知られざる作曲家の新譜
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マルトン・イレシュ(1975-):
作品集 [パトリツィア・コパチンスカヤ、ニコラ・アルトシュテット、クレメンス・シュルト、バス・ウィーヘルス、ミュンヘン室内管弦楽団 他]発売日:2026年03月20日
CD国内仕様 日本語解説付き価格:3,520円(税込、送料無料)
イレシュ、コパチンスカヤ、アルトシュテット、
3人の前衛精神が共鳴する作品集ハンガリー出身の作曲家マルトン・イレシュ(マールトン・イレーシュ)の近作を掘り下げたアルバム。人間の精神や身体的プロセスによるコミュニケーションを、音階や和声の伝統から解放された根源的な音響へと翻訳しようという試みで、一部のタイトルはハンガリー語を元に作曲者が独自の解釈や造語を用いて付けています。 コパチンスカヤのために2020年に作曲されたヴァイオリン協奏曲『Vont-tér(空間での振動する身振り)』は、極めて抽象的で高難度な要求が連続する作品で、伝統的な甘美で豊かな弦の響きはほとんど聴かれません。弦楽合奏のために書かれた『Rajzok I (凝視の強さ)』は24の弦楽器全てを異なる四分音に調律するという「トータル・スコルダトゥーラ」を用いた実験的作品。チェロ協奏曲『Sírt-tér(涙に満ちた場所、といった造語)』はチェロを美しく歌わせるのではなく、「うめき、叫び、あるいはヒステリックに吠える」ようにすることで、人間の痛みを伝える声楽的な性質を引き出すことを意図しています。ヴァイオリンとライヴ・エレクトロニクスのための『3つのスケッチ(skEtch)』は「有機的なものに奉仕するエレクトロニクス」というテーマで、ライヴ・エレクトロニクスの使用によってアコースティック楽器の能力を増強する試み。 こういった野心的な実験精神と、コパチンスカヤとアルトシュテットの感性が共鳴し、唯一無二の作品世界を作り上げています。収録作曲家:
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ベーア(1908-1987):
歌劇《シーラーズの王子》 [ステファン・ヴェセルカ、レーゲンスブルク・フィルハーモニー管弦楽団、カルロス・モレノ・ペリツァーリ、キルステン・ラボンテ 他]発売日:2026年04月24日
CD 2枚組価格:5,250円(税込、送料無料)
ウィーン音楽院を飛び級で卒業し、「作曲の神童」と称されたヨゼフ・ベーア。1934年、デビュー作《シーラーズの王子》がチューリッヒで初演されると世界的な成功を収め、すぐさまヨーロッパ全土や南米でも上演、レハール以後の新時代を担う旗手として大きな期待を集めます。豪華客船で出会ったアメリカ人女性ヴァイオレットと、ペルシャの王子ナディールの愛の物語に付けられた音楽は、ドイツおよびロシアの古典的伝統やプッチーニの作風を継承しつつ、マーラーやスクリャービンの影響を感じさせるとともに、ガーシュウィン風のジャズの要素を大胆に融合させた、革新的な響きを特徴としています。 しかし、ナチスの台頭によりユダヤ系であった彼は亡命を余儀なくされ、家族を強制収容所で失うという悲劇に見舞われました。戦後は公の場から距離を置き、自作の上演も拒み続けましたが、没後、遺品から楽譜が発見されたことで、半世紀以上の時を経て、その名作が再び蘇りました。 初演からほぼ90年を経てドイツ初演が実現、アルバムに収録されたこの公演は、その独創的かつ現代的な演出も高く評価され、バイエルン放送より栄誉ある「オペレッタ・フロッシュ賞」を授与されています。
収録作曲家:
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WISDOM’s Sources & ‘O’o
レイノルズ(1934-):
作品集 [アーヴィン・アルディッティ、ラルフ・エーラー、ロバート・エイトケン 他]発売日:2026年04月17日
CD価格:2,550円(税込)
音と映像を通して現代的な経験や思考を問い直す、ロジャー・レイノルズによる最新作。プロデューサーのマティアス・ロイメルトとの協働によるもので、ヴァイオリンとヴィオラの二重奏曲では、アーヴィン・アルディッティとラルフ・エーラーズという現代音楽を代表する奏者が緊密な対話を展開。フルートと弦楽の作品で、ハワイの絶滅した鳥をモティーフにした「‘O’o」では、長年の盟友であるロバート・エイトケンを中心に、4人の名手が共演しています。 親密な友情から生まれたこれらの作品は、失われた存在への追憶や文化を超えた「知恵」の探求を描き出しています。
収録作曲家:
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不確かな海
カスケン(1949-):
合唱作品集 [ピーター・ブロードベント、ジョイフル・カンパニー・オブ・シンガーズ]発売日:2026年04月17日
CD価格:2,550円(税込)
1949年生まれのジョン・カスケン。個性的な作風が評価される英国人作曲家の一人で、文学や伝説、美術からも着想を得て創作を行い、BBCプロムスをはじめ世界各地で作品が演奏され、数々の賞を受賞しています。この合唱作品集は、彼が拠点とするイングランド北東部ノーサンバーランドの壮大な自然景観や歴史、詩に深く根ざした内容で、海岸線や石のモチーフを通して地域との強い結びつきを感じさせます。 指揮者ピーター・ブロードベントとジョイフル・カンパニー・オヴ・シンガーズは、作曲家と2年にわたる密接な協働を重ね、本作の録音に臨みました。収録曲の多くは、ダラム大聖堂やニューカッスル大聖堂の聖歌隊、ノーザン・シンフォニア合唱団、カスケン自身が創設したコケットデール室内合唱団など、地元の団体のために書かれた作品で、合唱は共同体の声として、また物語を語る存在として、多彩な役割を担います。 歌詞は最古のイングランド詩人キャドモンから現代詩人に至るまで幅広く、ジャケットにはカスケン自身の絵画が用いられ、音楽と視覚芸術の結びつきも象徴しています。
収録作曲家:
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発売日:2026年04月10日
CD価格:2,100円(税込)
ボヘミア出身のヴェンツェル・トマス・マティーカは、ベートーヴェンと同時代のウィーンで活躍した名ギタリスト。法律家を志した後に音楽へ転向し、シューベルトとも親交を深めました。ハイドンやモーツァルトの影響を受けた彼の作品は、古典派の気品と初期ロマン派の抒情を併せ持ち、ギターの技巧的限界を追求しています。 第1集には2つの大ソナタを中心に収録。国際コンクールで20以上の優勝歴を誇る俊英ドラゴシュ・イリエは、圧倒的なテクニックと力強い演奏で、マティーカの音楽が持つ本来の面白さを生き生きと伝えています。
収録作曲家:
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アルノルト・メンデルスゾーン(1855-1933):
交響曲 第2番
ヴァイオリン協奏曲 [ウルリヒ・ヴィントフール、ハンブルク交響楽団、ジリン・グオ]発売日:2026年03月27日
NMLアルバム番号:555665-2CD価格:3,000円(税込、送料無料)
思想家モーゼス・メンデルスゾーンの曾孫で、父がフェリックス・メンデルスゾーンの従兄(いとこ)でもあるアルノルト・メンデルスゾーンは、合唱音楽の分野で高い名声を得ながらも、器楽・管弦楽においても優れた作品を遺した作曲家でした。 シレジアのラーティボーアに生まれ、ベルリンでキール、タウベルトらに学び、1880年にボンでオルガニストおよび教育者として活動を始めました。1883年からはビーレフェルトの楽友協会で音楽監督を務め、モーツァルトやフェリックス・メンデルスゾーンの作品、ベートーヴェン《第九》などを指揮。1890年以降はダルムシュタットを拠点とし、後にホッホ音楽院(現フランクフルト音楽・舞台芸術大学)教授として多くの後進を育てました。 1919年以降は器楽作品に創作の重心を移し、1921年には異例とも言える長大な序奏を持つヴァイオリン協奏曲を発表しました。翌年に書かれた交響曲第2番は4楽章構成、演奏時間40分近い大作。彼は1890年にブルックナーの第7交響曲を聴いて大きな感銘を受け、この曲の第1楽章はブルックナーへのオマージュとされていますが、類似性はありません。舞曲の要素と内省的な楽想が交互する作品で、この曲の初演が成功した際には、当時ベルリン・フィルの首席指揮者に就任したばかりのヴィルヘルム・フルトヴェングラーが「次の交響曲はぜひとも私が初演したい」と語ったと伝えられます。 ヴァイオリン協奏曲でソリストを務めるジリン・グオは数々のコンクールで入賞歴を持つ中国期待の奏者です。
収録作曲家:
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レフィク・カヤ(1991-):
〈ギター作品集〉
ギター・ソナタ 第1番
スケッチ集他 [ジェリル・レフィク・カヤ]発売日:2026年03月27日
NMLアルバム番号:8.574598CD価格:2,100円(税込)
トルコ生まれのコンポーザー・ギタリスト、ジェリル・レフィク・カヤの自作自演集。その作品の多くは、スペインのギター音楽の流れを汲むスタイルで、平明で親しみやすいメロディをもとに書かれています。それがスケッチ集になるとトルコの色合いが混じり、第1次大戦の時の流行歌Yavuz Geliyor Yavuzによる変奏曲では、哀感を帯びた「これぞトルコ!」という旋律(ファジル・サイの名作を思わせる)が9分間にわたって展開されてゆきます。
収録作曲家:
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フォルクマン(1815-1883):
〈ピアノ作品集〉
6つの幻想的絵画
ピアノ・ソナタ
おばあさんの歌他 [レヴォン・アヴァギャン]発売日:2026年03月20日
NMLアルバム番号:8.574674CD価格:2,100円(税込)
ロベルト・フォルクマンは、ザクセン州ロンマッチュに生まれ、聖歌隊長であった父のもとで音楽教育を受けた後、ライプツィヒでの研鑽を経て音楽の基礎を築きました。1840年代初頭にハンガリーへ移住するまで作曲家としてほとんど知られていませんでしたが、「ピアノ三重奏曲 作品5」がリスト、ビューロー、ワーグナーらに称賛されたことで一躍注目を集めました。 彼の音楽は、急進派と保守派の境界に位置し、シューマンやメンデルスゾーンの影響を受けた幻想的な作品から、ベートーヴェンやシューベルトに連なる古典的均衡を重んじた作品まで、多様な様式を併せ持っています。ここには詩情あふれる「幻想的絵画」や、「ピアノ・ソナタ ハ短調」の緊密な構成、「ハンガリーの歌」に見られるツィンバロム的な効果、素朴な魅力を湛えた「おばあさんの歌」に至るまで、躍動的なリズム感と豊かな表現力が息づく曲が収録されています。 レヴォン・アヴァギャンはアルメニアのピアニスト。2017年マリア・カナルス国際コンクール優勝で注目を集め、エレヴァンおよびグラーツで研鑽を積み、現在は教育と演奏の両面で国際的に活躍。ナクソスには2018年の録音によるソレールのソナタ集(8.574021)があります。
収録作曲家:
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トマッラ(1975-):
歌劇《暗い秋》 [アラン・ピアソン、マンハイム国立劇場管弦楽団、エステレ・クルーガー、ウーヴェ・アイケッター 他]発売日:2026年03月20日
NMLアルバム番号:OC2000CD 2枚組価格:4,350円(税込、送料無料)
若者の性の目覚めと抑圧、そして暴走を描いたトマッラの《暗い春》(OC994)の続編。認知症の初期症状を抱える既婚女性エレンを中心に、老年期における愛と切望が描かれます。 旧友オーウェンとの再会から芽生える恋心は、病の進行と自己決定能力の揺らぎによって複雑さを増し、夫カーティスや娘イルゼとの関係にも深刻な影を落とします。次第に理解不能となっていく世界の中で尊厳を保とうとするエレンの姿と、彼女の不可解な行動に直面する家族の葛藤を通じて、老年期の愛、パートナーシップ、そして個人の役割意識が、根底から問い直されていきます。
収録作曲家:
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J.L.バッハ(1677-1731):
教会カンタータ全集(18曲) [ヨハンナ・ソラー、カペラ・ソレルティア]発売日:2026年03月20日
NMLアルバム番号:RIC482CD 4枚組価格:6,075円(税込、送料無料)
大バッハも認めた同世代親族、J.L.バッハの技量を堪能大バッハが作曲能力を認めていた同世代の遠縁の親族、ヨハン・ルートヴィヒ・バッハ。1677年アイゼナハ近くのタールで生まれ、ゴータで研鑽を積んだ後に齢20前後で創設間もないマイニンゲン宮廷楽団に所属。齢34の頃には音楽監督に就任、後にブラームスやR.シュトラウスの重要作も初演するこの楽団を率い、宮廷作曲家としても活躍しました。 現存作は多くないものの、幸い大バッハがライプツィヒで日曜祭日の礼拝ごとの新作創出に疲れてきた頃、1726年に筆写した18曲の教会カンタータ(1718~19年作曲)の楽譜が残っていたおかげで、私たちはこの「マイニンゲンのバッハ」がいかに才気煥発な作曲家だったか知ることができます。 一対のオーボエを伴う弦楽が声楽4部を支える編成が大半ですが例外もあり、大バッハとは異なるアプローチながら聴き応えある書法が随所に見られ興趣は尽きません。中にはDisc 1のJLB 21のように、長らく誤って大バッハ作とされていた曲もあります。 その全曲を共感豊かな演奏で聴かせる指揮者はドイツ新世代の才人ヨハンナ・ソラー。ヨス・ファン・フェルトホーフェン引退後5年にわたり佐藤俊介が音楽監督を務めたオランダ・バッハ協会が、2025年4月から新音楽監督として迎えた鍵盤奏者・指揮者で、自らの名を冠し信頼する音楽家を集めたアンサンブルを通じ、18世紀当時の人々が感じたであろう音楽的興奮を蘇らせてくれます。
収録作曲家:
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クラク(1818-1882):
ピアノ作品集 [ロマン・フェディウルコ]発売日:2026年03月13日
NMLアルバム番号:8.574673CD価格:2,100円(税込)
テオドール・クラクは、プロイセンのクロトシン(現ポーランド領)に生まれ、ベルリンで没したピアニスト・教育者・作曲家です。幼少期に才能を認められ、アントン・ラジヴィウ公の庇護のもとで研鑽を積み、少年期にはベルリン宮廷での成功も収めました。しかし思春期に庇護を失い、医学を学ぶことを余儀なくされます。それでも音楽への情熱を捨てず、ベルリンでジークフリート・デーンやヴィルヘルム・タウベルトに学び、博士号取得後には王の支援を受けてウィーンでカール・チェルニー、オットー・ニコライらに師事しました。 帰国後はプロイセン王女アンナのピアノ教師に任命され、社交界で名声を確立します。1846年には宮廷ピアニストとなり、1850年にはベルリン音楽学校を共同設立、さらに私立の「クラク・アカデミー」を創設してドイツ最大級の音楽教育機関へと発展させました。教育者として多大な影響を与える一方、作曲家・編曲家としても多数の作品を残し、その活動は生涯にわたり精力的に続けられました。 (...)
収録作曲家:
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ケレム(1981-):
〈管弦楽作品集 第2集〉
交響曲 第7番・第8番 [アンドルー・マンゼ、ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団]発売日:2026年03月06日
NMLアルバム番号:TOCC0776CD価格:2,550円(税込)
作曲家兼ヴァイオリニストのミーケル・ケレムは1981年タリン生まれ。音楽一家に育ち、幼い頃から演奏家として国際的に活躍する一方、6歳で作曲を始め、現在までに交響曲9曲、弦楽四重奏曲10曲を含む170以上の作品を発表。2021年には映画『1984』の音楽でロンドン国際映画賞を受賞しました。ヴァイオリニストとしても活躍し、エストニア国立交響楽団のゲスト・コンサートマスターなどを経て、現在はロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団のジョイント・アシスタント・リーダーを務めています。 アルバムに収録された交響曲第7番と第8番は、コロナ禍のロックダウン中に書かれた4つの交響曲の最後の2曲。対照的なペアとして構想され、どちらもシベリウス作品の影響が感じられます。また、ミニマリズムの要素を取り入れつつ、限られた音数からなる反復フレーズを基盤に巨大な音響空間が立ち現れるところは、スウェーデンの交響曲作家アラン・ペッテションの執拗な動機展開からも影響を受けています。 演奏は2018年からロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団の首席客演指揮者を務めるアンドルー・マンゼが担当。オーケストラから親密、かつ新鮮な響きを導き出しています。
収録作曲家:
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バルバラ・ストロッツィ(1619-1677):
5幕の肖像画
2人のソプラノのための二重唱曲集 [ドロテー・ミールズ、ハナ・ブラシコヴァー、ハトホル・コンソート ]発売日:2026年02月27日
NMLアルバム番号:555510-2CD価格:3,000円(税込、送料無料)
古楽界のトップ・ソプラノ2人が描く、バルバラ・ストロッツィの音楽による肖像画バルバラ・ストロッツィは、詩人・台本作家であるジュリオ・ストロッツィの娘として生まれ、モンテヴェルディの高弟フランチェスコ・カヴァッリに学んだ17世紀ヴェネツィアの女性作曲家です。父親ジュリオはバルバラに幼いころから英才教育を受けさせ、彼女も類稀な音楽的才能を発揮。男性作曲家と同様に、楽譜を出版し、音楽で生計を立てることができた当時としては稀有な存在でした。その作品は、モンテヴェルディやカヴァッリらが実践した歌詞の言葉の意味や込められた感情を効果的に示したセコンド・プラティカ(第二の作法)に基づくもので、時に彼らに勝るとも劣らない激しく濃厚な表現を用いています。 このアルバムは、バルバラが出版した曲集から二重唱を中心にセレクトし、彼女の生涯を音楽によって描き出す5部作の肖像画として構成。「秘密の恋人」「恋するヘラクレイトス」といった彼女の代表的な作品も収録し、ドロテー・ミールズとハナ・ブラシコヴァーという現代古楽界を代表する二人のトップ・ソプラノが、苛烈なまでの情念表現を卓越した歌唱力で描き切っています。エジプトの女神ハトホルの名を冠するドイツのハトホル・コンソートは、2012年にヴィオラ・ダ・ガンバ奏者のロミーナ・リシュカによって結成された古楽器アンサンブル。この録音では、ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート&ギター、オルガン、ハープといった一般的な通奏低音に加え、複数の共鳴弦を持つ弦楽器リローネ、北欧起源でタンジェントというキーを持つ弓奏弦楽器のニッケルハルパ、箱に張り巡らされた弦をハンマーで叩いたり、爪弾いたりして音を出すサルテリオという特殊な楽器も導入し、歌に寄り添いながらその情念表現をより引き立てています。バルバラ・ストロッツィが17世紀を代表する偉大な作曲家であることを高らかに謳う名盤の誕生です!
収録作曲家:
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ケスラー(1853-1926):
パッサカリア協奏曲
交響曲 ロ短調 [ルドルフ・ピールマイヤー、ニュルンベルク交響楽団、フョードル・ルディン]発売日:2026年02月27日
NMLアルバム番号:555719-2CD価格:3,000円(税込、送料無料)
ハンス・ケスラーは、バイエルン州ヴァルデックに生まれ、ミュンヘン音楽院でラインベルガーらに学んだ後、指揮者・理論教師として活動しました。1879年にブダペストを訪れブラームスと出会ったことは、彼の音楽的立場を決定づける出来事となります。1883年、リストの招聘によりハンガリー音楽院の教授に就任し、作曲科主任として20年以上にわたり教育に尽力しました。門下からはバルトーク、コダーイ、ドホナーニ、カールマンらが育ち、20世紀ハンガリー音楽の基盤形成に決定的な役割を果たしました。しかし、民族主義的な圧力や政治体制の変化により晩年は困窮し、多くの作品が散逸したまま生涯を終えました。 ケスラーの音楽は、ブラームス的な古典主義を軸としつつ、リストやベルリオーズや後期ロマン派の色彩的・描写的要素を取り入れた折衷的様式に特徴づけられます。教育者としての自覚から、自作を作曲技法の模範として提示する姿勢を貫きました。 このアルバムで紹介される交響曲と「パッサカリア協奏曲」はいずれも世界初録音です。交響曲はベートーヴェン以後の四楽章交響曲のモデルを堅持し、協奏曲は単一楽章形式にバロック的変奏技法と後期ロマン派の和声を融合させ、明暗の対比に満ちた表現で、失われゆく調性世界への哀感を鮮やかに刻んでいます。
収録作曲家:
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ペッテション(1911-1980):
交響曲 第3番・第8番 [クリスティアン・リンドベルイ、ノールショピング交響楽団]発売日:2026年02月27日
SACD-Hybrid価格:3,075円(税込、送料無料)
母の歌う賛美歌が音楽の原体験となったというアラン・ペッテション。苦学してヴィオラ奏者として活動後、作曲に専念し、激しい音響と内省的な表現を併せ持つ独自の様式による交響曲群で国際的評価を得ました。2010年以来、クリスティアン・リンドベルイ(クリスチャン・リンドバーグとも)とノールショピング交響楽団は、ペッテションの管弦楽作品全曲演奏・録音という、野心的かつユニークなプロジェクトに取り組んでいます。 1972年初演の交響曲第8番は、彼の作品中最も有名で演奏機会も多く、「終わりのない」と形容される長大な旋律が、緊張と内省に満ちた世界を形作っています。ペッテションは、この音楽が祝福と厳しさを併せ持つ自分の人生の写し鏡であると語っています。 1956年初演の第3番は、彼の交響曲の中で唯一伝統的な4楽章構成を採用した作品で、ショスタコーヴィチ、シベリウス、マーラーの影響を感じさせる作品です。
収録作曲家:
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発売日:2026年02月06日
NMLアルバム番号:8.574702CD価格:2,100円(税込)
フランクフルト生まれのピアニスト・作曲家アントン・ウルシュプルフ。幼い頃から絵画と音楽の才能を示し、イグナーツ・ラハナーらに学びました。1860年代にヨアヒム・ラフと出会い、その紹介で1871年からリストに師事、最も愛された弟子の一人となりました。1878年には設立間もないホッホ音楽院で弟子を指導。その後ラフ音楽院で晩年まで作曲を指導、晩年はキリスト教音楽とグレゴリオ聖歌研究に力を注ぎました。リストの愛弟子でありながら、彼の作風は保守的で、バッハやパレストリーナ、グレゴリオ聖歌の伝統を重視し、メンデルスゾーンやブラームスらの流れに属しています。その音楽は豊かな旋律とかっちりした構成を備えており、近年再評価されています。 「5つの小品」はリストに献呈された情感豊かな小品。主題と24の変奏で構成された大規模な変奏曲は、ブラームスの「創作主題による変奏曲」から影響を受けており、時にはシューマン風の旋律も現れながら、晩年のベートーヴェンを思わせる壮大な終曲で幕を閉じます。 「カヴァティーナ」と「アラベスク」はサロン向けの小品ながら精緻な構成を持ち、歌うようなホ長調のカヴァティーナと軽やかな三部形式のアラベスクが並べられています。
収録作曲家:
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ビットナー(1874-1939):
弦楽四重奏曲 第1番・第2番 [トーマス・クリスティアン・アンサンブル]発売日:2026年01月23日
NMLアルバム番号:555645-2CD価格:3,000円(税込、送料無料)
ユリウス・ビットナーはウィーンの弁護士として活躍しながら、戦間期オーストリアを代表する人気オペラ作曲家としても創作を続けました。自作台本による歌劇で成功しましたが、戦後は後期ロマン派の追随者としてのみ名を遺しました。このアルバムには2曲の弦楽四重奏曲を収録。民俗舞曲を採り入れた第1番、より詩的な表現が深まった第2番、これらはどちらも田園的な雰囲気を湛えた絵画的な作品です。 演奏はウィーン弦楽五重奏団の創設者であり、第1ヴァイオリンを務めたトーマス・クリスティアンが率いるアンサンブル。メンバーは、国際的に活躍する音楽家たちで、ウィーン・フィルのメンバーとして活躍するベルンハルト・直樹・ヘーデンボルクも参加しています。
収録作曲家:
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ダーフィト(1895-1977):
交響曲 第3番&第7番 [ヨハネス・ヴィルトナー、ウィーン放送交響楽団]発売日:2026年01月23日
NMLアルバム番号:777964-2CD価格:3,000円(税込、送料無料)
オーストリア出身のヨハン・ネポムク・ダーフィトは、ウィーンでマルクスやシェーンベルクらに師事、1934年からライプツィヒ音楽院で教鞭をとり、ナチス時代には主として器楽曲を中心に作曲。戦時動員を免れた彼は、戦後ザルツブルク、シュトゥットガルトで教授を務め、ラッヘンマンらを育てたことでも知られます。 1940年に着想した交響曲第3番は、戦後の作風への過渡期となる作品。「旋律性を重視し、上声部が主導しながら全声部を生かした対位法的テクスチュアを持つ。」と自身の作品紹介で語っています。編成は比較的控え目で、トロンボーン、チューバはなく、ティンパニ以外の打楽器もありません。第1楽章は陽気で、第2楽章は内省的、スケルツォは二重フーガ、フィナーレでこれまでの全主題をまとめます。 1957年の交響曲第7番は前年作曲の三重奏曲を基にしており、同年ミュラー=クライ指揮で初演されました。こちらは大編成のオーケストラが生み出す不協和音が際立ち、対位法はあまり用いられていません。打楽器の重要性は新ウィーン楽派、とりわけウェーベルン作品を想起させます。第1楽章はティンパニで始まるソナタ形式、第2楽章は二つのフーガを含む創意豊かなスケルツォ。終楽章は多彩な変奏形式で書かれています。
収録作曲家:
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フェルステル(1859-1951):
交響曲 第2番
交響詩「シラノ・ド・ベルジュラック」 [マレク・シュティレツ、フラデツ・クラーロヴェー・フィルハーモニー]発売日:2026年01月16日
NMLアルバム番号:8.574654CD価格:2,100円(税込)
プラハ生まれの作曲家ヨゼフ・ボフスラフ・フェルステルは、ドヴォルザークの後任として聖ヴォイテフ教会でオルガニストを務めた後、ハンブルクではマーラーと交流を深めました。「人間の魂の美の表現」を信条とし、5曲の交響曲をはじめ、歌曲、オペラなど200曲に及ぶ多彩なジャンルの作品を書いたチェコ音楽界の重要人物です。 「交響曲第2番」は、妹の死を悼んで書かれた深い哀しみを湛えた作品です。瞑想的な第1楽章、葬送を思わせる緩徐楽章、軽妙なスケルツォを経て、終楽章では哀しみが力強い勝利の賛歌へと昇華されます。 交響詩「シラノ・ド・ベルジュラック」は、エドモン・ロスタンの戯曲に基づく「5つの交響的イメージ」からなる組曲。第1曲はシラノの秘めた愛をチェロとオーボエが描き、第2曲はロクサーヌの心情に寄り添う内省的な間奏曲。第3曲はシラノとド・ギッシュの対話を生き生きと描くスケルツォ、第4曲はドラマの頂点を成し、情熱と憧憬が交錯する壮麗な音楽。第5曲はシラノの回想が描かれ、愛と諦めが静かに融け合い曲を閉じます。 マレク・シュティレツは、チェコのロマン派および現代音楽のスペシャリスト。世界各地のオーケストラと共演し、30枚を超えるアルバムを発表するほか、古楽の分野でも活躍しています。
収録作曲家:
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トビアス(1873-1918):
オラトリオ『ヨーナス(ヨナ)』 [トヌ・カリユステ、ターヴィ・タンプー、タリン室内管弦楽団、エストニア・フィルハーモニック室内合唱団 他]発売日:2026年01月16日
NMLアルバム番号:ODE1456-2DCD 2枚組価格:3,825円(税込、送料無料)
エストニア史上初のプロの作曲家とされるルドルフ・トビアスが旧約聖書のヨナ書を素材に書き上げたオラトリオ『ヨナ』にオリジナル・スコアとエストニア語による画期的録音が登場! トビアスは1904年から07年にかけてこの作品に取り組みましたが、1908年に母国を離れ西欧に拠点を移しました。その後、『ヨナ』に手を入れて完成させ、自らの指揮で1909年にライプツィヒで初演した際、テキストはドイツ語で書かれていました。この作品は初演後顧みられることがほとんどありませんでしたが、民族意識の高まりとともに1930年代に関心を集め、1939年に当時のエストニア共和国政府が自筆総譜を購入。トゥビンが上演用の楽譜を作ることが決定しましたが、ソ連によるエストニア占領と第2次世界大戦の勃発によって『ヨナ』上演の機運はくじけてしまいます。 それが再び高まったのは1970年代。ヴァルド・ラムッセンが1973年に『ヨナ』の楽譜を吟味した結果、混乱があり、技術的にも不完全と断定。オーケストレーションの補整作業を始めます。ラムッセンはオリジナルのエンディングが失われたと断定してあらたにエンディングを作成。このようにして1988年に総譜が完成すると、翌年以降上演が行われるようになりました。この版は『Jonah's Mission ヨナの使命(または宣教)』として出版され、ネーメ・ヤルヴィによる1995年の録音や2008年の上演の録画が存在します。 (...)
収録作曲家:
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ナルブタイテ(1956-):
オラトリオ
『Centones Meae Urbi - 私の街への詩の綴り』 [ロベルタス・シェルヴェニカス、リトアニア国立交響楽団、カウナス国立合唱団]発売日:2026年01月09日
CD価格:2,850円(税込)
ナルブタイテは解説書の中でこのオラトリオについて「建築と文学と歴史に基づく、音楽によるエッセイ」と書いています。テーマは彼女が生まれた街、ヴィリニュス。中世にリトアニア大公国の中心地だったこの町は、その後何度も戦場となり、ポーランド、帝政ロシア、ドイツ、ソ連などの支配と影響を受けて、多様な民族と文化が混在する独特な街に変貌しますが、20世紀には大きな勢力だったユダヤ人コミュニティとその文化が一掃されてしまいます。 ナルブタイテは、歴史的文献、墓碑、新聞の見出しなどからヴィリニュスに関わる様々な言語の言葉を集めてこの作品のテキストを構成し、リトアニアの民俗楽器や伝承曲を素材とした音楽を付けることで、記憶と想像が入り混じった多文化都市ヴィリニュスの姿を描こうとしています。
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