ド・ヴィゼー(ロベ-ル) Visee, Robert de
生没年 | 1650/65頃-1732頃 | 国 | フランス |
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辞書順 | 「ト」 | NML作曲家番号 | 22386 |
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王のギター
フランチェスコ・コルベッタのギター音楽 [ヴェロニク・ジャンス(ソプラノ)、アレクサンドル・ブロック(指揮)、フランス国立リル管弦楽団]CORBETTA, F.: Guitarre Royalle (La) (Vallerotonda, Zuljan, I Bassifondi)
発売日:2024年01月12日 NMLアルバム番号:A556
CD価格:2,475円(税込)
ヴァッレロトンダとズリヤン。
異能の撥弦奏者二人が探る17世紀の光と闇フランスの太陽王ルイ14世が私的に愛奏したスペイン式ギター(バロックギター)の名手で、フランスと英国をまたにかけ活躍した名手コルベッタ。17世紀初頭にボローニャで生まれ、世紀半ばまではイタリア半島を拠点にスペイン式ギターのための曲集を何冊か出版していましたが、1650年代にルイ14世の祭典に加わり頭角をあらわし、1660年代には王政復古期のイングランドでも新王チャールズ2世や有力貴族たちから広く愛顧を受けました。 それぞれ英仏両王に捧げられた2集の『王のギター』(1671年と1674年に出版)は今日でもバロックギター奏者たちの重要なレパートリーとして有名ですが、イタリアの異才撥弦奏者が集うイ・バッシフォンディの主宰者シモーネ・ヴァッレロトンダはここで、イタリア時代に遡ってコルベッタの作品を集めた網羅的な選曲でこの作曲家の至芸を概観。ギター二重奏を中心に、曲によっては打楽器や歌唱も加え、長いネックが特徴的な南イタリアの民俗楽器コラショーネ、かき鳴らす奏法に特化したキタラバッテンテなども使いつつ、欧州各地の宮廷文化に留まらないこの作曲家の着想源の豊かさを広く伝える選曲と解釈を聴かせてくれます。 ギター二重奏のパートナーは、中世まで遡るリュート研究と幅広い演奏スタイルの使い分けで注目を集めるスロヴェニア出身の名手ボル・ズリヤン! 作品背景を適切にふまえながら流麗なサウンドを自在に駆使するヴァッレロトンダと共に、モンテヴェルディ存命中のイタリアからリュリ全盛期のフランス様式まで、既存の録音群とは一味違った新鮮なコルベッタ像をお楽しみください。 -
ヴィゼ(1660-1725):
2つのテオルボのための組曲 ホ短調・ト長調
コルベッタ(1615-1681):
2つのギターのための「王のギター」
2つのギターのためのコンセール ホ短調 [ベロック/モスカルド]CORBETTA / VISEE: Suites for Guitars and Theorbos
■器楽曲(ギター)
発売日:1999年12月01日 NMLアルバム番号:8.553745
CD-R価格:1,900円(税込)
ルイ14世のギターの師匠、その知られざる世界が明らかにコルベッタと聴いて反応できる方は相当の通です。彼はルイ14世にギターを教えた、知られざる重要人物なのです。おかげでローカルな楽器だったギターもヨーロッパで流行しました。彼の音楽は、ここで聴ける「王のギター」もそうですが戦争を題材にしたものが多く、さぞかし王様は喜んだことでしょう。ギターがちょっとお洒落な楽器だったことは古今共通、耳に心地よい感触です。コルベッタの弟子ヴィゼは更にメロディラインが素敵な曲を残しました。クレマン・ジャヌカン・アンサンブルのベロックと、コンセール・スピリテュエルのモスカルド、注目の競演で。
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ド・ヴィゼー(1652-1730):
「ある詩人の追憶に捧ぐ組曲」
およびその他の17~18世紀フランス作品集 [ティボー・ルーセル、ペリーヌ・ドヴィレル、マティルド・ヴィアル、ミリアム・リニョル]発売日:2024年11月15日
CD価格:2,775円(税込)
フランス・バロックのリュート芸術を総括する大家を多角的に見つめなおす充実企画通奏低音楽器として開発され、17世紀には独奏楽器としても発展をみた大型リュートの一種、テオルボ。その名手の一人で希代のギター奏者でもあったロベール・ド・ヴィゼーは、フランスにおけるリュート音楽の栄華の歴史が終わろうとしていた時期、その最後の名匠となった作曲家でした。 現代ギターでも古楽器でも、演奏機会や録音が少なくないバロック作曲家の一人ですが、フランスで幅広い活躍をみせるティボー・ルーセルが3人の敏腕演奏仲間と共に製作した今回のアルバムは、前後の時代に発表された他の作曲家たちの声楽曲などを交え、ド・ヴィゼーの音楽世界をより多角的に味わえるようにした選曲が魅力。プログラムの中軸をなすのは、彼の作品出典として名高いヴォドリ・ド・セズネ写本(1699年から筆写開始)にある組曲5編で、これらは他にもパリのフランス国立図書館にある写本(Res 1106・Res F 1820)やボルドー~トゥールーズ間にあるアジェンの古文書館の写本を比較参照して演奏しています。 声楽伴奏でも力を発揮したテオルボという楽器の存在意義をルイ13世の時代に遡って検証、ヴィオールとの相性も18世紀の出版譜で堪能するプログラムの中、ソロでの活躍もめだつ歌手ドヴィレルやヴィオール奏者リニョルらの作る響きも格別。ALPHAに名盤の多い名技師ユーグ・デショーによるエンジニアリングで、撥弦と残響の自然な味わいがよく伝わるのも嬉しいところです。
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甘美な静寂
17世紀フランス宮廷の歌曲と舞曲 [フランソワ・ラザレヴィチ、ジュリー・ロゼ、リュシル・リシャルド、レ・ミュジシャン・ド・サン・ジュリアン]Chamber Music (17th Century) - ANGLEBERT, J.H. d' / BACILLY, B. de / CHABANCEAU DE LA BARRE, J. (Doux silence) (Le Musiciens de Saint-Julien)
発売日:2024年05月03日 NMLアルバム番号:ALPHA1035
CD価格:2,775円(税込)
フランス古楽界の本領発揮!
ラザレヴィチら豪華演奏陣が描く太陽王時代のフランスフランス17世紀のエール・ド・クール(宮廷歌曲)を中心に、当時のフランス文化を牽引したフランス王ルイ14世宮廷の舞曲を数多く盛り込んだプログラム。民俗音楽のバグパイプも巧みに奏でる古楽フルート奏者フランソワ・ラザレヴィチを中心に、フランスの最前線をゆく古楽のソリストたちが結集した、ALPHAレーベルならではの少数精鋭演奏陣が頼もしいアルバムです。 独唱のジュリー・ロゼは、バロックオペラの異才指揮者レオナルド・ガルシア・アラルコンのステージで名演を重ねてきた俊才、リュシル・リシャルドもピグマリオンやアンサンブル・コレスポンダンス、レザール・フロリサンなどフランス随一のグループでソリストとして活躍してきた名歌手で、徹底した歌詞のニュアンスへのこだわりに裏打ちされた細やかな歌唱が圧倒的な求心力で耳を惹きつけてやみません。 本盤最大の特徴と言ってもよい器楽編成の的確さと充実も特筆に値します。リュートひとつで伴奏されることも多いエール・ド・クールには、ここでは曲の内容に応じてヴィオール、トラヴェルソ(バロック・フルート)、ミュゼットなど旋律楽器も参入。さながら後代のフランス語カンタートやオペラにも通じるその色彩感もさることながら、クレマン・ジャヌカン・アンサンブルを支えてきた百戦錬磨のリュート奏者エリック・ベロック、ソロでの活躍も頼もしいヴィオール奏者リュシル・ブーランジェらがラザレヴィチならではの霊妙な吹奏と共に音楽の深みを堪能させてくれます。 舞曲のリズムへの圧倒的に自然な適性にも驚かされる、フランス古楽界の本領発揮と言ってよい新名盤です。 -
フランス王室楽団の
オーボエ・バンドによる室内楽の世界 [シンタグマ・アミーチ]HAUTBOIS À LA CHAMBRE DU ROI (LES) (Rignol, Sailly, Syntagma Amici)
発売日:2024年02月23日 NMLアルバム番号:RIC458
CD価格:2,775円(税込)
屋外向け吹奏楽団の演奏家たちが、太陽王の宮廷の「室内」で奏でた音楽とは?バロック期のフランスで音楽文化を躍進させた立役者である太陽王ルイ14世の宮廷には、礼拝堂楽団や室内楽団の他にダブルリード楽器を携えた吹奏楽団(大厩舎楽団)が雇われ、主に軍楽や屋外での式典を彩る役割を与えられていました。とはいえ当時の音楽家は複数の楽器をプロとして演奏できるのが常で、大厩舎楽団の楽員たちもしばしばリコーダーやフラジオレットなどの笛を扱いながら、屋外ではなく城内での室内楽やオペラ上演にも動員され、当初こそ「騒々しい」と驚かれながらも、ついにはオーボエやバスーンも諸々の通奏低音楽器や弦楽器と共に繊細な音楽を奏で得ることを立証していったのでした。 『大厩舎楽団の祝宴』と銘打った2022年のアルバム(RIC439)で彼らの屋外吹奏楽のレパートリーを披露した古楽器楽団シンタグマ・アミーチは今回、この大厩舎楽団が室内空間に動員された時どのような音楽を披露したか、入念に再現製作された当時の楽器と共に探ってゆきます。 王の起床時から就寝時まで、ヴェルサイユ宮殿の随所に響いたオーボエ、リコーダー、クロモルヌ(クルムホルンとは異なるダブルリード管楽器)、バスーンといった管楽器が奏でるのは、王室音楽総監督リュリのオペラからの抜粋やクープランの室内楽、シャルパンティエの宗教合奏曲、大厩舎楽団の演奏家を多く輩出したフィリドール一族の作品など多岐にわたる演目。この種の古楽器探求に優れた実績を示してきたエルザ・フランクとジェレミー・パパセルジオーをはじめとする名手勢が、芸術諸分野に通じたルイ14世を喜ばせた至芸を21世紀にありありと甦らせてくれる1枚です。
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涙を落とすな、わが両目よ
英国16~17世紀のリュート・ソングと器楽曲 [アレクサンダー・チャンス、トビー・カー]Vocal Recital (Counter-Tenor): Chance, Alexander - CAMPION, T. / DANYEL, J. / DOWLAND, J. / FORD, T. / LULLY, J.-B. (Drop not, mine eyes)
発売日:2023年04月28日 NMLアルバム番号:CKD711
CD価格:2,475円(税込)
かの名歌手の息子が瑞々しく聴かせる英国のメランコリー古楽復興の重要な拠点である英国で、20世紀後半の古楽復興の牽引役の一人として、みごとな美声で数々の名演を紡ぎ出してきたカウンターテナー歌手マイケル・チャンス。その息子アレクサンダー・チャンス初の本格的なソロ・アルバムは、父と同じく英国音楽への深い愛と抜群の適性を実感させてくれる、輝かしい未来も予感できる上質なリュート・ソング集です。 エリザベス朝時代から活躍をみせたメランコリーの音楽家ダウランドや同時代のキャンピオンの作品を中心に「英国のオルフェウス」と称えられた17世紀後半のヘンリー・パーセルの名曲に至るまで、有名曲をほどよく交えつつ、当時の英国人たちを陶然とさせたフランス宮廷音楽も選曲。ある時は静謐な悲痛さをもって、またある時は皮肉っぽさを交えた晴朗さで、高音域まで伸びやかな美声の味わいが引き立つさまざまな作品の面白みをじっくり引き出してゆく名歌唱がたまりません。 LINNならではの秀逸な録音技術により、デュオ・パートナーのトビー・カーが聴かせる玄妙な撥弦も克明に楽しめ、400年以上前の英国ではシンプルな響きの中でいかに変幻自在の多様な音楽が楽しまれていたか再認識させられることでしょう。
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『おお、わが麗しの栗毛の君』
~フランス・バロックのブリュネットの世界~ [ア・ノクテ・テンポリス(レイナウト・ファン・メヘレン、アンナ・ベッソン、ミリアム・リニョル、シモン・リンネ、ロリス・バリュカン)]Baroque Music (18th Century French) - BALLARD, C. / COCHEREAU, J. / COUPERIN, F. (Oh, ma belle brunette) (Mechelen, A Nocte Temporis)
発売日:2022年06月10日 NMLアルバム番号:ALPHA833
CD価格:2,475円(税込)
フランス・バロックの貴族社会を彩った恋の歌。
名手たちが当時の傑作器楽曲を交えて伝える機微文化百般に通じた絶対君主ルイ14世のもと、前世紀以来の高雅な宮廷歌曲(エール・ド・クール)が発展、王室音楽総監督リュリもフランス語の韻文を鮮やかに音楽化し傑作フランス語オペラを続々発表した17世紀フランス。しかし上流階級の人々はそうした堅固な芸術様式ばかりでなく、他愛ない恋物語を短くシンプルな詩句に歌い込んだ、より軽く短い歌も喜んで愉しんでいました。 古代の理想郷に暮らす羊飼いの青年が「栗毛(ブリュネット)の君よ」と歌いかける設定の歌が多いためブリュネットと総称されるようになったこの曲種は、王室勅許のもと楽譜出版を任されていたバラール出版局から3度にわたり集大成的曲集が編まれたほど人気があり、今に伝わります。 このアルバムはクープランやマレなど同時代の王室周辺で活躍した名手たちの器楽作品を交え、ブリュネットの名品の数々をフランス・バロック後期の宮廷音楽世界に文脈づける試み。さまざまなバロック・オペラや教会音楽・歌曲の解釈にすぐれ人気絶頂の名歌手ファン・メヘレンを中心に、器楽ではジャン・ロンドーのアンサンブルであるネヴァーマインドで活躍する横笛奏者アンナ・ベッソン、バッハの無伴奏チェロ組曲をフランス式にヴィオールで録音したミリアム・リニョルら4人の俊才が機微鮮やかな演奏を聴かせます。 驚くほど巧みなアンサンブルで彼らが支えるファン・メヘレンの美声にも酔いつつ、知られざるフランス・バロックの素顔に迫れるALPHAならではの好企画盤です。 -
『Méditation(メディタシオン) 観想』
リュートによるフランス・バロック音楽で描く四季 [シモーネ・ヴァッレロトンダ]Lute Recital: Vallerotonda, Simone - DUBUT, P. / GALLOT, J. / MOUTON, C. / VISÉE, R. de (Méditation)
発売日:2022年01月14日 NMLアルバム番号:A496
CD価格:2,475円(税込)
規格外の古楽撥弦奏者ヴァッレロトンダが周到な選曲で臨む、
17世紀フランスの音世界徹底した古楽研究のもと、存在感ある快演を繰り広げリュート界に新風を呼び込んできたイタリアのシモーネ・ヴァッレロトンダ。ジャンルの枠を感じさせないアルバムをArcanaレーベルに刻んできた古楽撥弦ユニット「イ・バッシフォンディ」(NHKで2021年秋より放送の17世紀日本を舞台としたBS時代劇『剣樹抄~光圀公と俺』に彼らの音が使われています)の中心メンバーでもあります。 これまで母国イタリアの17世紀に花開いたテオルボやバロックギターの音楽を追求してきましたが、今回のアルバムでは一転してフランス音楽を扱い、きわめて正統派な音作りでその真相を辿ってゆきます。 プログラムのテーマは、近代科学・医学が発達する前、古代から信じられてきた四気質論(四つの体液のバランスが人間の体調や心情を左右するとする説)や四元素(世界は火・水・土・大気の四元素で出来ているとする説)と、四つの季節の関わり。ルイ14世時代を代表するガロとムートンの作品を中心とした選曲で、音楽を通じて形而上的思考をめぐらせた昔日の宮廷人たちの感覚に迫ります。 プログラムは17世紀フランスのリュート音楽家たちに倣い、調を揃え自由な構成で組み上げられた四つの組曲からなる構成。当時の舞踏のステップをふまえ、思わせぶりなタイトルの向こうにある世界を意識しながらの深い解釈を通じ、それぞれの作品の魅力を鮮やかに浮き彫りにしてゆくヴァッレロトンダの鮮烈な音楽性に惹き込まれずにおれません。 「リュート編曲は世界初」というラモーの名曲も折々に挟まれ、最後はクープランの「神秘の障壁」で締めくくる演出も絶妙。これら有名作に新たな光を当てるヴァッレロトンダの音作りに脱帽です。 -
ブリュネットをご所望なら…
~フランス18世紀の流行歌の世界~ [レ・カプスベルガールズ]VOUS AVEZ DIT BRUNETTES? (Les Kapsber'girls)
発売日:2021年10月22日 NMLアルバム番号:ALPHA761
CD価格:2,475円(税込)
ロルフ・リスレヴァンド プロデュース、
フランス発・新感覚の18世紀歌唱!Alphaレーベル創設当初の名盤群を思わせる、フランス古楽シーンならではの洒脱さと発見の喜びが詰まった好企画。18世紀初頭、クープランやラモーが活躍した時代のフランス人たちが大いに好んだ流行歌に光を当て、当時のスタイルをふまえた演奏再現に徹しているのですが、その音作りがきわめて新鮮で香気にあふれており、古楽ファンはもちろん、フランス近代音楽のリスナーにも強く訴えうる魅力が詰まっています。 たわいない羊飼いの男女の恋を歌ったブリュネットと呼ばれる俗謡、あるいは「まじめな歌・酒の歌」と総称されるタイプの軽い歌に器楽を交えつつ、2015年結成のフランス新世代といえるレ・カプスベルガールズがいかに秀逸なプレイヤーの集まりであるか、トラックごと実感せずにおれません。巨匠サヴァールの傍らでソロや歌唱伴奏、通奏低音など多面的に活躍してきた撥弦楽器の俊才ロルフ・リスレヴァンドがプロデュースを手掛けている点も、同団体の卓越した技量と、欧州古楽シーンが寄せている期待値をよく表しているのではないでしょうか。 長大なバロック・オペラを聴く上でも、こうした18世紀のフランスの聴き手たちが日頃なじんでいた音楽を知り、当時の感覚に近づいてみることには大きな意義がある……と聴くほどに感じられるアルバムです。 -
『解き放たれたフォルクレ』
~アントワーヌ・フォルクレのヴィオール作品を中心に~ [アンドレ・リスレヴァンド、ヤドラン・ダンカン、パオラ・エルダス、ロルフ・リスレヴァンド]Viola da Gamba Recital: Lislevand, Andre - COUPERIN, L. / FORQUERAY, A. / MARAIS, M. / VISÉE, ROBERT de (Forqueray Unchained)
発売日:2021年04月09日 NMLアルバム番号:A486
CD価格:2,475円(税込)
「悪魔のように弾いた」フォルクレの静けさと雄弁のはざまヴィオール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)はバロック期のフランスで大いに好まれた弦楽器。その名手として双璧をなした存在が「天使のように弾く」と讃えられたマラン・マレと、対照的に「悪魔のように弾く」との賛辞で知られたアントワーヌ・フォルクレでした。 息子への暴力など悪い噂もありながら幼少期より圧倒的な音楽性と演奏能力でフランス王室を驚かせ、ヴィオール芸術の発展に大いに尽くしながらも生前は作品を楽譜出版することのなかったフォルクレの遺稿は、本人の歿後まもなく息子によって整理・刊行され世に残っています。 縦横無尽にヴィオールを扱う名品揃いのこの曲集は五つの組曲からなる構成ですが、本盤ではバロック期にもそのようにすることがあったように、他の作曲家の作品も交え曲の調性にあわせて三つの組曲にまとめ直して収録(本盤ではこれらを「モザイク組曲」と名づけています)。 好敵手マレや同時代の撥弦楽器作曲家ド・ヴィゼーらも含めたその音楽世界を精緻な演奏で浮き彫りにしてゆくのは、リュートの巨匠ロルフ・リスレヴァンドの息子、アンドレ・リスレヴァンド(アルバム解説も彼自身が執筆)。古楽演奏の空気を存分に吸いながら育った彼ならではの作品美に寄り沿う解釈を、若き俊才たちが親密な共演で盛り上げます。父ロルフもプロデューサー&エンジニアとしてアルバムを全面的にバックアップ。演奏にも2曲ほど参加しています。
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LA MAGNIFIQUE
ルイ14世の宮廷におけるフルート音楽 [バルトルド・クイケン(トラヴェルソ)/イマヌエル・ディヴィス(トラヴェルソ)/アーニー・タニモト(ヴィオラ・ダ・ガンバ)/ドナルド・リヴィングストン(チェンバロ)]Flute Music (French Baroque) - CLÉRAMBAULT, L.-N. / DORNEL, L.-A. / LULLY, J.-B. (La Magnifique) (B. Kuijken, I. Davis, Tanimoto, D. Livingston)
発売日:2021年02月12日 NMLアルバム番号:8.579083
CD価格:1,900円(税込)
「フルート」という名称は最初は縦型のリコーダーを指し、横笛は「フラウト・トラヴェルソ(トラヴェルソとも)」と呼び区別していました。17世紀初頭の横笛フルートはピッチの調節ができず、半音を出すことも至難の業でしたが、17世紀後半になるとさまざまな改良が加えられ、管を分割したり、楽器の形状に改良を加えた他、トーンホール(音孔)を増やすなどの試みが次々となされていきます。 世界初録音の7曲を含むこのアルバムには、17世紀後半のフランスにおける芸術の庇護者として知られるルイ14世が愛したフルート作品と、その後に生まれた18世紀前半の洗練された作品が並べられています。F.クープランの「コンセール第13番」でのクイケンとデイヴィス、2本のフルートのみの鄙びた音色による旋律の歌い交わしが聴きどころです。
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『国王御就寝』
~ルイ14世の寝室に響いた「入眠の宮廷音楽」~ [ティボー・ルーセル ほか]COUCHER DU ROI (LE) - Music for Louis XIV's Chamber (T. Roussel, Rignol, Leconte, Dessaint, Cottet)
発売日:2021年01月15日 NMLアルバム番号:CVS029
CD+DVD 2枚組価格:2,475円(税込)
かの国王が眠るまで奏でさせた名品を、ヴェルサイユに集う精鋭たちの絶品解釈でルイ14世は洗練された文化人たちを王室に集め、建築や美術、練兵や服飾のみならず音楽においても最高級の粋に囲まれました。しかもその宮廷生活を公に披露し、衆人見守るなか絢爛な音楽を奏でさせ食事をしたり、寝室に向かったりしています。そして最後はマレやド・ヴィゼーらごく数人の秀でた楽人たちだけを寝室に連れ、眠りに落ちるまで音楽を奏でさせたそうです。 本盤はそこで王が聴いたであろう、昔日の栄光と安らぎを演出する楽曲を入念に選曲。フランス語圏の古楽界で多忙な活躍を続けてきた実力派たち(トラヴェルソのヴァレリー・バルサやヴァイオリンの川久保洋子など多くの一流アンサンブルで見かける奏者ばかりです)が本気で「昔日の安らぎ」を追求した演奏を、Alpha初期の名盤群で知られる自然派録音技師ユーグ・デショーによるエンジニアリングで生々しく収録しました。 結果それが王者の豊かさで快眠をもたらすか、むしろ脳を刺激されて聴き入ってしまうかはあなた次第……ヴェルサイユ・バロック音楽センターの碩学トマ・ラコントによる充実解説(英独訳付)のほか、絢爛の極致ともいうべき史跡ヴェルサイユ宮殿でのライヴを収録したDVDが添えられているのも嬉しいところです。
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発売日:2019年07月26日
CD価格:2,475円(税込)
テオルボの多彩な魅力を一枚に凝縮!バロックの合奏では、通奏低音として縁の下の力持ちといった役回りの大型のリュート、テオルボ。イタリアではキタローネとも呼ばれたこの楽器は、広い音域を生かした独奏楽器としても重宝され、ここに収められたピッチニーニ、カプスペルガー、ド・ヴィゼーらは17世紀前後にその名手として活躍し、多くの作品も残しました。 また近年に古楽器が復権するなか、その魅力に着目する現代の作曲家も多く、ここには人気のジェイムズ・マクミランなどを収録しています。現代の作品では長い歴史と唯一無二の風格を持つこの楽器に敬意を払い、バロック時代を思わせるタイトルや形式のものも多いですが、高音と低音を不気味に鳴らすベンジャミン・オリヴァーなど、その作風はどれもかなり個性的です。 エリザベス・ケニーはレ・ザール・フロリサンやオーケストラ・オブ・ジ・エイジ・オブ・ジ・エンライトメントでも活躍した、現代リュートの第一人者。LINN RECORDSには4枚目の録音で、今回は初のソロ・アルバムとなっています。
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アンドレス・セゴビア
1950年代アメリカ録音集 第4集 [セゴビア - 録音:1950年代]SEGOVIA, Andres: 1950s American Recordings, Vol. 4 (Segovia, Vol. 6)
■器楽曲(ギター)
発売日:2008年05月09日 NMLアルバム番号:8.111092
CD価格:1,900円(税込)
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グレート・ギタリスト・シリーズ
アンドレス・セゴビア
1944年 アメリカ録音集 [セゴビア - 録音:1944年・1949年]SEGOVIA, Andres: 1944 American Recordings (The) (Segovia, Vol. 1)
■器楽曲(ギター)
発売日:2006年05月01日 NMLアルバム番号:8.111087
CD価格:1,900円(税込)
カザルス、クライスラーの讃辞なくとも歴史に残る、偉大なギタリストカザルスがチェロを独奏楽器として高い位置に引き上げたのと同様、セゴビアはギターをクラシカルな芸術性高い独奏楽器に推し進めました。タルレガや自分自身の手による編曲によってクラシカルな曲を演奏会にとり入れる等、レパートリーの拡大はもちろんのこと、楽器としてのギターそのものにも職人と共に改良を加え、現代使われている形にしたのもセゴビアの功績によるものです。従来主流だった指の腹で弾く奏法に変え爪で弦をはじく奏法を用い、左手の魔術ともいうべき彼独特のビブラートをかけることで、微妙な節回しのかかったメロディーの歌わせ方を得意としました。