ジェフスキ(フレデリック) Rzewski, Frederic
生没年 | 1938- | 国 | アメリカ |
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辞書順 | 「シ」 | NML作曲家番号 | 17536 |
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ジェフスキー(1938-2021):
〈後期ピアノ作品集〉
夢/戦争の歌
冬の夜/聖者と罪人 [ボビー・ミッチェル(ピアノ)]RZEWSKI, F.: Late Piano Works - Dreams / War Songs / Winter Nights / Saints and Sinners (B. Mitchell)
発売日:2023年03月10日 NMLアルバム番号:8.559928
CD価格:1,900円(税込)
「不屈の民」変奏曲ばかりではない、ジェフスキー後期作品を所縁のピアニストが収録。 フレデリック・ジェフスキーは、20世紀から21世紀にかけて活躍したポーランド系アメリカ人の作曲家・ピアニストで、1975年作曲の「不屈の民」変奏曲が代表作。このアルバムには彼と親交のあったボビー・ミッチェルの演奏で後期の作品を収録しています。 「戦争の歌」は中世フランスの流行歌「ロム・アルメ(武装した人)」から20世紀に至るフランス、イギリス、アイルランド、ドイツ、アメリカの反戦歌と戦争に関わる歌計6曲を素材に編み上げた作品で、ジェフスキーらしいメッセージ性の高い作品。一方、他の作品ではテーマはより抽象的・一般的となり、音符の密度も減って瞑想的な傾向が見られるようになります。 アルバム最後に置かれた「聖者と罪人」は、ジェフスキーの親族から葬儀に招かれたミッチェルが葬儀の後で演奏した曲。ミッチェルが自ら書いたライナー(英語のみ)によれば、ジェフスキーは彼に自分の葬儀ではブラームスの間奏曲作品118の第2番を弾いて欲しいと繰り返し言っていたそうで(ミッチェルはこの曲も演奏したそうです)、ジェフスキーのロマンティックな一面を伝えるエピソードと言えるでしょう。
収録作曲家:
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ジェフスキー(1938-2021):
no place to go but around
ピアノ作品集 [リサ・ムーア(ピアノ&ヴォーカル)]RZEWSKI, F.: no place to go but around / To His Coy Mistress / Coming Together / Amoramaro / Piano Piece No. 4 (L. Moore)
発売日:2023年01月20日 NMLアルバム番号:CA-21173
CD価格:2,100円(税込)
2021年にこの世を去ったピアニスト・作曲家フレデリック・ジェフスキー。「不屈の民」変奏曲など、社会主義への強いメッージがこめられた数々の作品で知られます。 彼の弟子であり、友人でもあったリサ・ムーアは、ジェフスキーの作品の中から5つの抒情的な旋律を持つ作品を選び、師へのトリビュート・アルバムとしました。彼女がピアノをやめようと思った時に、力強く励ましてくれたというジェフスキーへの強い思いがこめられた演奏です。 ムーアは2016年にもジェフスキーの2作品「深き淵より」、「4つのノース・アメリカン・バラード」を録音しており(CA21014)、その演奏も高く評価されています。
収録作曲家:
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ジェフスキー(1938-):
「不屈の民」変奏曲
フォー・ハンズ [オッペンス/ローウェンタール]RZEWSKI, F.: People United will never be Defeated (The) / Four Hands (Oppens, Lowenthal)
発売日:2015年12月23日 NMLアルバム番号:CDR90000-158
CD価格:1,710円(税込)
チリの「ヌエバ・カンシオン=新しい歌」の代表ともいえるセルヒオ・オルテガ作の「不屈の民」は、1973年のチリ・クーデターの後に国際的に有名になり、世界中の様々な抵抗運動で用いられ、そのメロディも形を変えて伝播しています。なかでも、このジェフスキー(1938-)が書いた36の変奏曲は、数多い現代音楽の中でも異例の人気を誇っています。主題そのものは単純で誰もが歌えますが、そのあとに続く変奏曲は超絶技巧が求められるものです。アバンギャルドからジャズまで多様な様式を持つ変奏を聴いているだけでも途方にくれてしまうかもしれません。 ここでピアノを演奏しているウルスラ・オッペンスはこの曲の作曲ををジェフスキーに依頼した立役者。1976年の「アメリカ建国200年記念音楽祭」でこの曲の初演を担った彼女ですが、今回初演40周年を記念して、再度の録音が実現したというものです。
収録作曲家:
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ジェフスキ(1938-):
4つの小品
ハード・カッツ/主婦の嘆き [ファン・ラート/ルナパルク/マリニッセン]RZEWSKI, F.: 4 Piano Pieces / Hard Cuts / The Housewife's Lament (van Raat, Lunapark, Marinissen)
発売日:2014年09月24日 NMLアルバム番号:8.559759
CD価格:1,900円(税込)
最近、人気急上昇中の「不屈の民」変奏曲で知られる作曲家フレデリック・ジェフスキ(1938-)のまたもや刺激的なピアノ曲集の登場です。 「4つの小品」も、第1曲目では、難解で不気味なトレモロ音形の中に、時折親しみ易い「不屈の民」のテーマのようなメロディが埋め込まれています。もちろん気をつけていないとすぐにどこかに紛れてしまうほどの儚いものですが。第2曲目は両手のユニゾンで始まるリズム重視の曲。彼の友人であったスティーヴ・レイシー(セロニアス・モンクの弟子であった人)の影響を受けているといます。第3曲目はゆったりとしたアンデスの舞曲に由来するというメロディは、どことなくショスタコーヴィチの作品を想起させます。曲の終わり、破壊的な和音連打による盛り上がりの後には完全な沈黙が訪れます。第4曲目も不可解な曲で、幾つもの層となった音が平和な耳を襲ってきます。匿名の女性作曲家の日記から題材を得たという「主婦の嘆き」はベートーヴェンの強い影響があるというものです。この曲も最初のわかり易すぎるメロディにだまされてはいけません。 そしてアンサンブルをともなう「ハード・カッツ」は抽象的な音の化合物。巧妙に仕組まれた音の乱舞が楽しくも狂おしい作品です。第3曲「Like bees」などは、寝ている時に耳元で鳴らされたら気が変になるかも。
収録作曲家:
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ジェフスキ(1938-):
ピアノ作品集
幻想曲
左手のための6つのノヴェレッテ
深き淵より [サタリー]RZEWSKI, F.: Piano Music - Fantasia / Second Hand, or, Alone at Last / De Profundis (Satterlee)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2014年04月23日 NMLアルバム番号:8.559760
CD
通常価格:1,900円→ 特価!:390円(税込)あの「不屈の民」変奏曲(8.559360)での“これでもか”とばかりに押してくるピアノの響き。誰もが口ずさめる革命歌をテーマとし、あらゆる技巧を駆使して書かれた36の変奏曲は、まさに聴く者を圧倒させずにはおかない迫力があるものでした。 そんな彼の他の作品も、どれもが不思議で奇妙な味わいを有するものばかりです。高橋アキから委嘱された「幻想曲」では、どこかで聴いたことのあるようなメロディに様々な要素を詰め込み、全てが曖昧で取り留めのない音楽へと変化させています。 6つのノヴェレッテは右手を痛めていたジェフスキ(1938-)が、1週間左手のみで演奏できるために書いた曲。「深き淵より」はピアノを演奏しながら、オスカー・ワイルドのテキストを暗唱し、また口笛を吹き、ハミングをすることを要求されるという破天荒な作品。聴き手はピアノの音色だけでなく、ピアニストが発生させる「ノイズのような音」までをも楽しまなくてはいけません。これを楽しさと取るか、それとも苦痛ととるか……。ゲンダイオンガクの一つの形がここにあります。
収録作曲家:
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ジェフスキ(1938-):
「不屈の民」変奏曲他 [ドゥルーリー]RZEWSKI: The People United will never be Defeated
発売日:2008年05月09日 NMLアルバム番号:8.559360
CD価格:1,900円(税込)
鼻歌でも歌えるテーマがここまで変貌する 隠れたファンも多い、現代アメリカの生んだ巨大な変奏曲極めてシンプルなテーマに沿って延々と奏される変奏曲。無調、ミニマル、ジャズ、超絶技巧とありとあらゆる語法を駆使し、その合間を縫って聞こえてくる人を食った主題に背筋がゾクゾク。1トラック60分越えと言うのも、聞き手にとっての試練ですが、一度聴くと病みつきになる人も多い魔力を秘めた作品です。ジェフスキの自作自演盤を含めた既存盤にも比肩する名演を聴かせるのはオランダの名手ラルフ・ファン・ラートです。
収録作曲家:
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イヴァのためのタンゴ
イヴァ・ミカショフ(1941-1993)のために書かれたピアノのためのタンゴ集 [ハンナ・シバイエヴァ]Piano Recital: Shybayeva, Hanna - AHARONIÁN, C. / BABBITT, M. / BERKMAN, R. / BISCARDI, C. / FENNELLY, B. / FINCH, D. (Tangos for Yvar)
発売日:2019年04月26日 NMLアルバム番号:GP794
CD価格:1,950円(税込)
同時代のアメリカ音楽の普及に大きく貢献したピアニスト、イヴァ・ミカショフ。彼は世界中の127人もの作曲家にタンゴを委嘱し、1983年から1991年の間に様々な種類の作品を受け取りました。ここにはそのうち、ミルトン・バビットによる12音のアプローチ、トム・ジョンソンによるミニマル、マイケル・ナイマンによる極めて個性的な小品など17曲を収録。加えてピアソラの有名曲のアレンジも収めており、一口にタンゴと言っても実に多彩な音楽を楽しむことが出来ます。 ピアニストのハンナ・シバイエヴァは神童として頭角を現して以降、ハーグ音楽院などを経て、現在世界中で演奏活動を展開している逸材。このアルバム最後に収められた「リベルタンゴ」の編曲も行っています。