フェヴァン(アントワーヌ・ド) Fevin, Antoine de
生没年 | 1470-1512 | 国 | フランス |
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辞書順 | 「フ」 | NML作曲家番号 | 28683 |
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ヒエロニムス・フィンデルスのミサ曲と
同時代の世俗曲集 [ケンブリッジ・シドニー・サセックス大学合唱団/デイヴィッド・スキナー(指揮)/アンドルー・ローレンス=キング(プサルタリー&ハープ)]発売日:2023年09月22日
CD 2枚組価格:3,075円(税込、送料無料)
ジョスカン・デ・プレに続く世代の作曲家の一人、ヒエロニムス・フィンデルスのミサ曲をとりあげた貴重なアルバム。フィンデルスがジョスカンの訃報に接して書いた哀歌「おお、避けがたき死よ O mors inevitabilis」は当時大いに人気を博したようですが、その生没年さえ定かではなく、16世紀前半に活躍したフランドル楽派の中で謎の多い作曲家の一人です。 ここでは当時の流行歌の旋律を引用したパロディ・ミサを2曲とサルヴェ・レジーナを収録。解説(英語のみ)によれば、ミサ曲「今はただ死を待つばかり」はゴンベール作との説もあり、またミサ曲「愛しい人の褐色の瞳」は近年までフィンデルス作とはされていなかったとのことですが、研究が進んで現代譜が出版されたことで、こうして演奏・録音が可能になったそうです。 「あなたは最も素晴らしい人」によるサルヴェ・レジーナには素材となった旋律が二つあり、恋人を「この地上で比べる者が無いほど素晴らしい」と賛美する曲とグレゴリオ聖歌の旋律とを巧みに組み合わせて聖母マリア賛歌としています。それぞれの「元唄」も収録してあるので、曲の構造がわかりやすくなっています。
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『HYPNOS(ヒュプノス) 眠り』 [シモン=ピエール・ベスティオン、マッテオ・パストリーノ、アドリアン・マビール、ラ・タンペート]
Choral Concert: Tempête (La) - FÉVIN, A. de / GREIF, O. / ISAAC, H. / SCELSI, G. / TAVENER, J. (Hypnos)
発売日:2022年01月14日 NMLアルバム番号:ALPHA786
CD価格:2,475円(税込)
中世とルネサンス、瞑想的な20世紀音楽。
眠りと死をたゆたう静謐な合唱空間古楽レパートリーに希有ともいえる適性を見せながら、アルバム作りに際しては必ず20世紀以降の作品など近現代の要素をバロック以前の音楽に交え、あくまでオーガニックな響きを保ちながら常に新鮮な音楽体験へ誘ってくれるフランスの声楽アンサンブル、ラ・タンペート。これまでにも近東伝統歌謡とドイツ初期バロック、ないしマショーとストラヴィンスキーなどを並列的に扱ったユニークなアルバムをリリースしていますが、今回のテーマは「眠りと死」。表題のヒュプノスとは古代ギリシャの眠りの神で(「催眠術」をあらわす欧州言語ヒュプノシスの語源)、神話では兄弟のタナトス(死の神)とともに夜の女神から生まれたとされています。 指揮者ベスティオンは原初のキリスト教会における礼拝を想像上で自由に再現することを意識しながら、西と東が交わるギリシャの地にも思いを馳せつつ、ほのかな異界感を漂わせたグレゴリオ聖歌以前のカトリック聖歌にまで遡る、ルネサンス以前の音楽を味わい深いア・カペラ中心の響きで今に甦らせてゆきます。 それらの音と違和感なく並ぶ20世紀作品もみな自然な響きの魅力を活かした楽曲ばかり。ピュアな和声感に二度や七度の不協和なはずの音の重なりが自然と隣り合うサウンドは、ラ・タンペートのやや東洋的趣きも感じられる独特な古楽歌唱の効果と言ってよいでしょう。 現代性と昔日らしさの補助線のように、バス・クラリネットと古楽器コルネットが声楽を支える音作りも精妙。「深く聴く」という体験の余韻をじっくり味あわせながら、此岸と彼岸の境が静かに溶けてゆく音の流れに出会える1枚です。 -
王侯のレクイエム[5枚組 BOX]
~15-19世紀、為政者たちを見送った知られざる傑作の数々~ [様々なアーティスト]発売日:2021年10月22日
CD 5枚組価格:4,425円(税込、送料無料)
名品が一堂に!
欧州史に輝く名家の死者たちを見送った知られざる傑作群がAlphaのBOXで創設以来つねに歴史に埋もれた傑作の復権に大きく寄与してきた実績のあるAlphaレーベルならではの「レクイエムBOX」が登場。死者を見送るミサのための音楽=レクイエムやそれに類する葬送音楽には、有名曲に限らず驚くべき傑作がなぜか多く、隠れた名品に出会える可能性が高いのですが、今回のBOXにはその最高の実例ともいうべき秘曲が凝縮されています。 オケゲムやジョスカンが活躍した15世紀末の逸材フェヴァンによるフランス王家に捧げられたア・カペラ多声楽曲に始まり、前古典派世代の最重要人物の一人ヨンメッリのあまりに美しいレクイエム、革命の犠牲となった王と王妃をナポレオン戦争後に追悼すべく用意された三つの大作、リュリ前夜のフランス音楽史の間隙を埋める秘作にパーセルの重要曲、そして密かにファンが多いフックスの「皇帝レクイエム」。 ケルビーニのハ短調レクイエム(ニケならではの名演!)が辛うじて競合盤多数というくらいで、どれをとっても知名度は決して高くない曲にもかかわらず、初回リリース時に圧倒的な注目をリスナーや批評家勢から集めた音源ばかりが厳選されています。有名作が不在であるだけに聴覚体験の満足度の高さは嬉しい驚きとなるでしょう。 この10年内に出た録音が大半で、日本でも好評を博したヨンメッリ盤のような近作まで収録されている点もポイント。AlphaのほかZig-Zag Territoires、Ricercar、Arcanaの音源も含まれ、ニケや故マルゴワールなどの敏腕指揮者たちから、ル・ポエム・アルモニークやドゥース・メモワールなど最前線団体の活躍にまで触れられる充実度満点のBOXです。 -
フェヴァン(1470頃-1512):
レクイエム
〜ブルターニュ公女の追悼ミサ〜 [ドゥニ・レザン・ダドル、ドゥース・メモワール]発売日:2021年06月25日
CD価格:1,425円(税込)
知られざる16世紀フランス音楽。ブルターニュ最後の公女の死をめぐる傑作選ドゥニ・レザン・ダドルが中心となって、中世末期からルネサンスにかけての様々な音楽を徹底した研究と絶妙な演奏で披露しているドゥース・メモワール。レオナルド・ダ・ヴィンチにまつわる音楽を徹底解剖したALPHAレーベルでの名録音(ALPHA456/日本語解説付き NYCX-10061)でもその技量は改めて印象づけられましたが、テーマ性のあるプログラムを数百年の時を超えて、21世紀の「いま」にみずみずしく蘇らせる技量は本盤でも圧倒的。 フランス15世紀末、ルイ12世の宮廷に仕えたアントワーヌ・ド・フェヴァンが残した美しいレクイエムを中心に、1514年に世継ぎなく世を去ったブルターニュ最後の公女アンヌ(ルイ12世の妃)の追悼ミサを再現するプログラムで、500年前の世界へと私たちをいざないます。 Zig-Zag Territoiresレーベル初出時すぐに入手難となっていた名録音。2019年に亡くなったブルターニュの民俗歌手ヤン=ファンシュ・ケメネールが、独特な味わいをたたえた歌唱を折々に聴かせ、フランス領となった後にも独自のケルト文化を脈々と培ってきたブルターニュという土地の歴史と気配を感じられる1枚となっています。
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メルセンヌのクラヴィコード
16-17世紀の鍵盤音楽 [チャールストン]Clavichord Recital: Charlston, Terence - COSTELEY, G. / CELLLIER, J. / CHAMPION, J. / COUPERIN, L. (Mersenne's Clavichord)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:DDA25134
CD価格:2,224円(税込)
16世紀から17世紀にかけての、鍵盤のために書かれた小さな曲を集めた1枚です。ここでは14世紀頃に発明された「クラヴィコード」が用いられています。これは小型の楽器で、基本的にテーブルの上に載せて奏されます。音色は繊細で、チェンバロなどに比べても小さいのですが、よく耳を澄ますことで多彩な表現力を楽しむことができる素晴らしい楽器です。 テレンス・チャールストンはヨーロッパでも有数のルネサンス時代の音楽の専門家であり、このフランス製のクラヴィコードについても、詳細な論文を書いています。まずは、この典雅な響きをお楽しみください。