メキシコ出身の指揮者、エドゥアルド・マータが振るチャベスの交響曲全集。中南米音楽を積極的に紹介したマータの代表作ともいえる録音。荒々しいリズムと鮮烈な響きは今も色褪せることがありません。

南北アメリカ大陸の若き精鋭たちによる、色彩豊かな響き2002年にアメリカ・ユース管弦楽団（The Youth Orchestra of the Americas）として発足したオーケストラ・オブ・ジ・アメリカズは、南北アメリカ大陸の各国より、18歳から30歳までの若き名手たちが集まった精鋭集団。LINN RECORDSからのアルバム第1弾は、メキシコ出身の音楽監督プリエトと共に、南北アメリカをそれぞれ象徴する名交響曲2曲を収録しています。 第4楽章冒頭に「市民のためのファンファーレ」が引用されていることで有名なコープランドの交響曲第3番は、他にも「アパラチアの春」や「ロデオ」といった彼の代表作を彷彿とさせる曲想が緩-急-緩-急の構成の中に次々と現れ、その芸術の集大成のような内容となっています。 チャベスの交響曲第2番は単楽章の比較的短い作品ですが、目まぐるしく変化していく変拍子のリズムがたいへん愉快。オーケストラは、これらの作品を若者らしい溌溂としたリズム感と深い共感を持って、その色彩溢れる魅力を最大限引き出して楽しませてくれます。

20世紀メキシコが生んだ偉大なる作曲家、カルロス･チャベス。このアルバムは、弾けるばかりのエネルギーに満ちた「ピアノ協奏曲」を中心に、いくつかの小品を組み合わせたものです。野性的でエネルギッシュなこのピアノ協奏曲は、1942年にニューヨークで名手ユージン･リストによって初演され非常に高い評価を受けました。「巨大で複雑な構成、演奏にまつわる技術的な困難を不屈の推力で解決した」まさに歴史的なパフォーマンスは作曲家の評価も押し上げ、世界的な人物として広く喧伝されるに至ったのです。 ここではCedilleでおなじみのピアニスト、オソリノがこの難曲を易々と演奏。非の打ちどころのない説得力あるその音楽性をまざまざと見せつけています。

1952年、キューバ生まれのギタリスト、マヌエル・バルエコが演奏するバロックから近代までの作品集。 疾走感溢れるJ.S.バッハのリュート組曲、超絶技巧が楽しめるヴィラ＝ロボスの「練習曲」など、安定した演奏が楽しめます。

メキシコ出身の指揮者エドゥアルド・マータ（1942-1995）。同じ年のエンリケ・バティスとともに“中南米音楽のスペシャリスト”として活躍していましたが、飛行機事故により、52歳の若さで突然この世を去ってしまいました。1965年から指揮者として活動を始め、1972年に渡米。この録音は良く知られるダラス交響楽団との共演ではなく、シモン・ボリバル交響楽団との共演による演奏で、録音当時、音質の良さでも知られたアルバムです。

絶好調！ バティスの血が燃える中南米のホットなオーケストラ作品集◆ラテンの激しいリズムと魅惑的旋律による交響詩「ウアパンゴ」 ◆甘く、美しいポンセの世界的ヒットナンバー「エストレリータ」 ◆アマゾンの中、古い汽車が走る様子を音で描いた「トッカータ」 ◆ガリンドの曲は、腕は悪いが底抜けに陽気な楽団を見事に描写