Linn Records
スコットランドの音楽レーベル「リン・レコーズ」は1982年、音楽グループ「ブルー・ナイル」と、ジャズ・シンガー、キャロル・キッドのレコーディングを皮切りに立ち上がりました。クラシック、ジャズ、フォークなど幅広いジャンルにわたり、多くの個性的なアーティストの作品を、定評ある高音質録音で世に送り出しています。2010年には英国グラモフォンアワードで「レーベル・オブ・ジ・イヤー」賞を獲得しました。
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無口な詩情
~16世紀前半のヴェネツィアの音楽を集めて~ [マリアン・コンソート]発売日:2025年01月10日
CD価格:2,775円(税込)
16世紀前半、絵画と共にヨーロッパ最先端にあったヴェネツィアの音楽洗練された古楽解釈で知られる英国の声楽アンサンブルが、南西ドイツ放送(SWR)の協力を得てシュトゥットガルト州立美術館のために制作したアルバム。盛期ルネサンスのヴェネツィアを代表する画家の一人ヴィットーレ・カルパッチョ(1465頃~1525/26)を中心とする15~16世紀ヴェネツィア画派の作品を集めた企画展に合わせ、同時期のヴェネツィアで国際的に活躍した楽譜編集者オッタヴィアーノ・ペトルッチが出版を手掛けた作品を集め、当時ヴェネツィアが絵画だけでなく音楽でも比類ない充実をみせていたことを示すプログラムになっています。 カルパッチョと世代が近いトロンボンチーノやリュート奏者カピローラ、ローマ教皇庁で活躍したフェスタなどヴェネツィア内外のイタリア人作曲家たちはもとより、ジョスカンやヴィラールトなどネーデルラントの作曲家、フランスの巨匠ムートンやバルカン半島の作曲家まで、編集者ペトルッチの広い視野が捉えた才人たちの技芸の魅力を、自然な佇まいの歌を通じて精巧なポリフォニーを浮かび上がらせるマリアン・コンソートが美しく伝えます。 クリスティーナ・ウォットの妙技が味わい深いリュート作品も声楽中心の展開にアクセントを添え、声楽と器楽の関連性にも思い至らせてくれます。
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マシュー・マーティン(1976-):
ミサ曲、頌歌、モテット [マシュー・マーティン、ケンブリッジ大学ゴンヴィル・アンド・キーズ・カレッジ合唱団]発売日:2024年11月08日
CD価格:2,775円(税込)
ケンブリッジ大学ゴンヴィル・アンド・キーズ・カレッジ合唱団による、その音楽監督マシュー・マーティンの作品集。オックスフォード大学と英国王立音楽院で学んだマーティンが2004年から2022年の間に作曲した作品は、伝統的なミサやモテットから複雑な讃歌や頌歌まで様々で、世界初録音も含まれています。 彼の多様なスタイルは英国国教会とカトリックの伝統の両方を行き来し、オルガンの活躍する祝祭的な曲から、古いヨーロッパの聖歌やポリフォニーの要素を感じさせる曲まで幅広く、聴き応えのあるものです。
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シューベルト(1797-1828):
交響曲 第5番・第8番「未完成」
ロンド [マキシム・エメリャニチェフ、スコットランド室内管弦楽団]発売日:2024年11月01日
CD国内仕様 日本語解説付き価格:3,300円(税込、送料無料)
エメリャニチェフ&SCOのシューベルト第2弾に「未完成」登場!今年(2024年)創立50周年を迎えたスコットランド室内管弦楽団と、その首席指揮者マキシム・エメリャニチェフによるシューベルト。世界中で高い評価を得た前作「グレート」に続き、「未完成」と第5番という2つの人気曲を収録したアルバムが登場します。 大きな反響を呼んだ読売日本交響楽団との共演による「グレート」(2024年9月5日)の記憶も新しいところ、印象的だったそのテンポと同様今回の2曲においても快速をキープ。しかしながら表情にごつごつとしたところが無くたいへん滑らかで、ドラマ性を必要以上に強調することも避け、シューベルトならではの歌が自然と浮かび上がるたいへん美しい演奏に仕上がっています。 最後に収められた「ロンド」は、交響曲第5番と同時期(1816年)に書かれた弦楽合奏とヴァイオリンのための作品で、SCOコンサートマスターのゴンリーが伸びやかな演奏を聴かせます。
収録作曲家:
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ローマのヘンデル
初期の大規模カンタータ [ジョン・バット、ダニーデン・コンソート、ナーダス・ウィリアムズ、マシュー・トラスコット、ジョナサン・マンソン]発売日:2024年10月18日
CD価格:2,775円(税込)
ジョン・バット率いるダニーデン・コンソートによる、ヘンデル若き日の佳作集躍進めざましい英国のソプラノ歌手ナーダス・ウィリアムズを独唱に迎え、ヘンデルが若い頃ローマで書いた三つの合奏付きイタリア語カンタータを集めたアルバム。 ヘンデルのオラトリオやバッハの大作声楽曲の瑞々しい解釈で着実に注目を集めてきたジョン・バット率いるスコットランドの実力派古楽団体ダニーデン・コンソートは、今回も抜群の適性で曲にあふれる瑞々しさを引き出してやみません(編成は弦楽4/3/1/2/1にテオルボとチェンバロ、各一対のオーボエとリコーダーが適宜参加)。英米各地で話題を呼ぶナーダス・ウィリアムズも近年ヘンデル作品での名演が多い歌手。随所で抜群の存在感がきわだつその歌声で、歌詞のイタリア語の真に迫った情感表現を驚くほど生々しく音楽化し、強い求心力で聴く者を惹きつけます。 アルバム末尾にはこの時期の大作オラトリオ『時と真理の勝利』からの抜粋も収録。ハンブルクの歌劇場での活躍を経て、本場ローマの最先端をゆくA.スカルラッティの傑作カンタータ群を知っていた音楽通たちを唸らせた、若き作曲家の最初の快進撃をリアルに彷彿させる、作品愛に満ちた充実の録音に仕上がっています。
収録作曲家:
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クリスマスの季節のお楽しみ
チャイコフスキー(1840-1893):
くるみ割り人形
リスト(1811-1886):
クリスマス・ツリー より
J. シュトラウス2世(1825-1899):
美しく青きドナウ他 [デュオ・プレイエル (アレクサンドラ・ネポムニャシチャヤ、リチャード・エガー)]Piano Duo Recital: Duo Pleyel - HANDEL, G.F. / LISZT, F. / TCHAIKOVSKY, P.I. (Yuletide Treats)
発売日:2024年10月18日 NMLアルバム番号:CKD757
CD価格:2,775円(税込)
名手エガーとネポムニャシチャヤによる、リラックスしたクリスマス・アルバム鍵盤古楽器の演奏で高い評価を得てきたリチャード・エガーと、そのパートナーであるネポムニャシチャヤによるデュオ・プレイエル4枚目のアルバム。シューベルト、デュセック、J.C.バッハとモーツァルトといったレパートリーをフォルテピアノで演奏してきたこれまでのアルバムとは一味違い、歴史的ピアノ修復家でもあるクリス・マーネによる、19世紀末の楽器構造を取り入れた平行弦モダンピアノを使用した連弾によるクリスマス・アルバムとなっています。 チャイコフスキー『くるみ割り人形』をメインにリスト『クリスマス・ツリー』とヘンデル『メサイア』からの抜粋、そしてニューイヤー・コンサートの定番2曲までを収録。サービス満点の選曲に加え演奏も肩の力の抜けたたいへん楽しいもので、良き家庭人としての2人の姿を垣間見るような温かい1枚です。
収録作曲家:
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ストラヴィンスキー(1882-1971):
協奏曲「ダンバートン・オークス」
八重奏曲/七重奏曲
日本の3つの抒情詩
ラグタイム他 [バーバラ・ハンニガン、シャルロット・コーデロイ、アレクサンドラ・ヒース、王立音楽院&ジュリアード音楽院アンサンブル]STRAVINSKY, I.: Chamber Works (Royal Academy of Music Ensemble, Juilliard Ensemble, Hannigan)
発売日:2024年10月04日 NMLアルバム番号:CKD722
CD価格:2,775円(税込)
バーバラ・ハンニガンLINNに登場!
2つの名門音楽院のアンサンブルを率いたストラヴィンスキー英国の王立音楽院とアメリカのジュリアード音楽院、大西洋を挟んだ2つの名門音楽院の学生たちによるアンサンブルをバーバラ・ハンニガンが指揮し、ストラヴィンスキーの小編成作品を収録したアルバム。 「ダンバートン・オークス」や八重奏曲といった新古典主義の作品を中心に、「三大バレエ」の時期に山部赤人、源当純、紀貫之3人の和歌に作曲した「日本の3つの抒情詩」から、後期の七重奏曲までを収録。高度な演奏技術と溌溂とした表現の両立がたいへん心地よく、それぞれの作品の面白さが引き立った素晴らしいアルバムです。収録作曲家:
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ブラームス歌曲集 第2集 [サラ・コノリー、ハンノ・ミュラー=ブラッハマン、マルコム・マルティノー]
発売日:2024年08月23日
CD価格:2,775円(税込)
ブラームスの作品番号付きの全歌曲を録音するプロジェクト、第2弾歌曲におけるピアノ演奏と解釈では世界の第一人者マルコム・マルティノーによるプロジェクト「ブラームス・ソングブック」第2集。今回はイギリス出身のサラ・コノリー、ドイツのハンノ・ミュラー=ブラッハマンという、どちらも多くのアーティストから篤い信頼を得て世界中の劇場で活躍する二人が参加。ブラームスが30年に渡って書き上げた5つの歌曲集を歌い分け、巧みな表現力と深みのある美声で楽しませてくれます。
収録作曲家:
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時間は全てを打ち負かす
シューベルト(1797-1828):
弦楽四重奏曲 第4番・第13番「ロザムンデ」
パーセル(1659-1695):
パヴァーン/チャコニー/舞曲
ジョスカン・デ・プレ(1450/5-1521):
千々の悲しみ [プロティアン四重奏団]String Quartets - JOSQUIN DES PREZ / PURCELL, H. / SCHUBERT, F. (Tempus omnia vincit) (Protean Quartet)
発売日:2024年07月05日 NMLアルバム番号:CKD744
CD価格:2,775円(税込)
古楽器四重奏団なればこそ!
ルネサンスやバロックの音世界とシューベルトの交錯現代音楽開拓と古楽器演奏研究のどちらにも長い歴史をもつスイスのバーゼルで研鑽を重ねた4人の若い弦楽器奏者が、メンバーの大半の母国であるスペインで結成したプロティアン四重奏団によるシューベルトの弦楽四重奏曲集。大家サリエリの門下で作曲法を学び始めた頃の第4番と、後年の短調の傑作の一つ第13番「ロザムンデ」が選ばれていますが、注目すべきはその前後と曲間に置かれた併録曲。シューベルトと同じく30代で早世した17世紀英国の天才パーセルのコンソートや劇付随音楽、そしてさらに古いフランドル楽派最大の巨匠の一人ジョスカン・デ・プレの多声音楽を並べて弾くことで、それら全く違う時代の音楽が持つ意外な共通点が浮かび上がるのです。 シューベルト作品に生き続けるポリフォニー技法の下地もさることながら、パーセルやジョスカンの綴った音楽の意外な抒情性やドラマにもはっとさせられるのは、各声部の動きを明晰に伝えるアンサンブルの確かさに加えて音楽の起伏を脈々と伝えるプロティアン四重奏団の解釈の妙あればこそ。企画そのものの魅力を十二分に活かした演奏の見事さを、LINNならではのエンジニアリングで触感確かに味わえる1枚です。 -
私たちの金継ぎ
~管弦楽のための英国現代作品集~ [ロリー・マクドナルド、ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団、キャサリン・ブライアン、ヘンリー・クレイ]CAPPERAULD, J.: Our Gilded Veins / MacMILLAN, J.: The Death of Oscar / SUCKLING, M.: Meditation (Royal Scottish National Orchestra, Macdonald)
発売日:2024年06月21日 NMLアルバム番号:CKD713
CD価格:2,775円(税込)
弦楽合奏あるいは大管弦楽のための、スコットランドにゆかりのある現代作品群1980年代生まれの作曲家たちの作品を中心とした現代管弦楽曲集。 合唱作品を中心に日本でもファンの多いマクミランとカッパーロールド、サックリングはスコットランド出身で、作曲の傍ら絵画制作でも知られ本盤のジャケットも手がけたクラインはエディンバラ大学を出ており、マクスウェル・デイヴィスの作品(原曲は1980年に書かれたピアノ独奏曲、ここでは弦楽版で演奏)はスコットランド北部オークニー諸島の町から着想を得ているなど、レーベルとオーケストラの本拠であるスコットランドにゆかりの深い作品集になっています。 日本の伝統的な金継ぎ技術に感銘を受けて書かれたというカッパーロールドの表題作と、マクミランの「オスカーの死」、サックリングの「瞑想」は打楽器や金管も加わる大管弦楽のための作品で、他の3作は弦楽を中心とした編成のためのもの。いずれも各楽器の音色をよく活かしたモダンな響きながら前衛に寄り過ぎず聴きやすい作品で、じっくり親しんでゆきたくなる映画音楽のような起伏に富んだ曲想や、あるいは徹底して美しい音楽世界に出会うことの出来るアルバムです。
収録作曲家:
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命がけの情熱
中南米20世紀と欧州17世紀、二つの黄金時代の音楽 [ニコラス・マルロイ、エリザベス・ケニー、トビー・カー、ミュージック・フォー・ア・ホワイル]DE PASIÓN MORTAL - Songs from Two Golden Ages (Mulroy, Kenny, Carr)
発売日:2024年06月07日 NMLアルバム番号:CKD746
CD価格:2,775円(税込)
ラテン・ポップから垣間見える20世紀の動乱と、妥協なきバロック解釈の静かなる共存ジョン・エリオット・ガーディナー、ジョン・バット、ロバート・キング、ジョルディ・サヴァールなど世界の古楽器ムーヴメントを牽引する名指揮者たちに招かれソリストとして活躍してきた英国のテノール歌手ニコラス・マルロイのソロ・アルバム。しかし演目は古楽レパートリーに絞らず、キューバ、メキシコ、チリなどのポピュラー・シーンを活気づけてきた20世紀中南米のシンガーやソングライターたちの名曲を17世紀音楽と巧みに対置させる構成になっています。 マルロイの伸びやかで温もりある美声によって優美に歌い上げられることでラテンアメリカ音楽が驚くほど新鮮に響く一方、その佇まいと全く違和感なくバロック作品の妥協ない古楽解釈が共存するプログラム進行はきわめて印象的。現代ギター含め多様な撥弦楽器を弾きこなす2人の古楽器奏者、エリザベス・ケニーとトビー・カーの柔軟な対応力にも驚かされます。 キューバのシルビオ・ロドリゲスやニコ・ロハス、プエルトリコのラファエル・エルナンデス、チリのビクトル・ハラなど、母国の情勢に抗い命がけの活動を続けた音楽家たちの曲と相俟って、パーセルやモンテヴェルディの書法に潜む時代に先駆けた斬新さにも改めて気づかされることでしょう。穏やかでありつつ豊かな語りに満ちた歌を通じ、20世紀を通じてカウンターカルチャー的に発展してきた古楽と、時代の激動から生まれたラテンポップとの思わぬ相性も実感できる1枚です。
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レイチェル・バプティスト
アイルランドの黒いセイレーン
~バロックのさまざまなアリアを集めて~ [レイチェル・レドモンド、ピーター・ウィーラン、アイリッシュ・バロック・オーケストラ]Vocal and Orchestral Music (18th Century) - GEMINIANI, F. / HANDEL, G.F. / PASQUALI, N. (Rachel Baptist) (Redmond, Irish Baroque Orchestra, Whelan)
発売日:2024年05月24日 NMLアルバム番号:CKD740
CD価格:2,775円(税込)
英音楽史に輝く18世紀のアフリカ系歌手を軸に据えた意欲的プログラムヘンデルが圧倒的名声を轟かせていた18世紀中盤の英国諸島にあって、ダブリンを拠点に活躍した女声歌手レイチェル・バプティスト。アフリカにルーツを持つ彼女は、英国の白人社会では人目を引いた外見のインパクトに全く負けない美声と傑出した歌唱力で高い評価を保ち、人心惑わす歌声で知られた古代神話の水の精になぞらえた「黒いセイレーン」の綽名で人気を博しました(本盤ジャケットの肖像は同時代に描かれたモデル不明の作品)。キルケニーやリメリックなどアイルランド各地はもちろん、ロンドンやバースなど英国屈指の音楽拠点でも絶賛されています。 グラスゴー出身のスコットランド人歌手レイチェル・レドモンドはこの歌手の活動を軸に、ヘンデルのアリアほかバプティストの当たり役や当時のダブリンにゆかりのある作品を集め、LINN RECORDSに名盤の多いアイリッシュ・バロック・オーケストラと共に充実したプログラムを構成。明瞭にしてメリハリの利いた確かな歌声で往年の「黒いセイレーン」の活躍ぶりを思い起こさせてくれます。 あふれんばかりの自発性を高雅な一体感へ昇華させてこれに応える器楽勢も見事なもの(ソリストとしても幅広い活躍をみせるホルンのアンネケ・スコットも楽団の一員としてクレジットされています)。現代欧州の古楽シーンの活況がそのまま18世紀音楽の生々しい再現に繋がる好企画盤です。
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kuniko plays reich II
加藤訓子(マリンバ、ヴィブラフォン、オルガン、マラカス - 多重録音) [加藤訓子]KUNIKO PLAYS REICH II (Kuniko Kato)
発売日:2024年04月26日 NMLアルバム番号:CKD712
SACD-Hybrid日本語解説付き価格:3,000円(税込、送料無料)
加藤訓子、多重録音によるライヒ作品集第3弾!2011年にリリースされたLINNからのデビュー・アルバム「kuniko plays reich」から約13年。2018年には「Drumming」のリリースもあった加藤訓子による、ライヒ作品を集めた3枚目のアルバムが登場。 今回は電子オルガンの演奏のほか、ヴィブラフォンによる「ピアノ・フェイズ」、鍵盤打楽器のためのオリジナル作品などを多重録音で収録。LINN RECORDSのフィリップ・ホッブス監修の下、寒河江ゆうじによる録音とミキシングに、CHANNEL CLASSICS創立者ジャレッド・サックスがマスタリングを行った高音質録音を生かす、SACDハイブリッド盤での発売です。
収録作曲家:
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王様のプレイリスト
ルイ14世の宮廷音楽 [アンサンブル・モリエール]King's Playlist (The) - CAMBEFORT, J. de / CHARPENTIER, M.-A. / COUPERIN, F. / LULLY, J.-B. / MARAIS, M. (Ensemble Molière)
発売日:2024年03月22日 NMLアルバム番号:CKD738
CD価格:2,775円(税込)
英国の新世代アンサンブルが奏でる、太陽王の宮廷の一日2021年、英国のBBC Radio 3とロンドン王立音楽大学(RCM)が共同推薦するニュー・ジェネレーション・バロック・アンサンブルの輝かしき初代団体に選ばれたアンサンブル・モリエールによる、トリオ・ソナタ編成でルイ14世お気に入りの作曲家たちの名作を辿るアルバム。ヴェルサイユの各所に楽隊を配し、朝から晩まで音楽漬けで政務を続けた王の一日を辿るかのように、序曲から室内楽、正餐時のBGM、宮廷劇場の音楽、そして就寝時の音楽へと続くプログラムで構成されています。 ルイ14世に最も愛された作曲家リュリはもちろん、その歿後に王室関係者のため音楽を綴り続けたシャルパンティエ、王室鍵盤教師も務めたクープラン、王室におけるリュリの実質的後継者ド・ラランド、そしてルイ14世の中央集権が決定的になった頃に王自らが太陽の寓意像を演じた《王の夜の舞踏劇》を経て、就寝時に奏でられたというマレ初期の傑作曲集に収束するその展開は、バロック・ファンならずともつい先へ、先へ……と聴き続けてしまうに違いありません。 ロンドンを拠点に活躍するチェンバロ奏者サトコ・ドイ=ラック(土井聡子)の手で声楽曲や管弦楽曲が室内楽編成に凝縮された巧みなアレンジも聴きどころ。バロック・バスーンの参加で室内楽的な親密さにオーケストラ風の広がりも加わり、フランス・バロック特有の高雅さを多彩な響きの中で楽しめる1枚です。
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メンデルスゾーン(フェルディナント・ダヴィット編):
無言歌集 ~ヴァイオリンとピアノのための [ミヒャエル・バレンボイム、ナタリア・ペガルコヴァ=バレンボイム]MENDELSSOHN, Felix: Lieder ohne Worte (arr. F. David) (M. Barenboim, Pegarkova-Barenboim)
発売日:2024年03月08日 NMLアルバム番号:CKD696
CD価格:2,775円(税込)
メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲初演者ダヴィットによる、無言歌編曲版フェリックス・メンデルスゾーンの幼馴染みで、彼が若くして亡くなるまで親交を結んだ名ヴァイオリニスト、作曲家フェルディナント・ダヴィット。かのヴァイオリン協奏曲ホ短調の初演者であるばかりでなく、交響曲からオペラ、トロンボーン小協奏曲まで幅広い作品を残した作曲家、著名な楽譜校訂者でもある彼が、メンデルスゾーンの歿後23年の頃に出版したヴァイオリンとピアノのための編曲版「無言歌集」。 メンデルスゾーン家とは家族ぐるみの付き合いであったとされるダヴィットだけに、ファニーとフェリックスのライフ・ワークと言える「無言歌」への思い入れはかなり強かったと思われますが、ここで彼は出版の約2年前に世に出たばかりだった第8集を除き、それぞれ6曲ずつの7つの曲集からヴァイオリン向きと思われる作品を抜粋してアレンジしています。いずれも原曲の美しく親しみやすいメロディの生きた、ヴァイオリンのための愛らしい小品に生まれ変わりました。 今回ヴァイオリンを担当するのは、ウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団などで活躍し、LINNからはこれが2枚目のアルバムとなるミヒャエル・バレンボイム。ピアノを務めるのはプライベートでもパートナーであるナタリア・ペガルコヴァ=バレンボイムで、息の合ったパフォーマンスで作品の素晴らしさを引き立てています。
収録作曲家:
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ゴットリープ・ムッファト(1690-1770):
鍵盤のための組曲集 [アレクサンドラ・ネポムニャシチャヤ]MUFFAT, G.: Componimenti musicali per il cembalo (Nepomnyashchaya)
発売日:2024年03月08日 NMLアルバム番号:CKD739
CD 2枚組価格:4,650円(税込、送料無料)
「ウィーン古典派前夜」を生きた後期バロックの大家の代表作コレッリと同い年だったゲオルク・ムッファトの息子で、オーストリア皇室の信頼を得て長く活躍した鍵盤奏者ゴットリープ・ムッファトの代表的組曲集の全曲録音。 1704年に父ゲオルクが亡くなった後、対位法の大家フックスが楽長を務めるウィーンの皇室楽隊に1711年から歌手として参加したゴットリープは、1717年に第3オルガニストに就任したのを皮切りに、カール6世の宮廷で皇室の子女の音楽教師としても活躍。皇位後継者となったマリア・テレジアのもと1741年に首席オルガニストとなり、高齢で演奏が困難になった後も年金を受けられる立場を保持できたほど深い崇敬を集めました。 1739年に出版された鍵盤曲集に収められた7つの組曲全てを収録したこのアルバムでは、リチャード・エガーのパートナーでもある俊才アレクサンドラ・ネポムニャシチャヤの解釈で、同時期に発表されたバッハの『6つのパルティータ』などにも比しうる聴きごたえある音楽を満喫できます。バッハの組曲群と同じく冒頭をフランス風序曲やファンタジアなど充実した楽章で飾り、その後にチェンバロの特性が映える煌びやかな和声や繊細な多声書法が続く舞曲群が続く構成の音楽は、名工カッツマンによる精巧な再現楽器の美音でひときわ見事に響き、作品の魅力を探る面白さを深く味わわせてやみません。
収録作曲家:
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錬金術師
多声楽曲をモデルとしたマニフィカト集 第1集
マドリガーレに基づくマニフィカト集 [フィリップ・ケイヴ、マニフィカト]LASSUS, O.: Alchemist (The), Vol. 1 (Magnificat, Cave)
発売日:2024年02月23日 NMLアルバム番号:CKD660
CD 2枚組価格:4,650円(税込、送料無料)
16世紀最大級の巨匠ラッススの多芸さがきわだつ選曲と演奏の妙イタリアのパレストリーナと共に16世紀を代表する作曲家オルランドゥス・ラッスス。多声音楽の名匠を数多く輩出したスペイン領ネーデルラント(現在のベルギー)で生まれ、ミュンヘンのバイエルン選帝侯宮廷に長く仕えながらイタリアでも活躍、多岐にわたる作曲活動を通じて国際的な名声を誇ったこの巨匠が残した膨大な作品のうち、重要な部分を占めるのが教会音楽です。そこには救世主の懐胎を喜ぶ聖母マリアの讃歌=マニフィカトが実に100曲以上も含まれ、それらを追ってゆくだけでもラッススの作曲手法の多様さに驚かずにおれません。 ルネサンス音楽に精通する英国の才人フィリップ・ケイヴ率いるマニフィカトは、団体名の由来でもあるこの讃歌形式を通じてラッススが示したルネサンス・ポリフォニーの至芸を系統的に紹介する録音シリーズを開始。多くの場合グレゴリオ聖歌の旋律を元に作られた当時の多声教会音楽の世界にあって、ここに紹介されるラッススの作品群はあえて聖歌旋律ではなく、往年の大家や同時代人たちのポリフォニー楽曲を下敷きにして書かれています。 第1弾となる当盤に集められたのは、非宗教的なマドリガーレを元にしたもの。それぞれの曲でラッススが参照したヴェルドロ、デ・ローレ、モラレスら先人たちによる関連曲も突き止め、合わせて収録することで作品理解がより深まるプログラム構成になっています。女声歌手2人を含む10人からなるアンサンブルが織りなす緻密にして静謐な演奏解釈は、個々の作品に秘められていた雄弁な音楽力を十全に引き出しながら、汲めど尽きせぬラッススならではの多声技法を他の作曲家たちのそれと比べて知る面白さを堪能させてくれます。 ポリフォニー歌唱の本場たる英国から届いた充実の2枚組、じっくりお楽しみください。
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イタリア組曲
ヴィヴァルディ、ソッリマ、ストラヴィンスキー [ヨニアン・イリアス・カデシャ、チャーツ・チェンバー・アーティスツ]Violin Recital: Kadesha, Jonian Ilias - VIVALDI, A. / SOLLIMA, G. / STRAVINSKY, I. (Suite italienne)
発売日:2024年02月09日 NMLアルバム番号:CKD742
CD価格:2,775円(税込)
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フラットでシャープなコンソート
マシュー・ロック(1621/23頃-1677):
ヴァイオル合奏曲集 [ファンタズム]LOCKE, M.: Consort Music (Consorts Flat and Sharp) (Phantasm)
発売日:2024年01月26日 NMLアルバム番号:CKD737
CD価格:2,475円(税込)
バロックへ舵を切る転機の英国音楽。
魅力的な多声語法をファンタズムの名演で「英国のオルフェウス」と呼ばれた大家パーセルが現れる前、17世紀中盤の英国楽壇で大きな活躍をみせたマシュー・ロックによる過渡期ならではの室内楽曲を集めたアルバム。1640年代の清教徒革命による文化活動への妨害によって、他の地域のように通奏低音を使ったイタリア・バロック流の音楽の導入が大きく遅れたイングランドでしたが、1660年の王政復古はその流れを大きく変え、ルイ14世を頼って亡命していた新王チャールズ2世によるフランス音楽推進のかたわら最新のイタリア音楽にも注目が集まります。 その活況を準備したのは1650年代以来、共和政時代の文化抑圧を尻目に大陸の音楽をじっくり学んでいた新世代の作曲家たちで、1620年代初頭生まれのロックもまさにその一人でした。ルネサンス期以来この国で愛されてきたヴァイオル(ヴィオラ・ダ・ガンバ)を使いながら、声部の数を3パートに絞り軽快な曲構造で仕上げられた一連のコンソート作品は、英国古来のポリフォニー偏愛を垣間見せながら新しいトリオ・ソナタ流儀への志向を如実に感じさせる、まさに美意識の転換点を飾る名品揃い。フラット系の調の曲を多く含むところから「フラット・コンソート」と呼ばれるようになった曲集からの作品をアクセントに、1656年にまとめられた『小さなコンソート集』からの名品を多数収録。 宮廷舞踏のリズムと英国音楽特有の高雅な浮遊感が同居する作品の魅力を、コンソート音楽に通暁した英国屈指のアンサンブル、ファンタズムのシャープな名演でじっくりお楽しみください。収録作曲家:
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トランペットによるヘンデル
協奏曲とアリアによるトランペットのための再構成 [ジョナサン・フリーマン=アットウッド、アンナ・シャウツカ、トム・フリーマン=アットウッド]HANDEL FOR TRUMPET (J. and T. Freeman-Attwood, Szałucka)
発売日:2024年01月12日 NMLアルバム番号:CKD736
CD価格:2,475円(税込)
ヴァイオリンのレイチェル・ポッジャーなどを手掛けた名音楽プロデューサーであり、2008年から英国王立音楽院の学長も務めるトランペット奏者フリーマン=アットウッドによる、トランペットとピアノのためのレパートリー集。 今回は自身とティモシー・ジョーンズの編曲によるヘンデルの作品集。中でも協奏曲から編曲された4つのソナタに注目です。ヘンデルの輝かしい作品をトランペットの音色が引き立てる魅力的なアレンジとなっています。
収録作曲家:
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ブラームス(1833-1897):
ピアノ協奏曲 第1番・第2番 [シモン・トルプチェスキ、クリスティアン・マチェラル、ケルンWDR交響楽団]BRAHMS, J.: Piano Concertos Nos. 1 and 2 (Trpčeski, West German Radio Symphony, Măcelaru)
発売日:2023年11月24日 NMLアルバム番号:CKD732
CD 2枚組価格:3,975円(税込、送料無料)
1979年マケドニア生まれのピアニスト、トルプチェスキのLINN第4弾は、ブラームスの大作協奏曲を全2曲収録した意欲作です。 彼持ち前の力強さを兼ね揃えた高いテクニックがいかんなく発揮され、作曲家の若き日に書かれた第1番での深く情熱的なアプローチや、充実期に書かれた第2番でのリリカルな歌心とダイナミックな表現が見事。マチェラルもWDR響を雄大に鳴らし、巨大な協奏曲の中でソリストをしっかりと支えています。
収録作曲家:
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エロス
ブリッジ、グライム、エレート、ヒナステラ [ミスラス三重奏団]発売日:2023年11月24日 NMLアルバム番号:CKD733
CD価格:2,475円(税込)
2017年、ギルドホール音楽演劇学校の学生によって結成されたミスラス三重奏団。2019年にトロンヘイム国際室内楽コンクールで優勝し、2021年から2023年のBBCラジオ3のニュー・ジェネレーション・アーティストにも選出され、今最も目が離せない若手ピアノ・トリオの1つと言われる彼らのデビュー・アルバムです。 ギリシャ神話の愛の神エロスをテーマに、スコットランドの女性作曲家ヘレン・グライムによる静寂と弾けるようなフレーズが交錯する作品、ロマンティックな曲想に贅沢に浸るブリッジの作品、ハイドンとバルトーク後のハンガリー民族音楽を融合させ、フランス印象派にジャズの要素も盛り込まれたエレートの作品などが収められています。 ラストには、ヒナステラによる乙女の優雅な舞踏を表現した作品をアンコールのように収録。どの作品にも前のめりに没頭していくような、積極性の高い表現が大きな魅力です。
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メンデルスゾーン(1809-1847):
交響曲 第3番 「スコットランド」
交響曲 第5番 「宗教改革」 [マキシム・エメリャニチェフ、スコットランド室内管弦楽団]MENDELSSOHN, Felix: Symphonies Nos. 3 and 5 (Scottish Chamber Orchestra, Emelyanychev)
発売日:2023年11月10日 NMLアルバム番号:CKD667
CD国内仕様 日本語解説付き価格:3,300円(税込、送料無料)
スコットランド室内管創立50周年、
エメリャニチェフとの「スコットランド」「宗教改革」スコットランド室内管弦楽団と首席指揮者マキシム・エメリャニチェフにより、その就任前に録音されたシューベルト「グレート」(NYCX-10112/CKD619)は、「同曲の最もスリリングな演奏」(BBCマガジン)など各所で絶賛されました。 2024年1月に迎える楽団創立50周年を記念すべく今回録音されたのは、メンデルスゾーンがスコットランドを旅行中その自然に触発されて構想してから10年以上、彼の一生の半分近い歳月をかけて手を加えられ、生涯最後に完成させた交響曲となった第3番「スコットランド」。そして、若きメンデルスゾーンが試作的な第1番に続いて2つ目の交響曲として完成させた、ルター派のコラール「神はわがやぐら」を引用する第5番「宗教改革」を併せて収録しています。どちらの作品でもヴィブラートを抑えた少人数の弦の透明感が印象的。「スコットランド」は各パートをよく鳴らし、メロディの歌謡的な美しさのみならず、オーケストレーションの面白さも前面に出す快演となっています。 「宗教改革」も力強くオーケストラを歌わせ、エコーのような効果も心地よく生かしつつメロディを伸びやかに表現し、この作品の素晴らしさを十二分に発揮。なお古楽鍵盤奏者としてピリオド奏法に造詣の深いエメリャニチェフらしく、第4楽章では本来の指定通りにセルパンを使用しています。収録作曲家:
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A Winged Woman
現代英国の合唱作品 [マリアン・コンソート、ローリー・マクリーリー]Vocal Ensemble Concert: Marian Consort - COOKE, P. / HOWARD, D. / KNIBBS, C. / PERIVOLARIS, E. (A Winged Woman)
発売日:2023年10月20日 NMLアルバム番号:CKD724
CD価格:2,475円(税込)
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アフリカン・アメリカン・ヴォイス II
アフリカ系アメリカ人作曲家の管弦楽作品集2 [ケレン・グレイ、ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団]African American Voices II - BONDS, M.A. / KAY, U. / PERKINSON, C.-T. (Royal Scottish National Orchestra, K. Gray)
発売日:2023年10月20日 NMLアルバム番号:CKD731
CD価格:2,475円(税込)
サウスカロライナ出身のアフリカ系アメリカ人指揮者ケレン・グレイが祖国の先人たちの作品を、彼がアシスタント指揮者を務めるロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管と共に深い共感を持って描きあげるアルバムの第2弾。 詩人ラングストン・ヒューズとの交流でも知られるマーガレット・ボンズによる、ゴスペル「I Want Jesus to Walk with Me」を元にジャズのイディオムも導入して書かれた「モンゴメリー変奏曲」は、唯一残る彼女の純粋な管弦楽作品。7つの楽章がそれぞれ公民権運動の出来事に結び付けられており、モンゴメリー・バス・ボイコット運動の先頭に立ったマーチン・ルーサー・キング牧師に捧げられています。 ウィリアム・グラント・スティルに認められ、パウル・ヒンデミットの教えを受けたユリシーズ・ケイによる「管弦楽のための協奏曲」は、各楽器の独奏よりも弦、木管、金管といったセクションの対比が特徴的な新古典主義の作品。 英国のアフリカ系作曲家サミュエル・コールリッジ=テイラーにちなんでその名が付けられたコールリッジ=テイラー・パーキンソンは映画音楽やポップスでも知られますが、ここに収められた「Worship(崇拝、あるいは礼拝)」はバロック的な対位法、ブルース、ゴスペルなどの要素、讃美歌「Praise God From Whom All Blessings Flow」のメロディなども用いて、聖なる信仰と通俗の融合が試みられた作品です。
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モーツァルト(1756-1791):
ミサ曲 ハ短調 (ケンメ補筆版)
C.P.E.バッハ(1714-1788):
聖なるかな、万軍の主なる神 [ジョン・バット、ダニーデン・コンソート]MOZART, W.A.: Mass No. 18, "Great" (reconstructed by C. Kemme) / BACH, C.P.E.: Heilig (Dunedin Consort, Butt)
発売日:2023年10月06日 NMLアルバム番号:CKD721
CD国内仕様 日本語解説付き価格:3,520円(税込、送料無料)
ダニーデン・コンソートとジョン・バットが描く、
校訂・補筆を経たモーツァルト未完の傑作18世紀当時のモデルの楽器と演奏様式を徹底追求、バッハやヘンデルの大作声楽曲などでユニークな演奏解釈を送り出してきたダニーデン・コンソートが、古典派の未完大作を録音、同じく二重合唱を活かしたC.P.E.バッハ晩年の充実作と共に一つのアルバムにまとめました。モーツァルトが結婚式を挙げるためザルツブルクに一時帰郷した1783年に作曲したものの未完に終わったハ短調ミサ曲K. 427は、20世紀以降ランドン(1956)、バイヤー(1989)、モンダー(1990)、レヴィン(2005)など数々の音楽学者により校訂・補筆がなされましたが、ここではブライトコップフ&ヘルテル社から2018年に刊行されたオランダの音楽学者クレメンス・ケンメによる補筆が採用されています。 ケンメの補筆校訂は2012年に録音されたペーター・ダイクストラ指揮の録音でも話題になりましたが、先行録音はあるものの、コンパクトな編成で楽譜の特徴をよく伝えるダニーデン・コンソートの解釈は、2023年8月6日のBBCプロムスでも演奏、放送もされ大きな反響を呼びました。 同日のプログラム前半でも演奏されたC.P.E.バッハ晩年の合唱曲「聖なるかな」は、ミサのサンクトゥスの章をラテン語ではなくドイツ語で、出典である新約聖書の羊飼いへのお告げの場面を生々しく描写するよう仕上げた音楽。こちらも短いながら金管・打楽器が二重合唱を効果的に盛り上げ、声楽・器楽パートの精妙な解釈と相俟ってC.P.E.バッハ特有の書法が大いに迫力を発揮します。 両作曲家の異同にも気づかされる刺激的な新録音です。 -
若き日の夢
サクソフォン四重奏によるバッハからヴィトマンまで [ケビヤール]Chamber Music (Saxophone) - WIDMANN, J. / MENDELSSOHN, Felix / MENDELSSOHN-HENSEL, Fanny/ BACH, J.S. (Traum der Jugend)
発売日:2023年10月06日 NMLアルバム番号:CKD719
CD価格:2,475円(税込)
バルセロナのサクソフォン四重奏団ケビヤールのLINN RECORDS第2弾。ヴィトマンへの委嘱作品とお気に入りの作曲家メンデルスゾーン、そしてメンデルスゾーンのインスピレーションの源ともいえるバッハを組み合わせ、ファニー・メンデルスゾーンに敬意を表して終わるという、若きメンバーたちにとって夢のようなプログラムとのことです。 4本のサクソフォンによる多彩な表現にぐいぐいと引き込まれる、たいへん楽しく美しい一枚。
収録作曲家:
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エルガー(1857-1934):
ヴァイオリン協奏曲
ブリテン(1913-1976):
4つの海の間奏曲 [ミヒャエル・バレンボイム、アレッサンドロ・クルデーレ、フィルハーモニア管弦楽団]BRITTEN, B.: Peter Grimes: 4 Sea Interludes / ELGAR, E.: Violin Concerto, Op. 61 (M. Barenboim, Philharmonia Orchestra, Crudele)
発売日:2023年09月29日 NMLアルバム番号:CKD729
CD価格:2,475円(税込)
クルデーレのLINN第2弾は、ミヒャエル・バレンボイムとの共演レスピーギ作品によるLINNデビュー盤が好評をもって迎えられたアレッサンドロ・クルデーレ。第2弾となる今回はフィルハーモニア管弦楽団を指揮して2つの対照的なイギリスの作品を収録しました。 ブリテンの「4つの海の間奏曲」ではオーケストラを隅々までコントロールし、モダンな響きと多彩な曲想を見透し良くスタイリッシュに描いています。 抒情的な曲想で一貫されるエルガーの協奏曲では、ウェスト=イースタン・ディヴィアン管弦楽団などで活躍するミヒャエル・バレンボイムが登場。その高い技術力に裏打ちされた、父ダニエル・バレンボイム譲りのリリカルな表現を存分に聴かせており、クルデーレの伸びやかなサポートも光っています。
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J.S.バッハ(1685-1750)/
エーラー(1980-)(リイマジンド):
パルティータ
第1番・第2番・第5番 (室内管弦楽版)他 [トレヴァー・ピノック、ロイヤル・アカデミー・オブ・ミュージック・ソロイスツ・アンサンブル ほか]BACH, J.S.: Partitas, BWV 825, 826, 829, 830 (arr. T. Oehler) (Royal Academy of Music Soloists Ensemble, Glenn Gould School, Pinnock)
発売日:2023年09月22日 NMLアルバム番号:CKD730
CD国内仕様 解説日本語訳付き価格:3,300円(税込、送料無料)
ピノックが”振る” 『パルティータ』室内管弦楽版ユゼフ・コフレル編曲「ゴルトベルク変奏曲」が大きな話題となったトレヴァー・ピノックとロイヤル・アカデミー・オブ・ミュージック・ソロイスツ・アンサンブルによる、バッハの鍵盤楽器のための名作を室内管弦楽で演奏する企画第2弾。今回は同様の編成による新しい編曲をロイヤル・アカデミー出身の作曲家トーマス・エーラーに依頼しました。 コフレルの編曲のような親しみやすさと、それとは異なるアプローチを目指すエーラーが6曲のパルティータから選んだのは1番、2番、5番、そして6番からコレンテで、編成は弦(4/4/3/3/1)、フルート、オーボエ、コーラングレ、ファゴットが各1というもの。編曲よりも一歩踏み込んだ「リイマジンド(再想像)」という作業を経て生み出された作品は、バッハの書いた音型のみを使いながら様々な楽器がフレーズを受け継いで声部の動きを鮮やかな色彩感で表現しており、さらに和声を厚く印象的に響かせることで、バッハの鍵盤作品の最高峰という完成度を保ちながら、ロマン派を思わせる超時代的な美しさを纏わせることに成功しています。 最後にはエーラーのオリジナル作品「光の小川」を収録。ドイツ語のBach(小川)に掛けたタイトルのこの作品は、パルティータの回想もかすかに姿を現しつつ、バッハの音楽が人々の魂を照らし出すイメージを表現しているということです。見通しの良い録音も相まって、たいへん爽やかなアルバムに仕上がっています。
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ブラームス(1833-1897):
マゲローネのロマンス
雨の歌 [トーマス・オリーマンス、マルコム・マルティノー]BRAHMS, J.: Brahms Songbook, Vol. 1 (Oliemans, Martineau)
発売日:2023年08月25日 NMLアルバム番号:CKD693
CD価格:2,475円(税込)
ブラームスの作品番号付きの全歌曲を録音するプロジェクト、第1弾歌曲におけるピアノ演奏と解釈では世界の第一人者マルコム・マルティノーによるプロジェクト「ブラームス・ソングブック」が始動! 第1弾には、オランダのバリトン歌手オリーマンスと組んだ「マゲローネによるロマンス」を収録。ブラームスが二十代の終わりに書き始めた連作歌曲を、若々しくドラマティックに歌い上げています。 余白には作品59の歌曲集より、ブラームスとは親しく付き合いがあったと伝わるグロートの詩による4曲を収録。「雨の歌」はその旋律を引用したヴァイオリン・ソナタ第1番が有名ですが、歌曲の方は録音が多いと言えず、同じ旋律が用いられる「余韻」と共に嬉しいおまけと言えるでしょう。
収録作曲家:
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カール・シュターミッツ(1745-1801):
フルート、ヴァイオリンとチェロのための
6つの三重奏曲 Op.14 [ラポテオーズ]STAMITZ, C.: Flute Trios, Op. 14 (L'Apothéose)
発売日:2023年07月07日 NMLアルバム番号:CKD684
CD価格:2,475円(税込)
盛期古典派の重要作曲家C.シュターミッツの味わい豊かな室内楽を、古楽器で!バロック後期とウィーン古典派の間にあって、ドイツ語圏の器楽の発展に大きく貢献したマンハイム楽派の中心人物ヨハン・シュターミッツを父に持ち、自身ヴァイオリンやヴィオラ・ダモーレの名手としても活躍しながらヨーロッパ各地を渡り名声を博したカール・シュターミッツ。ボッケリーニやチマローザと同世代のこの実力派が、高まる名声を英国やオランダに伸ばそうとしていた時期にロンドンで出版された作品14の三重奏曲集を、ここではチェンバロ入りの編成による古楽器演奏で全曲堪能できます。 元の楽譜はフルート、ヴァイオリン、チェロ(または2つのヴァイオリンとチェロ)で演奏するようにできており低音部に数字は付されていませんが、鍵盤楽器は英国やオランダの音楽愛好家たちも好んで使った楽器で、当時の絵にもチェンバロを加えて室内楽に興じる人々の姿が頻繁に描かれています。 チェンバロを通奏低音楽器として加えることによりアンサンブルは煌びやかで安定感が生まれ、チェロがソロとして立ち回る場面もより効果的に聴こえるのが頼もしいところ。現代楽器では伝わりにくい音色対比や響きの溶けあいが作品の魅力を一段と引き立て、スペインの古楽器奏者たちによる巧みな演奏と相俟って、カール・シュターミッツの他の作品も改めて聴いてみたくなる面白さが秘められた1枚になっています。
収録作曲家:
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フローリアン・ベッシュ(バリトン)
シューマン(1810-1856):
詩人の恋/12の詩 [フローリアン・ベッシュ、マルコム・マルティノー]SCHUMANN, R.: Dichterliebe, Op. 48 / 12 Gedichte, Op. 35 (Boesch, Martineau)
発売日:2023年06月23日 NMLアルバム番号:CKD695
CD価格:2,475円(税込)
名歌手フローリアン・ベッシュが歌い上げる『詩人の恋』LINNからの前作「シューマン: リーダークライス/マーラー: さすらう若者の歌」(CKD511)が、2019年BBCミュージック・マガジン・アウォードのヴォーカル部門を制したフローリアン・ベッシュとマルコム・マルティノーのコンビによる、「詩人の恋」が登場。ベッシュは作品に込められた愛と喪失を深い味わいで歌い上げ、寄り添うようなマルティノーのピアノは歌とほぼ同等の立場で歌詞を補完し、さらに新たな景色を広げています。 カップリングは歌われる機会の多くはないユティヌス・ケルナーの詩による12の歌曲で、「詩人の恋」と好対照をなす多彩な世界観を楽しませてくれます。
収録作曲家:
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ニュー・カレッジの委嘱作品と初演作品 [オックスフォード・ニュー・カレッジ合唱団、ロバート・クィニー]
Choral Concert: Oxford New College Choir - DRAYTON, P. / HARRIS, W.H. / HARRISON, C. / HOWELLS, H. (New College: Commissions and Premieres)
発売日:2023年06月23日 NMLアルバム番号:CKD720
CD価格:2,475円(税込)
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ヘンデル(1685-1759):
《セルセ》HWV 40 [エミリー・ダンジェロ、ポーラ・マリヒー、ダニエラ・マック、ルーシー・クロウ、ハリー・ビケット、イングリッシュ・コンサート ほか]HANDEL, G.F.: Serse (Xerxes), HWV 40 [Opera] (D'Angelo, Crowe, Bevan, Murrihy, English Concert, Bicket)
発売日:2023年06月09日 NMLアルバム番号:CKD709
CD 3枚組価格:3,975円(税込、送料無料)
本場英国の最前線から、
エミリー・ダンジェロが歌う「オンブラ・マイ・フ」に始まる痛快名演!1738年4月15日、かつてはロンドン興行界を席巻したものの、当時は苦境に立たされていたヘンデルが披露したオペラ《セルセ》は、真面目な筋に滑稽な場面が挿入されるなど当時の英国人たちには理解しにくい内容で、初演は手ひどい失敗に終わりました。しかしその約2世紀後、1924年に蘇演された折から熱狂と共に迎えられるようになり、全曲録音も折々リリースされています。 意外なことに本場英国での古楽器録音は少なく、このたび大本命ともいえるハリー・ビケット指揮イングリッシュ・コンサートによる新録音が登場。初演時にカストラートのカッファレッリが演じた表題役には女声を充てていますが、演じるのはなんとDeutsche Grammophonからのユニークなソロ・アルバムで注目されたエミリー・ダンジェロ! 冒頭の「懐かしき木蔭(オンブラ・マイ・フ)」から強い求心力で音楽に引き込まれます。 全体の劇的起伏を捉えながら精妙・丁寧にドラマを紡いでゆくビケットの解釈は流石というほかなく、3枚組のそこかしこに聴きどころが満載! ルーシー・クロウやポーラ・マリヒーら他にも個性派・実力派が揃うソリストたちの鮮やかな歌唱を、新世代プレイヤー続々の古楽器オーケストラが熱をはらんだ気品ある演奏で支えます(通奏低音のテオルボ2挺が良い味わい)。 20世紀末以来の英国古楽器演奏のスタイルに馴染んだ耳にも、また新時代のバロック・オペラ演奏の刺激を愛する耳にも魅力的に響く新録音と言ってよいでしょう。収録作曲家:
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ハンガリー人のチャールズ氏
~18世紀のダブリンにおけるヘンデルの好敵手~
ヘンデル(1685-1759):
水上の音楽(抜粋)ほか [ピーター・ウィラン、アイリッシュ・バロック・オーケストラ]MR CHARLES THE HUNGARIAN - Handel's Rival in Dublin (Irish Baroque Orchestra, Whelan)
発売日:2023年06月09日 NMLアルバム番号:CKD718
CD価格:2,475円(税込)
謎多き音楽家をテーマに織り上げられる後期バロック音絵巻、
アンネケ・スコットの超絶ナチュラル・ホルンにも注目!1742年、ヘンデルが『メサイア』初演のためアイルランドのダブリンを訪れた際に行われた演奏会の記録をもとに、そこで複数の管楽器を使って名演を聴かせた謎の音楽家「チャールズ氏」の存在を解き明かしながら、当時の音楽会プログラムを再現したアルバム。近年躍進めざましいアイリッシュ・バロック・オーケストラならではの上質な演奏で、有名・無名を問わずさまざまな作曲家が手掛けた作品に触れられるのが魅力。 「チャールズ氏」と英語名で記録されている人物は記録でこそ「ハンガリー人」と説明されているものの、その正体はおそらく英国王室音楽家協会に名前のあったチャールズ〔またはカルロ〕・ヴァーンバーグCharles Vernbergではないかと推察されており、ナチュラル・ホルンを闊達に吹きこなしただけでなく、オーボエ・ダモーレや当時まだ珍しかったクラリネット、あるいはその前身楽器シャリュモーなどを巧みに演奏したとのこと。 現代古楽シーンでこれらの楽器の演奏を通じ注目されてきたアンネケ・スコットやニコラ・ボウドといった名手たちが、古楽器ならではの味わいをよく生かした細やかなアンサンブルを展開。ヘンデルが挑まねばならなかった同時代のライヴァルたちの技量をよく際立たせたトラックの数々をじっくりお楽しみください。 -
フィリップス(1560/61-1628)&
デリング(1580頃-1630):
ラテン語によるモテット集 [ケンブリッジ・ゴンヴィル・アンド・キーズ・カレッジ合唱団、イン・エコー、マシュー・マーティン]Choral Concert: Gonville and Caius College Choir - PHILIPS, P. / DERING, R. (Motets)
発売日:2023年05月12日 NMLアルバム番号:CKD717
CD価格:2,475円(税込)
大陸に渡ったカトリック英国人作曲家たちの至芸16世紀のエリザベス1世治世下での音楽文化発展を受け、さらにイタリア音楽などの影響も受けつつ独自の深まりをみせた17世紀初頭の英国音楽。ここでは英国国教会のもと前世紀以来抑圧されてきたカトリック信仰を守り、海を渡ってスペイン領ネーデルラントで活躍をみせた2人の英国人作曲家たちによるラテン語モテットの数々が集められています。 ピーター・フィリップスはダウランドやモーリーと同世代の1560年頃の生まれ、デリングはその20年ほど年下でギボンズやイタリアのフレスコバルディと同世代。独唱主体ではないルネサンス風の多声様式をベースにコンチェルト様式をほどよく取り入れた作風の魅力を、さまざまな音楽家たちとの共演で知られ、上質かつ安定したハーモニーで定評のあるケンブリッジ・ゴンヴィル・アンド・キーズ・カレッジ合唱団の味わい深い解釈で。 この合唱団ともゆかりの深い大御所ヒギンボトムがオルガンを弾き、器楽勢にはヴァイオリンのボヤン・チチッチ、ガンバのリチャード・ブースビーら名手が揃い、合奏曲トラックでも豊かでインスピレーションに満ちた音楽を聴かせてくれます。
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涙を落とすな、わが両目よ
英国16~17世紀のリュート・ソングと器楽曲 [アレクサンダー・チャンス、トビー・カー]Vocal Recital (Counter-Tenor): Chance, Alexander - CAMPION, T. / DANYEL, J. / DOWLAND, J. / FORD, T. / LULLY, J.-B. (Drop not, mine eyes)
発売日:2023年04月28日 NMLアルバム番号:CKD711
CD価格:2,475円(税込)
かの名歌手の息子が瑞々しく聴かせる英国のメランコリー古楽復興の重要な拠点である英国で、20世紀後半の古楽復興の牽引役の一人として、みごとな美声で数々の名演を紡ぎ出してきたカウンターテナー歌手マイケル・チャンス。その息子アレクサンダー・チャンス初の本格的なソロ・アルバムは、父と同じく英国音楽への深い愛と抜群の適性を実感させてくれる、輝かしい未来も予感できる上質なリュート・ソング集です。 エリザベス朝時代から活躍をみせたメランコリーの音楽家ダウランドや同時代のキャンピオンの作品を中心に「英国のオルフェウス」と称えられた17世紀後半のヘンリー・パーセルの名曲に至るまで、有名曲をほどよく交えつつ、当時の英国人たちを陶然とさせたフランス宮廷音楽も選曲。ある時は静謐な悲痛さをもって、またある時は皮肉っぽさを交えた晴朗さで、高音域まで伸びやかな美声の味わいが引き立つさまざまな作品の面白みをじっくり引き出してゆく名歌唱がたまりません。 LINNならではの秀逸な録音技術により、デュオ・パートナーのトビー・カーが聴かせる玄妙な撥弦も克明に楽しめ、400年以上前の英国ではシンプルな響きの中でいかに変幻自在の多様な音楽が楽しまれていたか再認識させられることでしょう。
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メンデルスゾーン:
弦楽四重奏曲 変ホ長調
弦楽四重奏曲 第5番 変ホ長調 [コンソーネ弦楽四重奏団]MENDELSSOHN, Felix: String Quartet, MWV R18 / String Quartet No. 5 (Consone Quartet)
発売日:2023年03月24日 NMLアルバム番号:CKD716
CD価格:2,475円(税込)
注目のピリオド・クァルテット、コンソーネ弦楽四重奏団のプロジェクトがLINNで始動!英国王立音楽院で結成されたコンソーネ弦楽四重奏団は、数少ないピリオド・スタイルによる弦楽四重奏団として2015年から本格的な活動を開始し、これまで多くの賞を受賞してきました。2018年リリースのハイドンとメンデルスゾーンを収めたファーストアルバム(AMBRONAY EDITIONS/AMY310)は英「THE STRAD」誌などで高評価を獲得。2020年にはスウェーデンのギタリストとの共演アルバム(Resonus/RES10260)もリリースしています。初来日公演はコロナ禍の影響で中止となりましたが、2021年の「たかまつ国際古楽祭」にはオンライン配信で参加、多くの人を魅了しました。2019年にはBBCのニュー・ジェネレーション・アーティストに選出、今回のアルバムもBBCとLINNの共同企画によるもので、今後メンデルスゾーンの弦楽四重奏曲全曲の録音を予定しています。 メンデルスゾーンが14歳の1823年に書かれた弦楽四重奏曲変ホ長調は、作曲者の生前出版されなかったもののその筆致は既に習作の域を出た素晴らしいもの。ここでの演奏は終楽章のフーガなどに聴かれる緻密な構成を若々しい躍動感を持って美しく歌い上げており、この作品の瑞々しさが前面に出ています。 第5番は作曲者が精力的に活動していた1837年から翌年にかけての円熟期に作曲されたもの。ガット弦ならではの柔らかで伸びやかな音色と滑らかな歌心で、この作品の魅力を十二分に伝えています。
収録作曲家:
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ブラームス(1833-1897):
ピアノ三重奏曲 第2番
弦楽六重奏曲 第2番(ピアノ三重奏版) [グリニッジ・トリオ]BRAHMS, J.: Piano Trio No. 2 / String Sextet No. 2 (arr. T. Kirchner for piano trio) (Greenwich Trio)
発売日:2023年03月10日 NMLアルバム番号:CKD715
CD価格:2,475円(税込)
京都出身で現在イギリスで活躍するピアニスト、三角よう子が所属するグリニッジ・トリオによるブラームス。3曲のピアノ三重奏曲を録音するプロジェクトの第1弾で、円熟期に書かれた第2番を収録。併せて作曲家自身もたいへん満足していたという、弦楽六重奏曲のキルヒナーによるピアノ三重奏への編曲版も収録されています。 瑞々しいピアノと伸びやかな弦の表情がたいへん魅力的なアルバムです。
収録作曲家:
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バルトーク(1881-1945):
バレエ『かかし王子』(全曲)
舞踏組曲 [クリスティアン・マチェラル、ケルンWDR交響楽団]BARTÓK, B.: Wooden Prince (The) [Ballet] / Dance Suite (West German Radio Symphony, Măcelaru)
発売日:2023年02月24日 NMLアルバム番号:CKD714
CD価格:2,475円(税込)
1980年ルーマニア生まれ、ヨーロッパで躍進中のクリスティアン・マチェラル。首席指揮者を務めるケルンWDR交響楽団とのアルバム第2弾は、バルトークの作品の中でも華やかな2曲。際立ったリズム処理と細部まで行き届いたコントロールで、色彩感豊かに聴かせています。
収録作曲家:
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『The Well-Tempered Consort - III
~ よく整えられたヴィオール合奏曲集 第3巻』
J.S.バッハ(1685-1750):
ヴィオール合奏による作品集 3 [ファンタズム]BACH, J.S.: Well-Tempered Clavier (The), Books 1 and 2 (arr. L. Dreyfus for chamber ensemble) (Phantasm, Dreyfus)
発売日:2023年02月10日 NMLアルバム番号:CKD708
CD価格:2,475円(税込)
オルガンにも通じる滋味豊かな美音の重なり、多種多様に『マタイ受難曲』やブランデンブルク協奏曲第6番、チェンバロを伴う3曲のソナタなど、バッハは18世紀初頭すでに廃れはじめていた古い弓奏弦楽器ヴィオール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)をさまざまな名曲で活躍させました。この種の楽器の全盛期は16~17世紀で、ディスカント(高音域)の小型楽器からバス、時には最低音域を受け持つヴィオローネまで大小揃えたコンソートは教会奏楽の伴奏から貴人たちが愉しむ合奏まで、さまざまな局面に活躍の場を見出していました。 オルガンをはじめ鍵盤楽器の独奏用に書かれた曲をヴィオール合奏に編曲して弾く習慣も古くからあり、英国を代表するヴィオール合奏団ファンタズムはその史実に倣うかのごとく、バッハの『平均律クラヴィーア曲集』の収録曲をヴィオール合奏で演奏したアルバムをこれまでに2作LINN RECORDSに録音してきました。 好評を受けての第3弾は、この演奏形態の歴史的ルーツにも触れるオルガン作品『クラヴィーア練習曲集 第3巻』や『インヴェンションとシンフォニア』からの作品も多数収録。バッハが生まれた17世紀のドイツに息づいていた伝統の息吹も感じさせながら、名手揃いのファンタズムならではの気品漂う解釈は今回も深い余韻を残す演奏に仕上がっています。本来の楽器での演奏とはまた違った角度から光が当たることで、それぞれの曲に潜む思わぬ奥深さにも気づかされます。
収録作曲家:
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『モーツァルトの「音楽上の実父」』
J.C.バッハとモーツァルトの連弾曲を集めて [デュオ・プレイエル (アレクサンドラ・ネポムニャシチャヤ、リチャード・エガー)]MOZART, W.A.: Sonata for Piano 4 Hands, K. 358 and 381 / 5 Variations for Piano Duet, K. 501 (Mozart's Real Musical Father) (Duo Pleyel)
発売日:2022年11月25日 NMLアルバム番号:CKD655
CD価格:2,475円(税込)
大先輩の「歌うアレグロ」とそれに魅せられた少年の才覚を、名手たちの連弾で!大バッハの末子として1735年に生まれ、オペラの本場イタリアで最前線の音楽様式を身につけた後ロンドンに渡り、大きな成功を収めたヨハン・クリスティアン・バッハ。モーツァルトは父に連れられロンドンを訪れた少年時代、この大先輩が紡ぎ出す流麗な旋律美に魅了され、その作品を編曲するなど大きな学びを得ました。その崇敬は後年まで続き、ウィーンで身を立て始めた1782年の元旦にJ.C.バッハが亡くなった時にも、父レオポルト宛の手紙で「音楽界にとって大きな損失」と嘆いています。 大バッハ同様に鍵盤音楽でも才能を開花させたJ.C.バッハは、特にロンドンで早くから普及し始めたピアノ向けにも数多くのソナタや協奏曲を出版、意外に18世紀の曲が残っていない連弾のためのソナタも手がけました。 それらの作品とモーツァルトの連弾作品を集め、18世紀当時のモデルによるフォルテピアノで録音したのがこのアルバム。エンシェント室内管弦楽団の指揮者およびチェンバロ奏者として圧倒的な経歴を誇り、フォルテピアノでも熟達した腕前を披露してきたエガーと、そのデュオ・パートナーであるネポムニャシチャヤによる解釈は、音域ごとに異なる特性を持つフォルテピアノならではの魅力を存分に際立たせ、両作曲家が巧みに織り上げた低音部と高音部での軽やかな対話を隅々まで堪能させてくれます。 ほどよい残響の中で楽器の直接音を的確に捉えたエンジニアリングもLINNならでは。
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『フィレンツェの輝き、ブルゴーニュの残響』
15世紀イタリアのフランドル楽派たち [ゴシック・ヴォイシズ、アンドルー・ローレンス=キング、エリザベス・ポール、スティーヴン・チャールズワース]Vocal Ensemble Music (Italian Renaissance) - DUFAY, G. / OCKEGHEM, J. (The Splendour of Florence with a Burgundian Resonance) (Gothic Voices)
発売日:2022年11月25日 NMLアルバム番号:CKD700
CD価格:2,475円(税込)
深い経験と瑞々しい感性に裏打ちされた、15世紀音楽の高雅なる解釈ルネサンス期の多声音楽は15世紀末から16世紀、すなわちジョスカン・デ・プレ以降パレストリーナを経てジェズアルドやビクトリアの時代がホットゾーンですが、その大発展を準備した「上の世代」つまり15世紀の作曲家たちは、中世とルネサンスの双方に立脚した注目すべき人物が少なくありません。英仏百年戦争やビザンティン帝国滅亡など欧州社会も大きく動いた当時、美術や音楽など芸術諸分野では先進的なフランドル地方から多くの天才が現れ、芸術愛好の為政者や知識人が多かったイタリア半島でも活躍をみせました。 ここではそんな時代のイタリア芸術を象徴する、メディチ家の庇護下で建築や美術の黄金時代を迎えた都フィレンツェが舞台。この都に集ったフランドル楽派の作曲家たちの作品とともに、百年戦争の係争地フランドル地方を征したブルゴーニュ公の宮廷にも仕えていた巨匠ギヨーム・デュファイの作品を多く取り上げ、フランドル楽派初期の栄光がイタリアでいかに花開いていたかを実力派たちの名演で伝えてくれます。 LINNに名盤の多いゴシック・ヴォイシズは今回も少数精鋭の重唱編成で声部の交錯をクリアに伝え、折々に名手ローレンス=キングのハープが時に独奏で、あるいは頼れる伴奏として歌を彩り、遠く中世に遡る宮廷恋愛歌の伝統からの流れを浮き彫りにします。教会音楽と恋愛歌という、聖俗両面にまたがる美の双貌をじっくりお楽しみください。
収録作曲家:
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『アフリカン・アメリカン・ヴォイス』
アフリカ系アメリカ人作曲家の管弦楽作品 [ケレン・グレイ、ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団]African American Voices - DAWSON, W.L. / WALKER, G. / STILL, W.G. (Royal Scottish National Orchestra, Gray)
発売日:2022年10月28日 NMLアルバム番号:CKD699
CD価格:2,475円(税込)
アフリカ系アメリカ人作曲家による名作交響曲を2曲サウスカロライナ出身のアフリカ系アメリカ人指揮者ケレン・グレイが祖国の先人たちに敬意を表し、彼がアシスタント指揮者を務めるロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管と共に、深い共感を持って描きあげたアルバム。 アフリカ系アメリカ人として初めて、作曲と演奏の両方で大きな成功を収めたスティルの「アフロ=アメリカン」は、ブルースやデキシーランドなどを盛り込んだ代表作。 スティルとほぼ同世代のドーソンによる「ニグロ・フォーク・シンフォニー」も黒人霊歌の要素を取り入れ、後年さらにアフリカのリズムを用いて改訂された作品。 アフリカ系アメリカ人作曲家として初めてピュリッツァー賞を受賞したウォーカーの代表作である「抒情詩」は元々「嘆き」というタイトルで、バーバーの「アダージョ」と同じように弦楽四重奏曲の中間楽章が原曲の美しい作品。亡くなった彼の祖母に捧げられています。
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J.S.バッハ(1685-1750):
管弦楽組曲(全曲) [ジョン・バット、ダニーデン・コンソート]BACH, J.S.: Overtures (Suites) Nos. 1-4 (Dunedin Consort, Butt)
発売日:2022年10月14日 NMLアルバム番号:CKD666
CD 2枚組価格:3,975円(税込、送料無料)
室内楽のごとく絞り込まれた編成で、18世紀の生々しい作品美の真相に迫る!ヘンデルやバッハの大作声楽曲でユニークな解釈を打ち出し、LINNに数多くの名盤を刻んできたスコットランドの古楽器アンサンブル、ダニーデン・コンソート。久々の器楽のみの録音は彼らならではの丁寧な解釈が映えるバッハの管弦楽組曲です。 バッハの多くの合奏作品と同じく、これら4つの組曲は礼拝に音楽を使わない宗派のケーテン宮廷に彼が仕えていた頃、大半の原型が作曲されていたと考えられていますが、現在広く知られている版はライプツィヒ聖トーマス教会の聖歌隊監督としての仕事に追われながら、市内のコーヒーハウスで定期的に音楽会を指揮するなど、充実した活躍が続いた後年にまとめられており、第3番と第4番は金管・打楽器も入る祝典的な構成。ここでダニーデン・コンソートはあえて18世紀の一般的な楽団規模に近い小ぶりの弦楽編成をとり(ヴァイオリンは3人と2人、ヴィオラ1人に対しチェロとコントラバスは各2人)、各声部の動きが平明に伝わる流れの中で、それぞれのプレイヤーの持ち味を活かした端正にして躍動感あふれる音作りを披露してくれます。 LINNならではの自然な息吹を伝えるエンジニアリングもあり、細部までよく考え抜かれたバッハの音楽を改めて深く味わえる抜群の好演として見過ごせません。
収録作曲家:
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ヴィセンテ・ルシターノ(16世紀):
モテット集 [マリアン・コンソート、ローリー・マクリーリー]LUSITANO, V.: Motets (Marian Consort, McCleery)
発売日:2022年09月23日 NMLアルバム番号:CKD694
CD価格:2,475円(税込)
ヨーロッパ初の黒人作曲家?
端正な多声書法の奥深さを、英国随一のア・カペラ集団の演奏でイベリア半島からイスラム教徒の支配地が一掃され、ヨーロッパがルネサンス最盛期へと向かう16世紀。当時は世界的大帝国だったポルトガルもすぐれた文化人を多く輩出し、精緻なポリフォニー音楽を紡ぎ出す作曲家も多く現れましたが、本盤の主人公ヴィセンテ・ルシターノ(この呼称は「ポルトガルのヴィセンテ」という意味に過ぎず、本名はまだ突きとめられていません)はそうした時代に諸国をまたにかけ活躍した天才の一人。しかも記録によれば母方の祖先はアフリカ系で、ヨーロッパで楽譜を出版した最古の黒人作曲家とも目されています。 晩年はプロテスタントに改宗しシュトゥットガルトの宮廷ともコンタクトを取った形跡があるものの、音楽活動の大半はローマ・カトリックの教会音楽世界で行われ、理論家・作曲家としての評判はローマ教皇庁の中枢部にまで及んでいました。現存する唯一の曲集『第一小品集 Liber primus epigramatum』は1551年ローマで刊行されており、本盤ではそこから10曲の名品を厳選。歌詞の聴き取りやすさを保ちながらも、4声の緊密さから8声のボリューム感までア・カペラの魅力が尽きません。 パレストリーナやラッスス、ヴィラールト、ヴィチェンティーノら同時代の大物たちの傍ら、多くの人を魅了した格調高いポリフォニーの綾を、古楽に名盤が多い英国随一のレーベルDELPHIANで大活躍をみせてきたマリアン・コンソートの精緻な歌唱で聴けるのは大きな喜びと言えるでしょう。収録作曲家:
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ヴェルディ(1813-1901):
弦楽四重奏曲 ホ短調
チャイコフスキー(1840-1893):
弦楽四重奏曲 第1番 ニ長調 Op.11
プッチーニ(1858-1924):菊 [シュターツカペレ・ベルリン弦楽四重奏団]VERDI, G.: String Quartet in E Minor / TCHAIKOVSKY, P.I.: String Quartet No. 1 / PUCCINI, G.: Crisantemi (Berlin Staatskapelle String Quartet)
発売日:2022年09月09日 NMLアルバム番号:CKD697
CD価格:2,475円(税込)
シュターツカペレ・ベルリンの名手によるカルテット、
初CDはオペラ作曲家へのオマージュ2017年、シュターツカペレ・ベルリン(ベルリン国立歌劇場管弦楽団)の弦楽セクションのリーダーたちが、音楽監督ダニエル・バレンボイムの提言により結成した弦楽四重奏団。ヨーロッパの様々なホールで演奏してきた彼らが初CDのために選曲したのは、彼らにとってたいへん身近であるオペラ作曲家たちによる弦楽四重奏曲です。 ヴェルディとプッチーニという、イタリア・オペラを代表する2人の巨匠が手掛けた珍しい室内楽と、各方面に名作を残したロシアの大作曲家による有名な「アンダンテ・カンタービレ」を含む作品。そのオペラの数々に日常的に親しんでいる彼らならではの、大仰に歌い上げるのではなく、メロディを大切にした歌心に溢れる演奏をお楽しみいただけます。 -
ドヴォルザーク(1841-1904):
伝説 Op.59
チェコ組曲 Op.39 [クリスティアン・マチェラル、ケルンWDR交響楽団]DVOŘÁK, A.: 10 Legends / Czech Suite (Cologne West German Radio Symphony, Măcelaru)
発売日:2022年09月09日 NMLアルバム番号:CKD710
CD価格:2,475円(税込)
躍進著しいマチェラル、ドヴォルザークの通好みプログラムでLINNから登場1980年ルーマニア生まれのクリスティアン・マチェラル。トルプチェスキの「ショスタコーヴィチ: ピアノ協奏曲」(CKD659)でLINNデビューしていますが、彼が首席指揮者を務めるケルンWDR交響楽団とのアルバムは今回が第1弾。ドヴォルザークの「伝説」と「チェコ組曲」(ドラマ「のだめカンタービレ」で使用)という、有名曲とは言い難い2曲で臨みますが、抑え気味のダイナミクスの中で中央ヨーロッパの自然を連想させる曲調を薫り高く表現する手腕はさすが。WDR響と併せてフランス国立管弦楽団の音楽監督にも就任するなど、ヨーロッパで躍進中の彼の実力を十二分に味わうことの出来るアルバムです。
収録作曲家:
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『アイルランドのミューズ』
パーセルとクッサー、バロック期アイルランドの2巨匠 [ピーター・ウィラン、ピーター・フィッツジェラルド、マリア・ケオハネ、アンソニー・グリゴリー、セスティーナ、アイリッシュ・バロック・オーケストラ ほか]Vocal Music (Irish) - PURCELL, H. / KUSSER, J.S. / TRADITIONAL (The Hibernian Muse) (Sestina, Irish Baroque Orchestra, Whelan)
発売日:2022年06月24日 NMLアルバム番号:CKD685
CD価格:2,475円(税込)
アイルランドに縁深い音楽史上の名匠2人、ダブリンを湧かせた至芸に光を当てる原題にあるHibernianとはラテン語で「アイルランドの」の意。バロック音楽史上はヘンデルの『メサイア』初演の地がダブリンであることが有名ですが、当時アイルランドは名誉革命期のウィリアマイト戦争を経て統治体制が大きく変わり、1690年代以降イングランドとの結びつきを深めゆく最中でした。 1694年1月にダブリンのクライストチャーチで演奏されたイングランド王室の作曲家パーセルのオード「偉大な創立者を讃えよ」は、アイルランドにおけるイングランド王室の統治の正当性を過去に遡って称揚する内容。台本は名高いイングランド桂冠詩人ネイハム・テイトが手がけています。 その少し前にパーセルが作曲し今なおジャンルを越えてミュージシャン達に愛されている「リリバレロ」のリュート編曲を経て、アルバム後半にはドイツ語圏に管弦楽によるフランス風組曲を流行させた立役者の一人クッサーの知られざるセレナータを収録。ハンガリーのポショニ(現スロヴァキア領ブラティスラヴァ)生まれのクッサーはドイツ語圏各地で活躍したのちダブリンに渡り、この地で英国王室向けの音楽も作曲しました。本盤のセレナータはパルナスス山に暮らすミューズたちが芸術の守護神アポロと登場、イングランドのアン女王を讃える内容で、クッサーはイタリア風のレチタティーヴォとアリアの交代を中心にしながら自在な作風で音楽を仕上げており、起伏に富んだ音作りが聴き手を飽きさせません。 クッサーが筆写したことで知られるラストのアイルランド民謡も含め、躍進めざましいアイリッシュ・バロック・オーケストラがよく練られた解釈でじっくり作品の魅力を引き出してゆきます。
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-★『レコード芸術』特選盤(2022年9月号)★-
レスピーギ(1879-1936):
ローマの松
ブラジルの印象
シバの女王ベルキス [アレッサンドロ・クルデーレ、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団]RESPIGHI, O.: Pini di Roma / Impressioni brasiliane / Belkis, Queen of Sheba Suite (London Philharmonic, Crudele)
発売日:2022年06月17日 NMLアルバム番号:CKD692
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,970円(税込)
イタリアから新たな才能!
アレッサンドロ・クルデーレによるレスピーギ2016年にオーケストラ・アンサンブル金沢を指揮して日本デビューを飾った、ミラノ出身のアレッサンドロ・クルデーレ。ヨーロッパやアジア各地のオーケストラで活躍し、ジャンルイジ・ジェルメッティのアシスタントとしてミラノ・スカラ座などでも研鑽を積んだ彼が、協奏曲の伴奏以外では初めてとなるCDのために選曲したのは、母国イタリアを代表する大作曲家レスピーギの作品となりました。 「ローマの松」では、現在はトランペットとトロンボーンを用いるのが一般的なバンダに、フリューゲルホーン、バリトンホーン、ユーフォニアム各2を割り当てていることが特徴的。これはレスピーギ自身が指定したソプラノ、テノール、バスのフリコルノ(サクソルン族の金管楽器)に相当する本来の想定どおりの編成といえ、これらがオーケストラと直線的に呼び交わすのではなく、サクソルン族の特徴である拡散する音が現実と幻の間を彷徨うような響きを作る効果を上げています。 熱帯の物憂さを表現する「ブラジルの印象」、比較的近年になって高い人気を誇るようになった「シバの女王ベルキス」も収録。いずれもオーケストラをただ派手に鳴らすだけの演奏とは一線を画し、レスピーギならではの色彩感を引き出すことに注力されており、結果的に緻密な管弦楽法による演奏効果が最大限発揮された快演となっています。収録作曲家:
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『J.S.B.へのオマージュ』
クルターグ、J.S.バッハ、ヴィンケルマン、シュニトケ、アウエルバッハ、ビーバー
無伴奏ヴァイオリン作品集 [ヨニアン・イリアス・カデシャ]Violin Recital: Kadesha, Jonian Ilias - AUERBACH, L. / BACH, J.S. / BIBER, H.I.F. von / KURTÁG, G. / SCHNITTKE, A. (Hommage à J. S. B.)
発売日:2022年06月10日 NMLアルバム番号:CKD676
CD価格:2,475円(税込)
名手ヨニアン・イリアス・カデシャ、
LINN第1弾は目の覚めるような無伴奏アルバム!ヨーロッパ各地のオーケストラや、ニコラ・アルトシュテット、スティーヴン・イッサーリス、パトリツィア・コパチンスカヤなどの名手たちと共演し、C'Aviレーベルから数枚のアルバムもリリースしてきたアテネ出身の名手ヨニアン・イリアス・カデシャ。LINNからの第1弾は彼の技術と表現力、そして構成力が十二分に発揮された無伴奏作品集です。 クルターグの連作『サイン、ゲームとメッセージ』からの曲を挟みつつ、ビーバーから現代スイスの女性作曲家ヴィンケルマンまで、5世紀に及ぶ作品が収められています。中でも大バッハは一連の『ソナタとパルティータ』から人気の高い「パルティータ第2番」を選曲しているところ、このアルバムへの入れ込みと自信の大きさがうかがえると当時に、他の収録作品の多くがバッハの作品の影響を受けていることを暗示しているものです。 イリアス・カデシャの安定した技術、バロックから現代までを自らの中でじっくりと消化して歌い上げる、音楽性の高さと幅広さをじっくりと味わうことの出来るアルバムです。 -
ロイスナー(1636-1679):
リュートのための組曲集
~『リュートの楽しみ Delitiae testudinis』(1667)より [ウィリアム・カーター]REUSNER, E.: Delitiae testudinis Suites Nos. 6, 9, 11, 13 / Pieces in F Major / Wir glauben all an einen Gott (W. Carter)
発売日:2022年05月27日 NMLアルバム番号:CKD679
CD価格:2,475円(税込)
フローベルガーの同時代人が残した重要なリュート組曲の数々を、名手の妙技とともにリュートという撥弦楽器が、王侯貴族や知識人たちのための最も高貴な楽器としての地位をいまだ保っていた17世紀の半ば頃。ロイスナーは当時ハプスブルク家の所領だったシュレジエン地方(現ポーランド領)で生まれ、広く各地を旅して演奏家としての名声を築き、後年はベルリンに宮廷をかまえていたブランデンブルク選帝侯の音楽家となり、齢43で亡くなるまでかの地で活躍を続けました。その作品は同時代を生きた鍵盤奏者フローベルガーと同じように、フランス様式の舞曲のリズムを明確に取り込みながらドイツ音楽特有の奥深さにも貫かれており、聴き深めるに足る味わいに満ちています。 フロリダ出身で英国古楽界に軸足を置く名手ウィリアム・カーターは、彼が特に惹かれるというロイスナー最初の曲集『リュートの楽しみ』(1667)に着目。この作曲家が生きていた頃にも存在した16世紀末の銘器をモデルとする楽器を用い、端正な演奏で作品の妙味をじっくり引き出してゆきます。 LINNならではのバランスの良い自然派録音も、リュートの音色に耳を傾ける喜びを伝えてくれます。
収録作曲家:
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『Lectures différentes - 様々な物語』
~サクソフォン四重奏によるストラヴィンスキー、エトヴェシュ、ハイドン ほか [ケビヤール]Chamber Music (Saxophone) - STRAVINSKY, I./ EÖTVÖS, P. / HAYDN, J. (Lectures différentes) (Kebyart Ensemble)
発売日:2022年04月22日 NMLアルバム番号:CKD691
CD価格:2,475円(税込)
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ヘンデル(1685-1759):
オラトリオ『復活』 HWV 47 [ソフィー・ベヴァン、ルーシー・クロウ、イェスティン・デイヴィス、ヒューゴ・ハイマス、アシュリー・リッチズ、ハリー・ビケット、イングリッシュ・コンサート]HANDEL, G.F.: Oratorio per la Resurrezione di Nostro Signor Gesù Cristo, HWV 47 [Oratorio] (Bevan, Crowe, I. Davies, Hymas, English Concert, Bicket)
発売日:2022年04月15日 NMLアルバム番号:CKD675
CD 2枚組価格:3,975円(税込、送料無料)
英国の古楽器演奏シーン最前線から届いた、ヘンデル若き日の傑作オラトリオ新録音!ロンドンに渡り破竹の勢いでオペラの世界を席巻する前、若い頃にはハンブルクの歌劇場を経てイタリアに渡り、本場の劇音楽を肌で体感して芸術性を養ったヘンデル。その青年期の大きな成功作の一つが、1708年にローマで初演されたオラトリオ『復活』でした。 イエスの死を嘆く(聖母ではない)2人のマリアを中心に、イエスが復活したという話題を当人不在の中で歌い継ぎながらキリスト教信仰の核心へと迫る内容で、数々の金管奏者やヴィオラ・ダ・ガンバ独奏まで加わる当時としては異例の大編成オーケストラが起用され、初演時には名匠コレッリがヴァイオリンを弾きながら楽団をまとめました。起伏に富んだ音楽作りはストラデッラやアレッサンドロ・スカルラッティら17世紀イタリアの作曲家たちの先例に倣いつつも、既にヘンデルならではの雄弁な音使いが見られ、後年の作品に転用されてゆくナンバーも少なからず含まれています。 既存盤にも意欲的な名演は少なくありませんが、21世紀の英国古楽界を担う多才な指揮者ビケット率いるイングリッシュ・コンサートの新しい録音は、最前線の瑞々しさと堅固な解釈設計のどちらにも秀でた魅力あふれる仕上がりで、この傑作に接する喜びを存分に味あわせてくれます。 通奏低音にはテオルボと鍵盤2台が加わり、弦楽構成は6/6/3/3/2と18世紀初頭の作品にしては大規模な編成。全体として若いメンバーが目立つ中でもピノック時代からのトランペット奏者マーク・ベネットやトラヴェルソのリザ・ベズノシウク、ガンバのジョナサン・マンソンらヴェテランたちも絶妙な活躍をみせ、頼もしき名歌手ルーシー・クロウや英国カウンターテナー界を席巻するイェスティン・デイヴィスら独唱陣もそれぞれに確かな存在感で迫ります。 昨年の《ロデリンダ》(CKD658)に次ぐビケットの快進撃、今後も楽しみでなりません。
収録作曲家:
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モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームス:
変奏曲集 [シモン・トルプチェスキ(ピアノ)]Piano Recital: Trpčeski, Simon - MOZART, W.A. / BEETHOVEN, L. van / BRAHMS, J. (Variations)
発売日:2022年03月25日 NMLアルバム番号:CKD682
CD価格:2,475円(税込)
トルプチェフスキが多彩に描きあげる、変奏曲の世界1979年マケドニア生まれのピアニスト、トルプチェフスキのLINN第3弾は待望のソロ・アルバム。彼が得意とする変奏曲を集めた内容となっています。力強さを兼ね揃えた高いテクニック、深く情熱的なアプローチと多彩な表情を聴かせる豊かな表現力、こういったトルプチェフスキの魅力がいかんなく発揮されるのが、ここに収録されたような変奏曲という形式といえるでしょう。 モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスという異なった作品の特性を描き分けながら、様々な感情や景色を次々に広げてゆく様はまさに圧巻。彼本来のピアニズムを十二分に堪能することの出来るアルバムです。
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『モーツァルトのファゴット』
モーツァルト(1756-1791):
ファゴット協奏曲
ファゴットとチェロ(低音部)のためのソナタ
セレナード第12番「ナハトムジーク」 [ピーター・ウィラン、クリスティアン・ベザイテンホウト、アンサンブル・マルシュアス]MOZART, W.A.: Bassoon Music (Mozart's Bassoon) (Whelan, Ensemble Marsyas, Bezuidenhout)
発売日:2022年03月11日 NMLアルバム番号:CKD680
CD価格:2,475円(税込)
「モーツァルトが知っていたファゴット」を追求し続ける名手による画期的協奏曲録音ヨーロッパ各地の一流古楽器オーケストラのメンバーでありながら、ソリストとしても注目すべき活躍を続ける一流管楽器プレイヤーが集うアンサンブル・マルシュアス。その創設メンバーの一人で芸術監督でもあるピーター・ウィランは、近年モーツァルトがファゴットのために作曲した音楽とじっくり向き合い、数年おきに瑞々しい新録音をリリースし続けてきました。 今回はアンサンブルに弦楽器も加え、ついにモーツァルトの傑作協奏曲を録音。ザルツブルクの楽器注文歴や同時代の史料に見る証言などから多角的な検証を経て、作曲家が知っていたであろうドレスデンのグレンザー・モデルを再現した楽器で味わい豊かな解釈を伝えます。 さらに既存の録音盤から、管楽合奏にしては珍しい短調によるセレナードK. 388と、チェロで演奏されることの多い低音部を通奏低音のように鍵盤(フォルテピアノ)で解釈した珍しい二重奏ソナタK. 292も収録。モーツァルトがファゴットという楽器を通じてどんな音を紡いだか、多角的に聴き深められる構成になっているのも嬉しいポイントと言えるでしょう。
収録作曲家:
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True Colours [DAVE ARCH & JOHN PARRICELLI featuring PAUL CLARVIS]
発売日:2022年02月25日
CD価格:2,250円(税込)
幅広いジャンルを手掛けるコンポーザー、ピアニストのデイヴ・アーチと、ギタリストのジョン・パリチェッリ。お互いイギリスで活躍し、そのキャリア初期から共演を重ねてきた二人によるニュー・アルバム。 ポール・マッカートニー、ジョニ・ミッチェルといったビッグ・アーティストたちと、ジャンルに囚われない共演を経て培ってきた彼らのポップ・センスが遺憾なく発揮され、キャッチーなメロディと緊張感が心地よく同居したアルバムに仕上がっています。
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ジェンキンス(1592-1678):
ヴァイオル・コンソートのための
4声のファンタジアとパヴァーン [ファンタズム]JENKINS, J.: Four-Part Consorts (Hyde, Phantasm)
発売日:2022年02月11日 NMLアルバム番号:CKD677
CD価格:2,475円(税込)
ルネサンスの美意識をパーセルの時代へと繋ぐジェンキンス、
本場英国発の新録音ルネサンスの音楽作法が17世紀に入っても根強く愛され続ける中、世紀半ばの清教徒革命による共和政時代に宮廷式の音楽が存亡の危機にさらされ、芸術音楽断絶のあと1660年の王政復古とともに急速なバロック流入を経験することとなった英国の音楽世界。この結果、革命前のルネサンス的な美意識による多声音楽が17世紀後半まで命脈を保ち、バロック的な新しい音楽と併存するという独特な状況が生まれました。 その過渡期ともいえる共和政時代を生き延び、王政復古とともに新たな活躍をみせた弦楽器芸術家ジョン・ジェンキンスは、ヴァイオリンを使った新機軸の音楽のかたわら、ヴァイオル(ヴィオラ・ダ・ガンバ)の合奏によるルネサンス的な音作りが美しい多声器楽曲も残しています。 英国最前線のガンバ奏者たちが集う才人集団ファンタズムは、このジェンキンスのヴァイオル・コンソート作品の楽譜を徹底究明、新たな校訂譜を作成したうえで決定盤的録音を進めてきましたが、これまでの6声(BKD556)および5声(BKD557)のコンソート集に続く今回のアルバムは4声の作品を集め、この体系的録音の完結編を飾るところとなりました。 これらの大半は革命前の1620年代に書かれ、同時代のウィリアム・ローズのコンソートなどとは異なり厳格対位法の慣習を守りながらも、ユニークな和声で聴き手を飽きさせないジェンキンス随一の作風が光ります。 ヴァイオリンを使った後年の音楽とは一線を画す古雅な音世界。聴き深め甲斐のある19作を、LINN RECORDSならではの自然派録音で聴ける喜びが詰まっています。収録作曲家:
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『Consecration 献堂』
ジェイムズ・マクミラン(1959-):
モテット集 [アラン・タヴナー、カペラ・ノヴァ]MACMILLAN, J.: Choral Music (Consecration) (R. Tavener, McIntyre, Cappella Nova, A. Tavener)
発売日:2021年11月12日 NMLアルバム番号:CKD633
CD価格:2,475円(税込)
マクミランの美しい宗教合唱作品集スコットランドの作曲家ジェイムズ・マクミランによる、聖書を題材としたものを中心とした合唱作品集。ほとんどが初録音というのも嬉しいところ。2015年にカルハム救世主キリスト教会の礼拝堂献堂式のために作られた、静謐さと緊張感を湛えたア・カペラのモテット群に始まり、オルガンの伴奏付きや、オルガンと独唱のための作品、オルガン独奏曲など様々。中にはマクミランの子供たちの結婚式のために書かれた曲や、父親への追悼曲なども含まれます。 特に現代音楽の表現において高い信頼を得ているカペラ・ノヴァは、1982年にアラン・タヴナーとレベッカ・タヴナーによって結成された、スコットランドで唯一、古楽と現代音楽に特化したプロフェッショナル合唱団。 Linn Recordsチーフ・プロデューサー、フィリップ・ホッブスの熟練のエンジニアリングにより、エディンバラの歴史ある名教会の美しいアコースティックをふんだんに感じることが出来る一枚です。
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ティモシー・ジョーンズ:
モーツァルトによる4つのトランペット・ソナタ [ジョナサン・フリーマン=アットウッド、アンナ・シャウツカ]FREEMAN-ATTWOOD, J. / JONES, T.: 4 Trumpet Sonatas after Mozart (Freeman-Attwood, Szałucka)
発売日:2021年11月12日 NMLアルバム番号:CKD668
CD価格:2,475円(税込)
痛快! もしもモーツァルトがトランペット・ソナタを書いていたら?ヴァイオリンのレイチェル・ポッジャーなどを手掛けた名音楽プロデューサーであり、2008年から英国王立音楽院の学長も務めるトランペット奏者フリーマン=アットウッドによる、トランペットとピアノのためのレパートリー集。 最新版はなんとモーツァルトによる「トランペット・ソナタ」! もちろんそのような曲は存在せず、フリーマン=アットウッドの原案に基づき、モーツァルト研究の権威で英国王立音楽院の副学長であるティモシー・ジョーンズが構成したもの。どの曲も単なる編曲の枠を超えた出来栄えで、冴えわたった演奏も相まって、たいへん楽しいアルバムに仕上がっています。
収録作曲家:
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シューベルト(1797-1828):
弦楽四重奏曲 第12番 ハ短調「四重奏断章」D.703
弦楽四重奏曲 第15番 ト長調 D.887 [フィッツウィリアム弦楽四重奏団]SCHUBERT, F.: String Quartets, D. 103, 161 and 887 (Late String Quartets) (Fitzwilliam String Quartet)
発売日:2021年11月12日 NMLアルバム番号:CKD673
CD価格:2,475円(税込)
レーベルを超えた企画、シューベルト後期弦楽四重奏曲集第2弾50年余の歴史を誇るフィッツウィリアム弦楽四重奏団によるシューベルトの後期弦楽四重奏曲集。2020年にDivine Artレーベルから発売された第13番、第14番(DDA-25197)に続く第2弾(後期としては完結)がLinnより登場。 今回はシューベルト晩年の研ぎ澄まされた弦楽四重奏曲群の最初となるものの、途中で作曲を放棄されてしまった第12番と、最後の弦楽四重奏曲となる第15番を収録。40小節余りのスケッチのみが残っている第12番第2楽章は、シューベルト研究家で多くの補筆完成を行っているニューボールドによる版を収録しています。これらの作品のロマン的性格をよく捉えた、切れ味の鋭さと豊かな歌謡性を備えた演奏で、第12番冒頭の湧き上がるような曲想から目を覚まさせられるようです。 ガット弦の音が重なる独特の響きも美しく、彼らならではのシューベルト像を描きあげています。
収録作曲家:
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ベートーヴェン(1770-1827):
ピアノ三重奏曲 第6番
シューベルト(1797-1828):
ピアノ三重奏曲 第2番 [トリオ・マリー・ゾルダート(七條恵子、チェチーリア・ベルナルディーニ、マルクス・ファン・デン・ミュンクホフ)]BEETHOVEN, L. van: Piano Trio No. 6 / SCHUBERT, F.: Piano Trio No. 2 (Trio Marie Soldat)
発売日:2021年10月22日 NMLアルバム番号:CKD631
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,970円(税込)
フォルテピアノの名手、七條恵子によるピアノ三重奏が登場!2004年のブルージュ国際古楽コンクールで最高位を受賞、オランダと日本を中心に活躍し、近年もベートーヴェンやサティのピアノ作品をそれぞれにふさわしい楽器と調律で演奏したアルバムが大きな話題となった七條恵子。彼女がチェチーリア・ベルナルディーニ、マルクス・ファン・デン・ミュンクホフという名手たちと2017年にアムステルダムで結成したトリオ・マリー・ゾルダートは、古典からロマン派までのピアノ三重奏曲をレパートリーとし、作品に応じたピリオド楽器での演奏に加え、19世紀の演奏慣習を再発見し、追求する事を目的としたアンサンブルで、19世紀の名ヴァイオリニスト、マリー・ゾルダート=レーガーの名前を冠しています。 今回の録音でも、収録されたシューベルトの第2番が作曲された1827年に近い、1825年頃製作のオリジナルのフォルテピアノを使用。その艶やかな音色は、ベートーヴェンの華やかさとシューベルトの深い陰影を親密な表現で見事に描きだすアンサンブルに、大きく貢献しています。シューベルトの第4楽章はカット無しの原典版を使用。
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『我は満ち足れり』
J.S.バッハ(1685-1750):
教会カンタータ BWV 32・82・106 [ダニーデン・コンソート、ジョン・バット、ジョアン・ラン、ケイティー・ブレイ、ヒューゴ・ハイマス、マシュー・ブルック、ロバート・デイヴィス]BACH, J.S.: Cantatas, BWV 32, 82 and 106 (Lunn, Bray, Hymas, M. Brook, R. Davies, Dunedin Consort, Butt)
発売日:2021年10月08日 NMLアルバム番号:CKD672
CD価格:2,475円(税込)
ジョン・バットとダニーデン・コンソートによるバッハのカンタータ、待望の登場!バッハの研究家としても知られるジョン・バット率いる、スコットランドの古楽器アンサンブル、ダニーデン・コンソート。これまでLINN RECORDSより、ヘンデル作品やバッハの受難曲、管弦楽作品などをリリースしてきましたが、カンタータのリリースは意外にも今回が初めてとなります。 現在世界が直面している困難に思いを馳せ、慰安と救済をテーマとした選曲になっており、マシュー・ブルックとオーボエのデュエットで始まるソロ・カンタータ第82番、そして第106番など人気曲を揃えているのも嬉しいところ。 合唱もソリストたちのみによるもので、しっとりした味わい深い演奏でありつつ、それぞれの作品の音の綾をじっくりと楽しむこともできる素晴らしいアルバムに仕上がっています。
収録作曲家:
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デュセック(1760-1812):
4手連弾のためのピアノ作品全集 [デュオ・プレイエル(アレクサンドラ・ネポムニャシチャヤ、リチャード・エガー)]DUSSEK, J.L.: Original Works for Piano Four-Hands (Complete) (Duo Pleyel)
発売日:2021年09月24日 NMLアルバム番号:CKD642
CD価格:2,475円(税込)
「ベートーヴェンの同時代人」の驚くべき作風の充実を古楽器でモーツァルトより4年遅く生まれ、若くして頭角をあらわし、パリとロンドンを席巻したほかハンブルクでも大活躍したジャン・ラディスラフ・デュセック(またはヤン・ヴァーツラフ・ドゥシーク)。祖国チェコがオーストリア支配下にあった18世紀、凄腕ピアニストかつ稀代の作曲家として名声を博しました。 モーツァルト同様少し年上のクレメンティや、10歳年下のベートーヴェンらとともに、ピアノという楽器が日進月歩で進化を遂げてゆく時代にその音楽語法の開拓に大いに貢献した才覚は、21世紀に入って現代楽器・古楽器を問わず数多くの奏者たちが注目、急速に再評価が進んでいます。 それでもまだ比較的演奏機会も録音も多いとは言えない、4手連弾のために書かれた充実作を網羅したのがこのアルバム。何より素晴しいのは、19世紀前半の響きを今に伝える1848年製オリジナルのプレイエル・ピアノが使われていることでしょう。 ロシア出身の俊才ネポムニャシチャヤの天分をいかんなく引き出す名手リチャード・エガーとの積年のデュオは、現代ピアノと大きく違う当時の楽器ならではの響きをそこかしこで活かし、木材の振動を生々しく感じさせるピアニシモから迫力あるフォルテまで、歴史的楽器特有の多彩な音色表現を存分に味わわせてくれます。 古典派のソナタ語法を完璧に身につけた上、古風な多声書法にも抜群の適正を示したデュセックの底力が至るところで実感できる好企画。作曲家の生涯と作品を端的かつ丁寧に紹介する演奏者エガーのブックレット解説文も頼りになります。
収録作曲家:
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Fleur de mon âme - わが心の花
近代フランス歌曲集 [カレン・カーギル、サイモン・レッパー、岩淵麻弥、クサンデル・ヴァン・フリート、トム・ダン、アレクセイ・キセリオフ]Vocal Recital (Mezzo-Soprano): Cargill, Karen - CHAUSSON, E. / DEBUSSY, C. / DUPARC, H. / HAHN, R. / JONGEN, J. (Fleur de mon âme)
発売日:2021年09月24日 NMLアルバム番号:CKD652
CD価格:2,475円(税込)
メゾの柔らかく豊かな声で聴く、近代フランス歌曲の美しい響きスコットランドのメゾ・ソプラノ、カレン・カーギルと、ロンドンの王立音楽院で教鞭をとるサイモン・レッパーの共演によるLINNでの2枚目のアルバム。20世紀に変わる前後の時代、フランス、もしくはベルギーで活躍した作曲家によるフランス語の歌曲を収めたアルバムです。ソプラノの歌手によって歌われることの多いこれらの作品が、カーギルの豊かな声により包容力のある美しさを帯びることで、新たな魅力を発見することが出来ます。 バッハの「G線上のアリア」を思わせる前奏に乗って歌いだされる冒頭の「クロリスに」から、まるで天国的な音楽。そしてジョンゲンとショーソンの作品には、ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管のコンサートマスター岩淵麻弥とその同僚たちが参加。弦楽の響きがさらに柔らかな美しさを形作ります。
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-★『レコード芸術』特選盤(2021年12月号)★-
ラフマニノフ(1873-1943):
交響曲 第2番 ホ短調 Op.27 [ロビン・ティチアーティ、ベルリン・ドイツ交響楽団]発売日:2021年09月10日
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,970円(税込)
美演! 来日公演でも好評だったティチアーティのラフマニノフ第2番ティチアーティとベルリン・ドイツ交響楽団によるラフマニノフの交響曲第2番。2019年秋の来日公演で演目となっており、生き生きとして沸き立つようなフレーズ感と、小細工をせずに楽譜を丁寧に鳴らすことから生まれる美しい響きで大きな評判となりました。 その公演からほどなく行われたセッション録音がこちらのアルバム。基本的に同じアプローチで表現はすっきりとしていながらも、聴く者には冒頭の低弦から大きな期待を持たせ、要所要所をきっちりと収め歌い上げていく様を聴き進むにつれて、大きな満足をもたらせてくれます。そしてそれは、小手先の煽りで畳みかけるようなことをしない終楽章コーダまで、裏切られることがありません。音楽に対する誠実さがそのまま音になったような、素晴らしい演奏となっています。 カットなしのオリジナル版を使用。
収録作曲家:
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『憧れ』
リヒャルト・シュトラウス、ベルク、シェーンベルク歌曲集 [ルーシー・クロウ、アンナ・ティルブルック]Vocal Recital (Soprano): Crowe, Lucy - STRAUSS, R. / BERG, A. / SCHOENBERG, A. (Longing)
発売日:2021年08月27日 NMLアルバム番号:CKD656
CD価格:2,475円(税込)
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『古き広間に響き合うもの』
~オールドホール写本に記された英仏14、15世紀の多声音楽~ [ゴシック・ヴォイシズ]Vocal Ensemble Concert: Gothic Voices - DAMETT, T. / DUFAY, G. / DUNSTABLE, J. / FOREST, J. / POWER, L. (Echoes of an Old Hall)
発売日:2021年06月11日 NMLアルバム番号:CKD644
CD価格:2,475円(税込)
百年戦争期における英国と大陸のつながりを、名門ゴシック・ヴォイシズとともにアルバムタイトルは英国の中世末期を代表する手稿譜集『オールドホール写本』に光をあてていることを示すダブルミーニング。1973年、サザビーズのオークションをへて英国図書館(ブリティッシュ・ライブラリー)の収蔵品となった美しい彩色装飾つきのこの楽譜集は、ロンドンとケンブリッジのほぼ中間、オールドホール・グリーンという場所にあるカトリック寄宿学校が長く所有していたため、専門家たちの間でそう呼ばれるようになりました。 そこには14〜15世紀、すなわち英仏百年戦争の時代に活躍したヨーロッパ大陸と英国の作曲家たちによる多声音楽が集められており、ブルゴーニュ楽派のデュファイやバンショワのかたわら英国のパワーやダンスタプルの作品が並ぶという、様式比較の上でも極めて興味深い選曲が音楽史家たちの関心を集めてきました。 初期ネーデルラント楽派と、当時の音楽大国だった英国の巨匠たちがどれほど近い関係にあったか、英国古楽界の名門ゴシック・ヴォイシズの精鋭による絶妙な和声感覚で味わえるのはこのうえない贅沢。21世紀に満を持しての新録音、中世ポリフォニーがルネサンス期へ新たな一歩を踏み出す時代ならではの高雅な音楽をじっくりお楽しみ頂けます。
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ショスタコーヴィチ(1906-1975):
ピアノ協奏曲 第1番・第2番
ピアノ三重奏曲 第2番 [シモン・トルプチェスキ、クリスティアン・マチェラル、ヤナーチェク・フィルハーモニー管弦楽団]SHOSTAKOVICH, D.: Piano Concertos Nos. 1 and 2 / Piano Trio No. 2 (Trpčeski, Krapovski, Somov, Janáček Philharmonic, Măcelaru)
発売日:2021年05月28日 NMLアルバム番号:CKD659
CD価格:2,475円(税込)
2019年のNHK交響楽団との共演も記憶に新しい、マケドニア出身のピアニスト、トルプチェスキによるショスタコーヴィチ。室内楽的な手法、様々な引用、諧謔に皮肉といった曲想を巧みに弾き分け、生き生きとした音楽性で定評のあるマチェラルと共に、作品の魅力を最大限引き出しました。 三重奏曲で共演する旧知のクラポフスキ始め、ほかのソリストの妙技も光っています。
収録作曲家:
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ヘンデル(1685-1759):
歌劇《ロデリンダ、ロンバルディアの女王》 [ルーシー・クロウ、イェスティン・デイヴィス、ジョシュア・エリコット、ティム・ミード、ハリー・ビケット、イングリッシュ・コンサート]HANDEL, G.F.: Rodelinda [Opera] (Crowe, I. Davies, Ellicott, Mead, Cedel, Dandy, English Concert, Bicket)
発売日:2021年05月14日 NMLアルバム番号:CKD658
CD 3枚組価格:3,975円(税込、送料無料)
最高の布陣で臨むヘンデル歌劇の象徴的傑作・全曲録音!間もなく創設半世紀になろうとする英国の老舗古楽器オーケストラ、イングリッシュ・コンサート。現音楽監督ハリー・ビケットは、これまでにもイアン・ボストリッジやルネ・フレミング、ダニエル・ド・ニースといった大物歌手たちとヘンデル作品の多彩さを印象づける名演でシーンを魅了してきた敏腕指揮者。今回は満を持して、この作曲家のオペラに対する現代の再評価の機運となった最盛期の傑作《ロデリンダ》の全曲録音に臨みました。 ヘンデルのオペラは19世紀以来の歌劇界からしばらく見過されていたところ、1920年ゲッティンゲンでこの《ロデリンダ》の記念碑的蘇演が行われたことが、今につながるヘンデル劇音楽群への注目に繋がりました。初演は《ジューリオ・チェーザレ》や《アレッサンドロ》などの大作相次ぐ頃、ヘンデル最盛期の1725年。中世初期のゲルマン民族大移動末期のミラノを舞台に繰り広げられる、ロンバルディア=ランゴバルドの女王ロデリンダをめぐる恋の物語――初演時にはイタリアの女声歌手クッツォーニや男声高音歌手セネジーノらの活躍で作品は高い評価に結び付きました。 ここではharmonia mundi franceでのヘンデル・アルバムでも共演したルーシー・クロウをタイトルロールに、イェスティン・デイヴィスとティム・ミードという英国古楽シーンでもとくに重要な二人のカウンターテナー歌手を含む充実したソリスト勢を起用。二つのテオルボ、2台のチェンバロを伴う充実した古楽器オーケストラの表情も聴きどころたっぷり! 英国の古楽シーンの最前線が反映されたLinnレーベルの快挙と言えるでしょう。
収録作曲家:
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『The Well-Tempered Consort - II
~ よく整えられたヴィオール合奏曲集 第2巻』
(ヴィオール合奏によるJ.S.バッハ作品集 …平均律クラヴィーア曲集より) [ファンタズム]BACH, J.S.: Well-Tempered Clavier (The), Books 1 and 2 (arr. for viol ensemble) (excerpts) (Phantasm, Dreyfus)
発売日:2021年03月26日 NMLアルバム番号:CKD657
CD価格:2,475円(税込)
英国式ヴァイオル・コンソートの味わいが浮かび上がらせる、バッハの新鮮な魅力バッハの鍵盤作品を英国ルネサンス風のヴァイオル・コンソート(ヴィオラ・ダ・ガンバ合奏)で演奏するアルバムの第2弾。原曲の造形を損ねることなくその魅力の思わぬ側面に光を当てることに成功した前作(CKD618)の好評を受けて、英国のファンタズムが新たなバッハ録音を届けてくれました。 『平均律クラヴィーア曲集』第2巻からの作品を中心に、第1巻の曲も適宜取り入れ、プレリュードとフーガを自由に組み合わせたプログラムは曲順も丁寧に考えられています。その穏やかな響きの味わいもあり流して聴くにも絶好ですが、さらに聴き深めれば聴き深めるほど、巧みな演奏が浮き彫りにするメロディラインの複雑な絡み合いの虜になってゆくことでしょう。 前作が黒を基調としたジャケットだったのに対し、今回は白いイメージが目をひくデザインも秀逸。2巻をペアで揃えたくなるプロジェクトです。
収録作曲家:
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『テンドゥッチの試練』
アイルランドのカストラート、G.F.テンドゥッチにまつわる古典派声楽作品集 [タラ・エロート、ピーター・ウィラン、アイルランド・バロック管弦楽団]Vocal and Orchestral Music (18th Century) - ARNE, T.A. / BACH, J.C. / FISCHER, J.C. / MOZART, W.A. (The Trials of Tenducci) (Erraught, Whelan)
発売日:2021年03月12日 NMLアルバム番号:CKD639
CD価格:2,475円(税込)
英国諸島を沸かせた波乱の天才――
人気上昇中の注目歌手と精鋭古楽器陣による古典派傑作選変声期前に特殊な手術を受けることにより高音の美声を保ち、18世紀にはオペラの花形だったカストラートには、絶大な名声を誇った者も少なくなく、世紀後半もその人気は衰えませんでした。 モーツァルトと縁のあったラウッツィーニやイタリア半島を席巻したカッファレッリら古典派時代を沸かせた名歌手たちと並んで見逃せないのが、このアルバムの主人公ジュスト・フェルディナンド・テンドゥッチ(1736頃-1790)。イタリア北西部サヴォイア公国で頭角を現し、軽快な美声でロンドンを虜にした彼は、エディンバラでも成功を収めつつ生涯の多くをダブリンで過ごしました。借金や駆け落ちなどでたびたび裁判沙汰に追われながら、何度も舞台に戻っては大喝采を受け、大成功のうちに引退して絶大な名声のなかで亡くなります。 ここでは欧州歌劇界で今最も注目される新進メゾ・ソプラノの一人、ロマン派以降の作品でも絶好調のタラ・エロートがテンドゥッチの名声を振り返る傑作群を披露。 J.C.バッハやジョルダーニ(名高い「カロ・ミオ・ベン」はこの頃の英国で初出版されたばかりか、実はテンドゥッチ得意の持ち歌の一つでした)ら、大陸の作曲家たちの英国における活躍ぶりがうかがえる名品も並ぶ中、英国18世紀を代表する作曲家アーンの大作『アータゼアクシーズ(アルタクセルクセス)』でテンドゥッチが演じた役柄の歌も収録する充実度。 親交のあったモーツァルトとの縁から選曲されている『エクスルターテ・ユビラーテ』も含め、オーボエ独奏やフォルテピアノの巧みな技も光る、アイルランド・バロック管の抜群の解釈にも注目です。 -
『暗き夜は過ぎ去り』
グリーグ、ブラームス、ラング、シューマン歌曲集 [カトリオーナ・モリソン、マルコム・マルティヌー]Vocal Recital (Mezzo-Soprano): Morison, Catriona - GRIEG, E. / BRAHMS, J. / LANG, J. / SCHUMANN, R. (The Dark Night Has Vanished)
発売日:2021年02月26日 NMLアルバム番号:CKD637
CD価格:2,475円(税込)
ドイツ系スコットランド人のメゾ・ソプラノ、カトリオーナ・モリソン。2017年のBBCカーディフ国際声楽コンクールを制し、既に世界中のコンサート・ホールやオペラ・ハウスで実績を積んでいる彼女にとって、こちらが初めてのソロ・アルバムとなります。 彼女の重要なレパートリーである、抒情的な歌曲を残したドイツ・ロマン派の女性作曲家ヨゼフィーネ・ラングを軸に、その周りのシューマンやブラームス、若き日にライプツィヒで学んでいたグリーグなど同時代の作品を収録しています。モリソンの持つ、聴く者の心にすっと染みていくような美しく透明感のある歌声と、豊かながらもすっきりとした表現が、これらの歌曲の魅力を十二分に引き出しています。 アルバムのタイトルは、ラングの「昨日と今日」歌いだしの一節からとられました。
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バッハ(1685-1750)/ブゾーニ(1866-1924):
ゴルトベルク変奏曲
シャコンヌ
ブゾーニ:ソナチネ 第4番
ウォン(1988-):第15変奏の反転 [シーヤン・ウォン]Piano Recital: Wong, Chiyan - BACH, J.S. / BUSONI, F. / WONG, Chiyan (Goldberg Variations and Other Works)
発売日:2021年01月29日 NMLアルバム番号:CKD598
CD価格:2,475円(税込)
スティーヴン・ハフの秘蔵っ子、シーヤン・ウォンによる「バッハ=ブゾーニ」!スティーヴン・ハフに才能を見出され、英国王立音楽院でクリストファー・エルトンに学んだ香港出身のピアニスト、シーヤン・ウォン(王致仁)。CDデビューは自身でさらなる改訂を施したリストのトランスクリプション集(CKD561)で、英国王立音楽院学長にしてトランペット奏者フリーマン=アットウッドのサポートも務めた(CKD621)彼が次に繰り出すのはブゾーニ。彼にとってリストと双璧を成す関心の対象であるブゾーニが、大バッハにどのように関わったかを探り、さらに自身がどのように斬り込んで行くかに挑戦したアルバムです。 表題の「ゴルトベルク」はもちろん、ラストの「シャコンヌ」まで、モダン・ピアノの機能をフルに生かした圧巻の表現力です。
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ハイドン(1732-1809):
第2アポーニー四重奏曲 作品74(弦楽四重奏曲第72-74番)
スコットランド民謡 [マクスウェル四重奏団]HAYDN, J.: String Quartets Nos. 57, 58 and 59, "The Rider" - Folk Music from Scotland (Maxwell Quartet)
発売日:2021年01月15日 NMLアルバム番号:CKD641
CD価格:2,475円(税込)
若きクァルテットによる「アポーニー四重奏曲」&「スコットランド民謡」第2弾!2010年にイギリスで結成され、2017年にトロンヘイム国際室内楽コンクールで聴衆賞を受賞しているマクスウェル四重奏団のアルバム第2弾。前作(CKD602)に引き続き、ハイドンが最初のイギリス旅行からウィーンへ戻ってすぐに書き始められた「アポーニー四重奏曲」と、彼らの故郷スコットランドの民謡を組み合わせ、その影響と関連性を探るという試みとなっています。 若い世代ならではの透明感と艶のあるハイドンが何と言っても魅力ですが、スコットランド民謡の陽気さと哀愁を清々しく聴かせるセンスがまた素晴らしく、たいへん美しく心地よいアルバムに仕上がっています。
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ウィルソン(1927-2001):
交響曲 第2番・第5番 [ロリー・マクドナルド(指揮) ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団]WILSON, T.: Symphonies Nos. 2 and 5 (Royal Scottish National Orchestra, R. Macdonald)
発売日:2020年11月13日 NMLアルバム番号:CKD643
CD価格:2,475円(税込)
スコットランドにおける芸術音楽復興の祖とされるトーマス・ウィルソン、その交響曲第2集です。 1927年イギリス人の両親のもとアメリカに生まれたウィルソンは、まもなく両親に連れられ英国へ渡り、グラスゴーに暮らして音楽を学びました。彼は生涯に5曲の交響曲を完成させますが、ここに収められた第2番は、現代的な手法を用いつつ高い芸術性を保持し、心地よい緊張感と緻密な構成を持つ彼の作風が確立された作品として重要なもの。そして第5番は彼の最後の作品となったもので、スコットランド室内管弦楽団の依頼で書かれ、彼の交響曲の手法を室内管弦楽団の枠内で実践してみせた単一楽章の作品。 ロリー・マクドナルドとロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団は、第3番と第4番を収録した前作(CKD616)に続き、「スコットランド芸術音楽の父」の作品を深い共感を持って描きあげています。
収録作曲家:
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『エディンバラ 1742 その2』
バルサンティ(1690頃-1775):
古いスコットランドのメロディ
ヘンデル(1685-1759):
歌劇《アタランタ》序曲 [ピーター・ウィーラン、アンサンブル・マルシュアス]BARSANTI, F. / HANDEL, G.F.: Concerti Grossi (Edinburgh 1742 - Parte seconda) (Ensemble Marsyas, Whelan)
発売日:2020年10月23日 NMLアルバム番号:CKD626
CD価格:2,475円(税込)
スコットランドのイタリア人、バルサンティの合奏協奏曲第2集現在では概ねリコーダーやフルートの作品で知られているフランチェスコ・バルサンティは、イタリアのルッカに生まれパドヴァで音楽を学んだ後に英国へ渡り、さらにスコットランドへと移ってヴァイオリン奏者、作曲家として生活しました。彼はたくさんのスコットランド民謡を編曲したほか、生涯に7つの作品を出版しており、そのうち作品1が6つのリコーダー・ソナタ、作品2が6つのフルート・ソナタ、そして作品3が1742年に出版された10の合奏協奏曲となっています。 スコットランド室内管弦楽団の首席ファゴット奏者であり、テノール歌手であり、ピアノでの伴奏からチェンバロでの通奏低音もこなすという才人ピーター・ウィーランが組織したアンサンブル・マルシュアスは、2017年に録音した『エディンバラ 1742』(CKD567)で作品10の前半5曲を発表。このアルバムはICMAやグラモフォン誌で軒並み高評価を得ています。 今回はその第2弾として、合奏協奏曲の後半と、ヴァイオリンとギターのデュエットによるスコットランド民謡、そして前回も収録されたヘンデル作品からは《アタランタ》の序曲を収録しています。作品の特質を生かした、からっとした勢いのある演奏がなんとも魅力的なアルバムです。
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シェパード(1515頃-1558):
われら生のただ中にありて ~ モテット集 [ロバート・クウィニー、オックスフォード・ニュー・カレッジ合唱団]SHEPPARD, J.: Choral Music (Media vita) (Oxford New College Choir, Quinney)
発売日:2020年10月23日 NMLアルバム番号:CKD632
CD価格:2,475円(税込)
オックスフォード・ニュー・カレッジ合唱団、英国ルネサンスの名作でLINN初登場!1379年、オックスフォード・ニュー・カレッジの創設と共に設立された合唱団。ルネサンス期の大作曲家ジョン・シェパードが、モードリン・カレッジの聖歌隊長としてオックスフォードに赴任した頃には、その歴史はすでに150年以上も経っていました。少年のトレブルのみによる最高音域が作り出す安定した美しいハーモニーは、現在も世界中の人々を虜にしています。 このアルバムは美しい大作「われら生のただ中にありて」のほか、所縁あるシェパードのモテットを収めたもので、今回が初録音となる作品を含み、その美しさを十二分に堪能できる内容となっています。
収録作曲家:
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-★『レコード芸術』特選盤(2021年1月号)★-
J.S.バッハ(1685-1750):
ゴルトベルク変奏曲 BWV 988
ユゼフ・コフレル(1896-1944)による室内オーケストラ編曲 [トレヴァー・ピノック、ロイヤル・アカデミー・オブ・ミュージック・ソロイスツ・アンサンブル、トロント王立音楽院グレン・グールド校のメンバー]BACH, J.S.: Goldberg Variations, BWV 988 (arr. J. Koffler for orchestra) (Glenn Gould School, Royal Academy of Music Soloists Ensemble, Pinnock)
発売日:2020年10月09日 NMLアルバム番号:CKD609
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,970円(税込)
ピノックが“振る”、「ゴルトベルク変奏曲」室内オーケストラ版今や「ピノックのオケ」の感があるロンドンのロイヤル・アカデミー・オブ・ミュージック・ソロイスツ・アンサンブルとの最新盤は、従来のマーラーやブルックナーの交響曲など大編成作品を「凝縮して切り詰める」路線とは逆に、バッハの鍵盤作品を室内オケに「肉付けして拡張した」もの。 編曲者のユゼフ・コフレル(1896-1944)はストルィー(当時はオーストラリア=ハンガリー帝国領、現在はウクライナ領)に生まれ、ウィーンでワインガルトナーらに学び、後にポーランドで十二音技法の先駆的作曲家として活動しましたが、1941年にナチスに捉えられ、1944年に家族と共にホロコーストの犠牲となったとみられています。この編曲はヘルマン・シェルヘンの遺品の中から1994年になって発見されました。 チェンバロ奏者としてバッハの原曲を録音しているピノックは、この編曲にコフレルからバッハに対する心からの敬意と愛情を感じたと言います。目指したのは、バロック風ではなく編曲当時の中欧の様式での演奏。合宿とウィグモア・ホールでのコンサートを経て臨んだ若き演奏家たちは、生き生きしたリズムに乗って明晰な対位法の綾を織りあげています。 編曲当時の中欧にはナチスの軍靴が響き、コフレルにも悲劇的な運命が訪れるのですが、その予感を感じさせない晴朗な響きは実に楽しい聴きものであり、それと知って聞けば不思議な感慨を残すことでしょう。
収録作曲家:
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-★『レコード芸術』特選盤(2020年12月号)★-
三善晃へのトリビュート
マリンバ作品集 [加藤訓子 (マリンバ) スコティッシュ・アンサンブル]発売日:2020年09月25日
SACD-Hybrid日本語帯/日本語解説付き価格:2,625円(税込)
恩師 三善晃に捧ぐ、マリンバ・ソロ全作品と協奏曲加藤訓子×LINN RECORDS10周年記念盤。加藤訓子が学んだ桐朋学園の学長を長年務めていた三善晃のレガシーを世界に広めたいという、彼女の堅い意志で制作されたアルバムです。収録しているのはマリンバのソロのための全作品と、スコティッシュ・アンサンブルとの共演による協奏曲。彼女の思いが結実した、高い緊張感の中にも「うた」を強く感じさせる素晴らしい演奏となっています。 LINN RECORDSから邦人作曲家の作品集がリリースされるのは今回が初めて。日本国内流通分のみSACDハイブリッド仕様(海外は通常CDのみ)となり、定評の高品質録音を最大限お楽しみいただけます。さらに、加藤訓子によるプロジェクトの解説と、三善晃自身の言葉を引用した作品解説を日本語で添付いたします。加藤訓子の演奏活動の新展開ともいえる、重要アルバムの登場です。 「我が国を代表する作曲家三善晃氏を偲び、残された素晴らしい作品を世界の多くの人々に届けることができたらという思いで、このアルバムの一曲一曲を丁寧にしあげた。」 ―― 加藤訓子
収録作曲家:
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R.シュトラウス(1864-1949):
死と変容 Op.24
ドン・ファン Op.20
6つの歌 Op.68 [ルイーズ・オルダー (ソプラノ)、ロビン・ティチアーティ(指揮)、ベルリン・ドイツ交響楽団]発売日:2020年09月11日
CD価格:2,475円(税込)
ティチアーティが甘美に歌い上げるリヒャルト・シュトラウス!2019年の来日公演が大きな成功を収めたロビン・ティチアーティとベルリン・ドイツ交響楽団にとって、初めてのリヒャルト・シュトラウス・アルバム。ティチアーティのR.シュトラウスといえば、2014年グラインドボーンでの《ばらの騎士》(OA1170D/OABD7168D)での演奏が高い評価を得ていますので、管弦楽作品のリリースは今回が初めてというのも少し意外なところ。 オープニングを飾る来日公演でも披露された「ドン・ファン」では、勢いで押すことなく細部を丁寧に歌い上げ、作品の美しい側面をたっぷりと聴かせています。 「6つの歌」では、近年急速にその評価を上げているルイーズ・オルダーを起用。2017年のカーディフ国際コンクールでジョーン・サザーランド聴衆賞を獲得、2019年にはジョン・エリオット・ガーディナー指揮によるヘンデルの《セメレ》でタイトルロールを歌ったことでも話題となりました。「若手のリリック・ソプラノの中でも最も輝かしい声」(The Arts Desk)、「きらめくように美しい声」(The Gramophone)と評され、バロック、古典派から後期ロマン派までを驚異的な表現力で聴かせる彼女の魅力を存分に引き出しています。 「ドン・ファン」とほぼ同時期に書かれ、二十代前半の若きR.シュトラウスを代表する作品の一つ「死と変容」では、目まぐるしく変化する曲想をそれぞれ見事に捉え、色彩感豊かに聴かせました。オーケストラを細やかにコントロールし、このように官能的な音楽を作り上げるティチアーティもまだ三十代。早熟の作曲者に深い共感を持って作り上げたアルバムです。
収録作曲家:
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モーツァルト(1756-1791):
ピアノ協奏曲 第19番 ヘ長調 K.459
ピアノ協奏曲 第27番 変ロ長調 K.595
ロンド イ長調 K.386 [ピエモンテージ、マンゼ、スコットランド室内管弦楽団]発売日:2020年08月28日
CD価格:2,475円(税込)
ピエモンテージ&マンゼによるモーツァルト第2弾!ピエモンテージ、マンゼ、スコットランド室内管の組み合わせによるモーツァルトのピアノ協奏曲。2017年に発売された第25番と第26番(CKD544)に続く第2弾は、第19番と第27番にピアノと管弦楽のためのロンドの組み合わせです。 ピエモンテージにとって第27番は2018年のBBCプロムスでも好評を博したレパートリー。古楽器畑出身のマンゼならではの見通しの良い響きと推進力の心地よい音楽運びに乗り、ピエモンテージのリリカルなピアノが伸びやかに歌う、極上のモーツァルトを聴かせてくれます。またロンドでは、作曲当時の形式に則りながら創造性溢れるピエモンテージの自作カデンツァも披露しています。
収録作曲家:
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『マケドニッシモ』
パンデ・シャホフ(1973-)による、
マケドニア伝統音楽の編曲集 [シモン・トルプチェスキ & フレンズ]発売日:2020年08月28日
CD価格:2,475円(税込)
実力派ピアニスト、トルプチェフスキが故郷マケドニアの伝統音楽ではじける!1979年マケドニア生まれのピアニスト、シモン・トルプチェフスキ。BBCラジオ3のニュー・ジェネレーション・アーティストへの選出のほか、2003年にはロイヤル・フィルハーモック協会のヤング・アーティスト・アウォードを受賞、これまでEMI、ONYX、AVIEなどのレーベルから多くのアルバムをリリースしてきた実力派の彼が、故郷マケドニアのアーティストらと組んでその伝統音楽を演奏したアルバムが登場です。 編曲は、トルプチェフスキと同様英国で活躍するマケドニア出身の作曲家シャホフによる、ジャズのイディオムも盛り込んだもの。小さな曲が6つのPletenki(英語でPlait=組み紐)というセットにまとめられています。ピアノのほかクラリネット、ヴァイオリン、チェロなどが活躍し、尺八のようなバルカン半島の民族楽器カバルも登場。メンバーの歌もフィーチャーされ、トルプチェフスキも自らの幼年時代に直結したPlait2で、思い入れたっぷりの歌を披露します。 快活な変拍子とゆったりとした抒情性。ブルガリアの民族音楽にも通じるような、明らかに異国の音楽なのに日本人にも懐かしい、そんな魅力的な響きを堪能できるアルバムです。
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ファリャ(1876-1946):
バレエ音楽《三角帽子》(全曲)
歌劇《はかなき人生》「間奏曲とスペイン舞曲」
『スペインの庭の夜』
グラナドス(1867-1916):
歌劇《ゴイェスカス》より「間奏曲」 [アレハンドラ・ゴメス・オルダス(メゾ・ソプラノ/三角帽子)、ホルヘ・フェデリコ・オソリオ(ピアノ/スペインの庭の夜)、カルロス・ミゲル・プリエト(指揮)オーケストラ・オブ・ジ・アメリカズ]発売日:2020年07月10日
CD価格:2,475円(税込)
若さとラテンの血がたぎるファリャ、オーケストラ・オブ・ジ・アメリカズ第2弾2002年にアメリカ・ユース管弦楽団(The Youth Orchestra of the Americas)として発足したオーケストラ・オブ・ジ・アメリカズは、南北アメリカ大陸の各国より、18歳から30歳までの若き名手たちが集まった精鋭集団。メキシコ出身の音楽監督プリエトとの第2弾は、ファリャの作品集です。ラテン民族の熱い血と弾けるような若さが生きた、情熱的ながらもスポーツの後のような爽快感も伴った素晴らしい演奏を聴かせてくれます。 さらに注目は、メキシコ出身で現在はシカゴを中心に活躍するピアニスト、ホルヘ・フェデリコ・オソリオ。ブラームスのスペシャリストとされる彼の詩情あふれるタッチが、『スペインの庭の夜』の神秘的な曲想を大いに盛り立てます。
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『人生の嵐』
シューベルト(1797-1828):
4手ピアノのための作品集 [デュオ・プレイエル(4手ピアノ) アレクサンドラ・ニェポムニャシャヤ リチャード・エガー]発売日:2020年04月10日
CD価格:2,475円(税込)
エガーによるピアノ・デュオ、初のアルバムはシューベルトの名作!リチャード・エガーと、ロシアのチェンバロ奏者ニェポムニャシャヤが、これまで3年ほど打ち込んできたピアノ・デュオの初CD。シューベルトの連弾作品を集めており、最晩年の傑作「幻想曲」と「人生の嵐」などを収めています。 ここで使用されたショパンの生きた時代のプレイエルは、機能的にはかなり充実してきたもので、シューベルトの傑作の数々が、二人の古楽系鍵盤楽器の名手によりダイナミックに表現されています。
収録作曲家:
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ビゼー(1838-1875):
『カルメン』 組曲 第1番
交響曲 第1番 ハ長調
グノー(1818-1893):
小交響曲 [フランソワ・ルルー (指揮、オーボエ)、スコットランド室内管弦楽団]発売日:2020年03月13日
CD価格:2,475円(税込)
名オーボエ奏者ルルーが振る、フランス管弦楽の名曲オーボエ奏者として、ソロや「レ・ヴァン・フランス」で活躍するフランソワ・ルルーが、指揮者としてスコットランド室内管弦楽団と共演したアルバムが登場。故国フランスが誇る19世紀の大作曲家二人の名作を収めています。いずれも溌溂とした音運びと細部まで行き届いた歌心がなんとも魅力的。 グノーの小交響曲は管楽合奏(Fl 1、Ob 2、Cl 2、Fg 2、Hr 2)のために書かれていますが、ここでは第1オーボエ奏者として参加。『カルメン』の闘牛士(前奏曲)の喧騒の後、ふっと立ち上がる小編成アンサンブルの響きは、得も言われぬ美しさです。
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プロコフィエフ(1891-1953):
交響曲 第1番 ニ長調 『古典』 Op.25
交響曲 第5番 変ロ長調 Op.100 [トマス・セナゴー(指揮)、ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団]発売日:2020年02月21日
CD価格:2,475円(税込)
デンマークの俊英によるプロコフィエフ!ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団と、音楽監督を務めるデンマーク出身のセナゴーによるアルバム第2弾は、彼らにとって初めての交響曲アルバム。ハイドンの手法を取り入れて作られた明快な第1番、シニカルなスケルツォなど戦争の影に縁どられながらも、祖国と自由への賛美を歌い上げた大掛かりな編成の第5番という、やや対照的なカップリングとなっています。 セナゴーの豊かなニュアンスが細部にまで行き届き、ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団ならではの明るい音色の中にコントラストが明確に刻まれた、奥行きのある演奏をお楽しみにいただけます。彼らは今後の4シーズンで、プロコフィエフの交響曲全てを演奏する予定です。
収録作曲家:
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R.シュトラウスとウィーンのトランペット
~ ウィーンにまつわる作品の
トランペットとピアノのための編曲集 [ジョナサン・フリーマン=アットウッド(トランペット)、チャン・ウォン(ピアノ)]発売日:2020年02月14日
CD価格:2,475円(税込)
英国王立音楽院学長が贈るトランペットとピアノのためのニューレパートリー、ウィーン編ヴァイオリンのレイチェル・ポッジャーなどを手掛けた名音楽プロデューサーであり、2008年から英国王立音楽院の学長も務めるトランペット奏者フリーマン=アットウッドによる、トランペットとピアノのためのレパートリー集。これまで仮面劇(ルネサンスからバロックまで作品集)、バッハ、フォーレ、ロマン派などのテーマでリリースされてきましたが、今回はウィーンにまつわる作品集となっています。 中でも、リヒャルト・シュトラウスのヴァイオリン・ソナタを元に新たに創造された「ソナタ」に注目。彼がトランペット・ソナタを残していたらこうなっただろうという、たいへん聴き応えのある作品に仕上がっています。
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発売日:2020年01月24日
CD価格:2,475円(税込)
ヴィオール合奏の雄ファンタズムによるバッハ!大バッハが残した鍵盤楽器のための作品を、ローレンス・ドレフュスが3声から6声までのヴィオール合奏へと編曲し、ドレフュスとマルック・ルオラヤン=ミッコラを中心としたファンタズムによる演奏で収めたアルバム。各メンバーの表情豊かな積極性の高い表現で、バッハが書いた各声部の繊細な綾が生き生きと描かれています。トレブルからヴィオローネまで広い音域の楽器を用いることで、表現の幅が大きくなり聴き応えが増したことも特筆できるでしょう。 ファンタズムは1994年に結成されたヴィオールの合奏団で、これまでに発表したアルバムがグラモフォン年間アワードを3回、ディアパソン・ドールを2回受賞するなど、世界的に高い評価を得ています。今回のアルバムのタイトルは一般に「平均律クラヴィーア曲集」と訳されている"Das Wohltemperierte Klavier"(本来は「良く整えて調律された鍵盤楽器」の意)のパロディで、同作品集からの前奏曲とフーガを中心に、コラールなども盛り込んだ多彩な内容となっています。 なお「第2巻」は2021年に発売予定とのこと。
収録作曲家:
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『ノエルを歌おう』
中世イギリスのクリスマス音楽 [ゴシック・ヴォイセズ]発売日:2019年12月20日
CD価格:2,475円(税込)
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ヘンデル(1685-1759):
『サムソン』(1743) HWV 57 [ジョン・バット(指揮、チェンバロ)、ティフィン少年合唱団、ダニーデン・コンソート(古楽器使用)、ジョシュア・エリコット(テノール)、ジェス・ダンディ(アルト)、マシュー・ブルック(バス)、ヴィタリ・ロジンコ(バス)、ソフィー・ベヴァン(ソプラノ)、ヒューゴ・ハイマス(テノール)、マリー・ベヴァン(ソプラノ)、フラー・ウィン(ソプラノ)]発売日:2019年12月20日
CD 3枚組価格:4,425円(税込、送料無料)
ジョン・バットが劇的に聴かせる、ヘンデルの大作オラトリオ『サムソン』1739年頃から構想され、『メサイア』の初演後ほぼ間もなく1742年に完成したヘンデル最大のオラトリオ。英ルネサンスの詩人ジョン・ミルトンによる劇詩『闘士サムソン』を元に、ニューバラ・ハミルトンが起こしたテキストを使用した劇的オラトリオで、1743年にロンドンで初演され、大きな評判となりました。 ヘンデル作品を積極的に取り上げてきたジョン・バットは、ここでベーレンライター社刊ハンス=ディーター・クラウセン新校訂版の1743年初演稿を使用。合唱のソプラノ・パートにはボーイ・ソプラノを起用し、最新研究に沿ったヘンデルの時代の響きを再現すると共に、力強い表現で作品の魅力を十二分に発揮しています。
収録作曲家:
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ショスタコーヴィチ(1906-1975):
〈最後の3つの弦楽四重奏曲〉
第13番 変ロ短調 Op.138
第14番 嬰ヘ長調 Op.142
第15番 変ホ短調 Op.144 [フィッツウィリアム弦楽四重奏団]SHOSTAKOVICH, D.: String Quartets Nos. 13-15 (50th Anniversary Recording) (Fitzwilliam String Quartet)
発売日:2019年12月20日 NMLアルバム番号:CKD612
CD 2枚組価格:3,975円(税込、送料無料)
結成50周年、ショスタコーヴィチの認めたフィッツウィリアム弦楽四重奏団の記念録音1968年に結成され、ショスタコーヴィチの弦楽四重奏連続演奏で作曲者に高く評価されたフィッツウィリアム弦楽四重奏団。ショスタコーヴィチが生前最後に認めた弦楽四重奏団の50周年を記念して、その最後の3つの四重奏曲を収めたアルバム。 度重なるメンバー・チェンジを行ってきた彼らですが、ヴィオラのアラン・ジョージは結成時からのオリジナル・メンバーです。作曲者の没後には全曲録音も達成した彼ら。中でもこの第13番で聴けるジョージのヴィオラの活躍が嬉しい所ですが、メンバーは変われどもその遺伝子は今に受け継がれていると、このアルバムでの4人の素晴らしい演奏が証明しています。
収録作曲家:
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ベートーヴェン(1770-1827):
〈チェロとピアノのための作品全集〉
チェロ・ソナタ 第1番-第5番
変奏曲集 [オリ・エプスタイン、オムリ・エプスタイン]発売日:2019年12月20日
CD 2枚組価格:3,975円(税込、送料無料)
若手トリオ"ブッシュ三重奏団″を支える兄弟が、堂々のデビュー!ALPHAレーベルからドヴォルザークのピアノと弦楽のための室内楽作品全集(ALPHA467)をリリースし、非常に高い評価を得ている英国の若きピアノ・トリオ、ブッシュ三重奏団のチェロとピアノを担当する、エプスタイン兄弟がLINN RECORDSからデビュー。ベートーヴェンのチェロとピアノのための作品をいきなり全集でリリースするという、力の入った内容です。 ベートーヴェンが二十代半ばで作曲した、チェンバロあるいはピアノとオブリガート・チェロのためのソナタ2曲(Op.5)から、円熟期の四十代半ばに書かれた自由な形式の第4番、古典的な構成の中で強い個性が光る第5番、その間に書かれた変奏曲などを収録。1986年と1993年にイスラエルに生まれ2002年からはロンドンで暮らす彼らは、兄弟であることはもちろん音楽家としての共演歴も20年になるとのことで、若き二人ながらもその息はまさにぴったり。ベートーヴェン作品に通じる起伏と、メロディとリズムが一体化する流れを瑞々しく描いています。
収録作曲家:
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シューベルト(1797-1828):
交響曲 第9番(第8番) ハ長調 『グレート』 D.944 [マキシム・エメリャニチェフ(指揮)スコットランド室内管弦楽団]発売日:2019年11月22日
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,970円(税込)
注目のエメリャニチェフとスコットランド室内管弦楽団 第1弾!1988年ロシア生まれのエメリャニチェフ。フォルテピアノ奏者として「モーツァルト:ピアノ・ソナタ集」(APARTE)でフランスのショック賞を受賞したほか、数々の賞に輝いたテオドール・クルレンツィス指揮の「モーツァルト:フィガロの結婚」「コシ・ファン・トゥッテ」(SONY)に通奏低音として参加し、話題となりました。指揮者としても12歳でデビュー。モダンとピリオド両方のスタイルを振り分け、ディドナートと共演した『戦争と平和の中で』(ERATO)ではグラモフォン・アワードのリサイタル部門を受賞しています。音楽監督を務めるピリオド・アンサンブル”イル・ポモ・ドーロ”のほか数々のオーケストラに客演。2019-20シーズンからは、スコットランド室内管弦楽団の首席指揮者就任が決まっています。 そんなエメリャニチェフとスコットランド室内管弦楽団との初めての録音がLINN RECORDSから登場。曲はドイツ音楽に強い嗜好を示すエメリャニチェフらしく、シューベルトの『グレート』となりました。モダン楽器のオーケストラながら、ナチュラル・トランペットとナチュラル・ホルン、古典タイプのティンパニを使用。プレイバックは全団員で確認するなど、早くもエメリャニチェフらしい流儀で録音が進められ、テキパキとしたテンポと見通しの良いサウンドがたいへん心地よい演奏となっています。 「この録音を聴く人々には、(古い時代を模した演奏ではなく)現代的で今の時代らしいと感じてほしい」とエメリャニチェフ自身が語るように、新しい世代の確固たる意志が伝わる一枚です。
収録作曲家:
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発売日:2019年11月15日
CD国内仕様 日本語解説付価格:2,970円(税込)
北ドイツ・オルガン楽派を育てた大家、知られざるチェンバロ芸術を名手エガーの演奏でリコーダー作曲家ヤーコプ・ファン・エイクとともに、オランダ17世紀初頭を代表する作曲家のひとりスヴェーリンク。生前はアムステルダム旧教会のオルガン奏者として活躍、後続世代のシャイデマンやJ.プレトリウス、シャイトらをはじめとする数多くのすぐれた門弟を育て、結果的に北ドイツのオルガン芸術の発展に大きく寄与したその功績は、数世代後の大バッハにまで影響をおよぼしました。イタリアの同時代人フレスコバルディと同様、彼もまたオルガンだけでなくチェンバロで演奏するにふさわしい作品を数多く残していますが、今日では諸外国の写本にある一部の作品を別にすれば、まとめて聴く機会は必ずしも多いとは言えません。 創設者ホグウッドの後を受け、アカデミー・オヴ・エンシェント・ミュージックの音楽監督として活躍するかたわら、チェンバロ&オルガン奏者としても17~18世紀のすぐれた大家たちの作品を数多く録音してきたリチャード・エガーが、ここに満を持してスヴェーリンクの鍵盤作品集をチェンバロで録音したのは、実に歓迎すべきことと言えるでしょう。 使用楽器はスヴェーリンクの生前のオランダ語圏で最も重要な鍵盤楽器製作家だったリュッケルス(ルッカース)工房のモデル。世界中の名手からの信頼もあついオランダのアメリカ人カッツマンによる精巧な再現複製楽器で、エガーの周到な解釈を通じて甦る「当時の響き」は、オランダ黄金時代の室内風俗画の世界そのものと言ってよいでしょう。
収録作曲家:
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-★『レコード芸術』特選盤(2020年2月号)★-
デュリュフレ(1902-1986):
レクイエム Op.9
ドビュッシー(1862-1918):
夜想曲 [ロビン・ティチアーティ(指揮)/ベルリン・ドイツ交響楽団/ベルリン放送合唱団/マグダレーナ・コジェナー(メゾ・ソプラノ)]発売日:2019年10月11日
CD国内仕様 日本語解説付価格:2,970円(税込)
近代フランスの対照的な2曲を収録3回目のシーズンを迎えたベルリン・ドイツ交響楽団と音楽監督ロビン・ティチアーティ。CD第4弾は近代フランスの大作2曲を収録し、ドビュッシーの管弦楽作品に、コジェナーを迎えた同時代フランスの声楽作品という組み合わせでは3枚目となります。特に「海」と「忘れられた歌」の組み合わせ(CKD550)は、各方面でたいへん高い評価を得ています。 ノートルダム大聖堂などフランスの大きな教会で、始めは聖歌隊、のちにオルガニストとして奉職したデュリュフレ。1947年に作曲した「レクイエム」は、グレゴリオ聖歌を元にしたたいへん美しい作品で、フォーレのそれと並び日本でも広く人気があります。ここではフルオーケストラの版で演奏されており、メゾ・ソプラノのソリストとしてコジェナーが登場しますが、バリトン独唱は合唱のバスのユニゾンに置き換えられています。 逆に、生涯を通じて教会へ出向くことに積極的ではなく、宗教作品も残さなかったドビュッシーが1890年代末に書いた「夜想曲」では、ティチアーティの繊細な棒さばきと、ベルリン・ドイツ響ならではの力強いアンサンブルが、音楽に心地よいうねりをもたらしています。
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ストラヴィンスキー(1882-1971):
バレエ音楽「ミューズを率いるアポロ」
バレエ組曲「プルチネッラ」(1949年改訂版) [アレクサンダー・ヤニチェク(指揮、ヴァイオリン)、ヨーロッパ室内管弦楽団]発売日:2019年08月23日
CD価格:2,475円(税込)
ECOによる瑞々しいストラヴィンスキー名ヴァイオリニストとして知られるヤニチェクとヨーロッパ室内管弦楽団によるストラヴィンスキー。弦六部(ヴァイオリンとチェロが2パートずつ)のために書かれた「ミューズを率いるアポロ」と、ペルゴレージの作品を元にした「プルチネッラ」を収録。ヤニチェクはソロヴァイオリンも担当しながら、比較的小規模なオーケストラを隅々までコントロールし、生き生きとした音楽を聴かせています。 SACDハイブリッドであったCKD330を通常CDとして再発売。
収録作曲家:
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コレッリ(1653-1713):
室内ソナタ集 Op.2&Op.4 [パブロ・ベズノシウク(指揮、ヴァイオリン)、エイヴィソン・アンサンブル(古楽器使用)]発売日:2019年08月23日
CD 2枚組価格:3,975円(税込、送料無料)
英国古楽界の雄による、コレッリの傑作ソナタ1985年に結成され、英国の古楽界をリードする団体の一つであるエイヴィソン・アンサンブルのメンバーと、アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージックやなどで活躍するバロック・ヴァイオリンノ名手ベズノシウクによるコレッリの第3弾として発売された、室内ソナタ(トリオ・ソナタ)集。 SACDハイブリッドであったCKD413の通常CDでの再発売です。
収録作曲家:
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コレッリ(1653-1713):
教会ソナタ集 Op.1&Op.3 [パブロ・ベズノシウク(指揮、ヴァイオリン)、エイヴィソン・アンサンブル(古楽器使用)]発売日:2019年08月23日
CD 2枚組価格:3,975円(税込、送料無料)
英国古楽界の雄による、コレッリの傑作ソナタ1985年に結成され、英国の古楽界をリードする団体の一つであるエイヴィソン・アンサンブルのメンバーと、アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージックやなどで活躍するバロック・ヴァイオリンノ名手ベズノシウクによるコレッリの第4弾として発売された、教会ソナタ(トリオ・ソナタ)集。 SACDハイブリッドであったCKD414の通常CDでの再発売です。
収録作曲家:
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ファッシュ(1688-1758):
四重奏曲集/ホルン四重奏曲
バスーン協奏曲/リコーダー協奏曲
リコーダー四重奏曲 [ピーター・ウィーラン(バスーン)、パメラ・トービー(リコーダー)、アンサンブル・マルシュアス(古楽器使用)]発売日:2019年08月23日
CD価格:2,475円(税込)
ピリオド管楽器の妙技を聴く、ファッシュ作品集パラディアン・アンサンブル創設メンバーであるリコーダーのトービーと、アンサンブル・マルシュアス創設メンバーであるウィーランという2人の名手を迎えたアルバム。アンサンブル・メンバーのオーボエやホルンも目の覚めるようなテクニックを聴かせます。 SACDハイブリッドであったCKD467の通常CDでの再発売。
収録作曲家:
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ダウランド(1563-1626):
ラクリメ、あるいは7つの涙 [ファンタズム(ヴィオール合奏)、エリザベス・ケニー(リュート)]発売日:2019年08月23日
CD価格:2,475円(税込)
2017年大きな話題となった、ヴィオール合奏の最高峰によるダウランドの傑作1994年に結成され、多くのアルバムが国際的に評価されている英国ヴィオール合奏(コンソート・オブ・ヴァイオルズ)の最高峰ファンタズムが、リュート・テオルボの名手エリザベス・ケニーを迎えて録音したダウランドの「7つの涙」。2017年のグラモフォン・アワード及びディアパソン・ドール年間賞の古楽部門を受賞し、BBC放送First Choiceにも選出された名盤です。リーダー、ローレンス・ドレフュスの弾くトレブル(高音)・ヴィオールのほか、テノール×3、バス×1という五重奏にケニーの弾くリュートという編成で、深い悲しみを内に秘めた美しい音楽が奏でられています。 SACDハイブリッドであったCKD527の通常CDでの再発売。
収録作曲家:
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シューマン(1810-1856):
ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54
メンデルスゾーン(1809-1847):
序曲「美しいメルジーネの物語」 Op.32
ピアノ協奏曲 第1番 ト短調 Op.25 [イングリット・フリッター(ピアノ)、アントニオ・メンデス(指揮)、スコットランド室内管弦楽団]発売日:2019年08月23日
CD価格:2,475円(税込)
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「迷えるソナタ」
クルス(1705-1786):
6つのトリオ・ソナタ Op.5 [バロッコ・トゥ]発売日:2019年07月26日
CD価格:2,475円(税込)
若き実力派古楽グループによる初CDは、ロココ期ベルギーの知られざる作曲家!2013年にブリュッセル王立音楽院で結成されたバロッコ・トゥ。現代の古楽最先端で演奏技術と解釈を吸収し、若い感性で精力的な活動を展開していた彼らは、2017年のヨーク国際古楽コンクールで見事優勝を果たしました。そのアルバム第一弾に選ばれた作品は、1705年アントウェルペン(アントワープ)に生まれたベルギーの知られざる作曲家、ド・クルスによるトリオ・ソナタ。ロココ様式で書かれたこれらの作品は、いずれもたいへん親しみやすく美しいもので、彼らの瑞々しい演奏がその魅力を一層引き立てています。 忘れられてしまったソナタという意味合いが込められていると思われる「La Sonate Égarée 迷えるソナタ」というタイトルが付けられたこのアルバムで、彼らは「知られていないということは、その価値がないということ」という偏見を見事に打ち崩しています。
収録作曲家:
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発売日:2019年07月26日
CD価格:2,475円(税込)
テオルボの多彩な魅力を一枚に凝縮!バロックの合奏では、通奏低音として縁の下の力持ちといった役回りの大型のリュート、テオルボ。イタリアではキタローネとも呼ばれたこの楽器は、広い音域を生かした独奏楽器としても重宝され、ここに収められたピッチニーニ、カプスペルガー、ド・ヴィゼーらは17世紀前後にその名手として活躍し、多くの作品も残しました。 また近年に古楽器が復権するなか、その魅力に着目する現代の作曲家も多く、ここには人気のジェイムズ・マクミランなどを収録しています。現代の作品では長い歴史と唯一無二の風格を持つこの楽器に敬意を払い、バロック時代を思わせるタイトルや形式のものも多いですが、高音と低音を不気味に鳴らすベンジャミン・オリヴァーなど、その作風はどれもかなり個性的です。 エリザベス・ケニーはレ・ザール・フロリサンやオーケストラ・オブ・ジ・エイジ・オブ・ジ・エンライトメントでも活躍した、現代リュートの第一人者。LINN RECORDSには4枚目の録音で、今回は初のソロ・アルバムとなっています。
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Pan-American Reflections
コープランド(1900-1990):
交響曲 第3番
チャベス(1899-1978):
交響曲 第2番「インディオ」 [カルロス・ミゲル・プリエト(指揮)、オーケストラ・オブ・ジ・アメリカズ]発売日:2019年06月28日
CD国内仕様 日本語解説付価格:2,970円(税込)
南北アメリカ大陸の若き精鋭たちによる、色彩豊かな響き2002年にアメリカ・ユース管弦楽団(The Youth Orchestra of the Americas)として発足したオーケストラ・オブ・ジ・アメリカズは、南北アメリカ大陸の各国より、18歳から30歳までの若き名手たちが集まった精鋭集団。LINN RECORDSからのアルバム第1弾は、メキシコ出身の音楽監督プリエトと共に、南北アメリカをそれぞれ象徴する名交響曲2曲を収録しています。 第4楽章冒頭に「市民のためのファンファーレ」が引用されていることで有名なコープランドの交響曲第3番は、他にも「アパラチアの春」や「ロデオ」といった彼の代表作を彷彿とさせる曲想が緩-急-緩-急の構成の中に次々と現れ、その芸術の集大成のような内容となっています。 チャベスの交響曲第2番は単楽章の比較的短い作品ですが、目まぐるしく変化していく変拍子のリズムがたいへん愉快。オーケストラは、これらの作品を若者らしい溌溂としたリズム感と深い共感を持って、その色彩溢れる魅力を最大限引き出して楽しませてくれます。
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R.シュトラウス(1864-1949):
交響詩「英雄の生涯」
「ばらの騎士」組曲 [トーマス・セナゴー(指揮)ロイヤル・スコティッシュ国立管弦楽団]発売日:2019年05月24日
CD価格:2,475円(税込)
トーマス・セナゴーとロイヤル・スコティッシュ管弦楽団によるリヒャルト・シュトラウス・シリーズの第1作目。選ばれたプログラムは「英雄の生涯」と「ばらの騎士」組曲で、どちらもオーケストラの性能を極限まで活かしたドイツ後期ロマン派の名作です。各々の楽章のストーリー性を丹念に引き出した「英雄の生涯」、複雑なスコアから立ち昇る妖艶な響きの「ばらの騎士」各々、セナゴーが紡ぎ出すオーケストラの豊かな表現をお楽しみください。 「英雄の生涯」ではロイヤル・スコティッシュ管弦楽団のコンサート・ミストレスを務める岩淵麻弥がヴァイオリン・ソロを務めています。
収録作曲家:
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シュッツ(1585–1672):
Cantiones sacrae
カンツィオーネス・サクレ(聖歌集) Op.4 [フィリップ・ケイヴ(指揮)マニフィカト]発売日:2019年05月24日
CD 2枚組価格:3,975円(税込、送料無料)
フィリップ・ケイヴ率いる名門マニフィカトによる待望の大曲41曲の4声のラテン語モテットからなる「カンツィオーネス・サクレ」は、ルター派プロテスタントのドイツ語宗教音楽発展に大きく寄与したシュッツが、新教・旧教の対立を巻き込んだドイツ三十年戦争の時代にあって、カトリックのラテン語詩句にルネサンス風のア・カペラ形式で曲をつけた小編成向けの大曲集。彼が出版した他の作品と比べると規模も形式も特殊なものです。 通奏低音は後年足されたもので、このアルバムではリュート、ヴィオローネとオルガンが使用されています。多彩な旋律が対位法の粋を集めて使用され、表現もダイナミックなもの。 2016年に発売された結成25周年アルバム「Scattered Ashes」(CKD517)以降、多くの古楽ファンが待ち望んだフィリップ・ケイヴ率いるマニフィカトのニューアルバム。
収録作曲家:
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「おかえりなさい、デュバーグさん」
デュバーグ(1703-1767):
18世紀アイルランド屈指のヴァイオリン奏者=作曲家にまつわる作品集 [ピーター・ウィラン(チェンバロ)指揮、アイリッシュ・バロック・オーケストラ(古楽器使用)&合唱団]DUBOURG, M.: Welcome Home, Mr Dubourg / Crowned with a more illustrious light (Irish Baroque Orchestra, Whelan)
発売日:2019年05月17日 NMLアルバム番号:CKD532
CD価格:2,475円(税込)
マシュー・デュバーグ(ドゥブルグ)は、ヘンデルが『メサイア』をダブリンで世界初演したとき首席奏者として楽隊をまとめたヴァイオリン奏者。当時彼は稀代のヴァイオリンの名手として知られていました。 ロンドンで少年時代から才覚をあらわし、1728年からダブリンで活躍した彼は、英国やアイルランドの地元文化にもなじみつつ、ジェミニアーニ門下で早くから本格的なイタリア音楽にも親しんだ経験の持ち主で(だからこそヘンデルの本格オラトリオの演奏で重要な役割を演じられたのでしょう)、折々ヴィヴァルディの協奏曲の演奏でも高い評価を博していたそうです。 自作品の演奏も賞賛の的となっていましたが、残念ながら彼が残した楽譜は僅か。その貴重な現存例から、本盤はダブリン城で披露された声楽作品を軸に、彼が絶賛を博したコレッリとヴィヴァルディの傑作を併録。同時代人たちのデュバーグへの賞賛と愛着を示す小品群を交え『メサイア』前夜のアイルランド楽壇の気配を生々しく甦らせてくれます。 ソリスト編成の合唱を伴う少数精鋭(弦楽編成は3/3/1/3/2、通奏低音には鍵盤・撥弦が2人ずつ参加)の古楽器演奏が映える1枚です。
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バード(1540頃-1623):
『大礼拝音楽』とアンセム
英語による宗教合唱曲集 [コーム・カーリー/オディッシアン・アンサンブル]発売日:2019年04月12日
CD国内仕様 日本語解説付価格:2,970円(税込)
ネーデルラントの巨匠ラッススと数年違いで生まれ、初期バロックの立役者カッチーニよりも数年後まで生きた英国ルネサンス期最大の巨匠ウィリアム・バード。彼が自身カトリック信徒でありながら、ラテン語の教会音楽のみならず英国国教会向けに英語歌詞の礼拝楽曲を多数残したことは見過ごせません。 タリス・スコラーズやモンテヴェルディ合唱団、ザ・シックスティーンなどで活躍してきた実力派ばかりが居並ぶ少数精鋭集団を、ダブリン生まれの才人コーム・カーリーが率いて織り上げる最新録音は、そんなバードの英語歌詞作品を厳選、その粋を本場・英国の感覚そのままに伝える充実企画! 音楽学の進展に伴い、清教徒革命以前は低音部を充実させた独特のオルガン伴奏がなされていたことが判明、その説に従いオルガンを的確に盛り込んだ演奏解釈も注目に値します。
収録作曲家:
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バード(1540頃-1623):
『大礼拝音楽』とアンセム
英語による宗教合唱曲集 [コーム・カーリー/オディッシアン・アンサンブル]発売日:2019年04月12日
CD価格:2,475円(税込)
ネーデルラントの巨匠ラッススと数年違いで生まれ、初期バロックの立役者カッチーニよりも数年後まで生きた英国ルネサンス期最大の巨匠ウィリアム・バード。彼が自身カトリック信徒でありながら、ラテン語の教会音楽のみならず英国国教会向けに英語歌詞の礼拝楽曲を多数残したことは見過ごせません。 タリス・スコラーズやモンテヴェルディ合唱団、ザ・シックスティーンなどで活躍してきた実力派ばかりが居並ぶ少数精鋭集団を、ダブリン生まれの才人コーム・カーリーが率いて織り上げる最新録音は、そんなバードの英語歌詞作品を厳選、その粋を本場・英国の感覚そのままに伝える充実企画! 音楽学の進展に伴い、清教徒革命以前は低音部を充実させた独特のオルガン伴奏がなされていたことが判明、その説に従いオルガンを的確に盛り込んだ演奏解釈も注目に値します。
収録作曲家:
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ブルックナー(1824-1896):
交響曲 第6番 イ長調 WAB106 [ロビン・ティチアーティ(指揮)、ベルリン・ドイツ交響楽団]発売日:2019年03月22日
CD国内仕様 日本語解説付価格:2,970円(税込)
昨年(2018年)もスコットランド室内管を率い、小編成でのブラームス交響曲全曲録音で話題となったロビン・ティチアーティの新録音はブルックナー! それもブラームスから一転、今度はコントラバス8人規模の雄大な編成との録音です。 ブルックナーの交響曲中、最も人気がないと見なされがちな第6番は、近年では第2楽章アダージョの清らかで深い悲しみに満ちたメロディが広く知られるようになりました。とはいえ、ブルックナー録音を敢行するに当たり、第6番を真っ先に選ぶのは勇気がいるところで、ティチアーティのこの曲への思い入れと自信が見て取れます。 編成に見合った的確なタクトでフランス近代作品でも精妙な解釈を引き出してみせたティチアーティですが、実はすでにブルックナーの交響曲第6番はウィーン交響楽団やノルウェーのベルゲン・フィルとの共演で披露した実績もあるところ。『ザ・ガーディアン』紙でも「広がりを感じさせる、めざましい」解釈と絶賛されたとおり、作曲家との思わぬ相性の良さが21世紀のブルックナー解釈に新境地を切り開いてくれそうです。今後の録音にも期待が高まりますが、まずは第6番の汲めど尽きせぬ豊かな音世界でその適性をじっくり味わいたい1枚です。
収録作曲家:
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ハイドン(1732-1809):
第1アポーニー四重奏曲 Op.71
弦楽四重奏曲 第69番・第70番・第71番 [マクスウェル弦楽四重奏団]発売日:2019年03月22日
CD価格:2,475円(税込)
2010年にイギリスで結成され、2017年にトロンヘイム国際室内楽コンクールで聴衆賞を受賞しているマクスウェル弦楽四重奏団のデビュー録音(2016年にアコーディオン奏者のCDにゲスト録音があり)。 ハイドンが最初のイギリス旅行からウィーンへ帰った直後に書き始められた「アポーニー四重奏曲」の前半3曲(Op.71)に、演奏する彼らはもちろん、作曲者もきっと影響を受けたであろう、故郷スコットランドの伝統音楽を組み合わせるというオリジナリティ溢れる趣向。サイモン・フレイザー、ニール・ガウ、ジェームズ・スコット・スキナーはいずれもそれぞれの時代に名を馳せた名フィドル奏者たちであり、最も古い「最愛のグレガー」は、戦争で亡くなった夫にケルトの言葉(ゲール語)で歌われたという美しい哀歌です。 ハイドンの3つの四重奏曲では、歓喜が全体を包む第69番、抒情的でロマンティックな第70番、振幅の大きな表情を持つ第71番という、それぞれの特徴を大きく意識させる快演を披露。若く輝かしい表現と音色を堪能できる一枚です。
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ブルックナー(1824-1896):
交響曲 第6番 イ長調 WAB106 [ロビン・ティチアーティ(指揮)、ベルリン・ドイツ交響楽団]発売日:2019年03月22日
CD価格:2,475円(税込)
昨年(2018年)もスコットランド室内管を率い、小編成でのブラームス交響曲全曲録音で話題となったロビン・ティチアーティの新録音はブルックナー! それもブラームスから一転、今度はコントラバス8人規模の雄大な編成との録音です。 ブルックナーの交響曲中、最も人気がないと見なされがちな第6番は、近年では第2楽章アダージョの清らかで深い悲しみに満ちたメロディが広く知られるようになりました。とはいえ、ブルックナー録音を敢行するに当たり、第6番を真っ先に選ぶのは勇気がいるところで、ティチアーティのこの曲への思い入れと自信が見て取れます。 編成に見合った的確なタクトでフランス近代作品でも精妙な解釈を引き出してみせたティチアーティですが、実はすでにブルックナーの交響曲第6番はウィーン交響楽団やノルウェーのベルゲン・フィルとの共演で披露した実績もあるところ。『ザ・ガーディアン』紙でも「広がりを感じさせる、めざましい」解釈と絶賛されたとおり、作曲家との思わぬ相性の良さが21世紀のブルックナー解釈に新境地を切り開いてくれそうです。今後の録音にも期待が高まりますが、まずは第6番の汲めど尽きせぬ豊かな音世界でその適性をじっくり味わいたい1枚です。
収録作曲家:
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「恋人たちが気にするのは」
パーセル(1659-1695):
オペラ・アリア集 [ローワン・ピアース(ソプラノ独唱)、リチャード・エガー(チェンバロ)、ウィリアム・カーター(テオルボ&リュート)]発売日:2019年03月08日
CD国内仕様 日本語解説付価格:2,970円(税込)
バロックに関心が高まると必ず深く傾倒する時期が来るといっても過言ではない英国随一の作曲家、ヘンリー・パーセル。長大な作品の全曲盤も少なくはありませんが、本人の早世後もなお続々と名曲集が編まれ、18世紀に入ってもなお人気が衰えなかったこの作曲家の真骨頂は、歌のひとつひとつに秘められたニュアンスの細やかさにあるのではないでしょうか。 その意味で、数々の古楽系プレイヤーたちが独自の厳選名曲集をリリースしてきたところ、今回は本場・英国の最前線をゆく女声古楽歌手ピアースの決定的新録音が! しかも器楽陣は現在アカデミー・オヴ・エンシェント・ミュージック(エンシェント室内管弦楽団)の音楽監督でもある天才リチャード・エガーと、パラディアン・アンサンブルの創設者ウィリアム・カーター。「豊饒なバロック的器楽勢もよいが、当時の記録からみるかぎりパーセル劇音楽作品の伴奏はチェンバロとテオルボ類がベストチョイスなのは明らか」との観点から、本盤はこの2名手が細やかな感性全開で名歌手の歌を彩ってゆきます。「音楽はつかのま」や「おお孤独よ」など決定的名曲のほか、充実の選曲(国内仕様は解説訳・訳詩付)が見逃せません。
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「恋人たちが気にするのは」
パーセル(1659-1695):
オペラ・アリア集 [ローワン・ピアース(ソプラノ独唱)、リチャード・エガー(チェンバロ)、ウィリアム・カーター(テオルボ&リュート)]発売日:2019年03月08日
CD価格:2,475円(税込)
バロックに関心が高まると必ず深く傾倒する時期が来るといっても過言ではない英国随一の作曲家、ヘンリー・パーセル。長大な作品の全曲盤も少なくはありませんが、本人の早世後もなお続々と名曲集が編まれ、18世紀に入ってもなお人気が衰えなかったこの作曲家の真骨頂は、歌のひとつひとつに秘められたニュアンスの細やかさにあるのではないでしょうか。 その意味で、数々の古楽系プレイヤーたちが独自の厳選名曲集をリリースしてきたところ、今回は本場・英国の最前線をゆく女声古楽歌手ピアースの決定的新録音が! しかも器楽陣は現在アカデミー・オヴ・エンシェント・ミュージック(エンシェント室内管弦楽団)の音楽監督でもある天才リチャード・エガーと、パラディアン・アンサンブルの創設者ウィリアム・カーター。「豊饒なバロック的器楽勢もよいが、当時の記録からみるかぎりパーセル劇音楽作品の伴奏はチェンバロとテオルボ類がベストチョイスなのは明らか」との観点から、本盤はこの2名手が細やかな感性全開で名歌手の歌を彩ってゆきます。「音楽はつかのま」や「おお孤独よ」など決定的名曲のほか、充実の選曲が見逃せません。
収録作曲家:
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ウィルソン(1927-2001):
交響曲 第3番
交響曲 第4番 「パッセレス・タペストリー」
「カリヨン」 [ロリー・マクドナルド(指揮)、ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団]発売日:2019年02月13日
CD価格:2,475円(税込)
スコットランドにおける芸術音楽復興の祖と言われる、トーマス・ウィルソンの交響曲。1927年イギリス人の両親のもとアメリカに生まれたウィルソンは、まもなく両親に連れられ英国へ渡り、グラスゴーに暮らして音楽を学びました。彼は生涯に5曲の交響曲を完成させていますが、ここに収められた3番と4番はいずれも、ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管によって初演されています。その作風は、半音階や不協和音、激しいアクセントなど現代的な手法を用いながらもたいへん聴きやすく、なおかつ通俗におもねることなく高い芸術性を保持しているというもので、心地よい緊張感と緻密な構成がたいへん魅力的です。 交響曲第4番は、「ペイズリー柄」の布で有名な英国ペイズリー市の自治都市500年を記念した作品。パッセレスはこの地域の12世紀風の呼び名とのこと。交響曲第3番は英ガーディアン紙に「スコットランドの作曲家によって書かれた近年の作品で、最も感動的なもの」と評された傑作。「カリヨン」はこのアルバムの録音場所でもある、ロイヤル・コンサート・ホールの完成を祝して書かれた作品で、グラスゴー(Glasgow)を表す4つの音G-A-S(E flat)-Gを元にしています。 マクドナルドとロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管は、「スコットランド音楽の父」とさえ呼ばれるウィルソンの作品に深い共感と理解を持って、その魅力を十二分に表現しています。
収録作曲家:
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発売日:2019年01月30日
CD価格:2,475円(税込)
イギリスのマージーサイド出身で、王立音楽大学でモダンとバロック・ヴァイオリンを学んだエイドリアン・チャンドラーにより、1994年に結成されたラ・セレニッシマ。結成当初よりヴィヴァルディ作品の演奏を念頭に置いて活動をしてきた彼らが、2006年にSACDでリリースしたアルバムの通常CDでの再発売。スコットランド出身のソプラノ、マイリ・ローソンを迎え、ヴィヴァルディの室内カンタータとソナタを収録しています。 このうち不完全な譜面しか残っていない「グラーツ・ソナタ集」に含まれ、チャンドラー自身が復元した2曲に関しては発売当時世界初録音だったもの。ここでは二人に加えてチェロ、テオルボ、鍵盤という小編成で、息の合ったキレのある演奏を聴かせてくれます。
収録作曲家:
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ヴォーン=ウイリアムズ(1872-1958):
ウェンロックの断崖にて
ウォーロック/ブリス/ガーニー:
近代英国歌曲集 [ジェイムズ・ギルクリスト (テノール)、アンナ・ティルブロック (ピアノ)、ミカエル・コクス (フルート)、ギャレス・ハルス (コーラングレ)、フィッツ・ウィリアム弦楽四重奏団]発売日:2019年01月30日
CD価格:2,475円(税込)
1996年に医師から音楽家へ転向して以来、英国音楽のスペシャリストとして歩んだギルクリストによる、LINNレーベル2枚目のアルバム。かつてSACDでのリリースされたアルバムの、通常CDでの再発売。室内楽伴奏の歌曲を集めたもので、テノールに弦楽四重奏とピアノ(あるいはほかの楽器)という編成で、これだけ名曲が揃うというのも近代英国音楽の特徴と言えそうです。 作曲家の特性を知り抜いた器楽陣の情感豊かなサポートと、ギルクリストの張りのある歌声が、各作品の魅力を余すところなく伝えます。
収録作曲家:
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ソル (1778-1839):
初期ギター作品集 [ウイリアム・カーター]発売日:2019年01月30日
CD価格:2,475円(税込)
ギター独奏による楽曲の芸術性と表現力を格段に高めた功績で、ギターのベートーヴェンの異名を取るソル。バルセロナに生まれながら歴史に翻弄され、後半生ではフランスを中心とした国外で過ごした彼が、スペインから逃れた直後くらいまで、年齢で言うとおよそ三十代中盤までの作品を集めた作品集です。 今日ではソルの代表作と言える「魔笛」変奏曲は、モノスタートスとその部下たちがパパゲーノの鈴の音に浮かれる「なんと美しい響き」によるもの。その人物像はあまり知られていない彼の妻に捧げられた「アンダンテ・ラルゴ」、そして「グラン・ソロ」という3つの大曲を中心に、小品をちりばめた構成となっています。 アメリカ出身のウィリアム・カーターはパラディアン・アンサンブルの創立メンバーでもあり、エンシェント室内管など多くのピリオド・アンサンブルに参加するバロック・ギターの名手です。以前SACDで発売されていた商品の通常CDでの再発売。
収録作曲家:
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J.S.バッハ (1685–1750):
無伴奏チェロ組曲 (全曲) [リチャード・タニクリフ (チェロ、5弦ピッコロ・チェロ)]発売日:2019年01月30日
CD 2枚組価格:3,975円(税込、送料無料)
エイヴィソン・アンサンブル、エイジ・オブ・エンライトメント管弦楽団、フレットワークなどでの活躍で知られる英国出身のベテラン中のベテラン、バロック・チェロ、ヴィオール奏者、リチャード・タニクリフによるバッハ。2012年にSACDでリリースしたアルバムが、通常CDで再発売となりました。作品を深々と表現する安定した技量と堂々とした解釈、教会の残響を大きく拾った美しい録音などが聴きどころです。
収録作曲家:
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マーラー(1860-1911):
交響曲 第2番「復活」 [ピア・パーション/サラ・コノリー/ベンジャミン・ザンダー フィルハーモニア管弦楽団]発売日:2018年12月21日
CD 2枚組価格:3,975円(税込、送料無料)
2013年、それまでのTELARCからLINNへとレーベルを移してリリースされた、ザンダーとフィルハーモニア管によるマーラー・シリーズ第7弾。プロデューサーは引き続きエレーヌ・マートンが務めています。シリーズの魅力の一つであった、細部まで行き届いた表現と優秀な録音にはますます磨きがかけられ、豊かなフレージングと振幅の大きな表現をダイナミックな音で楽しむことが出来るアルバム。またソリスト2人の素晴らしさは特筆すべきものです。 初出時はSACDハイブリッドにザンダーの解説がついた3枚組でしたが、今回解説を省いた通常CD2枚組として再リリースとなりました。
収録作曲家:
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ヴァイオリン協奏曲コレクション
(メンデルスゾーン、ブラームス、ドヴォルザーク、プロコフィエフ) [ジョセフ・スウェンセン/スコットランド室内管弦楽団]発売日:2018年11月28日
CD 4枚組価格:4,800円(税込、送料無料)
ノルウェーと日本の血を引くアメリカ人指揮者ジョセフ・スウェンセン。ヴァイオリニストとして登場したのち指揮で活躍し、熱く個性的な音楽作りで世界中の熱心なクラシック・ファンから注目されています。彼が名誉指揮者を務めるスコットランド室内管弦楽団と共に、LINN RECORDSからSACDハイブリッド盤でリリースしてきた4枚のアルバムを、通常CDにてセット化しました。 いずれも、交響曲あるいは管弦楽作品とヴァイオリン協奏曲を組み合わせた内容で、スウェンセンは指揮者としてはもちろん、ソリストとして、あるいは編曲者として幅広い活躍をしています。深くゆったりとした歌いっぷりの「フィンガルの洞窟」、引きずるような冒頭と起伏に富んだフィナーレが印象的なメンデルスゾーンの協奏曲、次第に盛り上げていく趣向などで楽しませてくれる「ハンガリー舞曲」、力の入った表現が魅力のドヴォルザークほか、ヴァイオリンと指揮いずれにおいても才気あふれ、意外性をはらみつつも作品の真価を十二分に引き出す優れた演奏を堪能することが出来ます。
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20世紀のフルート協奏曲集
ニールセン、プーランク、リーバーマン、ユー [キャサリン・ブライアン/ポール・ダニエル/ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団]発売日:2018年11月16日
CD価格:2,475円(税込)
15歳でダニエル・ハーディング指揮アカデミー室内管弦楽団(ASMF)と共演してソリスト・デビュー、21歳からロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団の首席奏者及びソリストを務めるフルート奏者キャサリン・ブライアンによる、20世紀のフルートと管弦楽のための作品を集めたアルバム。ゴールウェイによって初演され、近年のフルート協奏曲では特に重要な作品といえるリーバーマンが収録されているのが大きなポイントです。 また管弦楽との共演に編曲されたプーランクのソナタも、たいへん面白い出来栄え。技術力はもちろんながら、隙がなく幅広い表現が魅力のブライアンの妙技をお楽しみいただけます。
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パーセル(1659-1695):
3声による12のソナタ [レトロスペクト・トリオ-ソフィー・ジェント/マシュー・トラスコット/ジョナサン・マンソン/マシュー・ホールズ]発売日:2018年11月16日
CD価格:2,475円(税込)
キングス・コンソートを継承する形で2009年から2014年まで活動したレトロスペクト・アンサンブルが、2011年にリリースしたアルバム。リーダーのマシュー・ホールズをはじめ古楽界の新世代の名手たちにより録音されましたが、今となっては豪華な顔ぶれと言えるでしょう。少人数でそれぞれの主張も感じさせつつ、一体感のある緊密なアンサンブルを楽しめるアルバムです。 今回の再リリースにあたり、SACDハイブリッドから通常CDへと変更されています。
収録作曲家:
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「ジャーニー」
チェンバロ音楽の200年 [トレヴァー・ピノック]発売日:2018年11月16日
CD価格:2,475円(税込)
1970年代から高まった古楽ブームを牽引した一人であり、自ら組織したイングリッシュ・コンサートと共にその魅力を幅広い音楽ファンに届けた功績者トレヴァー・ピノック。近年はピリオド楽器新世代の奏者たちとの交流も活発な彼の70歳を記念して、2016年にリリースされたSACDハイブリッド盤が、今回通常CDとして再発売されました。チェンバロ(ハープシコード)の最盛期約200年間に書かれた、スペイン、イギリス、オランダ、ドイツ、イタリアというヨーロッパ中の作品を集めたもので、長年連れ添った愛器を使用して生まれ故郷のカンタベリーで録音されました。 6歳のピノックにピアノを教え、その後の彼の活動に繋がる感性を育てたジューン・スミスに捧げられたアルバム。たいへんリラックスした温かい演奏を聴くことが出来ます。
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ショパン(1810-1849):
夜想曲集(20曲) [イングリット・フリッター]発売日:2018年10月24日
CD 2枚組価格:3,975円(税込、送料無料)
2000年のショパン・コンクール第2位の実績を持つショパンのスペシャリスト、フリッターの夜想曲集が登場。全21曲のうち、スケッチという見方をされることの多い第21番(遺作) ハ短調を除く、20曲を収録しています。2014年にリリースされた「24の前奏曲」(CKD475)に夜想曲第3番と第8番も収録し、全曲の登場が待ち望まれていましたが、今回のリリースにあたってはこの2曲も含めて新録音されました。彼女の持ち味である高い技術力と作品への深い洞察、センシティヴな音楽づくりが発揮され、作品の持つ詩的な面を十二分に引き出しています。
収録作曲家:
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ヘンデル(1685-1759):
聖セシリアの日のためのオード(頌歌) [キャロリン・サンプソン /イアン・ボストリッジ/ポーランド放送合唱団/ジョン・バット/ダニーデン・コンソート]発売日:2018年10月24日
CD価格:2,475円(税込)
ポーランドのクラクフで毎年復活祭の頃に行われる「ミステリア・パスカリア古楽祭」2018年ライヴで、経験豊かな古楽鍵盤奏者ジョン・バット率いるスコットランド第一線の古楽器集団ダニーデン・コンソートと、キャロリン・サンプソン、イアン・ボストリッジの初共演です。25年のキャリアの中で数多くの賞を受賞しているボストリッジは、ここでもその熟練のテクニックで素晴らしい歌唱を聴かせています。またバロック作品で聴かせる洗練された感性と、ピュアなイントネーションで今やひっぱりだこのソプラノ、サンプソンのリリカルな歌声は、まさにヘンデルに理想的といえます。 これまでもヘンデル作品に積極的に取り組んできた、バットとダニーデン・コンソートにとっても会心の一枚。カップリングされた合奏協奏曲では、ダニーデン・コンソート・メンバーの名人芸を楽しむことが出来ます。
収録作曲家:
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ロック(1621/3頃-1677):
「コンソート(合奏)を愛する人たちのために」
~ ヴァイオル・コンソート集 [ファンタズム/エリザベス・ケニー/エミリー・アシュトン/ジョナサン・リース]発売日:2018年10月24日
CD価格:2,475円(税込)
数々の賞を受賞し、世界最高のヴァイオル・コンソートの一つとされている「ファンタズム」。中でも英国のコンソート・ミュージックはたいへん高い評価を得ていますが、今回初めてマシュー・ロックの作品集を録音しました。ドラマティックな作風で、当時「コンソート・ミュージックを愛する人たち」に好まれたロック。ローレンス・ドライファスは、ロックのユーモアや抒情性、そして甘美な表現が、それまでの慣習にとらわれず、予測不能な変化を見せる面白さを効果的に聴かせてくれます。 そのためにこのアルバムでは、2017年にグラモフォン・アワードとディアパソン・ドールをダブル受賞した名盤「ダウランド:ラクリメ」(CKD527)で共演したテオルボの名手、エリザベス・ケニーを再び迎えました。ロックのパート・ライティングは通奏低音の華やかな活躍に引き立てられることが多いため、彼女の独創的なサポートにより、アルバム全体に奥行きが出ています。
収録作曲家:
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ラヴェル(1875-1937):
「ダフニスとクロエ」第2組曲
「高貴で感傷的なワルツ」
デュパルク(1848-1933):
「星たちへ」 管弦楽伴奏歌曲集 [マグダレーナ・コジェナー/ロビン・ティチアーティ/ベルリン・ドイツ交響楽団]発売日:2018年10月24日
CD価格:2,475円(税込)
この2018年9月に2期目を迎える音楽監督ティチアーティとベルリン・ドイツ交響楽団。彼らの2枚目のアルバムは、ドビュッシーとフォーレを収録した前作に続くオール・フレンチ・アルバム。今回もコジェナーが参加しています。 「ダフニスとクロエ」では、細部を描くティチアーティの精緻なコントロールが冴え渡り、美しい夜明けから色彩豊かな生命の躍動までを繊細かつダイナミックに描いています。「高貴で感傷的なワルツ」では、優雅でありながらリズム感あふれる音楽づくりで作品のテクスチャを明確に提示しつつ、ラヴェルならではの極彩色の世界を存分に味わわせてくれます。 またラヴェルが「天才のなせる技」と呼んだデュパルクの歌曲は、ピアノ伴奏版ばかりが有名ですが何作かは管弦楽用に本人が編曲しており、いずれもとりわけ華やかなオーケストレーションに魅力があります。演奏音源の希少さもさることながら、これらとコジェナーの温かな歌声との相性の良さは素晴らしいものです。