マショー(ギヨーム・ド)
Machaut, Guillaume de
生没年 | 1300-1377 | 国 | フランス |
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辞書順 | 「マ」 | NML作曲家番号 | 22618 |
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ギヨーム・ド・マショーをめぐる
三部作BOX [マルク・モイヨン/ピエール・アモン/ヴィヴァビアンカルーナ・ビッフィ ほか]発売日:2022年03月25日
CD 4枚組価格:4,425円(税込、送料無料)
異能の古楽歌手マルク・モイヨンが、中世音楽の天才アモンと綴った3名盤がBOXに!教皇庁がローマから南仏アヴィニョンに移され、君主たちの治世も穏やかならぬ中で疫病や戦乱が続いた14世紀にあって、キリスト教世界における「知」の蓄積に新境地を切り開いた天才たちの一人ギヨーム・ド・マショー。彼は作曲家というよりも「音楽の技芸に通暁した詩人」であり、古楽の範疇でアプローチする上でも詩句の解釈はきわめて重要です。 当時の多声音楽に新機軸をもたらしたアルス・ノーヴァの先端をゆく音楽を紡ぎながら、同時に音楽が添えられていない詩句のみの韻文も数多く残したこの天才の技芸を、文学面での功績まで充分認識しながら演奏解釈してきたのが、フランス語圏において中世から現代まで広範な領域で「声」の表現を徹底して追求してきた稀代の歌手マルク・モイヨンと、中世音楽再現の研究と実践において他の追従を許さない実績をあげてきた研究者=演奏者ピエール・アモン。彼ら二人が中心となって、中世ヴィエル弾き語りで常人離れした技術を持つヴィヴァビアンカルーナ・ビッフィや、ハープ奏者としても注目されている中世音楽歌手アンジェリーク・モイヨンらを交えた顔ぶれで、Eloquentiaレーベルはこれまで3作のマショー・アルバムを制作、いずれも世界的に高い評価を得てきました。 長大なレー(物語歌)を省略なしに全曲録音するという偉業もさることながら、詩句のみが残る作品も中世楽器の伴奏で朗読(Disc 2トラック2)。マショー芸術の真髄を知る上で必聴ともいえる名盤3タイトルのBOX化は、中世音楽の世界へ深く分け入ってゆくための絶好の企画と言えます。
収録作曲家:
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マショー(1300頃-1377):
ノートルダム・ミサ [アントワーヌ・ゲルベ(指揮)/ディアボルス・イン・ムジカ]MACHAUT, G. de: Messe de Nostre Dame (Diabolus in Musica, Guerber)
発売日:2018年09月12日
NMLアルバム番号:ALPHA351
CD価格:1,425円(税込)
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マショー(1300-1377):
ノートルダム・ミサ(聖母のミサ曲)
田園詩「真実の物語」からの歌曲 [オックスフォード・カメラータ/サマリー]MACHAUT: Messe de Nostre Dame (La) / Le Voir Dit
発売日:1996年04月01日
NMLアルバム番号:8.553833
20)
CD価格:1,600円(税込)
時代を超えて生き続ける天才マショー、必聴の代表作マショーを音楽史の本で名前を知るだけの存在にするにはもったいない。彼の詩と音楽は、現代人にもアピールする詩情に溢れています。「ノートルダム・ミサ」は史上初の通作ミサという音楽史的価値で有名ですが、その古雅ないでたちから浮かび上がる叙情には驚きます。「真実の物語」は、老いた作曲者と若き乙女ペロンヌの文通という不思議な恋愛の記録。「希望のレ」で一人の歌手が20分近く歌い続ける様は圧巻。これらを無伴奏で歌うオックスフォード・カメラータの演奏も見事です。
収録作曲家:
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異郷暮らし
~留まる者たちと去る者たち、中世の女性たちと旅の歌~ [ユジェニー・ド・メ、ピエール・アモン、ジュリアン・ルエー]EXILS - Celles qui restent, Celles qui partent … (Trobar Project)
発売日:2023年10月06日
NMLアルバム番号:FUG815
CD価格:2,475円(税込)
驚くほど多面的な歌声、素材感豊かな笛の音と織りなす異世界の響き一筋の女声を介し、時にさまざまな分野の音楽家をゲストに招きながら、時代や場所、言語、文脈もさまざまな「土地」にまつわる歌を辿ってゆく歌手ユジェニー・ド・メの企画「トロバール・プロジェクト」。その名は中世の南フランスで、詩歌を組み立てる言葉を見つけだす(trobar)ことが「詩歌を吟じる」ことと同義で、その技芸に従事した吟遊詩人=トロバドゥールたちの時代に由来しますが、今回は中世音楽の研究・演奏に深い見識と豊かな実践経験を持つピエール・アモンがゲストとして参加。9世紀から16世紀に至るさまざまな詩歌や伝統旋律を、現代作曲家ティエリー・ド・メによる中世的な音楽を交えながら各種の中世笛と歌で形にしてゆきます。 十字軍遠征などで他所へと旅立つ男たちを見送る女たち、あるいは近世にイベリア半島から追放されてしまうユダヤ人たち(セファルディ)、そして無差別殺人で命を奪われた現代の隣人たち、さまざまな形をとる望郷の念と異世界とを対置させながら、幾百年と続いてきた人間の生の魅力を音で伝えてゆくド・メの美声は驚くほど多面的なニュアンスをたたえて美しく、中世音楽を深く追及してきたアモンの味わい深い笛の音もまた触感確かな響きで耳を捉えて離しません。 遠く中世を眺めやりながらのアンビエントな、しかし深く聴き確かめずにはおれなくなる歌と物語の数々。多様な音楽のあり方を音盤の形で追求してきたベルギーFUGA LIBERAならではの1枚です。
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REGINA - アラゴンの女王たち
中世とルネサンス、ハンガリーのヨランダからフォワのジェルメーヌまで [カルレス・マグラネル、カペリャ・デ・ミニストレルス]発売日:2023年04月28日
CD価格:2,475円(税込)
欧州中世に強い影響力を誇ったスペインの一門と、その文化的影響力の広さを辿るスペイン南東部のバレンシアに拠点を置き、中世からルネサンスにかけての音楽遺産を筋の通ったユニークなテーマに沿って発掘・紹介し続けている音楽学者=ガンバ奏者カルレス・マグラネル率いるカペリャ・デ・ミニストレルス。今回は中世以来イベリア半島東部に拠点を置きながら、婚姻関係を通じて遠くバルカン方面や中近東まで影響力を誇ったアラゴン王家に光をあて、その覇権が及んだ地域の音楽遺産からヨーロッパ音楽の変遷を浮き彫りにしてゆくアルバムとなりました。 アンジュー家やフォワ伯家、カステーリャ王室、ナファロワ(ナバラ)王室、ポルトガル王室、さらにはハンガリー王家や十字軍国家なども巻き込みながら13~15世紀を席捲した一族の歴史を辿る中、おのずと中世のロンデルやヴィルレー、ドイツ語圏のミンネゼンガーの音楽やイベリア宮廷のカンティガ、さらにはアルス・ノーヴァを経てイタリアの初期マドリガーレへ……と、音楽史上の重要なポイントに自ずと一通り触れてゆくプログラムは何度も再訪したくなる奥深さ。 弓奏ビウエラとヴィオラ・ダ・ガンバを含む複数の弓奏弦楽器、古い形のギターやハープ、リュートなどの撥弦楽器にリコーダー、ショーム、ダルシマー、バグパイプといった素朴にして奥深い音色が美しい管楽器まで、異世界的な魅力を放つ中世楽器の響きとあいまって、ギヨーム・ド・マショーやスペイン・ルネサンス作品など古楽ファンなら多少は馴染みも感じるであろう演目さえきわめて新鮮に響きます。マグラネルのチームの良さが最大限に生かされた音楽史アルバムと言ってよいでしょう。 質感高く臨場感のある録音も秀逸。
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『死の中にありて生を讃えよ』 [アンナ・プロハスカ/ラ・フォリア・バロックオーケストラ]
Vocal Recital (Soprano): Prohaska, Anna - BRUHNS, N. / BUXTEHUDE, D. / CAVALLI, F. / GRAUPNER, C. / TUNDER, F. (Celebration of Life in Death)
発売日:2022年03月18日
NMLアルバム番号:ALPHA745
CD価格:2,475円(税込)
異才プロハスカの見据える「死」と「生」。
確かな一貫性で中世からバロックへ、そして……!中世から現代までの様々な重要作で名演を聴かせてきただけでなく、ソロ・アルバムにおいては独自の観点から知名度の低い曲も積極的にとりあげ、現代社会を見据えた挑戦的なプログラムを提案しつづけてきた異才アンナ・プロハスカ。コロナ禍により全世界の人々が新たな暮らしを模索しはじめた2020年夏、隔離体制の中録音されたバッハ・アルバム『救済』(ALPHA658)も記憶に新しいところ、パンデミックを見据えたテーマに基づくさらなるアルバムが登場しました。 中世音楽や伝承歌、17-18世紀のバロック作品を中心に「生」と「死」、そして「疫病」を軸として集められた有名・無名の傑作群を、ドレスデンで発足した古楽器グループと縦横無尽に歌い上げてゆきます。ベルリオーズやラフマニノフも引用した有名なグレゴリオ聖歌が、ハーディガーディの異界的な響きのなかで唱えられる幕開けに続き、玄妙な中世音楽を経てバロックへ至る多様なスタイルに一貫性を与えるのは、確かな存在感で聴く者を惹きつけてやまないプロハスカの美声。 トラック26はヘルマン・ヘッセの『車輪の下』にも登場し、そのメロディがロックに取り入れられたり日本でもCMで使われた有名曲ですが、もともとの歌詞はペストの蔓延を嘆く内容なのだそう。さらには“すべての孤独な人々よ” “誰一人救われることはなかった”と歌われるビートルズの「エリナー・リグビー」、“なに一つ上手くいかなかったが、いつか私は、歌の神の前でひたすら唱えることだろう、ハレルヤと“と歌う、ヨーヨー・マなど多くのクラシックのアーティストもカバーするレナード・コーエンの「ハレルヤ」といった、普遍的なメッセージを持つポップスの名曲も収録。 打楽器や撥弦楽器のサウンドも魅力的な古楽器奏者たちの共演も頼もしく、プログラムの中軸を見据えた解釈の充実度が、選曲の妙に奥行きを与えています。 -
『獣たちの歌』
~中世音楽にあらわれる動物たち~ [アンサンブル・ドラグマ]SONG OF BEASTS - Fantastic Creatures in Medieval Songs (Ensemble Dragma)
発売日:2020年11月27日
NMLアルバム番号:RAM1901
CD価格:2,475円(税込)
意義深くも音楽センス抜群、動物たちを介した中世ヨーロッパ音楽空想旅行現代人が知らない、歴史上の魅力的な響きを見つけ出すセンスにすぐれたRAMEEレーベルから、欧州古楽界のいずれ劣らぬ実力派3人による、「動物」をテーマにした知的刺激満載のアルバムが登場。教会建築の外装装飾や工芸品、中世写本の隅々などを彩るユーモラスな動物たちの姿をふんだんに解説書にあしらいながら、中世の音楽にあらわれる動物たちがどのような描かれ方をしてきたのか、3人であることを忘れさせる多彩な演奏を通じて解き明かしてゆきます。 欧州でいま最も熱い古楽拠点のひとつポーランド出身で、世界の中世音楽愛好家たちの注目を集めるアルバムをリリースしてきたアニイェシュカ・ブジィンスカ=ベネットと、NAXOSレーベルの中世音楽アルバムでもお馴染みのユニコーン・アンサンブルの一員で、アンサンブル・レオネスの主宰者でもある大御所マルク・レヴォンの顔合わせに、ガンバの名手としてルネサンス~バロックの名盤も多いヴェテランのジェーン・アクトマン(ヤーネ・アハトマン)が加わってのサウンドは、精妙でありながら隅々まで人間味豊かな温もりに満ちています。500年を越える空想旅行を肌で体感できる内容はさすがRAMEEというほかありません。 ブックレットには、アルバム収録曲をBGMに使用した、中世の動物絵画による美しいアニメーション作品へのリンク入り。
収録作曲家:
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-★『レコード芸術』特選盤(2019年12月号)★-
つかの間と、永遠と
~ ハルトマン『葬送協奏曲』と
マルタン『複連祭壇画』を中心に~ [パトリツィア・コパチンスカヤ(ヴァイオリン独奏&音楽監督)、カメラータ・ベルン]TIME AND ETERNITY (Kopatchinskaja, Camerata Bern)
発売日:2019年09月13日
NMLアルバム番号:ALPHA545
CD国内仕様 日本語解説付価格:2,970円(税込)
コパチンスカヤがおくる、戦乱と絶望、死と希望の濃密プログラム古今東西、破格の名手が少なくないヴァイオリンの世界でも、確実にひとつ頭飛び抜けたセンスと規格外の音楽性で世界中に麻薬的ファンを増やしつつあるパトリツィア・コパチンスカヤ。バルカン半島の北東部、ルーマニア語をキリル文字で綴っていた旧ソ連モルダヴィア共和国で生まれ育ち、ドイツ語圏で頭角をあらわした彼女が、その多様なルーツと向き合いつつ、欧州東寄りの軸足で織り上げた充実選曲盤が登場します。 バッハ『ヨハネ受難曲』とマルタン『複連祭壇画』、ハルトマン『葬送協奏曲』といずれ劣らぬ充実作品を3作を中心に、戦乱と絶望、死と希望についての濃密なプログラム。若返り続ける老舗実力派集団カメラータ・ベルンとの頼もしい共演です。前半のハイライトとなるハルトマン作品は、ミュンヘン生まれのこの作曲家が1939年、ナチス・ドイツのチェコ・ポーランド侵攻への絶望から綴った意欲作。まさにコパチンスカヤの演奏でこそ聴きたい一編ではないでしょうか。 中世から存在するベルンの教会で、蝋燭の光のもと彼女らがライヴ演奏したプログラムが今回の選曲の軸にあるそうで、スイスの作曲家マルタンの作品もその関係から必然的に選ばれたと解説で言及されています。折々に挟まれるヘブライ語、ポーランド語、ロシア語による朗誦も、各40秒程度ながら収録曲の存在感に独特の雰囲気を添えています。じっくり通して聴きたいアルバムです。
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発売日:2019年08月30日
CD 30枚組価格:6,880円(税込、送料無料)
ほぼ9世紀から10世紀にかけて成立したとされる「グレゴリオ聖歌」から17世紀末、バッハやヘンデルが登場する直前までの「西洋音楽の歴史」を辿る魅力的な30枚組BOXの登場。 NAXOS初期の時代から録音されていた各々のアルバムは、全て定評ある奏者たちによる優れた演奏によっており、とりわけ、1990年代にはまだ珍しかった「ルネッサンス期の音楽」リリースは、一般リスナーだけでなく、研究者たちにとっても貴重な資料になりました。演奏については、当時使われていた楽器そのままを用いるか、もしくは複製楽器を使用。入念な時代考証が行われています。 リュートやビウエラ、ヴィオールなど、現代ではあまり耳にすることのない楽器の音色にもご注目ください。
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TAKE TWO - ヴァイオリニストとふたりで
~ヴァイオリンとさまざまな音の二重奏、中世から現代まで~ [パトリツィア・コパチンスカヤ、アリス・コパチンスカヤ、レート・ビエーリ、ロランス・ドレイファス、パブロ・マルケス、アントニー・ロマニュク、ホルヘ・サンチェス=チョン、マティアス・ヴュルシュ、 エルネスト・エストレリャ]Violin Recital: Kopatchinskaja, Patricia - SANCHEZ-CHIONG, J. / SOTELO, M. / FALLA, M. de / CAGE, J. / BACH, J.S. / BIBER, H.I.F. von (Take Two)
発売日:2018年12月19日
NMLアルバム番号:ALPHA211
CD国内仕様 日本語解説付価格:2,970円(税込)
2019年1月から2月にかけ、ソロ・リサイタルをへてテオドール・クルレンツィス指揮ムジカエテルナの初来日公演に協奏曲ソリストとしても登場するパトリツィア・コパチンスカヤ。両親はともに旧ソ連モルドヴァきっての民俗音楽奏者で、オイストラフとシェフチークに連なる中東欧の演奏伝統をひく教育を受けたあと、ファジル・サイやギドン・クレーメル、ハインツ・ホリガーといった大物たちと渡りあいながら、主に近現代作品での痛快にきわだった解釈で頭角をあらわしました。 その一方でフィリップ・ヘレヴェッヘとピリオド奏法でのベートーヴェン協奏曲を録音、バロック以前の音楽への思いがけない適性も披露。NAÏVEやECMでの録音も高い評価を受け、めざましい躍進が世界的に知れわたった2015年、満を持してAlphaレーベルに登場した最初のアルバムがこの「TAKE TWO ~ヴァイオリニストとふたりで」。 娘アリスへのプレゼントとして、自身が共演してきたさまざまな楽器の敏腕奏者たちとの二重奏ばかりを集めた小品集で、ブックレットは多くの一流奏者たちのアーティスト写真で知られるマルコ・ボルググレーヴェが全面協力した書籍風の仕様。収録作品それぞれが「娘アリスへの説明」という体裁できわめて明快かつ的確に解説されており(国内仕様は日本語訳付)、中世写本からバロックをへて現代にいたる数々の作品や作曲家たちの世界へ向かう、未知分野への格好のイントロダクションにもなる1枚に仕上がっています。 しかも個々の作品はその分野をよく知る人にとっても新鮮な解釈で、たとえばチェンバロとトイピアノを併用したマルティヌーや通奏低音即興が添えられたバッハ「シャコンヌ」など、よく知っていたはずの世界がまったく斬新に塗り替えられてゆく驚きも……冒頭数十秒の超・前衛的なイニシエーションを越えた先には、驚くほどなじみやすくもエキサイティングな音の冒険が待ちかまえています。 Alphaレーベル新時代を代表する傑作盤、堂々の国内仕様カタログ復活です。
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Dialoghi- 対話 [フレイ]
Cello Recital: Frey, Elinor - FALLA, M. de / MAYUZUMI, T. / BACH, J.S. / ROUSE, C. / STUCKY, S. / BRITTEN, B. (Dialoghi)
■器楽曲(チェロ)
発売日:2013年03月20日
NMLアルバム番号:YAR78876
8)
CD価格:2,224円(税込)