ティンクトーリス(ヨハネス) Tinctoris, Johannes
生没年 | 1435-1511 | 国 | フランス、イタリア |
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辞書順 | 「テ」 | NML作曲家番号 | 20091 |
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『フィレンツェの輝き、ブルゴーニュの残響』
15世紀イタリアのフランドル楽派たち [ゴシック・ヴォイシズ、アンドルー・ローレンス=キング、エリザベス・ポール、スティーヴン・チャールズワース]Vocal Ensemble Music (Italian Renaissance) - DUFAY, G. / OCKEGHEM, J. (The Splendour of Florence with a Burgundian Resonance) (Gothic Voices)
発売日:2022年11月25日 NMLアルバム番号:CKD700
CD価格:2,475円(税込)
深い経験と瑞々しい感性に裏打ちされた、15世紀音楽の高雅なる解釈ルネサンス期の多声音楽は15世紀末から16世紀、すなわちジョスカン・デ・プレ以降パレストリーナを経てジェズアルドやビクトリアの時代がホットゾーンですが、その大発展を準備した「上の世代」つまり15世紀の作曲家たちは、中世とルネサンスの双方に立脚した注目すべき人物が少なくありません。英仏百年戦争やビザンティン帝国滅亡など欧州社会も大きく動いた当時、美術や音楽など芸術諸分野では先進的なフランドル地方から多くの天才が現れ、芸術愛好の為政者や知識人が多かったイタリア半島でも活躍をみせました。 ここではそんな時代のイタリア芸術を象徴する、メディチ家の庇護下で建築や美術の黄金時代を迎えた都フィレンツェが舞台。この都に集ったフランドル楽派の作曲家たちの作品とともに、百年戦争の係争地フランドル地方を征したブルゴーニュ公の宮廷にも仕えていた巨匠ギヨーム・デュファイの作品を多く取り上げ、フランドル楽派初期の栄光がイタリアでいかに花開いていたかを実力派たちの名演で伝えてくれます。 LINNに名盤の多いゴシック・ヴォイシズは今回も少数精鋭の重唱編成で声部の交錯をクリアに伝え、折々に名手ローレンス=キングのハープが時に独奏で、あるいは頼れる伴奏として歌を彩り、遠く中世に遡る宮廷恋愛歌の伝統からの流れを浮き彫りにします。教会音楽と恋愛歌という、聖俗両面にまたがる美の双貌をじっくりお楽しみください。
収録作曲家:
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グレースと2台のリュート
15世紀後期の撥弦楽器リュートによる二重奏 [マルク・レヴォン(中世リュート,ギター)/パウル・キーファー(中世リュート)/グレース・ニューコム(歌) ]Lute Duo Music (Two Lutes with Grace - Plectrum Lute Duos of the Late 15thCentury) (Lewon, Kieffer)
発売日:2020年02月28日 NMLアルバム番号:8.573854
CD価格:1,900円(税込)
プレクトラムリュート=中世リュートのデュオは、15世紀後半の西ヨーロッパで活躍していた楽器奏者たちにとって最も人気の高いアンサンブルの一つでした。 このアルバムは、そんな名手の一人で、当時「世界一のリュート奏者」と評されたフェラーレのピエトロ・ダル・キタリーノ(1417-1497頃)にインスパイアされた1枚。残念ながら彼が仲間たちと演奏した音楽の記譜はほとんど残っていませんが、長年に渡って中世の音楽に命を吹き込んでいるマルク・レヴォンとパウル・キーファーが研究を重ね、ティンクトリスやアグリコラなど、キタリーノたちが演奏したであろうレパートリーを丁寧に再現しています。ほとんどの曲は歌を伴いますが、中には器楽だけのものもあり、15世紀のリュート音楽の多彩なアレンジを知ることができます。 味わい深い歌を披露するグレース・ニューコムは、主として中世作品を演奏する“アンサンブル・ルモルム”の創設者兼ディレクターとしても活躍しています。
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心からまっすぐに
シャンソニエ・コルディフォルム -
ハート形のシャンソン集 [アンサンブル・レオネス/レヴォン]STRAIGHT FROM THE HEART - THE CHANSONNIER CORDIFORME (Ensemble Leones, Lewon)
発売日:2016年10月28日 NMLアルバム番号:8.573325
CD価格:1,900円(税込)
15世紀の中頃に編纂された43曲の世俗歌曲が集められたこの写本、なぜかハートの形をしているということで知られています。この写本を作ったのはJean de Montchenu ジャン・ド・モンシュヌという名前の司祭で、彼がいたずらっぽく「自堕落な、全ての悪意に満ちた曲集」と呼んだこの写本は、ハート型の美しい原稿がベルベットで覆われた実に精巧な装丁で、開くと両面に装飾が凝らされた譜面が現れるという仕組みになっています。 曲を書いたのは、ほとんどが無名の人々ですが、中にはデュファイやオケヘム、ジル・バンショワなどの名前も確認されます。実際の音楽はエレガントなメロディだったり、ハイテンションの曲だったりとこちらも変幻自在。この時代の音楽好きにはたまりません。ルネサンス音楽のオーソリティ、アンサンブル・レオネスのこまやかな演奏です。
収録作曲家: