知られざる作曲家の新譜
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サントロ(1919-1989):
〈交響曲全集 第1集〉
交響曲 第5番&第7番「ブラジリア」 [ゴイアス・フィルハーモニー管弦楽団/ニール・トムソン(指揮)]発売日:2022年03月11日
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,200円(税込)
ブラジル外務省が主導するプロジェクト「Brasil em Concerto」。19世紀から20世紀にかけて作曲された約100曲の作品をブラジルのオーケストラが演奏、録音するという、これまでになかった大がかりな企画です。 ブラジル独立200周年の2022年、ブラジル音楽史上で最も重要なシンフォニストとされるクラウジオ・サントロの交響曲全曲録音がスタート。パリでナディア・ブーランジェに学んだサントロは、自身の作品にブラジル民謡のイディオムを抽象的に取り入れ、より創造的に発展させた形で表現しました。 1955年作曲、その翌年にリオデジャネイロで初演された「交響曲第5番」はサントロの代表作であり、第1楽章の神秘的な冒頭部分ではブラジル北東部の伝統音楽にみられる増三と短七度の和音を用いながらも、これらはサントロが独自に編み出した対位法の中に組み込まれています。パーカッションが活躍する熱狂的な第2楽章に続き、ブラジルの聖歌が用いられた変奏曲形式の第3楽章、そして終楽章は、ゆったりとした序奏に導かれ、最後に金管が高らかなコラールを奏し壮大に幕を閉じます。 1960年に作曲された「交響曲第7番」はサントロ作品の中でも最も複雑な作品とされており、また作曲家自身のお気に入りでもありました。4つの音符が印象的な第1楽章ではじまり、第2楽章アダージョが続きます。そして活発な第3楽章でも冒頭のモティーフは健在。最終楽章はすべてを統括するかのような多彩なモティーフが現れ、最後は激しいクライマックスを迎えます。 演奏は1980年に創設されたゴイアス・フィルハーモニーと首席指揮者のニール・トムソンが担当。エネルギッシュかつダイナミックな表現で定評があります。 *国内仕様盤には木許裕介(日本ヴィラ=ロボス協会会長)氏の日本語解説が付属します。
収録作曲家:
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-★『レコード芸術』特選盤(2022年5月号)★-
ザンドナーイ(1883-1944):
歌劇《フランチェスカ・ダ・リミニ》 [ヤクビアク(ソプラノ)/ジョナサン・テテルマン(テノール)/イヴァン・インヴェラルディ(バリトン) 他 ベルリン・ドイツ・オペラ 管弦楽団&合唱団/カルロ・リッツィ(指揮)]発売日:2022年02月25日
Blu-ray国内仕様 日本語字幕付き価格:4,400円(税込、送料無料)
内戦の続く13世紀のイタリア、ラヴェンナ。ポレンタ家の誇り高く美しい娘フランチェスカと、マラテスタ家の長男ジョヴァンニ(ジャンチョット)の政略結婚が進められています。フランチェスカを訪れたマラテスタ家の使者は、ジャンチョットの美しい弟パオロ。パオロに一目ぼれし、自分の結婚相手だと思い込んだフランチェスカは有頂天。しかしパオロは、フランチェスカをジャンチョットに嫁がせるための囮でした。そして騙されてジャンチョットの妻とされたフランチェスカは、戦いから凱旋したパオロに再び惹かれ、二人は一線を越えてしまいます。その不貞をジャンチョットに密告したのは、やはりフランチェスカに思いを寄せる末弟マラテスティーノ。嫉妬に狂ったジャンチョットは密会の場に乗り込み…
ダンテの『神曲』地獄編に登場するポレンタ家のフランチェスカとマラテスタ家のパオロの悲恋の物語は、数々の文学、音楽、美術作品の題材となっています。本作はそれらの作品の中のひとつダンヌンツィオの戯曲『フランチェスカ・ダ・リミニ』を原作として、音楽出版社リコルディの2代目オーナーで文筆家のティト・リコルディが台本を執筆。リッカルド・ザンドナーイがこれに作曲し、1914年トリノで上演されました。 本作では、一人の魅力的な女性を巡り、殺し合いに至る兄弟たちの相克を演出家クリストフ・ロイがシンプルな舞台を背景にドラマティックに描いています。フランチェスカ役を演ずるのは、2020年のオーパス・クラッシック賞受賞作品、コルンゴルトの歌劇《ヘリアーネの奇蹟》のタイトル・ロールを歌った人気ソプラノ、サラ・ヤクビアク。彼女を巡る3人の兄弟に、本作でベルリン・ドイツ・オペラにデビューを飾った、新星テノール、ジョナサン・テテルマン(パオロ役)、2017年に来日し、ヴェルディの歌劇《オテロ》のイアーゴ役を演じて好評を博したイヴァン・インヴェラルディ(ジャンチョット役)、欧州のオペラシーンで大人気のチャールズ・ワークマン(マラティスティーノ役)を配し、イタリア・オペラを中心に活躍するカルロ・リッツィがこの作品からベリズモ・オペラの音楽の系譜に連なりつつも、ときにワーグナーを想起させる重厚な響きをオーケストラから見事に引き出しています。収録作曲家:
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ニールス・ベンソン(1919-2000):
木管五重奏曲集 [カール・ニールセン・クィンテット]発売日:2022年06月24日
CD価格:2,325円(税込)
デンマーク現代音楽の象徴的存在として知られたニールス・ヴィゴ・ベンソン。1940年代より活動をはじめ、古典派の形式を用いた独自の作風を開拓、1000作に近いユニークな作品を遺しています。 このアルバムには5曲の木管五重奏作品を収録。どの曲も親しみやすい旋律を持ち、ヴィルトゥオーゾ的な表現と創意工夫に満ちた作品を楽しめます。 カール・ニールセン・クインテットは、2006年に結成されたデンマークのアンサンブル。各々のメンバーはアンサンブルでのキャリアと並行して、デンマークとスウェーデンの交響楽団で活躍する名手たちです。
収録作曲家:
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〈ブリティッシュ・ライト・ミュージック 第8集〉
トレヴァー・ダンカン(1924-2005):
管弦楽作品集 [スロヴァキア放送交響楽団/アンドルー・ペニー (指揮)]発売日:2022年06月24日
CD価格:1,600円(税込)
トレヴァー・ダンカンは1924年生まれのイギリスの作曲家。幼少時にほぼ独学で作曲とピアノを学んだ彼は、18歳でBBCに入社、ラジオドラマの制作に携わります。1943年に従軍、47年に退役してからは、BBCの録音エンジニアとして復帰、この時に管弦楽とスコアの知識を身に付けるとともに、名指揮者レイ・マーティンの励ましを受け、自身でも作品を書くようになりました。しかし、BBCでは副業が禁止されていたため、本名のレナード・チャールズ・トレビルコック(後にトレビルコに短縮)を用いることができず、ニックネームであったトレヴァー・ダンカンをペンネームに採用したという経緯があります。1950年代には多くのライトミュージックを作曲、中も「コルシカから来た少女」はラジオで毎日のように放送されるほどの人気作となりました。その後、BBCを退社したダンカンは、イギリスでライトミュージックの流行が下火になっても作曲を続けました。 このアルバムには彼の全盛期である1950年代の作品を中心に収録。さわやかな情景描写と、官能的なロマンス、繊細な詩情などが盛り込まれた美しい作品をお楽しみください。
収録作曲家:
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『ローマの勝利』
1686年、フランス王ルイ14世を讃える
ローマの祝典の仮想的再現 [エマニュエル・ド・ネグリ、エマニュエル・レシュ=カゼルタ、アンサンブル・エクジ&アンサンブル・エミオリア]発売日:2022年06月24日
CD価格:2,325円(税込)
マドゥーフ兄弟らも参加!
大合奏に拡大されたコレッリ作品の響きに迫る長きにわたる治世の間、ヨーロッパ全土に轟く覇権を確かなものとし続けたフランス王ルイ14世。カトリック総本山ローマは枢機卿マザランのかつての職場である上、中世のフランス王、ルイ聖王にちなんだサン・ルイージ・デイ・フランチェージ教会のような場所もあり、ルイ14世とは決して無縁の場所ではありませんでした。 実際そこでは1686年にルイ14世に捧げられた音楽会も開かれており、フランスの古楽器奏者たちがヴェルサイユに集って収録されたこのアルバムは、そのローマでの音楽祝典の再現を目指したもの。ローマを拠点に全欧州に名を轟かせ、フランスの作曲家たちにも大きな影響を与えたコレッリの作品を中心に、サン・ルイージ・デイ・フランチェージ教会に仕えた作曲家メラーニのセレナータも交えて編まれたプログラムを、当時の記録や証言に基づき大編成で演奏しているのが大きな特色です。 コレッリの室内編成向けトリオ・ソナタは当時から大きな編成でも演奏されており、彼が100人規模の大編成を指揮していた記録もあるほど。ここではバロック・アンサンブルとしてはかなり規模の大きい弦楽編成に充実した通奏低音陣、曲によってはトランペット群とティンパニも加え、かの「永遠の都」に響いた祝典の絢爛さを鮮やかに再現しており、その豪奢なサウンドがたまりません。 金管陣には当時通りの指孔なしナチュラル・トランペットを吹きこなすマドゥーフ兄弟らも参加。オーケストラ演奏の原点ともいうべき17世紀の音像に迫った注目すべきアルバムです。 -
クレープス(1713-1780):
鍵盤のための作品集 第2集 [スティーヴン・ディヴァイン(チェンバロ)]発売日:2022年06月17日
CD価格:2,100円(税込)
J.S.バッハに「卓越した音楽家、鍵盤楽器、ヴァイオリン、リュートの演奏家、熟練した作曲家」と評されたヨハン・ルートヴィヒ・クレープスの鍵盤楽曲集第2集。活躍した時代はバロックから前古典派への移行期でしたが、彼自身はポリフォニーの様式を好んでいたためか「時代遅れ」とみなされ、当時はあまり顧みられることがありませんでした。しかし近年ではバロック期、ギャラント様式、古典派の形式を魅力的に組み合わせた作曲家として評価され、少しずつ演奏機会も増えてきています。 このアルバムでは名奏者スティーヴン・ディヴァインがクレープスの3作品を演奏。当時の音楽的センスの変化を示す、彼の多彩な作曲スタイルを知ることができます。
収録作曲家:
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クリストファー・ライト(1954-):
ホルン協奏曲/交響曲
ニコラス・バートン(1950-):
アコード : 1楽章の交響曲 [リチャード・ワトキンズ(ホルン)/ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団/ジョン・アンドルーズ(指揮)]発売日:2022年06月10日
CD価格:1,950円(税込)
このアルバムでは2人の英国作曲家の作品を聴くことができます。一人目の作曲家は1950年ノーフォーク生まれのニコラス・バートンで、二人目は1954年にサフォークで生まれたクリストファー・ライトです。彼らは親友であり、その作風は違いますが二人とも調性感のある作品を書いています。大学時代から最近まで交流がある二人は共同の録音計画をたて、一度は新型コロナ感染症のパンデミックのため立ち消えになったものの、2021年10月にこのアルバムでやっと実現しました。 バートンの「アコード=調和」は2018年にバンベリー交響楽団のために書かれた作品。和声の拡張の可能性を追求し、最終的には抒情的で静謐な曲が生まれたということです。 ライトの「ホルン協奏曲」はホルンのアクロバティックなパートと、弦楽器の讃美歌のような美しい旋律が組み合わされた作品。「交響曲」はマーラーの交響曲のような激しさと静寂が交錯する聴きごたえのある作品。「ポストモダン」と呼ばれる時代を代表する、後期ロマン派時代に回帰したかのような音楽です。
収録作曲家:
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C.F.E.ホーネマン(1840-1906):
歌劇《アラジン》 Op.4 [ブルール・マグヌス・トーデネス(テノール)/デニース・ベック(ソプラノ)/ヨハン・ロイター(バス・バリトン)他/デンマーク国立コンサート合唱団/デンマーク国立交響楽団/ミハエル・シェンヴァント(指揮)]発売日:2022年05月27日
SACD-Hybrid 3枚組価格:5,850円(税込、送料無料)
クーラウやゲーゼ、ニールセンも手掛けたアラジンの物語、
C.F.E.ホーネマンのオペラ版初録音『千夜一夜物語』の『アラジンと魔法のランプ』に基づくアラジンの物語。デンマークの劇作家アダム・エーレンシュレーアー(1779-1850)による同名戯曲は、クーラウやゲーゼが音楽を付け、劇付随音楽などとして上演されていた人気作です。 このホーネマンの歌劇版は、1888年にベンヤミン・フェザスンの台本を用いて作曲されてもので、東洋的な雰囲気を融合させたロマンティックな音楽が付けらましたが、残念ながら初演は準備不足もあり大失敗。その際、序曲だけは、のちに同名の劇音楽をかいたニールセンも指揮するなど人気を博し、現在でもデンマークのコンサート・レパートリーとして生き残っています。ホーネマンは作品に改訂を加え、1902年の再演時には18回の公演が完売するなど圧倒的な成功を収めましたが、1903年以降のデンマーク王立歌劇場での上演はありませんでした。 今回の世界初録音となる当盤では、名手シェンヴァントが指揮を執り、デンマークを中心に活躍する歌手たちを登用、アラジンとグルナーレ王女たちの冒険を色彩豊かに描き出しています。収録作曲家:
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テルツィ(1570頃?-1600以降):
リュート作品集 [フローラン・マリー]発売日:2022年05月27日
CD価格:2,400円(税込)
妙なる響きで作品の機微そのままに伝えられる、ベルガモの名リュート音楽家の古雅なる名品群パレストリーナやマレンツィオなどの巨匠たちが声楽のために精緻な多声音楽を作曲する傍ら、さまざまな楽器の使い手たちが器楽特有の音楽作法を確立しはじめていた16世紀イタリア。 カプスベルガーやピッチニーニといったバロック期の作曲家が登場する前、ルネサンス独奏器楽の集大成ともいうべき作品群をリュートのために残したのが、北イタリアのベルガモを拠点に活躍したこの楽器の名手テルツィ。彼の名を冠した出版譜の存在や世界各地に残る筆写譜の多さから推察される生前の人気に比して生涯は謎に包まれたままですが、作曲者の深い音楽的知識と感性は、さまざまな時代の舞曲やフランス語の多声シャンソンの独奏編曲、プレリュードなど多岐にわたる形式の音楽そのものに如実に現れていると言ってよいでしょう。 さまざまな中世・ルネサンス音楽の演奏団体と共演するフランスの名手フローラン・マリーは、古楽器製作家の父が手がけた8コースのリュートを手に、ルネサンス様式の総目録のごときテルツィの音楽の多彩さを丁寧な解釈で味わい深く聴かせます。 先例が決して多いとは言えない、テルツィ作品だけで構成されたアルバムという意味でも貴重なリリース。佐藤豊彦やリー・サンタナなど、世界的リュート奏者たちにも愛されてきたCarpe Diemレーベルの抜群のエンジニアリングが映える、自然な佇まいの弦音も魅力です。
収録作曲家:
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発売日:2022年05月27日
CD価格:2,400円(税込)
フローベルガーの同時代人が残した重要なリュート組曲の数々を、名手の妙技とともにリュートという撥弦楽器が、王侯貴族や知識人たちのための最も高貴な楽器としての地位をいまだ保っていた17世紀の半ば頃。ロイスナーは当時ハプスブルク家の所領だったシュレジエン地方(現ポーランド領)で生まれ、広く各地を旅して演奏家としての名声を築き、後年はベルリンに宮廷をかまえていたブランデンブルク選帝侯の音楽家となり、齢43で亡くなるまでかの地で活躍を続けました。その作品は同時代を生きた鍵盤奏者フローベルガーと同じように、フランス様式の舞曲のリズムを明確に取り込みながらドイツ音楽特有の奥深さにも貫かれており、聴き深めるに足る味わいに満ちています。 フロリダ出身で英国古楽界に軸足を置く名手ウィリアム・カーターは、彼が特に惹かれるというロイスナー最初の曲集『リュートの楽しみ』(1667)に着目。この作曲家が生きていた頃にも存在した16世紀末の銘器をモデルとする楽器を用い、端正な演奏で作品の妙味をじっくり引き出してゆきます。 LINNならではのバランスの良い自然派録音も、リュートの音色に耳を傾ける喜びを伝えてくれます。
収録作曲家:
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チャピ(1851-1909):
弦楽四重奏曲 第3番・第4番 [ラテンアメリカ四重奏団]CHAPI, R.: String Quartets Nos. 3 and 4 (Cuarteto Latinoamericano)
発売日:2022年05月27日
NMLアルバム番号:DSL-92254
CD価格:2,100円(税込)
スペインの作曲家チャピは主にサルスエラ(スペイン語によるスペイン風オペラ)作曲家として活躍しましたが、その長いとは言えない生涯の晩年に弦楽四重奏曲を4曲作曲しています。第3番はニ長調を採りながら短調に傾斜した激しく悲劇的な雰囲気の濃い作品。緩徐楽章を持たない第4番はロ短調ながら軽妙さや躍動感のある作品です。 演奏する「ラテン・アメリカ弦楽四重奏団」はその名の通り、ヴィラ=ロボスやチャベスなどの南米の音楽と、その基になったスペインの音楽を得意とするアンサンブルです。メキシコ人の3兄弟を中心として1982年に結成、以降独自のレパートリーを開拓、幾度もグラミー賞にノミネートされるほどの実力を持っています。
収録作曲家:
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カール・ヴァイン(1954-):
ピアノ・ソナタ全集 [リュウ・シャオヤ(ピアノ)]VINE, C.: Piano Sonatas (Complete) (Xiaoya Liu)
発売日:2022年05月20日
NMLアルバム番号:CDS7931
CD価格:1,950円(税込)
オーストラリアの現代作曲家カール・ヴァインのピアノ・ソナタ集。 この4つのソナタの作曲年代はかれこれ30年にわたり、彼の作風の変遷と発展が端的に示されています。第1番は冒頭こそ瞑想的な雰囲気であるものの、すぐに躍動的な旋律が表れ全曲を支配します。第2番も技巧的であり、とりわけ第2楽章のジャズ風のトッカータが印象的です。第3番は古典的な4楽章で構成されたソナタ。2019年に書かれた第4番は「Aphorism=警句」と題された第1楽章を持つ暗示的な作品。第2楽章は印象派風の美しい曲調を持ち、騒がしい第3楽章と鮮やかな対比を見せています。 演奏するリュウ・シャオヤは、数多くのコンクールの入賞歴を持つアジア、ヨーロッパ、米国を中心に活躍するピアニスト。このアルバムでも確かな技巧と、豊かな音楽性を披露しています。
収録作曲家:
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シャポーリン(1887-1966):
ピアノ作品全集 [キリル・コズロフスキ(ピアノ)]発売日:2022年05月20日
CD価格:1,950円(税込)
ウクライナ、フルーヒウ生まれの作曲家ユーリ・シャポーリンのピアノ作品集。作風は保守的で、ボロディンやムソルグスキーの伝統をルーツとし、スクリャービンなどの後期ロマン派とショスタコーヴィチやプロコフィエフからの影響を感じさせるとともに、民俗音楽の旋律も作品に組み込んでいます。 このアルバムでは2曲のソナタを中心に、様々な表情を持つ小品を収録。一連のストーリーを感じさせる大規模なソナタと、ほとんど気まぐれともいえそうな雰囲気を持つ小品が見事なコントラストを描いています。 演奏はフィンランド/ベラルーシのピアニスト、キリル・ゴズロフスキ。ショスタコーヴィチ作品の研究でシベリウス・アカデミーの博士号を取得した俊才です。
収録作曲家:
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ベルンハルト・モリーク(1801-1869):
弦楽四重奏曲全集[4枚組 BOX] [マンハイム弦楽四重奏団]発売日:2022年04月29日
CD 4枚組価格:4,650円(税込、送料無料)
BOX化! ベルンハルト・モリーク弦楽四重奏曲全集ニュルンベルクでファゴット・ヴァイオリン奏者の父の下に生まれたベルンハルト・モリーク(モーリック)。6歳で公開演奏を行うなど神童ぶりを発揮。ルイ・シュポアにヴァイオリンを師事し、23歳でシュトゥットガルト宮廷劇場の宮廷楽長兼コンサートマスターに就任。ヨーロッパの至る所でツアーを行い高い名声を得ていました。またベーム式フルートの開発者であるテオバルト・ベームと親しく、彼のためにフルート協奏曲も書いています。 モリークはヴァイオリン作品を多く遺しており、なかでも8曲の弦楽四重奏曲は古典派とロマン派の端境期に位置する傑作として称えられており、イギリス滞在時に書かれた作品番号42と44の2曲はヴィクトリア女王を含むイギリスの聴衆たちを興奮の渦に巻き込んだといわれています。 古典派作品を得意とするマンハイム弦楽四重奏団の演奏で全曲をお楽しみください。
収録作曲家:
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カスパー・ロフェルト(1982-):
Dichotomy ダイコトミー
室内楽作品集 [デンマーク・チェンバー・プレイヤーズ]ROFELT, K.: Dichotomy / Around / Cantando / Forward! / Stay (Danish Chamber Players, Granau, Ryan)
発売日:2022年04月22日
NMLアルバム番号:6.220716
SACD-Hybrid価格:2,175円(税込)
デンマークの作曲家カスパー・ロフェルトの作品集。ベント・セアンセンやペア・ノアゴーに師事、学生時代から才能を嘱望されてきました。ロフェルトは過去作品やジャズ、タンゴなどさまざまな素材を自在に扱い、独自の音楽を作り上げることで知られており、これまでにもアコーディオン奏者のビャーケ・モーエンセンとコラボしたアルバム(8.226564)などで、その作品が高く評価されています。 このアルバムでは彼の美学「Dichotomy=Dichotomy=二分法、両極端、矛盾などの意味」がタイトルに付されており、楽章ごとの対比や、対照的、相容れないものを素材に選んだ様々な作品が並んでいます。また不条理演劇作家として知られるルーマニアの劇作家、ウジェーヌ・イヨネスコからインスパイアされた「イヨネスコのための物語」も異彩を放つ作品です。 デンマーク・チェンバー・プレイヤーズの妙技でお楽しみください。
収録作曲家:
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サンドロ・フーガ(1906-1994):
ピアノ・ソナタ 第1番 - 第3番 [ジャコモ・フーガ(ピアノ)/カルロッタ・フーガ(ピアノ)/クラウディオ・ヴォゲーラ(ピアノ)]FUGA, S.: Piano Sonatas Nos. 1-3 (G. and C. Fuga, Voghera)
発売日:2022年04月22日
NMLアルバム番号:8.579110
CD価格:1,600円(税込)
20世紀半ばのトリノの音楽界を牽引する存在として活躍した作曲家サンドロ・フーガの3つのピアノ・ソナタ。高名な画家ルイジ・ノーノ(1850-1918)を祖父に持つヴェネツィアの名家に生まれ、芸術と音楽に対する情熱を受け継いだ彼は、1919年からトリノの「ジュゼッペ・ヴェルディ音楽院」でピアノ、オルガン、作曲を学び、卒業後は教師としてアルファーノやゲディーニを指導しています。また彼の作品は国際コンクールで数々の賞を受賞、作曲家としても高く評価されました。 自らを「ロマン派の生き残り」と称し、音楽は感情の表出であると信じたフーガは、同世代の作曲家があまり手掛けることのなかった「ソナタ」の形式に目を向け、前衛的な要素を極力排した、3つの素晴らしいソナタを書き上げました。これらは彼のピアノ音楽の頂点をなすものといえるでしょう。 フーガの2人の子供たちジャコモとカルロッタ兄妹と、フーガの直系の弟子であるトリノ出身のクラウディオ・ヴォゲーラによる演奏で。
収録作曲家:
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Reactions リアクションズ
マーガレット・ブラウワー(1940-):
歌曲と室内楽作品集 [サラ・ビーティ(メゾ・ソプラノ)/ブライアン・スクーグ(テノール)/佐藤麻理(ナレーター&ヴァイオリン )/エリーシャ・ネルソン(ヴィオラ)/ワン・シュアイ(ピアノ)-9]BROUWER, M.: Rhapsodic Sonata / Declaration / The Lake / I Cry - Summer 2020 (Reactions) (Beaty, Skoog, Mari Sato, E. Nelson, Shuai Wang)
発売日:2022年04月15日
NMLアルバム番号:8.559904
CD価格:1,600円(税込)
ニューヨーク・タイムズ紙で「独特の魅惑的なハーモニーの世界に棲む」と称賛されたアメリカの女性作曲家マーガレット・ブラウワーの作品集。1996年から2008年までクリーヴランド音楽院作曲科の主任教授を務め、種々の名誉ある賞を受賞、オーケストラや演奏家からも数多くの委嘱を受けています。 このアルバムには最近書かれた作品が収録されており、愛する心を内面から描いた「ラプソティック・ソナタ」、暴力や戦争をテーマにした「宣言」、新型コロナウイルス感染症が大流行し、人々が孤立し生活に制限がかけられた2020年の夏に書かれた「私は叫ぶ - 夏2020」など社会的な問題が採り上げられています。 最後に置かれた「すべての回線がまだ通話中」は風刺の効いたモノローグ。電話で「待たされた」経験のある人なら作品に共感すると思います。
収録作曲家:
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Feel the Moment
ブラトヴィチ/ニクチェヴィチ:
ギター・デュオ作品集 [スルジャン・ブラトヴィチ/ダルコ・ニクチェヴィチ(ギター・デュオ)]Guitar Duo Recital: Bulatović, Srdjan / Nikčević, Darko - BULATOVIĆ, S. / NIKČEVIĆ, D. (Feel the Moment - Meditative Mediterranean Guitar Music)
発売日:2022年04月15日
NMLアルバム番号:8.574389
CD価格:1,600円(税込)
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イェネー・タカーチ(1902-2005):
作品集 [ニナ・カルモン(ヴァイオリン)/オリヴァー・トリンドル(ピアノ)/インゴルシュタット・ジョージア室内管弦楽団/エヴァン・アレクシス・クリスト(指揮)]TAKÁCS, J.: Piano Concerto No. 2 / Rhapsody / Passacaglia / Serenade (Karmon, Triendl, Ingolstadt Georgian Chamber Orchestra, E.-A. Christ)
発売日:2022年04月15日
NMLアルバム番号:C5438
CD価格:2,100円(税込)
ハンガリー系オーストリアの作曲家イェネー・タカーチ(タカーチュ・イェネー)の作品集。ウィーン国立音楽大学でヨーゼフ・マルクスに作曲を学び、ウィーン大学ではハンス・ガルに対位法を、グイード・アードラーに音楽学を学んだ後、1920年からピアニストとしてドイツ、ハンガリー、ユーゴスラビアでコンサート・ツアーを開催、絶賛されました。1926年にバルトークと知り合ったことで、作品に自身のルーツであるハンガリーの要素を取り入れるとともに、彼が訪れたエジプト、アラブの音楽の影響も反映するなど、コスモポリタンな作風による作品を多数発表します。 このアルバムには5つの作品を収録。耳なじみのよい旋律に終始する「セレナード」、ヴァイオリンが哀愁たっぷりの旋律を歌い上げるラプソディ「ハンガリーの旋律」、オーケストラとパーカッション、ピアノが競い合うように激しい演奏を繰り広げ、バルトークを思わせる「ピアノ協奏曲」、うなるような低弦の旋律が様々に変容していく前衛的な作風を持つ「パッサカリア」、それぞれケルト、ハンガリー、アメリカの民謡をもとにした「3つの小品」と、タカーチの広範囲な作風を楽しめます。
収録作曲家:
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インジェニェーリ(1536-1592):
〈作品集 第2集〉
5声のミサ曲と二重合唱のためのモテット集 [ケンブリッジ大学ガートン・カレッジ合唱団/王立ウェールズ音楽大学ヒストリック・ブラス/ジェレミー・ウェスト(コンサートマスター)/ガレス・ウィルソン(指揮)]INGEGNERI, M.A.: Ingegneri, Vol. 2 - Missa Voce mea / Motets for Double Choir / ANIMUCCIA, P.: Voce Mea (Choir of Girton College Cambridge, Wilson)
発売日:2022年04月15日
NMLアルバム番号:TOCC0630
CD価格:1,950円(税込)
クレモナ出身のインジェニェーリはイタリア後期ルネサンス音楽の作曲家。現在ではその作品よりもモンテヴェルディの師として知られています。 彼の生い立ちはほとんどわかっておりませんが、幼少期にヴェローナの教会合唱団で歌い、パルマのチプリアーノ・デ・ローレに師事、後にクレモナ大聖堂の楽長に就任したとされています。宗教曲と世俗曲を作曲しましたが、そのほとんどは残念ながら500年近くも顧みられることがありませんでした。 インジェニェーリのミサ曲はどれも比較的短く、簡潔に書かれていますが、複合唱(polychoral)に複雑な対位法を駆使した音楽は、スリリングな高揚感をもたらしてくれます。
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シュールマン(1762/73-1751):
歌劇《イアーソンまたは金羊毛の略奪》 [ハンナ・ツムザンデ(ソプラノ)/サンタ・カルニーテ(ソプラノ)/カテリーナ・ヴィッティング(ソプラノ) 他/バロックヴェルク・ハンブルク/イラ・ホックマン(指揮)]発売日:2022年04月08日
CD 2枚組価格:4,125円(税込、送料無料)
ハンブルク出身の作曲家ゲオルク・カスパー・シュールマン。完成までに13年間を要したこの《イアーソン》はシュールマンの自信作といえるものです。1720年から22年にかけてハンブルクのゲンゼマルクト歌劇場で上演された歌劇で、初演から大成功を収め31回も上演された記録が残っています。 ギリシャ神話に登場する英雄イアーソンと金羊毛の物語が、イタリアとドイツの様式を巧みに融合した作品に仕上げられており、この録音では2時間程度に簡略されてはいるものの、主人公の一人メデイアの疑念や復讐心などが描かれた印象的なコロラトゥーラのアリアや、繊細なニュアンスを持つレチタティーヴォなど聴きどころは満載です。 2018年にリリースされたシュールマンの歌劇《忠実なアルチェステ》(555207)で活躍したツムザンデ、カルニーテ、ルートヴィヒらの歌手とバロックヴェルク・ハンブルク、指揮者イラ・ホックマンによる演奏が作品の魅力を伝えています。
収録作曲家:
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ブリーゲル(1626-1712):
12の宗教的マドリガーレと
8つの教会旋法によるフーガ [アンサンブル・ポリハルモニーク]発売日:2022年04月08日
CD価格:1,800円(税込)
ドイツ・バロック期のオルガニスト・作曲家ヴォルフガング・カール・ブリーゲル。少年時代はニュルンベルクのフラウエン教会の聖歌隊で歌い、ここでオルガン奏者を務めていたヨハン・エラスムス・キンダーマンを通じ、当時最新のイタリアの作曲様式に触れました。アルトドルフの大学で学んだ後、聖ヨハニス教会のオルガニストに就任。1650年、ザクセン=アルテンブルク公爵のエルンスト1世によりゴータの宮廷音楽家として召し抱えられ、最終的には宮廷楽長へと昇進しました。1671年にはヘッセン=ダルムシュタット方伯ルートヴィヒ6世の妻マリアが彼をダルムシュタットに招聘。この地でも活躍した記録が残っています。宗教的な作品を数多く残しており、1654年から1709年までに24巻の曲集を出版、他にも機会作品や世俗的な作品を書いています。 1671年に作曲された12の宗教的マドリガーレ(12のマドリガーレ風の安らぎの歌)は、5声または6声と通奏低音のための曲集。聖書のフレーズが音楽で表現されており、献辞には“終わり良ければ全て良し”の言葉が置かれています。この曲集は20年以上も務め上げたゴータの宮廷楽長の職を辞す際に、別れの記念としてエルンスト1世に捧げられました。 曲中に置かれた8つの教会旋法が用いられたオルガンのためのフーガは、とても短い作品ですが、主題は変化に富み、教会旋法の特徴が存分に表現されています。
収録作曲家:
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オーレ・シュミット(1928-2010):
金管楽器のための協奏曲集 [ガボール・タルケヴィ(トランペット)/イェスパー・ブスク・ソレンセン(トロンボーン)/イェンス・ビョルン=ラーセン(テューバ)/シュテファン・ドール(ホルン)/オルボア交響楽団/ジョルダーノ・ベッリンカンピ(指揮)]SCHMIDT, O.: Brass Concertos (Tarkövi, Sørensen, Bjørn-Larsen, Dohr, Aalborg Symphony, Bellincampi)
発売日:2022年03月25日
NMLアルバム番号:6.220702
SACD-Hybrid価格:2,850円(税込)
豪華ソリストの競演!
オーレ・シュミットの協奏曲集SACDハイブリッドで登場オーレ・シュミットは、ピアニスト・指揮者・作曲家として活躍し、現代北欧を代表する音楽家の一人に数えられます。彼の音楽は、バルトーク、ストラヴィンスキー、フランス近現代音楽の影響と共に北欧的な明快さも備え、躍動感漲るリズムから生まれるエネルギーに、ユーモアのセンスも兼ね備えたものです。 このアルバムに収録されている3つの協奏曲は彼の重要な作品群であり、オーレ・シュミットの洗練された感覚がよく表れています。「協奏的小品」ではトランペットとトロンボーンが大活躍、賑やかなコンチェルト・グロッソの雰囲気と、一貫したユーモアが感じられます。また、テューバの表現力を最大限に引き出した「テューバ協奏曲」でのテューバの超絶技巧、夢想的な楽章と遊び心のある軽快な楽章で構成された「ホルンと室内オーケストラのための協奏曲」も聴き応えのある作品です。 ベルリン・フィルの首席奏者、シュテファン・ドールをはじめとした名手たちをソリストに据え、ベッリンカンピが指揮するオルボア交響楽団が素晴らしい演奏を聴かせます。収録作曲家:
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〈ブリティッシュ・ライト・ミュージック 第6集〉
カーゾン(1899-1973):
作品集 [シルビア・チャポヴァー(ピアノ)/スロヴァキア放送交響楽団/エイドリアン・リーパー(指揮)]CURZON, F.: In Malaga / Robin Hood Suite / Punchinello / Capricante / Galavant / Cascade (Čápová, Slovak Radio Symphony, Leaper)
発売日:2022年03月25日
NMLアルバム番号:8.555172
CD価格:1,600円(税込)
ロンドン生まれの作曲家フレデリック・カーゾン。ヴァイオリン、チェロ、ピアノ、オルガンを弾きこなし教師を驚かせるとともに、12歳でマニフィカトとヌンク・ディミティスを作曲、地元の合唱団によって演奏されるなど幼い頃から楽才を発揮、16歳の時にはロンドンの劇場オーケストラでピアノを弾き、20歳の時には自分のオーケストラを持ち、無声映画の伴奏音楽を作曲していました。 また、電子オルガンがイギリスに輸入された際にはいち早く購入し、デモンストレーション・リサイタルを行った記録もあります。しかし、作曲家としての活動はあまり力を入れておらず、その才能に注目した出版社ブージー・アンド・ホークスのラルフ・ホークスや、彼の妻グラディス・マリアン・ファウラーの後押しを受け、ようやく作曲家として独り立ちしたという経緯があります。 このアルバムには、パリの大通りを歩く男の姿を描いた「ブルバルディエール」をはじめ、巧妙に書かれたカーゾンの作品が収録されています。
収録作曲家:
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プリューデマン(1854-1897):
バラードと歌、伝説 [ウルフ・ベストライン (バリトン)/ヘダイェット・ジェディカー (ピアノ)]発売日:2022年03月18日
CD 2枚組価格:2,500円(税込)
ドイツ後期ロマン派の作曲家マルティン・プリューデマン。カール・レーヴェの劇的な内容を持つ一連のバラードに心酔した彼は、その影響を受けた「バラードと歌集」を作曲し、ドイツ・リートよりも更に物語性を抱いた“バラード”の復活と近代化に尽力しました。 当時ドイツ領であったポーランドのコウォブジェク(コルベルグ)で生まれたブリューデマンは、ライプツィヒ音楽院で学んだ後、音楽教師として後進の指導にあたり、1890年からはグラーツのシュタイアーマルク合唱協会で指揮者を務め合唱作品の普及に尽力。教師、指揮者としての活動の傍ら、43歳で亡くなるまで作曲を続け多くの声楽作品を書き上げています。 この2枚組アルバムには、ワーグナーに倣ったライトモティーフの使用や、ピアノ伴奏でのオーケストラを思わせる重厚な響きが感じられるプリューデマンの多彩なバラードと歌曲を収録。シューベルトやシューマンの歌曲でニュアンス豊かな表現を聴かせたベストラインの歌唱でたっぷりお楽しみください。
収録作曲家:
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アダム・ゴーブ(1958-):
ピアノ作品集 [クレア・ハモンド(ピアノ)]GORB, A.: Piano Music (Hammond)
発売日:2022年03月11日
NMLアルバム番号:TOCC0620
CD価格:1,950円(税込)
イギリスの作曲家アダム・ゴーブ。10歳で作曲をはじめ、ケンブリッジ大学と英国王立音楽院を首席で卒業。卒業後はロンドン大学と王立音楽大学で講師を務め、2000年からは英国王立ノーザン音楽大学で教えています。 主に吹奏楽作品で知られるゴーブですが、このアルバムに収録されているのは、ショパンやショスタコーヴィチの例に倣ったピアノのための「24の前奏曲」。さまざまな気分に彩られたミニアチュアの世界を楽しめます。 最後に置かれた「Velocity」は演奏者クレア・ハモンドのために2014年に書かれた曲。1994年の映画「スピード」からインスパイアされたという緊張感あふれる6分程度の小品です。 クレア・ハモンドは2016年、ロイヤル・フィルハーモニック協会の「ヤング・アーティスト賞」を受賞した若手奏者。現代音楽を得意とし、これまでに50作ほどの世界初演を行ってきた実力派です。
収録作曲家:
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ミュラー(1767-1817):
〈フルート協奏曲集 第2集〉
フルート協奏曲 第5番・第7番・第8番 [タチアーナ・ルーラント(フルート)/南西ドイツ・プフォルツハイム室内管弦楽団/ティーモ・ハンドシュ(指揮)]MÜLLER, A.E.: Flute Concertos Nos. 5, 7 and 8 (Ruhland, South West German Chamber Orchestra, Handschuh)
発売日:2022年03月04日
NMLアルバム番号:555403-2
CD価格:2,475円(税込)
ドイツ、ノルトハイムでオルガニストの父のもとに生まれたミュラー。8歳でオルガンの公開演奏を行い、多くの同時代の先人たちの薫陶を受けながら、マグデブルク、ライプツィヒ他、各地のオルガニストを務めました。演奏者としてはJ.S.バッハ作品を得意としていましたが、作品はドイツ古典派の様式に則った端正で美しいものばかりです。 フルート協奏曲は11曲遺されており、モーツァルトやハイドンを思わせる巧みな筆致で描かれています。とりわけ第7番にはティンパニとトランペットが用いられるなど、音色も多彩です。 第1集に引き続きフルートを演奏するルーラントは「Opus Classic2018」賞を受賞した"フルートのパガニーニ"と称される名手。伸びやかな音色が持ち味です。
収録作曲家:
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『Occam Ocean 4』 - オッカムの海 4 [エリアーヌ・ラディーグ]
発売日:2022年02月25日
CD価格:2,400円(税込)
ミュジーク・コンクレートの父ピエール・アンリに師事し、チベット仏教の影響を受けたフランスの電子音楽家エリアーヌ・ラディーグによるドローン・ミュージック。 第4弾の今回は、高音ヴィオールという古楽器のほかリトアニアの木管楽器ビルビニなども使用し、さらにバリトン独唱は実質ホーミーで歌われるという、楽器や奏法にも大きな工夫が聴かれる興味深いものです。
収録作曲家:
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ロシング=スコウ(1954-):
A Talk of Our Time [ジャネッテ・バラン(バリトン&アルト・サクソフォン)/マヌエル・エスペリージャ(ピアノ)/ヘレーネ・ナヴァッセ(バス・フルート)/アテラス・シンフォニエッタ/ジャン・トレル(指揮)]ROSING-SCHOW, N.: All Right!? (A Talk of Our Time) / Distant Calls / Episodes From a Concerto / FlashNight (Balland, Navasse, Esperilla, Thorel)
発売日:2022年02月18日
NMLアルバム番号:8.226538
CD価格:2,175円(税込)
デンマーク王立音楽大学で学び、グリゼー、ミュライユ、クセナキスの影響を受け、様々なジャンルの作風を取り入れながら模索したという作曲家ニルス・ロシング=スコウ。とりわけフランス近代作品の響きに惹かれ、そのサウンドと北欧らしいイメージを融合させ、時に荒々しく、時に繊細な音楽を次々を作り出しています。 このアルバムには3曲の協奏的作品と、2曲の室内楽が収録されており、どの曲も各楽器の音色を生かした親密な対話が楽しめます。「協奏曲からのエピソード」は2004年に作曲されデンマーク国立管弦楽団によって初演された後、2020年にコロナ禍による生活様式の変化を受け、より小さい編成へと再構成されたというもの。 印象的なサクソフォンを聴かせるのはこの曲の初演者であり、デンマークを中心に多方面で活躍するジャネット・バラン。ロシング=スコウの「合金」(8.226580)やラスムッセンのサクソフォン協奏曲(6.220506)などの録音にも参加しています。
収録作曲家:
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カルドーソ(1566-1650):
ミサ曲全集 第1集 [ロンドン・カルメル会修道院聖歌隊/サイモン・ロイド(指揮)]CARDOSO, M.: Masses (Complete), Vol. 1 (Choir of the Carmelite Priory London, Lloyd)
発売日:2022年02月04日
NMLアルバム番号:TOCC0498
CD価格:1,950円(税込)
知られざる作品を意欲的に発掘するToccata Classicsからルネサンス・ポリフォニーの新シリーズがスタートします。 マヌエル・カルドーソは、17世紀前半のポルトガル・ポリフォニー音楽の黄金時代を代表する作曲家ですが、彼の肖像画とその作品の多くは1755年のリスボン大地震と火災により焼失してしまい、ミサ曲3巻とモテットなど2巻の作品が知られるのみ。それらはモラレスやゲレーロといったスペインの作曲家からの影響と、特にパレストリーナの作品を深く研究したことを感じさせます。英語圏ではあまり知られていなかったカルドーソの作品ですが、20世紀終盤から録音も増えて注目度が高まりました。 それらに魅せられた音楽家の一人がこのCDの指揮者サイモン・ロイドで、オルガン曲を含む作品186曲を校訂。カルドーソの生誕450年を祝うべく、ロンドン・カルメル会修道院と共に2016年2月から17年11月までかけて演奏しました。このプロジェクトは、その好評から生まれたものです。 解説書(英語のみ)には、指揮者で校訂者でもあるロイドによる曲目解説が掲載されています。