 このアルバムには世界初録音を含む、1980年代から現在までのピアノ曲を収録。瞑想的な「夜想曲」、前述の《華麗なるギャツビー》から素材を転用した技巧的な「ギャツビー・エチュード」、彼に関連する人々のために書かれた「4つのモア・オケージョナル・ピース」、南カリフォルニア大学の「アーノルド・ショーンバーグ研究所」の音楽監督を務め2004年にこの世を去ったレナード・ステインの遺稿を元にした「レナード・ステイン・アナグラムス」。そして名ピアニスト、アーシュラ・オッペンス、ロバート・シャノン、アダン・フェインバーグのために書かれた「ピアノ・ソナタ第1番」を聴くことができます。 ピアノを演奏するジン・セヒはタングルウッドでハービソンに会って以来、彼の作品に魅せられ、その作品を探求しています。
収録作曲家:
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アイヴズ(1874-1954):
室内オーケストラのためのセット全集 [ジェイムズ・シンクレア(指揮)/オーケストラ・ニュー・イングランド]IVES, C.: Sets for Chamber Orchestra (Complete) (Orchestra New England, James Sinclair)
発売日:2023年06月09日 NMLアルバム番号:8.559917
CD価格:1,600円(税込)
保険会社で働きながら作曲を続けたため、日曜作曲家とも呼ばれるアイヴズ。管弦楽作品が広く知られる彼ですが歌曲も多く残しており、1915年から1930年代中盤にかけて、これらの歌曲を数曲ずつ集めて、数人から20人に満たないような室内オーケストラ(コネティカットやニューヨークの小劇場のオーケストラ)が歌無しで演奏するために編曲した「セット」を組みました。これらに含まれる曲はいずれも1分未満から長くても3分程度というごく短いもので、アイヴズらしいウィットに富んだ曲想が次々と現れ、たいへん愛着の湧く作品となっています。 さらに演奏する楽団の編成や掛け持ち楽器などの事情に合わせ、楽器の選択がフレキシブルに変更できるよう注意書きなどが添えられているほか、状況によってさらなる楽器の置き換えがありうることも想定して構成されました。 演奏はアイヴズの研究家として知られるジェイムズ・シンクレアの指揮するオーケストラ・ニュー・イングランド。曲ごとに最適な編成が組まれ、作品への深い理解と愛情に裏打ちされた素晴らしい演奏を聴かせています。 第10番までのセットと「劇場オーケストラのためのセット」を含む全曲録音は、今回が初めてという貴重なものです。
収録作曲家:
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アンタイル(1900-1959):
ヴァイオリン・ソナタ集
第1番-第4番 [ティアンワ・ヤン(ヴァイオリン)/ニコラス・リンマー(ピアノ、ドラムス)]ANTHEIL, G.: Violin Sonatas Nos. 1-4 (Tianwa Yang, N. Rimmer)
発売日:2023年06月09日 NMLアルバム番号:8.559937
CD価格:1,600円(税込)
名手ティアンワ・ヤンが弾く
“音楽の悪童”アンタイル、4つのソナタニュージャージー生まれのジョージ・アンタイルは、1920年代にヨーロッパで演奏旅行を行い「狂乱の時代」のパリではピカソやストラヴィンスキーらと交流を持ち、ピアニスト兼作曲家としての経歴を確立させました。 このアルバムに収録された4曲のソナタのうち、最初の3曲はこの時代に作曲されたもので、第1番は詩人エズラ・パウンドの恋人でヴァイオリニストのオルガ・ラッジのために作曲されており、ストラヴィンスキーの影響と、当時のパリの洒脱な雰囲気を併せ持ったユニークな作品です。 よりジャジーな第2番は、20世紀初めのフランスに起こった前衛美術運動「キュビズム」を音楽で表現しようと試みた作品もので、雑多な旋律の中にドラムが効果的に使われています。 第3番はストラヴィンスキーの激しいリズムを更に追求した作品です。 1947年から48年にかけて作曲された第4番は、バロック時代の様式を採用。とりわけ第2楽章は6小節の主題が10回変奏されるというパッサカリアの形式が用いられています。華麗な終楽章「トッカータ」も機知に富んだ音楽です。収録作曲家:
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EQUINOX
21世紀の管弦楽と室内楽作品集 [グレン・アドシット(指揮)/エドワード・カミング(指揮)/ハート・スクール・フット・イン・ザ・ドアー・アンサンブル]Orchestral and Chamber Works (21st Century) - CARL, R. / LI, Shuying / LYONS, G. / STEEN, K. (Equinox) (Foot in the Door Ensemble, Adsit, E. Cumming)
発売日:2023年04月14日 NMLアルバム番号:8.559896
CD価格:1,500円(税込)
「フット・イン・ザ・ドアー (FITD)」はハートフォード大学ハート音楽院の同時代音楽のためのアンサンブル。アンサンブル名はアメリカの実業家アルフレッド・フラーの自伝のタイトルから採られており、「フット・イン・ザ・ドアー=ドアに足を踏み入れる」をモットーにしています。彼らは2015年、レイキャビクで開催された“Dark Music Days Festival”に招待され演奏を披露するなど、国際的に活躍しています。 このアルバムに登場する作曲家は全てハート音楽院の卒業生や教授、元教授たちで、どの曲もこのアンサンブルのために書かれたものです。英国のテレビシリーズ“ブラック・ミラー”にインスパイアされたリー・シューインの「The Last Hive Mind」、様々な火の形を探求したというラングストン・ターナーの「Burning Music」、2015年のレイキャビクで演奏されたステーンの「DĔPO FLUX」、2018年に起きたニカラグアの抗議デモに触発されたライオンズの「la flor más linda」、呼吸のプロセスから着想を得たというカールの「Open/Empty」、春の目覚めと新生活を表現した、アルバムタイトルでもあるトゥリンの「Equinox=春分」とどれも独創的な内容を持つ作品が並びます。
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ケヴィン・プッツ(1972-):
シティ
マリンバ協奏曲
オーボエ協奏曲 第2番 「月の光」 [キャスリーン・ニードルマン(オーボエ)/ジス・ジン(マリンバ)/マリン・オルソップ(指揮)/ボルティモア交響楽団]PUTS, K.: City (The) / Marimba Concerto / Moonlight (Needleman, Ji Su Jung, Baltimore Symphony, Alsop)
発売日:2023年02月24日 NMLアルバム番号:8.559926
CD価格:1,600円(税込)
2012年、歌劇《きよしこの夜》でピューリッツァー賞を受賞したアメリカの作曲家ケヴィン・プッツ。メトロポリタン・オペラ、フィラデルフィア管弦楽団を含む世界の主要な団体から作品を委嘱され、そのどれもが高く評価されています。 このアルバムには、彼の学生時代の「マリンバ協奏曲」から最近書かれた「オーボエ協奏曲」までの3作品を収録。イーストマン音楽学校の大学院に在籍していたプッツが、マリンバ奏者の名倉誠人とコラボレーションを組み書き上げたのが1997年の「マリンバ協奏曲」。冒頭の変ホ長調の旋律は、彼が愛するモーツァルトの変ホ長調のピアノ協奏曲をモデルとしているといい、これをマリンバが装飾的に彩っていきます。第2楽章は弦楽器の伴奏でマリンバがエレガントに歌い、第3楽章では激しいダンスの中に第1楽章の旋律が回帰し、全体をまとめています。 「シティ」はボルティモアという都市にインスパイアされたカーネギーホールとの共同作品。2015年4月に起きた「フレディー・グレイの死」による騒乱事件を含む、この街のさまざまな側面が万華鏡のように描かれています。 2016年の大統領選挙をきっかけにプッツが覚えたという動揺と深い幻滅感、これを解消した映画「ムーンライト」の印象が作品の根底にあるという「オーボエ協奏曲」には、プッツの今の思いがこめられています。
収録作曲家:
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ジャスティン・ホランド(1819-1887):
ギター作品と編曲集 [クリストファー・マレット(ギター)]HOLLAND, Justin: Guitar Works and Arrangements (Mallett)
発売日:2023年02月10日 NMLアルバム番号:8.559924
CD価格:1,600円(税込)
19世紀アメリカを代表するギタリストの一人と評価されたジャスティン・ホランドの妙技が蘇るCD。 ホランドはバージニア州ノーフォーク生まれのアフリカ系アメリカ人で、幼くして音楽の才能を発揮。14歳で両親を亡くし てから移住したボストンで出会ったスペイン人ギタリスト、マリアーノ・ペレスからギターを学ぶために、働きながら研鑽を積みました。彼が書いたギター教本は、同種のものとしてアメリカで初めて出版されてベストセラーを記録。また公民権運動を強く支持しました。ホランドは教会音楽や流行曲の編曲や変奏が巧みで、「ヴェニスの謝肉祭」による幻想曲は彼の演奏・作曲技法のエッセンスが凝縮されています。 カリフォルニアを拠点に活動するギタリスト、クリストファー・マレットの妙技をご堪能ください。
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フローレンス・プライス(1887-1953):
〈管弦楽作品集〉
オークの歌
演奏会用序曲 第1番・第2番
交響詩「オーク」
コロニアル・ダンス/舞踏組曲 [ジョン・ジーター(指揮)/ロイトリンゲン・ヴュルテンベルク・フィルハーモニー管弦楽団]PRICE, F.: Songs of the Oak / Concert Overtures Nos. 1-2 / The Oak / Suite of Dances (Württembergische Philharmonie Reutlingen, Jeter)
発売日:2022年11月25日 NMLアルバム番号:8.559920
CD価格:1,600円(税込)
国際的に注目度急上昇中の作曲家フローレンス・プライス。「黒人女性初の交響曲作曲家」と呼ばれるプライスの音楽は、アフリカ由来のリズムや黒人霊歌を大胆に取り入れて親しみやすさと感情に訴える個性的な魅力を備えています。2021年のBBCプロムスのラスト・ナイトで演奏された交響曲第1番の第3楽章「ジュバ・ダンス」がその典型。このアルバムの収録曲にもそうした魅力が発揮されています。交響詩ではハリウッドの映画音楽の影響を受けた華やかで色彩感豊かなオーケストレーションも楽しめます。 交響曲第1番でアメリカの作曲賞を受賞し、初演も大好評を得たプライス。黒人霊歌を採り入れた「演奏会用序曲第1番」はシカゴ交響楽団での演奏がテレビ放送され、人気を博しました。 舞踊組曲は、ピアノのための「3つの小さな黒人のダンス」をプライス自身がオーケストレーションしたもの。こちらも歌心溢れる旋律と陽気なリズムが随所に聴かれます。 同じく黒人霊歌を採り入れた「演奏会用序曲第2番」や交響詩「オークの歌」は、その総譜の存在が2009年まで知られずにいましたが、プライス再評価が進んで陽の目を見たものです。 NAXOSレーベルに交響曲第1番&第4番(8.559827)と交響曲第3番(8.559897)を録音するなど、プライス作品の演奏に取り組んでいる指揮者ジョン・ジーターによる演奏です。
収録作曲家:
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デジタル・ミスト
20世紀と21世紀アメリカの
ヴァイオリンとピアノのための音楽集 [パトリック・イム(ヴァイオリン)/キウトゥン・プン(ピアノ)]Violin and Piano Music (20th & 21st Centuries) - TSONTAKIS, G. / CURRIER, N. and S. / CHEN, Yi (Digital Mist) (Patrick Yim, Kiu Tung Poon)
発売日:2022年09月09日 NMLアルバム番号:8.559903
CD価格:1,600円(税込)
1980年から2010年にかけて作曲された、アメリカで活躍する4人の作曲家によるヴァイオリンとピアノのための作品集。アルバムには3曲の世界初録音が含まれるとともに、中国民謡に触発されたヴァイオリンとピアノのためのチェン・イの作品を全て収録していることにも注目です。 グラミー賞に2回ノミネートされたクレタ島出身のツォンタキスの「3つのため息、3つの変奏曲」は後に彼の「ファンタジア・ハバネラ」の基礎となった作品。 セバスティアン・カリアーの「デジタル・ミスト」は作曲家自身がエレクトロニクスのパートをあらかじめ録音しておき、そこに実際の演奏をあわせた曲。ヴァイオリンとピアノの響きは靄がかかったような幽玄な佇まいを聴かせます。この録音が行われるまでには、演奏家と各々の作曲家たちが何時間にもわたりヴィデオ会議を行い、数えきれないほどのメールがやりとりされたということです。
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ダニエルプール(1956-):
ピアノのための12の練習曲
ピアノ幻想曲/子守歌/無言歌 [ステファノ・グレコ(ピアノ)]DANIELPOUR, R.: 12 Études for Piano / Piano Fantasy / Lullaby / Song Without Words (Greco)
発売日:2022年09月09日 NMLアルバム番号:8.559922
CD価格:1,600円(税込)
アメリカを拠点に活躍するリチャード・ダニエルプールは、初期は規則性に基づくセリエル音楽の形式を用いて作品を書いていましたが、1980年代後半に「旋律的な音楽」へと作風を転向、以降は調性感のある耳なじみの良い音楽を数多く生み出しています。 この「12の練習曲」はヴァンダービルト大学の委嘱作で2011年から12年にかけて作曲されました。それぞれの曲は大学に在籍する3人のピアニストをはじめ、レオン・フライシャーやヨゼフ・カリヒシュタイン、フィリップ・アントルモンなど著名なピアニストに捧げられており、どの曲も技巧的、かつ独立した物語を持つコンサートピースとして構想されています。アルバムのピアニスト、ステファノ・グレコがエチュードの全曲を演奏したいと作曲家に持ち掛けた際、最初は逡巡したもののグレコの卓越した芸術性に感動。驚きと喜びを感じたとダニエルプールは語っています。 他にはバッハの「マタイ受難曲」に引用されたコラールに基づく「ピアノ幻想曲」と小品2曲が収録されています。
収録作曲家:
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デレク・バーメル(1967-):
Intonations
クラリネットと弦楽器のための作品集 [デレク・バーメル(クラリネット)/クリストファー・オットー(ヴァイオリン)/ヴィーク・ヘイマンス(エレクトリック・ギター)/ジャック四重奏団]BERMEL, D.: Music for Clarinet and Strings (Intonations) (Bermel, C. Otto, Hijmans, JACK Quartet)
発売日:2022年08月26日 NMLアルバム番号:8.559912
CD価格:1,600円(税込)
グラミー賞に2度ノミネートされたアメリカの作曲家・クラリネット奏者のデレク・バーメルは、ウィリアム・ボルコムをはじめ、アンリ・デュティユー、オランダのルイ・アンドリーセンらに師事、作曲を学びました。彼の作品には東洋の音楽やジャズ、ボルコム譲りのラグタイムなど様々な要素に加えて、コミカルとシリアス、2つの相反する性質が融合されて予測不可能な展開を見せるものが多くあります。 このアルバムに収録されている「イントネーションズ」やエレキ・ギターの音色をユニークに用いた「リトルネッロ」はまさにそんな作品。不気味な前奏が突然賑やかな雰囲気に変わるなど興味深い音楽です。 クラリネット独奏による「トラキアのスケッチ」はブルガリアの民俗音楽の探求から生まれたもの。バーメル自身の演奏です。 「ア・ショート・ヒストリー・オブ・ザ・ユニヴァース」は彼がプリンストン高等研究所のアーティスト・イン・レジデンスを務めていた際、物理学者ニマ・アルカニ=ハメッド氏の講義にインスパイアされて書かれた曲。ヴァイオリン練習曲集は無伴奏ヴァイオリンの可能性を追求した作品です。
収録作曲家:
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Where the Shadow Glides
ウィリアム・マクレラン(1950-):
声楽と合唱作品集 [クリスタ・リヴァー(メゾ・ソプラノ)/トーマス・メリオランツァ(バリトン)/アレックス・ゲレーロ(テノール)/ドナルド・バーマン(ピアノ)/ブレア・マクミレン(ピアノ)/ニューヨーク・ヴァーチュオーソ・シンガーズ/ハロルド・ローゼンバウム(指揮) 他]McCLELLAND, W.: Songs / Five for Piano / Choral Works (Where the Shadow Glides) (River, Meglioranza, New York Virtuoso Singers, McMillen, Rosenbaum)
発売日:2022年07月22日 NMLアルバム番号:8.559906
CD価格:1,600円(税込)
デトロイト生まれの作曲家・ピアニスト、ウィリアム・マクレラン。特に合唱音楽の作曲家としてアメリカで人気があります。 冒頭の「カエドモンの賛歌」は7世紀のイギリスで書かれたテキストによるもので、4人の合唱団員による古代英語の朗読ではじまり、それに続く合唱とオルガンが世界の創造の物語を描きます。 「ヘイル・ラヴリー・アンド・ピュア」は15世紀に北イングランドで書かれた神秘劇「ウェイクフィールド・マスター」に作曲したもの。 「最後の贈り物」は、古代ローマの詩人ガイウス・ウァレリウス・カトゥルスが書いた、亡くなった兄弟を悼む哀悼詩。同じ経験を持つマクレランはこの詩に強い共感を抱き、素晴らしい作品を書き上げました。 「ピアノのための5つの小品」も詩からインスピレーションを得た作品で、初演者のブレア・マクミレンによる録音です。歌曲には時に民謡風な味わいも感じられ、アルバムに彩りを添えています。
収録作曲家:
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These Distances Between Us
私たちを隔てるこれらのもの
21世紀アメリカ、憧れの歌 [エミリー・ジョウォルスキー・コリアース (メゾ・ソプラノ)/タッド・コリアース (ピアノ)/ジョナサン・サントーレ (エレクトロニクス)/クレイグ・ブランドウェイン (エレクトロニクス)]Vocal Music (American) - BRANDWEIN, C. / HILL, E. / RUDMAN, J. / SANTORE, J. (These Distances Between Us) (E. Jaworski Koriath, T. Koriath)
発売日:2022年06月24日 NMLアルバム番号:8.559908
CD価格:1,600円(税込)
現代アメリカで活躍する4人の作曲家の声楽作品を収録した1枚。現代的なサウンドによりつつ、物理的・心理的な隔たりを越えようとする愛や憧れを歌っています。 冒頭のエディー・ヒルの「The Giver of Stars - エイミー・ローウェルの6つの詩」は音楽誌で「神秘に満ちた」と評価された作品。サントーレの「スルピシアの2通の手紙」はエレクトロニクスを使ってボーカルラインを補強しています。エミー賞にノミネートされたブランドウェインの「4つの歌」はシンプルな旋律を持つ美しい歌曲集。 アルバム・タイトルでもあるルドマンの「These Distances Between Us」は個人的なつながりの不安定さを強調した歌曲で、不協和音やため息のような響きが多用されています。 ブランドウェインの「3つのリルケの歌」も耳当たりの良い旋律を持っていますが、エレクトロニクスによる伴奏が多彩な美しさを放ちます。
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Reactions リアクションズ
マーガレット・ブラウワー(1940-):
歌曲と室内楽作品集 [サラ・ビーティ(メゾ・ソプラノ)/ブライアン・スクーグ(テノール)/佐藤麻理(ナレーター&ヴァイオリン )/エリーシャ・ネルソン(ヴィオラ)/ワン・シュアイ(ピアノ)-9]BROUWER, M.: Rhapsodic Sonata / Declaration / The Lake / I Cry - Summer 2020 (Reactions) (Beaty, Skoog, Mari Sato, E. Nelson, Shuai Wang)
発売日:2022年04月15日 NMLアルバム番号:8.559904
CD価格:1,600円(税込)
ニューヨーク・タイムズ紙で「独特の魅惑的なハーモニーの世界に棲む」と称賛されたアメリカの女性作曲家マーガレット・ブラウワーの作品集。1996年から2008年までクリーヴランド音楽院作曲科の主任教授を務め、種々の名誉ある賞を受賞、オーケストラや演奏家からも数多くの委嘱を受けています。 このアルバムには最近書かれた作品が収録されており、愛する心を内面から描いた「ラプソティック・ソナタ」、暴力や戦争をテーマにした「宣言」、新型コロナウイルス感染症が大流行し、人々が孤立し生活に制限がかけられた2020年の夏に書かれた「私は叫ぶ - 夏2020」など社会的な問題が採り上げられています。 最後に置かれた「すべての回線がまだ通話中」は風刺の効いたモノローグ。電話で「待たされた」経験のある人なら作品に共感すると思います。
収録作曲家:
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スーザ(1854-1932):
〈吹奏楽のための作品集 第23集〉
「オーヴァー・ザ・フットライツ・イン・ニューヨーク」
「メアリー、日曜日には何をする?」
「町の空想」 他 [プリマス・イギリス海兵隊バンド/キース・ブライオン(指揮)]SOUSA, J.P.: Music for Wind Band, Vol. 23 ((Her Majesty's Royal Marines Band, Plymouth, Brion)
発売日:2022年03月25日 NMLアルバム番号:8.559881
CD価格:1,600円(税込)
大好評シリーズ、「マーチ王」スーザの吹奏楽のための作品集も、この第23集をもって完結となります。 今日知られている行進曲の形式を標準化したスーザですが、彼は決してこのジャンルに専念していたのではなく、交響詩、組曲、オペラ、オペレッタなど、200以上の作品を書き上げていました。今回の最終巻では、あまり知られていないスーザの作品の中から、ポピュラーソングやクラシック作品の親しみやすいメロディーを用いた幻想曲やユーモレスクなど、スーザの幅広い音楽的嗜好が感じられる曲が選ばれています。 トラック2の「メロディ」は第30代アメリカ副大統領に就任したチャールズ・ドーズのヴァイオリン曲をクライスラーが録音し、人気となったもの。他の作曲家によってオーケストラやポップスにアレンジされ広い人気を博しましたが、スーザは吹奏楽用に編曲しています。
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スーザ(1854-1932):
吹奏楽のための作品集 第22集 [ゴードン・カーター(アルト・サクソフォン)/プリマス・イギリス海兵隊バンド合唱団/プリマス・イギリス海兵隊バンド/キース・ブライオン(指揮)]SOUSA, J.P.: Music for Wind Band, Vol. 22 (Her Majesty's Royal Marines Band, Plymouth, Brion)
発売日:2022年01月28日 NMLアルバム番号:8.559880
CD価格:1,600円(税込)
大好評「マーチ王」フィリップ・スーザの吹奏楽のための作品集。シリーズ第22集となるこのアルバムでは、スーザが作曲した25曲ほどの幻想曲から5作品を紹介します。ほとんどの曲には既存のポピュラー音楽やよく知られたオペラなどの旋律や雰囲気が効果的に引用されており、どれも多くの人々の耳を引き付けることでしょう。 1曲目の「職人の集会」ではヴェルディの歌劇《イル・トロヴァトーレ》の「鍛冶屋の合唱」が高らかに響き、2曲目の「ハイブローとローブロー」では見事なワルツに変貌したヘンデルの「ラルゴ」やリストの「ハンガリー狂詩曲第2番」などの旋律が聴こえてきます。国のために戦った兵士たちへの感謝の言葉が朗々と合唱で歌われる「国家の救世主」が続き、マイアーベーアの旋律をたっぷり使った「オン・ウィズ・ザ・ダンス」、最後の「ミュージック・オブ・ザ・ミニット」はジェローム・カーンのワルツとスーザ自身のタンゴ、他さまざまな曲が用いられています。曲の終わりに奏されるノリのよいサクソフォンの音色も印象的。
収録作曲家:
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プライス(1887-1953):
交響曲 第3番
ミシシッピ川/アメリカにおけるエチオピアの影 [ウィーン放送交響楽団/ジョン・ジーター(指揮)]PRICE, F.B.: Symphony No. 3 / The Mississippi River / Ethiopia's Shadow in America (ORF Vienna Radio Symphony, Jeter)
発売日:2021年11月26日 NMLアルバム番号:8.559897
CD価格:1,600円(税込)
フローレンス・ベアトリス・プライスは1887年アーカンソー州リトルロック生まれ。早くから音楽の才能を発揮し、14歳でボストンの名門ニューイングランド音楽院に入学を認められました。1932年に作曲コンクールに応募した交響曲第1番が第1位を獲得。翌年6月15日に音楽監督フレデリック・ストック指揮するシカゴ交響楽団によって初演されて好評を得たことで「初の黒人女性交響曲作家」とされています。近年、あらためてその作品が評価され、演奏される機会が増えています。 ここに収録された交響曲第3番は、第3楽章に南スーダン由来とされるジュバ・ダンスのスタイルを取り入れるなどアフリカ音楽の雰囲気を随所に感じさせますが、特定の民謡や伝承曲を引用することなく、プライス自身の音楽として消化・構成した独創的なものです。 『ミシシッピ川』では対照的に「Deep River(深い河)」や「Go Down Moses(行け、モーセ)」などの有名なスピリチュアル(黒人霊歌)を意図的に引用。ミシシッピ川を聖書世界におけるヨルダン川にたとえ、アメリカにおける黒人たちの歴史を織り込んだ交響詩のような作品としています。 『アメリカにおけるエチオピアの影』は、アメリカにおける黒人の歴史のそのものが標題になっています。 収録曲を通じて歌謡性豊かな旋律と陽気なリズムが随所に聞かれ、その文化的・歴史的な意義を知らずに聴いても楽しめる一枚となっています。
収録作曲家:
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America's Neglected Composer
アメリカの忘れられた作曲家
ファーウェル(1872-1952): 作品集 [ウィリアム・シャープ(バリトン)/エマヌエーレ・アルチウリ(ピアノ)/ダコタ弦楽四重奏団/テキサス大学室内合唱団/ジェイムズ・モロウ(指揮)]FARWELL, A.: Songs, Choral and Piano Works (America's Neglected Composer) (W. Sharp, Arciuli, Dakota String Quartet)
発売日:2021年10月22日 NMLアルバム番号:8.559900
CD価格:1,600円(税込)
アメリカ、ミネソタ州出身の作曲家アーサー・ファーウェル。「Indianist movement インディアニスト運動」のリーダーとして、アメリカへの移住者たちが追放し抑圧した先住民族を理解しようとすることが、ヨーロッパ系アメリカ人の義務であると信じ、出版社“ワーワン・プレス”を設立して、ネイティヴ・アメリカンの伝統的な音楽を採り入れた作品の発表に力を尽くしました。しかし、彼が望んでいたような結果を出すことはできず、夥しい数の作品を残したにもかかわらず「アメリカ音楽史上、最も無視されている作曲家」と呼ばれています。 このアルバムはアメリカ近代音楽の研究家としても知られる作曲家ジョーゼフ・ホロヴィッツがプロデュースし、サウスダコタでネイティヴ・アメリカンの研究を行うラコタ音楽プロジェクトの協力のもと、ファーウェルの音楽を広めるために生まれた1枚。 冒頭の「弦楽四重奏曲」はポーニー族の伝承物語からインスパイアされた作品。単一楽章で書かれたこの作品には、部族の儀式や守護者たちが象徴されており、多くの民謡が引用されています。 次の「3つのインディアンの歌」とともに、ジョーゼフ・ホロヴィッツがエグゼクティブ・プロデューサーを務める「ポスト・クラシカル・アンサンブル・フェスティヴァル」での演奏です。
収録作曲家:
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スーザ(1854-1932):
〈吹奏楽のための作品集 第21集〉
喜歌劇《クリスと不思議なランプ》
米国の姉妹関係
ショーイング・オブ・ビフォアー・カンパニー [キャロライン・シンプキンズ(ファゴット)/リタ・シンドラー(ハープ)/王立バーミンガム音楽院ウィンド・オーケストラ/キース・ブライオン(指揮)]SOUSA, J.P.: Music for Wind Band, Vol. 21 (Royal Birmingham Conservatoire Wind Orchestra, Brion)
発売日:2021年07月23日 NMLアルバム番号:8.559863
CD価格:1,600円(税込)
大好評シリーズ、スーザの“吹奏楽のための作品集”第21集に収録されているのは、とても珍しい3つの作品です。100曲以上のマーチを作曲し「マーチ王」と呼ばれるスーザですが、実はオペレッタや組曲なども数多く作曲しており、これらは当時、アメリカの劇場で大絶賛されました。 アルバムの冒頭を飾るのは1899年にニューヘイブンのハイペリオン劇場で初演された喜歌劇《クリスと不思議なランプ》からの音楽。この物語は有名なアラジン伝説に基づいたもので、初演の大好評を受け翌年1月1日にはブロードウェイのビクトリア劇場で再演されています。このアルバムではM.バートンによる吹奏楽版が用いられています。 「米国の姉妹関係」はニューヨーク・ヒッポロドーム劇場(ラジオシティ・ミュージックホールの前身)のショーのためのバレエ曲で、米国48州を代表する音楽が組み込まれています。 「ショーイング・オブ・ビフォアー・カンパニー」はスーザがマチネのコンサートを開く際に頻繁に演奏された曲。巧妙な仕掛けが施された楽しい作品です。
収録作曲家:
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スーザ(1854-1932):
〈吹奏楽のための作品集 第20集〉
《エル・カピタン》より第1幻想曲
いとしきインスピレーションの花束
グッド・バイ 他 [キース・ブライオン(指揮)/英国王立ウェールズ音楽大学ウィンド・アンサンブル]SOUSA, J.P.: Music for Wind Band, Vol. 20 (Royal Welsh College of Music and Drama Wind Orchestra, Brion)
発売日:2021年01月29日 NMLアルバム番号:8.559850
CD価格:1,600円(税込)
19世紀のバンド音楽発展に貢献した“マーチ王”スーザ。この第20集にはブロードウェイで人気を博したメロディを用いた「おお、どれほどあなたを待ったことか」をはじめ、自作のオペレッタ《エル・カピタン》からの幻想曲や、他の歌劇からの旋律を吹奏楽用にアレンジした曲、楽員たちが次々と舞台から姿を消していく、ハイドンの「告別」からアイデアを得た「グッド・バイ」(最後は、その日が給料日だったことを思い出した楽員たちが慌てて舞台に戻ってくるという趣向)など、ユーモラスな作品が並びます。
収録作曲家:
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ライヒ(1936-):
エイト・ラインズ
シティ・ライフ
2台、またはそれ以上のピアノのための音楽
ヴァーモント・カウンターポイント
ニューヨーク・カウンターポイント [ホルスト=シンフォニエツタ/イェルク・シュヴァイベンツ(ピアノII)/アンヌ・パリソー、デルフィーヌ・ロシュ(フルート)/アンドレア・ナジ(クラリネット) 4-6/クラウス・ジモン(ピアノ、指揮)]REICH, S.: Eight Lines / City Life / Vermont Counterpoint / Music for Two or More Pianos (Holst Sinfonietta, Simon)
発売日:2020年12月11日 NMLアルバム番号:8.559682
CD価格:1,600円(税込)
20世紀後半のアメリカ音楽界におけるもっとも重要な人物の一人スティーヴ・ライヒ。ミニマル・ミュージックだけではなく、持ち前の探求心による表現法の拡大から生まれた様々な音楽は、ジャズや電子音楽など多岐に渡る分野のアーティストたちに多大な影響を与えています。 このアルバムには1960年代から1990年代までに作曲された5作品を収録。1964年の「2台、またはそれ以上のピアノのための音楽」は9つのコードで構成された作品で、リズムや繰り返す回数は奏者たちに任された自由度の高いもの。1979年の八重奏曲は典型的なミニマル・ミュージックで、のちの1983年に「エイト・ラインズ」へと再構成されています。 「ヴァーモント・カウンターポイント」と「ニューヨーク・カウンターポイント」は同種の楽器から生まれる多層的な響きが陶酔を生む作品。大都市の波打つ活気を再現することが試みられています。 1994年の「シティ・ライフ」はニューヨークの雑多な風景が切り取られた、これまでよりも更に大規模な構成とストーリーを持つ作品。サンプリングされたクラクションや生活音などが見事な音楽に昇華しています。 フライブルクを拠点とする室内アンサンブル、ホルスト=シンフォニエッタの緻密な演奏で。
収録作曲家:
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ゴンパー(1954-):
チェロ協奏曲
コントラバス協奏曲
ムーンバースト [ティモシー・ギル(チェロ)/ヴォルカン・オーホン(コントラバス)/エマニュエル・シフェール(指揮)/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団]GOMPPER, D.: Cello Concerto / Double Bass Concerto // Moonburst (Gill, Orhon, Royal Philharmonic, Siffert)
発売日:2020年11月27日 NMLアルバム番号:8.559855
CD価格:1,600円(税込)
ロンドンで学び、アメリカを拠点に活躍する作曲家デイヴィッド・ゴンパーの協奏曲集。複雑なオーケストラの伴奏から浮かびあがる独奏楽器の音色に関心を持っているというゴンパー。チェロ協奏曲では、絶え間ない動きが印象的な第1楽章と、夢みるような第2楽章の対比が素晴らしく、「影」をテーマにしたコントラバス協奏曲では、楽器の音色を用いて様々な影や日蝕の光の効果を探ります。 トラック5の「ムーンバースト」は以前リリースされた「サンバースト」(2015年作曲)に関連があり、彼の過去10年の作曲活動の経験を生かした作品となっています。 ゴンパー作品の演奏を得意とするスイスの指揮者シフェールが、今回も優れた演奏を聴かせます。
収録作曲家:
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ガーシュウィン(1898-1937):
ピアノ協奏曲 ヘ調
タワー(1938-):セコイア
ピストン(1894-1976):交響曲 第5番
ハービソン(1938-):ギャツビーを思い出して [ケヴィン・コール(ピアノ)/デイヴィッド・アラン・ミラー(指揮)/ナショナル・オーケストラ・インスティテュート・フィルハーモニック]GERSHWIN, G.: Piano Concerto / TOWER, J. / PISTON, W. / HARBISON, J.: Orchestral Works (Cole, National Orchestral Institute Philharmonic, D.A. Miller)
発売日:2020年11月13日 NMLアルバム番号:8.559875
CD価格:1,600円(税込)
近代アメリカを象徴する4つの作品を集めたアルバム。 「ラプソディ・イン・ブルー」で大成功を収めたガーシュウィンが、次に手掛けた本格的なピアノ協奏曲は、ジャズ・バンドの伴奏ではなくフル・オーケストラを用いたもの。ガーシュウィンはオーケストレーションを学ぶために理論書を読み、自費で楽員を集め試演まで行ったという力のいれようでした。このアルバムでは、作曲家自身の記譜に拠る新しい校訂版が用いられており、ガーシュウィンの最初の構想が反映されています。 他に収録されているのは、ハービソンのダンス音楽「ギャツビーを思い出して」、そそり立つ大木を描いたタワーの「セコイア」、20世紀アメリカ音楽の発展に寄与したピストンの古典的な作風による「交響曲第5番」。 年に1回、オーディションでメンバーが選定される有望な若手たちによるナショナル・オーケストラ・インスティテュート・フィルハーモニックの見事な演奏でお楽しみください。
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ピッカー(1954-):
言葉のないオペラ
エンカンタダス [トビアス・ピッカー(ナレーター)/ジャンカルロ・ゲレーロ(指揮)/ナッシュヴィル交響楽団]PICKER, T.: Opera Without Words / The Encantadas (Picker, Nashville Symphony, Guerrero)
発売日:2020年08月28日 NMLアルバム番号:8.559853
CD価格:1,600円(税込)
メトロポリタン歌劇場を始め、セントルイス歌劇場、サンタフェ歌劇場など、いくつものアメリカの歌劇場のための委嘱作品を書き、《ファンタスティックなきつね氏》で2020年のグラミー賞「ベスト・オペラ部門」を受賞。他、さまざまなオーケストラ作品でも知られるアメリカの作曲家トビアス・ピッカー(1954-)。このアルバムには演劇と音楽を融合した2つの作品を収録しています。 「エンカンタダス」は“白鯨”の作者ハーマン・メルヴィルの作品を元にしたもので、タイトルのエンカンタダスとは南米エクアドル西方沖にあるガラパゴス諸島のこと。厳しい自然環境のため、人間が寄り付かない魔の島の不気味な情景が描かれています。ナレーターは作曲家自身が務めました。 「言葉のないオペラ」は元々普通のオペラとして書かれましたが、後に声とテキストが取り除かれました。とはいえ、作品には装置の説明や台本のト書きなどが遺されており、奏者たちはこれに沿ってオペラの登場人物になることが求められています。
収録作曲家:
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ルネスタッド(1986-):
シング、ウェアリング・ザ・スカイ(歌よ、空を纏え)
〔合唱作品集〕 [ジョエル・リンセマ(指揮)/カントライ(声楽アンサンブル)]RUNESTAD, J.: Choral Music (Sing, Wearing the Sky) (Kantorei, Rinsema)
発売日:2020年08月14日 NMLアルバム番号:8.559892
CD価格:1,600円(税込)
1986年生まれ、ミネアポリスを拠点に活躍する作曲家ジェイク・ルネスタッド(1986-)の合唱作品集。オーケストラから吹奏楽まで幅広いジャンルの作品を数多く発表し世界中で高く評価されているルネスタッドは、とりわけ合唱作品に力を入れており、自然環境や戦争などの社会問題を反映させた作品を書き続けています。 冒頭に置かれた「海の秘密」(2018)は、ホイットマンやロングフェローといったイギリスの詩人のテキストを始め、アメリカの詩人ヒルダ・ドゥリトルの詩、イヌイットのシャーマン、ウヴァヴヌクの言葉が織り込まれており、多彩な海の情景とともに、海と人間のかかわりについてを壮大な音楽で描きだしています。 アルバムには強烈な賛美の音楽である「アレルヤ」、アルバムタイトルでもあるエキゾチックな味わいの「歌え、空を纏え」など世界初録音を含む全10作品を収録。どれも聴きやすい旋律を持ち、聴き手を魅了します。
収録作曲家:
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ラウズ(1949-2019):
交響曲 第5番
サプリカ/管弦楽のための協奏曲 [ジャンカルロ・ゲレーロ(指揮)/ナッシュヴィル交響楽団]ROUSE, C.: Symphony No. 5 / Supplica / Concerto for Orchestra (Nashville Symphony, Guerrero)
発売日:2020年07月22日 NMLアルバム番号:8.559852
CD価格:1,600円(税込)
ピューリッツァー賞とグラミー賞を受賞したアメリカの作曲家、クリストファー・ラウズ(1949-2019)。1949年ボルティモアに生まれ、様々なジャンルの音楽を身につけたラウズについて、ニューヨーク・タイムズ紙は「周囲の記憶に最も残る音楽を書く人」と紹介しました。その作品はウィット、ジョーク、神聖なもの、ロックなど、たくさんの要素で構成されています。 このアルバムには2015年に書かれた「交響曲第5番」を含む3作品を収録。「交響曲第5番」は彼が幼いころに聴いて衝撃を受けたベートーヴェンの第5交響曲にインスパイアされた作品です。ブルックナーやマーラーの緩徐楽章を思わせるゆったりとした「サプリカ」、オーケストラの奏者たちそれぞれに見せ場を持たせた「管弦楽のための協奏曲」など、どれもがラウズの個性が生かされた聴きごたえのある作品です。
収録作曲家:
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ドーソン(1899-1990):
ニグロ・フォーク・シンフォニー
ケイ(1917-1995):
幻想変奏曲/ウンブリアの情景 [アーサー・フェイゲン(指揮)/ウィーン放送交響楽団]DAWSON, W.L.: Negro Folk Symphony / KAY, U.: Fantasy Variations / Umbrian Scene (Vienna Radio Symphony, Fagen)
発売日:2020年06月26日 NMLアルバム番号:8.559870
CD価格:1,600円(税込)
アフリカ系アメリカ人作曲家ウィリアム・ドーソンの代表作「ニグロ・フォーク・シンフォニー」。古典的な形式の中に黒人霊歌の要素をふんだんに折り込んだこの作品は、1934年にレオポルド・ストコフスキーが指揮するフィラデルフィア管弦楽団によって初演され、爆発的な人気を獲得しました。しかしこの人気は一過性のものであり、人々はすぐさま作品への興味を失ってしまいました。とはいえ、ドーソンはこの作品を大切にしており、1952年に西アフリカへ旅行した際に体感した、アフリカのリズムを再度作品に折り込み作品を改訂。1963年にはストコフスキーがこの改訂版をシンフォニー・オブ・ジ・エア(旧NBC交響楽団)と再録音したことでも知られています。ドヴォルザークの「新世界より」を思わせる哀愁漂う旋律と、重厚なオーケストレーションが魅力で、ストコフスキーが愛奏したのも頷ける力作です。 同時収録のユリシーズ・ケイもアフリカ系アメリカ人作曲家で、彼の「幻想変奏曲」は、指揮者アーサー・ベネット・リプキンの委嘱で書かれた作品。実際の主題は最後まで演奏されることがありません。決してイタリア風ではなく、ドイツ風の音楽が展開する「ウンブリアの情景」も楽しめます。
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カーニス(1960-):
カラー・ホイール
交響曲 第4番「クロメロデオン」 [ジャンカルロ・ゲレーロ(指揮)/ナッシュヴィル交響楽団]KERNIS, A.J.: Color Wheel / Symphony No. 4, "Chromelodeon" (Nashville Symphony, Guerrero)
発売日:2020年06月19日 NMLアルバム番号:8.559838
CD価格:1,600円(税込)
ピューリッツァー賞とGRAMMY賞を受賞した作曲家カーニス(1960-)は、現代アメリカで最も作品の演奏回数の多い作曲家の一人です。このアルバムに収録されている2作品は、洗練されたオーケストレーションが際立ち、作曲年代の15年ほどの開きが全く感じられないほど、よく似た雰囲気を有しています。 フィラディルフィア管弦楽団の創立100周年を記念して書かれた「カラーホイール」はオーケストラの各セクションの妙技を際立たせるための工夫が凝らされており、ソリストではなく、楽器のグループ毎の掛け合いが楽しめる作品に仕上がっています。 2018年作曲の「交響曲第4番」は、21世紀になって“時代遅れ”とも言える交響曲というものに、全世界を含めるという試みのもと書かれた作品。タイトルの「クロメロデオン」は、1960年代後半に活躍したカルト・ロック・バンドの名前と、ハリー・パーチが発明した楽器の名前に由来していますが、カーニスはこのタイトルに「オーケストラが演奏する色彩豊かでメロディアスな音楽」という意味を込め、全く新しい音楽として創り上げています。また第3楽章にはヘンデルの引用が用いられるなど、大胆なアプローチがなされています。
収録作曲家:
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3つのアメリカのヴァイオリン・ソナタ
シェーンフィールド/スタッキー/ハービソン/バーンスタイン [チョーリャン・リン (ヴァイオリン)/ジョン・キムラ・パーカー (ピアノ)]Violin Sonatas (American) - SCHOENFELD, P. / STUCKY, S. / HARBISON, J. (Three American Sonatas) (Cho-Liang Lin, J.K. Parker)
発売日:2020年05月29日 NMLアルバム番号:8.559888
CD価格:1,600円(税込)
このアルバムに収録された3つのヴァイオリン・ソナタは、全てヴァイオリニスト、チョーリャン・リンがそれぞれの作曲家に作曲を依頼し、彼自身と、今回伴奏を務めるジョン・キムラ・パーカーが初演を行いました。 2008年に書かれたシェーンフィールドのソナタは、特徴的なタイトルを持つ4つの楽章で構成された作品。デヴィッド・マークソンの小説「Vanishing Point=消失点」からインスパイアされたという、どこかで聴いたことがあるような旋律がコラージュされた第1楽章から、ヘブライ語の研究者でもある作曲家の特質が表れた、ユダヤの踊りの音楽「Freilach」と題された終楽章まで変幻自在な曲想に彩られています。 スタッキーのソナタは、ドビュッシーのソナタから影響を受けたといい、即興的かつ幻想的な雰囲気を湛えた作品。ソナタの形式を気に入っているというハービソンの作品は、各楽章とも明確なタイトルを持つものの、内容は象徴的で、聴き手の想像を刺激します。 最後に置かれたバーンスタインの「アーロンのためのカノン」はコープランドの70歳の誕生日を祝した作品。“クレージー・モダン・ミュージック=正気ではない現代音楽”とバーンスタインが称したという短い曲です。
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ドアティ(1954-):
ディス・ランド・シングズ - この地は歌っている
ウディ・ガスリーの人生と時代によるインスピレーション [アニカ・ソコロフスキー (ソプラノ)/ジョン・ドアティ (バリトン)/ドッグス・オブ・デザイア(アンサンブル)/デイヴィッド・アラン・ミラー (指揮)]DAUGHERTY, M.: This Land Sings: Inspired by the Life and Times of Woody Guthrie (Socolofsky, J. Daugherty, Dogs of Desire, D.A. Miller)
発売日:2020年05月22日 NMLアルバム番号:8.559889
CD価格:1,600円(税込)
ボブ・ディランに大きな影響を与えた“ウディ・ガスリー”。ギターとハーモニカを携え、大恐慌時代のアメリカを放浪し、この経験を元に「This land is your land=我が祖国」などの、貧困にあえぐ労働者たちの感情を歌にすることで多くの人々の共感を得たアメリカのフォーク歌手です。 グラミー賞受賞作曲家、マイケル・ドアティは、かつてガスリーが放浪したというオクラホマ州とテキサス州の埃っぽい道を、彼のほぼ全ての歌を聴きながらドライブし、独自のトリビュート作品「This Land Sings この地は歌っている」を創り上げました。 17曲からなるこの作品は、2人の歌手、アンサンブルとアナウンサーの朗読で構成されており、ガスリーが活躍した時代のラジオ番組を模して書かれています(このアルバムでは朗読部分は省略)。ドアティは、ガスリーの生きた時代の政治的、社会的環境などをテーマに取り上げ、オリジナル・ソングと幕間には器楽を用いた曲を書きました。それらは皮肉っぽく、同時にウィットに富んでいます。
収録作曲家:
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シエッラ(1959-):
カンタレス
ロイサ/チェロとピアノのための三重協奏曲 [トリオ・アルボス/コーネル大学合唱団&グリークラブ/ランフランコ・マルセレッティ(指揮)/ハラパ交響楽団]SIERRA, R.: Cantares / Loíza / Triple Concierto (Trío Arbós, Cornell University Chorus and Glee Club, Xalapa Symphony, Marcelletti)
発売日:2020年05月22日 NMLアルバム番号:8.559876
CD価格:1,600円(税込)
コーネル大学グリークラブとコーネル大学合唱団の創立100年記念曲「カンタレス」の作曲を依頼されたプエルトリコ出身の作曲家、ロベルト・シエッラ(1959-)は“失われた声”を呼び起こす音楽を書こうと決意したといいます。 まず彼は、17世紀の祈りの本からケチュア語(インカ帝国の祖となった民族の言葉)のテキスト「Hanacpachap cussicuinin」を探し出し、4声のポリフォニーによるモダンな音楽を付けました。第2曲はアフロキューバンの儀式音楽とスペイン語の呪文の融合。独特なリズムと浮遊感は謎めいた雰囲気を盛り上げます。オーケストラによる第3曲「Interludio 間奏曲」は瞑想的でありながら、やはりユニークなリズムで彩られています。最後の曲は16世紀のスペインの作家ベルナル・ディアス・デル・カスティリョが書いたアステカ帝国征服の悲劇的な物語。侵略するもの、されるもの、双方の視点が錯綜する激しい戦いの音楽です。 カリブ海の雰囲気を映し出した「三重協奏曲」と「ロイサ」も民族色豊かな楽しい作品です。
収録作曲家:
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チプロ(1956-):
歌劇《告別》 [アラステア・ウィリス (指揮)/ミュージック・オブ・リメンブランス(ミナ・ミラー芸術監督)]CIPULLO, T.: Parting (The) [Opera] (Strickling, C. Cook, Mayes, Music of Remembrance, Willis)
発売日:2020年04月24日 NMLアルバム番号:8.669044
CD価格:1,600円(税込)
1998年に設立され、「退廃音楽」と呼ばれる一連の作品を積極的に演奏し、ホロコーストの犠牲となった存在を広めることを目的に活動しているアンサンブル“ミュージック・オブ・リメンブランス”による新作オペラ。このチプロの歌劇《告別》は2019年5月19日、シアトルのベナロヤホールで初演された作品です。 チプロは前作《アフター・ライフ》で現代におけるパブロ・ピカソとガートルード・スタインの魂の邂逅を描き、全米オペラ協会から賞を授与されています。この《告別》の物語はやはりホロコーストで命を落としたハンガリーの詩人ラドノーティの詩に基づくもの。死後、彼が経験した悲惨な体験を記したノートが発見され、人々に戦争の恐ろしさを伝えています。 この物語は死を覚悟したラドノーティ(ミクローシュ)が最後の夜を妻と分かち合う姿を描いたもの。愛するものや美しいものを作るために命が与えられると理解する2人の姿は、刻々と変化する音楽で描かれていきます。希望も絶望もなく、夫妻と「死の天使」が紡ぎだす神秘的な音楽は、聴き手に静かな感動をもたらします。
収録作曲家:
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バーンスタイン(1918-1990):
ソングフェスト
ガーシュウィン(1898-1937):
パリのアメリカ人
コープランド(1900-1990):
戸外のための序曲 [ジェイムス・ジャッド (指揮)/ナショナル・オーケストラ・インスティトゥート・フィルハーモニック]BERNSTEIN, L.: Songfest / GERSHWIN, G.: An American in Paris (Wolf Trap Opera, National Orchestral Institute Philharmonic, Judd)
発売日:2020年04月10日 NMLアルバム番号:8.559859
CD価格:1,600円(税込)
近現代アメリカを代表する3人の作曲家の作品を収録した1枚。冒頭は1920年代のパリの雑多な風景をガーシュウィンが音楽で描いた名作「パリのアメリカ人」。この録音では通常演奏されるF.C=ワトソン改訂版ではなく、2019年にM.クレーグによって新たに発表された比較校訂版が用いられており、ガーシュウィンの最初の構想に近い音を聴くことができます。 バーンスタインの「ソングフェスト」はアメリカ建国200年を記念して作曲された歌曲集。ここで使われた13人の詩人の詩にはそれぞれ「創造性、愛、結婚、マイノリティたちが抱える問題」など、多岐に渡るテーマが掲げられており、これらは、バーンスタインの音楽で見事に具現化されました。 華やかなトランペットのソロで知られるコープランドの「戸外のための序曲(野外序曲)」は1938年のオーケストラ版が演奏されています。
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モートン・グールド(1913-1996):
シンフォネット 第2番-第4番
オーケストラのためのスピリチュアル [アーサー・フェイゲン(指揮)/ウィーン放送交響楽団]GOULD, M.: Symphonettes Nos. 2-4 / Spirituals for Orchestra (Vienna Radio Symphony, Fagen)
発売日:2020年03月20日 NMLアルバム番号:8.559869
CD価格:1,600円(税込)
20世紀アメリカを代表する作曲家モートン・グールド。彼はクラシック、クロスオーヴァー、映画音楽などあらゆるジャンルの作品を手掛け、グラミー賞とピューリッツァー賞を受賞するなど、高い評価を受けました。このアルバムには1930年代後半から1940年にかけて作曲された3つのシンフォネットを収録。ジャズやラテンアメリカ伝統のイディオムを駆使したユニークな作品をお楽しみいただけます。 「シンフォネット」とはグールド自身の造語であり、彼としては、当時のアメリカで開発された最新家電のような言葉のつもりでしたが、すぐに時代遅れになってしまい大変後悔したと、彼の伝記作家グッドマンが語っています。しかし作品自体はとても楽しいものであり、とりわけ第2番の第2楽章「パヴァーヌ」のブルージー(憂いを帯びたの意)なトランペットの旋律は、現在でも人気を誇っています。また、初演が大失敗したという「オーケストラのためのスピリチュアル」は、ストコフスキーが再演したことで人気を博した作品です。
収録作曲家:
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ダニエルプール(1956-):
イェシュアの受難曲
(14の情景からなる劇的オラトリオ) [ヒラ・プリットマン(ソプラノ)/ケネス・オヴァートン(バリトン)/ジャネイ・ブリッジス(メゾ・ソプラノ)/ティモシー・ファロン(テノール)/UCLA・チェンバー・シンガーズ/バッファロー・フィルハーモニー管弦楽団&合唱団/ジョアン・ファレッタ(指揮)]DANIELPOUR, R.: Passion of Yeshua (The) [Oratorio] (UCLA Chamber Singers, Buffalo Philharmonic Chorus and Orchestra, Falletta)
発売日:2020年03月20日 NMLアルバム番号:8.559885-86
CD-R価格:2,500円(税込)
最初の構想から25年間の長い年月をかけて、ようやく完成を見たというダニエルプールの「イェシュアの受難曲」。物語の題材は聖書の「イエス・キリストの生涯における最後の日のエピソード」であり、歴史の事実を踏まえながら、自身もユダヤの血をひくダニエルプール自身の想像を加え、壮大な作品に作り上げたものです。全体は7つの楽章からなる2つの部分に分かれ、それぞれ4つの福音書(マタイ・ルカ・ヨハネ・マルコ)からテキストが採られ、7人の独唱者、7つの合唱団など、常に「7」に関連付けられています。 ジョアン・ファレッタが指揮する美しい音楽は、ダニエルプールが描く苦悩するイエスの姿を通じて、聴き手にさまざまな思いと強いメッセージを届けています。
収録作曲家:
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グラス(1937-):
ヴァイオリン協奏曲 第2番「アメリカの四季」
ヴァイオリンとピアノのためのソナタ [ピョトル・プラヴネル(ヴァイオリン)/ヘラルド・ヴィラ(ピアノ)/フィリップ・バッハ(指揮)/ベルン室内管弦楽団-8]GLASS, P.: Violin Concerto No. 2, "American Four Seasons" / Violin Sonata (Plawner, Vila, Bern Chamber Orchestra, P. Bach)
発売日:2020年01月31日 NMLアルバム番号:8.559865
CD価格:1,600円(税込)
フィリップ・グラスは、ミニマリズムを取り入れた初期の時代から少しずつ作風を変化させ、多くの音楽家たちとコラボレーションを重ねながら、独自のスタイルを確立させ、80歳を超えた今、『現代アメリカ音楽の象徴的存在』になっています。 このアルバムに収録されている「アメリカの四季」はヴァイオリニスト、ロバート・マクダフィーの提案によって作曲された作品で、ヴィヴァルディの「四季」を下敷きにし、チェンバロの音を模したシンセサイザーが良いアクセントとなる18世紀初頭のバロックの精神を取り入れたユニークな出来映えになっています。とはいえ、各楽章に明確な季節が与えられているわけではなく、聴き手は穏やかな海、激しい嵐など様々な風景が喚起される音楽から自由に季節を感じ取ることができます。 ヴァイオリン・ソナタは建築家マーティン・マレーの委嘱で書かれた曲。ブラームス、フォーレ、フランクのソナタを意識した回顧的な作風が採用されており、「敢えて不協和音を用いないこと」への挑戦ともいえる作品になっています。
収録作曲家:
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リール(1943-):
Stroke of Midnight - 真夜中の一撃
〈ピアノ作品集〉
「ソナタ・ピアソラーナ」
チョコレート・サッカー・ボール
脳死のためのベートーヴェン他 [ジョン・イェンセン(ピアノ)]REALE, P.: Piano Music - Piano Sonatas Nos. 5, 10, 12 / Concert Étude No. 2 / Beethoven for the Brain Dead (Stroke of Midnight) (John Jensen)
発売日:2020年01月31日 NMLアルバム番号:8.559879
CD価格:1,600円(税込)
ニュージャージー生まれのポール・リール。もともとは英文学と自然科学の研究者ですが、ロックバーグとクラムの作品に触れて作曲に個人的な興味を持ち、2年間ほど作曲法を学んだ後、12曲のピアノ・ソナタやチェロ・ソナタなど数多くの独創的な作品を発表。作曲家としても高い人気を誇っています。 演奏しているジョン・イェンセンは1986年にリールのピアノ協奏曲第1番を初演してから「私の作品の理想的な演奏者である」とリールに言わしめるほどの良き理解者となっています。 このアルバムには、3曲のソナタと3曲の小品が収録されており様々な性格の曲を楽しめますが、中でもユニークなのが「脳死のためのベートーヴェン」と題された小品。ベートーヴェンのおなじみの旋律が20曲分、コラージュされたクイズのような作品です。
収録作曲家:
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モラヴェック(1957-):
Sanctuary Road - 聖域の道
(マーク・キャンベル : 台本) [ケント・トライトル(指揮)/オラトリオ・ソサエティ・オブ・ニューヨーク 他]MORAVEC, P.: Sanctuary Road (L. Mitchell, Bryce-Davis, Blue, Merriweather, Burton, Oratorio Society of New York, Tritle)
発売日:2020年01月31日 NMLアルバム番号:8.559884
CD価格:1,600円(税込)
2016年、ミネソタ・オペラのために書いた歌劇《シャイニング》(スティーヴン・キング原作)が大成功を収めたのち、モラヴェックは再び大規模な声楽曲の作曲に取り掛かりました。 台本は同じくマーク・キャンベルが担当。作品のテーマである「アメリカの歴史的なオラトリオ」の題材には「地下鉄道(19世紀アメリカの黒人奴隷たちが、制度から逃げ出す手助けをした組織、逃亡路)の父」と呼ばれたウィリアム・スティルが長年に渡って残した記録から採られており、一時は月に60人もの奴隷たちの逃亡を助けたというスリリングな物語に音楽を載せることで、更に壮大なストーリーとなり聴き手に迫ります。 アルバムの最後には、作品についての考察(ナレーション)が添えられており、内容の理解を深める手助けをしています。
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レイトマン(1955-):歌曲集
Living in the Body - 肉体の中の生命 [ジェニファー・チェック(ソプラノ):6-10,14-19 アシュリー・エマーソン(ソプラノ)/サリ・グルーバー(ソプラノ)/アリサ・ヨルドハイム(ソプラノ)/モーリーン・マッケイ(ソプラノ)/マーガレット・ゴーリシアック(メゾ・ソプラノ)/ロリ・ライトマン(ピアノ) 他]LAITMAN, L.: Songs (Living in the Body) (Check, A. Emerson, S. Gruber, Gawrysiak, D. Taylor, D. Armstrong, Scarlata, L. Laitman)
発売日:2019年12月27日 NMLアルバム番号:8.559872-73
CD 2枚組価格:2,500円(税込)
ロリ・レイトマンは現代アメリカを代表する声楽曲作曲家の一人。複数の歌劇を始め、合唱曲、250曲以上の歌曲を含む多数の声楽作品を発表しています。様々な詩人や作家の詩を用い、時にはホロコーストの犠牲者の詩を用いて問題提起を行うなど、多彩な作品を発表する彼女、このアルバムでもエリザベス・ビショップ、ポール・セランなどの高名な詩人のテキストを用いた深遠な曲から、彼女の自作の詩を用いた「最初の孫エドワードの2歳の誕生日」のために書いたという「エドワードのための短い歌」などのユニークで個人的な曲まで、ヴァラエティ豊かな作品を披露しています。 また、世界初録音の歌曲を多数含むだけではなく、曲想に合わせて最もふさわしい歌手を起用、レイトマン自身もピアノを演奏するなど、現在の彼女の姿をあますことなく伝える2枚組です。
収録作曲家:
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Boston Symphony Commissions
ボストン交響楽団の委嘱作品集 [アンドリス・ネルソンス(指揮)/ボストン交響楽団/ロバート・シーナ(イングリッシュ・ホルン) 他]Orchestral Music - ANDRES, T. / NATHAN, E. / SHEPHERD, S. / TSONTAKIS, G. (Boston Symphony Commissions) (A. Nelsons)
発売日:2019年11月29日 NMLアルバム番号:8.559874
CD価格:1,600円(税込)
2011年、名指揮者ジェームズ・レヴァインの代役としてボストン交響楽団を指揮、その後客演を重ねて2014年に楽団の音楽監督に就任したアンドリス・ネルソンス。このアルバムには、彼が就任してから1年以内に様々な作曲家に委嘱したという4つの作品が収録されています。 ソンタキスを除く3人の作曲家はボストン交響楽団が主宰する「Tanglewood Music Center(TMC)」の出身者であり、楽団との所縁も深い人たちです。バルトークの《青ひげ公の城》とブラームスの交響曲からインスパイアされたネイサンの作品、ギリシャ出身のソンタキスによるドラマティックな「ソネット」、過去作品との対話から生まれたというアンドレスの「Everything Happens So Much」、カンディンスキーやモンドリアンなど5人の芸術家の作品からインスピレーションを受けたというシェパードの「Express Abstractionism」は様々な楽器の組み合わせから生まれる音のブロックを並べて作り上げたもの。どの曲も個性的で、未来へ連なる先進性を持っています。
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カーニス(1960-):
フルート協奏曲
エア/第2交響曲 [マリーナ・ピッチニーニ(フルート)/ピーボディ交響楽団/レナード・スラットキン(指揮)/マリン・オールソップ(指揮)]KERNIS, A.J.: Flute Concerto / Air / Symphony No. 2 (Piccinini, Peabody Symphony, Alsop, Slatkin)
発売日:2019年09月27日 NMLアルバム番号:8.559830
CD価格:1,600円(税込)
ピューリッツァー賞とグラミー賞を受賞した作曲家アーロン・ジェイ・カーニス。彼のフルート協奏曲は名手マリーナ・ピッチニーニの演奏からインスピレーションを受けて作曲されました。ピッチニーニはカナダ出身のフルート奏者で、ボストン交響楽団からの入団要請を断りソリストの道を選択したという逸話を持つ人。その音色は「まるで歌手のように歌う」と賞賛されています。 この曲は、様々な舞曲の様式を持つ楽章で構成されており、どの楽章も、穏やかに始まり最後は劇的に終わるというパターンで書かれています。とりわけ最終楽章の「タラン=トゥラ」の狂騒的な雰囲気が印象に残ります。他にはカーティス自身が“フルートへのラヴレター”と称する「エア」、湾岸戦争の時に書かれた「交響曲第2番」を収録。カーティスの作風の多様性が感じられる1枚です。
収録作曲家:
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ロックレア(1949-):
交響曲 第2番「アメリカ」
オーケストラのための祝祭小品
オルガンとオーケストラのための協奏曲
フェニックス [ピーター・ミクラ(オルガン)/カーク・トレヴァー(指揮)/ミヒャエル・ロハーチ(指揮)/スロヴァキア・ナショナル交響楽団]LOCKLAIR, D.: Symphony No. 2, "America" / Hail the Coming Day / Organ Concerto / PHOENIX (Mikula, Slovak National Symphony, K. Trevor, Roháč)
発売日:2019年08月30日 NMLアルバム番号:8.559860
CD価格:1,600円(税込)
アメリカの現代作曲家ロックレア。このアルバムでは、精力的に新作を発表する彼の最近の作品を4作紹介しています。全ての作品は、彼と関わりの深いノースカロライナ州で世界初演がなされています。 3組のウィンド交響楽団のために書かれた「アメリカ」は3楽章それぞれが、アメリカの祝日をテーマとし、各々に関係あるメロディが高らかに、かつ誇らしげに奏されます。1860年代にウィンストン・セーラムの市長を務めたロバート・グレイの演説から採られた「Hail the Coming Day 来たる日を讃えて」、神(GOD)と犬(DOG)の単語から生まれた「協奏曲」、3分ほどのファンファーレを拡大した「フェニックス」。どれも親しみやすく、モダンな作風による音楽です。
収録作曲家:
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バーメル(1967-):
Migrations
ミグレーション・シリーズ
歌曲集「9月の海」/叫び、ささやき、痕跡 [ルシアナ・ソウサ(ヴォーカル)/テッド・ナッシュ(ソプラノ/アルト・サクソフォン)/デレク・バーメル(クラリネット)/ジュリアード・ジャズ・オーケストラ/デヴィッド・アラン・ミラー(指揮)/オールバニ交響楽団]BERMEL, D.: Migration Series / Mar de Setembro / A Shout, A Whisper, and A Trace (Souza, Nash, Julliard Jazz Orchestra, Albany Symphony, D.A.Miller)
発売日:2019年08月30日 NMLアルバム番号:8.559871
CD価格:1,600円(税込)
エール大学でボルコムとオルブライトに音楽を師事したのち、デュティユーやアンドリーセンの音楽から刺激を受け、北米やガーナ、トラキアの民族音楽を研究するなど、幅広いジャンルから影響を受けたというバーメル。折衷的なスタイルによる多彩な作品を生み出しています。 彼が取り組む「ミグレーション」はウィントン・マルサリスの委託によるシリーズで、アメリカの現代画家ジェイコブ・ローレンスの絵画からインスパイアされたもの。ジャズをベースに、バーメルの音楽的思考がモザイクのように組み合わされた楽しい作品です。自身が優れたクラリネット奏者であるバーメルは見事なパフォーマンスも聴かせます。 他にはボサノヴァ風の「9月の海」、バーメルが尊敬するバルトークの影響を受けたリズミカルな「叫び、ささやき、痕跡」の2作品が収録されています。
収録作曲家:
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カーチン(1951-):
歌劇《ジェーン・エア》 [ジェニファー・ゼトラン(ソプラノ)/ライアン・マクファーソン(テノール)/トーマス・メリオランツァ(バリトン) 他/ルイス・カーチン(指揮)/オーケストラ・オブ・ザ・リーグ・オブ・コンポーザーズ]KARCHIN, L.: Jane Eyre [Opera] (Zetlan, MacPherson, Meglioranza, J. Thompson, Orchestra of the League of Composers, Karchin)
発売日:2019年08月30日 NMLアルバム番号:8.669042-43
CD 2枚組価格:2,500円(税込)
1951年フィラデルフィア生まれのアメリカの作曲家、ルイス・カーチン。レオン・キルヒナー、サミュエル・アドラーらに師事し、数多くの声楽作品で知られています。 彼の作品の多くは合唱曲ですが、2010年から2014年にかけて作曲された歌劇《ジェーン・エア》は、彼の作曲活動の中でも最大のプロジェクトであり、渾身の作品の一つになっています。カーチンはシャーロット・ブロンテが書いた原作の持ち味を崩すことなく、ジェーンの意志の強さを鮮やかに描き出し、彼女に表情豊かなアリアを与え、物語を大胆に進めていきます。 オーセンによる台本は、彼女を取り巻く登場人物たちも細部にわたって性格付けがなされており、各々の歌手たちによる歌は感動的な結末へと聴き手を誘います。
収録作曲家:
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スーザ(1854-1932):
〈吹奏楽のための作品集 第19集〉 [キース・ブライオン(指揮)/ロイヤル・カレッジ・オブ・ミュージック・ウィンド・オーケストラ 他]SOUSA, J.P.: Music for Wind Band, Vol. 19 (Royal College of Music Wind Orchestra, Brion)
発売日:2019年07月26日 NMLアルバム番号:8.559839
CD価格:1,600円(税込)
「マーチ王」として知られるスーザですが、彼はワルツやオペレッタなど多くのジャンルに渡って作品を書きました。このアルバムに収録された2曲のユモレスクも珍しい作品。「On the 5.15」は1915年に流行したポピュラー・ソングを元にしており、今回の録音にあたってはD.スターン版を収録、曲の途中でブライオンの声が聞こえる楽しい作品に仕上がっています。 もう1曲のユモレスク「バンド・ケイム・バック」はロータリー・クラブでの昼食会でのバンドのメンバーたちの処遇を描いた作品。他にはトロンボーンが活躍する「ファイティング・レース」、3人の女声が声を競う「未確定の宣言」などユニークな曲を収録。よく知られる民謡「わらの中の七面鳥」で全編が締めくくられます。
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ダニエルプール(1956-):作品集
アフロディーテに語りかける
弦楽のための交響曲「愛も死も強い」
カディッシュ [サラ・シェーファー(ソプラノ)/マキシム・セミョノフ(ホルン)/エフゲニー・プラヴィロフ(ヴァイオリン)/ミッシャ・ラフレフスキー(指揮)/ロシア弦楽オーケストラ]DANIELPOUR, R.: Talking to Aphrodite / Symphony for Strings / Kaddish (S. Shafer, M. Semyonov, Pravilov, Russian String Orchestra, Rachlevsky)
発売日:2019年07月26日 NMLアルバム番号:8.559857
CD価格:1,600円(税込)
作曲家ダニエルプールと指揮者ラフレフスキーは2000年に初めて出会ってから、ずっと信頼関係で結ばれています。ラフレフスキーは2016年に「弦楽のための交響曲」のアメリカ初演を行った後、「アフロディーテに語りかける」の初演に立ち会い、ソプラノ歌手のシェーファーの歌に接したといいます。そしてヴァイオリンとオーケストラのための「カディッシュ」も含めた3作品の録音をダニエルプールに提案、すぐに行動を起こし2017年4月には実際に録音が完成したという早業でした。 「アフロディーテに語りかける」は自らの死を考えた女性が、夢の中で美と愛の女神に出会い、生きる喜びを取り戻すまでを描いた作品。初演でもソロを担当したサラ・シェーファーの瑞々しいソロが聴きどころです。“ソロモンの雅歌”の一節から採られた「愛も死も強い」はもともと弦楽四重奏第6番として作曲され、編曲版は2014年にゲルギエフの指揮で初演されています。「カディッシュ」は1977年に亡くなったダニエルプールの父への追悼曲。生、死、平和についての考察です。
収録作曲家:
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ハッター(1971-):世俗合唱曲集
子守歌
3つのアメリカ風マドリガル
涙他 [シャノン・セイ(ソプラノ)/フィロヴォクス・アンサンブル/スコット・ニコラス(ピアノ)/ロバート・シューネマン(指揮)/コンポーザーズ合唱団/ダニエル・ショウ(指揮)/ミネソタ・コラール・アーティストの歌手たち/マシュー・クロトン(指揮)]HUTTER, G.: Secular Choral Music (Philovox Ensemble, Composers' Choir, The Singers - Minnesota Choral Artists, Schuneman, D. Shaw, )
発売日:2019年07月26日 NMLアルバム番号:8.559868
CD価格:1,600円(税込)
アメリカを拠点に活躍する作曲家グレゴリー・ハッター。多彩な作風を特徴とする彼の作品は、これまでに新古典派主義風、後期ロマン派風、無調、十二音を用いた前衛、ジャズなどあらゆる様式に渡り、その色彩豊かな音楽で聴き手を魅了しています。 そんなハッター、今回の合唱曲集には、保守的ともいえる穏やかな響きを持つ作品が多く、中でもハンドベルの響きが曲を彩る「冬の歌」の素朴な美しさが耳に残ります。最後に置かれた女声アンサンブルのよる「涙」は、現代的なハーモニーと透明感溢れる音色がとりわけ印象的です。
収録作曲家:
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ディーク(1943-):交響的物語
B.B.ウルフ(釈明)/バイバイ!
「雪の女王」フィナーレ : 氷の宮殿
スピュトン・ダイビルの伝説 [ジョン・ディーク(コントラバス/ナレーター)/ジュリア・ボゴラード=コーガン(フルート/ナレーター)/ジュディス・リン・スティルマン(ピアノ/ナレーター)/パメラ・ゴールドスミス(ヴィオラ)/クリス・ゲッカー(トランペット)/カブリロ祝祭管弦楽団/マリン・オールソップ(指揮/ナレーター)]DEAK, J.: Symphonic Tales (J. Deak, Cabrillo Festival Orchestra, Alsop)
発売日:2019年06月28日 NMLアルバム番号:8.559785
CD価格:1,600円(税込)
「誰よりも音楽を楽しむ」作曲家として知られるジョン・ディーク。この「交響的物語」では、全ての作品でディーク自身が語り手となり、物語の魅力を伝えています。登山を愛するディークがカナダとアラスカで出会ったオオカミについての「B.B.ウルフ」、アメリカ移民の心を描いた「バイバイ!」、アンデルセンの有名な童話をもとにした「雪の女王」、一種のトランペット協奏曲「スピュトン・ダイビルの伝説」。これらは全て自然な英語の話し言葉が用いられた大人も子供も楽しめる作品です。
収録作曲家:
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ボンド(1945-):
Instruments of Revelation - 啓示の道具
室内楽作品集 [シカゴ・プロ・ムジカ]BOND, V.: Instruments of Revelation / Frescoes and Ash / Leopold Bloom's Homecoming / Binary (R. Müller, Jenny Lin, Vinokur, Chicago Pro Musica)
発売日:2019年04月26日 NMLアルバム番号:8.559864
CD価格:1,600円(税込)
ヴィクトリア・ボンドはアメリカを拠点とする女性現代作曲家。これまでに「クララ・シューマン」を主人公にしたオペラやオラトリオなどの大規模な作品から歌曲、ピアノ曲まで幅広いジャンルの作品を書き、広く絶賛されています。このアルバムには21世紀になって作曲された4曲の室内楽曲を収録。魅惑的な作品を楽しむことができます。 「啓示の道具」は3枚のタロットカードからインスパイアされた楽章で構成された曲。第1曲目は“魔術師”、第2曲目には“大巫女”、第3曲目は“愚か者”とそれぞれ特徴豊かなキャラクターが描かれています。2008年のロサンゼルス美術館の委嘱作「フレスコ画と灰」では、様々な暗喩を音で表現、《ユリシーズ》にインスパイアされた「レオポルド・ブルームの帰郷」、コンピューターの進歩を描いた「二進法」と、どれも時代に即したユニークな音楽です。
収録作曲家:
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スーザ(1854-1932):
〈吹奏楽のための作品集 第18集〉
スタッグ・パーティ
「山師」組曲
パン・アメリカン諸国のマーチ他 [キース・ブライオン(指揮)/トリニティ・ラバン音楽大学ウィンド・オーケストラ/]SOUSA, J.P.: Music for Wind Band, Vol. 18 (Trinity Laban Wind Band, Brion)
発売日:2019年03月29日 NMLアルバム番号:8.559812
CD価格:1,600円(税込)
スーザにおける40年の作曲生活の中で、行進曲と同じくらいに大切な位置にあったのが「オペレッタ」でした。彼自身も何曲かのオペレッタを書いただけでなく、当時流行していたオペラやオペレッタの旋律を用いて洒落た行進曲を書き上げています。冒頭の「メリー・メリー・コーラス」がその代表作品で、グノーの《ファウスト》から、ウェーバーの《魔弾の射手》など有名曲を経て、最後はヴェルディの「アンヴィル・コーラス」で幕を閉じるという楽しい曲です。 「私の思い出の中に」は一人の男の思い出話。他、世界初録音曲が多数収録されています。「パン・アメリカン諸国のマーチ」は第16集(8.559811)に収録された第1番から第13番までの続きが収録されています。
収録作曲家:
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クルーズ(1956-):
アルメニア・レクイエム Op.66 [ショウシック・バルソウミアン(ソプラノ)/ガリネー・アヴァキアン(メゾ・ソプラノ)/イェギシェ・マヌチャリアンテノール)/ウラディーミル・チェルノフ(バリトン)/UCLAフィルハーモニア/ニール・スタルバーグ(指揮)/]KROUSE, I.: Armenian Requiem (Lark Master Singers, Tziatzan Children's Choir, UCLA Philharmonia, Stulberg)
発売日:2019年03月29日 NMLアルバム番号:8.559846-47
CD 2枚組価格:2,500円(税込)
1915年から1922年にかけて、トルコ政府による「アルメニア人の大量虐殺」の行為は現在でもアルメニア国民にとって傷が癒えることのない出来事です。アメリカ人作曲家イアン・クルーズはこの事件から100年後の2015年に、追悼のためのレクイエムを書き上げました。 アルメニアの教会では死者を追悼する際にレクイエムを演奏するということはなく、一部の教区のみが、式典の最後に死者への短い祈りを捧げるという方式をとることが普通であったため、クルーズはこの作品を書き上げる際、典礼用の聖歌のテキストを中心に用いながら、様々な詩をはさみこみ(ブリテンの戦争レクイエムのように、悲しみと哀悼、そして和解への希望を歌い上げるように作品を構成、前半の苦悩の世界は全て終曲で浄化され、アルメニアの人々と多くの聴き手の心に温かい火を灯します。
収録作曲家:
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ハリス(1945-):
冬の暖かい日
ローズムーア組曲/アウロス三部作/フラワーズ [アリス・コーガン・ウェインレプ(フルート)/アーロン・ゴールドマン(フルート)/キャロル・ビーン(フルート)/リィーア・アルスノー・バリック(フルート)/ニコラス・ストヴァル(オーボエ)/ポール・キーガン(クラリネット)/トゥルーマン・ハリス(ファゴット) 他]HARRIS, T.: Concertinos / Chamber Music (A Warm Day in Winter) (Weinreb, Ohlson, Eclipse Chamber Orchestra, Alimena)
発売日:2019年03月29日 NMLアルバム番号:8.559858
CD価格:1,600円(税込)
現代アメリカの作曲家トルーマン・ハリスの室内楽作品集。ノーステキサス大学で文学学士号、アメリカ・カトリック大学で音楽修士号を取得し、このアルバムで演奏しているエクリプス室内オーケストラなどのいくつかの楽団や、キャピトル木管五重奏団ではファゴット奏者として活躍、最近退団するまで、幅広い音楽を演奏していたことで知られています。 彼の作品は、オーケストラ・ミュージシャンとしての経験をあまねく生かしたもので、ジャズやロマンス、ワルツなど様々な形式が用いられた興味深いものばかり。彼の楽器であるファゴットが縦横無尽に活躍する場面も多く、もちろんこのアルバムでも自身がソロ・パートを受け持ち、見事な演奏を披露しています。鮮やかな色彩と煌めく幻想性が感じられる美しい作品をお楽しみください。
収録作曲家:
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コープランド(1900-1990):
バレエ音楽「グローグ」
「ビリー・ザ・キッド」 [レナード・スラットキン(指揮)デトロイト交響楽団]COPLAND, A.: Billy the Kid / Grohg [Ballets] (Detroit Symphony, Slatkin)
発売日:2019年03月29日 NMLアルバム番号:8.559862
CD価格:1,600円(税込)
1922年秋、コープランドは友人とともに映画を見に行きました。上演されたのはドイツで人気のあったホラー作品「吸血鬼ノスフェラトゥ」。この魔力を持った吸血鬼を主人公にした映画に魅了されたコープランドは、バレエ音楽「グローグ」を作曲。50曲ほどの中から最終的に6曲が選ばれ、この組曲となりました。幻想的な雰囲気を持ったこの作品を気に入ったのは作曲家のオリヴァー・ナッセンで、彼はこの曲を1992年と翌93年に演奏、作品の真価を広く知らしめることになりました。 もう1曲の「ビリー・ザ・キッド」は1930年代のコープランドにおける代表的作品。19世紀に存在した無法者の生涯が描かれたアメリカ初の本格的なバレエです。通常は組曲版として演奏されますが、このアルバムでは完全版を収録。スラットキン率いるデトロイト交響楽団が華麗なサウンドを高らかに歌い上げます。
収録作曲家:
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プライス(1887-1953):
交響曲 第1番・第4番 [ジョン・ジーター(指揮) フォート・スミス交響楽団]PRICE, F.B.: Symphonies Nos. 1 and 4 (Fort Smith Symphony, Jeter)
発売日:2019年01月25日 NMLアルバム番号:8.559827
CD価格:1,600円(税込)
アメリカ初の「黒人女性の交響曲作曲家」として歴史に名を残すフローレンス・プライスの2曲の交響曲。歌手、ピアニストの母親から音楽の手ほどきを受け、14歳でニューイングランド音楽院に入学。チャドウィックとコンヴァースに師事、1907年に卒業するまでにいくつかの作品を完成させています。 1932年に“ワナメイカー財団賞”に応募した「交響曲第1番」は見事に一等賞を獲得、その翌年にシカゴ交響楽団が初演し好評を博しました。全体に漂う哀愁たっぷりの曲調からは(調性も含め)明らかにドヴォルザークの「新世界より」の影響も感じられますが、至るところに黒人音楽の伝統メロディも聴きとることができます。 1945年に作曲された交響曲第4番は全体的に快活な音楽であり、第1番よりも更に民族的要素が濃くなっています。抒情的な第2楽章の旋律や、第3楽章に使われている南スーダンの伝統的な舞曲「ジュバ・ダンス」のジャズ風の雰囲気などに彼女が探求していた音楽の傾向が示されています。
収録作曲家:
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ゴンパー(1954-):
二重協奏曲「Dialogue 対話」
クラリネット協奏曲/Sunburst [ウォルフガンク・デヴィッド(ヴァイオリン)-7 ティモシー・ジル(チェロ)-7 マイケル・ノースワージィ(クラリネット)-10 エマニュエル・シフェール(指揮)/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団]GOMPPER, David: Double Concerto, "Dialogue" / Clarinet Concerto / Sunburst (W. David, T. Gill, Norsworthy, Royal Philharmonic, Siffert)
発売日:2019年01月25日 NMLアルバム番号:8.559835
CD価格:1,600円(税込)
アメリカの作曲家デイヴィッド・ゴンパーの作品集。彼はロンドンで学び、ミシガン大学で博士号を授与され、2002年から2003年にはロシアで後進を育成しながら活発な演奏活動を行いました。ロシア時代の経験を生かした作品は世界中で評価され、現在ではアメリカ音楽界の重鎮となっています。 このアルバムには、チェロとヴァイオリンの対話で構成された「二重協奏曲」、クラリネットの静謐な音を取り巻く楽器の音色が面白い「クラリネット協奏曲」、爆発的な光と色彩を楽器の音色で表現した「サンバースト」の3曲が収録されており、そのどれもがゴンパー独自の「時間、空間と音のテクスチャーが交錯する」というストーリーに沿った、最近の彼が関心を抱いているという協奏曲形式の作品です。
収録作曲家:
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クエール(1976-):
弦楽四重奏曲集 第1番-第3番 [アヴァロン弦楽四重奏団]QUAYLE, M.: String Quartets Nos. 1-3 (Avalon String Quartet)
発売日:2019年01月18日 NMLアルバム番号:8.559851
CD価格:1,600円(税込)
弦楽四重奏という形式の中で何ができるかについて、ずっと考えていたという作曲家クエール。彼にとって、この問題はかなり重要であり、奏者たちの親密さや各々のニュアンスを大切にしながら、作曲家の内面的な声を反映されることが問題解決につながるのではと思い至ったようです。 このアルバムにはクエールが20歳半ばに取り組んだというノスタルジックな雰囲気を持つ第1番、実験的で感覚的な音で満たされた第2番、13の短い楽章で構成され、40歳の時に作曲された、多彩な作品からの引用が含まれた第3番の3曲が収録されており、クエールの作風の変遷を見ることができます。
収録作曲家:
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バーンスタイン(1918-1990):
CBSミュージック
バーンスタインの誕生日の祝宴
マンボ/政治的序曲「スラヴァ!」
《ペンシルヴァニア通り1600番地》 - 組曲他 [マリン・オルソップ/サンパウロ交響楽団]BERNSTEIN, L.: 1600 Pennsylvania Avenue Suite / Slava! / CBS Music / A Bernstein Birthday Bouquet (São Paulo Symphony, Alsop)
発売日:2018年10月31日 NMLアルバム番号:8.559813
CD価格:1,600円(税込)
2018年に生誕100年を迎えた偉大な音楽家バーンスタイン。このアルバムは彼が愛した作品や、折に触れて書いていた小品を集めた1枚です。 冒頭に置かれているのは、ついつい一緒に「マンボ!」と掛け声をかけたくなる《ウェスト・サイド・ストーリー》の名曲「マンボ」。次はバーンスタインの親友、チェリストのロストロポーヴィチのために書かれた「スラヴァ!(ロストロポーヴィチの愛称)」。ショーを愛したバーンスタインらしい軽快な音楽の中に「政治的な批判」が込められた作品です。この曲のもとになったのは、数年前に書かれ、初演が不評に終わったミュージカル「ペンシルヴァニア通り1600番地」の主題。トラック3ではその“失敗作”ミュージカルのいくつかの曲を集めリサイクルした組曲を聴くことができます。短くとも印象的な「オン・ザ・タウン」のタイムズ・スクエア・バレエも強烈な印象を残します。1978年に放送されて以来、演奏されることのなかった「CBSミュージック」とバーンスタインの70歳を祝して友人たちが贈った「誕生日の祝宴」は世界初録音となります。8人の作曲家たちの思い思いの作品をお楽しみください。 バーンスタインを尊敬してやまないオルソップの愛情がたっぷり込められています。
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バーンスタイン(1918-1990):
オーケストラのための記念日
ファンシー・フリー
《キャンディード》序曲
《ワンダフル・タウン》序曲 [マリン・オルソップ/サンパウロ交響楽団]BERNSTEIN, L.: Anniversaries / Fancy Free Suite / Candide Overture / Wonderful Town Overture (São Paulo Symphony, Alsop)
発売日:2018年10月31日 NMLアルバム番号:8.559814
CD価格:1,600円(税込)
世界中のコンサート・ホールで愛奏されている《キャンディード》の序曲で幕を開けるバーンスタイン生誕100年を祝した1枚。アルバムの中心となるのは、バーンスタインがこよなく愛したニューヨークを舞台としたバレエ《ファンシー・フリー》の組曲。24時間の上陸許可をもらった3人の船員たちが、きらびやかなニューヨークでひと時の恋を楽しむために、娘たちにアタックするというなんともアメリカ的な物語。摩天楼をバックに繰り広げられる騒乱を軽やかな音楽にのせて描いています。1944年に初演されたこのバレエは初演時に200回以上も再演されたという伝説的な作品です。 世界初録音となる「オーケストラのための記念日」は1944年から1989年に渡って、バーンスタインが家族や友人、大切な人のために書き続けてきた小品のオーケストラ版。原曲は1944年、48年、64年、89年に出版された4巻からなるピアノのための組曲ですが、2016年に全曲演奏を行ったサンダーランドが「この組曲にはバーンスタイン音楽の本質が込められている」と感じ、全29曲の中から11曲を抜粋し、丁寧なオーケストレーションを行ったものです。最後の《ワンダフル・タウン》序曲も含め、オルソップの切れ味のよい指揮による演奏です。
収録作曲家:
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ハービソン(1938-):
レクイエム [ジェシカ・リヴェラ/ミヒャエラ・マルテンス/ニコラス・パン/ケリー・マークグラフ/ジアンカルロ・ゲレーロナシュヴィル交響楽団&合唱団]HARBISON, J.: Requiem (Rivera, Martens, Phan, Markgraf, Nashville Symphony Chorus and Orchestra, Guerrero)
発売日:2018年10月31日 NMLアルバム番号:8.559841
CD価格:1,600円(税込)
1987年にピューリッツァー賞を受賞し、世界的知名度を獲得したアメリカの作曲家ジョン・ハービソン。独特の芸術的信条を持つことで知られ、これまでにも「ヨハネ・パウロ二世即位25周年を記念する和解のコンサート」の作品を委嘱されるなど、宗教音楽の分野でも素晴らしい作品を書いています。 この「レクイエム」は2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロ事件の直後に着手され、翌年3月に完成しています。ただし、構想自体は早い時期から抱いていたといい、彼自身の様々な体験や音楽的モティーフが取り入れられた多角的な作品として成立しています。オーケストラ、合唱だけでなく、ソロ歌手のパートにも重要な役割が置かれ、全てが混然一体となった爆発的なエネルギーを持つ問題作です。
収録作曲家:
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オークリー(1979-):
放浪者 ~ 室内楽作品集 [ナオミ・ルイーザ・オコンネル/アントン・リスト/リジー・ラミシュヴィル/インガ・カシャカシュヴィリ/アンジェリカ・ゲイドリヤ/タマール・ミケランゼ]OAKLEY, G.: Chamber Works - Toccata / Cello Sonata / Remembrance (Wanderer) (O'Connell, Rist, Ramishvili, Kashakashvili, Gadeliya, Mikeladze)
発売日:2018年10月31日 NMLアルバム番号:8.559856
CD価格:1,600円(税込)
グルジア(現ジョージア)に生まれたアメリカの作曲家オークリー。ピアニストとして名声を高める傍ら、作曲にも興味を示し、ダニエルプールとオルドリッジから作曲技法を学びました。2009年にピアノ曲「ノスタルジアとトッカータ」がカーネギー・ホールで初演され一躍注目を浴び、以降、作曲家として多くの賞を受賞、世界的に活躍しています。彼は伝統を重んじながらも、ジャズやジョージアの民族音楽まで様々な要素を自作に取り入れることで、常にユニークで表現力豊かな作品を発表。このアルバムではピアノ曲、歌曲からチェロ、クラリネット曲までさまざまな作品を収録。どの曲も美しい旋律に溢れた魅力的な味わいを持っています。
収録作曲家:
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フックス(1956-):
ピアノ協奏曲「Spiritualist」
生命の詩/氷河/大急ぎ [ビーゲル/コーエン/スパー/マカリスター/ロンドン響/ファレッタ]FUCHS, K.: Piano Concerto, "Spiritualist" / Poems of Life / Glacier / Rush (Biegel, A.N. Cohen, Sparr, McAllister, London Symphony, Falletta)
発売日:2018年08月31日 NMLアルバム番号:8.559824
CD価格:1,600円(税込)
アメリカの現代作曲家ケネス・フックスの最新作を収録した1枚。ファレッタが指揮するロンドン交響楽団が演奏するフックスのアルバムはこちらで5枚目となり、2005年の「アメリカン・プレイス」はグラミー賞にノミネートされるなど、作品も演奏も高く評価されています。 このアルバムでは、現在フックスが魅了されているというアメリカの抽象画家、ヘレン・フランケンサーラーの絵からインスパイアされたというピアノ協奏曲がメインに置かれています。フックスは1983年に初めて彼女の絵を見て以来、その自由でクリエイティヴな美学に強い影響を受けたといい、これまでにも3つの作品が生まれていますが、このピアノ協奏曲は、彼の作品スタイルにも変化を与えるほどにインパクトの強い作風となっています。3つの楽章にはそれぞれフランケンサーラーの絵画のタイトルがつけられていますが、決して難解な作風ではなく、自然で美しい曲調を持った楽しい作品です。 他にはカウンターテナーが歌う「生命の詩」、エレキギターが活躍する「氷河」、ジャズ風の「Rush」の3曲が収録されています。ジャケットに使用されているのはフランケンサーラーの「Silent Wish」です。
収録作曲家:
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ラッグルズ/スタッキー/ハービソン:
アメリカ現代管弦楽作品集 [ナショナル・オーケストラ・インスティトゥート・フィルハーモニック/ミラー]Orchestral Music - RUGGLES, C. / STUCKY, S. / HARBISON, J. (National Orchestral Institute Philharmonic, D.A. Miller)
発売日:2018年06月27日 NMLアルバム番号:8.559836
CD価格:1,600円(税込)
毎年6月にメリーランド大学で開催するコンサートのために、世界中から厳しいオーディションを経て集められた音楽家たちのアンサンブル「ナショナル・オーケストラ・インスティトゥート・フィルハーモニック」。これまでにNAXOSからは2015年の演奏(8.559782)と2016年の演奏(8.559822)がリリースされており、こちらが2017年の3枚目のアルバムとなります。 今回の演奏会で選ばれたのは、近現代アメリカを代表する3人の作曲家の作品。なかでもラッグルズは生涯に完成させた作品が10曲という寡作な人で、この演奏はとても貴重です。15分ほどの凝縮された時間の中に、膨大な音符が書き込まれた複雑な総譜は、演奏困難ですが、このオーケストラは完璧な音を作り上げています。 スタッキーの協奏曲は、作曲家とロサンゼルス・フィルとの緊密な関係から生まれた作品。音によるアナグラムなど様々な仕掛けが施されています。ハービソンの交響曲はシアトル交響楽団の委嘱作。ジャズ風のテイストも備えた作品です。
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コーツ(1938-):
ピアノ五重奏曲
交響曲 第10番「Drones of Druids on Celtic Ruin」 [クロイツェル四重奏団/チャドウィック/カルアーツ管/アレン]COATES, G: Piano Quintet / Symphony No. 10 (Kreutzer Quartet, Chadwick, CalArts Orchestra, S. Allen)
発売日:2018年06月27日 NMLアルバム番号:8.559848
CD価格:1,600円(税込)
アメリカ現代音楽界の重鎮の一人、グロリア・コーツ。9歳から倍音やクラスターを駆使して実験的な作品を作ってきたという彼女、アレクサンドル・チェレプニンとオットー・ルーニングの指導を受けて更なる研鑽を積み、コロンビア大学を卒業後は作曲家として本格的な活動を始めました。歌手、女優、画家としても才能を発揮し、アルバムのジャケットを飾る絵も彼女の作品「Parallel Univers」です。 収録曲の「ピアノ五重奏曲」はエミリー・ディキンソンの詩に根差しており、四分音の微妙な響きを効果的に使いながら、煌めくような光が表現されています。交響曲第10番はバイエルン州のエルディングで発見された「ケルトの古代遺跡」をモティーフにした作品。高速道路建設のため、存続が危うくなった遺跡についての音楽は、冒頭から吹きすさぶ風が描写され、揺れ動く音を打楽器のアクセントが絶妙に彩ります。 交響曲を指揮したスーザン・アレンは元々優れたハープ奏者。この演奏が指揮者デビューとなりましたが、残念なことに病を得て、演奏後1年ほどでこの世を去ってしまいました。このアルバムは彼女への追悼でもあります。
収録作曲家:
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ダイアモンド(1915-2005):作品集
交響曲 第6番
弦楽オーケストラのための「ラウンズ」
「ロメオとジュリエット」のための音楽 [インディアナ大学フィル&室内管/フェイゲン]DIAMOND, D.: Symphony No. 6 / Rounds / Music for Romeo and Juliet (Indiana University Philharmonic and Chamber Orchestras, Fagen)
発売日:2018年05月25日 NMLアルバム番号:8.559842
CD価格:1,600円(税込)
ニューヨークで生まれ、クリーブランド音楽大学とイーストマン音楽学校で学び、パリではナディア・ブーランジェにも師事した作曲家ダイアモンドの作品集。19歳の時、ガーシュウィンが審査員を務めたコンクールに作品を出品。その完成度の高さにガーシュウインも驚いたというエピソードを持つダイアモンド、その作品は名指揮者たちにも愛され、クーセヴィツキー、セル、オーマンディ、バーンスタインなどが挙って演奏したことでも知られます。 彼は前衛的な手法を取ることはなく、常に耳に心地よい作品を書いていました。ミトロプーロスが絶賛した「ラウンド」、その3年後に作曲された「ロメオとジュリエット」の組曲はプロコフィエフにも匹敵するほどの出来栄え。映画監督ピーター・グレンヴィルが「自作映画で使用したい」と提案したこともあったそうです(実現はしなかった)。 伝統的な形式に則って書かれた「交響曲第6番」は初演当時の批評家からさんざんな悪評を付けられたという問題作。「彼は伝統を知らない」と揶揄されましたが、初演から50年を経た今では、全く問題なく受け入れられる聴きやすい作品です。
収録作曲家:
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シエッラ(1953-):室内楽作品集
カンディンスキー
クラリネット・ソナタ
同じオブジェクトを見るための33方法 [コンティニュアム]SIERRA, R.: Kandinsky / Clarinet Sonata / 33 Ways to look at the same object (Continuum)
発売日:2018年05月25日 NMLアルバム番号:8.559849
CD価格:1,600円(税込)
プエルトリコ生まれの作曲家、シエッラの室内楽作品集。若い頃からカリブ海の伝統音楽に惹かれ、西洋音楽との融合を試み続けることで知られるシエッラですが、最近では伝統音楽以外の分野から素材を取ることにも興味を抱いており、このアルバムに収録されている「カンディンスキー」は、タイトル通り、ロシアの画家カンディンスキーの抽象画に触発された感覚的な組曲。 トラック11ではサルサのリズムも登場。シエッラらしい作品として仕上がっています。この作品が完成する前、2002年には同じく画家ターナーに触発された「ターナー」も書き上げたシエッラ。絵画と音楽の融合によって生まれる音の追求に余念がありません。 連弾のための「Formas de~」はシエッラの室内楽の中で最長の曲。シエッラと長年コラボレーションをしているアンサンブル「コンティヌム」の2人のメンバーのために書かれた特別な作品です。
収録作曲家:
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リール(1943-):
ショパンの亡霊
チェロとピアノのための作品集 [クック/グズマン]REALE, P.: Cello and Piano Works (Chopin's Ghosts) (K. Cook, C. Guzman)
発売日:2018年04月27日 NMLアルバム番号:8.559820
CD価格:1,600円(税込)
ニュージャージーに生まれ、コロンビア大学で英文学と自然科学を専攻したポール・リール。ロックバーグとクラムの作品に影響されたことで作曲に個人的な興味を持ち、2年間ほど作曲法も学んでいます。彼の作品はバルトークやコダーイのような民族音楽への傾倒が見られる親しみやすさと豊かな響きを持ち、アメリカ国内でも数多くの賞を受賞するなど高く評価されています。 このアルバムには彼の「チェロとピアノのための作品」を収録。タイトルでもあるチェロ・ソナタ第2番「ショパンの亡霊」はリールが賞賛するショパンのチェロ・ソナタを現代的に蘇らすことを試み、ごく一部の素材を反映させながらも、全く新たな作品として構築されました。ショパンらしさはほとんど感じられませんが、完成度の高さは突き抜けています。
収録作曲家:
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ブローウェル(1939-):
徴の書
カボクロ協奏曲
(2台ギターのための協奏曲集) [ブラジル・ギター・デュオ/デラウェア響/アマード]BROUWER, L: Book of Signs (The) / BELLINATI, P.: Concerto Caboclo (Brasil Guitar Duo, Delaware Symphony, Amado)
発売日:2018年04月27日 NMLアルバム番号:8.573603
CD価格:1,600円(税込)
キューバを代表するギター音楽の作曲家ブローウェル。彼は独奏作品だけでなく、多くのギターのための協奏曲を作曲しています。10番目の協奏曲である「徴の書」は2台のギターのために書かれており、これはブローウェルにとって初の「二重協奏曲」となりました。楽章は全て変奏曲形式で構成され、第1楽章はベートーヴェンの主題を元にした変奏曲ですが、旋律もオーケストラ・パートの響きも全てが複雑で、現代的な様相を帯びています。第2楽章はビートルズの名曲を主題としたロマンテックな音楽で始まります。第3楽章はキューバの舞曲に由来した喜びに満ちた楽想を持つ快活な楽章です。 ブローウェルより少し後の世代のベッリナーティの作品は、サンパウロ交響楽団の委嘱により作曲され、2011年に初演された新作。即興的なメロディとブラジルの伝統的な舞曲が融合した華やかな曲です。どちらも世界初録音となります。
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ドアティ(1954-):協奏曲集
「夢の機械」
「涙の道」
「ミシシッピ川の反映」 [グレニー/ポーター/ヤンツ/オールバニ響/ミラー]DAUGHERTY, M.: Dreamachine / Trail of Tears / Reflections on the Mississippi (Glennie, A. Porter, Jantsch, Albany Symphony, D.A. Miller)
発売日:2018年03月23日 NMLアルバム番号:8.559807
CD価格:1,600円(税込)
世界中が注目するグラミー賞受賞作曲家、ドアティの最新アルバムは3曲の協奏曲集。それぞれフルート、パーカッション、テューバを独奏楽器に据え、独自の音楽を展開していきます。 「涙の跡」と題されたフルート協奏曲は、19世紀に故郷を追われたネイティヴ・アメリカンたちの嘆きと希望を描いた曲。最終楽章は激しいダンスで明るい希望が示唆されています。2014年、ケルンで初演された「夢の機械」は中世から続く人間と機械の関係が描かれており、多彩なパーカッションを駆使した創造力豊かな音楽が展開します。ここでソロを務めているのは名手グレニー。ドアティ自身も驚くほど素晴らしい演奏です。テューバのための「ミシシッピ川の反映」は、ドアティの子供時代に体験した、家族旅行での思い出を元にした協奏曲。流域の野生動物や、川に渦巻く霧の風景など、様々な事象が幻想的に表現されています。ソリストはフィラデルフィア管弦楽団の首席奏者ヤンツが務めています。
収録作曲家:
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Statements
アメリカ現代合唱曲集
(ラング/ハーン/ラッシュ) [イェール・コーラル・アーティスツ/イェール・フィルハーモニア/ドウマ]Choral Music - LANG, D. / HEARNE, T. / LASH, H. (Statements) (Yale Choral Artists and Philharmonia, Douma)
発売日:2018年03月23日 NMLアルバム番号:8.559829
CD価格:1,600円(税込)
イェール・コーラル・アーティストはイェール音楽学校とアメリカ全土の主要歌手で構成された「イェール・グリー・クラブ」によって設立されたプロの合唱団。世界で最も革新的な合唱団を目指し、意欲的に活動しています。 このアルバムではイェール出身の3人の現代作曲家の作品を収録。「バング・オン・ア・カン」の設立者として知られるデイヴィッド・ラングの社会派問題を扱った「statement to the court」、異なる宗教の対立と融和を描いたテッド・ハーンの「コンセント」、ラテン語から英語に翻訳したテキストを用いたハンナ・ラッシュの「レクイエム」。現代アメリカの抱える問題意識をあぶり出したこの3曲を素晴らしいハーモニーでお聴きください。
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ホヴァネス(1911-2000):
吹奏楽のための組曲
10月の山
アニの遺跡他 [セントラル・ワシントン大学ウィンド・アンサンブル//グッキン/ブライオン]HOVHANESS, A.: Suite for Band / October Mountain / Ruins of Ani (Central Washington University Wind Ensemble, Gookin, Brion)
発売日:2018年03月23日 NMLアルバム番号:8.559837
CD価格:1,600円(税込)
アラン・ホヴァネスはアメリカで生まれましたが、父親はアルメニア系、母親はスコットランド系とルーツは広範囲に渡っています。また若い頃にフィンランドに旅行しシベリウスと親交を結び、舞踊家ウダイ・シャンカールからはインド音楽の洗礼を受け、1年間日本に留学した際には和楽器を学ぶなど、旺盛な好奇心の持ち主であり、これは彼の作風にも大きく影響しています。 このアルバムには世界初録音を含むホヴァネスの吹奏楽作品が収録されており、ここでも様々な作風を聴くことができます。彼の交響曲第23番「アニ」とテーマを同じにする中世アルメニアの首都の陥落を「アニの嘆き」、日本風の旋律が聴こえる「燃える家への序曲」など、エキゾチックな雰囲気を持つ作品が並びます。スーザの演奏でおなじみのキース・ブライオンをはじめとした3人の指揮者による演奏です。
収録作曲家:
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管楽のための協奏曲集
ティケリ/ワーナール/ランジバラン [ツィンマーマン/ノートン/グラットン/ゲレーロ]TICHELI, F.: Clarinet Concerto / WARNAAR, B.: Horn Concerto / RANJBARAN, B.: Flute Concerto (J. Zimmermann, L. Norton, É. Gratton, Guerrero)
発売日:2018年02月23日 NMLアルバム番号:8.559818
CD価格:1,600円(税込)
このアルバムに収録された3曲の「管楽器のための協奏曲」は、どれも21世紀になってから作曲されたにもかかわらず、3楽章の伝統的な形式を持っています。また作品自体も過去の作曲家たちの伝統を継承しており、ティケリの「クラリネット協奏曲」はそのままガーシュウィン、コープランド、バーンスタインへのオマージュにもなっている興味深い作品です。 主旋律に「ホワイトスケール」と呼ばれるピアノの7つの白鍵のみを用いたワーナールの「ホルン協奏曲」は、黒鍵を一切使用しないという制約から生まれる不思議な緊張感に満たされていながらも、どこかのどかで牧歌的な雰囲気を醸しています。 イラン出身のランジバランの「フルート協奏曲」はイランのリズム、メロディ、楽器の要素が取り入れられたエキゾチックな作品。フィラディルフィア管弦楽団の首席奏者ジェフリー・カナーの依頼によって書かれた、息の長い神秘的なフルートの音色が印象的な作品です。
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LIVING MUSIC
フルートのためのアメリカ現代音楽集 [ディド/スコット・ヨー/アーヴィンダー/エルキーズ]Chamber Music (Flute) - KERNIS, A.J. / FINE, M. / ELKIES, N.D. / BARKER, J.M. / COLEMAN, D. (Living Music) (A.K. Dade, Scott Yoo, Arvinder, N. Elkies)
発売日:2018年02月23日 NMLアルバム番号:8.559831
CD価格:1,600円(税込)
20世紀から21世紀にかけて、フルートのために多種多彩な作品が生まれています。このアルバムでは5人のアメリカ現代作曲家の作品を収録。その中の4作品が世界初録音となる画期的な1枚です。 抒情的で美しいカーニスの「エア」はもともとジョシュア・ベルのために作曲されたヴァイオリン曲ですが、初演以来、様々なアンサンブルのために編曲されており、このヴァージョンは世界初録音です。ファインの作品は、少年時代に夢中で石切遊びをしたという作曲家の思い出が描かれています。エルキーズの「ホ調のソナタ」はバロック風の味わいを持つエ第1楽章からジャズ風の第3楽章に至るまでの変化が楽しい作品。スコットランド高地の山脈にある3つの名山を表現したバーカーの「NaTriPeathraichean」、シンプルで新しい「パヴァーヌとシンメトリー」などヴァラエティ豊かな作品が楽しめます。
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ダニエルプール(1956-):
弦楽四重奏曲 第5番-第7番 [プリットマン/デルレイ弦楽四重奏団]DANIELPOUR, R.: String Quartets Nos. 5-7 (Plitmann, Delray String Quartet)
発売日:2018年01月26日 NMLアルバム番号:8.559845
CD価格:1,600円(税込)
アメリカで活躍する作曲家ダニエルプールの弦楽四重奏曲集。このアルバムに収録された3曲は、2004年から2014年までの11年間に渡って地中海で作曲されました。第5番と第6番のテーマは「棄てること」。ダンテの詩句をタイトルにした第5番は、“彼がいつも人生に迷った時にはイタリアに旅行して、気持ちにリセットをかける”様子が描かれています。第6番はハイドンの「告別」のように、奏者が一人ずつ舞台を去っていくという趣向で書かれており、ベートーヴェンの「告別」のメロディもかすかに引用されています。第7番には、過去作品の第3番を補完する意味合いが持たされており、第4楽章ではソプラノ独唱が詩篇の言葉を歌います。抒情的な作風で知られるダニエルプールらしい、ロマンティックで豊かな感情に満たされた3つの作品です。
収録作曲家:
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平和と賞賛の歌 [ニューヨーク・ヴィルトゥオーゾ・シンガーズ/クイーンズ・カレッジ合唱団/ローゼンバウム/ブライト・シェン/ジョン]
Choral Music (Songs of Peace and Praise) (New York Virtuoso Singers, Queens College Choir and Vocal Ensemble, Rosenbaum, Bright Sheng, J. John)
発売日:2017年12月22日 NMLアルバム番号:8.559819
CD価格:1,600円(税込)
このアルバムはニューヨーク「アーロン・コープランド・スクール・オブ・ミュージック」クイーンズ・カレッジの教師と作曲家たちによって書かれた合唱作品で構成されています。学校の長い歴史を祝すために作曲を依頼したのですが、その多くの作品は「平和」と「賞賛」をモティーフにしていたため、録音の際にこの2つの言葉をコンセプトにした曲のみを選択、1枚のアルバムにまとめられました。 使われている言語はヘブライ語、ラテン語、イタリア語、英語、中国語と様々ですが、どの曲も歌い手と聴き手の心に直接届く強いメッセージ性を持っており、演奏家、作曲家を含む録音に携わった人々全ての「平和への祈り」が伝わってきます。
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ボルコム(1938-):ピアノ作品集
3つのダンス・ポートレート/12のエチュード
ロマンティックな小品/夢の音楽 ♯1他 [オッペンス/テイラー/ファインハウス/オレフスキー]BOLCOM, W.: Piano Solo Music (Oppens, Taylor, Finehouse, Olevsky)
発売日:2017年12月22日 NMLアルバム番号:8.559832-34
CD 3枚組価格:3,225円(税込、送料無料)
これまでにグラミー章を2回受賞したアメリカの作曲家ウィリアム・ボルコム。4人のピアニストが分担して演奏した、世界初録音も数多く含むこの曲集、最も古い時代に書かれた曲は1956年の「春のダンス」と「ピアノのためのエチュード」の一部、そして最も新しい曲は2012年の「夜の瞑想」で、その年代は50年以上に及び、作風もラグ風であったり、アヴァンギャルドであったりと様々に変化しています。20世紀後半から21世紀にかけての『アメリカ・ピアノ音楽』の歴史を垣間見ることができる、資料としても貴重なアルバムです。
収録作曲家:
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ハーゲン(1961-):
言葉のあとに 21世紀の歌曲集HAGEN, D.A.: 21st-Century Song Cycles - After Words / Songs of Experience / Phantoms of Myself / 4 Irish Folk Songs / 4 Dickinson Songs (Lyric Fest)
発売日:2017年11月29日 NMLアルバム番号:8.559714
CD価格:1,600円(税込)
ミルウォーキー生まれの作曲家、ダロン・ハーゲンの歌曲集。1980年代から注目され、オペラ、交響曲、協奏曲など数々の作品の上演で成功を収め、今に至っています。 NAXOSからはピアノ三重奏曲と歌劇《シャイニング・ブロウ》がリリースされており、その研ぎ澄まされた音楽は独自の雰囲気を放っていますが、彼の作品の中核を担う350曲を超える歌曲もまた素晴らしいもの。バーバー、バーンスタインの系譜を継ぐこれらの歌曲は、どれも強い主張を持つ精緻な筆致で描かれています。民謡を素材にした作品や、アメリカの作曲家たちに愛されているエミリー・ディキンソンの詩を用いた歌曲も情感に溢れています。
収録作曲家:
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ライリー(1935-):
The Palmian Chord Ryddle
At the Royal Majestic [シルバーマン/ウィルソン/ナッシュヴィル響/ゲレーロ]RILEY, T.: Palmian Chord Ryddle (The) / At the Royal Majestic (Silverman, Wilson, Nashville Symphony, Guerrero)
発売日:2017年11月29日 NMLアルバム番号:8.559739
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:490円(税込)アメリカ出身の作曲家テリー・ライリー。以前はミニマル・ミュージックの作り手として名を馳せていましたが、実際の彼は“常に進化する人”であり、その作風も時を追うに従って様々な変化を遂げています。 このアルバムには2011年と2013年の「最新」の作品が収録されており、彼の反復プロセスのテクニックは広大なパレットの一部に過ぎないことをまざまざと見せつけています。「The Palmian Chord Ryddle」はライリーが信頼するヴァイオリニスト、シルヴァーマンが演奏するエレクトリック・ヴァイオリンとオーケストラの共演であり、「At the Royal Majestic」はオルガンとの協奏曲。ゴスペル、ラグタイム、ブギ、バロック音楽のコラール、インプロヴィゼーションとあらゆる形式が取り入れられたユニークな作品です。
収録作曲家:
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ヴィラ=ロボス(1887-1959):
〈交響曲全集 第6集〉
交響曲 第1番「知られざるもの」
交響曲 第2番「昇天」 [サン・パウロ響/カラブチェフスキー]VILLA-LOBOS, H.: Symphonies Nos. 1 and 2 (São Paulo Symphony, Karabtchevsky)
発売日:2017年11月29日 NMLアルバム番号:8.573829
CD価格:1,600円(税込)
ヴィラ=ロボス以前のブラジルで「交響曲」と名の付く作品を書いた人は数えるほどしかいませんでした。彼の少し前の世代のオズワルドの交響曲第1番が初演されたのは1917年頃とされていますが、この曲がヴィラ=ロボスに影響を与えたのかは、わかっていません。それよりも当時のヴィラ=ロボスの関心はフランス音楽にあり、この2曲の交響曲もフォーレやダンディの作品との共通性を探ることができます。 交響曲第1番は時にブラジル風の情熱を示しており、かたや、交響曲第2番は1917年に構想されたものの、1944年の初演時までに再考を繰り返したためか、熟達した技法が感じられます。ヴィラ=ロボスの交響曲のタイトルは、どれも想像を働かせることはできますが、作品を直接表現するものではなく、この第2番も当時の作曲家の心理状態を描いたものと推測されます。数々の引用が、独特のハーモニーで包み込まれた面白い作品で、後の「ブラジル風バッハ」も予見させます。
収録作曲家:
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ベーカー(1948-):
ピアノ協奏曲「真昼から星空へ」
白鳥の歌から [アムラン/インディアナポリス響/ヴァルガ/メナ]BAKER, C.: Piano Concerto, "From Noon to Starry Night" / Aus Schwanengesang (M.-A. Hamelin, Indianapolis Symphony, Varga, Mena)
発売日:2017年10月27日 NMLアルバム番号:8.559804
CD価格:1,600円(税込)
イーストマン音楽大学でサミュエル・アドラーに作曲を師事したというクロード・ベイカー。数多くの受賞歴を持ち、作品も高く評価されています。 2010年に作曲されたピアノ協奏曲「真昼から星空へ」は、現在、ベイカーが学長を務めるインディアナ大学音楽学部の創立100周年を祝して委嘱された作品。もともとは1998年に作曲されたピアノ独奏曲「Flights of Passage」の改作で、4楽章を5楽章に拡大し、副題にウォルト・ホイットマンの詩を添えたものです。ピアノの可能性を極限まで引き出し、オーケストラと丁々発止のやりとりを繰り広げる劇的な協奏曲で、5つの楽章はそれぞれ違った表情を持ち、中でも第5楽章はアイヴズやメシアン作品からの引用が聞こえる興味深い音楽。超絶技巧ピアニストとして名高いマルク=アンドレ・アムランをソリストに迎え、見事世界初演を果たしました。 もう一つの曲集「白鳥の歌から」はシューベルトの名作をコラージュし、新しく造り変えた意欲的な作品です。
収録作曲家:
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ピアソラ(1921-1992):
Legacy - 伝説
(ヴァイオリンとピアノのための編曲集) [コーティク/リン・タオ]PIAZZOLLA, A.: Violin and Piano Arrangements (Legacy) (Cotik, Tao Lin)
発売日:2017年10月27日 NMLアルバム番号:8.573789
CD価格:1,600円(税込)
2017年はアストル・ピアソラの没後25年の記念年。タンゴにクラシックやジャズ、現代音楽のイディオムを融合させた独特のスタイルを作り上げ、世界的なブームを巻き起こしたピアソラの業績は、近年ますます高く評価されています。 このアルバムは、今回と同じくコーティク、タオによって録音、2013年に発売されヒット作となった「Tango Nuevo」の続編。コーティクとタオは様々な手段を用いて曲にアレンジを施しており、前作に比べ、曲によってはコントラバス、パーカッション、そしてヴォーカルを加えた一層多彩な音を楽しむことができます。耳にする機会の多い名曲「ブエノスアイレスの四季」もこのアレンジによって新たな雰囲気を纏っています。
収録作曲家:
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オルドリッジ(1954-):
歌劇《シスター・キャリー》 [ザバラ/ファレス/モーガン/ジョードハイム/フロレンティン歌劇場合唱団/ミルウォーキー響/ボッグス]ALDRIDGE, R.L.: Sister Carrie [Opera] (Zabala, Phares, M. Morgan, Jordheim, Florentine Opera Chorus, Milwaukee Symphony, Boggs)
発売日:2017年09月29日 NMLアルバム番号:8.669039-40
CD 2枚組価格:2,500円(税込)
グラミー賞を受賞した作曲家オルドリッジの歌劇《シスター・キャリー》。原作を同じくする1952年の映画《On Golden Pond(邦題「黄昏」)》は名優ローレンス・オリヴィエがハーストウッドを演じ、転落していく人生を見事に表現しました。 このオルドリッジの歌劇も、ドライサーの原作を丁寧になぞり、人生をのし上がっていく女性キャリーと、絶望の淵に沈む男ハーストウッドの姿を、当時のアメリカ社会の冷酷な現実を絡ませつつ見事に描き出しています。まるでプッチーニを思わせるような美しい音楽、そして主人公の凛とした姿を彷彿させるキャリー役のザバラの深みのある歌声も、この歌劇を魅力的なものにしています。
収録作曲家:
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ツォンタキス (1951-):作品集
Anasa
True Colors
Unforgettable [クラカウアー/バーリン/ファン・ラサ/キム・ユニス/オールバニ響/ミラー]TSONTAKIS, G.: Anasa / True Colors / Unforgettable (Krakauer, E. Berlin, Luosha Fang, Eunice Kim, Albany Symphony, D.A. Miller)
発売日:2017年08月30日 NMLアルバム番号:8.559826
CD価格:1,600円(税込)
権威あるグロマイヤー賞、チャールズ・アイヴズ・リヴィング賞を獲得したアメリカの作曲家ツォンタキスによる3つの協奏曲。クラリネット協奏曲「Anasa」はオルバニー交響楽団の委嘱作品。ギリシャ語で「呼吸」を意味するタイトル通り、生命が躍動するようなリズミカルなメロディが炸裂し、第3楽章での熱狂的な盛り上がりが楽しい曲です。 「True Colors - 真実の色」と題されたトランペット協奏曲は2つの部分で構成されており、トランペットのファンファーレがオーケストラに反響していくような冒頭部が印象的。第2部はジャズ風です。 2台のヴァイオリンが様々な絡み合いを聞かせる「Unforgettable - 忘れられない」も手の込んだ作品。こちらも第3楽章はジャズ風のバラードで書かれています。全ての曲のタイトルに、作曲家自身の深い思考が込められているという、エキサイティングな作品集です。
収録作曲家:
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アージェント(1927-):
アンドレーの北極探検
ヴァージニア・ウルフの日記より [マリガン/ロング]ARGENTO, D.: Andrée Expedition (The) / From the Diary of Virginia Woolf (Mulligan, Long)
発売日:2017年08月30日 NMLアルバム番号:8.559828
CD価格:1,600円(税込)
アメリカの著名な作曲家アージェント。1927年ペンシルバニア州で生まれピーポディ音楽院で博士号と修士号を取得し、現在はミネソタ大学音楽学部の名誉教授です。 1982年の「アンドレーの北極探検」は13曲で構成された歌曲集。スウェーデンの探検家サロモン・アウグスト・アンドレー(1854-1897)は水素気球エルネン号で北極飛行を試みましたが遭難、30年後に遺体と日記が発見されたという人です。アージェントはこの日記からテキストを採り、野心的な曲をつけることで、悲運の探検家の最期をドラマティックに描き出しています。もう1つの歌曲集「ヴァージニア・ウルフの日記より」は1975年のピューリッツァー賞を受賞しています。
収録作曲家:
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レイトマン(1955-):
歌劇《スカーレット・レター》 [クレイクム/アームストロング/マッケンジー/ベルヒャー/オペラ・コロラド合唱団&管弦楽団/ペルト]LAITMAN, L.: Scarlet Letter (The) [Opera](Claycomb, D. Armstrong, MacKenzie, Belcher, Opera Colorado Chorus and Orchestra, Pelto)
発売日:2017年08月30日 NMLアルバム番号:8.669034-35
CD 2枚組価格:2,500円(税込)
1850年に出版されたホーソーンの「緋文字」は、17世紀ニューイングランドのピューリタン社会を舞台とするゴシックロマン小説。夫が不在の間、村の牧師ディムズデールと愛し合い、娘をもうけたヘスター・プリンの悔恨と尊厳が描かれたこの小説は、多くの人々に感銘を与え、1995年にはデミ・ムーアの主演による映画が制作されたことでも知られています。 レイトマンはこの作品に壮大な音楽を与え、各々の登場人物たちを優しく見守るとともに、その人間的成長を描いています。歌劇は姦通の罪で起訴されたヘスター・プリンを群集たちが囲む場面で始まります。彼女の胸には罪を現す緋文字(スカーレットレター)「A」と、幼い娘が抱かれています。彼女を見守るディムズデールと、名を伏せている彼女のロジャー。映画とは違うストーリーが美しい音楽に乗って連綿と描かれていきます。
収録作曲家:
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ハーバーグ(1973-):
ヴィオラ協奏曲
エレジー
ウォルパート(1993-):
ヴィオラ協奏曲 第1番「巨人」 [ドイブナー/南部アリゾナ響/ラーナー]HARBERG, A: Viola Concerto / Elegy / WOLPERT, M.: Viola Concerto No. 1, "Giants" (Deubner, Southern Arizona Symphony, Lerner)
発売日:2017年07月28日 NMLアルバム番号:8.559840
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:490円(税込) -
パーシケッティ(1915-1987):
ハープシコード・ソナタ集 [ルイス]PERSICHETTI, V.: Harpsichord Sonatas Nos. 1, 3, 5, 8 and 9 (C.D. Lewis)
発売日:2017年07月28日 NMLアルバム番号:8.559843
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)ルネサンス期に起源を発し、19世紀初頭までは高い人気を勝ち得ていたハープシコード。この楽器の流行が凋落したのは、18世紀頃に登場したフォルテピアノの魅力に人々が気付いたからでしょう。コンサートホールの拡大につれて、大きな音がでるように改良されていくフォルテピアノ=ピアノを後目に、ハープシコードはそのエレガントな音色を保つことで、一部の人々にのみ長く愛されていました。 しかし、20世紀の名手ワンダ・ランドフスカは楽器を改良することで、端正な音色を強靭な響きに変化させることに成功。ピアノとハープシコードのハイブリッドとも言える新しいハープシコードを生み出しました。プーランクを始め、多くの音楽家たちがこの新しい楽器のために曲を書いていますが、アメリカの作曲家パーシケッティもその一人。彼の持つ作曲技法を全て駆使したシンプルなソナタは、ロマンティックであったり、謎めいた無調であったりと、曲によって多彩な表情を見せています。
収録作曲家:
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ノヴァコフスキ(1978-):作品集
Blood, Forgotten
弦楽四重奏曲 第1番「赦しの歌」
弦楽四重奏曲 第2番「祖父の歌」
おお、眠れ、私のために眠れ [オンドラチェク=ピーターソン/ヴォクサーレ弦楽四重奏団]NOWAKOWSKI, M.: Blood, Forgotten / String Quartets Nos. 1 and 2 / A Uśnijże mi, uśnij (Ondracek-Peterson, Voxare String Quartet)
発売日:2017年06月23日 NMLアルバム番号:8.559821
CD価格:1,600円(税込)
過去3世紀に渡って、ポーランドの人々は酷い迫害を受けて来ました。20世紀になってもそれは変わらず、第二次世界大戦における残虐行為、半世紀も続いた共産主義の支配…しかし彼らは屈することなく、悲劇の後にもたくさんの美しい芸術を生み出しています。 ポーランド系アメリカ人作曲家ノヴァコフスキはもともとポーランドのホロコースト犠牲者のための音楽を書き、これらの事実を広く知らしめるための活動を行っていた人で、アルバム・タイトルの「Blood, Forgotten 」にも戦争の恐ろしさがありありと描かれています。その後、彼は2008年の夏、クラクフのサマーアカデミーで大作曲家ヘンリク・グレツキと会い、彼の生涯に大きな感銘を受けました。アメリカに戻ったノヴァコフスキはすぐさま弦楽四重奏曲第1番「赦しの歌」を書き上げます。そして2010年、グレツキの訃報を受け取ったノヴァコフスキは自身の弦楽四重奏曲第2番「祖父の歌」をグレツキの思い出に捧げました。最後に置かれた「子守歌」は希望と新しい命への想いが描かれています。
収録作曲家:
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トンプソン(1899-1984):交響曲 第2番
アダムズ(1985-):漂流と摂理
バーバー(1910-1981):交響曲 第1番 [ナショナル・オーケストラ・インスティトゥート・フィルハーモニック/ロス]THOMPSON, R.: Symphony No. 2 / ADAMS, S.: Drift and Providence / BARBER, S.: Symphony No. 1 (National Orchestral Institute Philharmonic, J. Ross)
発売日:2017年06月23日 NMLアルバム番号:8.559822
CD価格:1,600円(税込)
アメリカの名門メリーランド大学。ここにあるクラリス・スイス・パフォーミング・アーツ・センターでは毎年6月、世界中から優秀な奏者たちが集結し素晴らしい演奏を繰り広げます。 2016年のコンサートに選ばれたのはアメリカを代表する3人の作曲家の作品集。合唱音楽で知られるトンプソンの“ジャズのイディオム”を用いた雄大な交響曲、「太平洋の記録をデジタル化し、様々な手段を用いて音で模倣した」というサミュエル・アダムズのエレクトロニックな曲(作曲家自身も参加)、26歳のバーバーが書いた野心的な交響曲。3曲それぞれ、作曲された年代は多岐に渡っており、アメリカ音楽の幅広さを存分に味わわせてくれます。
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コープランド(1900-1990):
交響曲 第3番
3つのラテン・アメリカ・スケッチ [デトロイト響/スラットキン]COPLAND, A.: Symphony No. 3 / 3 Latin American Sketches (Detroit Symphony, Slatkin)
発売日:2017年06月23日 NMLアルバム番号:8.559844
CD価格:1,600円(税込)
第二次世界大戦が終わる一年前の1944年に着手され、その2年後に初演された「交響曲第3番」。コープランドはこの曲を「戦時期の作品、正確には当時のアメリカの華麗な精神を反映させたもの」と呼び、曲の中で「個人の反省と集団の戦いがあってこそ、初めて幸福感を得ることができる」と示唆しています。素朴な抒情性を感じさせる第1楽章、打楽器が活躍する活力に満ちた第2楽章、瞑想的な楽想と舞曲が渾然一体となった第3楽章。第4楽章にはよく知られた「市民のためのファンファーレ」の輝かしいフレーズも登場します。コープランドより一世代前のアイヴズは、交響曲の中で郷愁を呼び起こすために賛美歌を取り込みましたが、コープランドは“征服なしの勝利”を表現するために賛美歌を用い、これが曲の終わりで絶大な効果を上げています。 「3つのラテン・アメリカ・スケッチ」は、カルロス・チャベスと訪れたナイトクラブ“エル・サロン・メヒコ”で着想を得た作品。伝統的なメロディを斬新なオーケストレーションで飾っています。
収録作曲家:
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チェロとギターのための音楽集
南アメリカと東ヨーロッパより [デュオ・ヴィラ=ロボス]Cello and Guitar Recital: Dúo Villa-Lobos (Music for Cello and Guitar from South America and Eastern Europe)
発売日:2017年06月23日 NMLアルバム番号:8.573761
CD価格:1,600円(税込)
近年、多くの作曲家が新しい響きを得るため様々な探求を行っています。ここで聴けるのは南米と東ヨーロッパの作曲家たちによるギターとチェロのアンサンブル。この珍しい組み合わせからは、技術的な困難はあるものの、極めて野心的な響きが生まれます。ユーゴスラビアの作曲家ボグダノヴィチの印象的な「4つの内なる小品」を始め、セルジオ・アサドやエドウィン・グェバラの躍動するリズムが魅力的な曲、ブルガリアの作曲家ウルクズノフの民族舞曲を取り入れた「タンゾロジア」、ラパス生まれのゼナモンによるギターのアルペジョが美しい「Reflexoes」。2つの楽器が生み出す親密な調べをお楽しみください。
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ヴィラ=ロボス(1887-1959):
交響曲 第8番・第9番・第11番 [サンパウロ響/カラブチェフスキー]VILLA-LOBOS, H.: Symphonies Nos. 8, 9 and 11 (São Paulo Symphony, Karabtchevsky)
発売日:2017年06月23日 NMLアルバム番号:8.573777
CD価格:1,600円(税込)
生涯に12曲の交響曲を書いたヴィラ=ロボス。自由な作風を求めた彼と「新古典派」の様式は必ずしも親和性の高いものではなく、1910年代に書かれた交響曲第1番や第2番は、まだまだ後期ロマン派の影響が強く、実験的要素の高いものでしたが、1940年代から50年代に書かれた第6番以降の交響曲では、ブラジルの民族音楽をふんだんに取り入れた独自の作風を確立させることに成功、世界大戦中の不穏な空気も取り込んだ激しい作品を次々と書き上げました。 ちょうどその頃の北アメリカの主要な都市のオーケストラは、行政的な援助を受け、芸術的な発展を見せていた時期で、ラテンアメリカ最大の作曲家として広範に認められていたヴィラ=ロボスの作品も盛んに演奏され、これらの交響曲は、コンサートで高い人気を博していました。しかし、聴衆の好みは「ブラジル風バッハ」などに移り、彼の交響曲は次第に演奏頻度が減少。21世紀になってようやく「交響曲作曲家」としてのヴィラ=ロボスが再評価され始めています。
収録作曲家:
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ハリソン(1917-2003):
ヴァイオリン協奏曲
グラン・デュオ
2つの音楽(ジョン・ケージとともに) [フェイン/ボリスキン/ポストクラシカル・アンサンブル/ヒル=オルドニェス]HARRISON, L.: Violin Concerto / Grand Duo / Double Music (Fain, Boriskin, PostClassical Ensemble, Gil-Ordóñez)
発売日:2017年04月21日 NMLアルバム番号:8.559825
CD価格:1,600円(税込)
アメリカの現代音楽作曲家ルー・ハリソンは、世界中の民族音楽を収集し、そのエッセンスを自作に反映させるという独自の技法で数多くの作品を書きました。ガムランや世界中の打楽器に魅せられ、その上で西洋音楽における「十二音」とは違う「音律」を普及させるために様々な活動を行ったことで知られます。 1940年に着想された「ヴァイオリン協奏曲」は、華やかな独奏ヴァイオリンと、ガムランを含むパーカッション群が競い合う作品。ハリソンが求めた音が余すところなく具現化された、興味深い響きを聴くことができます。ピアノとヴァイオリンのための「グラン・デュオ」にも、ピアノに「ガムランの響き」を思わせる特殊奏法が要求されています。第3楽章の「アナベルとエイプリル」は彼の友人であるデニス・ラッセル・デイヴィスの2人の娘の名前で、もともと第5楽章のポルカが創作の始まりです。「2つの音楽」は、ハリソンとジョン・ケージが共同制作していた頃の作品。最終的には“方向性の違い”で決裂してしまった2人ですが、この作品には確実に友情が存在しています。
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ヒグドン(1962-):
全ては壮大な
ヴィオラ協奏曲/オーボエ協奏曲 [ディアス/バットン/ナッシュヴィル響/ゲレーロ]HIGDON, J.: All Things Majestic / Viola Concerto / Oboe Concerto (Díaz, Button, Nashville Symphony, Guerrero)
発売日:2017年03月24日 NMLアルバム番号:8.559823
CD価格:1,600円(税込)
現代アメリカにおける最も注目されている作曲家の一人が、このジェニファー・ヒグドンです。彼女の「ヴァイオリン協奏曲」は2010年のピューリッツァー賞を獲得すると共に「パーカッション協奏曲」は同じ年のグラミー賞を受賞。世界中から賞賛が寄せられ、彼女の作品は世界中で演奏され、60枚以上のCDに録音されているということでもその才能は計り知れないものがあります。 このアルバムには世界初録音の作品を2曲収録。2014年の「ヴィオラ協奏曲」は長らくの友人であるヴィオラ奏者ディアスのために作曲された作品で、彼女はその時に“ヴィオラの音はとても暗くて重い”ことに改めて気がついたのだそうです。そのため、ヴィオラから華麗な音色を導き出すための工夫をして出来上がったのがこの作品です。2005年のオーボエ協奏曲は20分程度の長さでありながら、オーボエの美しい音色を生かした聴き応えたっぷりの曲。アルバム・タイトルの「All Things Majestic - 全ては壮大な」は2011年グランド・ティートン音楽祭からの委嘱作品。彼女の自然に対する愛と賛辞に満ち溢れた描写的な音楽です。
収録作曲家:
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ソロ(1884-1954):
〈管弦楽作品集〉 [チリ響/ドミンゲス]SORO, E.: Sinfonía romántica / Danza fantástica / 3 Aires chilenos / Andante appassionato (Chile Symphony, Domínguez)
発売日:2017年02月24日 NMLアルバム番号:8.573505
CD価格:1,600円(税込)
20世紀を代表するチリの作曲家、エンリケ・ソロの作品集。彼は著名なピアニストであり、指揮者、教師としても賞賛を集め、1921年に作曲された「シンフォニア・ロマンティカ」はチリ初の交響曲として、チリの音楽史に記されています。 1884年生まれのソロの父はコンセプシオンに定住したイタリア人音楽家で、母は学校を経営し、フランス語を教えていました。文化的な彼の家には、多くの音楽家や文学者が集い、幼いソロの音楽的才能は知らずして開花していたようです。彼に最初の音楽教育を施した父が死去した後、彼についてヨーロッパでの本格的な勉強の必要を感じた母はチリ政府に助成金を申請、それが認可されると、ソロは父の母校であるミラノ音楽院に入学します。1904年に卒業し、数々の賞を獲得した彼は21歳の時にチリに帰国。その後はチリの音楽的発展に力を尽くします。 作品はどれも南米の民族要素とイタリアの明るさが融合されており、魅惑的な響きと甘い旋律は聴き手の心を捉えます。ドヴォルザークやチャイコフスキー作品を思わせる重厚な「シンフォニア・ロマンティカ」はソロの代表作。美しいメロディが豊かなオーケストレーションで滔々と歌われます。
収録作曲家:
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スーザ(1854-1932):
〈吹奏楽のための作品集 第16集〉
喜歌劇「シャーラタン」より
サーカス・ギャロップ/星条旗他 [オランダ王立海軍軍楽隊/ブライオン]SOUSA, J.P.: Music for Wind Band, Vol. 16 (Marine Band of the Royal Netherlands Navy, Brion)
発売日:2017年01月25日 NMLアルバム番号:8.559746
CD価格:1,600円(税込)
100曲を超えるマーチやオペレッタを作曲した「マーチ王」スーザの第16集です。26歳でアメリカ海兵隊バンドの指揮者になったスーザは、1892年に自身の楽団を結成、全米各地からハワイ、南アフリカなどに演奏旅行し、最初の7年で3500回ものコンサートを開催したといわれています。また、当時は飛行機がなかったため、旅行は電車と船を用いるほかなく、その移動距離はほぼ40年で100万マイル以上を記録したほどの人気がありました。 この第16集には行進曲の他に、成功したオペレッタ「アイルランドのドラゴン」からのギャロップと序曲、同じく叙情的なオペレッタ「シャーラタン」からの音楽も含まれています。キース・ブライオンは、第15集と同じくオダンラ王立海軍軍楽隊を率いて、華麗な演奏を繰り広げています。
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バーンスタイン(1918-1990):
交響曲 第1番「エレミア」
交響曲 第2番「不安の時代」 [ティボーデ/ボルティモア響/オールソップ]BERNSTEIN, L.: Symphonies 1 and 2 (Thibaudet, Baltimore Symphony, Alsop)
発売日:2017年01月25日 NMLアルバム番号:8.559790
CD価格:1,600円(税込)
指揮者としてハイドンからマーラーまでを自在に演奏し、優れた解釈を聴かせた“作曲家”バーンスタインは、他の20世紀の作曲家たちに比べ、交響曲の仕組みを深く理解していたと想像できます。しかし、そのバーンスタイン本人の交響曲は、どれも伝統の枠組みにはまることはありませんでした。 「私はこれまでずっと“時代の危機”と“信仰の危機”から生まれる苦難について作品を書いてきた」と1977年に彼自身が語ったように、交響曲第1番「エレミア」はエルサレムの破壊に苦しむ民の嘆きを描くために「エレミアの哀歌」からテキストを採った意欲的な作品で、1939年から1942年に作曲され、1944年に初演され大評判となりました。 W.H.オーデンの同名の詩に触発された第2番「不安の時代」は1947年から1948年の作品で、作品自体は声楽を使わず、ピアノ独奏を伴うという変則的な曲。ニューヨークに住む4人の孤独な心が描かれた大胆な構成と、時にはジャズのイディオムも感じられる独創的な交響曲です。
収録作曲家:
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ガリード=レッカ(1926-):
〈管弦楽作品集〉
アンデス山脈の民俗舞曲集
交響的絵画/ペルー組曲/ラウデス II [ノルウェー放送管/フォートワース響/アルト=ベドヤ]GARRIDO-LECCA, C.: Orchestral Works (Norwegian Radio Orchestra, Fort Worth Symphony, Harth-Bedoya)
発売日:2016年12月21日 NMLアルバム番号:8.573759
CD価格:1,600円(税込)
1926年ペルー生まれの作曲家ガリード=レッカの管弦楽作品集。彼はイベロ=アメリカ(かつてスペインとポルトガルの植民地であった地域)の伝統を汲む情熱的なリズムを、アバンギャルドなスタイルに取り入れ、さらにペルーの民俗音楽に融合させた独自の作品を書きました。交響曲や室内楽、多くの映画音楽で知られていますが、ここでは管弦楽のための作品を聴くことができます。 「交響的絵画」ではペルーの伝統的な舞曲が効果的に用いられており中でも“ダンサク”は踊り手が金属のはさみを手に複雑なステップを踏むという曲で、トライアングルの音色がはさみの刃のぶつかりあう音を表現しています。アンデス地方の民謡からインスパイアされた「民俗舞曲集」、ペルーの民俗音楽をコラージュした「ペルー組曲」、「賞賛する」という意味のラテン語が元になった「ラウデス」の全4作品、すべて世界初録音です。
収録作曲家:
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ハーマン(1911-1975)
デル・トレディチ(1937-):
クラリネット五重奏曲集 [ルティエク/ファイン・アーツ四重奏団]HERRMANN, B.: Souvenirs de Voyage / DEL TREDICI, D.: Magyar Madness (Lethiec, Fine Arts Quartet)
発売日:2016年11月23日 NMLアルバム番号:8.559796
CD価格:1,600円(税込)
「めまい」「北北西に進路を取れ」「市民ケーン」など数多くの映画音楽で知られるバーナード・ハーマン。実はもともと優れたヴァイオリニストとしてジュリアード音楽院を卒業し、指揮者としても活躍していただけあって、その作品は映画音楽だけでなく、交響曲やオペラなどの純粋な演奏会のための曲までと多岐に渡っています。 このクラリネット五重奏曲は晩年に書かれた彼の最後の演奏会用の作品です。3楽章で構成された曲は、各楽章が異なるルーツを持っているという興味深い作品です。もう一人の作曲家、デル・トレディチはルイス・キャロルに魅せられ、インスパイアされた曲を何曲も書いていますが、この「マジャールの狂気」は特定の文学作品によるものではありません。「ハンガリー風大ロンド」という副題を持つ終楽章は情熱的でありながらもどこかユーモラスな雰囲気を持つ曲。 プラード・カザルス音楽祭の芸術監督で、パリ国立音楽院、ニース音楽院の教授で、室内楽奏者、ソリストとして活躍するフランスのクラリネット奏者ミシェル・ルティエによる渾身の演奏で。
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グレコ(1953-):
沈黙の地理学
通過中/つばめ/その首をはねよ! [ギフォード/オランダ・ウィンド・アンサンブル/チェコ・ナショナル響/リーパー]GRECO, J.L.: Geografías del Silencio / In Passing / Swallow / Off with its Head! (Gifford, Netherlands Wind Ensemble, Czech National Symphony, Leaper)
発売日:2016年11月23日 NMLアルバム番号:8.559816
CD価格:1,600円(税込)
アメリカに生まれたスペイン人作曲家グレコ(1953-)の作品集。彼の作品は様々な要素の折衷であり、それはポップ、ロック、ジャズも含む多岐に渡るものです。若い頃、ピアノとギターを学び、また俳優、ダンサーとしても活躍したというグレコは、アメリカからオランダ、スペインに渡り、各地で活発な活動を続けています。 「沈黙の地理学」と題された最初の曲は、18世紀スペインの探検家マラスピーナのエピソードに基づく内容で、5年間に及ぶスペインへの遠征はジェームズ・クックの偉業を上回る発見をもたらしたのですが、政治的反逆者として7年間投獄されたことで、その探索結果は全て忘れられてしまったという事実を「沈黙」になぞらえたと作曲家が語っています。 このアイデアは、やがてグレコの第3作目の歌劇「マラスピーナ」で見事に結実することとなります。アムステルダムに滞在していた時期に書かれた2つの作品「In Passing」と「つばめ」、グレコが幼い頃、テレビで見て目が釘付けとなったという「不思議な国のアリス」にインスパイアされた「Off with its Head! (スペードの女王の言葉)」のユーモラスさの中に潜む緊迫感。ブックレットに記された作曲家自身のノート(英語のみ)は、作品の成立プロセスや自身の音楽観などが綴られた興味深い内容です。
収録作曲家:
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ダニエルプール(1956-):
孤独の歌/戦争の歌 [ハンプソン/ナッシュヴィル響/ゲレーロ]DANIELPOUR, R.: Songs of Solitude / War Songs / Toward the Splendid City (Hampson, Nashville Symphony, Guerrero)
発売日:2016年10月28日 NMLアルバム番号:8.559792
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:490円(税込)幾度季節が巡ろうとも、人々の記憶から失われることのない事項の一つに「9.11」があります。ニューヨークで活躍する現代作曲家ダニエルプール(1956-)は、自作の「アメリカン・レクイエム」の初演のために、9月11日の朝、演奏会場であるピークスキルの“コープランド・ハウス=コープランドが所有していた家”でスコアのチェックを行っていました。その時マンハッタンの出版社から電話が来て、同時多発テロの勃発を知ったダニエルプールは、その事件と「アメリ力ン・レクイエム」との関連性に震憾したのです。もともと「アメリカン・レクイエム」は20世紀を通じて異なる戦争で戦った60人以上の退役軍人たちのインタビューから生まれた作品であり、ソリストには卜ーマス・ハンプソンが起用されていました。 そこでダニエルプールは、今度は9.11を含む、世界中で起きる悲惨な戦いの犠牲者たちのために、同じく卜ーマス・ハンプソンが歌うことを想定した2つの新たな歌曲集を創り上げました。一つはウィリアム・バ卜ラー・イェーツの詩を用いた「孤独の歌」、もう一つはウォル卜・ホイッ卜マンの詩を用いた「戦争の歌」です。そして、1992年に作曲された「素晴らしい都市に向けて」はまだその事件を知らなかったニューヨークの肖像画です。
収録作曲家:
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フェイルーズ(1985-):
ツァブルの書 [コークウェル/ケリー/インディアナポリス児童合唱団/インディアナポリス響/スターク]FAIROUZ, M.: Zabur (Coakwell, Kelly, Indianapolis Children's Choir, Indianapolis Symphonic Choir, Indianapolis Symphony, Stark)
発売日:2016年10月28日 NMLアルバム番号:8.559803
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:490円(税込)1985年生まれのモハメド・フェイルース(1985-)はアメリカを中心に、世界的に注目されている若手の作曲家。7歳の時にオスカー・ワイルドに心酔し、いくつもの歌曲を作曲するなど、早いうちからその才能が認められていました。ニューイングランド音楽院、カーティス音楽院で学び、ガンサー・シュラー、ハリムエル・ダブー、ジョルジ・リゲティ、ジョン・ハイスなど錆々たる顔ぶれの人々から様々な手法を学んでいます。「私はテキス卜に取り憑かれている」と雑誌のインタビューで答えた彼、やはりその作品は声楽を含むものが多く、用いられたテキス卜は古典から現代まで幅広いものをカバーしています。 この《ツァブル(詩篇のアラビア語)の書》は国際的に活躍する女優、作家ナジュラ・サイードによって書かれた作品で、戦争によって引き起こされる悲劇、とりわけ子供たちの状況が切々と歌われます。絶望的な状況下では祈る他ない弱い存在にも、最後は希望がもたらされるのが唯ーの救いです。
収録作曲家:
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ドアティ(1954-):
ヘミングウェイの物語
アメリカン・ゴシック
いつか城で [ベイリー/ジェイコブス/マッシュヴィル響/ゲレーロ]DAUGHERTY, M.: Tales of Hemingway / American Gothic / Once Upon A Castle (Bailey, P. Jacobs, Nashville Symphony, Guerrero)
発売日:2016年09月21日 NMLアルバム番号:8.559798
CD価格:1,600円(税込)
グラミー賞を受賞した現代アメリカの作曲家ドアティ(1954-)の最新作は、どれも20世紀を象徴するアメリカ文化からインスパイアされたもの。文豪ヘミングウェイの名前をタイトルに掲げた4部作は「チェロ協奏曲」の形式を持ち、チェロと管弦楽との対話によって、そのストーリーを象徴的に描いています。 いずれも原作は1950年周辺に書かれたおなじみの作品ですが、不屈の精神と不変の愛は、永遠に語り継がれるべき内容であり、ドアティもこれを音楽で巧みに表現しています。アイオワ管弦楽団から委嘱された「アメリカン・ゴシック」は、ドアティの父ウィリス(1929-2011)と、彼自身の子供時代の思い出が反映された作品で、故郷であるシーダー・ラピッズの風景が目に浮かぶような鮮やかな音楽です。 「いつか城で」はドアティが愛するカリフォルニアのハースト・キャッスルと、そこに続く太平洋沿岸のハイウェイの風景などが描かれた、まるで映画音楽のような壮大な響きを持つ作品。初演は2003年ですが、ここで録音された改訂版は世界初録音となります。
収録作曲家:
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コープランド(1900-1990):
バレエ音楽「アパラチアの春」(完全版)
バレエ音楽「聞け!汝ら!」 [デトロイト響/スラットキン]COPLAND, A.: Appalachian Spring / Hear Ye! Hear Ye! (Detroit Symphony, Slatkin)
発売日:2016年09月21日 NMLアルバム番号:8.559806
CD価格:1,600円(税込)
コープランド(1900-1990)の珍しいバレエ「聞け!汝ら!」。この作品は、才能ある女性ダンサー、ルース・ページ(1899-1991)のために書かれました。ルース・ページは1925年にアメリカ人ダンサーとして初めてディアギレフのバレエ・リュスで踊り、コープランドを含めた当時のアメリカの作曲家たちは、彼女のために競って曲を書くなど、20世紀アメリカのバレエ・ダンスの発展に寄与した人です。 「聞け!汝ら!」は地元のナイトクラブで発生した殺人事件を裁く法廷を舞台とした奇妙なお話で、目撃者はホステス、ウェイター、その時店にいた新婚夫婦。各々の食い違う証言から犯人を導き出すまでがバレエで描かれていきます。 同時収録の「アパラチアの春」はコープランドの最も有名な作品の一つ。1800年代のペンシルベニア州で、アメリカ開拓民達が新しいファームハウスを建てた後の春の祝典を描写したバレエで、タイトルはストーリーに直接の関係がないことでも知られているユニークな作品でもあります。
収録作曲家:
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ジョン・ケージ(1912-1992):
〈2種の鍵盤楽器のための作品集 第3集〉
冬の音楽/Two2/エクスペリエンス第1番 [ペストヴァ/メイエ]CAGE, J.: Works for 2 Keyboards, Vol. 3 (Pestova, Meyer)
発売日:2016年08月26日 NMLアルバム番号:8.559728
CD価格:1,600円(税込)
20世紀に活躍した作曲家の中でも、最も特異な存在であるジョン・ケージ(1912-1992)。彼の思想は全ての前衛芸術に影響を与え、「4分33秒」などの作品では音楽の定義も極限まで広げることになったのです。 この「2種の鍵盤楽器のための作品集」シリーズを締めくくる第3集、収録作品は“不確実性”を具現化した「冬の音楽」、グバイドゥーリナに触発されたケージにおけるナンバー・ピース「Two2」、ケージの良きパートナーであったマース・カニンガムのダンスのために書かれた最初期の作品「エクスペリエンス」(驚くほどに旋律的!)の3曲です。どの曲からもケージの特徴が強く滲み出ており、この作曲家の片鱗を知るにふさわしい1枚となっています。 ※日本語帯付き
収録作曲家:
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プッツ(1972-):
交響曲 第2番
フルート協奏曲/河の早瀬 [ウォーカー/ピーボディ響/オールソップ]PUTS, K.: Symphony No. 2 / Flute Concerto (A. Walker, Peabody Symphony, Alsop)
発売日:2016年08月26日 NMLアルバム番号:8.559794
CD価格:1,600円(税込)
2012年、ピューリッツァー賞を受賞した現代アメリカの作曲家ケヴィン・プッツ(1972-)の作品集。あの「9.11」に触発されて書かれた交響曲第2番は、疑うことを知らない至福の時から暴力的な時へと激変する状況をトレースして行きます。最後に仄かな希望が見えるところが救いです。ミシシッピ川の流れを模した「河の早瀬」はセントルイス交響楽団からの125周年記念委嘱作品で、透明な響きと流れの描写が見事な作品です。 モーツァルトのピアノ協奏曲のモティーフが用いられた「フルート協奏曲」はオールソップのために書かれた各楽器の自由な対話と感傷的なメロディが魅力的な曲。初演時はオールソップが負傷していたため他の指揮者が指揮しましたが、今回はオールソップも万全の体調でこの録音に臨み、素晴らしい演奏が記録されました。 ※日本語帯なし
収録作曲家:
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ルイス(1953-):
〈4つの歌曲集〉
純真な心はどこに/変わる光
5つの愛のモテット/イシュ川による3つの歌 [ニューヨーク・ヴィルトゥオーゾ・シンガーズ・クァルテット/エイブラハム/ナルッキ/ルイス]LEWIS, P.S.: 4 Cycles (The) (The New York Virtuoso Singers Quartet, Abraham, Narucki, Lewis)
発売日:2016年08月26日 NMLアルバム番号:8.559815
CD価格:1,600円(税込)
サンフランシスコに拠点を置く作曲家ルイス(1953-)のユニークな歌曲集。彼の深い表現力を見せつけるかのような音楽は世界中から需要があり、数多くのオーケストラ、室内アンサンブル、ソリストから作品を委嘱されています。 このアルバムには4つの歌曲集が収録されており、そのどれもがユニークな光を放っています。「純真な心はどこに」は彼の親友の詩人、ロバート・スンドの詩に基づく歌曲集で、もともとはメゾ・ソプラノと室内オーケストラのために書かれた曲ですが、ここではピアノと歌のデュオに作り替えたものが歌われます。「変わる光」はもともと24人の歌手とマリンバ、弦楽四重奏のための作品。ここでは更に切り詰めた編成で歌われます。自身の詩による「5つの愛のモテット」は最近の作品。「イシュ川による3つの歌」はシアトルのインティ劇場の委嘱作。ギターとソプラノによるシンプルでユニークな歌曲です。 ※日本語帯なし
収録作曲家:
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コリリアーノ(1938-):
交響曲 第1番
トーク(1961-):
明るく青い音楽
コープランド(1900-1990):
バレエ組曲「アパラチアの春」 [ナショナル祝祭管/ミラー]CORIGLIANO, JR. J.: Symphony No. 1 / TORKE, M.: Bright Blue Music / COPLAND, A.: Appalachian Spring Suite (D.A. Miller)
発売日:2016年07月27日 NMLアルバム番号:8.559782
CD価格:1,600円(税込)
近現代アメリカの3人の作曲家をフィーチャーした作品集。演奏している「ナショナル・オーケストラ・インスティトゥート・フィルハーモニック」は、毎年6月にメリーランド大学で開催するコンサートのために、世界中から厳しいオーディションを経て集められた音楽家たちのアンサンブルです。 亡き友人たちの思い出のために書かれたというコリリアーノの交響曲第1番は、怒りと不満の感情の炸裂でありながらも、遠くから聞こえてくる「アルベニスのタンゴ」(これは友人の一人のお気に入りだった曲)が絶妙な雰囲気を醸し出すというユニークな第1楽章で始まります。 タイトル通りの明るさを持つマイケル・トークの「明るく青い音楽」、そして良く知られる「アパラチアの春」と、いかにも20世紀のアメリカという感じを表している1枚です。
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ドミンゲス(1971-):
バレエ音楽「ホアキン・ムリエタの伝説」 [サンティアゴ・フィル/ドミンゲス]DOMÍNGUEZ, J.L.: Legend of Joaquín Murieta (The) [Ballet] (Santiago Philharmonic, J.L Domínguez)
発売日:2016年07月27日 NMLアルバム番号:8.573515-16
CD 2枚組価格:2,500円(税込)
現在のチリで高い人気を誇っている作曲家、ホセ・ルイス・ドミンゲス(1971-)。彼はサンティアゴの市立劇場で10年以上に渡りレジデント・コンダクターを務め、歌劇やバレエの制作にも関与しています。幾つかの短い作品や委嘱作を完成させた後、2008年に“オーケストレーションの練習”として「交響曲」の作曲を決意します。しかし、劇場とのプロジェクトの計画もあり、その決意は交響曲から長大なバレエ作品へと変更せざるをえませんでした。バレエの題材となったのは、19世紀半ば、メキシコに生まれカリフォルニアで名を轟かせた山賊ホアキン・ムリエタ。様々な小説や映画にも登場する人物です。 ドミンゲスは、その生涯の様々なエピソードをインスピレーション豊かな音楽に仕上げ、聴き手に、まるで映画を見ているような楽しさを与えます。
収録作曲家:
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ボウルズ(1910-1999):
ピアノ作品全集 第2集 [インヴェンシア・ピアノ・デュオ]BOWLES, P.: Piano Works (Complete), Vol. 2 (Invencia Piano Duo)
発売日:2016年06月29日 NMLアルバム番号:8.559787
CD価格:1,600円(税込)
アメリカの小説家、作曲家ポール・ボウルズ(1910-1999)のピアノ作品集第2集。前作の第1集(8559786)と同様に、ここでもユニークな作品が並びます。彼は人生の大半をモロッコのタンジールで過ごし、この地での経験を元にした長編小説で人気を博しました。とりわけ最初に書いた「極地の空」はベストセラーを記録、こちらは映画「シェルタリング・スカイ」の原作になり一層知られるようになりました。その上、彼はモロッコの伝承物語の英訳にも力を注いでいますし、またアフリカの民俗音楽の研究家でもありました。 そんな彼の音楽は、時にはシリアス、時にはジャズやラテンの雰囲気を持つ興味深いものばかりなのですが、残念なことに作品の管理がきちんとできておらず、その作品の多くは失われてしまい、また忘れ去られてしまったのです。しかし研究家アイリーン・ハーマンのおかげで、残された作品のほとんどを探し出すことに成功、ようやくCD2枚分の音楽が日の目を見ることになりました。もちろん初録音も多数含まれる貴重な作品集です。
収録作曲家:
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トンプソン(1899-1984):
レクイエム [フィラデルフィア・シンガーズ/ヘイズ]THOMPSON, R.: Requiem (Philadelphia Singers, Hayes)
発売日:2016年06月29日 NMLアルバム番号:8.559789
CD価格:1,600円(税込)
ランダル・トンプソン(1899-1984)はアメリカの合唱作曲家ですが、アメリカ国内でもよほどの合唱好きでない限り、その名を知っている人はいません。ニューヨークで生まれ、ハーバード大学を卒業、ウェルズリー大学で音楽科の助教授を務めながら合唱指揮者になり、幾つかの大学で後進の指導にあたりました。なかでもハーバード大学で教えていたときの弟子の一人がレナード・バーンスタインであったことは、彼のキャリアの中でも大切な出来事でした。その生涯に数多くの合唱曲を遺しましたが、彼がこの世を去って30年以上を経ても、その中で歌われるのは1941年に作曲された「ハレルヤ」(クーセヴィッツキーからの委嘱作品)のみ、というのはちょっと残念なことかもしれません。 この「レクイエム」は彼の個人的な体験・・・親しい友人や同僚を亡くす・・・に起因して書かれたもので、アカペラの二重合唱による5つの場面で構成された全曲は非常に劇的であり、合唱のグループの一つは常に「愛する人の喪失を嘆く会葬者」、もう一つのグループは「会葬者を慰め、現実に戻るように説得する視点」で歌っていくように書かれています。曲自体は調性感を持ち、時には壮麗なフーガを形成、「死者の安息を祈る」という通常のレクイエムの概念とは異なる作品です。
収録作曲家:
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ボウルズ(1910-1999):
〈ピアノ作品全集 第1集〉 [インヴェンシア・ピアノ・デュオ]BOWLES, P.: Piano Works (Complete), Vol. 1 (Invencia Piano Duo)
発売日:2016年05月25日 NMLアルバム番号:8.559786
CD価格:1,600円(税込)
ポール・ボウルズ(1910-1999)はアメリカ合衆国の作曲家、そして作家、翻訳家というマルチな才能を持った人です。幼い頃から本を読み、自分でも物語や詩を作り始めます。同時にピアノ、声楽、音楽理論を学び、15歳の時にはカーネギー・ホールで「火の鳥」を聴き衝撃を受けたのだそうです。当時の前衛音楽にも影響を受け、一時はアーロン・コープランドに作曲を師事。結局は様々なスタイルを身につけ、独自の作風を作り上げるに至った人です。 そんなボウルズの作品はやはりどれもウィットに富んだもので、ラグタイム風の「4つのラテンアメリカ小品集」からなかなか面白いものとなっています。時にはブルース、時にはゴスペルを取り込んだ作品は、まさにアメリカの秘曲と言えるでしょう。とにかく楽しい1枚です。※日本語帯なし
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タワー(1938-):
弦楽四重奏曲 第3番‐第5番 [ダエダルス弦楽四重奏団/マイアミ弦楽四重奏団/マクミラン]TOWER, J.: String Quartets Nos. 3-5 / Dumbarton Quintet (Daedalus Quartet, Miami String Quartet, McMillen)
発売日:2016年05月25日 NMLアルバム番号:8.559795
CD価格:1,600円(税込)
アメリカの現代作曲家ジョーン・タワー(1938-)の作品集です。彼女は武満徹やブーレーズなど錚々たる作曲家が名を連ねる「グロマイヤー賞」を獲得した最初の女性として(作曲部門)世界中で高く評価されています。もともと優れたピアニストである彼女は、最近とりわけ室内楽作品に力を入れています。 このアルバムに収録された4つの作品はそれぞれ、色々な団体からの委嘱作ですが、どの作品にも彼女の思い入れが存分に込められています。第5番の弦楽四重奏のタイトルである「ホワイト・ウォーター」は、水というものがどれほど人に影響を与えているかをグリッサンドで表現しているのだそうです。第3番の「白熱」は、曲の内部から熱を発するようにという意味があります。第4番「天使」には彼女の弟が病に倒れた時の、周囲への感謝が込められています。最後の「ダンバートン五重奏」には、タイトルの通りダンバートン・オークス財団からの委嘱作です。どの曲も様々なアイデアが集積された興味深いものとなっています。※日本語帯なし
収録作曲家:
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ケージ(1912-1992):
フルート作品全集 第2集 [ツェンツ]CAGE, J.: Flute Works (Complete), Vol. 2 (Zenz)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:8.559774
CD価格:1,600円(税込)
大好評を博した第1集に続く、ジョン・ケージ(1912-1992)のフルート作品集の第2集です。ここに収録された作品でも、やはり西洋音楽の伝統とは一線を画した“独創的なアイデア”が至るところに散らばっています。第1曲目の「ソロ」はもともと「ピアノとオーケストラのためのコンサート」の一部分ですが(133-144ページ)、極めて自由度が高く、84タイプの演奏が可能であり、ここにはスコアは存在しません。デュエットでもトリオでも演奏可能であり、かかる時間も演奏中に奏者によって決定されるというものです。ここでは指定された3つの楽器と多数のパーカッションの響きが融合し、沈黙を重視した表現力豊かなフレーズが展開されていくという展開になっています。 ケージの初期の作品である「小インヴェンション」はもう少し旋律的ですが、ここでも緻密に計算された音楽を聴くことができます。6つの部分にわかれ、それぞれ切れ切れのモティーフが一定の距離を保ちながら繰り返されていくという面白い作品です。「3声のためのコンポジション」は更に初期の作品で、半音階的なフレーズが絶妙な対位法によって展開されていきます。「2声のためのソナタ」も同傾向の作品です。 最後に置かれた「ヒムンクスHymnkus」は彼が好んだ2つの言葉をつなげた造語のタイトルで、賛美歌(Hymn)と俳句(Haikus)がモティーフとなっています。俳句にちなんで17という数字と、完全5度で表される賛美歌(と言ってもかなり抽象的)を、一定の間隔で繰り返し、不思議な響きが生まれるという作品です。理解するより聴いたほうが早いような気がします。
収録作曲家:
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フェイルーズ(1985-):
歌曲集「ノー・オルフェウス」 [リンゼイ/ダフィ/バーケット]FAIROUZ, M.: Songs (No Orpheus) (Lindsey, Duffy, Burchett)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:8.559783
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)最近、世界中で高い評価を受けているアラブ系アメリカ人作曲家フェイルーズ(1985-)。このアルバムには彼のこれまでの10年間に書かれた声楽のうちのいくつかが収録されています。もっとも古い作品は2005年の「さらわれた子供」で、最も最近の作品は2014年の「アナベル・リー」となります。使われた詩の中で最も古いものはイブン・ハファージャのアラビア語の「同性愛」について書かれたもの、そして最新の詩は2006年の「ドイツのロマンティックな歌」となります。 「全ての人間」はあのアルマ・マーラーの日記から取られた言葉が歌われているという興味深い曲集、ここで表現力豊かな歌唱を聞かせるケイト・リンゼイとフェイルーズとの2番目の共同作業となったものです(最初の仕事はオーデンの詩を用いた「亡命者のブルース」です)。 「ノー・オルフェウス」はフェイルーズの祖母の思い出として。このように様々なテキストを用いて書かれたこれらの歌は、ほんの少しの親しみやすさと深い感情を伴い、聴き手の心に直接訴えかけてくるのです。堅苦しい現代音楽ではなく、もっと柔らかい肌触りのする音楽といえるでしょう。
収録作曲家:
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モラヴェック(1957-):
ヴァイオリン協奏曲
尺八五重奏曲他 [バックマン/シュレファー/ゴスリング/ヴォザール弦楽四重奏団/シンフォニー・イン・C/ミラノフ]MORAVEC, P.: Violin Concerto / Shakuhachi Quintet / Equilibrium (M. Bachmann, Schlefer, Gosling, Voxare String Quartet, Symphony in C, Milanov)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:8.559797
CD価格:1,600円(税込)
1957年、ニューヨークに生まれた作曲家モラヴェック(1957-)は、幼い頃に少年合唱団に所属し、バッハ作品の素晴らしさに目覚めたといいます。ハーバード大学を経て、コロンビア大学で大学院の研究に携わり、その後ダートマス大学、ハンター大学を経て1987年に博士号を取得しています。彼はとても多作であり、最近はオペラも手掛けるなど多方面にわたって活躍しています。 このアルバムには、彼の最も優れた作品の一つである「ヴァイオリン協奏曲」と、一風変わった「尺八協奏曲」、そして2つの小品が収録されています。ヴァイオリン協奏曲を演奏しているバックマンはこの曲の初演者であり、困難な技巧を伴うパッセージをいとも易々と弾きこなしています。 また日本の伝統音楽に興味を抱いているモラヴェックは和楽器と西洋音楽の融合を目指し、「Kyo-Shin-An Arts」のために「尺八五重奏曲」を書きました。最初は弦のみのロマンティックな音楽ですが、そこに尺八の音色が加わると不思議な風景が目の前に広がります。 「エクリブリウム」はこのアルバムのために書かれた作品で、彼が尊敬するバッハのシャコンヌを思わせる部分もあります。最後の曲は、マリア・バックマンが2004年に結婚した際のお祝いとして書かれたもので、まるでクライスラーの作品のような親密で優しい音楽です。これは彼の中でも特別な作品なので、普段の作風とは全く違うものであることをご承知置きくださいね。
収録作曲家:
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シエッラ(1953-):
シンフォニア 第3番「ラ・サルサ」
悲しみの沈黙を越えて
ボリケン/エル・バイレ [グート/プエルト・リコ響/バルデス]SIERRA, R.: Sinfonia No. 3, "La Salsa" / Beyond the Silence of Sorrow / Borikén / El Baile (Guth, Puerto Rico Symphony, M. Valdés)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:8.559817
CD価格:1,600円(税込)
プエルト・リコ出身の作曲家シエッラ(1953-)のめちゃくちゃカッコイイ「ラ・サルサ」をお届けいたします。シンフォニア第4番(8.559738)でも、スペインの伝統を受け継いだ情熱的で挑戦的な作品を聴くことができましたが、今回のシンフォニア第3番は一層はじけています。各々の楽章に付されたタイトルをごらんください。まさにお祭り騒ぎ!この曲は2005年、ミルウォーキー交響楽団の委嘱によって書かれたもので、ニューヨークの熱気とカリブ伝統のサルサのリズムが溶け合う何とも楽しい曲なのです。 「ボリケン」と「エル・バイレ」はシャコンヌの形式で書かれた一種の変奏曲。とは言え、その語法は現代的であり、もちろん熱狂的なリズムに支配されています。N.スコット・モマディのテキストを用いた歌曲集「悲しみの沈黙を越えて」はネイティブ・アメリカンの部族の文化と愛情を歌ったもので、ここでは先ほどの「シンフォニア」ようなリズムの応酬はあまりなく、真摯で愛に満ちた響きと叙情性が漲っています。
収録作曲家:
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スーザ(1854-1932):
〈吹奏楽のための作品集 第15集〉 [オランダ王立海軍軍楽隊/ブライオン]SOUSA, J.P.: Music for Wind Band, Vol. 15 (Marine Band of the Royal Netherlands Navy, Brion)
発売日:2015年12月23日 NMLアルバム番号:8.559745
CD価格:1,600円(税込)
“マーチ王”フィリップ・スーザ(1854-1932)の膨大な作品をくまなく録音している指揮者ブライオンによる第15集のアルバムはオランダ王立海軍軍楽隊を率いての演奏です。今作にも世界初録音の曲が含まれるなど、ファンにとっても嬉しいものとなっています。20世紀末前後のアメリカで、驚くべき人気を得たスーザ・バンドは7年間で3500回ものコンサートをこなしながら常にレパートリーを拡大し、また楽器編成もハープを加えるなど多彩なものとなっていきます。 時には社会情勢を反映し、時々のエピソードも盛り込みながら書かれた行進曲やオペレッタは実にユニークで洗練されたものであり、こんなことまで題材にするのかと驚いてしまうのではないでしょうか? トラック7の「ショパンの夜想曲」の吹奏楽版の編曲では、舞台裏に金管楽器を配置し、夢のような響きを紡ぎだしていますし、収録曲の中で一番長い(13分を越える)トラック3の「バンド・ケイム・バック」には「幻想的エピソード」の副題がつけられていて、途中には聞き覚えのあるメロディがいくつも聞こえてくるなど凝った作りになっています。 この大人気シリーズも、残り1作を数えるのみになりました。ぜひお楽しみください。
収録作曲家:
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ケージ(1912-1992):
〈フルート作品全集 第1集〉
龍安寺/Two/フルート二重奏のための3つの小品/2人のための音楽 [ゼンツ]CAGE, J.: Flute Works (Complete), Vol. 1 (Zenz)
発売日:2015年12月23日 NMLアルバム番号:8.559773
CD価格:1,600円(税込)
東洋思想を愛し、沈黙を考察し、内なる響きに耳を傾けた人、ジョン・ケージ(1912-1992)。彼の飽くなき探究心から生まれた特異な「音楽」は、21世紀の現在でも論争を巻き起こし、また彼に追随する人も後を絶ちません。 彼の“音の出る”代表作の一つ「龍安寺」は、切り詰めた音の隙間から感じられる無限の空間と、極限の禅の精神を具現化したものとされるもので、ここからは実際の砂の流れを感じるもよし、人生の侘び寂びを感じるもよしと、それぞれの捉え方ができる作品です。ナンバー・ピースと呼ばれる作品群ははたくさんのヴァリエーションがあり、このフルートとピアノ版の「TWO」が記念すべき第1作となったものです。3つの音だけで構成されたフルートパートと、シンプルな和音を置いていくピアノパートが幽玄な世界を描き出します。 初期の作品である「3つの小品」はケージらしからぬ旋律的な作品。2人のための音楽は、「Music for …」のシリーズの中の一作品。スコアはなく、音声や楽器のための17の部分から構成されており、各部は沈黙と静寂が支配するという観念的な作品です。このような作品は、理解するのではなく感じるものなのかもしれません。
収録作曲家:
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ボルコム(1938-):
ロルカの歌
プロメテウス [バーベラ/ビーゲル/パシフィック・コラール&交響楽団/セント・クレア]BOLCOM, W.: Canciones de Lorca / Prometheus (R. Barbera, Biegel, Pacific Chorale and Symphony, St. Clair)
発売日:2015年12月23日 NMLアルバム番号:8.559788
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)ピューリッツァー賞と複数のグラミー賞を受賞したアメリカの作曲家、ウィリアム・ボルコム(1938-)はラグタイムをはじめとした親しみやすい音楽を多く書いています。しかし彼は音楽学者でもあり、またクラシック音楽の作曲家としても高名であり、例えば「ゴスペル・プレリュード」(8.559695)や2台ピアノのための音楽集(8.559244)などでの豊かな音楽は確かにジャンルを越えて愛されるものなのです。 とは言え、ここでのボルコムは極めてシリアスな表情を見せています。日本でも人気の高いスペインの詩人、フェデリコ・ガルシア・ロルカの作品は多くの芸術家に広範に渡ってインスピレーションを与えていますが、ボルコムはロルカの詩を音楽にするにあたって、名歌手プラシド・ドミンゴに協力を求め、議論を重ね、最もふさわしいと思える音楽をつけたと言います。シュールなユーモア、情熱とミステリー。これらが渾然一体となった印象的な歌曲集です。 また古代の伝説から題材を得た「プロメテウス」はベートーヴェンの「合唱幻想曲」を思わせるピアノ、合唱、オーケストラのための作品です。人類に火を与えたため、ゼウスから限りない苦悩を与えられたプロメテウスを描いたというこの作品には、様々な示唆が込められているのです。
収録作曲家:
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コーリー(1943-):
ものがあり/弦楽四重奏曲 第3番
祝婚歌/ヴァイオリン・ソナタ/幻想曲/祝辞 [ローゼンフェルド/ゴスリング/マコンバー]CORY, E.: Things Are / String Quartet No. 3 / Epithalamium / Violin Sonata No. 1 / Celebration / Fantasy (Rosenfeld, Gosling, Macomber)
発売日:2015年11月25日 NMLアルバム番号:8.559784
CD価格:1,600円(税込)
アメリカの女性作曲家、エレアノール・コーリー(1943-)の作品集です。彼女の作品は全米だけでなく、世界中で演奏され、そのユニークでエレガントな作風が絶賛されています。その作品には基本的に無調が採用されていますが、時にはジャズの風味を効かせたり、流れの中でタンゴになったりと、時にはっとするような美しい瞬間が組み込まれていたりします。冒頭の作品、フルートとピアノのアンサンブルである「Things Are - ものがあり」でも、不定形な和声の中に瞬間的に降りてくる親しみやすい旋律を見つけることが快感に変わるでしょう。 3楽章形式を持つ「弦楽四重奏 第3番」の第1楽章に現れるフーガはまるでウェーベルンのような雰囲気を持っていますし、自身のために書いたという「祝婚歌」はフルートの自由自在なパッセージに耳を奪われます。抒情的なヴァイオリン・ソロに導かれる「ヴァイオリン・ソナタ」での予想外の展開も面白く、やはりジャズと無調の融合である「ピアノのための祝辞」や「幻想曲」の浮遊する響きもたまりません。
収録作曲家:
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ソウル(1954-):
キエフ2014
ヴァイオリン協奏曲
祝典序曲/クリスマス交響曲/変容 [リュウ・ロンフェ/バスウェル/ソール/ウクライナ国立響/クチャル]SAUL, W.: Kiev 2014 / Violin Concerto / Overture for the Jubilee (Rong-Huey Liu, Buswell, Saul, Ukraine National Symphony, Kuchar)
発売日:2015年11月25日 NMLアルバム番号:8.559791
CD価格:1,600円(税込)
デューク大学とイーストマン音楽学校で学んだ作曲家、ピアニスト、ウォルター・ソウル(1954-)の作品集です。彼の作品には独自の宗教性が宿っていて、例えばこのアルバムに収録された「クリスマス交響曲」も、よくある華やかさや喜びの追求だけではなく、キリスト降誕にまつわる4つの重要な情景が静かに描かれているのです。「キエフ2014」は激動のウクライナに向けて書かれた最新作で、虐殺された者への哀悼、紛争を乗り越えるための希望と、キリストへの信仰が仄めかされ、最後には高らかな勝利への賛歌が奏されるのです。 「ヴァイオリン協奏曲」にも三位一体やキリストの12使徒などが暗示され、やはり最後は複雑なフーガで大いなる神への賞賛を表現しています。奴隷制度廃止に尽力した第6代アメリカ大統領ジョン・クインシー・アダムスを讃えての「祝典序曲」でも神への感謝が示されるなど、全てにおいて彼の作品は、神と一体化しているのです。
収録作曲家:
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バーンスタイン(1918-1990):
交響曲 第3番「カディッシュ」 他 [ワシントン合唱団/サンパウロ交響合唱団/ボルティモア響/オールソップ]BERNSTEIN, L.: Symphony No. 3, "Kaddish" / Missa Brevis / The Lark (Washington Chorus, São Paulo Symphony Chorus, Baltimore Symphony, Alsop)
発売日:2015年10月28日 NMLアルバム番号:8.559742
CD価格:1,600円(税込)
20世紀の偉大なる指揮者、作曲家バーンスタイン(1918-1990)。彼の残した録音と作品は、数多くのエピソードとともに永遠に後世に語り継がれていくことでしょう。 このアルバムには、声楽を用いた3つの作品が収録されています。1955年「キャンディード」の脚本を書いたリリアン・ヘルマンがバーンスタインにフランスの劇作家ジャン・アヌイの劇「ひばり」の付随音楽を依頼しました。これは祖国愛に燃えるジャンヌ・ダルクを主人公にしたもので、バーンスタインはこの物語に、ボーイソプラノのソロを含む独唱者、ナレーター、合唱、鐘、パーカッションという多彩な響きを齎す音楽をつけたのです。 いくつかのトラブルはあったものの、録音までこぎつけたこの「ひばり」ですが、結局はお蔵入りになってしまい、33年という年月を経て、全く新しい「ミサ・ブレヴィス」に作り直されたのです(重要な役割を果たすナレーターは名女優クレア・ブルームが担当しています)。このアルバムでは「ひばり」も聴くことができるので、比較してみてください。 交響曲第3番「カディッシュ」はジョン.F.ケネディのレクイエムとして捧げられた問題作で、「聖なるもの」という意味を有しています。とりわけユダヤの人々にとって大切な言葉であり、バーンスタインはこの曲に多くの思いを込めているのです。通常は1977年に改訂された版が演奏されますが、指揮者オールソップはあえて大胆なカットが施される以前のオリジナル版を演奏。そのため語りの部分の比重が高まっています。
収録作曲家:
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グラス(1937-):
弦楽四重奏曲 第5番
魔人ドラキュラから「組曲」
弦楽六重奏曲 [カードゥッチ弦楽四重奏団/オドゥイル/ローズフィールド]GLASS, P.: String Quartet No. 5 / Dracula (excerpts) / String Sextet (Carducci String Quartet, O'Duill, Rosefield)
発売日:2015年10月28日 NMLアルバム番号:8.559766
CD価格:1,600円(税込)
変幻自在でありながらも、幾分、強迫観念的な響きを持つフィリップ・グラス(1937-)の音楽。一度はまると容易には抜け出せないほどの麻薬的な魅力があり、多くの人々がその虜になっています。 第1番から第4番の四重奏曲の演奏(8.559636)で高く評価されたカードゥッチ弦楽四重奏団によるこのアルバムでは、伝統的な形式のなかに特有のミニマリズムを内包した「第5番」の四重奏曲と、1931年に製作されたサイレント映画「魔人ドラキュラ」のためにグラスが作曲したサウンド・トラックからの組曲版、そして本来は弦楽合奏のために書かれた「交響曲第3番」をライズマンが六重奏版に編曲したという3つの作品が収録されています。背筋がぞわぞわするような恐怖を覚える「ドラキュラ」のための音楽もそうですが、全体的に美しさが際立つ「交響曲第3番」はミニマル・ミュージックの頂点を極めたものと言えるのではないでしょうか?
収録作曲家:
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ラウズ(1937-):
ピアノ協奏曲「シーイング」
カビール讃歌集 [トレヴィーニェ/ワイス/オールバニ響/ミラー]ROUSE, C.: Seeing / Kabir Padavali (Trevigne, Weiss, Albany Symphony, Miller)
発売日:2015年10月28日 NMLアルバム番号:8.559799
CD価格:1,600円(税込)
グラミー賞とピューリッツァー賞を獲得、現在アメリカで最も知られる作曲家であるラウズ(1949-)の作品集です。1949年にボルティモアで生まれ、様々なジャンルの音楽を身につけたという彼について、ニューヨーク・タイムズ紙では「周囲の記憶に最も残る音楽を書く人」と紹介していますが、確かにそれは当たっています。1986年から1989年までボルティモア交響楽団のコンポーザー・イン・レジデンスを務め、現在ではジュリアード音楽院で作曲を教えているというラウズの作品はウィット、ジョーク、神聖な物、ロック、その他たくさんの要素で構成されているのです。 ピアノ協奏曲「シーイング」は名手エマニュエル・アックスに捧げられた作品で、“まじめな現代音楽”の中に紛れ込んでいるのは、明らかにシューマンの協奏曲の断片です。彼はシューマンが陥った精神的崩落と、1960年代のロック・グループ「モビー・グレープ」のギタリスト、スキップ・スペンスの錯乱を重ね合わせることで、この曲のアイデアを得たのだそうです。もちろん曲全体には酩酊しているような不思議な雰囲気が漂っています。 もう一つの「カビール讃歌集」というのは、名ソプラノ、ドーン・アップショウのために作曲されたもの。偉大なるインドの詩人カビールの詩に感銘を受けたラウズは、1972年に一度この詩を用いた歌曲を書いたそうですが、それは発表されず、この「讃歌集」として昇華させたといいます。難解さが知られるカビールですが、この音楽は美しいものです。
収録作曲家:
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ゴットシャルク(1829-1869):
熱帯の夜 ~ ピアノ作品集 [S. メイヤー]GOTTSCHALK, L.M.: Piano Music - A Night in the Tropics (S. Mayer)
発売日:2015年08月26日 NMLアルバム番号:8.559693
CD価格:1,600円(税込)
アメリカ合衆国の「ロマン派時代」に属する作曲家ゴットシャルク(1829-1869)。商人の父を持つ彼は、クレオール人(もともとフランス領ルイジアナへの移住者を先祖に持つ人種で独自の文化を持つ)の街に住み、幼い頃から雑多な文化に触れて育ちました。幼い頃にピアノをはじめ、11歳のときに非公式デビューを果たし、その2年後にヨーロッパへ渡り、パリ音楽院への入学を希望しますが、残念ながら拒否されてしまいます。しかし、その時にベルリオーズやショパンと会い、賛辞を得ています。1853年に帰国し、その後は中南米で活躍、その地の音楽やカリブ海沿岸の民俗音楽をベースにしたリズミカルなピアノ曲を150曲近く作曲しました。 情熱的なリズムと、ショパン的とも言える抒情的な旋律の融合が、単なるサロン音楽の粋を越えた上質な作品として、現代の聴き手の耳を捉えて離しません。特にトラック4の子守歌は、これまでゴッドシャルクの音楽におけるイメージ…明るい開放感…を覆すほどのしっとりとしたものです。もちろん、ピアニスト、メイヤーによる「熱帯の夜」のピアノ版は、その開放感と情熱において、全ての人々の期待にしっかり応えています。
収録作曲家:
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ヴィラ=ロボス(1887-1959):
ギターの写本 傑作集と失われた作品集 第3集 [ビッソーリ]VILLA-LOBOS, H.: Guitar Manuscripts (The) - Masterpieces and Lost Works, Vol. 3 (Bissoli)
発売日:2015年08月26日 NMLアルバム番号:8.573117
CD価格:1,600円(税込)
NAXOSの人気シリーズ「ヴィラ=ロボスの傑作集と失われた作品集」の第3集となります。このアルバムに収録されているのは「12の練習曲」と「実用の手引き」が中心となります。ヴィラ=ロボスが「12の練習曲」を書くきっかけとなったのは、あの伝説の名ギタリスト、アンドレス・セゴビアと出会ったことでした。セゴビアはヴィラ=ロボスに「練習曲」の作曲を依頼し、1928年に完成したのですが、なぜかヴィラ=ロボスは1953年、大幅な改訂(カット、追加、変更、運指法など)を加えてしまいました。ギタリスト、ビッソーリはこの失われた要素を研究し復元して演奏しています。 また子ども向けの教材として書かれた「実用の手引き」はピアノで演奏されることが多いものですが、ここでは民族楽器とギターのアンサンブルでひたすら楽しく演奏されています。そして、壮大な交響的エピソード「少年の凧」がこのアルバムの最後、及びシリーズの最後を恭しく飾ります。少年の揚げる色鮮やかな凧が空気中を旋回しながら、風に乗って舞う姿が見事に捉えられた映画音楽のようなスリリングな作品です。
収録作曲家:
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ポーター(1897-1966):
弦楽四重奏曲 第5番-第8番 [アイヴス弦楽四重奏団]PORTER, Q.: String Quartets, Vol. 2 - Nos. 5-8 (Ives Quartet)
発売日:2015年07月29日 NMLアルバム番号:8.559781
CD価格:1,600円(税込)
コネチカット州生まれの作曲家、クインシー・ポーター(1897-1966)は、アメリカの音楽文化を形成し、後進を導くという重大な役割を果たした人です。彼はイェール大学を卒業後、パリに留学しダンディに師事、1921年にアメリカに戻り、ブロッホにも薫陶を受けています。そして同世代の多くのアメリカ人作曲家たちがヒンデミットやストラヴィンスキーに影響を受けたように、彼もまた「新古典主義」の作風を創造の根底に置き、独自の音楽を創り上げていくのです。 第1集(8.559305)に収録された30歳代前半の作品に比べ、後半生の弦楽四重奏は、一層「新古典主義的」な味わいを持っていて、第7番や第8番では荒々しいリズムの応酬も見られるなど、とにかく絡み合う音が刺激的な、興味深い音楽を楽しむことができます。その第7番は高名な慈善家、エリザベス・スプラーグ・クーリッジに捧げられています。20世紀前半の多彩な音楽の一つの形がここにあります。
収録作曲家:
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ス・チャユ(1975-):
ジャーニーズ ~ 室内楽作品集 [カーティス音楽学校&フィラデルフィア管のメンバー/チオンピ四重奏団]CHIAYU: Journey to the West / Urban Sketches / 12 Signs (Members of the Curtis Institute of Music and Philadelphia Orchestra, The Ciompi Quartet)
発売日:2015年06月24日 NMLアルバム番号:8.559713
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)カーティス音楽学校&フィラデルフィア管のメンバーによる刺激的な演奏で聴く、台湾の女性作曲家ス・チャユの作品集です。台湾で生まれ、デューク大学で音楽を学んだ彼女は台湾の起源や伝統を根底に置いた上で、新しいリズムパターンや音色効果を付け加えていくというやり方で曲を構築していて、これが何とも楽しく、また革新的なイメージを与えるのです。 第1曲目の「アーバン・スケッチ」で描かれているのは、エネルギッシュなニューヨークの風景です。時にはジャズ風、またラテン風といったリズムに乗って、笛やサイレン、ブレーキ、ドリルなどの様々な音(時には電子も含む)が舞い踊ります。野生動物の生活からインスパイアされたハープ作品「ファン」、誰もが知っている「西遊記」から題材をとった3つの小品、「12のサイン」は、実は十二支を題材にしており、最後の「ぶた」は日本ではイノシシとなるはずです。なかなかユーモラスな音楽です。はじけるような「スパークル」、デューク大学の対位法コースの一環として書かれた「Zhi-志」は十二音を駆使した実験的で複雑な曲。複雑な音の絡み合いが面白い作品です。
収録作曲家:
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タワー(1938-):
ヴァイオリン協奏曲
ストローク
チェンバー・ダンス [チョーリャン・リン/ナッシュヴィル響/ゲレーロ]TOWER, J.: Violin Concerto / Stroke / Chamber Dance (Cho-Liang Lin, Nashville Symphony, Guerrero)
発売日:2015年06月24日 NMLアルバム番号:8.559775
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)アメリカを代表する女性作曲家、ジョーン・タワー(1938-)。彼女はニューヨークのニューロシェルで生まれましたが、9歳の時に家族がラパス、ボリビアに引越したため、少女時代をこの地で過ごしています。この地で過ごした経験は彼女に強い影響を与え、特に打楽器の使い方には独特の感性を見せることとなります。高校生のときにアメリカに戻り、ベニントン・カレッジに入学、その後コロンビア大学で芸術の博士号を取得します。この時期にたくさんの先人たちの音楽の影響を吸収することで、より柔軟なスタイルと作風を構築したのです。彼女は現代音楽を積極的に促進し、自身の作品を発表するために「DA CAPOプレーヤーズ」を設立し、多くの作品を演奏し続けています。 このアルバムには比較的最近の3つの作品が収録されています。「ストローク」は彼女の弟(病気のために半身不随)に捧げられた曲で、病に対する怒りが込められたという幾分感情的な作品です。ヴァイオリン協奏曲は、名ヴァイオリニスト、エルマー・オリベイラのために書かれた曲で、印象派風の部分とジャズ風の部分が入り混じる面白い作品です。「チェンバー・ダンス」はオルフェウス室内管弦楽団の委嘱作で、「指揮者を持たないアンサンブル」として知られる彼らの妙技を存分に生かしたコンパクトな作品です。どの曲も明快な筆致と色彩豊かな響きを持つ、アメリカ現代を代表する名作と言えるでしょう。
収録作曲家:
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カーニス(1960-):
3つの味
鐘を伴う2つの楽章
スーパー・スター練習曲 第3番 [ルッソ/エーネス/オールバニ響/ミラー]KERNIS, A.J.: 3 Flavors / 2 Movements (with Bells) / Ballad(e) out of the Blue(s), "Superstar Etude No. 3" (Russo, Ehnes, Albany Symphony, Miller)
発売日:2015年05月27日 NMLアルバム番号:8.559711
CD-R価格:1,600円(税込)
アメリカ、フィラデルフィア生まれの作曲家アーロン・ジェイ・カーニス(1960-)は、同世代の作曲家の中でも最も重要な位置を占める一人とされています。様々な賞を獲得していますが、中でも2002年のグロマイヤー賞を最年少で受賞したことは大きな話題となりました。彼の作品は「新調性音楽」として分類され、これは20世紀を席巻した無調、12音音楽のような難解な旋律ではなく聞きやすく耳になじみやすい旋律を追求したもので、古典的な作曲技法を下敷きにした上で、新たな方向を模索するという、現代人にとっても、ある意味親しみやすい音楽なのです。 「3つの味」は彼が外食するとき、色々な味を楽しみたいという気持ちをそのまま音にした作品で、もともとはトイピアノのために書かれています。ここではグランドピアノのために改編されたヴァージョンが演奏されています。いらいらするような「オスティナート」、ペルト作品を思わせる「子守歌」、ジャズ風味の「青い渦巻き」とエキセントリックでラジカルな音楽です。ヴァイオリニスト、エーネスと、カーニスの父の思い出のために書かれた「2つの楽章」、ガーシュウインのオマージュである練習曲第3番。どうぞ、じっくり聞いてください。
収録作曲家:
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ヴィラ=ロボス(1887-1959):
交響曲 第12番
バレエ音楽「ウイラプルー」/マンドゥ=サララ [サンパウロ響/カラブチェフスキー]VILLA-LOBOS, H.: Symphony No. 12 / Uirapuru / Mandu-çarará (Sao Paulo Symphony, Karabtchevsky)
発売日:2015年05月27日 NMLアルバム番号:8.573451
CD価格:1,600円(税込)
ヴィラ=ロボス(1887-1959)の最後の交響曲である第12番は、彼の70歳の誕生日に完成させたもの。その翌年にワシントン・ナショナル交響楽団によって初演され、大好評を博しました。シュトックハウゼンやカーゲルらが電子音楽やミュージック・コンクレートなどを模索していた時代に、このようなメロディックで壮大な作品は、若干時代遅れの感もありましたが、ロシアなどでは伝統に回帰する試みも起こったりと、この作品が却って当時の作曲家たちの創作意欲を刺激したであろうことも間違いありません。湧き上がるように快活な第1楽章、ワーグナーのトリスタンを思わせる静かで神秘的な第2楽章、短くとも印象的な第3楽章、熱情的で大胆な終楽章と、確かに交響曲の伝統に則りながらも、革新的な味わいを持つ見事な作品です。 「魔法の島」という意味を持つ野趣溢れるバレエ音楽「ウイラプルー」、エキサイティングなカンタータ「マンドゥ=サララ」(かなり内容は強烈!)と、この1枚でヴィラ=ロボスの魅力をじっくり味わうことができるでしょう。
収録作曲家:
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ペイン(1839-1906):
管弦楽作品集 第2集
交響曲 第2番「春に」
暴君オイディプス王 - 前奏曲
ポセイドンとアンフィトリテ [アルスター管/ファレッタ]PAINE, J.K.: Orchestral Works, Vol. 2 - Symphony No. 2 / Oedipus Tyrannus: Prelude / Poseidon and Amphitrite (Ulster Orchestra, Falletta)
発売日:2015年04月22日 NMLアルバム番号:8.559748
CD価格:1,600円(税込)
管弦楽作品集第1集(8.559747)で、その強烈な魅力を存分に見せ付けた作曲家ジョン・ノウルズ・ペイン(1839-1906)。彼はアメリカ独自の音楽を構築した作曲家たち、A.フット、E.ビーチやE.マクダウェル、そしてA.コープランドたちの先駆者であり、ヨーロッパとアメリカの架け橋でもあるのです。ポートランドの楽器商の息子として生まれた彼は、まずドイツ移民の音楽家から音楽を学び、その後ドイツに留学します。1870年代にはアメリカで最初の大学用の音楽カリキュラムを開発し、数々の音楽家を育て上げる基盤を作るのです。 彼自身の作品は、聞いていただくとわかるように、シューマンやブラームスの影響を強く受けたもので、特に「交響曲第2番」はもともとベルリンで初演を行う心つもりで書いたものですが、結局は実現せず(その時は第1交響曲が演奏された)、1880年3月にボストンで初演されました。これは大成功を収め、アメリカの管弦楽作品として始めて印刷されたものです。音楽的に洗練され、優雅なメロディに満たされたこの作品、第2楽章の力強いスケルツォなどは、同時代のロマン派の作品と比べても、全く遜色のない素晴らしいものです。2つの管弦楽作品も聞き所たっぷり。再評価が待たれる作曲家です。
収録作曲家:
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バーンスタイン(1918-1990):
ピアノ作品集
13のアニヴァーサリー
ピアノ・ソナタ/7つのアニヴァーサリー
踊りのための音楽 第2番/ノン・トロッポプレスト [ドッシン]BERNSTEIN, L.: Piano Music - Anniversaries / Piano Sonata / Music for the Dance No. 2 / Non Troppo Presto (Dossin)
発売日:2015年04月22日 NMLアルバム番号:8.559756
CD価格:1,600円(税込)
バーンスタイン(1918-1990)というと、作曲家としても指揮者としても、どうしても派手で熱いパフォーマンスばかりが思い浮かびがちですが、実はこんなに簡潔で美しく、刺激的な作品も書いていたのです。とは言え、世界中に親しい友人を持っていた彼のこと、これらの作品のほとんどはそんな人たちのために書かれているのです。彼による「アニヴァーサリー=記念日の音楽集」は4つのシリーズがそれぞれ1944年、1948年、1964年、1989年に出版されていて、このアルバムには最初と最後のシリーズが収録されています。 「13のアニヴァーサリー」は1960年代から1980年代までの長いスパンに書かれた曲であり、これらの作品は他のいくつもの曲と関連性があり、またその後の作品にリサイクルされています(例えばトラック21の「エレン・ゲッツの追悼のために」は、後に“アリアとバルカロール”で再現されました)。この小さな作品に、バーンスタインの情熱が溢れていると思うと、ついつい聞き入ってしまうのではないでしょうか? またこのアルバムには、世界初録音である、初期に書かれた2つの作品も収録されています。
収録作曲家:
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ロックバーグ(1918-2005):
フルート作品全集 第1集
カプリース変奏曲
浮世絵 III「2つの世界の間に」
浮世絵 II「秋の緩やかな炎」 [ジェニングス/ジョンソン/ハン]ROCHBERG, G.: Flute Music (Complete), Vol. 1 (C. Jennings, Johnson, J. Han)
発売日:2015年04月22日 NMLアルバム番号:8.559776
CD-R価格:1,600円(税込)
もともとロックバーグ(1918-2005)が日本で知られるようになったのは、「カノン変奏曲」の流行からでしょうか。あの名曲が少しずつ形を変えていく過程は、ぞくぞくするほどに刺激的でした。彼の作品のいくつかは同じような形態をもっており、この「カプリース変奏曲」も同じ世界に属するものです。もともとパガニーニの主題と50の変奏から出来ているヴァイオリンのための曲ですが、今回フルーティストのジェニングスがいくつかを選び出してフルートのために編曲し、これを演奏しています(彼女の父アンドリューは、コンコード弦楽四重奏団の第2ヴァイオリニストで、ロックバーグはこのアンサンブルのためにいくつかの作品を書いていたこともあり、彼女は幼い頃からロックバーグ作品に愛着を持っていたといいます)。 もちろんロックバーグ自身はフルートのためにそれほど多くの作品を書いたわけではないのですが、ジェニングスは「古き親しい友人」として彼の作品をフルートのために編曲、彼女なりの解釈を施して世に送り出すといいます。美しい音色だけでなく、様々な特殊奏法を駆使した多彩な音色は、聴き手を幽玄な世界へといざなうことでしょう。浮世絵からインスパイアされた一連の作品も、儚い美しさを有しています。
収録作曲家:
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ホヴァネス(1911-2000):
交響曲 第48番「アンドロメダの幻影」Op.355
前奏曲と四重フーガ
ソプラノ・サクソフォンと弦楽のための協奏曲 [バナスザック/イースタン・ミュージック・フェスティバル管/シュワルツ]HOVHANESS, A.: Symphony No. 48 / Prelude and Quadruple Fugue / Soprano Saxophone Concerto (Banaszak, Eastern Music Festival Orchestra, G. Schwarz)
発売日:2015年03月25日 NMLアルバム番号:8.559755
CD価格:1,600円(税込)
生涯に67曲の交響曲を始めとした400曲以上もの作品を残したアラン・ホヴァネス(1911-2000)。主な活動の地はアメリカでしたが、父はアルメニア系、母はスコットランド系とそのルーツは複雑であったことが知られています。彼の作品の多くは神秘的であり、天文学からの影響も強く受けています。彼はまた美の概念は年代を追って変わると主張していて、その作品にも独特な雰囲気が漂っています。 このアルバムに収録された初期の作品「前奏曲と四重フーガ」はもともと二重フーガを書くように依頼されていたのですが彼自身の挑戦のために複雑なものを書いたのです。他には彼の作品の中で「最もロマンティックな」(彼の妻ひなこの言葉)サクソフォン協奏曲と巨大なアンドロメダ星雲に触発された交響曲第48番が収録されています。
収録作曲家:
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ギャラガー(1947-):
交響曲 第2番「上昇」
静かな反射 [ロンドン響/ファレッタ]GALLAGHER, J.: Symphony No. 2, "Ascendant" / Quiet Reflections (London Symphony, Falletta)
発売日:2015年02月25日 NMLアルバム番号:8.559768
CD-R価格:1,600円(税込)
ジョアン・ファレッタとロンドン交響楽団によるギャラガー(1947-)作品集の第2作目のアルバムです。前作(8.559652)では、1楽章の交響曲とシンフォニエッタを中心に、多彩な作品が選曲されていて、その雄大な音に魅了された人も多かったのですが、今回のアルバムは大作「交響曲第2番“上昇”」がメインであり、彼の思いを存分に受け止めることができるのです。全ての楽器によって表現される「上昇」のモティーフは、様々に形を変えながら、曲全体を支配しています。何度も反復を繰り返すモティーフや、精力的に広がっていく主題などを用い、常にポジティブに曲が展開していきます。人生での希望の実現、そして人間の精神の上昇願望など、つねに前向きに生きていく人を応援するような、ステキな音楽です。
収録作曲家:
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ヴィラ=ロボス(1887-1959):
交響曲 第10番「アメリンディア」 [ネイバ/ジャバン/サンパウロ交響合唱団&交響楽団/カラブチェフスキー]VILLA-LOBOS, H.: Symphony No. 10, "Ameríndia"(Neiva, Javan, São Paulo Symphony Orchestra and Chorus, Karabtchevsky)
発売日:2014年12月24日 NMLアルバム番号:8.573243
CD価格:1,600円(税込)
最近、人気沸騰中の作曲家ヴィラ=ロボス(1887-1959)は、ブラジル音楽文化の発展のために大変な力を尽くしました。この交響曲第10番「アメリンディア」はサンパウロ創立400周年の記念行事のために1954年に作曲された、壮大なカンタータです。曲はしばしば暴力的なリズムと野性的な響き、そして時には繊細さを持つ、ブラジルのセンチメンタリズムを想起させるもので、色彩的で派手な様相を備えています。 ヴィラ=ロボスの交響曲は、第9番までは基本的にオーソドックスなもので、珍しい楽器を使ったり、型破りなことなどはせず、彼の作品の中では「おとなしいもの」として捉えられており、演奏される機会もあまりありません。しかしこの第10番は例外的な仕事であり、この作風の多様性と折衷主義はとてもユニークなものとして聴き手の目に映ることでしょう。この楽譜のスコアには2つの副題が付けられており…「アメリンディア」と「Sume, Father of Fathers(神話の登場人物)」…ベートーヴェンの第9のようではなく、マーラーの第8番、もしくはヤナーチェクのグラゴルミサのようなものと説明されています。様々な事象が内包された素晴らしいこの作品。ぜひ味わってみてください。
収録作曲家:
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ポールズ(1949-):
3つの啓蒙の地
涙のヴェール
オルガンと管弦楽のための大協奏曲 [ナッシュヴィル響/ゲレーロ]PAULUS, S.: Three Places of Enlightenment / Veil of Tears / Grand Concerto (Nashville Symphony, Guerrero)
発売日:2014年11月26日 NMLアルバム番号:8.559740
CD-R価格:1,600円(税込)
現代アメリカにおける作曲家たちの中心人物であり、1973年には作曲家フォーラムを開催し、ASCAPオンサートミュージックの代表を務めているというスティーヴン・ポールズ(1949-)の作品集。オペラや合唱曲で知られ、1982年には有名な「郵便配達は二度ベルを鳴らす」のオペラ化もしている人です。 彼は「ブリテンの方法を使えばあらゆる種類の音楽を作曲することが可能だ」と語っており、その作品目録には驚くほど多くの音楽が掲載されています。このアルバムには3つの作品が収録されていますが、弦楽四重奏というアンサンブルを一つのソリストと捉えた「3つの啓蒙の地」での各々の楽器がもたらす相互作用、ホロコーストを題材にしたオラトリオの中で、唯一おちついた間奏曲である「涙のヴェール」の悲嘆的な美しさ、華々しくオルガンが活躍し、最後は有名な民謡で閉じられる大協奏曲と、どの曲も人間の根源に染み透るような独自の風景を持っています。
収録作曲家:
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パン(1972-):
ピアノの12のサイド
ビルズ/チーズおろし器/ユア・タッチ [ヘイスティング]PANN, C.: Piano's 12 Sides (The) / The Bills / The Cheese Grater (Hastings)
発売日:2014年09月24日 NMLアルバム番号:8.559751
CD-R価格:1,600円(税込)
1972年生まれの若き作曲家、ピアニスト、カーター・パン(1972-)は既に数々の作品で国際的に高い評価を受けています。このピアノ曲集「12のサイド」は、彼の友人であるカナダのピアニスト、ジョエル・ヘイスティングとのコラボレーションから生まれた作品で、おのおのの曲にはタイトルと、彼に影響を与えた名ピアニストの名前が記されているという興味深いものです。全ての曲は違った表情を持ち、ある曲は沈静し、ある曲はまるで埃のように、空気中を音符が漂います。ジャズ風な曲や大胆不敵な妙技の炸裂、そして不気味さ。捉えどころのない不思議な音楽ですが、妙に耳に残る強い存在感も有しています。 遊び心たっぷりの「ビルズ」、チーズおろし器でうっかり指を切ってしまったというアクシデントから生まれた作品、そしてピアノ協奏曲(8.559043)へのカデンツァとして書かれた「ユア・タッチ」は、アンニュイなジャズ。うーん、なかなか面白い作曲家なのです。
収録作曲家:
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フックス(1956-):
落ち行く男
ムーヴィー・ハウス
無垢と経験の歌 [R. ウィリアムズ/ロンドン響/ファレッタ]FUCHS, K.: Falling Man / Movie House / Songs of Innocence and Experience (R. Williams, London Symphony, Falletta)
発売日:2014年09月24日 NMLアルバム番号:8.559753
CD-R価格:1,600円(税込)
ここに収録された「落ち行く男」は、フックス(1956-)における重要なテーマであり、以前リリースしたピアノ曲「落ち行くカノン」や「落ち行く三重奏曲」(8.559733に収録)と密接な関連があります。これらのテーマ、もともとは2007年に発表されたドン・デリーロの小説「Falling Man」であり、9/11の事件の際、破壊されたワールド・トレード・センターの瓦礫に躓き、恐怖と混沌の感情に襲われた男を描いたものですが、この作品に強い感銘を受けたフックスが、この物語からこの歌を創り上げ、それを様々な作品に転用。そのどれもが衝撃的な風景を思い思いに映し出すのです。この悲しみは永遠に消えることはないでしょう。 「ムーヴィー・ハウス」はジョン・アップダイクの小説「金持ちになったウサギ」に触発された作品で、アメリカ人の完成と欲求を象徴的に描いたものです。「無垢と経験の歌」はボルコムの作品と同じく、ウィリアム・ブレイクの詩に基づいたもの。人間の存在の厳しさと牧歌的な無邪気さを併せ持つこの詩は、多くの芸術家に刺激を与えましたが、このフックス作品は独特の視点でこの詩を自らのものにしています。
収録作曲家:
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ジェフスキ(1938-):
4つの小品
ハード・カッツ/主婦の嘆き [ファン・ラート/ルナパルク/マリニッセン]RZEWSKI, F.: 4 Piano Pieces / Hard Cuts / The Housewife's Lament (van Raat, Lunapark, Marinissen)
発売日:2014年09月24日 NMLアルバム番号:8.559759
CD価格:1,600円(税込)
最近、人気急上昇中の「不屈の民」変奏曲で知られる作曲家フレデリック・ジェフスキ(1938-)のまたもや刺激的なピアノ曲集の登場です。 「4つの小品」も、第1曲目では、難解で不気味なトレモロ音形の中に、時折親しみ易い「不屈の民」のテーマのようなメロディが埋め込まれています。もちろん気をつけていないとすぐにどこかに紛れてしまうほどの儚いものですが。第2曲目は両手のユニゾンで始まるリズム重視の曲。彼の友人であったスティーヴ・レイシー(セロニアス・モンクの弟子であった人)の影響を受けているといます。第3曲目はゆったりとしたアンデスの舞曲に由来するというメロディは、どことなくショスタコーヴィチの作品を想起させます。曲の終わり、破壊的な和音連打による盛り上がりの後には完全な沈黙が訪れます。第4曲目も不可解な曲で、幾つもの層となった音が平和な耳を襲ってきます。匿名の女性作曲家の日記から題材を得たという「主婦の嘆き」はベートーヴェンの強い影響があるというものです。この曲も最初のわかり易すぎるメロディにだまされてはいけません。 そしてアンサンブルをともなう「ハード・カッツ」は抽象的な音の化合物。巧妙に仕組まれた音の乱舞が楽しくも狂おしい作品です。第3曲「Like bees」などは、寝ている時に耳元で鳴らされたら気が変になるかも。
収録作曲家:
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ヴィラ=ロボス(1887-1959):
ギターの写本
傑作集と失われた作品集 第1集 [ビッソーリ/セラフィーニ]VILLA-LOBOS, H.: Guitar Manuscripts (The) - Masterpieces and Lost Works, Vol. 1 (Bissoli)
■器楽曲(ギター)
発売日:2014年08月27日 NMLアルバム番号:8.573115
CD価格:1,600円(税込)
1887年、リオデジャネイロで国立図書館員の父親の元に生まれたヴィラ=ロボス(1887-1959)。ブラジルの民俗音楽と現代音楽が見事に融合した「ブラジル風バッハ」や、こちらも民俗音楽に由来したショーロスなどが広く愛されていますが、実は彼、生涯で1000曲近くに及ぶ膨大な作品を残しており、現在知られている「彼の顔」というのは、ほんの一部でしかないことはあまり意識されていないと言ってもよいでしょう。彼は作曲を独学で学びながらブラジルの民謡を積極的に採取し、数々の名作を作り上げていきました。 この3巻からなるシリーズは、そんな「知られざる作品」を発掘、収録することでヴィラ=ロボスの新たな魅力を探って行くことができるでしょう。この第1集には、セゴビアのために作曲した「ギター協奏曲」を始め、断片的な作品や、良く知られる「ブラジル風バッハ第5番」のアリアをギター伴奏にしたものなど興味深い作品が並んでいます。
収録作曲家:
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ヘギー(1961-):
コネクション - 3つの歌曲集 [ゾーナ/タグ]HEGGIE, J.: Connection: 3 Song Cycles (Zona, Tagg)
■声楽曲 ■現代音楽
発売日:2014年07月23日 NMLアルバム番号:8.559764
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)アメリカの現代作曲家、ジェイク・ヘギー(1961-)は常に物語やオペラに強い関心を抱いています。しかし何よりも得意としているのは歌曲であり、これまでに250作を超える歌を書き、またテキストも多方面から選ばれています。このソプラノとピアノのための3つの歌曲集は彼の初期の作品で、3人の女性(その中にはオフィーリアとイヴも含まれる)が象徴的に描かれています。 最初の曲集「自然淘汰」では一人の若い女性が自らのアイデンティティを探索していく様子が描かれています。空想、妄想、そして性的成熟を経て、彼女にふさわしい夫を見つけるまでを音楽で綴ります。オフィーリアの歌は、誰もが知るシェークスピアの戯曲の登場人物。彼女もヘギーの手にかかると、一人の自立した女性として描かれるのです。そして最後に登場するのはイヴ。蛇=誘惑に唆されて禁断のリンゴに手を出してしまう彼女。ここにヘギーはクルト・ヴァイルのパロディまでをも用いて、多面的に表現していきます。蛇は甘い言葉を吐きながら、声に絡みつき、彼女にこれまで知ることのなかったリンゴの美味しさ(欲望)を体験させますが、彼女はそれを自らに取り入れることで、新たな世界を知るのです。なかなか意味深であり、豊かな世界を持つ音楽です。
収録作曲家:
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ドヴォルザークとアメリカ [ディーズ/パステルナック/ポスト・クラシカル・アンサンブル/ギル=オルドニェス]
DVOŘÁK AND AMERICA (Deas, Pasternack, PostClassical Ensemble, Gil-Ordóñez)
発売日:2014年07月23日 NMLアルバム番号:8.559777
CD-R価格:1,600円(税込)
1891年の春、ニューヨーク・ナショナル音楽院の創立者・理事長ジャネット・サーバーから音楽院院長職への就任依頼が届き、逡巡しながらもアメリカに旅立ったドヴォルザーク(1841-1904)。しかしアメリカの人々は彼の渡米を心から喜び、すぐさま彼自身もこの土地に馴染んだのでした。1893年には交響曲第9番「新世界から」を完成させていて、この曲には黒人霊歌の旋律などが使われていることは良く知られていますが、実はそれよりも、彼自身が長年構想を温めていたという歌劇「ハイアワサ」に使うための素材が数多く用いられていたのです。 「ハイアワサ」というのはネイティヴ・アメリカ(昔でいえばインディアン)の英雄の名前であり、彼を主人公にした「ハイアワサの歌」という長編の詩をH.W.ロングフェローが書き、それに目をつけたドヴォルザークが歌劇の題材にしようと目論んだのでした。結局、音楽院の委員会の反対によって、歌劇「ハイアワサ」の構想は実現することなく、ドヴォルザークはいくつかの曲をそのまま「新世界より」に流用。有名な第2楽章が哀しさを帯びているのは、実はハイアワサの花嫁ミンネハハの死を描写した音楽だったのです。 この史実を考えると、これまで言われていたような“「新世界より」はドヴォルザークが故郷を思って書いた作品である”と簡単に言ってしまうのは早計であるのかもしれません。このアルバムは、そんなドヴォルザークの構想を「メロドラマ(音楽と朗読の融合)」として再現したもの。良く知っているメロディが次から次へと現れる興味深い物語となっています。歌詞をつけて歌われる「ラルゴ」にも思わず涙するはずです。
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ヴィラ=ロボス(1887-1959):
ギターの写本 傑作集と失われた作品集 第2集 [ビッソーリ]VILLA-LOBOS, H.: Guitar Manuscripts (The) - Masterpieces and Lost Works, Vol. 2 (Bissoli)
■器楽曲(ギター)
発売日:2014年07月23日 NMLアルバム番号:8.573116
CD価格:1,600円(税込)
1887年、リオデジャネイロで国立図書館員の父親の元に生まれたヴィラ=ロボス。熱狂的な音楽好きだった父と彼の叔母の影響で、最初はピアノ、チェロ、クラリネットを学び、一度は医療系の技術を学ぶも、結局は音楽の道を選択、作曲を独学で勉強する傍ら、ブラジルの民謡の採集を行うなど活発な活動を行います。一時期はパリにも留学、そこでも先鋭的な音楽を吸収し、後の創作への糧としました。 このアルバムには一般にはほとんど知られることのないいくつかの作品が収録されています。彼の最も初期に書かれた「Dime perche-理由を私に話して」は短いながらも充実した構成を持ち、めまぐるしくテンポが変わる面白い曲です。2014年に出版されたばかりの「ワルツ協奏曲 第2番」は未完成ではありますが、ビッソーリが補筆完成させており、タイトル通りショパンの面影を感じさせる名曲です。チェレスタやハープまでを用いたユニークな音色が特色の「六重奏曲」には確かに熱帯地方の空気が漂っています。民俗舞曲に基づく「ショーロ」の数々は有名な作品。これを聴かずにはヴィラ=ロボスは語れません。最後の「愛の歌」は、映画のサウンドトラック。と言っても、彼の曲が使われたのは映画の最後のカットのみ。しかし印象的な曲で、人々の心に強い印象を残したであろうことは間違いありません。
収録作曲家:
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ブラウワー(1940-):
打ち砕かれた ~ 室内楽作品集 [ブルー・ストリーク・アンサンブル/マイア弦楽四重奏団/シルヴァー/サンドラ・シモン]BROUWER, M.: Chamber Music - Shattered Glass / Lonely Lake / Clarinet Quintet (Shattered) (Blue Streak Ensemble, Maia String Quartet)
■室内楽
発売日:2014年06月25日 NMLアルバム番号:8.559763
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)現代のアメリカでとても高い評価を受けている作曲家マーガレット・ブロウワー(1940-)。彼女は現在クリーブランド音楽院の名誉教授を務め、数々の賞も受賞していますが、新作もコンスタントに発表しています。最近ではダラスやデトロイトのオーケストラを始め、クリーブランド室内管弦楽団などでその新作が演奏され、ますますその動向が注目されています。このアルバムには、そんな彼女の2000年代以降のいくつかの作品が収録されています。トラック1は、タイトルでわかる通りに「9.11」の事象が反映されたもので、複雑な音響と暴力的な打楽器とピアノ、フルートのパッセージの応酬が耳を打つ刺激的で悲劇的な音楽です。クラリネット五重奏曲にもその思いは繋がっており、とりわけ第2楽章では悲痛な哀しみが重苦しく漂っています。小さな歌曲であるトラック6も、やはり9.11の悲劇に触発された詩を用いたもの。それにひきかえ「孤独な湖」はもう少し気楽な雰囲気を持つ音楽。最後におかれた「アレンジメント」はおなじみの2つの作品をブルー・ストリーク・アンサンブルのために編曲したものです。
収録作曲家:
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ロイド(1909-1980)&メニン(1923-1983):
ピアノ作品集 [シルバースタイン]LLOYD, N. / MENNIN, P.: Piano Music (Silberstein)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2014年06月25日 NMLアルバム番号:8.559767
CD-R価格:1,600円(税込)
ノーマン・ロイド(1909-1980)とピーター・メニン(1922-1983)。この2人の作曲家はどちらもペンシルバニア州で生まれ、2人とも、1947年から1958年までは、ジュリアード音楽院で教えるなど後進の指導に熱心にあたったことでも知られています。ロイドは、当時ジュリアード音楽院の校長であったウィリアム・シューマンとともに、アメリカの音楽教育に革命をもたらすほどのプログラムを開発したことでも知られますが、彼自身はモダンダンスに魅入られ、その分野を極めていくことになります。彼は「自分は作曲家である」とは考えていなかったようで、その作品のほとんどは未発表であり、演奏されることもあまりありません。小学生のピアノレッスンのために書かれた「記憶の中の3つの情景」を始めとした、ウィットに富んだ現代的な曲は、幅広い層に受け入れられるに違いありません。もう一人の作曲家メニンは、ウィリアム・シューマンの後を継いでそのままジュリアード音楽院の校長に就任。亡くなる直前までその職にありました。作風は若干晦渋ですが、決してわかりにくいものではありません。
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ヘギー(1961-):
暗闇の中から
ジーン・シーアの詩による作品集 [C. リンチ/S. ラーセン/M. スミス/ミュージック・オブ・リメンブランス/M. ミラー]HEGGIE, J.: Out of Darkness (Music of Remembrance)
■声楽曲
発売日:2014年06月25日 NMLアルバム番号:8.559770
CD-R価格:1,600円(税込)
コンポーザー・イン・レジデンスを務めたサンフランシスコ・オペラなど、アメリカのオペラハウスを中心に活躍するコンポーザー=ピアニスト、ジャック・ヘギー(1961-)と、同じくアメリカのソングライター、台本作家のジーン・シーア(1958-)のコラボレーションによる歌曲集。先ごろ起こった「図書館の蔵書破損」の件も含め、あの第三帝国によるホロコーストの悲劇が終わって、ほぼ70年が経過しているというのに、私たちはまだその事実に正面から向き合うことすら出来ていないのかもしれません。どのような理由があったにせよ、犠牲となった人々は、ある日突然「通常の生活」をする権利を奪われ、想像を絶する地獄に放り込まれ、生殺与奪の権も無くしたというのに・・・。このアルバムに収録された3つの作品は、その時代に確かに生きていた人たちの言葉を元に作られたもの。「他の日の出」と「さようならアウシュヴィッツ」では、ホロコーストを生き抜いたポーランド=ユダヤ人女性クリスチナ・ジウルスカの詩、「見る、もしくは触れるために」で同性愛者(当時の社会では禁止されていた)マンフレッド・ルウィンの詩をテキストに用いることで、自由と迫害についての考察を迫ります。アンサンブル“ミュージック・オブ・リメンブランス”は「頽廃音楽」のオーソリティであり、溢れる悲劇性を客観的に捉え、人々に送り届ける役割を担っているのです。
収録作曲家:
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トッホ(1887-1964):
ヴァイオリン・ソナタ 第1番
チェロ・ソナタ他 [オウデンウェイェル/ヘーン/マインツ]TOCH, E.: Violin Sonata No. 1 / Cello Sonata /Divertimento / String Trio / Adagio elegiaco (Spectrum Concerts Berlin)
■器楽曲(ヴァイオリン)
発売日:2014年05月30日 NMLアルバム番号:8.559716
CD-R価格:1,600円(税込)
このアルバム、始まった途端に音がはじけるかのようです。オーストリアの作曲家エルンスト・トッホ(1887-1964)はウィーン大学で哲学を、ハイデルベルク大学で医学を学んだ人で、作曲はあくまでも独学でした。しかし1909年に彼の作品「室内交響曲ヘ長調」が初演され、これがモーツァルト賞を受賞したことで、彼は本格的に作曲家の道を歩むことになるのです。このアルバムでは彼の芸術的変遷のほぼ40年間を辿るものであり、最初期の作品であるヴァイオリン・ソナタはまるでブラームス。彼の友人はこの曲を「ブラームスの第4番」と呼んだほどでした。第1世界大戦ではイタリア前線に配属され帰還。そして1920年代は彼の最も充実した時代であり、次々に新しいスタイルの音楽を生み出しましたが、その後ナチスの迫害から逃れアメリカに亡命。ハリウッド映画音楽などにも手を染めつつ、戦後は7曲もの交響曲を書くなど精力的に活動を続けたのです。ここで演奏しているシュペクトラム・コンチェルト・ベルリンは、トッホの作品を精力的に演奏し、トッホが亡命した際、短くカットされた作品を復刻するなど、彼の作品の普及に力を注いでいます。
収録作曲家:
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ケージ(1912-1992):
2種の鍵盤楽器のための作品集 第2集 [ペストヴァ/マイヤー]CAGE, J.: Works for 2 Keyboards, Vol. 2 (Pestova, Meyer)
■現代音楽
発売日:2014年05月30日 NMLアルバム番号:8.559727
CD価格:1,600円(税込)
ジョン・ケージ(1912-1992)の音楽、その多彩さと奇妙さは多くの音楽ファンに受けています。プリペアド・ピアノの音色はもちろんのこと、打楽器としての可能性など、それまでのピアノの概念を悉く塗り替えたかのような彼の音世界は、確かに聴くだけでも面白く、できることなら自分でも演奏してみたいと思う人が多いのもわかるような気がします。このアルバムに収録された2つの作品のうち、「2のための音楽」は便宜上このタイトルが付けられているだけであり、本当は2の部分は空白。「_のための音楽」と題されており、様々な楽器を任意で組み合わせて演奏するものです。組み合わされた楽器がそのままタイトルになるので、このピアノデュオ版は「2のための音楽」としてあります。「3つのダンス」はケージ作品の中でも最も野心的なもの。ピアニストの能力の限界に挑む曲として知られ、壮大なピアニズムと質感ある音色が魅力的かつ恍惚を呼ぶ曲です。
収録作曲家:
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フェスティンガー(1948-):
旅の日記/時代の到来
運動の法則/予告された夢 [ニューヨーク・ニュー・ミュージック・アンサンブル]FESTINGER, R.: Diary of a Journey / The Coming of Age / Laws of Motion / A Dream Foretold (New York New Music Ensemble)
■声楽曲
発売日:2014年04月23日 NMLアルバム番号:8.559399
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)カリフォルニア北部パロアルトで育ち、カリフォルニア大学バークレー校音楽学部で作曲を学んだフェスティガー(1948-)。一時期はジャズにも傾倒し、ジャズ・ギタリスト、バンドリーダーとして活動したこともありました。彼の作品には直接的にジャズの語法は用いられていませんが、曲のルーツにはその要素も含まれているとされ、「それを聴いた時に感情が揺さぶられ、心に鮮やかに情景が浮かび上がる」と評されるほどに刺激的なものとなっています。 各々の心の深層部を訪ねていくかのような「旅の日記」は、不確定であり周囲の見えない霧の中を旅するかの如くミステリアスです。デニス・ジョンソンの詩を用いた「時代の到来」、チェロを中心としたアンサンブルで描かれる「運動の法則」、ピアノの謎めいた和音が印象的な「予告された夢」。無限の可能性を探る音楽です。
収録作曲家:
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ジェフスキ(1938-):
ピアノ作品集
幻想曲
左手のための6つのノヴェレッテ
深き淵より [サタリー]RZEWSKI, F.: Piano Music - Fantasia / Second Hand, or, Alone at Last / De Profundis (Satterlee)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2014年04月23日 NMLアルバム番号:8.559760
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)あの「不屈の民」変奏曲(8.559360)での“これでもか”とばかりに押してくるピアノの響き。誰もが口ずさめる革命歌をテーマとし、あらゆる技巧を駆使して書かれた36の変奏曲は、まさに聴く者を圧倒させずにはおかない迫力があるものでした。 そんな彼の他の作品も、どれもが不思議で奇妙な味わいを有するものばかりです。高橋アキから委嘱された「幻想曲」では、どこかで聴いたことのあるようなメロディに様々な要素を詰め込み、全てが曖昧で取り留めのない音楽へと変化させています。 6つのノヴェレッテは右手を痛めていたジェフスキ(1938-)が、1週間左手のみで演奏できるために書いた曲。「深き淵より」はピアノを演奏しながら、オスカー・ワイルドのテキストを暗唱し、また口笛を吹き、ハミングをすることを要求されるという破天荒な作品。聴き手はピアノの音色だけでなく、ピアニストが発生させる「ノイズのような音」までをも楽しまなくてはいけません。これを楽しさと取るか、それとも苦痛ととるか……。ゲンダイオンガクの一つの形がここにあります。
収録作曲家:
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ダニエルプール(1956-):
オラトリオ「平和の季節に向けて」 [プリットマン/パシフィック・コラール/パシフィック響/セント・クレア]DANIELPOUR, R.: Toward a Season of Peace (Plitmann, Pacific Chorale, Pacific Symphony, St. Clair)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2014年04月23日 NMLアルバム番号:8.559772
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)普段は温厚で抒情的な作品を造りだすダニエルプール(1956-)。しかし、この作品には激しい怒りの感情と哀しみ、そして希望が混然一体となって渦巻いています。彼はアメリカで生まれましたが、彼の両親はイラン生まれであり、彼自身も幼い頃の1年間をイランで過ごした思い出を持っています。この時の経験は決して楽しいものではなく、これに反発するかのように西洋文化と恋に落ちたと彼は語りますが、ようやく近年、もう一度イランの状況に目を向けることができるようになり、「なぜ戦争をするのか」という根本的な疑問も持つようになったというのです。 このオラトリオはそんな彼の思考から生まれたもので、第1部では戦争と破壊、第2部では祈り、第3部では平和の約束を歌っています。様々な言語のテキストの中に点在する言葉“季節”はメタファーとして用いられ、それは変化と改革であったり、再生と和解の瞬間でもあります。
収録作曲家:
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パーシケッティ(1915-1987):
ヴァイオリンとピアノのための作品集 [ボロプ/コナー]PERSICHETTI, V.: Violin and Piano Works - Violin Sonata / Masques / Piano Sonatinas (Borup, H. Conner)
■器楽曲(ヴァイオリン) ■器楽曲(ピアノ)
発売日:2014年03月26日 NMLアルバム番号:8.559725
CD価格:1,600円(税込)
フィラデルフィアでイタリア系の家庭に生まれ、コムズ大学とフィラデルフィア音楽院に学んだパーシケッティ(1915-1987)。彼の名前はとりわけ吹奏楽愛好家たちの中で知られており、楽器の性能をフルに生かした上で精緻なアンサンブルが求められるいくつかの作品は難易度と完成度の高さにおいて、演奏する人たちにも興奮をもたらすというものです。そんなパーシケッティ、実に多作な人であり室内楽や器楽曲も数多く書いているのですが、現在ではほとんど忘れられてしまっているのが何とも残念なところです。 このアルバムではそんな彼の「知られざる」ヴァイオリンとピアノのための作品を紹介します。未発表であるヴァイオリン・ソナタ Op15は確かに難解な音楽ですが、じっくり聞いてみると何とも味のあるものです。ソナチネ集はピアノ学習者に最適な作品ですが、彼自身の言葉によると「意図的に教育的な音楽を書いたのではない」とのこと。とは言え、これをマスターすると、かなり表現に幅が出るのではないでしょうか。
収録作曲家:
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ボイヤー(1970-):
交響曲 第1番
シルヴァー・ファンファーレ
フェスティヴィティーズ他 [ロンドン・フィル/ボイヤー]BOYER, P.: Symphony No. 1 / Silver Fanfare / Festivities / Three Olympians / Celebration Overture (London Philharmonic, Boyer)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2014年03月26日 NMLアルバム番号:8.559769
CD-R価格:1,600円(税込)
現代アメリカ作曲家のなかでも、とりわけ目覚ましい活躍をしているのが、このピーター・ボイヤー(1970-)です。このアルバムの中には5つの作品が収録されていますが、そのどれもが興味深いものばかりですが、とりわけ「3人のオリンピア」は彼が興味を抱いているという神話と歴史を題材にしたもの。オリンピアというと、最近はオリンピック選手の意をして捉えられることが多いのですが、やはりここでは本来の意味であるギリシャ神話の神々を思い起こすべきでしょう。3つの部分はそれぞれに神々を表現し、ストラヴィンスキーを思わせる「アポロ」、愛と美の化身である「アフロディーテ」、そして戦いの神「アレス」と、うまく特徴を描き分けています。めちゃくちゃカッコイイ「祝典序曲」や伝統の書式を見事に具現化した「交響曲第1番」など、気持ちのよい音を味わうことができる興奮の1枚です。
収録作曲家:
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シエッラ(1953-):
シンフォニア 第4番
ファンダンゴ/謝肉祭 [ナッシュヴィル響/ゲレーロ]SIERRA, R.: Sinfonía No. 4 / Fandangos / Carnaval (Nashville Symphony, Guerrero)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2013年12月25日 NMLアルバム番号:8.559738
CD-R価格:1,600円(税込)
よくCDストアの店頭で、手に取ったCDの作曲家の生まれた年を見て「ああ、これはゲンダイオンガクだから難解な音だろう」と棚に戻してしまうことがありませんか? このアルバムはそんな心配は全く無用です。とにかく冒頭の「ファンダンゴ」から行ってみてください。カスタネットを伴うスペイン伝統の舞曲が、驚くばかりの鮮やかさで耳に飛び込んでくるではないですか! もちろん手の込んだ「現代的な味付け」も随所に施されており、マニアの方の期待も裏切ることはありません。 シンフォニア第4番は「交響曲の伝統」に対する取り組みであり、挑戦とも言える作品。各々の素材が有機的に結び付けれた面白いものです。「謝肉祭」は神話に登場する想像上の生き物を題材にした作品であり、同名の作品を書いたシューマンへのオマージュでもあります。未知でありながらも面白い作品を発見する喜びをお届けいたします。
収録作曲家:
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マクティー(1953-):
交響曲 第1番 - 管弦楽のためのバレエ
アインシュタインの夢/ダブル・プレイ [デトロイト響/スラットキン]MCTEE, C.: Symphony No. 1 / Circuits / Einstein's Dream / Double Play (Detroit Symphony, Slatkin)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2013年12月25日 NMLアルバム番号:8.559765
CD価格:1,600円(税込)
現代アメリカの多様多彩な風景、これを極限まで感じさせる音楽がここにあります。作曲家のマクティー(1953-)は6歳からピアノを始めましたが、彼女の師は「即興性」をとりわけ重視したため、彼女はクラシックだけでなくジャズのインプロヴィゼーション、電子音楽などにも興味を持ち、これらが作品に強い影響を与えているのは間違いありません。また彼女は3年間ポーランドの大家ペンデレツキに師事、この経験もとても大きなものであったと言えるのではないでしょうか。 このアルバムに収録された作品もどれもが個性的で、意欲的なものばかりです。冒頭の「回路」をまず聴いてみてください。忙しなく規則的に動き回る音、溢れるエネルギー、そしてそれを縫って聞こえてくるシンコペーションのリズム。これらの刺激的なリズムの応酬はまさに現代人が求めているものに他なりません。思わせぶりなタイトルと持つ「交響曲第1番」でもリズムは炸裂します。古いものを新しいものが交錯する「アインシュタインの夢」、不可思議な色彩を持つ「ダブル・プレイ」、機能的な美がここにあります。
収録作曲家:
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ピアソラ(1921-1992):
タンゴ・ヌエボ ~ ヴァイオリンとピアノのためのトランスクリプション集 [コーティク/リン・タオ]PIAZZOLLA, A.: Tango Nuevo (T. Cotik, Tao Lin)
■室内楽
発売日:2013年12月18日 NMLアルバム番号:8.573166
CD価格:1,600円(税込)
ピアソラ(1921-1992)の音楽が爆発的に流行したのは1980年代に入ってからだったでしょうか? 以降、この情熱的な音楽は日常生活に入り込み、常にどこかから聞こえてくるほどのポピュラーなものになりました。クラシック、ジャズの影響を受けつつも独自の音楽を貫くピアソラ作品は、どのような楽器で演奏してもすんなりと溶け込み、美しい輝きを放ちます。そのメロディは物悲しくひたすら何かを訴えかけています。この演奏はヴァイオリンとピアノによるもので、ほとんどの曲はピアニストのコーティクが自ら編曲しています。現代的ですっきりとした味わいを持つピアソラ。ぜひお楽しみください。
収録作曲家:
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ジョン・ケージ(1912-1992):
2台のキーボードのための作品集 第1集 [ペストヴァ/マイヤー]CAGE, J.: Works for 2 Keyboards, Vol. 1 (Pestova, Meyer)
■器楽曲(ピアノ) ■現代音楽
発売日:2013年11月20日 NMLアルバム番号:8.559726
CD価格:1,600円(税込)
クラシックのみならず、全てのジャンルに渡って幅広いファンを持つジョン・ケージ(1912-1992)。彼は最初シェーンベルクに学び、電気楽器の可能性やノイズを研究しながら、リズム重視の作品を書いていましたが、1940年にプリペアド・ピアノ(グランドピアノの弦に異物をはさみ、音色を変化させる)を考案したことを皮切りに、様々な音響を求め生涯探究に没頭していきます。このアルバムでは、プリペイド・ピアノの音楽と、トイピアノの音楽を収録。熱狂的なリズムの応酬とエキゾチックな音色、そして郷愁や不可思議な響きが入り混じったトイピアノの音色を楽しむことができます。またトラック8は偶然性に拠った音楽であり、どんな音が出てくるかはその時次第となります。
収録作曲家:
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ローレム(1923-):
ピアノ・アルバム 第1集
6人の友人たち [C. エンガー]ROREM, N.: Piano Album I / 6 Friends (C. Enger)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2013年11月20日 NMLアルバム番号:8.559761
CD-R価格:1,600円(税込)
アメリカの最も重要な作曲家ネッド・ローレム(1923-)の興味深いピアノ作品集です。ピアノ・アルバムと題されたこの曲集には、ほとんどが2分足らずの小品が27曲並ぶ万華鏡のような作品で、各々の曲には意味深なタイトルが付されています。これらは極めて個人的なもので、ここに登場するのは主に彼の友人や同僚たち。ここれらは登場人物への贈り物であり、その意味を完全に把握するのは不可能なことなのです。「6人の友人たち」も同じ趣旨であり、どの作品も前衛的な音楽ではなく、常に静けさを湛えながら「完全なる小さな世界」を構築しています。サティやペルト、オッテなどの音楽が好きな人にオススメしたいアルバムです。
収録作曲家:
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ダニエルプール(1956-):
古代の谷の闇 [プリットマン/ブラウン/ナッシュヴィル響/ゲレーロ]DANIELPOUR, R.: Darkness in the Ancient Valley / Lacrimae Beati / A Woman's Life (Plitmann, Brown, Nashville Symphony, Guerrero)
■声楽曲
発売日:2013年10月23日 NMLアルバム番号:8.559707
CD-R価格:1,600円(税込)
リチャード・ダニエルプール(1956-)はアメリカの中堅作曲家たちの中でも、最も偉大な才能の持ち主とされる人です。彼はヨーヨー・マやフレデリカ・フォン・シュターデら多くの演奏家たちのためにオペラや室内楽を作曲。そのどれもが高く評価されています。その作風は決して難解ではないものの、やはり前衛的であり個性的であり、またテキストの多くはセンセーショナルな内容を持つもので、ここに収録された作品も現代における深い問題を孕んだものです。 「古代の谷の闇」はナッシュヴィルとピッツバーグ交響楽団の委嘱作で、第5曲には古代ペルシャの詩人ルーミーの詩を英訳したものがテキストに使われています。詩自体は残忍な夫や恋人に従順な女性が描かれていますが、ダニエルプールはこの女性を最近のイランに置き換え、現政権の下で耐えてきたイランの人々へのオマージュとしています。他にはモーツァルトのレクイエムに触発された「喜びの涙~Lacrimae Beati」、ソプラノ歌手アンジェラ・ブラウンのために書かれた「女の生涯」。全て世界初録音です。
収録作曲家:
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ペイン(1839-1906):
管弦楽作品集 [アルスター管/ファレッタ]PAINE, J.K.: As You Like it Overture / The Tempest / Symphony No. 1 (Ulster Orchestra, Falletta)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2013年10月23日 NMLアルバム番号:8.559747
CD価格:1,600円(税込)
19世紀最後の四半期のアメリカは、前例のないほどに音楽が成長しました。もちろん当時の生粋のアメリカ人たちも主にヨーロッパで訓練を受けたため、その作品もヨーロッパの形に基いてはいたものの、次第に独自の語法を身に着け、その流れは次世代の作曲家たち…A.フット、E.ビーチやE.マクダウェル、そしてA.コープランドに伝わって行ったのです。ジョン・ノウルズ・ペイン(1839-1906)はその開祖の一人であり、恐らく初めてアメリカ国内で名声を博した「生粋のアメリカ人音楽家」であると言えます。 彼はポートランドの楽器商の息子として生まれ、幼い頃から店内で演奏を行っていました。そんな彼が作曲を学ぶためにドイツへ旅立つ時には地元の有志らも応援。大きな夢を抱きドイツへと渡りその才能を開花させたのです。帰国後はボストンに活動の拠点を置き、1873年にはハーヴァード大学に設置する音楽学部の教員として招かれます。そのまま作曲と教育に力を入れ数多くの作品を発表しました。もちろん作風にはベートーヴェンやベルリオーズの影響が感じられますが、そんなことは関係ありません。さあ、この楽しい世界を体験いたしましょう。
収録作曲家:
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ヒグドン(1962-):
初期室内楽作品集 [ストンバーグ/アブラモヴィツ/セラフィン弦楽四重奏団]HIGDON, J.: Early Chamber Works - Sky Quartet / Amazing Grace / Viola Sonata (Serafin String Quartet, Abramovic, Stomberg)
■室内楽
発売日:2013年08月21日 NMLアルバム番号:8.559752
CD-R価格:1,600円(税込)
「ピューリッツァー賞」「グラミー賞」の受賞経験もある女性作曲家ジェニファー・ヒグドン(1962-)。彼女はペンシルバニア大学でジョージ・クラムに学び、作曲の修士号と博士号を取得しました。彼女の作風は、伝統的な調性を用いながらも繊細な音色の変化を大切にしたユニークなもので、新ロマン主義とも見なされています。 このアルバムには5つの作品が収録されていますが、最初の「アメイジング・グレイス」はお馴染みの名旋律を弦楽四重奏曲用にアレンジしたものです。スカイ四重奏曲は、アメリカ西部の空の広大さと美しさからインスピレーションを受けたもので、高い空と嵐、そしてどこまでも広がる空の様々な変容を描いています。ヴィオラ・ソナタは初期の作品で、ファゴットを用いた「暗い森」は音色の追求、弦楽三重奏曲は、若い作曲家の心の声を見つけるためのプロセスがにじみ出た実験的な作品です。全て世界初録音、彼女の活気に満ちた音楽をお楽しみください。彼女の他の室内楽曲作品は8.559298で聴くことができます。
収録作曲家:
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ガーシュウィン(1898-1937):
ラプソディ・イン・ブルー
キャットフィッシュ・ロウ 他 [ウェイス/バッファロー・フィル/ファレッタ]GERSHWIN, G.: Rhapsody in Blue / Strike Up the Band: Overture / Promenade / Catfish Row (Weiss, Fullam, Buffalo Philharmonic, Falletta)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2013年07月24日 NMLアルバム番号:8.559750
CD価格:1,600円(税込)
現在、NAXOSアーティストの中で最も注目されているジョアン・ファレッタによる香り高いガーシュウィン・アルバムです。彼女とバッファロー・フィルの演奏はどれも外れなし! 文句なしの名演と断言できますが、今回のガーシュウィン(1898-1937)はいつにも増して伸び伸びしているようなのは、彼女の気質にぴったりマッチしているからに他なりません。まるで「おもちゃ箱」のように楽しいメロディが溢れ出してくる「ストライク・アップ・ザ・バンド」、誰もが知っている「ラプソディ・イン・ブルー」も、通常よりも即興的なテイストが強くなっています。 若手ピアニスト、オリオン・ウェイスの煌めくピアノも魅力的。映画音楽「シャル・ウイ・ダンス」~犬と歩けば」から再構築された「プロムナード」もゴキゲンな曲。そしてキャットフィッシュ・ロウでのやるせなくもガーシュウィン節全開の音。これらが混然一体となって押し寄せてくる喜びは、言葉にできないほどの快感をもたらすでしょう。
収録作曲家:
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フックス(1956-):
弦楽四重奏曲 第5番(アメリカ風)他 [オライリー/デルレイ弦楽四重奏団/トリオ21]FUCHS, K.: String Quartet No. 5, "American" / Falling Canons / Falling Trio (O'Riley, Trio21, Delray String Quartet)
■室内楽
発売日:2013年05月22日 NMLアルバム番号:8.559733
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)ケネス・フックス(1956-)は現代アメリカ有数の作曲家の一人で、彼の作品は世界中で愛聴されています。ここでは3つの作品を収録。最初の「落ち行くカノン」はフックスの友人であるピアニスト、オライリーのために作曲されたもので、2010年に書かれた「落ち行く男」の素材がモティーフとして使われています。 「落ち行く男」の元になったのは、デリーロの小説であり、9/11の事件の際、破壊されたワールド・トレード・センターの瓦礫に躓き、恐怖と混沌の感情に襲われた男を描いたものですが、ここからフックスは様々な音楽を導き出したのでした。トラック12のトリオも同じものから派生した曲です。弦楽四重奏曲第5番は、もう少し耳に優しい響きを持っていますが、第3楽章には同じ「落ち行く男」の素材が使われているなど、現代のアメリカの抱えるカオスを見事に表現しています。「落ち行く男」はすでに録音済とのことで、こちらも発売が待たれるところです。
収録作曲家:
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フェイルーズ(1985-):
ネイティヴ・インフォーマント他 [ヒューズ/クラヴィツ/バートン・パイン/クラカウアー/トンプソン]FAIROUZ, M.: Native Informant / Tahwidah / Chorale Fantasy / Posh / For Victims / Jebel Lebnan (Hughes, Kravitz, Barton Pine, Krakauer, Thompson)
■声楽曲
発売日:2013年05月22日 NMLアルバム番号:8.559744
CD価格:1,600円(税込)
若いニューヨーク在住のアラブ系作曲家フェイルーズ(1985-)。名前が示す通り、彼の音楽には西洋の構造と中東の響きが溶け合い、これが得も言われぬ感動を齎してくれます。冒頭のアラビア語で「子守歌」を表すTahwidahでの、嘆きと諦めに満ちた歌声に絡みつく、妖艶なクラリネットの音色の凄惨な美しさ。この青白い光に満ちた小品を聞いただけでも、この作曲家の才能がなみなみならぬものであることを確認するのではないでしょうか? 名ヴァイオリニスト、レイチェル・バートン・パインのために書いたという「無伴奏ソナタ」の雄弁かつ濃厚な音楽、まるでラフマニノフのようなメロディを持つ連作歌曲「ポッシュ」、レバノン内戦に触発された木管五重奏のための「レバノンの山」など、どの曲も心の底に大いなる悲哀を持ちながらも、懸命に生きる人々の姿を映し出しています。
収録作曲家:
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ドアティ(1954-):
ラシュモア山
ラジオ・シティ/シスター・エイミーによるゴスペル [ジェイコブス/パシフィック・コラール/パシフィック響/セント・クレア]DAUGHERTY, M.: Mount Rushmore / Radio City / The Gospel According to Sister Aimee (P. Jacobs, Pacific Chorale, Pacific Symphony, St. Clair)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2013年05月22日 NMLアルバム番号:8.559749
CD-R価格:1,600円(税込)
グラミー賞受賞! 現代アメリカで最も人気を集めている作曲家マイケル・ドアティ(1954-)の最新作を含む3つの作品集です。どの作品もアメリカの発展に寄与する題材がモティーフとなっています。アメリカ合衆国建国から150年、この歴史に名を残す4人の偉大な大統領の胸像が彫られた「ラシュモア山」ですが、この彫刻が制作されたのは1927年から1941年という、大恐慌から第2次世界大戦をまたぐ激動の時代でした。ドアティは各々の大統領をイメージした4つの曲に、親しみやすいメロディと深い内容をもたせ、興味深い作品に仕上げています。「ラジオ・シティ」はイタリア統一150周年記念の委嘱作。1937年から1954年まで続いたNBCのラジオ番組で、トスカニーニとNBC交響楽団が演奏し、アメリカ全土で数百万人が聴いたという名番組です。この作品では演奏するトスカニーニを音でリスペクトします。 「シスター・エイミー」は、1923年にフォースクエア教団を設立したエイミー・S・マクファーソン(1890-1944)を讃えた音楽。彼女のメッセージは当時のアメリカ人たちの心を動かしたことで知られています。
収録作曲家:
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アドラー(1928-):
カント集 [フルマー/ケリー/エルダン/ムロキ/イズナオラ]ADLER, S.: Cantos III, VI A, X, XVI, XIX and XXI / Close Encounters / 5 Snapshots (Fulmer, Kelly, Eldan, Muroki, Iznaola, June Han)
■室内楽
発売日:2013年04月24日 NMLアルバム番号:8.559743
CD価格:1,600円(税込)
ドイツのユダヤ人家庭に生まれたアドラー(1928-)は、11歳の時に家族とともにアメリカに亡命します。彼の父は聖歌隊のカントルであり、もともと音楽的な素養がありましたが、アメリカでヒンデミット、コープランド、トンプソンらに学ぶことで作曲家として活動することを決意、以降、アメリカの現代音楽にユダヤ音楽の伝統を加えた独特の音楽を数多く書いています。 この一連の「カント」は、彼がイーストマンで教えている時に、同僚から「各楽器のための演奏会用練習曲」を書くように依頼されたのが発端となって書かれたもの。およそ20年の間に、21の作品を書き、ここでは弦楽器のためのもの全てが紹介されています。緊張漲る「カント」の間には、ちょっとした作品がはさまれています。
収録作曲家:
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ヴィラ=ロボス(1887-1959):
交響曲 第3番&第4番 [サンパウロ響/カラブチェフスキー]VILLA-LOBOS, H.: Symphonies Nos. 3, "War" and 4, "Victory" (Sao Paulo Symphony, Karabtchevsky)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2013年04月24日 NMLアルバム番号:8.573151
CD価格:1,600円(税込)
ヴィラ=ロボス(1887-1959)の「戦争」と「勝利」の交響曲は、第一次世界大戦の休戦を記念するためのブラジル政府から委嘱された作品です。当時32歳の彼は、すでに「国際的なモダニズム感を持つブラジルの芸術家グループの中心人物」として位置づけられており、この依頼を受けた彼は、決して勝ち誇った態度をとることのないように細心の注意を払った上で、この2つの曲を書き下ろしたのです。第3番「戦争」では、ブラジルの国家と「ラ・マルセイエーズ」の断片が聴こえてきたり、リゴレットの苦悩のモティーフが引用されたりと、かなりコラージュ的な手法で書かれています。第4番はさらに情熱的になり、最終楽章では狂乱の真っただ中に放り込まれるかのような陶酔感に満ちています。
収録作曲家:
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スーザ(1854-1932):
〈吹奏楽のための作品集 第11集〉 [王立スウェーデン海軍バンド/ブライオン]SOUSA, J.P.: Music for Wind Band, Vol. 11 (Royal Swedish Navy Band, Brion)
■吹奏楽
発売日:2013年02月20日 NMLアルバム番号:8.559690
CD価格:1,600円(税込)
大人気シリーズ、スーザのマーチ集です。今回もパワーに満ち溢れた14曲があなたをお待ちしております。もちろんどれもが魅力的なことは言うまでもありません。愛国心に溢れた曲もあり、ちょっと面白い曲もあり、どこから聴いても楽しさ満載です。 例えばトラック10の「リバティ・ローン」は、第1次世界大戦中に販売された米国債の名前で、曲中では「自由」を表現する鐘の音が使われていますが、これが大好評で、なんと初期のビクター盤が40万枚も売れたのだとか。収録曲で一番長い「パーラーとストリート」幻想曲はオペラやオペレッタの名曲がコラージュされたもので、途中で聴いたことがあるメロディが次々と現れます。またトラック14はタイトル通り、有名な民謡がモチーフとして使われています。 ブライオン率いる王立スウェーデン海軍バンドは、いつもの通り冴えた演奏を聴かせます。
収録作曲家:
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至福と私の間
エミリー・ディキンソンの詩による歌曲集 [ジュリア・フラウクナー/マルタ・フィッシャー/リー・ホイビー]Vocal Recital: Faulkner, Julia - Between the Bliss and me… Songs to Poems by Emily Dickinson
■声楽曲
発売日:2013年02月20日 NMLアルバム番号:8.559731
CD-R価格:1,600円(税込)
アメリカ北東部ニュー・イングランドの田舎町に生まれ育ち、その外にでることはめったになく、そして人生の半ばからは家の外にも殆ど出ることなく、ただただ詩を書いていたエミリー・ディキンソン。生前出版されたのはたった10篇。それも自らが進んで発表したわけではなくあくまでも匿名だったそう。そんなディキンソンの詩が認められたのは何時頃からなのでしょう? 彼女の詩は極めて簡潔で易しい言葉で書かれていますが、だからこそ深い思いと真実をたくさん秘めています。彼女が“Why…”と呟くだけで、その言葉は翼を得て大空へ舞い上がっていくかのようです。 そんなディキンソンを愛する作曲家も数多く19世紀の作曲家だけでなく現代の作曲家も彼女の詩に美しい音楽をつけています。ソプラノのフラウクナーの透明感に満ちた歌唱でこの「孤独な世界」を味わってください。
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グァルニエリ(1907-1993):
ピアノ作品集 第1集 [バロス]GUARNIERI, C.: Piano Music, Vol. 1 (Barros)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2013年02月20日 NMLアルバム番号:8.572626-27
CD
通常価格:2,500円→ 特価!:790円(税込)20世紀ブラジルを代表する作曲家“モーツァルト”カマルゴ・グァルニエリ(1907-1993)。ファーストネームの真の読み方は「モザルト」になりますが、どちらにしても音楽好きの父親が畏れ多くも、あの神童の名前をいただいてしまったのは有名な逸話です。そんなグァルニエリですが、とても色彩感たっぷりの音楽を書く人で、NAXOSレーベルからリリースしているピアノ協奏曲なども、熱い音楽好きの人気を集めています。 そんな彼のピアノ曲もとても情熱的なもので、どことなくジャジーな「3つの舞曲」を始め、彼による造語である「ポンテイオ」(ポルトガル語の「弦楽器を弾く(pontear)」と「前奏曲(preludio)」の合成)での心躍る小品集など、本当に魅力たっぷり。現代的な響きの中にどこか懐かしさを感じさせてくれるのが素晴らしい! しゃれた音楽を聴きたい人にぜひオススメ。
収録作曲家:
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アメリカのトランペット [シルヴァーシュラグ/シアトル響/シュワルツ]
American Trumpet Music - EYLAR, L. / ROUSE, S. / STARER, R. / SONDHEIM, S. / CARBON, J. / MCKINLEY, W.T. (Silberschlag, Seattle Symphony, Schwarz)
■器楽曲
発売日:2012年11月21日 NMLアルバム番号:8.559719
CD-R価格:1,600円(税込)
アメリカのトランペット演奏におけるユニークな伝統が凝縮された1枚です。この曲集に含まれる多彩な作品のほとんどは、奏者であるシルバーシュラグに捧げられたものであり、エイラーの躍動的な「ダンス組曲」やマッキンリーのウィットに富んだ「ポートレイツ」などでの息をのむほどの名技は言うまでもないものですし、作曲家ソンドハイムの同意を得てシルバーシュラグ自身がトランペット用に編曲したミュージカル「スウィーニー・トッド」からの2曲は、最初からこの形で書かれていたのではないか。と思えるほどのはまりようです。また指揮者シュワルツも、指揮者に転向する前は「天才トランペッター」としての名を欲しいままにしていた人です。もしかしたら「本当は自分も吹きたい」。と思っていたかもしれませんね。
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ヴィラ=ロボス(1887-1959):
交響曲 第6番「ブラジルの山の稜線」
交響曲 第7番 [サンパウロ響/カラブチェフスキー]VILLA-LOBOS, H.: Symphonies Nos. 6 and 7 (Sao Paulo Symphony, Karabtchevsky)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2012年10月24日 NMLアルバム番号:8.573043
CD価格:1,600円(税込)
「ブラジル風バッハ」で知られる作曲家ヴィラ=ロボス(1887-1959)は、生涯に12曲の交響曲を残しました。このアルバムはNAXOSにおける彼の交響曲全集の第1作目となるものです。1944年に書かれた第6番はエキゾチック、かつ雄大な音楽で幕を開けます。平明さを湛えながらも一筋縄ではいかない手の込んだ音は、まさに入り組んだ山並みを思い起こさせます。第2楽章の美しさも特筆すべき点でしょう。賑やかな第3楽章を経て、これまたダイナミックな終楽章へと傾れ込む見事な展開は、まさに手に汗を握るがごとしです。その翌年に書かれた第7番は、近代的な響きに彩られた野心的な作品で、ハープや打楽器を駆使した大管弦楽の咆哮は、胸を躍らせること間違いなし。20世紀音楽をじっくり語りたいなら、必ず通らなくてはいけない道と言えそうです。
収録作曲家:
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フックス(1956-):
アトランティック・リボン
アメリカン・ラプソディ/神の謎他 [ロンドン響/ファレッタ]FUCHS, K.: Atlantic Riband / American Rhapsody / Divinum Mysterium / Concerto Grosso (London Symphony, Falletta)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2012年09月19日 NMLアルバム番号:8.559723
CD-R価格:1,600円(税込)
2005年に発売された「アメリカン・プレイス」は、やはりロンドン交響楽団とファレッタの見事な演奏で、グラミー賞の2部門にノミネートされるなど、大きな反響を呼びました。このアルバムでは、様々な形態の作品で、その多様性をみせてくれています。作曲家の母方の祖父であるヴァン・ホーク(彼は有名なクルーズ会社“ホーランド・アメリカライン”のエンジニアでした)に捧げられた「アトランティック・リボン」はヨーロッパとアメリカを結ぶ海を描いていて、金管楽器やヴィヴラフォンによって醸し出される音色の妙が見事であり、どことなくドビュッシーの名作を思わせる部分もあります。
収録作曲家:
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デル・トレディチ(1937-):
ゴッサム・グローリー
ピアノ作品全集 第1集 [ペロキン]DEL TREDICI, D.: Piano Works (Complete), Vol. 1 - Gotham Glory (Peloquin)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2012年08月22日 NMLアルバム番号:8.559680
CD価格:1,600円(税込)
アメリカにおける「ネオ・ロマン主義運動の父」として知られるデル・トレディチ(1937-)のピアノ曲集です。彼の作品は、明快な調性感と、躍動するリズムに支えられた親しみやすいもので、初期の頃は、「不思議の国のアリス」にインスパイアされた作品で一世を風靡し、1980年にはピューリッツァー賞も受賞しています。NAXOSでは彼の全てのピアノ曲を3巻に分けてリリース。楽しい世界に遊んでいただこうという趣向です。第1集に収録されているのは、「バラード」と題された4つの作品と、ニューヨークの風景を描いた「ゴッサム・グローリー」です。トラック7で描かれているのは、2001年に崩壊したワールドトレードセンタービルであり、トラック8の「ウォールマンのスケートリンク」は、あのおなじみのワルツが壮大なファンタジーとして描かれます。
収録作曲家:
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ホヴァネス(1911-2000):
交響曲 第1番「追放者」
交響曲 第50番「セント・へレンズ山」
日本の木版画による幻想曲 [ジョンソン/シアトル響/シュワルツ]HOVHANESS, A.: Symphonies Nos. 1, "Exile Symphony" and 50, "Mount St. Helen" (Seattle Symphony, Schwarz)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2012年08月22日 NMLアルバム番号:8.559717
CD価格:1,600円(税込)
アルメニア系の父親と、スコットランド系の母親の元に生まれたアラン・ホヴァネス(1911-2000)は、生涯に400曲以上の作品を書き、とりわけ、交響曲はなんと67曲も残しています。彼の作品に漂う神秘的な雰囲気は、両親から受け継いだ民族音楽の影響に加え、若い頃に影響を受けたシベリウスの作品と、インドやハワイ、日本、韓国の伝統音楽などが密接に絡み合って醸し出されたものであり、類を見ない美しさに満ちています。彼の記念すべき第1番の交響曲は、「追放」と名付けられたもので、オスマン帝国によるアルメニア人虐殺の史実から着想を得て作曲されています。第50番の交響曲は、1980年に噴火したセントヘレンズ火山の恐るべきパワーにインスパイアされた曲。マリンバが驚くほど日本風のメロディを奏でる「幻想曲」も聞きものです。
収録作曲家:
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メニン(1923-1983):
モビー・ディック
交響曲 第3番
交響曲 第7番「ヴァリエーション・シンフォニー」 [シアトル響/シュワルツ]MENNIN, P.: Moby Dick / Symphonies Nos. 3 and 7 (Seattle Symphony, Schwarz)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2012年08月22日 NMLアルバム番号:8.559718
CD-R価格:1,600円(税込)
イタリア移民の家庭に生まれ、W.シューマンやD.ダイアモンドらと、アメリカ近代音楽の基礎を作ったピーター・メニン(1923-1983)の作品集です。先進的な作風が特徴的で、半音階手法を駆使したダイナミックな音楽は、当時の聴衆にはうけが悪かったようですが、今になって改めて聞いてみると、逆に伝統に則った素晴らしい音楽として耳に残るものです。彼の作品のほとんどは、純粋音楽であり、具体的な内容を持つものではありませんが、唯一の例外が、ハーマン・メルヴィルの「白鯨」によるコンチェルタート「モビー・ディック」です。最初はオペラとして着想されたのですが、結局、彼は一つの音楽物語としてこの作品を書きあげました。途方もないエネルギーを秘めた熱い曲には驚きを禁じ得ません。伝統的な3楽章形式で書かれた「第3番」、瞑想的な雰囲気で始まり、大きな起伏が素晴らしい「第7番」の交響曲も見事です。
収録作曲家:
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ダニエルプール(1956-):
交響曲 第3番他 [エシャム/シアトル響/シュワルツ]DANIELPOUR, R.: Symphony No. 3, "Journey Without Distance" / First Light / The Awakened Heart (Esham, Seattle Symphony Chorale and Orchestra, Schwarz)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2012年08月08日 NMLアルバム番号:8.559712
CD-R価格:1,600円(税込)
アメリカ生まれのダニエルプール(1956-)は、同世代の現代音楽作曲家の中でも、最も成功を収めている一人と言ってよいでしょう。彼の作品はとても色彩豊かで、力強く、また曲によってはロマンティックな要素や神秘的な傾向も感じられるという、とても魅惑的なものばかりです(彼のヴァイオリン作品は、かの五嶋みどりも好んでいて、よく取り上げるといいます)。このアルバムは3つの作品が収録されていて、これらは全て対照的な作風を有しています。リズミカルな動きと静かな聖歌が対立する「最初の光」、万華鏡のような様々な表情を見せる3つの楽章による「目覚める心」、悲劇的で恐怖に満ちた第1部と、希望への向かう第2部からなる「交響曲第3番」。これらを聴いて何かを思わずにいられる人がいるのでしょうか。
収録作曲家:
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ヘイルストーク(1941-):
交響曲 第1番他 [ヴァージニア響/ファレッタ]HAILSTORK, A.: American Port of Call (An) / Symphony No. 1 / 3 Spirituals (Virginia Symphony, Falletta)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2012年07月18日 NMLアルバム番号:8.559722
CD-R価格:1,600円(税込)
ニューヨーク生まれの作曲家、大学教授ヘイルストーク(1941-)の作品集です。今回は彼の3曲ある交響曲から第1番(既発売、第2&3番…8.559295)と、その他の特色ある作品を収録することで、彼の描き出す色彩感豊かで郷愁誘う世界を味わっていただけます。交響曲第1番は1987年にニュージャージー州の夏の音楽祭から委嘱されたもので、20分程度のコンパクトで古典的な趣きを持っています。雄大な第1楽章を経て、第2楽章のアダージョはまるでドヴォルザークの作品のような懐かしさに溢れています。騒がしいスケルツォ、全てを総括する終楽章と、聴きやすさも満点です。「3つのスピリチュアルズ」はオルガンのために書かれた作品の管弦楽編曲でありアメリカ民謡が至るところに使われています。 ちなみに弟2曲の「クン・バ・ヤ」とは1930年代から変わらず愛されている黒人霊歌で「Come By Here」を省略した言葉とも言われています。高らかに奏される「アメイジング・グレイスによるファンファーレ」も心が高揚します。NAXOSイチオシの女性指揮者ファレッタのしなやかな指揮でお楽しみください。
収録作曲家:
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モートン・グールド(1913-1996):
合奏協奏曲他 [シアトル響/シュワルツ]GOULD, M.: Concerto Grosso / Formations / Cinerama Holiday Suite (Seattle Symphony, Schwarz)
■協奏曲
発売日:2012年06月20日 NMLアルバム番号:8.559715
CD-R価格:1,600円(税込)
大不況のさなか、ニューヨーク州リッチモンド・ヒルで生まれ、幼い頃から映画館などでピアノを弾いて生計を立てていたというモートン・グールド(1913-1996)。そんな体験からか、長じては、クラシックとポピュラー音楽を絶妙に組み合わせた多くの作品を書き、「音楽の楽しさ」を広く伝えることで、名声を高めました。このアルバムではそんな彼の多彩な作品をまとめて楽しむことができます。合奏協奏曲では、もちろんバイオリンが大活躍しますが、そのバックを務める管弦楽も何とも闊達で楽しそうな雰囲気です。聴いているだけで踊りだしたくなるような洒落た節回しがステキです。かと言って全てがそんな楽しい音楽ばかりではありません。戦争関係の番組のために書かれたいくつかの曲は、悲しみを最大限に伝える工夫が凝らされています。しかし、全編に漂う悲壮感に若干混じる皮肉さこそが彼の本領だったのかも知れません。
収録作曲家:
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ボルコム(1938-):
ゴスペル・プレリュード全集 [ハンド]BOLCOM, W.: Gospel Preludes, Books 1-4 (Hand)
■合唱曲
発売日:2012年05月16日 NMLアルバム番号:8.559695
CD価格:1,600円(税込)
クラシックの作曲家というよりも、どちらかと言うとジャズの分野で知られるボルコム(1938-)ですが、NAXOSでは、25年の歳月をかけて作曲した「無垢と経験の歌」(8.559216-18)がとりわけ人気を誇っているように、そのジャンルを超えた多彩な作品は、全ての人々に訴えかける力を持っています。この「ゴスペル・プレリュード」もその流れに位置する作品群で、敬虔な響きとジャジーな和声が交錯する不可思議な親しみやすさを持っているものばかりです。おなじみの「アメイジング・グレイス」も幻想的な面持ちで登場し、刻々と姿を変えていきます。あの有名な讃美歌「主よ御許に近づかん」は、重苦しい不協和音で始まり、どうなることか・・・と思っていると、突然鐘の音とともに、メロディが現れます。スウィングしちゃうぞ!
収録作曲家:
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バーンスタイン:アリアと舟歌
バーバー:序曲「悪口学校」
ダイアモンド:モーリス・ラヴェルの思い出に捧げる哀歌 [シアトル響/シュワルツ]BERNSTEIN, L.: Arias and Barcarolles / BARBER, S.: The School for Scandal / DIAMOND, D.: Elegy in Memory of Maurice Ravel (Seattle Symphony, Schwarz)
■オペラ
発売日:2012年05月16日 NMLアルバム番号:8.559709
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)アメリカを代表する3人の作曲家の作品集です。時として機能的になりがちなアメリカ音楽にも、こんなにも抒情的な面があるということを再確認できる選曲がステキです。バーンスタインの歌曲集「アリアと舟歌」は1988年、彼の晩年に完成しましたが、1955年ころから構想が練られていたようで、1960年にはタイトルが決められていて、しばしばメロディの断片が書きつけられるなど、バーンスタインがずっと温め続けた「愛と結婚」についてのツィクルスです。本来は声と4手ピアノのために書かれたものですが、ブライト・シェンがバーンスタイン監修の下、弦楽合奏とパーカッション伴奏にと拡大したヴァージョンが収録されています。バーバーの作品はエネルギーに溢れていて、ダイヤモンドの作品は、ノーブルさの中に暴力的な嘆きを反映させた革新的なものです。
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アメリカのマンドリンとギターの音楽集 [デュオ・アーレルト&シュヴァープ]
Mandolin and Guitar Music (American) - KAISER, T. / FEBONIO, T.G. / EDWARDS, T.D. / AXELROD, L. (Duo Ahlert and Schwab)
■器楽曲(ギター)
発売日:2012年04月18日 NMLアルバム番号:8.559686
CD-R価格:1,600円(税込)
このアルバムに収録されている作品の多くは、このアーレルト&シュヴァープ・デュオのために書かれています。ギターのまろやかな響きと、マンドリンの煌めく響きが素晴らしく溶け合うこのアンサンブル、以前ヴァイスとホフマンの2人の古典的な作曲家の曲集(8.557716)で、その素晴らしい妙技を聴かせていましたが、ここでは全く違うスタイルの音楽を、見事に表現しています。緊張感に満ちた「運命」、古典的なフォルムを持った「水のバラード」、カオス理論の一説に触発されたとりう「奇妙なアトラクター」など、様々な形態の音が並び、時には自然を賛美し、時には電子音楽の模倣までと、一瞬たりとも耳を離すことができません。
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イエディディア(1960-):
即興曲/夜想曲/世界の舞曲他 [フィッターシュタイン/イェディディア]YEDIDIA, R.: Impromptu, Nocturne and World Dance (Fiterstein, Yedidia)
■室内楽
発売日:2012年04月18日 NMLアルバム番号:8.559699
CD-R価格:1,600円(税込)
1960年、テルアビブ生まれの作曲家イエディディア(1960-)の作品集です。彼の作品は多様性と想像力に満ちていて、世界的に高く評価されています。2007年にはシアトル室内楽協会初の委嘱作曲家に選ばれ、精力的に作品を発表しています。このクラリネット作品集は、とりわけ感動的で親しみやすいもので、現代音楽につきものの難解さは一かけらもありません。トラック1.4.6の3曲は、彼の友人であるイギリスのウェラー一家の双子の誕生を祝うために書かれた曲で、異なるスタイルの3曲に、多様な表現と世界の平和を込めた喜ばしく輝かしい音楽です。「さようなら、ナタニエル」は海の事故で命を落とした彼の友人のための追悼曲。彼の最初のクラリネット作品である「詩曲」はラフマニノフを思わせるピアノの伴奏に乗って、クラリネットが美しく歌います。小さい編成にもかかわらず、大きな世界を描きだす「小協奏曲」も魅力的です。
収録作曲家:
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ガーシュウイン(1898-1937):
へ調の協奏曲
ラプソディ 第2番
「アイ・ガット・リズム」変奏曲 [ウォス/バッファロー・フィル/ファレッタ]GERSHWIN, G.: Piano Concerto / Second Rhapsody / I Got Rhythm Variations (Weiss, Buffalo Philharmonic, Falletta)
■協奏曲
発売日:2012年03月14日 NMLアルバム番号:8.559705
CD価格:1,600円(税込)
ガーシュウィン(1898-1937)の「もう一つのピアノ協奏曲」である「へ調の協奏曲」です。代表作「ラプソディ・イン・ブルー」に比べると、古典的な形式に近づいているのは、この曲を作るためにガーシュウィンは、わざわざ音楽理論書を購入して、楽典から学びなおしたのだとか。もちろん前作のように、オーケストレーションを他の人の手に委ねることはなく、全て自らの手でスコアを書いたというのだから、その努力の凄まじさには敬服する他ありません。初演はガーシュウィン自身のピアノと、彼にこの作品を委嘱したダムロッシュの指揮、ニューヨーク交響楽団によって行われ、ジャズでもなくクラシックでもない新しい音楽は当時の聴衆を翻弄しました。もともと映画音楽として構想された「ラプソディ第2番」はマンハッタンの街並みを音に移したもの。彼の最後のフルスコアである「アイ・ガット・リズム」変奏曲も泣かせます。
収録作曲家:
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スーザ(1854-1932):
〈吹奏楽のための作品集 第10集〉 [ノルウェー王国海軍軍楽隊/ブライオン]SOUSA, J.P.: Music for Wind Band, Vol. 10 (Royal Norwegian Navy Band, Brion)
■吹奏楽
発売日:2012年02月15日 NMLアルバム番号:8.559397
CD-R価格:1,600円(税込)
「マーチ王」ジョン・フィリップ・スーザ(1854-1932)の作品集、第10集です。今回のアルバムにも胸躍る行進曲など、たくさんの名曲が収録されています。中でも珍しいのがトラック13のユモレスクです。この曲はP.D.Q.バッハの作品にも匹敵するほどのユーモアにあふれたもの。ミュージカルのスタンダード・ナンバーで知られるジェローム・カーンのヒット曲のもじりで、T型フォードを酩酊状態で運転すること(ダメですよ)についての作品とのことで、曲は様々な楽器で演奏されます。「温室に住む人々」はいろいろなアルコール飲料についての音楽。聴いているだけで幸せな気分になれそうな組曲です。
収録作曲家:
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スティル(1895-1978):
交響曲 第2番&第3番・森の調べ [フォート・スミス響/ジーター]STILL, W.S.: Symphonies Nos. 2, "Song of a New Race" and 3, "The Sunday Symphony" / Wood Notes (Fort Smith Symphony, Jeter)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2012年02月15日 NMLアルバム番号:8.559676
CD価格:1,600円(税込)
ラテン系アメリカ人の作曲家、ウィリアム・グラント・スティル(1895-1978)は、典型的なアメリカン・サクセス・ストーリーを実現した人でした。彼は3歳の時に町の楽団指揮者を務めていた父を亡くしますが、教師だった母の勧めでヴァイオリンを学ぶことで最初の音楽体験を果たしました。その後医学の研究にいそしみますが、やはり音楽への情熱捨てがたく、戦争をはさみながらも、アレンジャーとして働き、またブロードウェイではオーボエ奏者として、数多くの経験を積むことになります。ニューヨークからロサンゼルスに移り、古典的な作品を中心に数多くの曲を発表しました。当初5楽章として計画されるも、出版時に最終楽章を削除したという「森の調べ」は、少しだけドヴォルザーク色を感じさせる牧歌的でのどかなもの。自らのルーツを辿るかのように、ジャズなどの要素を埋め込んだ交響曲第2番、彼の生前は演奏されることのなかった交響曲第3番、どれも独特の情緒を湛えた名作です。
収録作曲家:
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モラヴェック(1957-):
有用な知識 [バートン/マリガン/スカルターラ/トリオ・ソリスティ]MORAVEC, P.: Useful Knowledge: A Franklin Fantasy / Vita Brevis / Characteristics (Burton, Mulligan, Scarlata, Trio Solisti)
■合唱曲
発売日:2012年02月15日 NMLアルバム番号:8.559698
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)このアルバムのジャケットに使われている肖像画は、作曲家モラベック(1957-)のものではありません。学者でもあり、政治家としても知られるベンジャミン・フランクリンその人を描いたもので、タイトルの「有用な知識」も、フランクリンの言葉からの引用です。作曲者モラヴェックによると、このアルバムに収録されているのは「音楽の肖像」ともいうべき作品であり、歌曲集「人生は短し」はジェームズ・エッジの詩による“ゆがんだ子守歌”に始まる、一人の人間の誕生から死までを描いたもの。「特性」はピアノ独奏による、モラヴェックの友人たちの肖像画、そして表題作「有用な知識」は前述の通り、フランクリンのテキストを短縮、拡大して用いた音楽的賛辞です。ピューリッツァー賞を受賞するほどの頭の良い人が考えることは、やはり突き抜けています。
収録作曲家:
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ハンソン(1896-1981):
交響曲 第4番「レクイエム」Op.34
交響曲 第5番「神聖な交響曲」Op.43他 [シアトル響シュワルツ]HANSON, H.: Symphonies (Complete), Vol. 4 - Symphonies Nos. 4 and 5 / Elegy / Dies natalis I (Seattle Symphony, Schwarz)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2012年02月15日 NMLアルバム番号:8.559703
CD価格:1,600円(税込)
アメリカ音楽界に確固たる地位を築き、作品も評価され、順風満帆の人生を歩んでいたハンソン(1896-1981)ですが、1943年の父の死にはかなりのショックを受けたようです。その苦悩を乗り越えて書き上げられたのが、この交響曲第4番「レクイエム」。もともと抒情的な彼の作風ですが、ここでは一層ロマン主義に回帰し、深い精神性に満ちた曲を描きだしました。第2楽章以外はレクイエムの典礼文を用いた感動的なもので、交響曲というよりもカンタータとしての色合いが強くなっています。彼はこの作品でピューリッツァー賞も獲得しています。第5番は単一楽章の交響曲で、タイトル通り神聖な雰囲気を醸し出しています。彼が世に出るきっかけとなったクーセヴィツキーのために書かれたエレジーも、深い悲しみを湛えた一遍の叙事詩です。
収録作曲家:
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セルバンテス(1847-1905):
キューバ舞曲集 [センドージャ]CERVANTES, I.: Danzas cubanas (Cendoya)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2012年02月15日 NMLアルバム番号:8.572456
CD価格:1,600円(税込)
ラテン・アメリカのピアノ音楽における重要人物であるセルバンテス(1847-1905)の作品集です。彼の母国キューバの文化と国家のアイデンティティを反映させた作風は、当時の聴衆に大うけであり、コンサートホールだけでなく、舞踊音楽としても重要な役割を担っています。この「キューバ舞曲集」は、作曲年代などはっきりしたことは分かっていませんが、まさにエッセイ風の趣きを持ち、楽譜にはちょっとした思い付きなども書き込まれているという、興味深い作品集です。何より、どの曲も楽しさ満点。どの曲も1~2分と短く、どこかスコット・ジョプリンを思わせる軽快なリズムの曲があったり、ショパンを思わせるしっとりとしたマズルカ風の曲があったりと、変化に満ちた38曲です。一度聴いたら必ずはまります。
収録作曲家:
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ピアソラ(1921-1992):
タンゴ・ディスティーノ [リアルマコプーロス]PIAZZOLLA, A.: Tango Distinto (Liarmakopoulos)
■室内楽
発売日:2012年02月15日 NMLアルバム番号:8.572596
CD価格:1,600円(税込)
ピアソラ(1921-1992)のタンゴは、すでに普遍的な地位を築いており、今ではまるでJ.S.バッハの作品のように、様々が楽器で演奏されることが普通となっています。彼の作品はどんな楽器とも親和性があり、まるで最初から予定されていたかのようにそこに馴染むのです。今作はソロ・トロンボーンによるピアソラの最初の録音となります。有名なオブリビオンや、耳にする機会の多い「タンゴの歴史」も、全く新しい装いで立ち現れます。もちろん、ここでソロを担うリアルマコプーロスの超絶技巧には目を見張るものがあります。名チェリスト、ロストロポーヴィチのために書かれた「グラン・タンゴ」でも、涙が出そうなほどに見事な演奏を聴かせます。
収録作曲家:
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カステリャーノス(1915-1984):
パカイリグアの聖なる十字架 [ベネズエラ響/ヴァグネル]CASTELLANOS, E.: Santa Cruz de Pacairigua / El rio de las siete estrellas / Avilena Suite (Venezuela Symphony, J. Wagner)
■交響曲/管弦楽曲 ■宗教曲
発売日:2012年02月15日 NMLアルバム番号:8.572681
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)冒頭から高らかに響き渡るファンファーレ! これを聴いて「おおっ」と思わない人はいないのでは。20世紀前半に活躍したベネズエラの作曲家、カステリャーノス(1915-1984)の刺激的なこの作品「パカイリグアの聖なる十字架」は、人気のダンスのリズムやメロディーだけでなく、ベネズエラの中世のキャロルを引用するなど、まさに国家主義的なスタイルの音楽です。豊富なメロディ、厚みのあるハーモニー、そして見事な管弦楽法に彩られた曲は、ある意味、マーラーの第7番の終楽章の喧騒にも似た混沌たるエネルギーを感じさせてくれることでしょう。オリノコ川についての詩に触発されたという「セブンスターの川」、ベネズエラの流行歌や、マラカスなどを配した極めて楽しい「アビレーニャ組曲」も心地良い気分を誘います。とにかく気分良くなりたい人にうってつけの1枚です。
収録作曲家:
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コルデロ(1946-):
カリビアン・コンチェルト他 [ペペ・ロメロ/フィグエロア/イ・ソリスティ・ザグレブ]CORDERO, E.: Caribbean Concertos - Concierto Festivo / Insula / Concertino Tropical (Pepe Romero, Figueroa, I Solisti di Zagreb)
■協奏曲 ■器楽曲(ヴァイオリン) ■器楽曲(ギター)
発売日:2012年02月15日 NMLアルバム番号:8.572707
CD価格:1,600円(税込)
プエルトリコの作曲家兼ギタリスト、エルネスト・コルデオ(1946-)の作品集です。彼は名ギタリスト、ペペ・ロメロを「神のインスピレーションを持つもの」として讃え「祝典協奏曲」を捧げました。これは作曲家の心でもあるカリブ海の島に伝わるリズムに源を発した情熱的でリズミカルな音楽です。叩き付けるようなリズム、熱い風を感じさせる郷愁的なメロディ。とにかく盛り上がること間違いなしの音楽です。「インスラ」は「島」の意味を持ち、指揮者であり、また優れたヴァイオリニストでもあるフィグエロアに捧げられています。こちらもカリブ海の風景を思い起させるような音楽で、忍び寄るかのようなタンゴ風のメロディもたまりません。生い茂るマホガニーの木、その枝をぬって飛ぶ極彩色の鳥たち、そんな情景が目に浮かんできませんか?
収録作曲家:
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ガルフストリーム
アメリカの室内楽作品集 [エンヘイク]Chamber Music (American) - LARSEN, L. / LIEUWEN, P. / SCHICKELE, P. / COPLAND, A. (Gulfstream) (enhake)
■室内楽
発売日:2012年01月18日 NMLアルバム番号:8.559692
CD価格:1,600円(税込)
編成は小さくても中身はぎっしり
21世紀のアメリカのステキな室内楽作品集現代アメリカの4つの室内楽作品を集めた小粋な1枚です。最初のラーセンの曲は「マドンナと銃」という絵画からインスピレーションを受けたもので、まさに暴れ馬を連想させるようなパワーある音楽です。2曲目はリーウェンの作品。タイトルの「ガルフストリーム」とはメキシコ湾流の意味。カリブ海からメキシコ湾に入り、フロリダ海峡を通って大西洋に流出するという複雑な流れをとります。地球温暖化の一端をも担っているといわれる極めてスリリングな海流で、音楽も負けずに劇的です。シックリーの四重奏曲は、ちょっぴり憂鬱なフォーク・ミュージックであり、コープランドの六重奏曲は、生命力溢れる元気のよい作品です。この上なく刺激的で、どことなく懐かしい・・・そんな音楽を聴きたい方にぴったりです。 -
ハンソン(1896-1981):
交響曲 第3番
組曲「メリー・マウント」他 [シアトル響シュワルツ]HANSON, H.: Symphonies (Complete), Vol. 3 - Symphony No. 3 / Merry Mount Suite (Seattle Symphony, Schwarz)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2012年01月18日 NMLアルバム番号:8.559702
CD価格:1,600円(税込)
まだハンソンを聴いたことがない人・・・人生を半分損しています数多いアメリカ音楽の中でも、最も重要な位置を占めるハンソンの交響曲シリーズ。今回は第3番をお届けいたします。この曲は1936年から1938年に書かれた作品で、ハンソン特有の「北欧らしさ」も存分に備えた美しくも雄大な風情を持っています。4楽章の定型で書かれていて、もちろんアメリカの自由な空気感も感じられ、冒頭からわくわくするような(まるでシベリウス?)響きが感動を呼びます。曲がアジタート(激しく)に転じてからは一層ドラマティックになり、のどかな第2楽章では深呼吸したくなるほとの美しさを感じられるでしょう。もう1曲は、自身のオペラから編曲した「メリー・マウント」組曲です。悲劇的な内容を持つ作品で、音楽も極めて雄弁。難解さを配した活力漲る作品です。
収録作曲家:
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ハンソン(1896-1981):
交響曲 第2番「ロマンティック」 他 [シアトル響シュワルツ]HANSON, H.: Symphonies (Complete), Vol. 2 - Symphony No. 2 / Lux aeterna / Mosaics (Seattle Symphony, Schwarz)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2011年12月14日 NMLアルバム番号:8.559701
CD価格:1,600円(税込)
アメリカ生まれのシベリウス
究極のロマンティックな音楽がNAXOSで復活第1集(8.559700)を聴いてもわかるように、ハンソンはアメリカの作曲家とは言え、その根底にはまるで「シベリウスの血」が流れているかのようです。この第2番の交響曲は彼の最も有名な作品ですが、ここでもその傾倒ぶりがよくわかります。冒頭の抒情的な弦の扱いや、独特の和声、そしてホルンのファンファーレ。これらはまさに北欧由来の音楽と言っても過言ではありません。しかし、聴き進めるにつれて、もっともっと現代的で広がりのある世界に包みこまれていく快感を味わえるのがハンソンを聴く楽しみなのかもしれません。「ルクス・エテルナ」ではパレストリーナへの関心が伺われます。1957年に作曲された「モザイク」は、指揮者ジョージ・セルのために書かれたもので、ハンソンが愛した変奏曲形式が用いられています。全編重厚な弦の響きに覆われた豊かな音楽です。収録作曲家:
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シュワントナー(1943-):
チェイシング・ライト
モーニングズ・エンブレイス
打楽器協奏曲 [ラム/ナッシュヴィル響/ゲレーロ]SCHWANTNER, J.: Percussion Concerto / Morning's Embrace / Chasing Light… (Lamb, Nashville Symphony, Guerrero)
■協奏曲
発売日:2011年11月16日 NMLアルバム番号:8.559678
CD-R価格:1,600円(税込)
ピューリッツァー賞を受賞したこともある、アメリカ合衆国の作曲家シュワントナー。彼の名前は主に吹奏楽の分野で知られています。とりわけ「・・・そしてどこにも山の姿はない」は彼の代表作であり、日本でもしばしば演奏されています。彼はさまざまな分野から影響を受けた多くの作品を書き、それらはとても雄弁で強烈な色彩を放っています。このアルバムに収録された3つの作品、ニューヨーク・フィルハーモニック創立150周年のために書かれた、強烈な音響を持つ「パーカッション協奏曲」と、ワシントン・ナショナル交響楽団75周年を記念して書かれた「朝の抱擁」、そしてソローの「ウォールデン-森の生活」からインスピレーションを受けた「光を追いながら」は、どれも彼の作風を端的に表すものとして評価されることでしょう。
収録作曲家:
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ハンソン(1896-1981):
交響曲全集 第1集
交響曲第1番 ホ短調 「ノルディック」
ベオウルフの哀歌 [シアトル響/合唱団/シュワルツ]HANSON, H.: Symphonies (Complete), Vol. 1 - Symphony No. 1 / The Lament for Beowulf (Seattle Symphony Chorale and Orchestra, Schwarz)
■交響曲/管弦楽曲 ■合唱曲
発売日:2011年11月16日 NMLアルバム番号:8.559700
CD価格:1,600円(税込)
ハワード・ハンソンはアメリカの作曲家、指揮者です。保守的な作風で知られ、とりわけ北欧文化を好んで題材にするため「アメリカのシベリウス」と呼ばれることもあります。彼は25歳の時に、交響詩「夜明け前」を作曲、この曲がアメリカ・ローマ賞を受賞したことで、イタリアに留学するという栄誉を受けました。その時にレスピーギにも管弦楽法を学び、その時に作曲されたのが、この第1番の交響曲と「ベオウルフの哀歌」を含む一連の作品でした。交響曲第1番「ノルディック」はまさにシベリウスの作風を継承したものであり、穏やかさと勇壮さを兼ね備えています。また「ベオウルフ」とは、イギリスの長編詩に登場する英雄の名で、ハンソンは緊張感溢れる見事な音楽を付けています。
収録作曲家:
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光の川
アメリカのヴァイオリンとピアノのための小品集 [フェイン]Violin Recital: Fain, Tim - PUTS, K. / GLASS, P. / KERNIS, A.J. / ZHURBIN, L. / DANIELPOUR, R. / BOLCOM, W. / HIGDON, J. (River of Light)
■室内楽 ■器楽曲(ヴァイオリン)
発売日:2011年10月19日 NMLアルバム番号:8.559662
CD-R価格:1,600円(税込)
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ローレム(1923-):
フルートを伴う室内楽作品集 [スミス/レイズナー/トーマス/リー/パイロット]ROREM, N.: Chamber Music with Flute - Mountain Song / Romeo and Juliet / Trio / Book of Hours / Prayers (F. Smith, Leisner, Thomas, Mihae Lee, Pilot)
■室内楽
発売日:2011年10月19日 NMLアルバム番号:8.559674
CD価格:1,600円(税込)
1923年生まれのネッド・ローレム(1923-)は概ね歌曲作曲家として知られていますが、彼はその活動のほぼ全域に渡って、フルートのための作品も書いています。ここに収録されたのは、そんな魅力的な曲の数々です。若い頃にフランスに住んでいたローレム、やはり初期の作品にはプーランクやラヴェル、ルーセルの影響が強く感じられます。そんなモダンさとケンタッキーの民謡を掛け合わせたかのような、「山の歌」(これは、彼が最初に書いた器楽のための曲で、オーボエ、もしくは、ヴァイオリン、チェロでも奏されます)から、2006年の「4つの祈り」まで、およそ50年もの年月によって熟成されたローレムの歌心は、美しくも哀しく響き渡ります。名手フェンウィック・スミスの演奏で。
収録作曲家:
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ピーター・シックリー(1935-):
カッツキルの1年 [ブレア木管五重奏団/フェリックス・ワン・ローズ]SCHICKELE, P.: Year in the Catskills (A) / Gardens / Dream Dances / Diversions (Blair Woodwind Quintet, Felix Wang, M. Rose)
■室内楽
発売日:2011年10月19日 NMLアルバム番号:8.559687
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)この作曲家の名前、聞き覚えあるな? と思った方、それはかなりのマニアです。そうです。この人は以前、全世界で大ヒットを飛ばしたP.D.Q.バッハ(バッハの21番目の息子???)の生みの親というか、伝記作者。平たく言えば、「シックリー教授」が自作を発表する時に用いた偽名なのですが、そのジャンルを越えた「冗談音楽」はお堅いクラシック音楽界に旋風を巻き起こしたことは間違いありません。このアルバムに収録された曲は、冗談音楽ではなく、きちんとした室内楽ですが、それでも、「カッツキルの1年」ではバロック時代に回帰した音楽が聴けますし、自作からの引用も盛り込まれています。ドリーム・ダンスでの人を食った表情もいい感じです。
収録作曲家:
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ブレシング・レッスンズ
サクソフォン四重奏のための音楽 [ニュー・ハドソン・サクソフォン四重奏団]Chamber Music (Saxophone Quartets) - TANENBAUM, E. / SAMPSON, D. / MORRILL, D. / SAUTER, E. (Breathing Lessons) (New Hudson Saxophone Quartet)
■室内楽
発売日:2011年09月14日 NMLアルバム番号:8.559627
CD-R価格:1,600円(税込)
聴く時もカッコよく行きたい
サックス四重奏、150年の歴史にまた一つ名盤が!気まぐれで刺激的。そんな言葉がぴったりのサックス四重奏。このアルバムは1987年に結成された「ニュー・ハドソン・サクソフォン四重奏団」の3枚目のアルバムとなります。彼らは、常に新しいレパートリーを求め、多くの作曲家たちに新作を依頼し、既に30作以上の作品を手中に収めています。まず、ひねりの効いたタネンバウムの「四重奏」で始まり、アルバム・タイトルでもあるサンプソンの「ブレシング・レッスン(息使いの練習)」で多彩な世界を見せてくれます。テナー・サックス奏者デムジーの友人でもあるモリルのジャジーで即興的な「バガテル」、テューバを吹く人も必聴、ソーターの作品。そして大御所エワゼンの華麗でエネルギッシュなラプソディ。全て世界初録音です。 -
オールドリッジ(1954-):
歌劇「エルマー・ガントリー」(2007) [ファレス/ライズリー/ライドアウト/ケリー/フロレンティン歌劇場合唱団/ミルウォーキー響/ボッグス]ALDRIDGE, R.L.: Elmer Gantry [Opera] (Phares, Risley, Rideout, Kelley, Florentine Opera Chorus, Milwaukee Symphony, Boggs)
発売日:2011年09月14日 NMLアルバム番号:8.669032-33
2CD
通常価格:2,500円→ 特価!:690円(税込)人の心を動かすのは、巧みな話術なのか? それとも真の行いなのか?
2012年グラミー賞 クラシック部門 最優秀現代作曲賞・最優秀録音賞 受賞アルバム1960年にリチャード・ブルックスの監督で制作された同名映画(こちらの音楽はアンドレ・プレヴィン)がありました。口先で生きてきたようなペテン師が、不純な動機で宗教団体に入り込み、こともあろうに「伝道師」として人々の前に立ち説教をするようになります。しかし、彼の過去が暴かれるのは時間の問題。最後は愛した女性を失い、新たな旅にでるという物語でした。このオペラも大筋は同じものですが、登場人物の人間性が一層深く描かれているように思います。「宗教は普遍であるが、簡単に腐敗する」という隠しテーマを、ゴスペルや親しみやすい音楽を交え、実は深刻に描く問題作です。収録作曲家:
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スーザ(1854-1932):
吹奏楽作品集 第9集 [ノルウェー王国海軍軍楽隊/ブライオン]SOUSA, J.P.: Music for Wind Band, Vol. 9 (Royal Norwegian Navy Band, Brion)
発売日:2011年08月17日 NMLアルバム番号:8.559396
CD-R価格:1,600円(税込)
シンプル・イズ・ベスト! これがスーザのマーチの魅力!スーザの行進曲もこれが第9集となります。このアルバムに収録された行進曲は、彼自身のミュージカルから取られた旋律が使われていたり、いろいろな国歌が使われていたりと、興味深いものばかりです。トラック5−7の「西世界の人たち」は、3つの楽章でネイティヴ・インディアン、黒人音楽、アメリカ音楽を描き出すことで、特有の文化の違いを表現しています。スーザが行った1911年の世界ツアーで大好評を収めた作品です。トラック13の「ハーモニカの魔法使い」はスーザがフィラデルフィア・ハーモニカ・バンドを指揮した時に書いた曲。スコアにはハーモニカが含まれていませんが、曲の中ではハーモニカ奏法を模した音を使っています。その後、有名なホーナー・ハーモニカ・カンパニーが「スーザ・モデル」を発表。大々的に売り出したということです。
収録作曲家:
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ビスカーディ(1948-):
イン・タイムズ・アンフォールディング他 [ダ・カーポ・チェンバー・プレイヤーズ]BISCARDI, C.: In Time's Unfolding / Piano Quintet / Di Vivere / Companion Piece (Da Capo Chamber Players)
■室内楽
発売日:2011年08月17日 NMLアルバム番号:8.559639
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)未来に向かって一直線に進むのではなく、時には過去を思い出しながら、のんびり生きて行こうか1948年、ウィスコンシン州生まれの作曲家、ビスカーディの作品集です。彼における「1972年から2005年までの33年間の創造のプロセス」を、彼自身が振り返るという趣向のもとに曲順がアレンジされているという凝ったもの。動的な初期の作品から、モートン・フェルドマンのためにと題された静かな作品と、作曲年代を行きつ戻りつ、あらゆる表情を帯びた曲が並んでいます。最初と最後の曲は同じ物が置かれているのにも注目。アルバム自体が「過去を振り返る」というコンセプトで創られているのがおわかりになるでしょう。
収録作曲家:
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ガブリエラ・レーナ・フランク(1972-):
「Hilos(スレッド)」
「むこうみず」/「サクサムピジョース」他 [フランク/エイリアス室内アンサンブル]FRANK, G.L.: Hilos / Danza de los Saqsampillos / Adagio para Amantani / Quijotadas (ALIAS Chamber Ensemble, Frank)
■室内楽
発売日:2011年07月13日 NMLアルバム番号:8.559645
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)島国日本では想像もつかないような多民族の血が入り混じった奥深い音楽ですペルー及び中国の血を引く母と、ユダヤ系リトアニアの血を引く父の元、バークレーに生まれた女性作曲家、彼女は常に自らのアイデンティティを求めています。糸巻きの意味を持つ組曲「Hilos」(スレッド)は、ペルーの美しき絨毯を音で描いたような作品で、各々の楽器の響きが溶け合い、幽玄な音の織物を創り上げています。他にはセルバンテスの名作「ドン・キホーテ」の影響を受けた「むこうみず」、ジャングルのむせかえるような響きを模した「サクサムピジョース」など、興味深い作品が並びます。
収録作曲家:
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ハスケル・スモール(1948-):
戦争の子守歌 [レイナー/ナセリ]SMALL, H.: Lullaby of War / Renoir's Feast / 3 Etudes in Sound (Rayner, Nasseri)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2011年07月13日 NMLアルバム番号:8.559649
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)war is kind.
逆説的な言葉に込められた強烈な反戦メッセージアメリカの作曲家、ハスケル・スモールの作品集です。彼の作品はヨーロッパを始め、中国、日本でも演奏され、その豊かな表現と安定した音楽性が高く評価されています。このアルバムには、彼の代表的な作品が3つ収録されています。ナレーションとピアノによる「戦争の子守歌」は、ピアニスト、ナセリの依嘱作品で、時として荒々しさを隠せないピアノの音色にの奥底に戦争の悲哀をにじませています。フィリップス・コレクション美術館から依嘱された「ルノワールの祝宴」は、館の目玉作品である「舟遊びの昼食」が返還された記念の作品。3つの練習曲は、表題性を一切排し、音の動きのみを追求した作品です。収録作曲家:
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ライトマン(1955-):
ヴェデム ~ テレジン収容所の少年たちの本 [ミュージック・オブ・リメンブランス]LAITMAN, L.: Vedem / Fathers (Music of Remembrance)
■声楽曲 ■合唱曲
発売日:2011年07月13日 NMLアルバム番号:8.559685
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)日常の何気ない風景を描く時も、少年たちは常に死と隣り合わせだったに違いない「ヴェデム」とは、第二次世界大戦中にチェコのテレジン(強制収容所)で13歳から16歳の少年たちが発行した雑誌の名前。1942年から44年の毎週金曜日に刊行され、全部で74冊を数えます。チェコ語で「私たちは導く」という意味を持ち、少年たちの日常に即した詩や、物語、絵画などが掲載されています。ほとんどの少年たちは、ホロコーストでその輝かしいはずの未来を奪われましたが、ヴェデムは奇跡的に保存され、彼らの生きた証を現代に伝えています。作曲家のライトマンは、そのテキストをそのまま用い、感動的な音楽を付けて一遍のオラトリオとして、再び命を与えました。頽廃音楽を専門に演奏するアンサンブル「ミュージック・オブ・リメンブランス」の演奏です。
収録作曲家:
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ヒナステラ(1916-1983):
チェロ協奏曲集 [コソワー/バンベルク響/ツァグロツェク]GINASTERA, A.: Cello Concertos Nos. 1 and 2 (Kosower, Bamberg Symphony, Zagrosek)
■協奏曲 ■器楽曲(チェロ)
発売日:2011年07月13日 NMLアルバム番号:8.572372
CD価格:1,600円(税込)
熱い、厚い、暑い! チェロとオーケストラの応酬。
ヴィラ=ロボスとピアソラが好きな人なら間違いなくはまります。活動した時代だけを見れば、完全に「現代音楽作曲家」の範疇に入るはずのヒナステラ。しかし彼の曲はそんな枠には収めることのできない、伝統的で古典的な美質を持っています。この2つのチェロ協奏曲は、彼の最も革新的で、技術的で、かつ素晴らしい作品と言えるでしょう。1978年に彼の2番目の妻であるA・ナトーラによって初演された第1番の協奏曲は、挑発的でラテンのリズムをふんだんに用いた作品。第2番は10年目の結婚記念日のために書かれた作品で、こちらはまさにジャングルの喧騒を描いたような素朴で力強い音楽。打楽器の熱いリズムが胸を焦がします。収録作曲家:
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ゴンパー(1954-):
ヴァイオリン協奏曲
イコン/フィリップ/スパイラルス [デイヴィッド/ゾゾフスキー/ロイヤル・フィル/シフェール]GOMPPER, D.: Violin Concerto / Ikon / Flip / Spirals (David, Zazofsky, Royal Philharmonic, Siffert)
発売日:2011年06月15日 NMLアルバム番号:8.559637
CD-R
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)全ての国境を超え、太古の時を経て繰り返される音たちの対話デイヴィッド・ゴンパーはアメリカの作曲家、指揮者、ピアニストです。彼はロンドンで学び、ミシガン大学で博士号を授与され、2002年から2003年にはロシアに行き、教えながら、活発な演奏活動を行いました。ロシアから戻った彼は多くのインスピレーションを得たようで、歌曲や室内楽、映画音楽など多数の作品を書き、それはアメリカのみならず、ヨーロッパ中で広く演奏されています。ここに収録されているのは、ヴァイオリン協奏曲を中心とした4つの作品です。長い期間に渡って考え抜かれたヴァイオリン協奏曲は、響きを組織化することと、管弦楽とヴァイオリンの対話に重点を置いて書かれています。果てしなく魅力的で、自由に流れる楽想が魅力的です。
収録作曲家:
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カリアー(1959-):
ピアノ作品集 [メルトン]CURRIER, S.: Piano Music (Melton) - Piano Sonata / Departures and Arrivals / Scarlatti Cadences / Brainstorm
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2011年06月15日 NMLアルバム番号:8.559638
CD-R
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)現代の名演奏家たちが絶大なる信頼を寄せる作曲家。この1枚で彼の創作の原点がわかるかも作曲家セバスチャン・カリアーと言えば、アンネ・ゾフィー・ムターが彼のヴァイオリン協奏曲を世界初演したことで、その名を知っている人も多いことでしょう。権威あるグロマイヤー賞を2007年に受賞した彼の作品はワシントン・ポスト誌でも「抒情的であり、伝統に根ざしているが、全く新しいものにも根ざしている」と絶賛され、多くの愛好家たちの心を捉えています。多彩な曲を書くことでも知られ、このアルバムにも新古典派を思わせる機能的な曲から、極めて抒情的な曲など、どれもこれもが面白い作品ばかりが収録されています。5つの楽章からなる「ピアノ・ソナタ」は彼の学生時代の作品で、大胆、挑戦的でありながら繊細な側面も持ち合わせています。ベートーヴェンやヒンデミットの影響も垣間見えますが、充分に個性的な1曲です。「出発と到着」は、カリアー自身の言葉によると、彼が音楽を作る時に感じる特定の感覚を音にしているのだそうです。6つの部分は全て同じ材料からなり、違った道を通って到達した世界なのだとか。作品ができあがるプロセスが理解できるかもしれません。
収録作曲家:
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ディロン(1959-):
ヴァイオリン作品集 [ベレン/デイヴィッド・フン/エルナンデス/マンシー]DILLON, L.: Violin Music - Violin Sonata, "Motion" / 15 Minutes / Facade / Spring Passing (Belen, David Fung, Hernandez, Muncy)
■室内楽 ■器楽曲(ヴァイオリン)
発売日:2011年06月15日 NMLアルバム番号:8.559644
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)刺激的なものばかり書いていると、時には心休まるものも書いてみたくなるのでしょう作曲家ローレンス・ディオンは幼い時に病気で聴力の50%を失いましたが、7歳でピアノ・レッスンを始めると同時に作曲も手がけるようになりました。1985年にジュリアード音楽院で博士号を得て、その後幅広く活動しています。このアルバムには9つのヴァイオリン作品が収録されていますが、作曲年代は25年間に渡っていて、彼の作風の変化を感じることが可能になっています。1983年に書かれた「ファサード」は、「とげの多い」難解な曲を作ることが主流だったこの時代に、敢えてメロディアスな曲を持ってきたという挑戦的なものです。サロンミュージックのようなメロディが突然不協和音に取って変わられる瞬間は、聴き手の価値観を根源から揺るがすに違いありません。もちろん発表当時も周囲から反感を買い、一人の教授などは「彼の音楽を絶対に演奏してはならない」と学生たちに命令したのだそうです。反骨精神から生まれたかもしれない曲ですが、今なら全く問題なく受け入れられるのではないでしょうか?2008年の新作も、時代を回顧するような懐かしい響きに満ちています。
収録作曲家:
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打楽器のためのアメリカ作品集 第1集 [ニューイングランド音楽院パーカッション・アンサンブル/エプステイン]
American Music for Percussion, Vol. 1 (New England Conservatory Percussion Ensemble, Epstein)
■現代音楽
発売日:2011年06月15日 NMLアルバム番号:8.559683
CD-R価格:1,600円(税込)
弦楽器も管楽器も必要なし、打楽器の響きは人に眠る野生を呼び起こす現代のアメリカの5人の作曲家による、独創的で変わった音色を持つ打楽器のための作品集です。タワーの「DNA」はパーカッション・クィンテットと、全ての生命体の素材のために書かれています。美しい二重螺旋で描かれる優雅な形をしたデオキシリボ核酸を音で描くとは何と斬新な試みでしょう? サンドラーの「大根引き」はご存知、一茶の「大根引き大根で道を教えけり」の句からインスピレーションを受けています。俳句の持つ凝縮された世界が音で描かれています。マリンバの巧みな音色で森の風景を描く「素晴らしい樹木」、死者の魂が現世に戻り、親しい人とはしゃぎまわる様子を描いた「死者の日」、そしてシュラーの大作はハープ、ピアノ、チェレスタと100以上もの打楽器のために書かれた「協奏曲」。本当に多彩な響きをお楽しみいただけることでしょう。
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18世紀のアメリカ序曲集 [シンフォニア・フィンランディア/ガロワ]
Overtures (The 18th Century American) - HEWITT, J. / CARR, B. / REINAGLE, A. (Sinfonia Finlandia Jyvaskyla, P. Gallois)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2011年05月18日 NMLアルバム番号:8.559654
CD-R価格:1,600円(税込)
何だか聞いたことのあるメロディ? アメリカ音楽の萌芽がここにあり1700年の前半のアメリカでは、イギリスの植民地として、ハイドンやシュターミッツら、ヨーロッパの音楽家が各地でコンサートを開いていましたが、1700年の後半に起こった独立戦争を機に、地元の音楽家たち(多数入国していた移民たちも含む)が盛んに音楽を書き始めるようになりました。このアルバムに収められたのはイングランド生まれのカーとヒューイット、スコットランド生まれのライナグルの音楽。彼らの作品はヨーロッパで人気のクラシック音楽をメドレーにしたものが中心ではありますが、新しい物を作ろうという決意に溢れた、活力漲る音楽として高く評価されるものです。これらは音楽学者ファン・ブーア氏による渾身の復元です。
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ダニエルプール(1956-):
魔法にかけられた庭 ~ 前奏曲 第1集&第2集 [ワン・シャイン]DANIELPOUR, R.: Preludes, Books 1 and 2, "The Enchanted Garden" (Xiayin Wang)
■器楽曲(ピアノ) ■現代音楽
発売日:2011年05月18日 NMLアルバム番号:8.559669
CD-R価格:1,600円(税込)
ショパンを暗闇に放ち、ドビュッシーを過去に引き戻す、そんな前奏曲集はいかがでしょう?ダニエルプールは、日本ではほとんど知られていない作曲家ですが、現代音楽好きの方ならば、10年ほど前に発売されたエレジー(歌手F・フォン・シュターデの父の手紙をテキストにした歌曲集)を記憶されているのではないでしょうか? 彼は管弦楽曲から器楽曲まで広範囲に渡る作品を書いていますが、その根源にあるのは、常に「夢と記憶」で、抒情的な作風を貫くことで、現実と空想の世界を自由に行き来するものです。このピアノ曲集も、彼の記憶にある情景が歪曲され、不思議な形として立ち現れます。
収録作曲家:
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ジャズ・ノクターン
ジャズ・エイジのアメリカ協奏曲集 [ローゼンバーグ]JOHNSON, J.P.: Yamekraw / RESER, H.: Suite / GERSHWIN, G.: Rhapsody in Blue (Jazz Nocturne - American Concertos of the Jazz Age) (Rosenberg)
発売日:2011年04月13日 NMLアルバム番号:8.559647
CD-R価格:1,600円(税込)
はっきり言って「イケテます」
20世紀初頭のアメリカではこんな音楽が流行していました元々は西洋音楽とアフリカ音楽の融合であり、19世紀末のニューオーリンズで一応の誕生を見たとされるジャズ。瞬く間に世界中にブームを巻き起こしたことは誰しもがご存知でしょう。ジャズ・エイジとはアメリカ合衆国の1920年代を表す象徴的な言葉です。F.スコット.フィッツジェラルドが1922年に書いた「ジャズ・エイジの物語」が発端であり、当時のアメリカの享楽的な雰囲気を的確に表現したこの言葉は1929年の世界恐慌まで時代を席巻したのです。1924年にはガーシュウインの「ラプソディ・イン・ブルー」が書かれ、また「ガール・ガーシュウイン」の異名を取ったダナ・シュッスの「ジャズ・ノクターン」のテーマはビング・クロスビーが口ずさんだことで爆発的な人気を得ました。ま、そんなことはおいといて。とにかく楽しんでくださいませ。 -
ドアティ(1954-):
ルート66
ゴースト・ランチ/タイム・マシーン [ボーンマス響/オールソップ/陳美安/ジャクソン]DAUGHERTY, M.: Route 66 / Ghost Ranch / Sunset Strip / Time Machine (Bournemouth Symphony, Alsop, Mei-Ann Chen, L. Jackson)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2011年03月16日 NMLアルバム番号:8.559613
CD-R価格:1,600円(税込)
今や、世界中で最も注目される作曲家の一人となったマイケル・ドアティ。しかし、オールソップは彼の作品を20年以上も前から擁護し、積極的に演奏しています。今回の作品も極めて創造的でユニークです。「ルート66」とは、アメリカ合衆国の国道でイリノイからカリフォルニアを結ぶ重要な道でした。映画、音楽、ポップ・カルチャーにもしばしば登場し、多くの人に愛された道路です。「ゴースト・ランチ」はアメリカの女性画家ジョージア・オキーフにインスパイアされて書かれた作品。彼女は風景、花、そして動物の骨をモティーフとして70年もの間絵画を書き続けた人。そんな特異な画を彷彿させる煽情的な作品です。真夜中の街をドライヴしているような「サンセット・ストリップ」、3人の指揮者による競演「タイム・マシーン」。どれも実験的、かつ興味深い作品ばかりです。
収録作曲家:
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ポスト(1949-):
弦楽四重奏曲 第2番 - 第4番 [ホーソーン弦楽四重奏団]POST, D.L.: String Quartets Nos. 2-4 / Fantasia on a Virtual Choral (Hawthorne String Quartet)
■室内楽
発売日:2011年02月16日 NMLアルバム番号:8.559661
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)アメリカの作曲家、ポストは弦楽四重奏曲を「音楽の表現の頂点である」と語りました。彼の作品はどれも瞑想的な雰囲気と、美しく懐かしい響きを持っています。マルティヌーの作品からインスピレーションを受けた第2番、イラクの戦いを思いながら書かれた第3番、演奏しているホーソーン弦楽四重奏団のヴィオラ奏者ラトヴィックは、退廃音楽の擁護者でもあり、彼の提案に拠って作曲された、マサセッチューセッツの写真家モレルの写真に寄せる第4番。これらの作品の根底には、深い人間愛と平和への祈りが満ちています。またチェコの古いコラールに基づく美しい幻想曲も、切ない祈りが溢れています。
収録作曲家:
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バーンスタイン(1918-1990):
クラリネット・ソナタ
ピアノ三重奏曲他 [オーパス 2/マッズィー/バーナード]BERNSTEIN, L.: Violin Sonata / Piano Trio / New Transcriptions (Opus Two, Mazzie, Bernard)
■器楽曲
発売日:2011年01月12日 NMLアルバム番号:8.559643
CD-R価格:1,600円(税込)
作曲家としてのバーンスタイン(1918-1990)の功績の一つに「ジャズとクラシックの融合」が挙げられますが、ここに収録された3つの室内楽作品を聴くと、さすがの彼も、学生時代から20代の初めの頃には、印象派と新古典派の中庸を行く作品を書いていたんだな。と思わざるを得ません。とはいえ、1937年に書かれたピアノ三重奏曲の第2楽章は、やはりバーンスタインならではのもの。今にもはじけそうなエネルギーを秘めています。歌を伴う「家の歌」、ヴァイオリンが伸びやかに歌う「キャンディードからの4つの楽章」は全てミュージカル作品からの編曲版で、こちらは彼ならではのノリの良さと、泣かせるメロディを併せ持つナンバーです。
収録作曲家:
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ウィーラー(1952-):
歌曲集「夜の荒廃」他 [フィリップス/リヴァー/カイザー/シャープ/バーマン]WHEELER, S.: Songs (Wasting the Night) (Phillips, River, Kaiser, Sharp, Berman)
■声楽曲
発売日:2011年01月12日 NMLアルバム番号:8.559658
CD価格:1,600円(税込)
ボストンへの深い愛情が込められたオペラ「The Construction of Boston」(8.669018)が大評判となった作曲家ウィーラー(1952-)の歌曲集です。「言葉と音楽のコンビネーションから生まれる歌曲は最も感覚的で楽しいものです。」と作曲家自身が語るように、このアルバムには憂鬱な気分からユーモアに溢れた明るさまで、様々な世界が溢れています。名ソプラノ、ルネ・フレミングのために書かれた「日曜日の歌」、もともとはギターとテノールのために書かれた「セレナータ」のあけっぴろげな愛の表現、「モーツァルト、1935」では、断片的に現れるモーツァルトのおなじみの旋律が微笑を誘います。エミリー・ディキンソン、ブレーク、リルケなど普遍性のあるテキストにつけられた変幻自在なメロディは、聴き手のイマジネーションを刺激することでしょう。
収録作曲家:
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ウォロソフ(1955-):
無言歌集
弦楽四重奏のための18のディヴェルティメント [カルペ・ディエム弦楽四重奏団]WOLOSOFF, B.: Songs Without Words (Carpe Diem String Quartet)
■室内楽
発売日:2011年01月12日 NMLアルバム番号:8.559663
CD-R価格:1,600円(税込)
ピアニストとしても幅広い活動をしているウォロソフ(1955-)は、10代の頃からクラシックの勉強をしながら、ロックやジャズの演奏を行ってきています。そんな彼の作品は、「私の友だちが楽しみのために聴きたい音楽を作曲することに喜びを見出す」と彼自身が語るように、どれも聴きやすく、親しみやすい楽想に溢れています。このアルバムに収録された「無言歌」と名付けられた18曲の小品たちも、ポピュラーとクラシックの境目を外した楽しいものばかりです。各々の曲に付けられたタイトルも意味深でおしゃれ。演奏は、こちらもアメリカの最先端を行くカルペ・ディエム弦楽四重奏団。これらの曲は、メンバーのヴァイオリニスト、ウェザビーのために書かれているのです。とびきりの楽しい一時をお届けいたします。
収録作曲家:
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レシュノフ(1973-):
忘れられた聖歌、そしてリフレイン [IRIS管/スターン]LESHNOFF, J.: Symphony No. 1, "Forgotten Chants and Refrains" / Double Concerto / Rush (Wetherbee, Diaz, IRIS Orchestra, M. Stern)
■交響曲/管弦楽曲 ■協奏曲
発売日:2011年01月12日 NMLアルバム番号:8.559670
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)ニュージャージー生まれの作曲家若きレシュノフ(1973-)は、早くからその才能を嘱望され国際的な活躍をしています。オーケストラ作品を始め、室内楽作曲家としても名高く、多くの団体や演奏家が彼に作品を委嘱し、新作が次々と演奏されているのです。このアルバムに収められた3つの作品は、彼の資質をよく表しており、現代的な感覚の中にどこか懐かしさを秘めた聴きやすいものです。指揮者スターンの依頼で書かれた5つの楽章からなる「交響曲第1番」は、ベートーヴェンの「第9」に込められたメッセージと同じく、全ての人間を賛美するために書かれています。グレゴリオ聖歌や、ギョーム・デュファイのミサ曲、17世紀のユダヤ教の典礼、など様々なモティーフを用いながら、新しく構築された音楽は、得も言われぬ感動をもたらすことでしょう。現代アメリカの名手2人がソロをつとめる「二重協奏曲」は、神秘的な音の中にも躍動感が溢れています。タイトル通りのせわしなさが楽しい「ラッシュ」もオススメです。
収録作曲家:
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サレルニ(1951-):
トニー・カルーソーの最後の放送 (2004)SALERNI, P.: Tony Caruso's Final Broadcast (E. Fennell, P. Fennell, Risley, Tupay, Monocacy Chamber Orchestra, Jung-Ho Pak)
■オペラ
発売日:2011年01月12日 NMLアルバム番号:8.669031
CD価格:1,600円(税込)
アメリカの人気作家、デイナ・ジョイアの台本による、サレルニの「オペラ愛好家」のためのオペラです。次の日からは、イージー・リスニング専門のスタジオになることが予定されているクラシック音楽専門のラジオ放送局が舞台。27年間に渡って、番組を切り盛りしてきたアントニオ・カルーソーは落胆し、他のスタッフは彼を慰めています。彼はテノール歌手でもあり、昔「第2のカルーソー」として嘱望されたほど、オペラを愛していました。そんな彼が泣く泣く最後の放送をしていた時に現れたのは3人の亡霊。一人は彼の母、もう一人は何とマリア・カラス。そして謎の女。さあ、トニー・カルーソーの最後の番組をお楽しみください。
収録作曲家:
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ピストン(1894-1976):
弦楽四重奏曲 第1番・第3番・第5番 [ハーレム四重奏団]PISTON, W.: String Quartets Nos. 1, 3 and 5 (Harlem Quartet)
■室内楽
発売日:2010年11月17日 NMLアルバム番号:8.559630
CD-R価格:1,600円(税込)
アメリカの現代作曲家ピストン(1894-1976)は、ハーヴァードで学んだ後、パリでナディア・ブーランジェに師事しました。彼の作品は基本的に新古典派の様式によるもので、代表的なバレエ音楽「不思議な笛吹き」や、8曲の交響曲などが比較的知られています。この弦楽四重奏曲は彼の円熟した作風が楽しめるもので、力強さが横溢する第1番、音と音が激しく交錯する第3番、そして意外にも穏当な響きが戻ったかのような第5番と、多彩な音が詰まっています。新古典派から十二音へと移行した人ですが、シェーンベルクのような切れ味ではなく、大地を踏みしめるようなしっかりとした音楽性を感じさせる作品群です。
収録作曲家:
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ハリス(1898-1979):
ピアノ作品全集 [バールソン]HARRIS, R.: Piano Music (Complete) (Burleson)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2010年11月17日 NMLアルバム番号:8.559664
CD-R
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)オクラホマ州出身の作曲家、ロイ・ハリス(1898-1979)。彼も、この当時のアメリカの作曲家と同様、パリに留学しナディア・ブーランジェの薫陶を受けていて、同時にルネサンス音楽の研究にも没頭していました。彼のピアノ曲の多くは、ピアニストである妻ジョハナのために書かれており、中世の歌とバロック式の対位法を用いながらも、20世紀のフランス音楽の香りを仄かに伝える秀作となっています。多調性の追求、即興的なパッセージ、そしてどこからか聴こえてくるアメリカやアイルランドの民謡・・・と、広範囲に渡る妙技を堪能できる内容です。大作から、断片的な作品までどれもが個性的。
収録作曲家:
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グロリア・コーツ(1938-):
弦楽四重奏曲 第9番他 [クロイツェル四重奏団/チャドウィック]COATES, G.: String Quartet No. 9 / Solo Violin Sonata / Lyric Suite (Kreutzer Quartet, Chadwick)
■室内楽
発売日:2010年11月17日 NMLアルバム番号:8.559666
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)交響曲の作曲家として良く知られるアメリカの女性作曲家、グロリア・コーツ。彼女の作風はとにかく個性的で、至るところに出現する上昇するグリッサンド(音を滑らすように移動する)と、時々挟みこまれる親しげなメロディが、まるで悪夢のように耳を掠めるのです。もちろんここに収録されている弦楽四重奏曲も例外ではなく、低弦で繰り返される分散和音を彩る、鳥のさえずりのようなヴァイオリンの音色は一度聴いたら忘れることはないでしょう。対する「ヴァイオリン・ソナタ」は幾分古典的な佇まいを見せる禁欲的な曲。弦の限界に挑むかのような孤高の響きがたまりません。エミリー・ディキンソンの詩の一節をタイトルにした「ピアノ三重奏曲」は、タイトル通り抒情的な曲。とはいえ、美しい響きの中に、さりげなく四分音を紛れ込ませてくるところが彼女流。調子の狂ったような弦楽器の響きをご堪能ください。体が拒否しても脳が陶酔するという「二日酔い」のような気分になれること請け合いです。
収録作曲家:
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セレブリエール(1938-):
交響曲 第1番他 [カー/クイント/マースディン/ボーンマス響/セレブリエール]SEREBRIER, J.: Symphony No. 1 / Nueve / Violin Concerto, "Winter" (Callow, Karr, Quint, Bournemouth Symphony and Chorus, Serebrier)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2010年10月13日 NMLアルバム番号:8.559648
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)ウルグアイ出身の作曲家=指揮者セレブリエール(1938-)。彼の自作自演集も第3集となりました。このアルバムに収録された第1番の交響曲は、彼が18歳の時の作品。当時、故郷ウルグアイで青年オーケストラを率いていた頃の意欲的な表現が垣間見えます。彼自身の言葉によれば、「1960年代と70年代では作曲スタイルの変化こそあれ、そこに込められたメッセージは同じ」とのことですが、確かに様々な年代に書かれた作品を並べて聴いてみると、その根底に横たわるのは感傷的な心と、濃厚な大気の香り、そして情熱的なリズムでしょうか。第1集(8.559183)と第2集(8.559303)もご一緒にいかがでしょうか?
収録作曲家:
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目覚め
現代アメリカのギターを含む室内楽曲集 [タネンバウム/カーニス/ラテンアメリカ四重奏曲]Chamber Music with Guitar (American) - KERNIS, A.J. / LIDERMAN, J. / MACKEY, S. (Awakenings) (D. Tanenbaum, Plitmann, A. Strauss, Kernis)
■室内楽 ■現代音楽 ■器楽曲(ギター)
発売日:2010年10月13日 NMLアルバム番号:8.559650
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込) -
ハーゲン(1961-):
ピアノ三重奏曲全集 [フィニステラ・ピアノ三重奏団]HAGEN, D.A.: Piano Trios Nos. 1-4 (Finisterra Piano Trio)
■室内楽
発売日:2010年10月13日 NMLアルバム番号:8.559657
CD-R価格:1,600円(税込)
ミルウォーキー生まれの作曲家、ドラゴン・ハーゲン(1961-)は1980年代から注目され、数々の作品の上演で成功を収め、今に至っています。彼のピアノ三重奏曲はとりわけ音楽性が高く、どの曲も特筆すべき美点を持っています。第1番は少々実験的ではありますが、研ぎ澄まされた音形と、精巧に仕組まれたパッサカリアが見事。第2番はナディア・ブーランジェの最後の言葉からインスピレーションを受けており、第3番はアメリカ民謡に基づいた美しい仕上がり。そして第4番は彼が敬愛するヴァイオリニスト、ジョイス・リッチー・ストローサルのために書かれています。
収録作曲家:
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アメリカの合唱作品集 [テキサス大学室内合唱団]
AMERICAN CHORAL MUSIC - PERSICHETTI, V. / SCHUMAN, W. / BOLCOM, W. / FINE, I. / FOSS, L. (University of Texas Chamber Singers)
■合唱曲
発売日:2010年09月15日 NMLアルバム番号:8.559358
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)多様化する20世紀の合唱曲。その中でもとりわけアメリカの作品はヴァラエティが豊かです。ここに収録された5人の作品も興味深いものばかり。伝統に則った作風があったり、ジャズやゴスペルの影響を強く受けていたり、どれも特色ある美しさを備えています。パーシケッティの「ミサ」は単旋律の聖歌を上品なハーモニーで包みます。W.シューマンの作品は暗黒の闇の中から響いてくるような静謐な美しさがあり、ボルコムの作品はアフリカの情熱的なリズムも感じられる親しみやすい連作です。飛び散る響きが斬新なファインの作品、敬虔さを纏ったフォスの作品。見事な声によるタペストリーをお楽しみください。
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ウォーカー(1922-):
室内楽作品と歌曲集 [ソン・ソノラ弦楽四重奏団/ウォーカー]WALKER, G.: Chamber Music and Songs - String Quartet No. 2 / Poem / Modus (Stasio, Green, Martin, Son Sonora String Quartet, G. Walker)
■室内楽 ■声楽曲
発売日:2010年09月15日 NMLアルバム番号:8.559659
CD-R価格:1,600円(税込)
黒人初のピューリッツァー賞を獲得した作曲家として知られるウォーカー。もともとはピアニストとしてデビューし、オーマンディ指揮のフィラデルフィア管弦楽団とともに、ラフマニノフの協奏曲第3番を演奏したことでも知られています。その頃から作曲活動にも熱心で、弦楽四重奏曲や交響曲を次々と発表し、こちらも高く評価されています。彼の作品はどれも激しく情熱的で、多くの黒人作曲家がジャズやポップスを重用する中、彼はひたすらクラシックに拘り、無調や12音を駆使したドラマティックな曲を書き続けています。2000年にはアメリカのクラシック音楽殿堂入りを果たしました。ここに収録されている曲も、どれもシリアスで親しみ易さはあまり感じられませんが、じっくり味わうことで、その素晴らしさが少しずつ体に浸みこんでいくかと思われます。
収録作曲家:
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コープランド(1900-1990):
クラリネット協奏曲
オールドリッジ(1954-):
クラリネット協奏曲/サンバ [シンガー/ア・ファー・クライ/上海クァルテット]COPLAND, A.: Clarinet Concerto / ALDRIDGE, R.L.: Clarinet Concerto / Samba (D. Singer, A Far Cry, Shanghai Quartet)
■協奏曲 ■器楽曲
発売日:2010年09月15日 NMLアルバム番号:8.559667
CD-R価格:1,600円(税込)
オルフェウス室内管弦楽団で長年活躍してきたクラリネット奏者、デイヴィッド・シンガーをソリストに迎えたこの協奏曲集。作品と演奏、この両方の素晴らしさに酔えること間違いありません。ベニー・グッドマンの依頼によって書かれたコープランドの協奏曲は、1950年にフリッツ・ライナー指揮のNBC交響楽団でグッドマンの演奏により世界初演されました。随所にジャズらしさが感じられる小粋な作品です。オールドリッジの作品はクラリネットの名人芸を要求される演奏効果の高い曲。ジャズあり古典的な雰囲気ありの、「21世紀のコープランド」と評される作品です。目のくらむようなカデンツァが聴きものです。
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ロックバーグ(1918-2005):
ピアノ曲集 第3集 [サリー・ピンカス]ROCHBERG, G.: Piano Music, Vol. 3 - Partita-Variations / Nach Bach / Sonata-Fantasia (Pinkas)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2010年08月18日 NMLアルバム番号:8.559633
CD価格:1,600円(税込)
ロックバーグ(1918-2005)のピアノ作品集第3集です。第1集(8.559631)や第2集(8.559632)の難解で複雑な響きに比べると、この第3集に収録されている「パルティータ-変奏曲」はどことなく耳に優しい瞬間もあり、聴き手はやすやすと彼の世界へ引き込まれてしまいます。しかし、そこはロックバーグ。すぐに音の迷宮へと私たちを連れ去ってしまうのですが・・・。古典的な手法から、最先端の語法まで、様々なテクニックを用いて描かれた12の作品には、悲劇、原罪、愛など予測不能の世界が描かれていて、まさに目が覚めるほどの面白さです。なかでも「夜想曲」でのなりすましロマン派ぶりには誰しも唖然とすることでしょう。ハープシコード奏者、イーゴリ・キプリスのために書かれた「バッハによる」は2人の作曲家による親密な対話です。暗く苦痛に満ちた「ソナタ」にも時折抒情的な音が見え隠れするのがロックバーグの持ち味でしょう。
収録作曲家:
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グラス(1937-):
弦楽四重奏曲 第1番-第4番 [カードゥッチ弦楽四重奏団]GLASS, P.: String Quartets Nos. 1-4 (Carducci String Quartet)
■室内楽 ■現代音楽
発売日:2010年08月18日 NMLアルバム番号:8.559636
CD価格:1,600円(税込)
これぞ音の表層雪崩? いくつもの音は繰り返され、流麗で複雑な世界を描くフィリップ・グラスが本格的に弦楽四重奏のジャンルに足を踏み入れたのは、いくつかのオペラや映画音楽を書いた後のことで、それ以来、このジャンルにおける彼の貢献度は非常に高いものになりました。このアルバムには4つの作品が収録されています。1966年、フランス時代に書かれた第1番はまだ禁欲的ですが、その後の作品はどれも特徴的で幾分強迫観念的な響きを持ち、聴く者を不安に陥れ絶望の淵でうごめかせると共に、仄かな美しさを感じさせます。魅惑的な第2番、清廉潔白な響きに満たされた映画音楽「ミシマ」から派生した第3番、最小限の音形が爆発的なエネルギーを有する瞬間を楽しむ第4番、これらの独特な音楽は、多くのファンをつかんで離すことはありません。
収録作曲家:
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ウィテカー(1970-):
合唱作品集 [エローラ・フェスティバル・シンガーズ/エジソン]WHITACRE, E.: Choral Music (Elora Festival Singers, Edison)
■合唱曲
発売日:2010年08月18日 NMLアルバム番号:8.559677
CD価格:1,600円(税込)
人の声の柔らかい響きがいくつも層をなし、できあがった建造物に七色の光が反射する熟練した指揮者、および作曲家であるウィテカー。彼は精巧なテキストと、ユニークな響きを用いて、この世のものとも思われぬ美しい音楽を作り出します。瞬間の美と調和の確かな表出、そして流動的な時間。これらを軸に、荘厳で光に満ちた音を組み上げ、神秘的で詩情豊かな世界を描いていきます。多声部からなるクラスターの続出は、同時代のペルトやタヴナーの声楽曲との類似性も感じさせますが、全ての聴き手に微笑みをもたらす彼の曲には、暖かさがより強く宿っているようです。聴いているうちに不思議な気分になれることでしょう。
収録作曲家:
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ヒナステラ(1916-1983):
ポポル・ヴー(マヤ世界の創造) [ロンドン響/BBCウェールズ・ナショナル管/ベン=ドール]GINASTERA, A.: Popol vuh / Estancia (excerpts) / Panambi (excerpts) (London Symphony, Jerusalem Symphony, BBC National Orchestra of Wales, Ben-Dor)
■バレエ・ダンス音楽
発売日:2010年08月18日 NMLアルバム番号:8.570999
CD価格:1,600円(税込)
キース・エマーソンも愛した作曲家ヒナステラ、色彩的で魅惑的な音のジャングルへようこそアルゼンチン生まれの大作曲家ヒナステラの5つの作品です。彼の作品の中でもとりわけ知られる「エスタンシア」と「パナンビ」、インカ文明から霊感を得た「オジャンタイ」、ピアノ曲として書かれた「クレオール舞踊組曲」、そして8年間の作曲期間を経ても、なおも未完成で終わってしまったマヤ神話をもとにする大作「ポポル・ヴー」。とどれもが野性味と強烈な色彩を放つ魅力的な曲です。思わず体が動きだしてしまいそうな刺激的な音楽は、同じアルゼンチンの名産であるタンゴとはまた違う直截的なエネルギーに満ちています。このジセル・ベン=ドールの演奏は、録音当時世界初録音だった2つの作品を含む、ヒナステラのパイオニア的存在。世界を元気にするために、もう一度ブームを巻き起こしたい熱き名演の登場です。
収録作曲家:
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グアルニエーリ(1907-1993):
ピアノ協奏曲 第4番 - 第6番 [バロス/ワルシャワ・フィル/コンリン]GUARNIERI, M.C.: Piano Concertos Nos. 4-6 (Barros, Warsaw Philharmonic, Conlin)
■協奏曲
発売日:2010年07月14日 NMLアルバム番号:8.557667
CD価格:1,600円(税込)
父が与えた洗礼名は「モーツァルト」。その名に違わぬ才能がここに迸る!ヴィラ・ロボスの次の世代における、最も重要なブラジルの作曲家、モーツァルト(何とすごい洗礼名!)・カマルゴ・グアルネルリのピアノ協奏曲です。彼は40年間に6つのピアノ協奏曲を書いていて、これらを聴けば彼の創作の源泉が全てわかるというスゴイものです。初期の3曲(8.557666)だけでも存分に楽しめるのですが、この後期の3作品は更にスゴイです。ブラジル風な中にアバンギャルドな味付けを施した音楽は、まさに「音の祭典」! 80歳の誕生日直後に完成された第6番も、少しだけ簡素なスタイルに立ち返ったとはいえ、存分に煽情的。身も心も熱くなりまくり間違いありません。
収録作曲家:
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シェーンフィールド(1947-):
6つのイギリス民謡集・小さな罪他 [フィッターシュタイン/ハナーニ/シェーンフィールド/トッコ]SCHOENFIELD, P.: Refractions / 6 British Folk Songs / Peccadilloes (Tocco, Hanani, Fiterstein, Schoenfield)
■室内楽 ■器楽曲
発売日:2010年07月14日 NMLアルバム番号:8.559380
CD-R価格:1,600円(税込)
シェーンフィールド(1947-)の音楽はどこかで聞いたメロディが歪曲され、聴き手をあざ笑うかのように響き渡り、一瞬の内に耳を通り抜けていきます。これを聴いていると、妙な感覚に襲われるのは一体どういう訳なのでしょうか?ここに収録された3つの作品も、どれも親しみ易さの仮面の下に深い闇を抱えているかのようです。名チェリスト、デュ・プレへの賛辞として書かれた「6つの民謡」、“大きなチョコレート・サンデーをぱくつく時に感じる罪悪感(作曲家の弁)”を音で表す「小さな罪」、そして、モーツァルトの「フィガロ」をモティーフにした「リフレクション」。普段聴いている音楽にちょっと飽きてしまった人にオススメです。
収録作曲家:
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ホヴァネス(1911-2000):
交響曲 第7番・第14番・第23番
(エヴリン・バルビローリ嬢の思い出に敬意を表して) [トリニティ音楽大学ウィンド・オーケストラ/ブライオン]HOVHANESS, A.: Symphonies Nos. 7, 14, 23 (Trinity College of Music Wind Orchestra, Brion)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2010年07月14日 NMLアルバム番号:8.559385
CD価格:1,600円(税込)
荒涼たる山肌、今は滅びてしまった中世の都市、目の前に生き生きと現れるたくさんの風景アルメニア系の父親と、スコットランド系の母親との間に生まれたホヴァネスは、その生涯に400以上も曲を書き、その中には67曲もの交響曲が含まれます。このアルバムは、3つの交響曲を収録。彼の野趣溢れる音楽がじっくり楽しめます。交響曲第6番「ナンガ・ヴァルガ」は世界で9番目に高い山の名前を持つ曲です。草木も生えない厳しい山の風景を荒々しく描きだしています。木管楽器のクラスターが印象的です。交響曲第14番も火山の荒々しい風景を描いたもの。交響曲第23番「アニ」は中世アルメニアの首都の名前で、「1001の大聖堂を持つ都市」を意味します。曲の終盤に現れる鐘の音が圧巻です。名指揮者ジョン・バルビローリの未亡人エヴリン(1911-2008)に捧げられたアルバムです。
収録作曲家:
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コリリアーノ(1938-):
ファンタズマゴーリア -「ヴェルサイユの幽霊」からの組曲
ヴァイオリン協奏曲「レッド・ヴァイオリン」 [ルートヴィヒ/バッファロー・フィル/ファレッタ]CORIGLIANO, J.: Violin Concerto, "The Red Violin" / Phantasmagoria (M. Ludwig, Buffalo Philharmonic, Falletta)
■協奏曲
発売日:2010年07月14日 NMLアルバム番号:8.559671
CD価格:1,600円(税込)
最近活躍中の女性指揮者、ファレッタによるコリリアーノ(1938-)の作品集です。1曲目の『ベルサイユの幽霊』で描かれているのは、かの王妃マリー・アントワネット。幽玄な弦の響きに誘われて、ロッシーニ、ワーグナー、モーツァルトのオペラの一部が幻想的に顔を覗かせます。もう1曲は、おなじみ『レッド・ヴァイオリン』による協奏曲です。映画から派生した音楽で、組曲よりも抽象的な世界を描いています。3世紀に渡って様々な人間関係を見てきた『赤きヴァイオリン』。その悪魔的とも言える存在そのものを描きだした夢幻的な物語を音にしたこの作品は、限りなくロマンティックで情熱的です。ルートヴィヒのすすり泣くような音色は、この悩ましい音楽を存分に表現し尽くしています。
収録作曲家:
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ザイモント(1945-):
管弦楽作品集 [スロヴァキア・ナショナル響/トレヴォー]ZAIMONT, J.L.: Chroma: Northern Lights / Symphony No. 2, "Remember Me" (excerpts) / Stillness (Slovak National Symphony, Trevor)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2010年06月16日 NMLアルバム番号:8.559619
CD-R価格:1,600円(税込)
アメリカの女性作曲家、ジュディス・ラング・ザイモント(1945-)の作品集です。彼女はメンフィスの音楽一家に生まれ、5歳の時からピアノを始め、11歳でジュリアード音楽院のプレカレッジで学びました。すぐに作曲家として頭角を表し、18歳でBMI(ブロードキャスト・ミュージック社)の若い作曲家賞を与えられたのです。彼女の音楽は、ここに収録された4つの管弦楽作品を聴いてもわかるように常に動的かつ、とても抒情的です。強烈な光を放つオーロラを描いた「クロウマ-ノーザンライツ」、6人の偉大なる作曲家の面影(スクリャビン、ブリテン、ラヴェル、ベルク、クリストファー・ラウスおよびローリー・アンダーソン)が交錯する「ゴースト」、彼女のおばに捧げられた弦楽合奏による「エレジー」、そして、モートン・フェルドマンの音楽と共通する極めて静謐な音楽「管弦楽のためのスティルネス」。と、どれもが個性的で独自の美しさがゆらめく作品です。
収録作曲家:
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ロックバーグ(1918-2005):
ピアノ作品集 第2集 [イヴァン・ハーシュ]ROCHBERG, G.: Piano Music, Vol. 2 - 12 Bagatelles / 3 Elegiac Pieces / Sonata Seria (Hirsch)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2010年06月16日 NMLアルバム番号:8.559632
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)第1集(8.559631)に続く、アメリカの作曲家ロックバーグのピアノ作品集第2集です。彼は長い作曲家生活のほぼ全域でピアノ作品を書いていて、1941年の最初期の変奏曲から、1996~97年の「2台ピアノのための炎の環」まで様々な作風の変遷を経ながら、凝縮された世界を表現し続けました。ここに収録された「12のバガテル」は短いながらも完結した内容を持つ小品の集合体で、以前、ピアニスト、ハーシュがロックバーグに「シェーンベルクとの関連」を指摘したところ、即座に「それは違う」と反論されたという作品です(確かに、使っている12の音が同じであろうとも、その構成や並べ方が変われば全く違う色合いが出ることは間違いありません)。3つの悲しい作品は驚くほど抒情的ですがジャズ風な趣きも垣間見える美しい曲。ソナタ・セリアは着想こそ初期ですが、50年代に改定され、1998年になってようやく発表された力作です。
収録作曲家:
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レブエルタス(1899-1940):
ラ・コロネラ他 [サンタ・バーバラ響/イギリス室内管/ベン=ドール]REVUELTAS, S.: Coronela (La) / Caminos (Itinerarios) / Colorines (Santa Barbara Symphony, English Chamber Orchestra, Ben-Dor)
■交響曲/管弦楽曲 ■室内楽
発売日:2010年06月16日 NMLアルバム番号:8.572250
CD価格:1,600円(税込)
どこもかしこもメキシコ的、西洋音楽と異国趣味が激しく拮抗する情熱の音楽メキシコ、ドゥランゴ州のサンチャゴ・パパスキアーロに生まれたレブエルタスの扇情的な作品集です。彼は指揮者、ヴァイオリニストとして活躍し、1929年からはカルロス・チャベスの招きでメキシコ交響楽団の指揮者助手を6年間務め、同時代のメキシコ音楽の普及に努めました。最期は貧困のうちに若くして世を去ってしまいましたが、長生きすれば、もっともっと楽しい音楽を書いていたに違いありません。彼の音楽は通俗的なものを孕みながらも、常に革新的で不協和音に満ちています。しかしどこもかしこも「メキシコ的」であり、熱く昂るリズムが激しく煌めくのです。世界初録音となる「ラ・コロネラ(女性大佐)」は4つの部分からなるバレエ音楽です。第1部は1900年代の上流社会、第2部は独裁政治における労働者階級の生活を鋭く描きだします。第3部に現れる優雅なワルツは、あのベルリオーズの舞踏会を思わせるほどに、陳腐な美しさの影に潜む嫌な感じを表現しています。そして第4部は戦いの場面。鋭く切り裂くようなトランペットの咆哮は戦死者たちへの弔いの音楽です。
収録作曲家:
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ジュリアン・ワクナー(1969-):
合唱作品集 第1集 [エローラ・フェスティバル・シンガーズ/ブロス/エジソン]WACHNER, J.: Choral Music, Vol. 1 (Elora Festival Singers, N. Edison)
■合唱曲 ■宗教曲
発売日:2010年05月12日 NMLアルバム番号:8.559607
CD-R価格:1,600円(税込)
ハリウッド生まれのジュリアン・ワクナー(1969-)の合唱作品集です。彼は4歳からチェロとピアノを始め、聖トマス聖歌隊の少年聖歌隊員としても活躍しました。1990年にはボストン大学の礼拝堂聖歌隊の指揮者として、バッハから現代音楽までを演奏、ボストンで最も有名な音楽家の一人として称賛されるまでになりました。彼の作品は「大胆で、空気のようだ」とニューヨーク・タイムズで大絶賛。他のメディアでもひっぱりだこです。「多様化した現代音楽に新たな秩序を見出し、調性を与え、自由な創造性を持って音をパレットに載せる」と語るワクナーの作品。どうぞじっくり聴いてみてください。
収録作曲家:
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ロクンベ(1948-):
ミセス・パークス様へ [チャンドラー/スティール/デース/ラクハム交響合唱団/ブラジル・デナード・コラール/デトロイト響/ウィルキンズ]LOKUMBE, H.: Dear Mrs. Parks (Chandler-Eteme, Steele, Deas, Rackham Symphony Choir, Brazeal Dennard Chorale, Detroit Symphony, Wilkins)
■合唱曲
発売日:2010年05月12日 NMLアルバム番号:8.559668
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)この作品は、米国連邦議会から「公民権運動の母」と呼ばれたローザ・パークス夫人に敬意を表して書かれています。1955年にアラバマ州のバスの中で白人に席を譲るのを拒み、人種分離法違反で逮捕され有名になった彼女。この事件をきっかけにモンゴメリー・バス・ボイコット事件が勃発したのです。ロクンベ(1948-)は彼女を含む全ての人々のための祈りの音楽を書きました。これは2組の合唱団、4人のソリスト、そしてフルオーケストラを必要とする大作です。ブルース、ジャズ、アフリカ音楽、そしてゴスペルが随所に使われており、ソリストたちにはそれぞれ役割が与えられています。この録音には曲毎に感じられる聴衆たちの熱い吐息と拍手も洩れなく収録されています。
収録作曲家:
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ロックバーグ(1918-2005):
ピアノ作品集 第1集
2台ピアノのための「炎の環」(1996-97) [ハーシュ=ピンカス・ピアノ・デュオ]ROCHBERG, G.: Piano Music, Vol. 1 - Circles of Fire (Hirsch-Pinkas Piano Duo)
■器楽曲(フルート) ■器楽曲(ピアノ)
発売日:2010年04月21日 NMLアルバム番号:8.559631
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)心の内部、そして脳の内部に炎は宿ります。それは太陽系を銀河系を形造る普遍的な炎であり、小惑星、彗星すらも内包しています。それらは大きな軌道に乗り、巨大な螺旋を描きつつ、数百万マイルという想像を絶する距離を横切って流れていきます。そんな風景を心に描いてください。ロックバーグ(1918-2005)の15曲からなるピアノ・デュオ曲は想像を絶する世界を目の前に見せてくれるかのようです。ある時は煌めき、ある時はぶつかり合い、湧き上がる音の炎を丹念に描いていきます。静かに燃える炎、くるくる回る炎。人間の原始的感覚に直接訴える音楽です。
収録作曲家:
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W.シューマン(1910-1992):
交響曲 第8番/夜の旅行
アイヴズ(1874-1954):
アメリカ変奏曲(編曲 W.シューマン) [シアトル響/シュワルツ]SCHUMAN, W.: Symphony No. 8 / Night Journey / IVES, C.: Variations on America (orch. W. Schuman) (Seattle Symphony, Schwarz)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2010年04月21日 NMLアルバム番号:8.559651
CD価格:1,600円(税込)
アイブズの編曲版も含めて、いかにも「アメリカ」らしい作品を3つお届けいたしますNAXOSの人気シリーズ、W.シューマンの交響曲集も今作が最終巻となります。このアルバムのメインは大編成のオーケストラを用いた交響曲第8番です。1962年10月4日にリンカーンセンターでバーンスタイン&ニューヨーク・フィルによって初演された3つの特徴的な楽章からなる作品です。ゆったりとした第1楽章は、過去のいくつかの自作を引用しながら、ハープ、ピアノを含む印象的な音色を交え少しづつ熱を帯び、金管楽器の咆哮によるクライマックスを迎えます。そのまま休みなしで続く第2楽章も、1950年作曲の弦楽四重奏曲第4番のメロディを用た息の長い旋律が歌われます。そして快活な最終楽章が続きます。ここではピアノや打楽器が縦横無尽に活躍し、多彩な音色で耳を楽しませてくれます。彼の素晴らしい管弦楽法を体感する一瞬です。モダンな響きの中にどことなく懐かしさを纏った音楽です。長大な「夜の旅」も陰鬱な音楽ではありますが、やはりどこか郷愁を誘う部分もあり、何とも魅力的な作品です。最後のアイブズの変奏曲の編曲版は原曲ともども有名です。アメリカと銘打たれていますが実はイギリス国歌。それもかなり歪曲されていますけどね・・・。
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トッホ(1887-1964):
舞踏組曲/チェロ協奏曲 [ポルテラ/キャロル]TOCH: Tanz-Suite / Cello Concerto
■協奏曲 ■室内楽
発売日:2010年04月15日 NMLアルバム番号:8.559282
CD価格:1,600円(税込)
収録作曲家:
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ハリス(1898-1979):
交響曲 第5番&第6番他 [ボーンマス響/オールソップ]HARRIS, R.: Symphonies Nos. 5 and 6, "Gettysburg" (Bournemouth Symphony, Alsop)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2010年03月17日 NMLアルバム番号:8.559609
CD-R価格:1,600円(税込)
注目の指揮者オールソップが大絶賛! アメリカの交響曲の礎を作った作曲家による「戦争交響曲」集オクラホマ出身の作曲家ロイ・ハリスはカリフォルニアで学んだ後、パリに留学しナディア・ブーランジェに師事しました。ルネサンス音楽にも造詣の深かった彼は、アメリカ音楽、特に管弦楽作品の礎を作り、それをゆるぎないものにした事で現在でもとても高く評価されています。この第5番と第6番の交響曲はヨーロッパでの戦争を背景にして書かれたもので、1942年から書き始められた第5番は「偉大なるソ連の英雄的で自由を愛する人々」へ捧げられています。第6番は、4つの楽章のタイトルに「人民の人民による人民のための政治」で知られるリンカーンの有名なゲディスバーグの演説が直接引用されている興味深い作品で、ハリスの国家主義への情熱もそのまま反映された密度の濃いものです。1941年に書かれたアクセレレーションは、楽想の一部が第6番の交響曲へと転用されたこともあり、「もう一つの戦争交響曲」と呼ぶにふさわしい作品です。
収録作曲家:
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ドーマン(1975-):
協奏曲集 [アヴィタル/カウフマン/アヴニ/メトロポリス・アンサンブル/シル]DORMAN, A.: Mandolin Concerto / Piccolo Concerto / Concerto Grosso / Piano Concerto(Avital, Kaufman, Avni, Metropolis Ensemble, Cyr)
■協奏曲
発売日:2010年03月17日 NMLアルバム番号:8.559620
CD価格:1,600円(税込)
このアルバムを手に取った人は新世代の清々しい音楽を体験できることでしょう1975年生まれのイスラエルの作曲家ドーマンは、ジュリアード音楽院でコリリアーノに学び博士号を取得、25歳の時に「イスラエルの最も重要な作曲家」として数々の賞を獲得しました。以来、メータ、オールソップ、シモーネ・ヤングなど多くの指揮者たちが彼の作品を演奏するなど、同世代の作曲家たちの中でも抜きんでた存在として知られています。このアルバムで聴ける様々な楽器による協奏曲は、彼が好む「バロック風のイディオム」の中に民族音楽やジャズ、ロックの風味を利かせたもの。明瞭なリズムと揺るぎない低音の上に築かれる哀愁ただようメロディが印象的なマンドリン協奏曲、躍動的かつ流麗なピッコロ協奏曲、多彩な音色がはじけるコンチェルト・グロッソ。快活なピアノ協奏曲と、どれもが印象的で親しみやすい風情を備えています。
収録作曲家:
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フェトラー(1920-):
ヴァイオリン協奏曲 第2番他 [ベロフスキー/ブラスケ/アナーバー響/リプスキー]FETLER, P.: Violin Concerto No. 2 / Capriccio / 3 Poems by Walt Whitman (Berofsky, Blaske, Ann Arbor Symphony, Lipsky)
■交響曲/管弦楽曲 ■協奏曲
発売日:2010年02月17日 NMLアルバム番号:8.559606
CD-R価格:1,600円(税込)
1976年、アメリカ建国200年を記念して作曲された「3つの詩」。スクロヴァチェフスキの指揮、ミネソタ管弦楽団によって初演され高く評価された作品です。ウォルター・ホイットマンの詩から喚起された音楽とナレーターによる朗読は私たちに新たな世界を提示してくれます。夜の気分を湛えた暗く静かな最初の曲。激しい叫びを伴う、鋭敏なリズムに支配された恐ろしげな第2曲。そして美しいヴァイオリンのソロに彩られた煌めく光を伴う第3曲と、どれも表情豊かで叙情的な側面を備えた、現代における美しい夜想曲と言えそうです。東ヨーロッパのエキゾチックな雰囲気を持つヴァイオリン協奏曲も夢を見るような甘さを持っています。
収録作曲家:
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W.シューマン(1910-1992):
交響曲 第6番他 [シアトル響/シュワルツ]SCHUMAN, W.: Symphony No. 6 / Prayer in a Time of War / New England Triptych (Seattle Symphony, Schwarz)
■交響曲/管弦楽曲 ■現代音楽
発売日:2010年01月27日 NMLアルバム番号:8.559625
CD価格:1,600円(税込)
「何が私の人生なのか。その意味は音楽で見つかる」
アメリカの現代音楽界に最も大きな影響を与えた作曲家の心の叫びニューヨーク生まれのW.シューマンは現代アメリカ作曲家のなかでもとりわけ人気が高く、吹奏楽ファンの間でも広く知られている人でもあります。彼は全部で10曲の交響曲を書きましたが(と言っても、最初の2曲は作曲家自身が「無きもの」としているため実質的には8曲です)この1948年に書かれた第6番は単一楽章で書かれながらも、極度に複雑なリズムと暗い色調を備えた取っつきにくいもの。実際、ダラスでの初演は失敗してしまったのですが、その対位法を駆使した作曲技法には驚くべきものがあります。作曲家自身が吹奏楽に編曲した版が良く知られる「ニューヨーク三部作」はもともと18世紀後期のアマチュア作曲家、ウィリアム・ビリングズの書いた讃美歌を基にしたもの。そのせいか、とても聴きやすく愛国心に溢れた曲想になっていて、吹奏楽版も含めて、彼の代表作とも言える作品になっています。1943年に初演された「戦争時の祈り」は題名の通り沈痛で美しい音楽です。収録作曲家:
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シェーンフィールド (1947-):
キャンプの歌/ゲットーの歌他 [ニーデルロー/パース/ミュージック・オブ・リメンブランス/シェーンフィールド]SCHOENFIELD, P.: Camp Songs / Ghetto Songs / SCHWARZ, G.: Rudolf and Jeanette (Niederloh, Parce, Music of Remembrance)
■交響曲/管弦楽曲 ■声楽曲
発売日:2010年01月27日 NMLアルバム番号:8.559641
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)2003年のピューリッツァー賞ノミネート作品「キャンプの歌」収録この胸を切り裂くかのような悲痛な2つの歌曲集。どちらもナチスの迫害を生き延びた人々の激情、脆弱な希望、そして絞り出されるかのような幽かなユーモアを織り交ぜたテキストによるものです。曲自体は、どこかマーラーの「子どもの不思議な角笛」を思わせる素朴でアイロニカルなもの。ちょっと聴いただけでは、どちらかというと明るさが勝っていているような印象を受けますが、「本当に悲しい時には涙も出ない」と言われるように、どの曲にも執拗なまでの生への渇望が込められているのです。 2008年5月12日に世界初演された「ゲットーの歌」はユダヤの音楽家&詩人モルデカイ・ゲビルティヒの詩による歌。やはり静かな怒りに燃える、心がずっしり重くなる歌曲集です。
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アダムス(1947-):
中国のニクソン [オース/カニョーヴァ/ハモンズ/オペラ・コロラド合唱団/コロラド響/オールソップ]ADAMS, J.: Nixon in China (Orth, Kanyova, Hammons, Heller, Opera Colorado Chorus, Colorado Symphony, Alsop)
■声楽曲 ■現代音楽
発売日:2010年01月27日 NMLアルバム番号:8.669022-24
3CD価格:3,200円(税込、送料無料)
現実に起きてから約40年、作曲されてから約20年。ここら辺でもう一度この英雄劇をおさらいしてみたいあの「問題作」がついにNAXOSに登場します。この演奏は2008年のライブ録音で、このオペラを得意とする歌手たちを揃え万全の準備の末に上演されたものです。指揮は現代アメリカで最も力を蓄えている女性指揮者マリン・オールソップです。このアリス・グッドマンによる台本は、史実をよく研究したもので毛沢東とニクソンを取り巻く人々も全て実名で描かれ、1972年2月21日にニクソン一行が北京の飛行場に降り立ったところから物語が始まり、会見の場でのニクソンが人知れず味わった緊張を描いた歌や、毛沢東夫人江青が政治色たっぷりのパーティで超絶的なアリアを披露する場などを織り交ぜながら、長らく対立関係にあった中国との和解への道を開くまでが重厚なミニマル音楽で表現されています。この曲が作曲されてからすでに20年以上が経過。新たな気持ちでこの大作に向き合ってみるのもいいかも知れません。
収録作曲家:
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ラウリセン(1943-):
合唱作品集 [エローラ・フェスティバル・シンガーズ/エジソン]LAURIDSEN, M.: Choral Works (Elora Festival Singers, N. Edison)
■合唱曲
発売日:2009年12月16日 NMLアルバム番号:8.559304
CD価格:1,600円(税込)
偉大なるもの、それは人の声
美しく荘厳な響きに満たされた現代合唱作品集合唱に携わる人なら、この作曲家の名前に馴染みがあることでしょう。現代アメリカで最も素晴らしい合唱作品を書く人として知られるラウリセンの作品集です。「おお、光よりの光」は合唱とオーケストラのための「ルクス・エテルナ」からの抜粋。光と暖かさに覆われた美しく静かな音楽です。それに対して、マドリガルは「炎の歌」は中世の香りを色濃く身に付けた快活なもの。和声もリズムも活気に満ちていて、要求されるハーモニーの難易度も非常に高くなっています。リルケの詩によるも「ばらの歌」は洒脱なシャンソンです。そしてピアノ伴奏を伴う雄大な「真冬の歌」、様々な作曲家たちのクリスマス・ソングの集大成ともいえる「おお、大いなる神秘よ」と、どれも歌うことの喜びに満ちた佳品ばかりです。収録作曲家:
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アイヴズ(1874-1954):
祭日交響曲他 [マルモ響/シンクレア]IVES, C.: Holidays Symphony (excerpts) / The General Slocum / Overture in G minor (Malmo Symphony, Sinclair)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2009年12月16日 NMLアルバム番号:8.559370
CD価格:1,600円(税込)
崇高なる精神と、楽しい日常生活 一見相反する人間の営みを織り交ぜた興味深い1枚あのストラヴィンスキーも傑作と認めたアイヴズの祭日交響曲です。アイヴズが幼年期から構想を練っていたという、アメリカにおける大切な祝日のために書かれた音楽は、「ワシントンの誕生日」(この曲のみ8.559087に収録)「戦没将兵記念日」「独立記念日」「感謝祭」の4つの楽章から出来ています。このアルバムでは、それらの楽章にいくつかの別の作品を組み込み、あたかも別の独立した作品のような一大人間ドラマを作り上げることに成功、アイヴズの観察眼の鋭さと、人間の営みへの大いなる賛歌として、このアルバムの存在感を高めています。
収録作曲家:
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ファン・リュー(1976-):
4つのコーナーのために [ミン・シャオフェン/フューチャー・イン・リヴァース/フアン・リュー]HUANG, Ruo: Drama Theater Nos. 2-4 / String Quartet No. 1, "The 3 Tenses" (Future In REverse, Huang Ruo)
■室内楽 ■声楽曲
発売日:2009年12月16日 NMLアルバム番号:8.559653
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)1976年生まれのファン・リューはアヴァンギャルドな作曲家であると同時に、指揮者、そして中国国内で広く知られるフォーク&ロック・シンガーでもあります。このアルバムでも極めてユニークな音楽が展開されています。東洋、西洋の様々な楽器を縦横無尽に駆使し、多彩な音を鳴らしまくる「ドラマ・シアター」は、1998年から構想された5つの部分からなる大作です。各々の奏者は楽器をただ演奏するのではなく、歌い、語り、お互いに影響を及ぼさなくてはいけないとされています。しかし、その作品は某教育番組のアニメーションのバックにでも流したらいいかも。と思ってしまうほどの楽しいものです。各々の副題は多くのことを示唆しているので、聴き手は想像力を極限まで働かせなくてはいけません。
収録作曲家:
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ウェルチャー(1948-):
弦楽四重奏曲集 第1番-第3番 [カサット弦楽四重奏団]WELCHER, D.: String Quartets Nos. 1-3 (Cassatt String Quartet)
■室内楽
発売日:2009年10月21日 NMLアルバム番号:8.559384
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)ドガと親交を結んだことでも知られるアメリカの印象派女性画家、メアリー・カサットにちなんで命名された4名の女性アンサンブル「カサット弦楽四重奏団」。ウェルチャーの弦楽四重奏曲第3番は、この団体のために書かれました。カサットの初期、中期、晩年の作品からインスピレーションを得た3つの楽章は彼女が感銘を受けたというグノーやドビュッシーの音楽をコラージュしながら独自の発展を遂げていきます。第1番も第2番もウェルチャー(1948-)の創造性溢れる意欲的な作品です。
収録作曲家:
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テイルスタイン(1957-):
オープン・クロッシング [キエフ・フィル/ウィンスティン]TEIRSTEIN, A.: Kopanitza / Invention / What is Left of Us / Suite / Maramures (Open Crossings - Music by Teirstein)
■協奏曲 ■室内楽 ■声楽曲
発売日:2009年10月21日 NMLアルバム番号:8.559617
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)この作曲家テイルスタイン(1957-)は変わった経歴の持ち主です。20歳の彼は、何とメキシコのサーカスで音楽を演奏するピエロとして活躍していたのです。その後、各地の音楽を求めてアジアや東ヨーロッパなど多くの国を旅して、民族音楽やダンス音楽など様々な要素を取り込みつつ作曲活動に勤しみました。そんな彼の作品はやはり一風変わったもので、バルトークを思わせるどこか落ち着かない風情の中で歌うヴァイオリン、バルカン半島のメロディを用いた女声とチェロの音楽などや一度聴いたら耳に残るものばかりです。
収録作曲家:
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バーンスタイン(1918-1990):
ミサ [サイクス/ウルフマン/モーガン州立大学合唱団/ピーボディ児童合唱団/ボルティモア響/オールソップ]BERNSTEIN, L.: Mass (Sykes, Wulfman, Morgan State University Choir, Peabody Children's Chorus, Baltimore Symphony, Alsop)
■交響曲/管弦楽曲 ■現代音楽
発売日:2009年10月21日 NMLアルバム番号:8.559622-23
2CD価格:2,500円(税込)
あまりにも多くのものを内包した巨大なミサ、市井の青年は群衆と共に祈りを捧げるバーンスタインがワシントン・ケネディ・センターのこけら落としとJ.F.ケネディ追悼のために「ミサ」を書き始めたのは1970年。ロック、ブルース、エレキ、ダンサーなど様々な要素を必要とするこの巨大な作品で、翌年の初演時には激しい論争を巻き起こしたという問題作でした。ほぼ40年の時を経た今でも、曲の発するメッセージは普遍のもの。オールソップの的確な演奏はそれを聴き手の眼前にぐいぐいと突き付けてくるかのようです。司祭役のサイクスがエレキギター片手に歌う「シンプル・ソング」にしびれない人はいないでしょう。
収録作曲家:
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モー(1954-):
ストレンジ・エクスクレイミング・ミュージック [ニューヨーク・サクソフォン・クァルテット/ヴィリアンクール]MOE, E.: Strange Exclaiming Music / Teeth of the Sea / Rough Winds Do Shake the Darling Buds / I Have Only One Itching Desire / Market Forces
■室内楽
発売日:2009年09月16日 NMLアルバム番号:8.559612
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)ピアニスト、作曲家として活躍するエリック・モー。彼の音楽は、ある時はミニマルであり、ある時は「美しく静かなもの」であり、彼曰く「急場しのぎ」であったりします。精巧に書かれたそれらの作品は古典的な要素とアフリカの太鼓、そしてジャズなど様々な要素を持ち合わせています。もちろん演奏する際も、ジミ・ヘンドリックスやバド・パウエル的なものからモーツァルトまで、ありとあらゆるものから抽出して音を作りださなくてはいけません。各曲に付けられたタイトルも意味深。想像力をかきたてられる楽しい1枚です。
収録作曲家:
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ショート・ストーリー
サクソフォン・クァルテットのためのアメリカ音楽集 [アンチア・サクソフォン・クァルテット]Chamber Music (Saxophone Quartet) - IVES, C. / HIGDON, J. / STURM, F. / TORKE, M. / BIXLER, D. / MACY, C. (Short Stories) (Ancia Saxophone Quartet)
■室内楽
発売日:2009年09月16日 NMLアルバム番号:8.559616
CD-R価格:1,600円(税込)
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テイラー(1885-1966):
「永遠に愛せよ (ピーター・イベットソン)」 Op.20 [グリフィー/フラニガン/ゼラー/シアトル響/シュワルツ]TAYLOR, D.: Peter Ibbetson [Opera] (Griffey, Flanigan, Zeller, Seattle Symphony, Schwarz)
■オペラ
発売日:2009年09月16日 NMLアルバム番号:8.669016-17
2CD
通常価格:2,500円→ 特価!:690円(税込)1931年に書かれたこの「永遠に愛せよ」は1985年までニューヨークのメトロポリタン・オペラで最も演奏回数の多いアメリカのオペラです。幼い頃に家の事情で引き離されてしまった幼なじみの事が忘れられないピーター・イベットソン、成長した彼が出会った愛しい人はすでに他の人の妻になっていました。結局彼女の夫を殺してしまい罪に服するのですが、その際彼自身も怪我をしてしまい、魂だけが愛しい彼女の元を訪れます。2人が年老いるまでその関係は続き、彼女の命が尽きた時、ピーターの命も尽きるのです。1935年にゲイリー・クーパー主演で映画化もされていますので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
収録作曲家:
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ゲーバー(1948-):
室内楽作品集 [ニッカネン/チョー=リャン・リン/ベロウヒーム/スミス/ビュークナー]GERBER, S.: Chamber Music - Piano Trio / Duo / Elegy / Notturno / Gershwiniana (Nikkanen, Cho-Liang Lin, Beroukhim, B. Smith, Buechner)
■室内楽 ■器楽曲(ヴァイオリン)
発売日:2009年08月26日 NMLアルバム番号:8.559618
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)未知の作曲家のアルバムを手にとり、どんな音楽が聴こえてくるのかに思いを巡らす至福の時。このアルバムは間違いなくそんな楽しい思いを味わうことができるでしょう。ゲーバーは1948年に生まれたアメリカの作曲家で、すでにCHANDOSなどからいくつかのCDをリリース。その多様な作風は世界中のモダニストたちから愛されているのです。ここに収録された作品も、民謡からの引用だったり、過去の作曲家へのオマージュだったりと、その楽想の源は様々です。それに伴い出来上がった音楽も実に幻想的で、聴き手の心を幻惑してやみません。
収録作曲家:
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シエッラ(1953-):
ラテンのミサ曲「プロ・パーチェ」 [マーフィ/ウェブスター/ミルウォーキー響/デルフス]SIERRA, R.: Missa Latina, "Pro Pace" (Murphy, Webster, Milwaukee Symphony, Delfs)
■合唱曲 ■宗教曲
発売日:2009年07月29日 NMLアルバム番号:8.559624
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)18世紀から19世紀にかけて、カトリックのミサから多くの素晴らしい作品が生み出されました。その流れを汲み、新たに創造を凝らした作品を書いてみたいと作曲家シエッラが試みたのがこのミサ曲「プロ・パーチェ」です。シエッラが幼いころに過ごしたプエルトリコのカトリックの教会での体験が基になっているというもので、その力強い祈りの歌声は多感な彼の心に大きな衝撃を与えたというのです。荘厳で深淵なテキストを歌う背後に流れる情熱的なラテンのリズムが、聴き手に不思議な感動を呼び起こします。ワールドミュージック好きにも歓迎されそうな音使いが新鮮です。
収録作曲家:
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ブライト・シェン(1955-):
赤い絹の踊り/不死鳥他 [シェン/シアトル響/シュワルツ]SHENG, Bright: Phoenix (The) / Red Silk Dance / Tibetan Swing / H'un (Lacerations) (Sheng, Seattle Symphony, Schwarz)
■交響曲/管弦楽曲 ■声楽曲
発売日:2009年05月27日 NMLアルバム番号:8.559610
CD-R価格:1,600円(税込)
既にリリースされた「春の夢」(8.570601)や「中国の夢」(8.555866)で、その熱に浮かされたような特異な世界の片鱗を垣間見せてくれたブライト・シェン(1955-)。彼の音楽にはいつでも東洋的なものと西洋的なものが奇妙に混在し、それこそが無限の可能性を秘めた何かを感じさせてくれるのです。トラック1の「赤い絹の踊り」は彼の特徴を端的に示した作品で、喧噪と静寂が入り混じった刺激的な音で溢れかえっています。トラック3の「不死鳥」はシアトル交響楽団とデンマーク国立交響楽団の共同依嘱作品で、時や文化、場所など全てを超越した希望の象徴として書かれた作品です。
収録作曲家:
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カーター(1908-2012):
弦楽四重奏曲 第2・3・4番 [パシフィカ弦楽四重奏団]CARTER, E.: String Quartets Nos. 2, 3 and 4 (Pacifica Quartet)
■室内楽 ■現代音楽
発売日:2009年04月22日 NMLアルバム番号:8.559363
CD価格:1,600円(税込)
頭が理系で出来ている人には複雑怪奇、難解、理解不能? いやいやこういうのもあるんです100歳の誕生日を迎えて、更なる世界へ飛躍する作曲家エリオット・カーターの弦楽四重奏曲全集が完成いたしました。コープランドにも絶賛されたカーターの自由な音楽性を存分に味わい尽くすのに最適なアルバムと言えるでしょう。複雑で多様化した和声、細分化されたリズムと、現代アメリカにおける雑多な要素をくまなく取り込んだモダンな音は聴き手の感性に粗塩をすりこむかのような激しい刺激を与えてくれます。演奏は今作もパシフィカ弦楽四重奏団によるものです。
収録作曲家:
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エイブラハム・リンカーンの肖像 [ナッシュヴィル響/スラットキン]
Orchestral Music - IVES, C. / PERSICHETTI, V. / HARRIS, R. / BACON, E. / GOULD, M. / McKAY, G.F. / TUROK, P. (Lincoln Portraits) (Slatkin)
■交響曲/管弦楽曲 ■合唱曲
発売日:2009年04月22日 NMLアルバム番号:8.559373-74
CD-R 2枚組価格:2,500円(税込)
人民の人民による人民のための政治、偉大なるリンカーン、音による肖像2009年は「偉大な解放者」エイブラハム・リンカーンの生誕200年にあたります。第16代大統領リンカーンの存在は文学、芸術、音楽の分野において多くの名作を励起させたことでも知られていて、それは彼の理想に基づくものであったり、彼によって霊感を受けた詩人の言葉を使ったものであったりと多岐に渡るものです。このアルバムはスラットキンとナッシュビル交響楽団という最良の表現者を得て、輝かしい功績を存分に讃えたものとなっています。新しい指導者を得たアメリカにふさわしき「マイルストーン」と言えるでしょう。
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レシュノフ(1973-):
ヴァイオリン協奏曲他 [ウェザービー/ボルティモア室内管/ザーカー]LESHNOFF, J.: Violin Concerto / Distant Reflections / String Quartet No. 1 (Wetherbee, Baltimore Chamber Orchestra, Thakar, Carpe Diem String Quartet)
■協奏曲
発売日:2009年04月22日 NMLアルバム番号:8.559398
CD-R価格:1,600円(税込)
NAXOS期待の作曲家登場! 驚くほどの抒情性を帯びた新時代の音楽ニュージャージー生まれの作曲家レシュノフは最近国際的に注目を集めている人です。このアルバムには彼の3つの個性的な作品を収録しています。メインは2007年京都で日本初演され、大好評を博したヴァイオリン協奏曲。ソロを務めるウェザビーはこの曲を献呈されていることもあり、この曲を完全に掌握しています。楽章ごとにメリハリのある曲想を持ち、とりわけ第2楽章と第4楽章のゆっくりとした部分は懐かしささえ覚えるほどの感傷的です。弦楽四重奏曲は、彼の後援者であり大学教師であったジャーマンのために書かれました。「四季」と言う副題を持ち、曲はジャーマンが誕生した1月を祝し「冬」から始められています。
収録作曲家:
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ホイビー(1926-2011):
ポケット・オブ・タイム ~ 21の歌曲とデュエット [フォークナー/ガーランド/ホイビー]HOIBY, L.: Pocket of Time (A) - 21 Songs and a Duet (J. Faulkner, A. Garland, L. Hoiby)
■声楽曲
発売日:2009年03月25日 NMLアルバム番号:8.559375
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)サミュエル・バーバーを尊敬するというホイビーは、その作風もとてもロマンティック。ヴェルディとガーシュウインに共通する感傷的な世界と、シューベルトやソンドハイムに通じる上品さを持ち合わせています。この歌曲集は、ルイス・キャロルやマルグリット・デュラス、エリザベス・ビショップなどの著名な詩人のテキストを用いたもので、情緒的で、聴き手の感性の深淵に浸み入る美しいものです。
収録作曲家:
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コリリアーノ(1938-):
サーカス・マキシマス他 [テキサス大学ウィンド・アンサンブル/ジャンキン]CORIGLIANO, J.: Symphony No. 3, "Circus Maximus" / Gazebo Dances (University of Texas Wind Ensemble, Junkin)
■吹奏楽
発売日:2009年03月25日 NMLアルバム番号:8.559601
CD価格:1,600円(税込)
みんな待ってたアルバム・リリース! 最後の「ドン!」はちょっと心臓に悪いぞ。世界最大のアリーナであった古代ローマの円形競技場では、毎日さまざまな競技、闘いが催され、30万人以上の観客が熱狂したのでした。その催しは日を追うごとにエスカレートし、ある時は鍛え抜かれた戦士たちの戦いであったり、餓えたライオンと人間の戦いであったりと、血で血を洗う残虐なものへと進化(?)していったのです。そんな野蛮なショーを大規模なブラス・アンサンブルで再現したのがこの作品です。ステージだけでなく、会場の至るところに配置された楽器群が一斉に音を吹き鳴らす様は圧巻の極みです。
収録作曲家:
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スーザ(1854-1932):
吹奏楽曲作品集 第7集 [ロイヤル・アーティレリー・バンド/ブライオン]SOUSA, J.P.: Music for Wind Band, Vol. 7 (Royal Artillery Band, Brion)
■吹奏楽
発売日:2009年02月25日 NMLアルバム番号:8.559247
CD価格:1,600円(税込)
スーザを笑う者はスーザに泣く? これぞ行進曲の見本市「行進曲の王」として世界に君臨するジョン・フィリップ・スーザは19世紀と20世紀の変わり目のアメリカに横溢する溌剌たるエネルギーを擬人化することに成功した作曲家です。彼の作品はアメリカを代表するだけではなく地球上のあらゆるものを元気にしてくれます。この第7集には、あまり聴く機会のない「大統領ポロネーズ」や、まるでJ.シュトラウスの作品のように洒落た「インタリオ・ワルツ」、スーザの自信作「50年祭」が収録されています。
収録作曲家:
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アドラー(1928-):
音楽における詩、芸術および愛他 [ボーリング・グリーン・フィル/ブラウン]ADLER, S: Of Musique, Poetrie, Art, and Love / Flute Sonata / Piano Concerto No. 3 / Pasiphae
■室内楽 ■声楽曲 ■器楽曲(ピアノ)
発売日:2009年02月25日 NMLアルバム番号:8.559602
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)ドイツ生まれの作曲家、指揮者サミュエル・アドラー。彼の名前はどちらかというとユダヤ音楽をアメリカ国内に広めた功績で知られているようです。しかし、ここで聴ける彼のオリジナル作品の多彩さは一言ではとても語り尽くせません。躍動的で多動的なピアノ音楽、神秘的でしなやかな歌やフルート・ソナタ。思わず身震いしたくなる雄大なピアノ協奏曲。聴けば必ず心に衝撃が残るでしょう。
収録作曲家:
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ヴィラ=ロボス(1887-1959):
ピアノ曲集 第8集 [ルビンスキー]VILLA-LOBOS, H.: Piano Music, Vol. 8 (Rubinsky) - Guia pratico, Books 10, 11 / Suites infantil Nos. 1, 2 / Guia pratico, Vol. 1 (excerpts)
■器楽曲(ピアノ) ■キッズ
発売日:2009年02月25日 NMLアルバム番号:8.570504
CD価格:1,600円(税込)
ヴィラ=ロボスのピアノ作品全集もいよいよ大詰め。あと2巻を残すのみとなりました。中心となる収録曲は「実用の手引き」です。すでに第5集(8.570008)でその一部が紹介され大好評を得た、彼のいわば「心の故郷」の曲集とでも言いましょうか。子どもたちが歌うような単純な楽想の中に計り知れないほどの深さを秘めた、独創性と愛に満ちた小品が「これでもか」とばかりに詰まっています。まさにヴィラ=ロボスの最高傑作です。
収録作曲家:
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アイヴズ(1874-1954):
歌曲集 第6集IVES, C.: Songs, Vol. 6
■声楽曲
発売日:2009年01月14日 NMLアルバム番号:8.559274
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)アイヴズ(1874-1954)の歌曲を「タイトルのアルファベット順に聴く」という壮大なるプロジェクトもついにこの6巻で完結です。もともと曲によって作風が劇的に違う人であるだけに、このような辞典的な並べ方をしたほうが、先入観なく曲を楽しむことができるというものです。風刺的な曲も、叙情的な曲も、民謡風の曲も、どれもが個性溢れるステキな作品であることを改めて気付かせてくれる素晴らしいシリーズです。
収録作曲家:
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ラング(1957-):
ピアス/ルー・リードの詩による「ヘロイン」
不正、嘘つき、盗み/祈る方法/結婚 [リアル・クヮイエット]LANG, D.: Pierced / Heroin / Cheating, Lying, Stealing / How to Pray / Wed (Real Quiet)
■現代音楽
発売日:2009年01月14日 NMLアルバム番号:8.559615
CD価格:1,600円(税込)
これは痛いけど気持ちいい!変拍子の嵐が体中を突き抜ける快感このアルバムに「クラシック的なもの」を期待してはいけません。ピューリッツァー賞を受賞したカナダの作曲家のデヴィッド・ラン作品集です。ジャズでもなく、ダンス音楽でもない、いわば、まだカテゴリーに属さない音楽ですが、現代の聴き手の耳には、するっと違和感なく入ってしまう不思議な味わいを有しています。 ウォーホルのバナナのジャケットで有名な『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコ』から「ヘロイン」の詩を、独特の明度をもつテオ・ブレックマンの声が、遠くに誘うように、また置き去りにするように歌いあげます。少々暴力的な音の奔流によって体がぼろぼろになるような感覚が心地いい。そんな人にオススメです。
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メノッティ(1911-2007):
歌劇「アマールと夜の訪問者」 [ナッシュヴィル響/ウィリス]MENOTTI, G.C.: Amahl and the Night Visitors / My Christmas (Willis, Mabry)
■オペラ
発売日:2008年12月24日 NMLアルバム番号:8.669019
CD価格:1,600円(税込)
オペラ史上初のテレビ・オペラ、キリスト生誕の日に起きた小さな奇跡の物語NBC放送からの委嘱により作曲されたこのオペラは、1951年のクリスマス・イブに初めてのテレビ放送され大好評を博しました。以来世界中で500回を超える上演回数を記録、クリスマスの奇跡劇として絶大なる人気を誇っている小さな作品です。イエスの生誕を祝福するために旅をしている3人の博士が出会った、愛と感謝に満ちた小さな奇跡。平易なメロディとわかりやすいストーリーは時代を超えて聴き手の心に暖かい光を灯していくことでしょう。
収録作曲家:
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アイヴズ(1874-1954):
歌曲集 第5集IVES, C.: Songs, Vol. 5
■声楽曲
発売日:2008年12月10日 NMLアルバム番号:8.559273
CD-R
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)静かなるブーム到来なるか? 大好評、アイヴズの(1874-1954)歌曲集も5作目となりました。今回はPからSまでのタイトルを収録。相変わらず百花繚乱、楽しさの限りです。第1曲目の「パラケルスス」は中世の錬金術師の名前で、管弦楽曲の「ロバート・ブラウニング序曲」からの編曲です。あまりにも激しくて一瞬ひるんでしまいますが、例によって聴き進んでいくと甘いメロディに変化します。このギャップもアイヴズの魅力の一つでしょう。
収録作曲家:
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コープランド(1900-1990):
舞踏交響曲 [ボーンマス響/オールソップ]COPLAND, A.: Dance Symphony / Symphony No. 1 / Short Symphony (Bournemouth Symphony, Alsop)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2008年12月10日 NMLアルバム番号:8.559359
CD価格:1,600円(税込)
君も見たいか。オールソップの絶対領域コープランドの特徴とも言える、複雑で不規則なリズム、および明確な音形。それらが余すことなく発揮されたのが、ここに収録された「舞踊交響曲」といえるでしょう。1921年のドイツ映画「ノスフェラトゥ」に励起され書かれた初期のバレエ音楽「グローグ(Grehg)」より編曲されたもので、優美な第1部、美しい第2部、暴力的で切迫するリズムが特徴的な第3部からなる刺激的な音楽です。オールソップのきわどい指揮が魅力的。
収録作曲家:
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コリリアーノ(1938-):
ディラン・トーマスの詩による三部作 [アレン/ジャクソン/テシエ/ナッシュヴィル響/合唱団/スラットキン]CORIGLIANO, J.: Dylan Thomas Trilogy (A) (T. Allen, T. Jackson, J. Tessier, Nashville Symphony and Chorus, L. Slatkin)
■合唱曲
発売日:2008年12月10日 NMLアルバム番号:8.559394
CD-R価格:1,600円(税込)
生まれてからこの世を去るまでの長い年月をカモメを見ながら考える、まるで映画をみるように鮮烈なコリリアーノの音楽英語圏の詩人の中で「最も偉大」とされているのが、このディラン・トーマスです。彼の作品は多分に感情的でロマンティックであったため、難解な詩が好まれた20世紀にあっては少々流行遅れの感もありました。しかし今となってはその普遍性が高く評価されているのです。「羊歯の丘」は詩人の最高傑作で、この詩から鮮烈なインスピレーションを受けたコリリアーノは緊張感溢れた見事な音楽をつけています。
収録作曲家:
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アイヴズ(1874-1954):
歌曲集 第4集IVES, C.: Songs, Vol. 4
■声楽曲
発売日:2008年11月12日 NMLアルバム番号:8.559272
CD-R
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)今回の歌曲集もヴァラエティに富んだアイヴズ(1874-1954)の世界を体験させてくれます。冒頭の曲だけ聴くと、「これはちょっと難しいかも・・・」と思ってしまう人も多いかもしれませんが、実はここでも結構ユーモラスな部分があって、聴き込めば耳に自然となじんでくるでしょう。オススメはフルートのソロを伴ったトラック24。耳懐かしい旋律がこれでもかとばかりに出てきます。これは面白いです。
収録作曲家:
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コリリアーノ(1938-):
ミスター・タンブリンマン
(ボブ・ディランによる7つの詩) [バッファロー・フィル/ファレッタ ]CORIGLIANO, J.: Mr. Tambourine Man / 3 Hallucinations (Plitmann, Buffalo Philharmonic, Falletta)
■現代音楽
発売日:2008年11月12日 NMLアルバム番号:8.559331
CD価格:1,600円(税込)
鳥が歌い、洗濯物が舞い踊る。コリリアーノとボブ・ディラン、奇跡の邂逅ボブ・ディランの名作「タンブリン・マン」の詩を知ったコリリアーノ(1938-)は、その響きの美しさと内容の深さに感激し、彼はそれらを自らの音楽語法で再構築することを試みました。ロックやポップスとは全くアプローチが違う「反対方向でのクロスオーヴァー」。もちろんディランも賛同し、この作品が完成したのです。21世紀の新しい歌曲をお楽しみください。
収録作曲家:
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アイヴズ(1874-1954):
歌曲集 第3集IVES, C.: Songs, Vol. 3
■声楽曲
発売日:2008年10月08日 NMLアルバム番号:8.559271
CD-R価格:1,600円(税込)
小さな虫から、偉大なる大統領賛美まであらゆるものを歌にしたアイヴズの見事な手腕を大好評を博しているアイヴズの歌曲集第3弾です。例のごとくアルファベット順に置かれているため、彼の作風の多様性が一層強く浮かび上がります。自然への深い感謝の心、民族性、宗教色、現代的な響き、なんでもありの楽しい1枚。これ1枚でも楽しめますが、こうなったらやはり全部揃えて、通して聴きたいと思いませんか?
収録作曲家:
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ジェームスタウン・コンチェルト [ハナーニ/アイルランド国立響/エッディンズ]
PERRY, W.: Jamestown Concerto / SCHUMAN, W.: A Song of Orpheus / THOMSON, V.: Cello Concerto (Hanani)
■交響曲/管弦楽曲 ■協奏曲
発売日:2008年10月08日 NMLアルバム番号:8.559344
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込) -
ウォルデン(1932-):
2台のピアノのためのマクェット他 [クルーク/チャン/レヴィン/クレッツ]WALDEN, S.: Maquettes / Sh'mah / 5 Similes / Horn Trio (Spectrum Concerts Berlin)
■室内楽 ■器楽曲(ピアノ)
発売日:2008年10月08日 NMLアルバム番号:8.559355
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)現代アメリカの作曲家らしく、このウォルデン(1932-)も様々な才能を有しています。作曲家、クラリネット奏者、指揮者、俳優、映画監督、そして教師、どれもが超一流というのですから何ともうらやましい話です。とりわけ有名なのは全裸ミュージカル「Oh! Calcutta!」の音楽でしょう)ここに収録された作品は、すべてシリアスで重厚な趣きをたたえており、とりわけ「三重奏曲」は9.11事件への怒りが描かれた悲痛な作品です。
収録作曲家:
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アイヴズ(1874-1954):
歌曲集 第2集 [ターヴァー/ペンナ]IVES, C.: Songs, Vol. 2
■声楽曲
発売日:2008年09月10日 NMLアルバム番号:8.559270
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)第1集に引き続きまたもやアイヴズの歌曲集 聴けば聴くほどに楽しさも増すばかり1922年にアイヴズが37年間に渡って書きためた114曲の歌曲を出版した際、もちろん彼はその曲を演奏したいと考えていたに違いありません。彼は多くのジャンルに渡ってたくさんの曲を作りましたが、その創造的中心にはいつも歌があったのです。このシリーズは彼が書いた全ての歌(ほとんど200曲)を包括する偉業です。辛辣な歌からユーモラスな歌まで何でもありの世界です。
収録作曲家:
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バーガー(1954-):
奇跡と泥
沈むか泳ぐか/倍/エイモスのために [ソーン/ローレンス弦楽四重奏団]BERGER: Miracles and Mud / Sink or Swim / Doubles / for amos
■室内楽 ■器楽曲(ヴァイオリン)
発売日:2008年09月10日 NMLアルバム番号:8.559342
CD
通常価格:1,200円→ 特価!:490円(税込)ジョナサン・バーガーの音楽は深く精神的で、一度聴いたら忘れられないほどのインパクトを持っています。弦楽四重奏曲及び、ソロ・ヴァイオリンのためのこれらの作品は全てが他の音楽に関係し、それはフォークソングであったり、ヘブライのメロディであったりと興味深いものばかりです。「奇跡と泥」とは実はコーヒーのこと。ヨーロッパのインスタントコーヒーが奇跡と呼ばれ、アラビアのコーヒーが「泥」です。すなわちコーヒーを2つの文化になぞらえ音楽で表現したのです。
収録作曲家:
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4つのアメリカの弦楽四重奏曲 [ファイン・アーツ四重奏団]
EVANS, R.: String Quartet No. 1 / GLASS, P.: String Quartet No. 2 / ANTHEIL, G.: String Quartet No. 3 / HERRMANN, B.: Echoes
■室内楽
発売日:2008年09月10日 NMLアルバム番号:8.559354
CD-R価格:1,600円(税込)
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アイヴズ(1874-1954):
歌曲集 第1集 [カルフィッツィ/トゥルーデル]IVES, C.: Songs, Vol. 1
■声楽曲
発売日:2008年08月06日 NMLアルバム番号:8.559269
CD-R価格:1,600円(税込)
1900年代前半のアメリカで最先端を行っていた作曲家と言えば、間違いなくこのアイヴズ(1874-1954)の名前が挙がることでしょう。無調、多調、微分音まで使いこなした彼ですが、実はその作品の根底にはいつもアメリカの民謡があった事は言うまでもありません。彼が残した歌曲は総数で200にも及びますが、このシリーズではタイトルのA~Zの順で収録しています。ひどく難しい歌があるかと思うと陽気な歌があったり目くるめく世界が広がります。
収録作曲家:
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コープランド(1900-1990):
ピアノ協奏曲 [パスターナック/エルジン響/ハンソン]COPLAND: The Tender Land Suite / Piano Concerto / Old American Songs (arr. for chorus)
■協奏曲 ■オペラ
発売日:2008年08月06日 NMLアルバム番号:8.559297
CD価格:1,600円(税込)
華やかな管弦楽法、素朴なアメリカ民謡、そのどちらもが楽しめるコープランドの楽しい曲集コープランドの書いたオペラ「入札地」は当時の新しい手法を取り入れたおかげで、グランド・オペラと言うよりミュージカルに近い作品となりました。ここでは3つの印象的な曲が並べられています。他には都会的なピアノ協奏曲、そして懐かしいアメリカの歌、これらはどれもが強烈な個性を放つ作品群です。広く知られる「シンプル・ギフト」も含まれます。何とも味わい豊かな歌に思わず心が熱くなります。
収録作曲家:
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ホヴァネス(1911-2000):
ギターと弦楽のための協奏曲 第2番他 [ロバートソン]HOVHANESS: Guitar Concerto No. 2 / Symphony No. 63 / Fanfare for the New Atlantis
■器楽曲(ギター)
発売日:2008年08月06日 NMLアルバム番号:8.559336
CD価格:1,600円(税込)
伝説の島、アトランティスの再生の歓び、若き頃過ごした地への思い出、様々な思いが交錯した作品集20世紀の作曲家の中でも、その作品の多さで1、2を争うホヴァネス。とりわけ67曲ある交響曲は、その作風の多彩さと鮮烈さで現在でも高い人気を得ています。アルメニア人の父を持ち、若い頃はシベリウスの薫陶を受け、インド音楽と出会ってからは各国の民謡に興味を持ち、最終的にはアルメニアの音楽を追求した彼の作品は、神秘的な響きと親しみやすい側面を持ち合わせています。
収録作曲家:
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アイヴズ(1874-1954):
管弦楽曲集 [マルメ響/シンクレア]IVES: Orchestral Sets Nos. 1-3 (Sinclair)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2008年08月06日 NMLアルバム番号:8.559353
CD価格:1,600円(税込)
川を渡って響いてくる音から野営地の騒々しさまで幾枚ものセピア色の写真を見るような面白さアイヴズの「セット」と名付けられた曲集は、ひとつひとつが独立した世界を持つ小さな作品を組み合わせて大きな一つの曲にしたものです。第1番は1913年から14年頃に作られたニューイングランドの風景にインスパイアされた曲の集まりで、ドビュッシーを思わせる混沌とした響きの第1曲目、対照的な第2曲目、そしてたっぷりと美しい第3曲目と、豊かなコントラストを備えています。未完成となった第3番のセットは、これが世界初録音となります。
収録作曲家:
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コリリアーノ(1938-):
レッド・ヴァイオリン奇想曲他 [クイント/ウォルフラム]CORIGLIANO: Red Violin Caprices (The) / Violin Sonata / THOMSON, V.: 5 Ladies / Portraits (Quint)
■室内楽 ■器楽曲(ヴァイオリン)
発売日:2008年08月06日 NMLアルバム番号:8.559364
CD価格:1,600円(税込)
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コーン(1928-):
交響曲 第7番&第2番他 [スロヴァキア放送響/ジョルダニア/トレヴァー]COHN: Symphonies Nos. 2 and 7 / Variations on The Wayfaring Stranger
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2008年08月06日 NMLアルバム番号:8.559376
CD-R価格:1,600円(税込)
これもアメリカ音楽の一つの潮流? 後期ロマン派の末裔のような佇まいの音楽1928年、ニュージャージー生まれのコーンはジュリアード音楽院で作曲を専攻し、8曲の交響曲を始め、室内楽、合唱曲、管弦楽曲など多くの作品を生みだしています。このアルバムは彼の80歳記念を記念してリリースされたもので、まるで風景画をみるように豊かな楽想を持つ「交響曲第7番」や、音によるドラマ「交響曲第2番」、ノスタルジックなワルツと変奏曲が収録されています。
収録作曲家:
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トッホ(1887-1964):
室内楽作品集 [シュペクトラム・コンチェルト・ベルリン]TOCH: Piano Quintet / Violin Sonata No. 2 / Burlesken / 3 Impromptus
■室内楽
発売日:2008年06月11日 NMLアルバム番号:8.559324
CD価格:1,600円(税込)
モーツァルトを心の糧にしたモダニスト、再評価高まる孤高の作曲家トッホオーストリアで生まれマンハイム、ベルリンで教鞭を取り1933年戦争のためパリに亡命、1935年にアメリカに定住したトッホの作品は、モーツァルトと後期ロマン派の作風を根底に置きつつも、様々な現代的手法を盛り込んだ興味深い作品を多数書いています。強烈な印象を残す五重奏、ベルリン時代の陰鬱なヴァイオリン・ソナタなどシュペクトラム・コンチェルト・ベルリンの的確な演奏で。
収録作曲家:
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フラジェッロ (1928-1994):
ミサ・シンフォニカ
ロスナー(1945-):
交響曲第5番「サルヴェ・レジーナに基づく歌のないミサ」 [ウクライナ国立放送響/ウィリアムズ]FLAGELLO: Missa Sinfonica / ROSNER: Symphony No. 5
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2008年05月09日 NMLアルバム番号:8.559347
CD-R価格:1,600円(税込)
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ジェフスキ(1938-):
「不屈の民」変奏曲他 [ドゥルーリー]RZEWSKI: The People United will never be Defeated
発売日:2008年05月09日 NMLアルバム番号:8.559360
CD価格:1,600円(税込)
鼻歌でも歌えるテーマがここまで変貌する 隠れたファンも多い、現代アメリカの生んだ巨大な変奏曲極めてシンプルなテーマに沿って延々と奏される変奏曲。無調、ミニマル、ジャズ、超絶技巧とありとあらゆる語法を駆使し、その合間を縫って聞こえてくる人を食った主題に背筋がゾクゾク。1トラック60分越えと言うのも、聞き手にとっての試練ですが、一度聴くと病みつきになる人も多い魔力を秘めた作品です。ジェフスキの自作自演盤を含めた既存盤にも比肩する名演を聴かせるのはオランダの名手ラルフ・ファン・ラートです。
収録作曲家:
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ルロイ・アンダーソン(1908-1975):
管弦楽作品集 第1集 [BBCコンサート・オーケストラ/スラットキン]ANDERSON, L.: Orchestral Music, Vol. 1 - Piano Concerto in C major / The Golden Years / Fiddle-Faddle
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2008年04月09日 NMLアルバム番号:8.559313
CD価格:1,600円(税込)
まさに汲み尽せぬメロディの宝庫、誰もが魅了されるアンダーソンの小宇宙2008年は、ルロイ・アンダーソンの生誕100年記念の年です。そこでNAXOSレーベルでは、誰もが知ってるチャーミングなメロディの宝庫である彼の管弦楽作品の全てをお届けする予定です。手始めの第1集のメインは「ピアノ協奏曲」。1989年にリバイバルされたこの作品は、すでに一部のファンの間では根強い人気を誇る名曲です。演奏は名指揮者スラットキンとBBCコンサート・オーケストラ。極上のひとときにしばし酔いましょう。
収録作曲家:
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フックス(1956-):
作品集 [ジョーンズ]FUCHS, K.: Canticle to the Sun / United Artists
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2008年04月09日 NMLアルバム番号:8.559335
CD-R価格:1,600円(税込)
さまざまな味わいの作品がぎっちり詰まった1枚、現代音楽ではなく「今を生きる人のための音楽」かも。前作(8.559224)で、その豊かな抒情性をたっぷり味わわせてくれたフックスのまた別の表情を楽しむ1枚です。冒頭の勇ましく晴れやかな行進曲調の「芸術家たちよ~」、うって変わって極めて叙情的な「土地の静けさ」など聴き進めていけばいくほどにこの作曲家の作品の多彩さに舌を巻かずにはおれません。もちろん圧巻は「太陽の頌歌」。フレンチ・ホルンの限界に挑戦したかのようなスゴイ曲。話題の指揮者ファレッタが手堅くまとめます。
収録作曲家:
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ウォーリネン(1938-):
ダンテ三部作(室内楽ヴァージョン) [室内楽版]WUORINEN: Dante Trilogy (chamber version)
■室内楽
発売日:2008年04月09日 NMLアルバム番号:8.559345
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:490円(税込)人が蠢き、地獄の劫火が身を焼き尽くす、そんな光景が思い浮かぶような鮮烈さ科学と文学の分野から多くの啓示を受け、たくさんの作品を書いているウォーリネンの最も野心的な作品と言われる「ダンテ三部作」です。「神曲」からインスピレーションを受けた3つの部分からなるバレエ曲で各々の曲は原作の世界をきっちりと描きだしています。室内楽版と言えども極限までに拡大された音楽は、自らを「マキシマリスト」と称した彼にしか描き得ないものです。
収録作曲家:
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ハッター(1971-):
管弦楽、ピアノ作品集 [モラヴィア・フィル/バウムガルトナー/チョイ]HUTTER, G.: Orchestral and Solo Piano Works
■交響曲/管弦楽曲 ■器楽曲(ピアノ)
発売日:2008年04月09日 NMLアルバム番号:8.559349
CD-R
通常価格:1,600円→ 特価!:490円(税込)近未来の風景と郷愁を誘うラグタイム、これらを結ぶ線はいずこに???アメリカの作曲家の中でも最も若い世代に属するグレゴリー・ハッター。彼の作品は本当に多種多彩で、近未来的な都市のイメージを喚起する「エレクトリック・トラクション」や、不協和音を多用した「幻想的小品集」、そしてまるで肩すかしを食らうかのように軽い「メランコリー・ラグ」などどれが彼の真の姿なのかをつかむことは恐らく不可能です。流暢な音楽語法と、多彩な音楽は世界中で人気沸騰中。特に北アメリカ、ヨーロッパと中近東などで多く演奏されています。
収録作曲家:
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カーター(1908-2012):
弦楽四重奏曲 第1番・第5番 [パシフィカ四重奏団]CARTER, E.: String Quartets Nos. 1 and 5 (Pacifica Quartet)
■現代音楽
発売日:2008年04月09日 NMLアルバム番号:8.559362
CD価格:1,600円(税込)
正しい「ゲンダイオンガク」の一つの姿、理解するよりも体験してください2004年に来日して、カーター(1908-)の弦楽四重奏曲全曲演奏という偉業を成し遂げたパシフィカ弦楽四重奏団による極めつけのアルバムです。この、調性もリズムも混迷化した難解な音楽に耳を傾けていると、多様化している「現代音楽」の概念について改めて考えたくなるかも知れません。一緒に口ずさむことは難しいですが、ある種の癒しさえ感じられるような突き抜けた作品であることは間違いありません。
収録作曲家:
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ロックバーグ(1918-2005):
交響曲 第1番 [ザールブリュッケン放送響/リンドン=ジー]ROCHBERG: Symphony No. 1
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2008年03月05日 NMLアルバム番号:8.559214
CD価格:1,600円(税込)
ねっとり美しいカノンの変容で知られるロックバーグ、ロマン派の末裔も若い頃にはこんな曲を書いていました。同じロックバーグの作品である「パッヘルベルのカノンの変奏」や弦楽のための「超絶変奏曲」を聴く限りでは、この人は後期ロマン派の末裔だと思われそうですが、1960年代までは、音列技法を用いた難解で激しい作品を書いていました。この交響曲第1番もそうで、この曲の第3楽章を彼の師であるL.マンズに見せたところ「これは、私がこれまでに見た最も狂った音楽です!」とまで言われてしまったほど。彼がこのような作風を捨てたのは愛息の死がきっかけで、以降は耳当たりのよい調性音楽を書くようになったのです。
収録作曲家:
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シエッラ(1953-):
ニューミュージック・ウィズ・ア・カリビアン・アクセント [ザックス/セルツァー]SIERRA: New Music with a Caribbean Accent
■室内楽
発売日:2008年03月05日 NMLアルバム番号:8.559263
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:490円(税込)ロバート・シエッラは現代アメリカの作曲家の中でも、最も新しい潮流に属します。彼は若い頃から、カリブ海の多様な伝統民族音楽に惹かれ、自作にそのエキスを取り入れ、更に洗練させました。ここに収録されているのもそのような曲ばかりで、最も初期の作品である「呪文」はアフリカ系キューバ人の儀式の合唱に基づくもの、クラリネット・ソロのための「5つのスケッチ」はプエルトリコやカリビアンポップス、そしてカタロニアの伝統音楽からインスピレーションを得るなど、どれもが不思議な情感に満ちています。
収録作曲家:
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エリクソン(1917-1997):
管弦楽、室内楽、声楽作品集 [コンティヌム/ザックス]ERICKSON: Orchestral, Chamber and Vocal Music
■交響曲/管弦楽曲 ■室内楽 ■声楽曲
発売日:2008年03月05日 NMLアルバム番号:8.559283
CD-R
通常価格:1,600円→ 特価!:490円(税込)究極のアンビエント音楽、真夏に降り注ぐ雨のような斬新な響き作曲家、教師として目覚ましい活躍をしたエリクソンの作品集です。彼はクシェネクに作曲を学び、カリフォルニアで多くの生徒のために音楽を教えました。彼の書いた音楽は多くの異なるスタイルを持ち、また高度な技巧を要するものです。フルートのマウスピースを駆使した独特な音色を用いた「野心家」や、電子楽器の音色が爽快な「夏の音楽」などユニークなものばかりです。1970年代よりアジアの音楽の影響を受け、より独自の世界観を追求した作品を残しました。
収録作曲家:
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ブルーベック(1920-2012):
夜想曲集 [サーモン]BRUBECK: Nocturnes
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2008年03月05日 NMLアルバム番号:8.559301
CD価格:1,600円(税込)
ほんの26曲の小さな夜の世界、聴き手の想像力を果てしなく刺激する音楽往年のジャズ・ピアニスト、デイヴ・ブルーベック(1920-)と言えば、真っ先に浮かぶのはあの「テイク・ファイヴ」でしょうか? 少々無骨ながらもノリの良いリズム感がたまらない名演を聞かせてくれていました。しかしここに収録されているのは少々趣の違う作品です。「ノクターン」と題された洒脱な小品集で、子供たちと粋な大人のために書かれたものでどれもがちょっぴりジャジーで、ノスタルジックで、味わい深い曲ばかり。アメリカのサティとでも呼びたくなってしまいます。
収録作曲家:
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古き良き時代のアメリカの愛の歌 [ファーリー/コンステイブル]
ARLEN / GERSHWIN / WEILL / SCHWARTZ: Classic American Love Songs
発売日:2008年03月05日 NMLアルバム番号:8.559314
CD-R価格:1,600円(税込)
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ボルコム(1938-):
チェロ作品全集 [フィッシャー]BOLCOM: Works for Cello (Complete)
■器楽曲(チェロ)
発売日:2008年03月05日 NMLアルバム番号:8.559348
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:490円(税込)シリアスさと遊び心、絶妙にブレンドされたボルコムの粋な音ピアニストとしても知られるボルコムは、作曲家としても7つの交響曲の他、協奏曲や室内楽、そして6曲のオペラと多岐に渡った作品を書きました。ここではチェロのために書かれた作品を全曲収録しています。ブラームスやミヨーなどの先人の影響を彷彿させる「カプリッチョ」、陰気で悲劇的な「組曲第1番」、ブーレーズの影響を受けた「デカラージュ」まるで時代を遡ったかのような「チェロ・ソナタ」など彼の自由奔放で多彩な作曲技法が味わえます。チェロのフィッシャーも白熱の演奏を聴かせます。
収録作曲家:
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ハーシュ(1955-):
演奏会用作品集 2001-2006 [パレムスキ]HERSCH, F.: Concert Music (2001-06)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2008年03月05日 NMLアルバム番号:8.559366
CD-R価格:1,600円(税込)
とても懐かしくちょっと切ない…これぞ大人の味わい、ジャズピアニストの書いたロマンティックなクラシック名ジャス・ピアニスト、フレッド・ハーシュの2001年以降の作品集。コンサートでは、そのインプロヴィゼーションが高く評価されている彼ですが、楽譜に記された音楽は思いのほかロマンティック。まるでショパンやラフマニノフ、スクリャビンを思わせる美しい旋律に満ちています。バッハの「マタイ受難曲」からのコラールを用いた「24の変奏曲」はまさに21世紀のゴルトベルクと言っても過言ではないでしょう。「ほろ苦いタンゴ」では作曲家自身がピアノを演奏しています。得も言われぬ味わい…。
収録作曲家:
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ピアソラ(1921-1992):
組曲「ブエノスアイレスのマリア」
ブエノスアイレスの夏/天使のミロンガ [ヴァーサス・アンサンブル]PIAZZOLLA: Maria de Buenos Aires Suite / Verano Porteno / Milonga del Angel
■室内楽
発売日:2008年02月06日 NMLアルバム番号:8.570523
CD価格:1,600円(税込)
ブーム再燃? タンゴの破壊者ピアソラを聴く、滾る思いを熱いリズムに載せて日本でも一大ブームを巻き起こし、すっかり定着した感のあるピアソラのタンゴ集です。ヒナステラに音楽理論を学びつつもタンゴの仕事を続けた彼ですが、一度はタンゴを捨てクラシックの作曲家の道を目指そうとしたといいます。しかしそれを阻止したのが N.ブーランジェ。以来、自身の中に沸き起こる「タンゴへの道」を追求し続けた孤高の人。その熱き思いをじっくりとご堪能ください。
収録作曲家:
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ヴィラ=ロボス(1887-1959):
ピアノ作品集 第6集 [ルビンスキー]VILLA-LOBOS, H.: Piano Music, Vol. 6 (Rubinsky) - Rudepoema / As tres Marias / Saudades das selvas brasileiras
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2008年01月16日 NMLアルバム番号:8.557735
CD価格:1,600円(税込)
煌く星を音で聴く「オリオンの3つの星」から、アマゾンの密林を彷彿させる「野生の詩」まで大好評、ヴィラ=ロボス(1887-1959)のピアノ作品集、今回の第6集は、彼の作品のなかでも最も多様な内容を持つものです。子どもたちの音楽、ブラジルの伝統的な要素を盛り込んだ曲、極めてアバンギャルドな技術を要する曲や、音楽以外からインスピレーションを受けた曲など、まさに天に広がる星のような様相を呈しています。ヴィラ=ロボスの多彩な音楽性を再確認してください。第1集より録音を重ねている名手ルビンスキの演奏です。
収録作曲家:
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トムソン(1896-1989):
大平原を耕す鋤/組曲「河」 [ポスト・クラシカル・アンサンブル/ギル=オルドネス]THOMSON, V.: Plow that Broke the Plains (The) / The River (Post-Classical Ensemble, Gil-Ordonez)
発売日:2008年01月16日 NMLアルバム番号:8.559291
CD価格:1,600円(税込)
壮大で厳しいながらも楽しくて・・・これぞ、音で聴くアメリカの田園風景ストコフスキーも取り上げた、トムソン(1896-1989)による音で綴るアメリカの田園詩、「大平原を耕す鋤」は聴いているだけで目の前にひなびた田園風景が広がります。例えば第6曲の「戦争とトラクター」。まるでおもちゃのような進軍ラッパ、そしてちょっととぼけたテーマ。何とも言えない楽しさが醸し出されています。組曲「河」も民謡や賛美歌のメロディを交えた情感豊かな作品です。
収録作曲家:
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ヘッドリー(1906-1995):
生誕100年記念録音集 [ボロリュボヴァ/ロシア・フィル/ヤブロンスキ]HEADLEY: California Suite / Piano Concertos Nos. 1 and 2 / Symphony No. 1
■協奏曲
発売日:2007年12月12日 NMLアルバム番号:8.559300
CD-R価格:1,600円(税込)
ハワード・ハンソンも絶賛した「カルフォルニア組曲」
まるで目の前に迫りくるような雄大な音の風景画1906年生まれのヘッドリーは、教師の父とオルガニストの母を持ち幼い頃から天才の名を欲しいままにしてきました。彼の音楽的方向を決定付けたのは10歳の時のラヴェルとの邂逅で、その影響あってか生涯に渡ってロマンティックで印象主義的な作品を残したのです。1940年代以降はピアニスト、指揮者としても活躍、作曲家としても多くの作品を残しました。収録作曲家:
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ポーター(1897-1966):
弦楽四重奏曲集 [アイヴス弦楽四重奏団]PORTER, Q.: String Quartets Nos. 1-4
■室内楽
発売日:2007年11月14日 NMLアルバム番号:8.559305
CD-R
通常価格:1,600円→ 特価!:490円(税込)1897年生まれのアメリカの作曲家クインシー・ポーターは、パリ留学でダンディに師事、帰国後はブロッホの薫陶を受けた人です。初期の作品はブラームスの影響が感じられますが、次第に作風は新古典主義的なものへと変化し、荒々しいリズムと複雑な対位法が顕著な作品を多く書きました。ここに収録されている弦楽四重奏曲も、ある時はバルトーク風であり、またストラヴィンスキー、ヒンデミット風でもあり、内省的な部分と躍動的な部分が目まぐるしく交錯する極めて興味深い曲集となっています。
収録作曲家:
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ゴットシャルク(1829-1869):
交響曲 第2番「モンテビデオ」
ピアノと管弦楽のための「セレブル・タランテラ」他 [ホットスプリングズ・ミュージック・フェスティバル管/ローゼンバーグ]GOTTSCHALK: Orchestral Works (Complete)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2007年10月17日 NMLアルバム番号:8.559320
CD価格:1,600円(税込)
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コリリアーノ(1938-):
弦楽四重奏曲
スナップショット/黒い11月の七面鳥
フリードマン(1974-):
弦楽四重奏曲 第2番 [コリリアーノ四重奏団]CORIGLIANO: Snapshot - Circa 1909 / String Quartet No. 1 / FRIEDMAN: String Quartet No. 2
■室内楽 ■現代音楽
発売日:2007年09月01日 NMLアルバム番号:8.559180
CD-R価格:1,600円(税込)
写真が音になって聴こえてくる弦楽四重奏曲の各楽章には、オーソドックスなタイトルがつけられていますが、中身の方はかなり大胆です。例えば、フーガにおける微妙にテンポやリズムをずらした各楽器、主題の重ね合わせ方は全く独特で、驚くべき効果を上げてるといえましょう。「スナップショット:1909年頃」は、ジャケットに掲載したヴァイオリンを弾く彼の父(ニュー ヨークフィルのコンサートマスター)の少年時代の写真にインスピレーションを受けた作品で、5分あまりの小曲ながらも強烈な印象を残します。現代的な響きを持ちながらも、写真そのものとしかいいようのない懐かしいムードに満ちているという、不思議な魅力を放っています。
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ヒナステラ(1916-1983):
ピアノ・オルガン作品全集 [ビアーニ]GINASTERA, A.: Complete Piano and Organ Music
■器楽曲(オルガン)
発売日:2007年08月01日 NMLアルバム番号:8.557911-12
2CD価格:2,500円(税込)
決定盤登場! 血沸き肉踊るとはこのことだ!!アルゼンチンの至宝ヒナステラのピアノ曲とオルガン曲が、全集として一挙登場です。アルゼンチン舞曲集やピアノ・ソナタ第1番は比較的よく知られていますが、その他の作品はその優れた質の割に演奏されることは稀なだけに、NAXOS自信の好企画です。とりわけオルガン曲については資料的にも貴重なものとなっています。民俗色をストレートに表出した作品から、より前衛的な手法に傾斜した作品まで様々ですが、いずれも激しいリズムと火が吹き出るような凄まじいパワー、超・超絶技巧の乱舞に彩られ、聴くものを熱狂へと駆り立てます。作曲者と同じくイタリア系アルゼンチン人であるビアーニによる、共感溢れる演奏も万全です!
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グラス(1937-):
ザ・ライト [ボーンマス響/オールソップ]GLASS: Symphony No. 4, 'Heroes' / The Light
■現代音楽
発売日:2007年07月01日 NMLアルバム番号:8.559325
CD価格:1,600円(税込)
デヴィッド・ボウイの名盤をクラシック化した話題作ナクソスは、現代音楽の旗手フィリップ・グラスの音楽も積極的に紹介します!当盤収録の「ヒーローズ・シンフォニー」は、ロック界の超大物デヴィッド・ボウイがベルリンの壁近くの恋人たちの姿に着想を得て作り上げたと言うアルバム「ヒーローズ」を、振付家トワイラ・サープの薦めもありクラシック化した話題作。カップリングの「ザ・ライト」は、マイケルソン=モーリーの実験やアインシュタインの相対性理論からインスピレーションを得て作曲。全編、グラス・サウンドに満たされたアルバムに仕上がっています。古典から現代までカヴァーする、ナクソスの看板女性指揮者オールソップの幅広い適応力にもご注目ください。
収録作曲家:
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スーザ(1854-1932):
吹奏楽曲作品集 第6集 [ロイヤル・アーティレリー・バンド/ブライオン]SOUSA, J.P.: Music for Wind Band, Vol.6 (Royal Artillery Band, Brion)
■吹奏楽
発売日:2007年05月01日 NMLアルバム番号:8.559132
CD価格:1,600円(税込)
自由の鐘、剣闘士・・・人気シリーズ第6弾アメリカの「マーチ王」スーザの業績をご紹介する第6弾で、マーチに限定せず、他のジャンルの作品も聴けるのが嬉しいシリーズです。セオドア・ルーズベルト大統領夫人に捧げられた葬送行進曲「ゴールデン・スター」。ジューン・ブライドをテーマにしたオペレッタからの抜粋「六重奏曲」。世界演奏旅行のために作曲された壮麗な「イギリス連邦」。スーザの全行進曲の中でも特に有名な作品で、モンティ・パイソンのコメディでも使用された「自由の鐘」。作曲者自身もお気に入りで、行進曲に慣れた耳を突如ワルツで驚かせる「海の女王」。大胆で映画音楽的と言える「戦車競争」。作曲者の生前に特に人気の高かった「剣闘士」。スペインの闘牛をテーマにした「ピカドール」。スーザのスペシャリストの指揮でお届けします。
収録作曲家:
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ウィーン少年合唱団が歌うユダヤの聖餐コンサート
VIENNA BOYS CHOIR: A Jewish Celebration in Song
■合唱曲
発売日:2006年02月01日 NMLアルバム番号:8.559419
CD-R価格:1,600円(税込)
「天使の歌声」ウィーン少年合唱団がナクソスに登場!何と、あの「天使の歌声」のウィーン少年合唱団が、ウィーンの男声合唱団やユダヤ教のカントールと共にアメリカのユダヤの歌を演奏するという、驚きのジョイントを繰り広げます。この録音以来、ウィーン少年合唱団はユダヤの歌を世界演奏旅行で取り上げるようになりました。もとは同声三部合唱で書かれた2作品を、男声パートを加えて、典型的な東欧のユダヤ教合唱音楽の編成である四部合唱としたものです。2人の作曲家は、共にカントールの父を持つという、ユダヤの伝統の継承者。ここに聴く音楽はどこまでも人間的で、わかりやすい旋律によって率直に魂に語りかける雰囲気に満ちています。
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ドアティ(1954-):
管弦楽のためのフィラデルフィア・ストーリーズ
パーカッション独奏と管弦楽のためのUFO [コロラド響/オールソップ]DAUGHERTY: Philadelphia Stories / UFO
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2004年11月01日 NMLアルバム番号:8.559165
CD価格:1,600円(税込)
こんなのあり!? B級異次元サウンドが炸裂!「何じゃこのタイトルは!」というような曲は少なからずありますが、これは横綱級のトンデモでしょう。「UFO」は、何とあの「ロズウェル事件」を題材にした打楽器協奏曲で、サイレンが鳴りわたったりなど、UFOや宇宙人が登場するB級SFを髣髴させる、不思議サウンドが満載です。脱力を誘う、各楽章のタイトルも気が利いています。 また「フィラデルフィア・ストーリーズ」の方も、文字通りご当地に縁のある事物を音楽で綴ったものです。例えば第3曲は、大指揮者・ストコフスキーへのオマージュですが、ソロ・ヴァイオリンやオルガン、バッハの平均律第1巻第1番の自由な変容が登場する、オモシロ曲となっています。
収録作曲家:
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カーター(1908-2012):
交響曲 第1番/ピアノ協奏曲
祭日序曲 [ナッシュヴィル響/シャーマーホーン]CARTER: Piano Concerto / Symphony No. 1 / Holiday Overture
■交響曲/管弦楽曲 ■現代音楽
発売日:2004年04月01日 NMLアルバム番号:8.559151
CD価格:1,600円(税込)
ピリリと辛くて美しいゲンダイオンガクカーターといえば、20世紀アメリカ作曲界を代表する大御所の一人で、いかにもゲンダイオンガク的、複雑で演奏至難な作品を作曲したことで知られています。そんなイメージどおりなのがピアノ協奏曲、親しみやすいメロディーなどまるで存在せず、どこまでも辛口で、錯綜するパッセージの連続です。しかしその美しいこと! 耳に優しい現代作品も増えてきた今こそ、こういったガチンコのストロング・スタイルの良さを、改めて見直したいものです。なおその他の2曲は、イメージに逆らった親しみやすさに意表を突かれるかも!?
収録作曲家:
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バーンスタイン(1918-1990):
交響曲 第2番「不安の時代」
「ウエスト・サイド物語」- シンフォニック・ダンス
「キャンディード」序曲 [フロリダ・フィル/ジャッド]BERNSTEIN: Symphony No. 2 / West Side Story
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2002年12月01日 NMLアルバム番号:8.559099
CD価格:1,600円(税込)
ポップとシリアス、バーンスタインの見せる二面性いわずとしれた最高のミュージカル「ウェスト・サイド物語」からのナンバーを、演奏会用のオーケストラ組曲に再構成したシンフォニック・ダンスは、愉しさとノリのよさに満ち満ちていますが、このような形で耳にすると、いかにクラシックの手法に練達した作曲家が、その持てる技術を惜しげもなく注ぎ込んだ作品であるかということに、改めて思い至らされます。交響曲第2番「不安の時代」は、彼自身の信仰心なども盛り込まれたシリアスな作品ですが、と同時にジャジーな楽想も多く登場するようなところに、バーンスタインという作曲家のルーツを聴くような思いがします。
収録作曲家:
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バーバー(1910-1981):
ピアノ協奏曲
クリスマスに/メディアの瞑想と復讐の踊り他 [ブルツマン/ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管/オールソップ]BARBER: Piano Concerto / Die Natali / Medea's Meditation
■協奏曲
発売日:2002年11月01日 NMLアルバム番号:8.559133
CD価格:1,600円(税込)
爽快さこの上ないヴィルトゥオーゾ系まずは最高にカッコいいピアノ協奏曲、元々演奏者のヴィルトゥオジティを発揮することも意図されて作曲されただけあって、特に両端楽章では最高のノリと超絶技巧が炸裂し、爽快なことこの上ありません。もちろん軽薄なショーピースとは縁遠い、内実を伴った大変立派な作品です。その他「きよしこの夜」「もろ人こぞりて」などのクリスマス・キャロルを巧みに和声付けし、さらには対位法的に結合させた「クリスマスに」、まるでSF映画が始まるかのようなファンファーレが轟き、これでもかといわんばかりに盛り上げまくる「コマンド行進曲」など、ちょっと珍しく、そして楽しい曲が収録されているのも注目です。
収録作曲家:
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バーバー(1910-1981):
管弦楽作品集 第3集
ヴァイオリン協奏曲
弦楽のためのセレナード/組曲「思い出」他 [ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管/オールソップ]BARBER: Violin Concerto / Serenade for Strings / Souvenirs
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2002年02月01日 NMLアルバム番号:8.559044
CD価格:1,600円(税込)
爽やかさ満点の粋な名協奏曲アメリカ産ヴァイオリン協奏曲の中でも、バーバーの作品は最もポピュラリティを得ているものの一つといってよいでしょう。抜ける青空のように爽やかな主題がいつまでも耳に残る第1楽章、ほのかな甘い叙情味を加え、ピアノも参加した絶妙なオーケストレーションが印象的な第2楽章、一転して技巧的な無窮動の嵐となる第3楽章のそれぞれが、ヴァイオリンという楽器の特性を余すことなく活かしきった名曲です。堅牢な職人芸に支えられた併録の「スーヴェニール」は、一層親しみ易い性格を持ち、特に「へジテーション・タンゴ」など、この作曲家の持つ良い意味での大衆性が満開となっている格好のサンプルです。
収録作曲家:
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スーザ(1854-1932):
吹奏楽曲作品集 第1集 [ロイヤル・アーティレリー・バンド/ブライオン]SOUSA, J.P.: Music for Wind Band, Vol.1 (Royal Artillery Band, Brion)
■吹奏楽
発売日:2001年05月01日 NMLアルバム番号:8.559058
CD-R価格:1,600円(税込)
永遠の命を持つマーチ王の楽しく元気な傑作集「マーチ王」の称号を戴くスーザの作品は、そのごく一部は極めて広く知られ親しまれ、さらには実用にも供されていますが、そういった曲以外にもスポットを当てるのが当シリーズです。組曲「上を向いて」では、正調クラシック風の楽想も沢山現れ、ブラスバンドだけでフル・オーケストラばりに豊かな展開を見せたり(途中でムリヤリ?行進曲が挿入されたりするのが、またご愛嬌で楽しいかも)するあたりは、隠れた彼の才覚に触れる感があります。それにしても 20世紀の前半に量産的に書かれた音楽でありながら、21世紀になってもちっとも古びることなく、世界中の聴衆を鼓舞するパワーを持続させているということは、物凄いことではないでしょうか?
収録作曲家:
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バーバー(1910-1981):
管弦楽作品集 第2集
チェロ協奏曲
組曲「メディア」/弦楽のためのアダージョ [ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管/オールソップ]BARBER: Cello Concerto / Medea Suite / Adagio for Strings
■協奏曲
発売日:2001年04月01日 NMLアルバム番号:8.559088
CD価格:1,600円(税込)
生来のロマンチシズムと20世紀の幸福な出会い今や欧米の音楽雑誌で巻頭を飾るほど話題の存在となったアメリカの女性指揮者オールソップによるバーバーの管弦楽作品集第2弾です。何と言ってもバーバーといえば「弦楽のためのアダージョ」は聴かねばなりません。有名人の葬式の定番からヒーリングの定番へと使われ方は変化していますが、間違いなく 20世紀ならではの名曲を、オールソップ率いる英国オケが暖かい響きで奏でます。若手女性チェリストのワーナーを独奏者に起用した「チェロ協奏曲」と、バレエ音楽から組曲としてまとめられた「メデイア」も、現代的感覚ときどきロマン、な楽想が楽しめます。
収録作曲家:
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バーバー(1910-1981):
管弦楽作品集 第1集
交響曲 第1番・第2番他 [ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管/オールソップ]BARBER: Symphonies Nos. 1 and 2 / Essay for Orchestra No. 1
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2000年08月01日 NMLアルバム番号:8.559024
CD価格:1,600円(税込)
アダージョだけじゃない!バーバーの真の凄さを知って下さいもともと名曲として知られていた「弦楽のためのアダージョ」が20世紀末に大ブレイクしたアメリカのバーバー、そもそもどんな作曲家なのかを知るのに最適の一枚としてお薦めします。出世作でスパークリングな序曲「悪口学校」。トスカニーニに初演の棒をとらせた「エッセー第1番」。2曲の力作交響曲(特に第2番の戦闘描写と激烈な高揚は、近現代管弦楽曲ファンなら興奮必至)。ナクソスではティントナー指揮のブルックナーで一躍名をあげた管弦楽団と、21世紀の大飛躍を予感させる女性指揮者オールソップのコンビによる快演で。
収録作曲家:
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グローフェ(1892-1972):
組曲「グランド・キャニオン」
ミシシッピ組曲/ナイアガラ大瀑布 [ボーンマス響/ストロンバーグ]GROFE: Grand Canyon Suite / Mississippi Suite / Niagara Falls
■交響曲/管弦楽曲
発売日:1999年03月01日 NMLアルバム番号:8.559007
CD価格:1,600円(税込)
すさまじい音による描写! これぞまさにスペクタクル!!アメリカの名匠グローフェによる、とってもわかりやすいネアカ娯楽作をお届けします。題名さえわかれば解説無用、あるいは聴いただけで題名の見当がついてしまう単純明快さは楽しいことこの上ありません。特に「豪雨」「瀑布の轟き」「ナイアガラの力」(オススメ!なんと水力発電所音楽です)といったナンバーでの「ここまでやるか!」といいたくなるような徹底したスペクタクルぶりは、快感の領域に到達しています。また「ハックルベリー・フィン」と「マルディ・グラ」では、あの「アメリカ横断ウ○ト○ク○ズ」でおなじみの音楽を聴くことができます!
収録作曲家:
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ラテンアメリカ・クラッシックス 第1集 [メキシコ祝祭管/バティス]
Latin American Classics
■交響曲/管弦楽曲
発売日:1994年08月01日 NMLアルバム番号:8.550838
CD-R価格:1,600円(税込)