ドホナーニ(エルンスト・フォン) Dohnanyi, Erno
生没年 | 1877-1960 | 国 | ハンガリー |
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辞書順 | 「ト」 | NML作曲家番号 | 15904 |
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ドホナーニのピアノ
(ドホナーニ所有の1910年ベーゼンドルファー・ピアノ)
ドホナーニ(1877-1960):
ピアノ作品集 [ソフィア・ギュリバダモヴァ(ピアノ)]DOHNÁNYI, E.: Piano Works - Suite in the Olden Style / Pastorale / Variations, Op. 29 (The Original Bösendorfer Piano of Dohnányi) (Gülbadamova)
発売日:2024年04月19日 NMLアルバム番号:C5519
CD価格:2,475円(税込)
優れたピアニストでもあった作曲家ドホナーニが書いた作品を、彼が所有していた歴史的ピアノで演奏した1枚。 ハンガリーの作曲家エルンスト・フォン・ドホナーニ(エルネー・ドホナーニ)は優れたピアニストであり、楽器の発明や改良にも強い関心を持っていました。彼はとりわけ半円を描くように湾曲した鍵盤を備えたピアノが気に入り、1909年から1910年頃にはこの楽器の推進者となりました。 この方式の鍵盤は、高音、中音、低音のどこを弾く時も体の中心からの距離がほとんど変わらないため、体を動かすことなく演奏できるのがポイントで、1820年代に開発されると、オーストリア、ロンドン、ドイツで競って実用化が行われた後、オーストラリアの音楽家・発明家のフレデリック・クラッサム(1869-1934)が1907年12月に特許を取得しました。クラッサムは1908年末もしくは1909年初頭にベルリンで新楽器を発表するとともに、著名ピアニストやピアノメーカーに協力をもちかけ、ドホナーニも有名なピアノ製造社「イバッハ」製の楽器を演奏、普及に尽力しました。その後、各地の音楽大学に納入される予定でしたが、実際に購入されることはほとんどなかったようです。 (曲目・内容欄に続く)
収録作曲家:
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チェロとデュプレクス・ピアノによるソナタ集 [ダーヴィト・シュトロンベルク(チェロ)/フローリアン・ウーリヒ(デュプレクス・ピアノ)]
Cello Sonatas Played on Cello and Duplex Piano - MOÓR, E. / DOHNÁNYI, E. / STRAUSS, R. (D. Stromberg, F. Uhlig)
発売日:2023年04月21日 NMLアルバム番号:OC497
CD価格:2,475円(税込)
ピアノ・ファン注目、 デュプレクス・カプラー・グランド・ピアノによる世界初録音。2段鍵盤を持つ珍しいピアノを用いたアルバムの登場です。 ハンガリーの作曲家でピアニストのエマヌエル・モール(1863-1931)が発明したこのデュプレクス・カプラー・グランド・ピアノ(以下デュプレクス・ピアノ)は2段式の鍵盤を持ち、上鍵盤は下鍵盤より1オクターヴ高く調律されています。片手で2オクターヴをカバーできるとともに、その構造から生まれる独自の音色が得られます。このピアノに触れたヴィルヘルム・バックハウスは「ピアノの歴史における最大の偉業」と称え、ブルーノ・ワルターも「この技術革新が素晴らしい作品を生むだろう」と予言しました。1921年に第1号が商品化されると、スタインウェイ、ベーゼンドルファー、ベヒシュタイン、プレイエルらの大手ピアノ・メーカーも続々と追随しましたが、普及することなく、いつしか忘れられました。 チェリストのダーヴィト・シュトロンベルクは、2台のチェロのためのレパートリーを探求していた2017年にエマヌエル・モールを知り、彼のチェロ作品をOehmsに録音し(OC1704)、その過程でモールの生涯とデュプレクス・ピアノに興味を惹かれて探究を続けました。2021年、遂に状態の良いデュプレックス・ピアノを見つけ、レストアを経てこの録音を敢行。 冒頭に置かれたのは楽器の生みの親であるモールの作品。続くエルネー・ドホナーニは、この楽器を使ったコンチェルトで指揮をしている写真があることから選択。そしてリヒャルト・シュトラウスのチェロ・ソナタは、その疾風怒濤の音響世界がこの楽器に相応しいと考えて加えました。当時のモールは人気作曲家で、彼の作品はニキシュ指揮のベルリン・フィル、メンゲルベルク指揮のコンセルトヘボウ管、コルトー、クライスラー、イザイらが演奏し、カザルスは「真の天才」と称えました。しかし1918年を最後に作曲の筆を置き、デュプレクス・ピアノの開発に邁進しました。 当CDではシュトロンベルクがモールの生涯とこの楽器をめぐって充実したライナーノーツを執筆しています(英語とドイツ語)。ピアノの歴史に関心を持つファンには手に取って頂きたい1枚です。
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ドホナーニ(1877-1960):
童謡の主題による変奏曲 Op.25
ハープと室内オーケストラのための小協奏曲 Op.45
コンツェルトシュテュック Op.12 [ソフィア・ギュリバダモヴァ(ピアノ)/シルケ・アイヒホルン(ハープ)/アンドレイ・イオニーツァ(チェロ)/ラインラント=プファルツ州立フィルハーモニー管弦楽団/モデスタス・ピトレナス(指揮)]DOHNÁNYI, E.: Concertos - Variations on a Nursery Song / Harp Concertino / Konzertstück (Gülbadamova, Aichhorn, Ioniţă, Pitrenas)
発売日:2022年02月11日 NMLアルバム番号:C5463
CD価格:2,475円(税込)
名指揮者クリストフ・フォン・ドホナーニの祖父で作曲家、指揮者として活動したエルンスト・フォン・ドホナーニ(ハンガリー名エルネー・ドホナーニ)の3曲の協奏的作品を集めた1枚。 ドホナーニはピアノ協奏曲を2曲作曲していますが、この「童謡の主題による変奏曲」は1914年の作品で、荘厳かつ重々しい序奏のあとに登場する旋律は、誰もが知っている「きらきら星」。ピアノが技巧的に華々しく活躍しながらオーケストラと対話を繰り広げ、最後は圧倒的なフーガで終わる聴きごたえのある作品です。 ハープと室内オーケストラのための協奏曲は晩年1952年に書かれた小さな曲。全編を漂うように流れるハープの響きが神秘的な雰囲気をかもしだします。 名手シュタルケルが愛奏したことで知られる「コンツェルトシュテュック」もチェロの伸びやかな旋律と半音階的なハーモニーが印象的なオーケストラとのやりとりが美しい1曲。 このアルバムでは、3人の奏者たちが思い思いの演奏を繰り広げています。
収録作曲家:
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ドホナーニ(1877-1960):
組曲 嬰ヘ短調
歌劇《シモーナおばさん》序曲
アメリカ狂詩曲
ヴェイネル(1885-1960):
セレナード ヘ短調 Op.3 [ウィーン放送交響楽団/ロベルト・パーテルノストロ(指揮)]DOHNÁNYI, E.: Tante Simona: Overture / American Rhapsody / Suite, Op. 19 / WEINER, L.: Serenade, Op. 3 (Vienna Radio Symphony, Paternostro)
発売日:2021年08月13日 NMLアルバム番号:C5380
CD価格:2,475円(税込)
名指揮者クリストフ・フォン・ドホナーニの祖父、エルンスト・フォン・ドホナーニ(ドホナーニ・エルネー)。ピアニストとして活躍しただけではなく、教育者としてはアニー・フィッシャーやゲオルク・ショルティなど数多くの弟子を育て上げた優れた功績で知られます。作曲家としても数多くの作品を残しましたが、残念なことに演奏される機会が多いとはいえません。 このCapriccioのシリーズではドホナーニのロマンティシズムと官能性に満ちた作品の数々を現代に蘇らせています。シリーズ第5集となるこのアルバムに収録されているのは、1幕ものの歌劇《シモーナおばさん》の序曲と、ドホナーニの代表作の一つ「組曲 嬰ヘ短調」、彼の最後のオーケストラ作品となった「アメリカ狂詩曲」の3曲。なかでもアメリカ民謡が数多く引用された「アメリカ狂詩曲」は聴きごたえたっぷりの作品です。 添えられているのはドホナーニより8歳年下のレオー・ヴェイネルの「セレナード」。彼もドイツ・ロマン派とハンガリー民謡の融合を目指した作曲家の一人です。 演奏は世界的なオーケストラと数多く共演し、卓越したパフォーマンスで活躍する指揮者パーテルノストロ。交響曲第1番(C5386)に続くドホナーニ作品のアルバムとなります。
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ドホナーニ(1877-1960):
ピアノ協奏曲 第1番&第2番 [ソフィア・ギュルバダモーヴァ(ピアノ)/アリアーヌ・マティアク(指揮)/ラインラント=プファルツ州立フィルハーモニー管弦楽団]DOHNÁNYI, E.: Piano Concertos Nos. 1 and 2 (Gülbadamova, Rheinland-Pfalz State Philharmonic, Matiakh)
発売日:2020年04月24日 NMLアルバム番号:C5387
CD価格:2,475円(税込)
名指揮者クリストフ・フォン・ドホナーニの祖父、エルンスト・フォン・ドホナーニ(エルネー・ドホナーニ)。ピアニストとして、また、教育者としてもアニー・フィッシャーやゲオルク・ショルティなど数多くの弟子を育て上げた優れた功績で知られます。作曲家としても交響曲、協奏曲、数多くの室内楽作品を残しましたが、それらはほとんど演奏されることなく忘れられていました。 しかし、21世紀になって、ようやくいくつかの曲が蘇演されたことで、人々はロマンティシズムと官能性に溢れたドホナーニ作品を知ることができるようになりました。この2曲のピアノ協奏曲は、ブラームスの影響を感じさせる重厚な雰囲気の中に、ハンガリー民謡をはじめとした多彩な素材が織り込まれた技巧的な作品です。 ピアノを演奏しているギュルバダモーヴァはモスクワで生まれ、グネーシン音楽学校で学んだピアニスト。長年に渡りドホナーニ作品を研究し、2018年には2枚組のピアノ作品集(C5332)をリリース。こちらも高く評価されています。
収録作曲家:
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ドホナーニ(1877-1960):
パントマイム『ピエレットのヴェール』Op.18 [アリアーヌ・マティアク(指揮)/ウィーン放送交響楽団]DOHNÁNYI, E.: Schleier der Pierrette (Der) (The Veil of Pierrette) [Pantomime] (Vienna Radio Symphony, Matiakh)
発売日:2020年02月07日 NMLアルバム番号:C5388
CD価格:2,475円(税込)
ハンガリー出身のエルンスト・フォン・ドホナーニ(ハンガリー名ドホナーニ・エルネー)は指揮者クリストフ・フォン・ドホナーニの父として知られる作曲家。19世紀ロマン派の流れを汲む重厚な作品を数多く残しており、これらは近年演奏、録音機会が増えています。 このアルバムに収録されたパントマイム『ピエレットのヴェール』もそんな作品の一つで、ドホナーニはこの作品を通じ、バレエとは違う物語と音楽の融合を目指し、当時人気を誇っていたアルトゥル・シュニッツラーの原作を選び、色彩豊かな音楽を付けています。全曲が演奏されることはほとんどありませんが、第2幕に置かれた「結婚式のワルツ」だけは、ヨーロッパのラジオ放送におけるリクエスト番組で定期的に取り上げられるなど今も変わらぬ人気を誇っています。 今回、作品の全曲演奏に取り組んだのは、注目の女性指揮者アリアーヌ・マティアク。ドホナーニが目指した「物語の親密で自然な表現」を確かな形にして、聴き手に届けています。
収録作曲家:
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ドホナーニ(1877-1960):
交響曲 第1番 ニ短調 Op.9
交響的瞬間 Op.36 [ロベルト・パーテルノストロ(指揮)/ラインラント=プファルツ州立フィルハーモニー管弦楽団]DOHNÁNYI, E.: Symphony No. 1 / Symphonic Minutes (Rheinland-Pfalz State Philharmonic, Paternostro)
発売日:2019年10月18日 NMLアルバム番号:C5386
CD価格:2,475円(税込)
エルネー・ドホナーニはハンガリー出身の作曲家。19世紀ロマン派の伝統を守る作品を数多く作曲、発表する際はドイツ名「エルンスト・フォン・ドホナーニ」を使用していたため、現在でもこの名前の方が馴染み深いようです。 生涯ロマン派風の作品を書きましたが、このアルバムに収録された「交響曲第1番」は20歳代の作品であるためか、よりその傾向が強く、至るところに彼の師ハンス・ケスラーが傾倒していたブラームスの影響が感じられます。また1933年に作曲された「交響的瞬間」もブラームスの「ハンガリー舞曲」の伝統を色濃く受け継いだ民族色豊かな、ドホナーニのアイデンティティが強く発揮された聴きどころの多い曲集です。 ブルックナーの名演で知られるパーテルノストロが、オーケストラの豊かな響きを生かした素晴らしい演奏を聴かせます。
収録作曲家:
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ドホナーニ(1877-1960):
ピアノ作品集DOHNÁNYI, E. von: Piano Works (Gülbadamova)
発売日:2018年02月23日
CD 2枚組価格:2,700円(税込)
ハンガリーの作曲家エルネー(エルンスト・フォン)・ドホナーニ。高名な指揮者クリストフ・フォン・ドホナーニの父としても知られますが、バルトークの同世代に活躍した音楽教師としても名を馳せていました。後期ロマン派風の雰囲気を持つドホナーニの作品は、彼が強い影響を受けたブラームスの小品のような内省的な曲だけでなく、優れたピアニストでもあった自身の技巧を誇示するかのような作品もあり、極めて多彩なキャラクターが織り交ぜられています。 演奏者ギュルバダモーヴァは、ドホナーニ作品の研究を長年に渡って続けており、作品の普及に努めています。
収録作曲家:
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発売日:2017年09月22日
CD価格:2,100円(税込)
バルトークとクルターク、2人のハンガリーの作曲家の作品(RES10167)で劇的な演奏を聴かせたサイモン・スミス。このアルバムでは、同じくハンガリーの作曲家コダーイとドホナーニのアンサンブル作品を鮮やかに演奏しています。 エルネー・ドホナーニは以前、ドイツ名のエルンスト・フォン・ドホナーニが知られていましたが、最近はハンガリー名のエルネーが一般的です。作品自体はブラームスの流れを汲んだドイツ風の雰囲気をもっており、とりわけこの「セレナード」は古典的な作風で書かれていますが、最終楽章はかなり激しく情熱的で演奏も困難なことで知られています。スミスを中心とした奏者たちの息詰まるような演奏が魅力的です。
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Being EaRNeST
ドホナーニ(1877-1960):
室内楽作品集 [アンサンブル・ラロ]DOHNÁNYI, E.: Piano Quintet No. 2 / Sextet (Being EaRNeST) (Ensemble Raro)
発売日:2016年12月16日 NMLアルバム番号:SM250
CD価格:1,950円(税込)
2004年に結成されたアンサンブル・ラロは、日本にも何度も来日し、数多くのファンを獲得しているアンサンブルです。第1ヴァイオリンを名手アレクサンドル・シトコヴェツキーが務め、東欧系の作品を中心に数多くのレパートリーに真摯に取り組むことで知られていますが、今作も近代ハンガリーを代表する作曲家エルネー・ドホナーニ(指揮者クリストフ・フォン・ドホナーニの父)の2作品を演奏、各々の作品には、メンバーと親しい奏者を加え、より緊密な演奏を披露しています。
収録作曲家:
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ドホナーニ(1877-1960):
〈ピアノ作品集〉
パッサカリア Op.6/4つの狂詩曲 Op.11
3つの小品 Op.44 [レーム]DOHNÁNYI, E.: Piano Music - Passacaglia / 4 Rhapsodies / 3 Singular Pieces (Röhm)
発売日:2016年06月29日 NMLアルバム番号:777970-2
CD価格:1,710円(税込)
最近は、ドイツ名のエルンストよりもハンガリー名の「エルネー」が親しまれている作曲家ドホナーニ(1877-1960)。彼は音楽学校でバルトークの同窓生でしたが、彼が書いた作品はどれもドイツの伝統に則った堅固な作風を持ち、もちろんハンガリーの民俗要素を持ち込むことはあっても、基本的にはドイツロマン派、とりわけブラームスの影響が強く感じられることで知られています(もともと彼の師ハンス・ケスラーはブラームスに傾倒していた人であったことも影響しているようです)。 このアルバムでは初期から晩年に至る3つの曲集を収録、1951年に出版された「3つの小品」は保守的でありながらも、ジャズや民謡への関心も感じられます。シューベルトのソナタ録音で知られるピアニスト、レームによる演奏で。
収録作曲家:
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デュオ・アルニカンス [デュオ・アルニカンス]
Cello and Piano Recital: Duo Arnicans - CHOPIN, F. / DOHNÁNYI, E.
発売日:2015年12月23日 NMLアルバム番号:SM226
CD価格:1,824円(税込)
ドイツ出身のチェリスト、フローリアンとラトビア出身のアルタ、お互い「アルニカン」の苗字を持つ2人のデュオによるショパンとエルネー・ドホナーニの作品集です。ハンガリー民謡のリズムを根底に持つドホナーニのソナタ、ショパンの晩年の傑作であるソナタと、どちらの曲も熱く燃えるようなリズムと扇情的な表現が勝る見事な演奏で、とりわけショパンでは、これでもかと言えるほどの迫力を有しており、これまで多くの人がこの曲に対して抱いていたイメージが変わってしまうと思えるほどの感情の発露が見てとれます。珍しいドホナーニのソナタも、こんなに良い曲だったのかと目から鱗が落ちるのではないでしょうか。
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ドホナーニ(1877-1960):
ピアノ五重奏曲 第1番&第2番 [ウォルフィッシュ/エンソ弦楽四重奏団]DOHNÁNYI, E.: Piano Quintets Nos. 1 and 2 (Wallisch, Ensō String Quartet)
発売日:2014年12月24日 NMLアルバム番号:8.570572
CD価格:1,900円(税込)
名指揮者クリストフ・フォン・ドホナーニの祖父に当たるドホナーニ・エルノ(1877-1960)の2つのピアノ五重奏曲です。1897年、オイゲン・ダルベールとともに学んでいたドホナーニは、ベルリンでピアニストとしてデビューするための準備を始め、ドイツとオーストリアでコンサートを行い、ハンス・リヒターの招きでロンドンに出かけ、ここでベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番を演奏して、素晴らしい成功を収めます。その後、彼はリストに親しくなることを目論み、ロシアとアメリカを含むコンサート・ツアーを行い、その後は紆余曲折を経ながらもハンガリーの音楽の発展に力を尽くします。 この1895年に書かれた第1番のピアノ五重奏曲は、ブラームスに絶賛されたという魅力的な作品です。確かにブラームスからの影響を強く受けたと思われる雰囲気が横溢し(特に第3楽章)、これは若き作曲家の意欲を示すとともに、その行く末を暗示させるかのようなドラマティックな側面も見せています。それに比べ、1914年に書かれた第2番の五重奏曲は、冒頭から重苦しく激しいもので、ドホナーニの作風の変化を目の当たりにすることができるでしょう。第3楽章のメロディも民謡調であり、第2主題はただただ厳粛です。名手ウォルフィッシュとエンソ弦楽四重奏団による迫力ある演奏は、聴くものの心を捉えてやみません。
収録作曲家:
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ドホナーニ(1877-1960):
交響曲 第2番
3つの歌 Op.22 より「2つの歌」 [ジョーンズ/フロリダ州立大学響/ヒメネス]DOHNÁNYI, E.: Symphony No. 2 / 3 Songs, Op. 22: Nos. 1-2 (E.T. Jones, Florida State University Symphony, Jiménez)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2014年07月23日 NMLアルバム番号:8.573008
CD価格:1,900円(税込)
ハンガリー屈指の音楽家で、その孫に世界的指揮者として知られるクリストフ・フォン・ドホナーニを持つエルネー・ドホナーニ(1877-1960)。ダルベールに学び、ベルリンでピアニストとしてデビュー。その後はヨーロッパ全土で演奏旅行を行い高く評価された人です。教師としても優れていて、1905年から1915年まではベルリン高等音楽学校で教え、1919年には一時的にブダペスト音楽アカデミーの院長も務めています(政治的圧力でその年のうちに解任)それほどの人なのに、自作の演奏にはあまり積極的ではなかったようで、現在でもあまり彼の曲を聴く機会はありません。 この交響曲第2番は、第二次世界大戦で荒廃を極めたハンガリーが復興していく時期に書かれたもので、激しい爆撃をかいくぐった都市の姿を彷彿させる堂々とした輝かしい楽想に満ちています。作風は後期ロマン派に属するものであり、この時期の作品に拘わらず調性も付されていますが、曲の要所要所には新古典派的な面持ちも垣間見えます。変奏曲形式を持つ第4楽章には、バッハのコラールのメロディが埋め込まれ、様々な形で「死と生」について語りかけます。最後には「生きること」が勝利し高らかに曲を閉じるというものです。2つの歌曲は神への賛歌と、闇を克服する夜明けが描かれており、ここでもドホナーニの世界観をつぶさに知ることができるはずです。
収録作曲家:
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コダーイ(1882-1967):
ハーリ・ヤーノシュ組曲/ガランタ舞曲
ドホナーニ(1877-1960):
小協奏曲 [シュタルケル/シアトル響/シュワルツ]KODALY, Z.: Hary Janos Suite / Dances of Galanta / DOHNANYI, E.: Konzertstuck (Starker, Seattle Symphony, Schwarz)
■交響曲/管弦楽曲 ■協奏曲
発売日:2012年08月22日 NMLアルバム番号:8.572749
CD価格:1,900円(税込)
コダーイ(1882-1967)の「ハーリ・ヤーノシュ」は本来は劇音楽として書かれた作品です。もともとはハンガリーの詩人ガライ・ヤーノシュの「Azobsitos(兵士の休日・・・カールマンもこの題材でオペレッタを作曲)」に登場する荒唐無稽な話を語る“自称”冒険家の物語で、これを元にパウリニとハルシャーニが台本を書き、コダーイが音楽を担当、「5つの冒険」というジンクシュピールができたもので、この中から6曲を抜粋したものが、現在演奏されるこの「ハーリ・ヤーノシュ組曲」というわけです。曲ごとに使用する楽器が異なり、ハンガリーの民族楽器ツィンバロンまで登場するという楽しいもので、聴いているだけで夢心地になれそうな想像力に富んだ音楽です。ブダペスト・フィルハーモニック協会80周年記念のために書かれた「ガランタ組曲」も心躍る舞曲です。 同時収録のドホナーニ(1877-1960)のチェロ協奏曲は、単一楽章でありながらも、本格的な協奏曲であり、抒情的で美しいメロディに満ちた聴きごたえのある名作。名手シュタルケルの納得の演奏が花を添えています。
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ドホナーニ(1877-1960):
童謡による変奏曲他 [ネボルシン/バッファーロー・フィル/ファレッタ]DOHNANYI, E.: Variations on a Nursery Song / Symphonic Minutes / Suite (Nebolsin, Buffalo Philharmonic, Falletta)
■交響曲/管弦楽曲 ■協奏曲
発売日:2010年07月14日 NMLアルバム番号:8.572303
CD価格:1,900円(税込)
こんなの、私が知ってるきらきら星じゃない! そんな子どももいつしか黙ってしまう面白さエルンスト(エルネ)・フォン・ドホナーニは、ハンガリー屈指の作曲家、指揮者、ピアニスト、そして教師でした。息子たちは、それぞれ指揮者、法学者として活躍していることでも知られています。彼の作品は、すでにNAXOSでも協奏曲集(8.570833)、チェロ作品集(8.554468)の2種類がリリースされていますが、今作は組曲形式の3つの作品お聴きいただけます。なかでも聴きものは「童謡の主題による変奏曲」でしょう。まるでマーラーを思わせる大掛かりな序奏に導かれて始まるのは、あのおなじみの「きらきら星」のメロディです。これを聴いて「う~ん、やられた」と思う人が何人いるのか楽しみです。もちろん変奏曲の部分の面白いこと。どこへ飛ばされるのか一瞬たりとも気が抜けません。まるでハリウッド映画を見ているかのような爽快感を味わえます。
収録作曲家:
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ドホナーニ(1877-1960):
ヴァイオリン協奏曲集 [ルートヴィヒ]DOHNANYI, E.: Violin Concertos Nos. 1 and 2
■協奏曲
発売日:2008年06月11日 NMLアルバム番号:8.570833
CD価格:1,900円(税込)
名指揮者のお父さんの書いた美しいヴァイオリン協奏曲、名手ルートヴィヒの美音で酔いしれる指揮者クリストフ・フォン・ドホナーニの父であるエルノ・フォン・ドホナーニは2つの交響曲、2つのピアノ協奏曲、2つのヴァイオリン協奏曲などを作曲、しかしその曲のほとんどは不当に忘れられてしまいました。あまり聴く機会のないヴァイオリン協奏曲第1番は紛れもなく後期ロマン派の音楽で、その情緒たっぷりの旋律美はコルンゴルトの名曲にも匹敵するかも知れません。第2番の協奏曲は管弦楽にはヴァイオリン・パートがありません。
収録作曲家:
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コダーイ(1882-1967):
オルガン作品全集と
東欧の作曲家たちのオルガン曲 [イアン・クイン(オルガン)]KODÁLY, Z.: Organ Works (Complete) / Organ Music - DOHNÁNYI, E. / NOVÁK, V. / SOKOLA, M. / WIEDERMANN, B.A. (I. Quinn)
発売日:2024年07月12日 NMLアルバム番号:8.574544
CD価格:1,900円(税込)
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セルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943)
PIANIST AND CONDUCTOR
ピアニストとして、指揮者として
伝説の録音集 1919-1942[9枚組 BOX] [セルゲイ・ラフマニノフ(ピアノ/指揮)]発売日:2023年04月28日
CD 9枚組価格:6,300円(税込、送料無料)
生誕150年記念! ラフマニノフが演奏家として遺した伝説的録音を集成!1917年に母国ロシアを離れたラフマニノフはその翌年アメリカに渡り、コンサート・ピアニストとしての活動を始めました。この頃にはすでに録音技術が実用化されており、ラフマニノフはまずエジソンレコード社と契約しましたが、やがてビクタートーキングマシン社(のちのRCAビクター社)と契約を結び、多くの録音を生み出しました。この時に記録された78rpmディスクは、音楽史上最も重要な記録遺産の1つと言えるでしょう。 このBOXには、エジソンレコード社とビクタートーキングマシン社に録音された録音の中から、自身の作品を含むソロの録音と、ストコフスキーとオーマンディが指揮するフィラデルフィア管弦楽団をバックにした4曲のピアノ協奏曲、更に指揮者としての彼の録音の全てである「交響曲第3番」と「死の島」「ヴォカリーズ」が収められています。いくつかの音源は当時発売されることのなかった幻の音源です。 ウォード・マーストンとマーク・オーバート=ソーンによって行われたリマスターは、録音当時の音を鮮やかに蘇らせています。
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マリア・クリーゲル(チェロ)
アニヴァーサリー・エディション[3枚組 BOX] [マリア・クリーゲル(チェロ)他]KLIEGEL, Maria: Anniversary Edition
発売日:2022年11月11日 NMLアルバム番号:8.578370-72
CD 3枚組価格:3,900円(税込、送料無料)
2022年に70歳となった名チェリスト、マリア・クリーゲルが、自らナクソスの膨大なディスコグラフィーの中から選んだコレクションBOX。 ドイツで生まれた彼女は10歳からチェロをはじめ、アメリカにわたりインディアナ大学にてヤーノシュ・シュタルケルに師事、1981年にはロストロポーヴィチ国際コンクールでグランプリを受賞したことでロストロポーヴィチとヨーロッパ・ツアーを行うなど世界的に注目を集めました。以降、演奏家と教師として活動しつつ、数多くの録音を発表。 このアルバムには、グラミー賞にノミネートされたJ.S.バッハのチェロ組曲からの抜粋をはじめ、ベートーヴェンやオンスロウなどの古典派作品、彼女が得意とするサン=サーンスのチェロ協奏曲の楽章、技巧が冴えわたる近現代作品までを収録。 また、彼女が使用している楽器はモーリス・ジャンドロンが30年以上にわたって使用していた1693年製のストラディヴァリウス「エクス・ジャンドロン」を中心に、いずれも17世紀から18世紀の銘器であり、その芳醇で温かみのある音色もお楽しみいただけます。
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-★『レコード芸術』特選盤(2022年8月号)★-
瀬尾和紀(フルート)
モダン・タイムズの妙巧
The Spark of Modern Times [瀬尾和紀(フルート)]発売日:2022年05月20日
CD国内盤価格:3,300円(税込、送料無料)
真のヴィルトゥオージティとは何かを問う「グラドゥス・アド・パルナッスム」フルートの美点を保った上での限界点の追求という困難な課題に立ち向かう瀬尾の演奏は、まさに堅牢な土台の上に大伽藍を描いたもの。近代フルート音楽における無伴奏作品の存在意義をあらためて知らしめた珠玉の一枚。 西村 祐
近年、ピアノ演奏やプロデューサーとして多彩な活動をする瀬尾和紀が、本来の楽器であるフルート、それも無伴奏作品でその真価を問う1枚が登場。 選ばれた作品はカルク=エーレルトの「30のカプリス」を中心に、ドホナーニ、ヒンデミットの近代作曲家の小品と、瀬尾自身がアレンジしたJ.S.バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番より「チャッコーナ」というもので、2本のフルートで演奏されるヒンデミットの「カノン風ソナチネ」には、彼の師であるパトリック・ガロワが参加。なんとも贅沢で聴きごたえのある1枚に仕上がっています。 カルク=エーレルトはドイツ後期ロマン派のオルガニスト兼作曲家。木管楽器のための作品も数多く、なかでも第一次世界大戦中、軍楽隊でライプツィヒ・ゲヴァントハウスのフルーティスト、カール・バルトゥザット(Carl Bartužat)と親交を持ったことでフルートのための重要な作品を残しました。この「30のカプリス」は副題に“グラドゥス・アド・パルナッスム=パルナッソス山への階梯”と付けられており、芸術や学問の聖地とされるパルナッソス山へ段階を踏んで登っていくように、高度な技術を磨いていくための練習曲との意味合いを持つ曲集。フルートを愛する人ならば、ぜひ聴いていただきたい重要な作品です。 最後に置かれたバッハのチャコーナでの緊張感に満ちた音楽も聴きどころ。 -
〈クライスラー 録音全集 第9集〉
クライスラー(1875-1962):
1927年-1928年
(コレッリ、シューマン、ビゼー、アルベニス、ファリャ、ドホナーニ、クライスラー) [フリッツ・クライスラー(ヴァイオリン) 他]KREISLER, Fritz: Complete Recordings, Vol. 9 (1927-1928)
発売日:2020年02月28日 NMLアルバム番号:8.111410
CD価格:1,900円(税込)
1925年、電気式録音によるSPレコードが発売されたとき、クライスラーはまだ活動の絶頂期にありました。この第9巻には1927年から1928年にかけての一連の録音を収録。当時52歳のクライスラーの円熟した技巧と美しい音色が余すことなく捉えられています。 アルバムには自作の「ジプシー・カプリース」の最初の録音や、1928年ニューヨークで録音が行われたエルネー・ドホナーニの大曲「ハンガリー牧歌」の他、彼の弟フーゴを伴いベルリンで録音された、一連のピアノ三重奏曲版の演奏も聴くことができます。
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ヴィルトゥオーゾ・ピアノ・
トランスクリプション集 [アレッサンドロ・タヴェルナ(ピアノ)]Piano Recital: Taverna, Alessandro - BACH, J.S. / LISZT, F. / GERSHWIN, G. (Virtuoso Piano Transcriptions)
発売日:2020年02月28日 NMLアルバム番号:SOMMCD0605
CD価格:2,250円(税込)
放送や録音技術が開発される前の19世紀初頭から1920年頃までは、音楽を楽しむ手段としてはピアノを所有して練習し、自宅のサロンで演奏するのが主流であり、ここから様々な音楽が広まって行きました。そのために、当時流行したオペラの楽曲や、管弦楽曲、声楽曲などあらゆるジャンルの作品を、ラフマニノフやリストなど名だたる有名作曲家がピアノ版に編曲を施しています。優れた作曲家の手にかかると、オリジナルの作品の良さが最大限に引き出されることが多く、現代の聴き手にも楽曲の新たな魅力が発見できるかもしれません。 このアルバムでは1983年、ヴェネツィア生まれのピアニスト、タヴェルナが、バッハからガーシュウィンまでの幅広い年代の作曲家たちによる名曲のピアノ編曲版をとりあげています。タヴェルナはイモラ音楽院やサンタ・チェチーリア音楽院で学び、2005年のリーズ国際コンクールに入賞して注目され、イギリスの批評家に「A.B.ミケランジェリの後継者」と称されているイタリアの名手です。
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ラフマニノフ(1873-1943):
ソロ録音集 第5集 [Final Edison and First Victor Recordings, 1919-1923]RACHMANINOV, Sergey: Piano Solo Recordings, Vol. 5 - Final Edison and First Victor Recordings (1919-1923)
発売日:2018年07月27日
CD価格:1,900円(税込)
1917年、十月革命を逃れるために全てを捨ててアメリカに渡ったラフマニノフは、すぐに新しい生活のために資金を調達するコンサートを始めました。それを知ったトーマス・エジソンは彼を出来上がったばかりのレコーディング・スタジオに誘い、多くの録音を行いました。しばらくは良い関係を作っていたラフマニノフとエジソンレコード社でしたが、そのうち、ラフマニノフが承認しなかった録音が発売されてしまったことが原因で関係が決裂、以降、ラフマニノフはビクタートーキングマシンへ移ることとなりました。 このアルバムではエジソンレコード社への最後の録音と、ビクタートーキングマシンへの初期の録音を聴くことができます。
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ウェン・シン=ヤン&アドリアン・エティカー
リサイタル [ヤン・ウェン=シン]Cello Recital: Yang, Wen-Sinn - KODÁLY, Z. / SCHUBERT, F. / DOHNÁNYI, E. / KREISLER, F. / CASTELNUOVO-TEDESCO, M.
■器楽曲(ヴァイオリン) ■器楽曲(ピアノ)
発売日:2013年08月21日 NMLアルバム番号:OC866
CD価格:2,475円(税込)
指揮者ロリン・マゼールが大絶賛しているというチェリスト、ウェン=シン・ヤン。1965年にスイス、ベルンに生まれ、チューリッヒでクロード・スターク、ベルリンのウルフガング・ベッチャーに師事、マスタークラスをヤーノシュ・シュタルケル、ダーヴィド・ゲリンガスに師事。24歳にして、バイエルン放送交響楽団の主席チェロ奏者となり、2004年まで務めた経歴を持ち、現在ではソロ、室内楽で幅広く活躍している人です。日本にも何度も来日し、その豊かな音楽性と音色で多くの聴衆を魅了しています。このアルバムではピアニストのエティカーと親密な対話を繰り広げています。
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チェロ・ジュエルズ [ニッフェネッガー]
Cello Recital: Nyffenegger, Esther - BEETHOVEN, L. van / BRAHMS, J. / SCHUBERT, F. / MENDELSSOHN, Felix / SCHUMANN, R. (Cello Jewels)
■器楽曲(チェロ)
発売日:2012年06月13日 NMLアルバム番号:CDX-55257-2
7CD価格:2,438円(税込)
ベートーヴェンからヤナーチェクまで、チェロ・ソナタの名曲がたっぷり楽しめる7枚組です。演奏しているのはエステル・ニッフェネッガー。彼女はチューリッヒ生まれのチェリストで、パブロ・カザルスとエンリコ・マイナルディのマスター・クラスを受講し、スイス協会のソリスト賞を受賞、イスラエルで開催された国際カザルス・コンクールで第2位を獲得するなど、世界的な活躍をしています。室内楽奏者としても名高く、また1977年には長い間失われていたとされた、ハンス・プフィッツナーのチェロ協奏曲の初演を行いました。日本にも所縁が深く、1983年から1986年まで東京芸術大学の客員教授も勤めていました。優美さの中に強い芯が感じられる見事な演奏です。