ガスパリーニ(フランチェスコ) Gasparini, Francesco
生没年 | 1661-1727 | 国 | イタリア |
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辞書順 | 「カ」 | NML作曲家番号 | 40002 |
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ガスパリーニ(1661-1727) :
オラトリオ『アタリア』 [エマニュエル・レシュ=カゼルタ、カミーユ・プル、バスティアン・リモンディ、メロディ・ルヴィオ、フリオ・ザナシ 他 アンサンブル・エミオリア]発売日:2025年03月28日
CD価格:2,775円(税込)
過渡期ならではの新旧様式の交錯……だけではない充実のオラトリオ!バロック後期の巨匠A.スカルラッティとほぼ同じ時期を生き、ローマとヴェネツィアで充実した活躍をみせた作曲家ガスパリーニ。その再評価はこの数十年で静々と、しかし着実に進んでおり、ヴェネツィア歌劇界を盛り上げる前、ローマ時代に作曲した数々の宗教音楽劇(オラトリオ)の魅力にも光が当たる機会が増えてきました。ヴェルサイユに集うフランスの若き才人たちによって録音されたこの『アタリア』全曲録音もまさに近年の研究成果が詰まった充実名演です。 欧州西部で覇権を確立したフランスの太陽王ルイ14世のもと、大家ラシーヌが1691年に発表した戯曲『アタリ』を元に、親仏姿勢を強めつつあった教皇庁の本拠ローマで翌1692年に上演された本作は、当時のオラトリオにはまだ珍しかったダ・カーポ・アリア形式を積極的に導入、少し前にストラデッラが試み始めた合奏協奏曲風の書法を取り入れるなど新技法が目立つ内容。野蛮な暴君アタリアに殲滅された王族に仕えてきた大祭司と乳母が、将軍オルマーノと共に復讐を果たす起伏に富んだ物語です。 これを時にソロを挟んでコントラスト豊かな響きを聴かせる弦楽(編成は4/4/2/4/2)に支えられ、バロックから現代まで幅広いレパートリーで躍進中のカミーユ・プルを始めとした5人の歌手が合唱も兼ね、充実の歌唱で伝えています。同時期のコレッリ作品にも通じる音使いの妙、ヴィヴァルディ前夜の刺激的なイタリア・バロック世界をじっくりお楽しみください。
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『ヴェネツィアの知られざる者たち』
~ 18世紀ヴェネツィア、リコーダーとチェンバロのためのソナタ
(伝ヴィヴァルディ、フランチェスコ・ガスパリーニ、ディオジェニオ・ビガーリア) [イネシュ・ダヴェーナ(リコーダー) 、クラウディオ・ヒベイロ(チェンバロ)]Recorder and Harpsichord Recital: D'Avena, Inês /Ribeiro, Claudio Barduco - BIGAGLIA, D. / GASPARINI, F. (Anonimo Venexian)
発売日:2019年12月20日
NMLアルバム番号:RAM1905
CD価格:2,475円(税込)
音楽都市ヴェネツィアの奥深さを感じさせる、作者不詳含む美麗リコーダー・ソナタ!1983年リオデジャネイロ生まれのダヴェーナによるリコーダーと、1976年サンパウロ生まれのヒベイロの弾くチェンバロによるアルバム。2人は40日をかけてヴェネツィアのいくつかの書庫を探索し、未知のリコーダー・ソナタとチェンバロのための作品併せて6曲を発見、今回初録音を行いました。 中にはヴィヴァルディの作とされるものや、同じくピエタ院の音楽指導を行っていたガスパリーニが、生徒の一人イザベラのために書いたとみられるトッカータ、同じ筆致で描かれていながら手法の違いからガスパリーニ作と断定できないソナタなど、興味深い作品を多数収録。いずれも当時のヴェネツィアの音楽的繁栄が十二分に感じられる華やかな作品で、これだけの佳作が埋もれているとは、長い歴史を持つ音楽都市の奥深さを感じさせるところです。またヴェネツィアのベネディクト会司祭だったビガーリアの唯一の作品集からも収録しています。 2人は既にニュー・コレギウムのメンバーとして、テレマンの多彩な室内楽を収めたアルバムをRaméeレーベルからリリースしており(RAM1904)、著名な大作曲家の作品の新たな切り口として好評を博しています。とくにダヴェーナはPassacailleレーベルで18世紀ナポリの作曲家たちをとりあげたアルバムも2作制作しており、イタリア後期バロック作品への圧倒的な適性で注目を集めてきました。 リコーダーは一連の先行盤と同じく、アムステルダムと東京に工房を構えるリコーダー奏者・製作者・斉藤文誉氏の楽器が使用されています。ヴェネツィアの歴史的建築オスペダレット養育院跡の音楽ホールでの録音。
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ハムレットの亡霊
失われた18世紀イタリア歌劇の残照を求めて [ロベルタ・マメリ、フランク=エマニュエル・コント、ル・コンセール・ド・ロテル・デュー]発売日:2025年03月07日
CD国内仕様 日本語解説・歌詞訳付き価格:3,520円(税込、送料無料)
緩急自在なマメリの歌唱が光る、発見の面白さ満載のバロック・アリア集バロック作品の精緻な解釈で知られるイタリアのソプラノ歌手ロベルタ・マメリが、知られざるイタリア古楽の魅力を発掘・紹介してきたARCANAレーベルから世に問う新たなソロ・アルバムは、巨匠メタスタージオ以前の最も重要なイタリア劇音楽台本詩人の一人A.ゼーノ(1668-1750)が1705年に手がけたハムレット悲劇のオペラ台本《アンブレート》に光を当てるプログラム。 この台本はシェイクスピアの戯曲より古い12世紀初頭の史料を典拠としており、ハムレットの母やシェイクスピア劇のオフィーリアに相当する女性ヴェレモンダが大きな役割を演じるユニークな内容。ガスパリーニ作曲による第1作の後もたびたび新作が書かれており、マメリはそれら後続作からのナンバー含め、作曲家の知名度に惑わされず優れた曲を厳選、ゼーノの台本で描かれた女性たち、あるいは初演時カストラートが演じた男性たちの心理をしなやかに解釈してゆきます。 若き日のヘンデルやD.スカルラッティの秘曲、ポッラローロやガスパリーニらヴィヴァルディ前夜のヴェネツィアを沸かせた大家たちの充実作に加え、古典派前夜の時代に活躍したカルカーニ1742年作のアリア群もスタイリッシュで魅力的。さまざまなソリストと活躍する南仏リヨンの古楽器集団ル・コンセール・ド・ロテル・デューも端正にして熱のこもった演奏を聴かせ、未知の作品と出会う面白さを幾倍にも際出せてくれます。
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FLORISH IN THE KEY
1650-1700年ロンドンの無伴奏ヴァイオリン曲集 [ピーター・シェパード・スケアヴェズ(ヴァイオリン)]Violin Recital: Skaerved, Peter Sheppard - BALTZAR, T. / CORELLI, A. / HAYM, N. / GASPARINI, F. / PURCELL, H. / TORELLI, G. (Florish in the Key)
発売日:2021年09月10日
NMLアルバム番号:ATH23211
CD価格:2,250円(税込)
17世紀から18世紀にかけて書かれたヴァイオリンのための作品を、当時の銘器を用いて演奏する「The Great Violins」シリーズで知られるピーター・シェパード・スケアヴェズ。このアルバムはシリーズには含まれておりませんが、やはり同時期に出版業者ジョン・ウォルシュによって出版された珍しい曲集を中心に、オリジナル楽器の演奏で紹介しています。 どれも1分から2分程度の短かさながら、パーセル、ビーバー、ペープシュ、コレッリ、トレッリなどの高名な作曲家から、恐らく王室に仕えていたと思われる無名の作曲家まで多彩な魅力を持つ曲が集められており、歴史的にも重要な1枚となっています。使用楽器はイングランド王チャールズ2世の宮廷楽団で用いられていた楽器です。 同時に収録されているのはリューベック出身、イングランドのチャールズ2世の有名な楽団「24のヴァイオリン」の団長として活躍したトーマス・バルツァーの作品。彼のドイツ仕込みの演奏技術はイングランドの作曲家たちに強い影響を与えたとされています。こちらは1629年製のアマティで演奏されています。
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バッハとヴィヴァルディを越えて
(マッキー・ロッジ ヴァイオリン・リサイタル) [ロッジ]Violin Recital: McKay Lodge, Augusta - NOGUEIRA, P.L. / LOCATELLI, P.A. / BALTZAR, T. / PISENDEL, J.G. (Beyond Bach and Vivaldi)
発売日:2018年04月27日
NMLアルバム番号:8.573893
CD価格:1,900円(税込)
無伴奏ヴァイオリンのための作品の最高峰とされるのは、J.S.バッハの「6つのソナタとパルティータ」ですが、実はそれ以前の時代にも数多くの独奏ヴァイオリンのための素晴らしい作品が書かれていました。このアルバムに収録された作品では、ビーバーやロカテッリの曲は比較的耳にする機会がありますが、ほとんどは歴史の中で忘れられてしまった作曲家たちの手によるものであり、新鋭バロック・ヴァイオリニスト、マッキー・ロッジはこれらの珍しい作品を深く掘り下げ、新たな光を当てました。 マッキー・ロッジはオハイオ州オーバーンに生まれ、現在はニューヨークとパリを本拠として活躍中。「2015年 Juilliard Historical Performance Concerto」コンクールの優勝者。このコンクールは、ジュリアード音楽院、大学院過程のピリオド楽器を学ぶプログラムが開催したもので、世界中から集まる優秀なバロック奏者たちの登竜門となっています。