バルツァー(トーマス) Baltzar, Thomas
生没年 | 1630頃-1663 | 国 | ドイツ、イギリス |
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辞書順 | 「ハ」 | NML作曲家番号 | 18781 |
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取り戻されたミューズ
~英国バロックの室内楽を集めて~ [レイチェル・ポッジャー、ブレコン・バロック]発売日:2024年05月24日
CD国内仕様 解説日本語訳付き価格:3,300円(税込、送料無料)
ポッジャーと実力派古楽奏者たちが追求する、英国バロック室内楽の真髄バロック・ヴァイオリンの世界を席捲する英国の名手レイチェル・ポッジャーによる、17~18世紀初頭の英国室内楽を集めた充実プログラム。15世紀から16世紀にかけたエリザベス女王の時代に欧州最大級の洗練された音楽文化を誇ったイングランドは、17世紀半ばの清教徒革命による文化破壊でその伝統が途絶えかけたものの、1660年の王政復古を経て徐々にかつての活況と豊かさを取り戻し、フランスやイタリアの最先端の流行からも大きな影響を受けつつ新たな音楽世界を花開かせます。 本盤はその勢いの只中で活路を見出したドイツ人作曲家ヘンデルのソナタに始まり、王政復古期の新潮流の礎を築いた革命前夜の室内楽まで時代を遡った後、バロック期の英国人たちを惹きつけたスコットランドやアイルランドの伝承音楽にも触れながら、徐々に18世紀へと年代を追って英国音楽の変化を辿ってゆく流れ。ポッジャーのヴァイオリンはもちろんのこと、英国を拠点に幅広い活躍をみせてきたガンバ奏者の市瀬礼子や、ルネサンス・バロック2種のリュートを使いこなす撥弦奏者エリザベス・ケニーなど、全ての奏者が音楽的対話を通じみずみずしい存在感を示し続ける様子はさながら、自発性と高いコミュニケーション感覚で紡ぎ出されていった英国貴族たちの語らいのよう。 名技師ジャレッド・サックスならではの精妙なエンジニアリングもそれぞれの古楽器の味わいを最大限に伝え、やんごとなき人々の社交の嗜みの中で大きな意味を持った当時の音楽芸術の素顔がありありと蘇る奥深い1枚です。
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『劇場の夕べ』
~17世紀イングランドの演劇を彩った舞曲の世界~ [ザ・シアター・オヴ・ミュージック]Stage and Dance Music (English) - BALTZAR, T. / BYRD, W. / EYCK, J. van / HUME, T. (The Theater of Music, Fermé) (An Evening at the Theatre)
発売日:2021年11月12日 NMLアルバム番号:RAM2002
CD価格:2,475円(税込)
フランス発ならでは!
生々しい息吹とともに甦る、17世紀英国の劇場世界昔から数多の劇場が人々のフラストレーションを飲み込み、スタイリッシュな文化へ昇華させてきた大都市ロンドン。その勢いは革命に揺れた17世紀にも健在だったどころか、フランスやイタリアから新しい音楽がもたらされ、高度に発展していた英語演劇のステージを華やがせていました。 特定作曲家によるまとまった曲が印刷譜で残っている例が少ないため、復元が困難で埋もれがちな分野ですが、それら17世紀の英国劇付随音楽は現代の古楽器奏者たちにとっても魅力的な演目。セーヴルに拠点を置くザ・シアター・オヴ・ミュージックは、一座の花形歌手ジャンヌ・ゼプフェルをはじめフランス語話者たちのアンサンブルだからこそ、ともいうべき演目との相性をみせながら、今の英語よりもずっとフランス語に近かったという17世紀英語の演劇世界を鮮やかに音で活写してゆきます。 しっとり抒情的な歌声に緩急自在のガット弦サウンドが絡み、アイリッシュ・トラッドにも通じる雰囲気抜群の舞曲トラックから、詩句の響きの妙をじっくり聴かせるナンバーまで、ルネサンス末期やバロック期の英国ならではの豊かな音楽をさまざまに味わえる演奏。 オペラ前夜の音楽劇分野ともいうべき「マスク」や、風刺を効かせ奇想天外な展開に特化した「アンティマスク」など、当時の演劇上演のあり方を意識したプログラム構成も興味深いところ。活気に満ちた昔日のロンドンの舞台が思い浮かぶような瞬間の連続です。 -
FLORISH IN THE KEY
1650-1700年ロンドンの無伴奏ヴァイオリン曲集 [ピーター・シェパード・スケアヴェズ(ヴァイオリン)]Violin Recital: Skaerved, Peter Sheppard - BALTZAR, T. / CORELLI, A. / HAYM, N. / GASPARINI, F. / PURCELL, H. / TORELLI, G. (Florish in the Key)
発売日:2021年09月10日 NMLアルバム番号:ATH23211
CD価格:2,250円(税込)
17世紀から18世紀にかけて書かれたヴァイオリンのための作品を、当時の銘器を用いて演奏する「The Great Violins」シリーズで知られるピーター・シェパード・スケアヴェズ。このアルバムはシリーズには含まれておりませんが、やはり同時期に出版業者ジョン・ウォルシュによって出版された珍しい曲集を中心に、オリジナル楽器の演奏で紹介しています。 どれも1分から2分程度の短かさながら、パーセル、ビーバー、ペープシュ、コレッリ、トレッリなどの高名な作曲家から、恐らく王室に仕えていたと思われる無名の作曲家まで多彩な魅力を持つ曲が集められており、歴史的にも重要な1枚となっています。使用楽器はイングランド王チャールズ2世の宮廷楽団で用いられていた楽器です。 同時に収録されているのはリューベック出身、イングランドのチャールズ2世の有名な楽団「24のヴァイオリン」の団長として活躍したトーマス・バルツァーの作品。彼のドイツ仕込みの演奏技術はイングランドの作曲家たちに強い影響を与えたとされています。こちらは1629年製のアマティで演奏されています。
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『THE QUEEN'S DELIGHT 女王のお楽しみ』
17-18世紀英国のカントリー・ダンスと歌 [フランソワ・ラザレヴィチ、レ・ミュジシャン・ド・サン=ジュリアン]QUEEN'S DELIGHT (THE) - English Songs and Country Dances of the 17th and 18th Centuries (Les Musiciens de Saint-Julien, Lazarevitch)
発売日:2020年09月25日 NMLアルバム番号:ALPHA636
CD
通常価格:2,475円→ 特価!:1,790円(税込)フルートとバグパイプを操る才人ラザレヴィチによる、バロック期英国の歌と舞曲各種のフルートとバグパイプの名手フランソワ・ラザレヴィチ。バッハやテレマンなどフルートのためのバロック作品をそのレパートリーの一つの軸とすれば、小型のバグパイプであるミュゼットなどを使った故国フランスの古い作品がもう一つの軸、そしてもう一つの大切な軸が英国やその周辺国の作品で、得意とするバグパイプやフルート類はその響きにぴったりです。 今回のアルバムには、1651年から1728年の間にジョン・プレイフォード(1623-86)の出版社より20冊以上刊行され、大ヒットした「英国式舞踏指南」に掲載されたメロディを収録しています。ラザレヴィチ自身が彼の主催するレ・ミュジシャン・ド・サン=ジュリアンとの演奏のため編曲を行い、「イタリアの歌」でのヴァイオリンの変奏はディヴィッド・グリーンバーグによるもの。聴いていると体を動かさずにはいられない、そんな楽しくも美しい音楽が次々と繰り出されます。
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バッハとヴィヴァルディを越えて
(マッキー・ロッジ ヴァイオリン・リサイタル) [ロッジ]Violin Recital: McKay Lodge, Augusta - NOGUEIRA, P.L. / LOCATELLI, P.A. / BALTZAR, T. / PISENDEL, J.G. (Beyond Bach and Vivaldi)
発売日:2018年04月27日 NMLアルバム番号:8.573893
CD価格:1,900円(税込)
無伴奏ヴァイオリンのための作品の最高峰とされるのは、J.S.バッハの「6つのソナタとパルティータ」ですが、実はそれ以前の時代にも数多くの独奏ヴァイオリンのための素晴らしい作品が書かれていました。このアルバムに収録された作品では、ビーバーやロカテッリの曲は比較的耳にする機会がありますが、ほとんどは歴史の中で忘れられてしまった作曲家たちの手によるものであり、新鋭バロック・ヴァイオリニスト、マッキー・ロッジはこれらの珍しい作品を深く掘り下げ、新たな光を当てました。 マッキー・ロッジはオハイオ州オーバーンに生まれ、現在はニューヨークとパリを本拠として活躍中。「2015年 Juilliard Historical Performance Concerto」コンクールの優勝者。このコンクールは、ジュリアード音楽院、大学院過程のピリオド楽器を学ぶプログラムが開催したもので、世界中から集まる優秀なバロック奏者たちの登竜門となっています。