ロスラヴェッツ(ニコライ・アンドレイェヴィチ) Roslavets, Nikolay Andreyevich
生没年 | 1881-1944 | 国 | ロシア |
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辞書順 | 「ロ」 | NML作曲家番号 | 16334 |
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発売日:2017年05月26日
CD 2枚組価格:2,700円(税込)
ストラヴィンスキーが「20世紀の最も興味深いロシアの作曲家」と述べたというロスラヴェッツのピアノ作品全集。ソビエト政権の下で、西側の音楽語法を積極的に取り入れた前衛的な作品を書き、時にはシェーンベルクの「月に憑かれたピエロ」の論文を執筆するなど、“反革命的でありブルジョワ的な作曲家”と何十年にも渡り抑圧を受けた人です。一度は自己批判を行いましたが、結局は地位を得ることはできずにひっそりと生涯を終えたロスラヴェッツの作品は、死後すぐには復権されませんでしたが、作曲家の姪エフロシーニャの尽力により1990年代から少しずつ人気を盛り返し現在に至っています。 生涯を通じて斬新な響きを模索したロスラヴェッツの全ピアノ作品を、アレクセイ・リュビーモフに師事したロシアのピアニスト、アンドリュシチェンコが演奏しています。
収録作曲家:
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ロスラヴェツ(1880-1944):
チェロとピアノのための作品集 [コストフ/ヴァルコフ]ROSLAVETS, N.A.: Cello Sonatas Nos. 1 and 2 / Meditation / Dances of the White Maidens / Viola Sonata No. 1 (arr. for cello) (Kostov, Valkov)
■器楽曲(チェロ) ■器楽曲(ピアノ)
発売日:2011年05月18日 NMLアルバム番号:8.570996
CD価格:1,900円(税込)
先鋭的な物が嫌われた時代を生き延び、現代になって大輪の花を咲かせたロスラヴェツの作品群をモスクワ音楽院で作曲を学ぶも、同時代の印象派の影響を強く受けたため、ロシアの音楽家の中でも特異で革新的な曲を残したロスラヴェツ。このアルバムに収録された作品は、とりわけアヴァンギャルドで神秘的な音に満たされています。彼はアーノルト・シェーンベルクの《月に憑かれたピエロ》について最初のロシア語論文を執筆したことでも知られており、音列にも非常なこだわりを見せた人です。あまりにも前衛的だったためか、1930年代に起こった「ソ連社会主義の芸術路線」の波にのまれ、一時は忘れ去られてしまいました。そんな彼の作品が見直されたのは、彼の姪であるエフロシーニャの尽力によってであり、最近では彼自身の名誉も回復され、作品の演奏機会も多くなっています。
収録作曲家:
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Fathers and Daughters
父たちと娘たち [ダナ・ゼムツォフ、ミハイル・ゼムツォフ、アンナ・フェドロヴァ、ボリス・フェドロフ]CHOPIN, F.: Nocturne No. 5 / GLAZUNOV, A.K.: Elégie, Op. 44 / SCRIABIN, A.: Fantasy (Fathers and Daughters) (Fedorov, Fedorova, D. and M. Zemtsov)
発売日:2023年11月10日 NMLアルバム番号:CCS44523
CD価格:2,475円(税込)
アンナ・フェドロヴァ、ダナ・ゼムツォフ、
そしてその父親たちの4人で巡る、自分たちのルーツメキシコ・シティ生まれ、ロシアにルーツを持つヴィオリストのダナ・ゼムツォフ。ウクライナに生まれ現在はオランダを中心に活動するピアニスト、アンナ・フェドロヴァ。その父親たちもそれぞれヴィオラとピアノの名手です。 今回はそんな4人が集い、彼らのルーツにまつわる音楽を奏でるアルバムを作成しました。フェドロヴァの父ボリス・フェドロフは教育者、作曲家としても活躍しており、冒頭では彼が郷愁を込めて書き下ろした新曲を娘たち2人が演奏。続いてはダナ・ゼムツォフの父ミハイルの父親(ダナの祖父)で、ロシアで活躍した作曲家イェフゲニーの作品をミハイルとアンナ・フェドロヴァが演奏というように、4人で様々な組み合わせでのパフォーマンスを聴かせてくれます。 最後は4人全員にダブルベースを加えて、ミハイルによるタンゴを演奏。彼らの親しさやそれぞれのルーツに対する慈しみが伝わる、暖かいアルバムです。 -
-★『レコード芸術』特選盤(2023年1月号)★-
ロシア・アヴァンギャルドの時代
未来派と伝統派[8枚組 BOX] [さまざまな演奏家(ピアノ)]発売日:2022年11月18日
CD 8枚組国内仕様 日本語解説付き価格:6,600円(税込、送料無料)
Grand Pianoレーベル10周年記念企画第2弾。
実験と創造が生み出した「もう一つのロシア音楽史」に迫る20世紀初頭、世界中の芸術家は斬新な表現を求めて“実験”を繰り返していました。ロシアで盛り上がったのはアヴァンギャルド(前衛)。「モダニズムの聖書」と讃えられたピアノ・ソナタを書いたモソロフ、ソ連革命政府に一時は重用された未来主義の旗手ルリエ、独自の音体系による無調世界を目指したロスラヴェッツらが代表格でしょう。一方で前衛に背を向け、古き良き伝統を大事にしながら創作を続けた作曲家達も同時期にいました。メトネルもその一人、まさにいぶし銀のロシア音楽が聴けます。伝統的なロシア音楽で始まったスタンチンスキ―は26歳で不慮の死を遂げなかったらどんな世界へと進んだのでしょう。その萌芽をここからぜひ聴き取ってみてください。 ――吉池拓男(監修) *国内仕様盤にはロシア/ソヴィエトにおける20世紀初頭の芸術音楽の研究家、山本明尚氏による日本語解説が付属します。