ラミレス(アリエル) Ramirez, Ariel
生没年 | 1921-2010 | 国 | アルゼンチン |
---|---|---|---|
辞書順 | 「ラ」 | NML作曲家番号 | 21007 |
-
命がけの情熱
中南米20世紀と欧州17世紀、二つの黄金時代の音楽 [ニコラス・マルロイ、エリザベス・ケニー、トビー・カー、ミュージック・フォー・ア・ホワイル]発売日:2024年06月07日
CD価格:2,775円(税込)
ラテン・ポップから垣間見える20世紀の動乱と、妥協なきバロック解釈の静かなる共存ジョン・エリオット・ガーディナー、ジョン・バット、ロバート・キング、ジョルディ・サヴァールなど世界の古楽器ムーヴメントを牽引する名指揮者たちに招かれソリストとして活躍してきた英国のテノール歌手ニコラス・マルロイのソロ・アルバム。しかし演目は古楽レパートリーに絞らず、キューバ、メキシコ、チリなどのポピュラー・シーンを活気づけてきた20世紀中南米のシンガーやソングライターたちの名曲を17世紀音楽と巧みに対置させる構成になっています。 マルロイの伸びやかで温もりある美声によって優美に歌い上げられることでラテンアメリカ音楽が驚くほど新鮮に響く一方、その佇まいと全く違和感なくバロック作品の妥協ない古楽解釈が共存するプログラム進行はきわめて印象的。現代ギター含め多様な撥弦楽器を弾きこなす2人の古楽器奏者、エリザベス・ケニーとトビー・カーの柔軟な対応力にも驚かされます。 キューバのシルビオ・ロドリゲスやニコ・ロハス、プエルトリコのラファエル・エルナンデス、チリのビクトル・ハラなど、母国の情勢に抗い命がけの活動を続けた音楽家たちの曲と相俟って、パーセルやモンテヴェルディの書法に潜む時代に先駆けた斬新さにも改めて気づかされることでしょう。穏やかでありつつ豊かな語りに満ちた歌を通じ、20世紀を通じてカウンターカルチャー的に発展してきた古楽と、時代の激動から生まれたラテンポップとの思わぬ相性も実感できる1枚です。
-
アルフォンシーナ
アルゼンチンの歌さまざま [マリアナ・フローレス、キート・ガート、ロマン・ルキュイエ、ローラン・コンピニ]発売日:2023年10月06日
CD価格:2,475円(税込)
爽快と情熱の間を軽やかに舞う、アルゼンチンの歌手&撥弦奏者による傑作選異才レオナルド・ガルシア・アラルコンが結成した地中海古楽の精鋭集団ラ・カペラ・メディテラネアの中軸を担う名歌手マリアナ・フローレスと、古楽の枠を軽々と超える活躍を続けてきた撥弦楽器奏者キート・ガート。それぞれに多くの名盤を刻みながら、個性あふれるパフォーマンスで21世紀の古楽シーンを盛り上げてきたアルゼンチンの俊才プレイヤー2人が手を取り、タンゴやフォルクローレに彩られてきた同国の音楽シーンの魅力が凝縮されたソングブック的アルバムを作りました。 マリアナ・フローレスは数年前に大御所撥弦奏者ホプキンソン・スミスとNAIVEでダウランド・アルバムを出したのも記憶に新しい一方、キート・ガートといえば優秀録音レーベルMA Recordingsでタンゴと古楽を垣根なく行き来する精鋭集団ラ・キメラのアルバムもよく知られており、このようなジャンル越境型のアルバムでの両者の出会いは絶好の企画と言ってよいでしょう。 古楽やクラシックの演奏家にも人気の高い「アルフォンシーナと海」ほか、選ばれたナンバーはどれも抜群の軽妙さに言い知れぬ憂愁が滲む忘れがたい歌ばかり。ロマン・ルキュイエのウッドベースが折々に心地よい低音の膨らみを添える中、ガートの撥弦はさまざまな楽器を濃淡鮮やかに弾きこなし、爽快なサウンドで南米世界への憧憬をかきたててやみません。 素材感豊かな撥弦の響きをバックに、晴れやかさの中に深いラテン情緒を感じさせるフロレスの声はどこまでも美しく味わい深く、欧州と深く結びついた都市文化から広大な自然なくしては生まれ得ない独特の抒情まで、海と大河と広野に囲まれたアルゼンチンならではの音楽の魅力を心行くまでお楽しみください。
-
祝祭のブラス
金管五重奏によるクリスマス/ブリストル・ブラス・コンソート [ブリストル・ブラス・コンソート]発売日:2021年05月28日
CD価格:2,175円(税込)
-
期待の新進演奏家シリーズ
ラファエル・フイヤートル(ギター) リサイタル [ラファエル・フイヤートル(ギター)]Guitar Recital: Feuillâtre, Raphaël - RAMÍREZ, A. / RAMEAU, J.-P. / GRANADOS, E. / LLOBET SOLÉS, M. / BARRIOS MANGORÉ, A. / VILLA-LOBOS, H.
発売日:2019年06月28日 NMLアルバム番号:8.574127
CD価格:1,900円(税込)
アメリカで毎年開催される「GFA国際ギターコンクール」。2018年の優勝者ラファエル・フイヤートルは、この受賞記念アルバムでギターのオリジナル作品と編曲作品をとりまぜて演奏しています。 フォルクローレの名作「アルフォンシーナと海」では、歌を用いることなくラミレスの音楽を詩情豊かに歌い上げ、グラナドスの「ワルツ」では古典的なフォームで書かれた作品をフイヤートル自身がギター用に編曲、躍動的に演奏しています。他にもラモーやスクリャービン、ラフマニノフのピアノ曲をギターで演奏することで、新たな可能性を探っています。ヴィラ=ロボスやバリオスのオリジナル作品でもフイヤートルは目の覚めるような演奏を披露。彼の演奏技術と音楽性を楽しめる格好の1枚になっています。