ゴンベール(ニコラ) Gombert, Nicolas
生没年 | 1495-1560 | 国 | フランス |
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辞書順 | 「コ」 | NML作曲家番号 | 26069 |
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ごきげんよう、スザートさん
~ティールマン・スザートの出版譜の世界~ [ユートピア・アンサンブル]SUSATO, T.: Vocal Ensemble and Instrumental Music (Salve Susato) (Utopia)
発売日:2023年10月13日
NMLアルバム番号:RAM2205
CD価格:2,475円(税込)
多声音楽の発展を促したスザートの業績、欧州最前線の古楽プレイヤーたちとラ・カピーリャ・フラメンカやウエルガス・アンサンブルといったベルギー随一の古楽アンサンブルで活躍してきた実力派古楽歌手たちが結集、それぞれの曲は決して長くないものの、どれも精巧な多声の歌の魅力が凝縮されたポリフォニー傑作集を録音しました。 テーマはティールマン・スザート、16世紀屈指の印刷業界人です。15世紀にヨーロッパで発展した活版印刷術が16世紀初頭に楽譜印刷に応用されるや、音楽は手書きで楽譜を書き写すしかなかった時代には考えられなかったほどの勢いで広範囲に届くようになりました。 その大きな恩恵を受けたのが15世紀末~16世紀に活躍したフランス=フランドル楽派のポリフォニー作曲家たち。そして彼らの名声拡大に大きく寄与したのが、ヴェネツィアやアントウェルペン、パリなど多くの人々が行き交う大都市で活動していた出版業界人たち。おそらく自身も音楽家だったスザートはフランドル地方随一の国際的な港湾都市アントウェルペンに拠点を構え、クレキヨンやクレメンス・ノン・パパ、ゴンベールといった同時代のフランドル人作曲家たち、あるいはジョスカン・デプレのような往年の大御所たちの傑作を数々の曲集に編んで印刷、その普及に大きく貢献します。 スザートによって選ばれた作品の確かさをじっくり、リュート独奏を交えながら堪能できるプログラムには「千々の悲しみ」や「森のニンフたちよ」など往年の名曲から、宗教曲・世俗曲を問わず仏・蘭・伊・ラテン語などさまざまな言語の佳品が並び、細部までよく整えられた演奏の確かさとあいまって、5世紀前の世界に軽々と私たちを誘ってくれる仕上がりになっています。
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王の愛
ヴェネツィアの初期活版印刷譜とルネサンスの声楽・器楽 [ドゥニ・レザン・ダドル、ドゥース・メモワール]L'AMOUR DE MOY (Doulce Mémoire, Dadre)
発売日:2023年10月20日
NMLアルバム番号:RIC457
CD価格:2,475円(税込)
ア・カペラだけではない!
多声音楽の発展をルネサンス楽器のスペシャリストたちとフランス中部の古都トゥールに拠点を置き、深い研究の成果と筋の通った企画を音楽性に満ちたパフォーマンスへ昇華させ、古楽シーンを賑わせてきたルネサンス音楽集団ドゥース・メモワール。今回は16世紀初頭のヴェネツィアで、多声音楽の普及と発展に大きな貢献をもたらしたオッタヴィアーノ・ペトルッチの業績に光を当て、その当時のポリフォニー音楽の粋を多角的かつ体感的に味わえるプログラムを組み上げました。 15世紀半ば過ぎにイタリア東部フォソンブローネで生まれたペトルッチは版画技法を学んだ後、1490年頃からヴェネツィア総督の後援を受けて印刷工房を持ち、活版印刷技術を楽譜出版に転用。『オデカトン』と題された一連の曲集などを通じ、ジョスカンやイザーク、ラ・リューなどフランドル楽派の洗練された声楽曲やスピナチーノ、ダルツァといった名匠たちのリュート音楽を続々出版、その普及に大きく貢献しました。多声楽曲の中には歌詞が添記されていないものも多く、それらが器楽独奏や合奏で演奏されていたことを窺わせます。 ドゥース・メモワールはシンプルな編成で歌われる「元歌」と、ペトルッチの楽譜や同時代の作曲家たちによるその編曲例を並べ、多声編曲や当時の楽器の音色の組み合わせを縦横無尽に楽しませながら、1500年前後のヨーロッパ多声音楽がどのような広がりを見せていたかを卓越した演奏で実感させてくれます。 ソロ活動でも注目されるビュンドゲンほか3人の歌手たちの瑞々しい歌の傍ら、さまざまな形状のルネサンス・リコーダーや大小のボンバルド(オーボエ普及以前のダブルリード管楽器)、ルネサンスハープやリュートなど多様な楽器を使いこなすプロフェッショナルたちの妙技も聴き逃がせません。 -
我が騎士の歌
アントニオ・デ・カベソンと、
スペイン・ルネサンスの器楽合奏曲 [スキップ・センペ、カプリッチョ・ストラヴァガンテ]CANTO A MI CABALLERO (Capriccio Stravagante, Sempé)
発売日:2023年08月25日
NMLアルバム番号:PA0021
CD価格:2,475円(税込)
名手続々の幻の傑作古楽盤、
鬼才ユーグ・デショーのリマスターで堂々復活!アメリカ屈指のジャズの本場にして、同国の歴史の上でもフランス文化と深いつながりを持つニューオリンズ出身のチェンバロ奏者スキップ・センペ。フランスの精鋭古楽器奏者たちを集めて1986年に彼が結成したカプリッチョ・ストラヴァガンテはDeutsche Harmonia MundiやAstrée/Naïve、発足初期のALPHAなどシーン最前線の古楽レーベルに数々の名盤を刻んだのち、2005年からはセンペの自主レーベルParadizoで快進撃を続けています。 別レーベルで制作された充実盤も折に触れてParadizoから再発売されていますが、今回は1998年に録音されAstrée/Naïveレーベルから発売されたものの、長くプレスが切れていた幻のスペイン・ルネサンス作品集が新装復活。ALPHAレーベル初期の立役者である古楽器録音の天才技師ユーグ・デショーによるリマスターを経て、数百年前の音楽を奏でる名手たちの素材感溢れる古楽器の響きが一層生々しく甦ります。 ル・ポエム・アルモニークやクレマン・ジャヌカン・アンサンブル、ラルペッジャータなどでも大活躍をみせる俊才たちばかりの編成で、たおやかに音を重ねるガンバ合奏はスペイン・ルネサンスの精妙な音作りの中、躍動感を秘めた血脈を触感確かに伝える比類ない解釈を続けてゆきます。スペイン王室の絶大な信頼を得ていた盲目の鍵盤奏者カベソンの傑作変奏曲群を中心に、ナルバエスやオルティス、ムダーラらスペイン音楽史上の大家たちの重要作品群に、彼らに影響を与えたデ・ローレやゴンベールらフランドル楽派の傑作群を添えた選曲の確かさも出色。 入手難が惜しまれたこの名盤の新装版は、亡き元メンバーのチェロ奏者ミシェル・ミュルジエの思い出に捧げられています。 -
『ユリスのごとく旅する者の幸せよ』
フランスの詩聖ジョアシャン・ド・ベレーと
16世紀の作曲家たち [ドゥース・メモワール]Vocal Ensemble Music (Renaissance) - BELLAY, J. du / ARCADELT, J. / LASSUS, O. de (Heureux qui, comme Ulysse) (Kwal, Doulce Mémoire, Dadre)
発売日:2022年09月09日
NMLアルバム番号:ALPHA870
CD価格:2,475円(税込)
早世の詩聖デュ・ベレーがルネサンス期の作曲家たちに与えた音楽的霊感に迫る、
Alphaならではの好企画!フランス・ルネサンスの詩人といえば、同時代の作曲家たちの他ラヴェルやプーランクなど近代作曲家たちもその詩に作曲したピエール・ド・ロンサール(1524-1585)が有名ですが、このロンサールと交流を持ち、知識人の文語だったラテン語ではなくフランス語で詩作した7人の重要詩人たちが「プレイヤッド(すばる=七星に例えた同時代の優れた詩人7人)」と呼ばれ、文学史では重視されてきました。 中でも早くからロンサールと知遇を得ていたジョアシャン・デュ・ベレー(1522-1560)は、1549年に『フランス語の擁護と顕揚』を著しラテン語に劣らぬフランス語の洗練と重要性を説きつつ、美しい詩作の魅力で宮廷人たちに高く評価されました。作品は音楽家たちにも注目され、フランドル楽派のアルカデルトやラッススら音楽史上名高い重要作曲家が曲をつけた例も少なくありません。 フランス中部トゥールを拠点に、古楽研究と筋の通った演奏実践を続けるドゥース・メモワールは今回、デュ・ベレーの詩にもとづく多様な同時代作曲家たちの作品を厳選。詩句の味わいを活かしながら抜群の古楽歌唱を聴かせる声楽陣、素朴にして妖艶な音色が美しい古楽器奏者たちが織りなす多様な編成で、詩の洗練を大前提とした16世紀フランス声楽の美の真相に迫ります。 ア・カペラ編成でも独唱でも歌われる多声シャンソンや器楽演奏に加え、古楽器の伴奏に乗せフランス語ラップ界の俊才クワルが端正に聴かせるデュ・ベレー作品の朗読も絶美。文学的洗練の音声的側面を、世界的古楽グループの入念なプログラムで堪能できるAlphaならではの充実盤に仕上がっています。 -
コレア・デ・アラウホ(1584-1654):
『ティエント曲集、およびオルガンのための実践的・理論的講釈』より[4枚組] [ベルナール・フォクルール、インアルト、ランベール・コルソン ほか]CORRÊA DE ARAUXO, F.: Libro de tientos / La cancion de Tomas Crequilion Gaybergier / Prosa del santissimo sacramento (InAlto, Foccroulle)
発売日:2022年05月27日
NMLアルバム番号:RIC435
CD 4枚組価格:4,425円(税込、送料無料)
スペイン黄金時代の末にひときわ強く輝いたオルガンの大家、その真髄を多角的に解き明かす現代における金字塔的存在ともいうべきバッハ・オルガン作品全集で知られるとともに、ドイツ・バロックのオルガンの大家たちの傑作集を数多くRicercarレーベルに録音してきたベルギーの世界的オルガニスト、ベルナール・フォクルール。今回のアルバムは、1989年にも一部作品を録音していたスペインの大家コレア・デ・アラウホと正面から向き合った充実の4枚組。しかもフォクルールの独奏のみならず、近年よく共演を重ねているインアルトを交えて多様な編成による同時代作品も多く組み込まれています。 イタリアのフレスコバルディや英国のギボンズ、ドイツのシャイトなどとほぼ同じ時代を生きたコレア・デ・アラウホは、周辺諸国に圧され落陽を迎えつつあった黄金時代末期のスペインで活躍。1626年に出版された大著『ティエント曲集、およびオルガンのための実践的・理論的講釈』で音楽史に名を残したものの、何度か裁判沙汰を起こしながらも大都市セビーリャでオルガニストとして長く活躍した後、ハエンとセゴビアの大聖堂でもポストを得たという他はあまり詳しいことが判っていません。 しかし彼のオルガン作品は精巧な対位法とダイナミックな音楽展開で注目され、古楽復興の流れでも多くの名盤が制作されてきました。フォクルールの今回の録音はそれら並居る名盤群に勝るとも劣らぬ仕上がりで、1989年に収録した作品も改めて再録音。スペイン各地と彼の母国ベルギーに残る銘器を縦横無尽に駆使し、古雅な響きの魅力を最大限に引き出しています。 欧州最前線を行く俊才たちが手にした、バロック以前のスペインで重用された管楽器バホン(ドゥルツィアン)のコンソートや金管合奏を交えたトラックも、充実した響きで在りし日のスペインへと誘ってくれます。
収録作曲家:
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ALCHEMIE DER KLÄNGE
音の錬金術
ゼバスティアン・オクゼンクン(1521-1574)編纂
ハイデルベルクのリュート写本 [ドロテー・ミールズ(ソプラノ)/ヤン・コボウ(テノール)/ニコラス・トリュステット(テノール・ヴィオラ・ダ・ガンバ)/マティアス・ミュラー(バス・ヴィオラ・ダ・ガンバ)/アンドレアス・アーレント(リュート、指揮)]Vocal and Lute Music (Baroque) - MOUTON, J. / PETSCHIN, G. / SENFL, L. (The Heidelberg Lute-book of Sebastian Ochsenkun) (Mields, Kobow, Arend)
発売日:2022年01月14日
NMLアルバム番号:555267-2
CD価格:1,800円(税込)
16世紀ドイツのリュート奏者・作曲家、ゼバスティアン・オクゼンクンが編纂した「リュートのためのタブラチュア集」は、ラテン語のモテット、ドイツ語の詩篇と歌、イタリアとフランスの曲を含む当時最先端の音楽をリュート独奏用に編曲して1558年に出版されました。ジョスカン・デ・プレを筆頭にニコラ・ゴンベールやイオアネス(ヨハネス)・ムートンなど、当時の宮廷で流行した音楽をうかがい知ることができます。 オクゼンクンはプファルツ選帝侯のオットー・ハインリヒお抱えのリュート奏者。当時のリュート用編曲(インタブレーション)は、多声音楽を2声か3声に編曲するのが通常でしたが、リュート奏者のアーレントと歌手のクリストフ・ブルメスターはオクゼンクンのアレンジが声のパートを付け加えるのに向いていると考え、独自に歌のパートを加えています。ここではドロテー・ミールズとヤン・コボウによる優れた歌唱を聴くことができます。
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-★『レコード芸術』特選盤(2021年4月号)★-
ジョスカン・デ・プレ(1450/55頃-1521)
の世俗歌曲さまざま
~テイルマン・スザート1545年刊行の『第7歌曲集』より~ [クレマン・ジャヌカン・アンサンブル]JOSQUIN DES PREZ: Vocal Ensemble Music (Septiesme livre de chansons) (Ensemble Clément Janequin, Visse)
発売日:2021年01月15日
NMLアルバム番号:RIC423
CD国内仕様 日本語解説、歌詞訳付き価格:2,970円(税込)
クレマン・ジャヌカン・アンサンブル新録音は、没後500年のジョスカン!
意外に録音のない世俗曲集1980~90年代以来、ルネサンス期のフランス語声楽曲の面白さを紹介し続けたクレマン・ジャヌカン・アンサンブル。主宰者ドミニク・ヴィスは今もバロック・オペラの個性的なキャラクターで活躍していますが、アンサンブルとしての録音は数年ぶり。それも、彼らの音楽性や演劇的な存在が際立つフランス・ルネサンスのレパートリー、しかもジョスカン・デ・プレの世俗シャンソンをアルバム1枚かけて探求するという内容も嬉しいところです。 ジョスカンはフランドル楽派が最も注目された15世紀後半~16世紀前半に活躍し、その絶大な名声がイタリアや北方まで欧州各地に及びました。現在、比較的大規模な教会音楽は多く録音される一方、もうひとつの中軸分野たる世俗シャンソンは体系的な録音がぐっと少なくなっています。 今回の新録音は知られざる名作の数々はもちろん、本人の歿後に派生作が続々創られた「千々の悲しみ」の器楽版も含め、その重要な要素を網羅したと言ってよい選曲。最新の知見をふまえた解説とともに、フランス語圏の歌手たちならではの適性と豊饒な実践経験が活かされたアルバムに仕上がっています。 -
発売日:2020年06月19日
CD価格:2,475円(税込)
美麗! 知られざるフランス=フランドル楽派の俊才、フランス中南部の古都に残した傑作数百年前の音楽世界には、まだまだ知られざる名匠が埋もれている……と実感させられるアルバムを、毎年のようにじっくり録音し続けてきたベルギー屈指の古楽声楽集団ウェルガス・アンサンブル。今回のアルバムの中軸を占める作曲家シモーヌ・ド・ボヌフォンの名前に聴き覚えがなくても無理はありません、彼等ですらその発見に驚いているくらいですから。 16世紀半ば、フランス中南部オーヴェルニュ地方の中心都市クレルモン(現在のクレルモン=フェランの一部)の大聖堂の聖歌隊が歌っていた「死者のためのミサ曲(レクィエム)」は5パートからなる構成で、高音部をあまり動かさず、極端な高音域が全くと言ってよいほど出てこない峻厳な曲構成が特徴。内声の細やかな動きは、百戦錬磨のポリフォニー猛者ともいえる音楽監督パウル・ファン・ネーヴェルをして「ゴンベールやクレメンス・ノン・パパと並べても全く遜色ない」と感嘆せしめるほど……教皇庁やスペイン王らに仕えた巨匠たちによる同一歌詞のモテトゥスが後半に並び、その作風の絶好の比較対象になっているアルバム構成もさすがです。 全盛期の多声音楽の粋をじっくり聴くにふさわしい最新録音です。
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O gemma clarissima - おお、明るい宝石
聖カタリナを称賛する音楽集 [エドワード・ウィッカム(指揮)/ケンブリッジ・セント・キャサリン・カレッジ合唱団]発売日:2019年11月15日
CD価格:2,100円(税込)
聖カタリナは4世紀頃に実在したとされるエジプト、アレキサンドリアの貴族の女性。才能に恵まれた彼女はキリスト教の教えに賛同し洗礼を受けましたが、当時のローマ皇帝マキシミヌスの怒りに触れ改宗を迫られます。しかし彼女はそれを拒否、最後まで信仰を捨てなかったため処刑され、死後聖人に列聖されました。多くの分野の守護聖人であり、彼女の名を冠する団体が世界中に存在しています。 このアルバムで素晴らしい歌声を披露している「ケンブリッジ・セント・キャサリン・カレッジ合唱団」も彼女の名を冠するアンサンブルの一つ。聖カタリナの崇拝が最高潮に達した15-16世紀頃の彼女を讃える音楽を集め、敬虔さと崇拝の心を込めて各曲を歌い上げています。
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-★『レコード芸術』特選盤(2019年9月号)★-
「理性の死」
~ルネサンス、美と混沌の音楽芸術 ~
器楽作品集 [ジョヴァンニ・アントニーニ(各種リコーダー、ドゥルツィアン&総指揮)、イル・ジャルディーノ・アルモニコ(古楽器使用)]Instrumental Ensemble Music - AGRICOLA, A. / CARESANA, C. / MAINERIO, G. / RUFFO, V. (La morte della ragione) (Il Giardino Armonico, Antonini)
発売日:2019年05月17日
NMLアルバム番号:ALPHA450
CD+BOOK国内仕様 日本語解説付価格:2,970円(税込)
エッジの効いたスリリングなヴィヴァルディ録音で注目を集め、本場イタリアに新たな古楽の息吹きあり! と、リコーダー奏者ジョヴァンニ・アントニーニとイル・ジャルディーノ・アルモニコが世界を瞠目させたのが、今からおよそ30年前。その後アントニーニはレパートリーを古典派まで広げ、今ではハイドンやベートーヴェンの交響曲でも驚くべき録音を世に送り出しています。しかし、彼はなによりリコーダー奏者。その原点に立ち返り、ルネサンス期の音楽に全てを捧げた思いがけない新録音をAlphaレーベルからリリースします。 神の秩序と理性的調和が全てだった16世紀にも、混沌は何かと人の世を脅かしもすれば、予測不能の奔放さが人を強く惹きつけることもありました。英国からイタリアまで広範な地域にわたる音楽の実例から、アントニーニが厳選した選曲と曲順にぜひ振りまわされたいもの。カラー図版満載の解説書(国内仕様では解説部分訳と、バーゼルで音楽学を専攻するリコーダー奏者菅沼起一氏による別途解題を封入)も見ごたえたっぷり、選曲の妙を読み解く楽しみも尽きません。各種リコーダーと木管コルネット、古雅なる弦楽器を交えてのルネサンス・オーケストラ編成に酔いしれる痛快な新録音です。
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ガナッシ(1492-1565):
『ラ・フォンテガラと名づけられたる笛の教本』
~16世紀、巨匠たちの傑作による装飾音奏法の至芸 [ウィリアム・ドンゴワ、ル・コンセール・ブリゼー]Vocal and Instrumental Ensemble Music - CARA, M. / JOSQUIN DES PREZ / GOMBERT, N. (Sylvestro Ganassi: La fontegara) (Le Concert Brisé, Dongois)
発売日:2018年12月19日
NMLアルバム番号:RIC395
CD国内仕様 日本語解説付価格:2,970円(税込)
ガナッシの『フォンテガラ』といえば、リコーダーを本格的に学ぶ人が必ず通るといっても過言ではないルネサンス変奏技法の必携書。いわばリコーダー世界のチェルニーかバッハかショパンか……というような存在で、その教本のなかで縦横無尽に解説されている装飾技法を学ぶことは、リコーダー奏者のみならずルネサンス音楽を演奏するプロにとって欠かせない過程のひとつといってよいでしょう。 ただ観賞する側からすると、その著者ガナッシの存在感はいまひとつピンとこないところ。本盤の重要性はそこにあります。ラルペッジャータやエスペリオンXX、コンチェルト・パラティーノなど世界的なグループでの活躍をへて自らコンセール・ブリゼーを立ち上げた木管コルネット(ツィンク)の天才奏者ウィリアム・ドンゴワは、頼れる演奏仲間たちとともにガナッシの著作にあらためて立ち返り、そこに説明されている声楽作品を器楽で奏でる技法によって、ジョスカン、ビュノワ、ゴンベール.... など、ガナッシの時代からみた「古典」ともいうべき15~16世紀の巨匠たちの声楽作品をあざやかに演奏してゆきます。 装飾音を機微たくみに織り込みながら、さまざまな古楽器の音色を交錯させてゆく名手たちのなかには、Alphaレーベルでの数々の名盤で知られるバグパイプ&古楽笛奏者フランソワ・ラザレヴィチの名も……他にも欧州シーン最前線をゆく多忙な名古楽器奏者たちの名が続々。なにかと声楽偏重になりやすいのでルネサンスを敬遠してきた方々にも、この興奮必至の器楽合奏世界は是非お勧めしたいところ……ルネサンス名画の画集観賞にも合いそうです。国内盤は充実解説の日本語訳付。
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ガナッシ(1492-1565):
『ラ・フォンテガラと名づけられたる笛の教本』
~16世紀、巨匠たちの傑作による装飾音奏法の至芸 [ウィリアム・ドンゴワ、ル・コンセール・ブリゼー]Vocal and Instrumental Ensemble Music - CARA, M. / JOSQUIN DES PREZ / GOMBERT, N. (Sylvestro Ganassi: La fontegara) (Le Concert Brisé, Dongois)
発売日:2018年12月19日
NMLアルバム番号:RIC395
CD価格:2,475円(税込)
ガナッシの『フォンテガラ』といえば、リコーダーを本格的に学ぶ人が必ず通るといっても過言ではないルネサンス変奏技法の必携書。いわばリコーダー世界のチェルニーかバッハかショパンか……というような存在で、その教本のなかで縦横無尽に解説されている装飾技法を学ぶことは、リコーダー奏者のみならずルネサンス音楽を演奏するプロにとって欠かせない過程のひとつといってよいでしょう。 ただ観賞する側からすると、その著者ガナッシの存在感はいまひとつピンとこないところ。本盤の重要性はそこにあります。ラルペッジャータやエスペリオンXX、コンチェルト・パラティーノなど世界的なグループでの活躍をへて自らコンセール・ブリゼーを立ち上げた木管コルネット(ツィンク)の天才奏者ウィリアム・ドンゴワは、頼れる演奏仲間たちとともにガナッシの著作にあらためて立ち返り、そこに説明されている声楽作品を器楽で奏でる技法によって、ジョスカン、ビュノワ、ゴンベール.... など、ガナッシの時代からみた「古典」ともいうべき15~16世紀の巨匠たちの声楽作品をあざやかに演奏してゆきます。 装飾音を機微たくみに織り込みながら、さまざまな古楽器の音色を交錯させてゆく名手たちのなかには、Alphaレーベルでの数々の名盤で知られるバグパイプ&古楽笛奏者フランソワ・ラザレヴィチの名も……他にも欧州シーン最前線をゆく多忙な名古楽器奏者たちの名が続々。なにかと声楽偏重になりやすいのでルネサンスを敬遠してきた方々にも、この興奮必至の器楽合奏世界は是非お勧めしたいところ……ルネサンス名画の画集観賞にも合いそうです。
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メルセンヌのクラヴィコード
16-17世紀の鍵盤音楽 [チャールストン]Clavichord Recital: Charlston, Terence - COSTELEY, G. / CELLLIER, J. / CHAMPION, J. / COUPERIN, L. (Mersenne's Clavichord)
発売日:2016年03月30日
NMLアルバム番号:DDA25134
CD価格:2,224円(税込)
16世紀から17世紀にかけての、鍵盤のために書かれた小さな曲を集めた1枚です。ここでは14世紀頃に発明された「クラヴィコード」が用いられています。これは小型の楽器で、基本的にテーブルの上に載せて奏されます。音色は繊細で、チェンバロなどに比べても小さいのですが、よく耳を澄ますことで多彩な表現力を楽しむことができる素晴らしい楽器です。 テレンス・チャールストンはヨーロッパでも有数のルネサンス時代の音楽の専門家であり、このフランス製のクラヴィコードについても、詳細な論文を書いています。まずは、この典雅な響きをお楽しみください。
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ファン・ヴィルダー(1500-1554):
宗教音楽全集・シャンソン集
(バード、コーストン、ゴンベール、ジョスカン、タリスの作品とともに) [カントレス/デヴィッド・アリンソン指揮]VAL WILDER, P.: Sacred Music and Chansons (Complete) (Cantores Chamber Choir, Allinson)
■宗教曲
発売日:2013年10月23日
NMLアルバム番号:TOCC0198
CD
通常価格:2,438円→ 特価!:1,090円(税込)フィリップ・ファン・ヴィルダー(1500-1554)はヘンリー8世のお気に入りであったオランダのリュート奏者、作曲家でした。現在ではすっかり忘れられた存在ですが、当時は非常に重用された人で1529年に枢密院会議所のメンバーになってから、王のお抱えとなり、イングランド内の旅行に同行するなど、強い影響力を有していたのです。そんな彼の宗教的な作品と、世俗的な作品とともに、彼が相互に影響を与え立った同世代の作曲家たち、ジョスカン、ゴンベール、タリス、バードの同じテキストによる作品を収録。ヴィルダー作品の歴史における位置を探る1枚です。