2015年4月
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シベリウス(1865-1957):
交響曲全集[CD 4枚組 BOX] [日本フィルハーモニー交響楽団/インキネン]発売日:2015年04月22日
CD 4枚組価格:5,280円(税込、送料無料)
2014年、第2番のみが先行発売され、全集への期待が高まっていたピエタリ・インキネン&日本フィルのシベリウス(1865-1957)交響曲チクルスが、満を持しての登場です。当初、第2番は既発売のテイク(サントリーホールでのライブ)を採用する予定でしたが、みなとみらいでの演奏も稀代の名演であったため「ぜひこちらも聴いて欲しい」というスタッフの心意気もあり、全集には4月20日のテイクが収録されました。 指揮者ピエタリ・インキネンは、もともとシベリウスのオーソリティとして、NAXOSにもニュージーランド交響楽団とのチクルスを完成させていることはご存知の通りです。また日本フィルにとってもシベリウスは大切な作曲家。創立者である渡邉暁雄との世界初ステレオ録音である「シベリウス交響曲全集」はまさに伝説的な偉業でもあるのです。 そんな日本フィルとインキネンによる2013年のシベリウス・チクルスは、本当に白熱したものでした。演奏に先立って行われたインキネンの記者会見の席でも、彼はシベリウスへのこだわりを熱く語っていましたが、その際に最も強調していたのが、曲の演奏順序と組み合わせでした。とりわけ第6番と第7番については「良く似たスタイルを持つ作品」として認識していて、第6番が終わったらそのまま第7番に繋げたいという意思があり、このアルバムでもそれを遵守し、この2作品は続けて収録されています。 各々の曲の演奏については詳細な説明は不要でしょう。とにかくじっくりと耳を傾けてください。完璧なシベリウス・サウンドと壮大な世界観は全ての人を魅了すること間違いありません。
収録作曲家:
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発売日:2015年04月29日
CD 3枚組価格:4,080円(税込、送料無料)
1727年4月11日、ライプツィヒの聖トーマス教会において初演されたバッハ(1685-1750)の最高傑作「マタイ受難曲」。その後何回かの改訂が加えられたため、現在ではいくつかの版が存在するこの大作ですが、リチャード・エガーが今回の演奏で用いたのは、1727年の初演版のスコアでした(自筆譜は現存していない)。一般的には1736年の改訂版で演奏されますが、エガーは「改訂稿などの以降の版からは数々の洞察力と説得力が失われてしまった」と考え、この初稿版を選定したのです。 これ以上ないと思われるほどのソリスト、合唱、そしてアカデミー・オブ・エンシェント・ミュージックの艶やかな響きが織り成す受難の物語は、一見柔らかい表情に見えますが、実は深遠、晦渋であり、クライマックスでは人間の罪深さを鮮やかに抉り出すなど、実に劇的な表現に満ちていることに気がつくのではないでしょうか。全ての人に贈る「マタイ」です。
収録作曲家:
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クーラウ(1786-1832):
ピアノ四重奏曲 第1番&第2番 [コペンハーゲン・ピアノ四重奏団]KUHLAU, F.: Piano Quartets Nos. 1 and 2 (Copenhagen Piano Quartet)
発売日:2015年04月22日 NMLアルバム番号:6.220596
SACD-Hybrid価格:2,325円(税込)
現在では「ソナチネ・アルバム」に収録された愛らしいピアノ曲で良く知られる作曲家クーラウ(1786-1832)。彼はもともとドイツで生まれましたが、後にコペンハーゲンに移住したことで、デンマークでとりわけ愛されている人です。フルート作品やピアノ曲など数多くの作品を残しましたが、ここで聴けるピアノ四重奏曲には、まさに天才の閃きと感性が溢れています。 第1番はベートーヴェンも愛した劇的なハ短調で書かれていて、緊密なアンサンブルと煌くようなピアノのパッセージが印象的な作品となっています。終楽章は「悲愴」を思わせる曲調が微笑ましく、ベートーヴェンの影響も感じさせます。第2番は牧歌的でゆったりとした第1楽章の美しさにまず耳を奪われます。緊張感に満ちた第2楽章のアダージョ、そして活発な第3楽章。終楽章はすでにシューベルトを思わせるようなロマンティックな音楽です。ここでもピアノが活躍します。 演奏しているのはコペンハーゲン・ピアノ四重奏団。数々のコンクールに入賞経験のある実力派のアンサンブルです。
収録作曲家:
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UK DK
(ミカラ・ペトリ リコーダー・リサイタル) [ペトリ]Recorder Recital: Petri, Michala - JACOB, G. / ARNOLD, M. / BRITTEN, B. / KIDANE, D. / HOLMBOE, V. / CHRISTIANSEN, H. (UK | DK)
発売日:2015年04月22日 NMLアルバム番号:6.220611
SACD-Hybrid価格:1,988円(税込)
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ヤーダスゾーン(1831-1902):
交響曲 第1番-第4番
カヴァティーネ Op.69・120 [フランクフルト・ブランデンブルク州立管/グリフィス]JADASSOHN, S.: Symphonies Nos. 1-4 / Cavatines, Opp. 69 and 120 (Frankfurt Brandenburg State Orchestra, H. Griffiths)
発売日:2015年04月22日 NMLアルバム番号:777607-2
CD 2枚組価格:4,890円(税込、送料無料)
ドイツの作曲家、ピアニスト、そして音楽教師であったヤーダスゾーン(1831-1902)。もちろん現在で彼の名前はほとんど知られていません。もともとユダヤの家系に生まれたため、ライプツィヒ音楽院を卒業するも、職を得るのに苦労し、40歳になってようやく母校で職を得てピアノや作曲を教えるようになったという彼ですが、音楽教師としての才能に恵まれていて、数多くの作曲家を世に送り出しました。その中にはレズニチェク、シンディングやジークフリート・カルク=エーレルト、またディーリアスやアルベニスなど錚々たる名前を発見することができます。 そんなヤーダスゾーン自身の作品は、ここで聴けるように確固たる作風を確立しているのですが、どうしても19世紀末から起こった「ユダヤ人排斥」の流れのせいで、どうしても演奏される機会を逸してしまい、そのうち忘れられてしまったのです。しかしながら、しばしば比較されるカール・ライネッケの作品と比べても全く遜色のないこれらの作品には、限りない魅力が漂っています。もっと知られてもよい作曲家といえるでしょう。
収録作曲家:
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グラウプナー(1683-1760):
協奏曲集と食卓の音楽 [アカデミア・ダニエル/アド=エル]GRAUPNER, C.: Concerti e Musica di Tavola (Accademia Daniel, Ad-El)
発売日:2015年04月22日 NMLアルバム番号:777645-2
CD価格:2,608円(税込)
バッハと同世代の作曲家グラウプナー(1683-1760)。トーマス教会のカントル職をバッハに譲ったエピソードが良く知られています。これは当時、グラウプナーが雇われていたダルムシュタットの宮廷オーケストラが彼の手腕により高い能力を維持していたため、雇用主であるヘッセン=ダルムシュタット方伯がグラウプナーを手放さなかったため、結果的にバッハがトーマス教会のカントルになることになったのです。そんなグラウプナーは、数多くの協奏曲や組曲を含む作品を残していますが、これらはほとんど出版されることなく、ダルムシュタットの城に残っています。 このアルバムでは、そんな彼の作品を聴くことができます。様々な楽器のための合奏協奏曲はテレマンを凌駕するほどの色彩感を持ち、またチェンバロが著しく活躍することでも、グラウプナーの演奏の腕前が伺い知れることでしょう。
収録作曲家:
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レハール(1870-1948):
喜歌劇「パガニーニ」 [ミュンヘン放送管/シルマー]LEHÁR, F.: Paganini [Operetta] (Munich Radio Orchestra, U. Schirmer)
発売日:2015年04月22日 NMLアルバム番号:777699-2
CD 2枚組価格:4,890円(税込、送料無料)
この作品「喜歌劇」とされていますが、かなり内容はシリアスです。実在のヴァイオリニスト、パガニーニのいくつかのエピソードを基に(もともとエピソードの多い天才でした)、2人の作家が台本を製作し、ここにレハールが曲をつけたものです。登場するパガニーニはもちろんヴァイオリンの名手であり、女性を即座に魅了する魅力の持ち主です。彼を愛する2人の女性たちとそれを取り巻く政治的駆け引き。これらが渾然一体となって切ない物語が出来上がりました。 この曲を作曲する少し前、レハール(1870-1948)は極めて魅力的な歌手リヒャルト・タウバーと出会い、彼が歌うことを想起して驚くほど美しいメロディを次々と書き上げました。もちろん初演は大成功! しかしタウバーがこの世を去った1948年以降はあまり演奏されることのないこの作品、もう一度、じっくり味わってみるのはいかがでしょうか?
収録作曲家:
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ウェーバー(1786-1826):
歌劇「シルヴァーナ」 [ロート/カウネ/ボトマー/バイエルン放送合唱団/ミュンヘン放送管/シルマー]WEBER, C.M. von: Silvana [Opera] (D. Roth, Kaune, Bothmer, Bavarian Radio Chorus, Munich Radio Orchestra, U. Schirmer)
発売日:2015年04月22日 NMLアルバム番号:777727-2
CD 2枚組価格:5,216円(税込、送料無料)
ウェーバー(1786-1826)の知られざるオペラ「シルヴァーナ」の初演版の初録音です。1810年9月16日にフランクフルトで初演されたこの作品は、もともと1800年に初演された歌劇「森の娘」(こちらは断片のみ残存)の台本を用いた、「英雄的」なストーリーを持つものですが、その後11年を経て、「魔弾の射手」が上演される際に再度手を加えたものが上演されました。しかし、残念なことに「魔弾の射手」の爆発的な人気の影に隠れてしまい、すっかり忘れられてしまったのです。 現在では序曲と、このオペラの素材を使ったクラリネットのための変奏曲が知られているのみ。今回のこの録音にあたっては、様々な資料を検討し、最良の形で上演を試みていたということで、ウェーバーの溢れ出るような美しいメロディと、物語を楽しむことができるはずです。
収録作曲家:
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シュポア(1784-1859):
交響曲 第7番&第9番
マリエンバートの思い出 Op.89 [北ドイツ放送フィル/グリフィス]SPOHR, L.: Symphonies, Vol. 5 (North German Radio Philharmonic, Griffiths) - Nos. 7 and 9
発売日:2015年04月22日 NMLアルバム番号:777746-2
SACD-Hybrid価格:3,040円(税込、送料無料)
若い頃は優れたヴァイオリニストとして活躍しながら、ゴーダの宮廷楽長に就任し、その後はアン・デア・ウィーン劇場の指揮者を経て、フランクフルト歌劇場の監督へと登りつめたルイ・シュポア(1784-1859)。ベートーヴェンとも親しく、当時のヨーロッパの音楽界を席巻していた彼ですが、作品も数多く残しています。もちろんヴァイオリン作品が有名ですが、10曲ある交響曲(第10番は未完)も、当時の様式を遵守しながらも、いくつかの交響曲には標題をつけるなど、常に探究心を怠らない独創的な作品を生み出していたのでした。 このアルバムではそんな2つの交響曲を中心に、2つの小品を収録しています。第7交響曲では、2組のオーケストラを用いて各々のパートで発生する「対立」を描くという革新的なことをしています。また第9番は完全な標題音楽であり、冬の厳しさで始まり、春の喜びを描き、夏、秋へと移り変わる季節を賛美した音楽となっています。美しい響きを存分に味わってみてください。
収録作曲家:
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オトテール(1674-1763):
室内楽作品集 第2集
トリオ・ソナタ Op.3/組曲 第3番 Op.8他 [カメラータ・ケルン]HOTTETERRE, J.: Chamber Music (Complete), Vol. 2 - Trio Sonatas, Op. 3 / Troisième suitte de pieces a 2 dessus (Camerata Köln)
発売日:2015年04月22日 NMLアルバム番号:777867-2
CD価格:1,710円(税込)
第1集(777790)が好評、カメラータ・ケルンによるオトテール(1674-1763)の室内楽作品全集の第2集です。彼は生粋のパリジャンでありながら、ローマで学ぶことでイタリアのスタイルを身に着け、これらを見事に融合させた優雅な作品を数多く残しています。例えば、6つのトリオ・ソナタはイタリアの教会ソナタ(ソナタ・ダ・キエーザ)の伝統を受け継ぐ4つの楽章を持っていますが、曲調はあくまでもフランス風の軽やかな舞曲で、こんなところにもオトテールの美点が強く感じられるのではないでしょうか? もちろんフルートの名手であった彼らしく、全面に渡ってフルートが大活躍しています。
収録作曲家:
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テレマン(1681-1767):
様々な楽器のための大協奏曲集 第2集 [ラ・スタジオーネ・フランクフルト/シュナイダー]TELEMANN, G.P.: Grand Concertos for Mixed Instruments (The), Vol. 2 (La Stagione Frankfurt, M. Schneider)
発売日:2015年04月22日 NMLアルバム番号:777890-2
CD価格:2,608円(税込)
第1集(777859)で驚くほど華やかな音楽が集められた「大協奏曲集」の第2集です。これらの作品は、祝祭の開催時に演奏されたり、または特定の名手のために書かれたりと、折々の必要なときに作曲されたものであり、まとめて演奏するためには、各々の楽器の名手が大勢必要になるものです。もちろんシュナイダー&ラ・スタジオーネ・フランクフルトはこの条件を存分に満たしたもの。技巧的なソロ・パートを持つ壮大な音楽は、バッハやヘンデル作品とは違った楽しさを感じさせること間違いありません。
収録作曲家:
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ルッツ(1974-):
あなたの唇には時々魔力が宿る
(合唱作品集) [コペンハーゲン室内合唱団/ナガシマ・トフト]LUTZ, M.: Choral Music (There Is a Spell Upon Your Lips) (Copenhagen Chamber Choir, Nagashima Toft)
発売日:2015年04月22日 NMLアルバム番号:8.224724
CD価格:2,325円(税込)
作曲家マーティン・ルッツ(1974-)は基本的にジャズ・ピアニストとして知られている人ですが、この合唱作品では全く違った側面を見せています。ここで聞けるのは神への静かな愛であり、とてもロマンティックな音楽です。たとえ現代に書かれた作品であるからと言って、どれもが難解であるわけではありません。例えばこのルッツのスターバト・マーテルも、編成はソプラノとテノール、混声合唱とオーボエ、チェロ、ヴァイブラホン! という変則的なものですが、ここで聴くことのできる音楽はひたすら美しいものです。調性感をぎりぎりまで守りながら、複雑な和声を駆使した神秘的な音楽で、時には彼が得意とするスウィングするリズムも現れます。もちろん完璧にコントロールされたアンサンブルでないと、この絶妙な響きは表現できないでしょう。聴けば聴くほどに深みの増すような作品群です。
収録作曲家:
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ペイン(1839-1906):
管弦楽作品集 第2集
交響曲 第2番「春に」
暴君オイディプス王 - 前奏曲
ポセイドンとアンフィトリテ [アルスター管/ファレッタ]PAINE, J.K.: Orchestral Works, Vol. 2 - Symphony No. 2 / Oedipus Tyrannus: Prelude / Poseidon and Amphitrite (Ulster Orchestra, Falletta)
発売日:2015年04月22日 NMLアルバム番号:8.559748
CD価格:1,900円(税込)
管弦楽作品集第1集(8.559747)で、その強烈な魅力を存分に見せ付けた作曲家ジョン・ノウルズ・ペイン(1839-1906)。彼はアメリカ独自の音楽を構築した作曲家たち、A.フット、E.ビーチやE.マクダウェル、そしてA.コープランドたちの先駆者であり、ヨーロッパとアメリカの架け橋でもあるのです。ポートランドの楽器商の息子として生まれた彼は、まずドイツ移民の音楽家から音楽を学び、その後ドイツに留学します。1870年代にはアメリカで最初の大学用の音楽カリキュラムを開発し、数々の音楽家を育て上げる基盤を作るのです。 彼自身の作品は、聞いていただくとわかるように、シューマンやブラームスの影響を強く受けたもので、特に「交響曲第2番」はもともとベルリンで初演を行う心つもりで書いたものですが、結局は実現せず(その時は第1交響曲が演奏された)、1880年3月にボストンで初演されました。これは大成功を収め、アメリカの管弦楽作品として始めて印刷されたものです。音楽的に洗練され、優雅なメロディに満たされたこの作品、第2楽章の力強いスケルツォなどは、同時代のロマン派の作品と比べても、全く遜色のない素晴らしいものです。2つの管弦楽作品も聞き所たっぷり。再評価が待たれる作曲家です。
収録作曲家:
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バーンスタイン(1918-1990):
ピアノ作品集
13のアニヴァーサリー
ピアノ・ソナタ/7つのアニヴァーサリー
踊りのための音楽 第2番/ノン・トロッポプレスト [ドッシン]BERNSTEIN, L.: Piano Music - Anniversaries / Piano Sonata / Music for the Dance No. 2 / Non Troppo Presto (Dossin)
発売日:2015年04月22日 NMLアルバム番号:8.559756
CD価格:1,900円(税込)
バーンスタイン(1918-1990)というと、作曲家としても指揮者としても、どうしても派手で熱いパフォーマンスばかりが思い浮かびがちですが、実はこんなに簡潔で美しく、刺激的な作品も書いていたのです。とは言え、世界中に親しい友人を持っていた彼のこと、これらの作品のほとんどはそんな人たちのために書かれているのです。彼による「アニヴァーサリー=記念日の音楽集」は4つのシリーズがそれぞれ1944年、1948年、1964年、1989年に出版されていて、このアルバムには最初と最後のシリーズが収録されています。 「13のアニヴァーサリー」は1960年代から1980年代までの長いスパンに書かれた曲であり、これらの作品は他のいくつもの曲と関連性があり、またその後の作品にリサイクルされています(例えばトラック21の「エレン・ゲッツの追悼のために」は、後に“アリアとバルカロール”で再現されました)。この小さな作品に、バーンスタインの情熱が溢れていると思うと、ついつい聞き入ってしまうのではないでしょうか? またこのアルバムには、世界初録音である、初期に書かれた2つの作品も収録されています。
収録作曲家:
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ロックバーグ(1918-2005):
フルート作品全集 第1集
カプリース変奏曲
浮世絵 III「2つの世界の間に」
浮世絵 II「秋の緩やかな炎」 [ジェニングス/ジョンソン/ハン]ROCHBERG, G.: Flute Music (Complete), Vol. 1 (C. Jennings, Johnson, J. Han)
発売日:2015年04月22日 NMLアルバム番号:8.559776
CD-R価格:1,900円(税込)
もともとロックバーグ(1918-2005)が日本で知られるようになったのは、「カノン変奏曲」の流行からでしょうか。あの名曲が少しずつ形を変えていく過程は、ぞくぞくするほどに刺激的でした。彼の作品のいくつかは同じような形態をもっており、この「カプリース変奏曲」も同じ世界に属するものです。もともとパガニーニの主題と50の変奏から出来ているヴァイオリンのための曲ですが、今回フルーティストのジェニングスがいくつかを選び出してフルートのために編曲し、これを演奏しています(彼女の父アンドリューは、コンコード弦楽四重奏団の第2ヴァイオリニストで、ロックバーグはこのアンサンブルのためにいくつかの作品を書いていたこともあり、彼女は幼い頃からロックバーグ作品に愛着を持っていたといいます)。 もちろんロックバーグ自身はフルートのためにそれほど多くの作品を書いたわけではないのですが、ジェニングスは「古き親しい友人」として彼の作品をフルートのために編曲、彼女なりの解釈を施して世に送り出すといいます。美しい音色だけでなく、様々な特殊奏法を駆使した多彩な音色は、聴き手を幽玄な世界へといざなうことでしょう。浮世絵からインスパイアされた一連の作品も、儚い美しさを有しています。
収録作曲家:
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プーランク(1899-1963):
無伴奏合唱作品集
ミサ曲 ト長調
7つの歌/モテット集 [エローラ・フェスティバル・シンガーズ/エジソン]POULENC, F.: Choral Music - Mass in G Major / 7 Chansons / Motets (Elora Festival Singers, Edison)
発売日:2015年04月22日 NMLアルバム番号:8.572978
CD価格:1,900円(税込)
プーランク(1899-1963)の作風や人柄を一言で説明するのは至難の業です。何しろ、良く知られている一連の作品…「ティレジアスの乳房」やバレエ音楽、室内楽などは単純明快、軽妙、そして“エスプリ”がたっぷりと評価されています。しかし、宗教関係の作品になると、これが一転、「カルメル派修道女の対話」などのようにシリアスで深遠な作品が並ぶというわけです。彼自身、合唱曲や宗教曲については「自身の最良の部分、本来の自分に属するものをここに注ぎ込んだ」というほどに大切にしていたのです。 このアルバムに収録されている合唱作品のうち「7つの歌」はアポリネールやエリュアールといった同世代の詩人のテキストを用いた短い作品で、人生の機微について語られています。他の3つの作品は宗教曲であり、これらは全て…彼の父に捧げられた「ミサ曲ト長調」も含めて、根底には彼の友人であったピエール=オクターヴ・フェルーの事故死(1936年)への追悼の思いと、彼自身の気持ちの変化が引き金となって書かれていると見られています。もちろんこの時代に書かれた曲ですから不協和音も多く使われていますが、どれも心をそっと包んでくれるような優しさが感じられるのは、エローラ・フェスティバル・シンガーズの透明な歌声のせいなのかも知れません。
収録作曲家:
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タンスマン(1897-1986):
ヴァイオリンとピアノのための作品集 [サハチ/コウクル]TANSMAN, A.: Violin and Piano Music - Violin Sonata No. 2 / Sonata quasi una fantasia / Violin Sonatinas Nos. 1 and 2 / Fantaisie (Sahatçi, Koukl)
発売日:2015年04月22日 NMLアルバム番号:8.573127
CD価格:1,900円(税込)
ポーランドの音楽一家に生まれ、アントン・ルビンシュタインとアルトゥール・シュナーベル、ウジェーヌ・イザイに師事したタンスマン(1897-1986)。彼は1919年に開催されたポーランドの作曲コンクールに3作を提出(偽名で)、1等賞を獲得したという経歴を持っています。この中の1曲が、今回初録音された「ロマンス」でした。まるで初期のスクリャービンやシマノフスキを思わせる和声と、穏やかな表現力には、汲めども尽きぬ才能を予感させるものです。 しかし彼の室内楽作品のほとんどは、現在すっかり忘れ去られ、再発見されることもほとんどありません。確かに当時のポーランドの音楽環境では、これらの作品は先鋭的なものとして捉えられたことでしょう。彼の作品が正統な評価を受けるのは、大学で法学博士の学位をとってからフランスに移ってからであり、それ故、学生時代に書かれた瑞々しい作品は行き場をなくしてしまったのです。 とは言え、ここに収録された様々な時期のヴァイオリン曲は、折々の心を映し出したものです。「ソナチネ第1番」は戦時中に書かれたにもかかわらず、の第1楽章フォックストロットには遊び心が溢れていたり、1963年の「幻想曲」に漲る叙情性も注目すべきでしょう。
収録作曲家:
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クズミン(1872-1936):
神聖な歌
「名誉あるベルリンガー協会」のための音楽
「マスカレード」のための音楽
「独逸男ヒンケマン」のための音楽 [シキルティル/カレリア国立響/セーロフ]KUZMIN, M.A.: Sacred Songs / The Society of Honoured Bell Ringers / Masquerade (Shkirtil, Karelia State Symphony, Serov)
発売日:2015年04月22日 NMLアルバム番号:8.573192
CD価格:1,900円(税込)
ミハイル・アレクセーヴィチ・クズミン(1872-1936)は20世紀ロシアの偉大な「詩人」として認知されています。当時一世を風靡していた「象徴派」に対抗し、愛と欲望に溢れた妖艶な詩を発表し、物議を醸したのです。しかし、音楽的才能にも恵まれていて、ここで聴けるような劇のための音楽など、なかなか素晴らしい作品を書いていたのです。 クズミンはモスクワの北東、ヤロスラブリで生まれ、生後すぐにサラトフに家族とともに移住、そこで幼少期を過ごしました。この地域は平和で豊かな農村であり、ここでの生活の良い思い出は彼の創造に大きく影響を与えることとなります。彼は詩と音楽の融合について見事なバランス感覚を持っていたといい、自宅でしばしば親密な集まりを催しては、自身の伴奏で自作の歌を披露し、喝采を浴びたといいます。また当時のロシアとヨーロッパにおける「現代音楽」を普及させるために一連のコンサートを開催し、多くの賛同者を得たことでも知られています。 そんな彼の作品は、ムソルグスキーやチャイコフスキー、シューベルト、モーツァルトなどの影響が感じられるものが多く、時にはタンゴなどの最先端のリズムも含みながら、印象的な世界を形作っています。なかなか興味深い1枚です。
収録作曲家:
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そして、橋は愛である
イギリスの弦楽合奏作品集 [イギリス室内管/ロイド・ウェバー]String Music (English) - ELGAR, E. / LLOYD WEBBER, W. / GOODALL, H / DELIUS, F. (And the Bridge is Love) (English Chamber Orchestra, J. Lloyd Webber)
発売日:2015年04月22日 NMLアルバム番号:8.573250
CD価格:1,900円(税込)
各々の作品は結構知られているのだけど、まとめて聴く機会はあまりないという「イギリスの弦楽合奏」の名曲集です。中心に置かれているのはエルガーの作品であり、優れたヴァイオリニストでもあった彼の面目躍如といった流麗で美しい曲を聴くことができます。彼の最も重要な作品の一つである「弦楽のためのセレナード」と「序奏とアレグロ」での力強い響きはまさにこの時代のイギリス音楽を象徴したものと言ってもよいのではないでしょうか? また、エルガーのこれらの作品を呼び水とする後の一連の作品も、まさにイギリス音楽の伝統を形作るものです。アルバムタイトルになっているグッドールの「And the Bridge is Love」は日本では「サン・ルイス・レイ橋」として知られているソーントン・ワイルダーの小説から取られたもの。ペルーで一番美しい橋が、ある日5人の通行人を巻き込み突然崩れてしまうという理不尽な物語ですが、「5人の思い出は忘れられることもなく、彼らが亡くなった土地である橋に残っている。だから橋は愛である。」と小説の結末で語られる言葉です。 グッドールはこの作品を2007年に亡くなった彼の友人の娘のチェリスト、ハンナ・リャンの思い出のために書き、2008年に初演しました。この時にチェロを担当したのがジュリアン・ロイド・ウェバーで、彼はこの作品に込められた意味に深く共感し、暖かく美しい演奏で聴き手の心を包み込むのです。
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ツェルニー(1791-1857):
ベル・カント・コンチェルタンテ
ピアノと管弦楽のための技巧的変奏曲集 [タック/イギリス室内管/ボニング]CZERNY, C.: Bel Canto Concertante - Virtuoso Variations for Piano and Orchestra (R. Tuck, English Chamber Orchestra, Bonynge)
発売日:2015年04月22日 NMLアルバム番号:8.573254
CD価格:1,900円(税込)
NAXOSで強く推している作曲家の一人がこのカール・ツェルニー(1791-1857)です。彼は音楽家一家に生まれ、幼い頃から才能を現しました。彼の演奏を聴いたベートーヴェンが即座に弟子としたエピソードが広く知られています。確かに現在ではツェルニーは「練習曲(あの退屈極まりない指の運動!)」の作曲家としてのイメージが流布していますが、それだけ素晴らしい技術を持ったピアニストであったことは間違いありません。 このアルバムに収録されているのは、当時流行していたオペラのメロディを主題にした一連の変奏曲で、この様式は18世紀から19世紀にかけて盛んに用いられたものです。作曲家の個性や能力が問われるジャンルであり、どれほどピアノの技術が卓越しているかのリトマス試験紙のようなものでもあります。有名なのはリストの一連の作品ですが、チェルニーの曲は徒に華美になることなく、品良く纏められている印象があります。 ツェルニーの作品がなぜあまり知られていないか? それはあまりにも曲が多すぎて整理できていないこと。今後研究が進み、この孤高の作曲家の全貌が明かされる日も近いことでしょう。ツェルニーのファンになるなら今がチャンスです。
収録作曲家:
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D.スカルラッティ(1685-1757):
鍵盤のためのソナタ全集 第16集 [ハオ・ドゥアンドゥアン]SCARLATTI, D.: Keyboard Sonatas (Complete), Vol. 16 (Duanduan Hao)
発売日:2015年04月22日 NMLアルバム番号:8.573288
CD価格:1,900円(税込)
当時のヨーロッパを全てカバーするほどの知名度を保っていたスカルラッティ一族。ドメニコ(1685-1757)の父アレッサンドロは著名なオペラ作曲家であり、ドメニコも幼いうちから高度な音楽教育を受けました。16歳でナポリの教会付き作曲家兼オルガニストとなり、その演奏技術はヨーロッパ中で知らぬ者はいないほど。ある時はヘンデルとオルガンの腕前を競い合ったとも言われています。 そんな彼、1720年にリスボンに行き、マリア・マグダレーナ・バルバラ王女に音楽を教え始め、そのレッスンは、マリア・バルバラがスペイン王家に嫁いだ1729年以降も続いたのでした。王女のために書いた555曲の練習曲が、いわゆる「ソナタ」として親しまれているものですが、これらは現在のような3楽章形式ではなく、多くは単楽章の短いもの。しかし、当時の鍵盤楽器(主としてチェンバロ)の仕組みを知り尽くしたこれらの作品は、演奏する手助けになるだけでなく、聞くための曲としてもとても面白いものなのです。 NAXOSはこれまでの15集について、全て違う奏者で録音を重ねてきましたが、今回初の2度目の登場となるのが、このハオ・ドゥアンドゥアンです。彼は第14集…8.572586の演奏者ですが、その高度な表現とピアニズムが絶賛され、再登場となったのです。弾むような指捌きとソノリティをお楽しみください。
収録作曲家:
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ビゼー(1838-1875):
交響曲「ローマ」
小組曲/序曲 イ長調他 [アイルランド国立響/タンゴー]BIZET, G.: Roma / Marche Funèbre / Patrie Overture / Petite Suite (Ireland RTÉ National Symphony, Tingaud)
発売日:2015年04月22日 NMLアルバム番号:8.573344
CD価格:1,900円(税込)
現在、世界のオペラ劇場になくてはならないレパートリーとなっている「カルメン」も、初演の際は大失敗。その失意を抱えたまま初演の3ヵ月後にこの世を去ってしまった悲しきビゼー(1838-1875)…。彼がもっと長生きしていたら、フランスのオペラ史は大きく変化していたに違いありません。 このアルバムは、そんなビゼーの知られざる作品集です。イ長調の序曲は彼がローマ賞を受賞する以前に書かれた最初の管弦楽作品です。しかし生前に発表されることも演奏されることもなく、そのままひっそりと残ってしまったものです。葬送行進曲はトゥーレの王の杯を題材としたオペラの前奏曲として用意されましたが、こちらも断片が残るのみです。小組曲は、もともと12曲からなるピアノ連弾のための「子供の遊び」の中から5曲を選んでビゼー自身がオーケストレーションを施したもの。トラック4の「陣取り鬼ごっこ」も小組曲には含まれなかったものの、同じ曲集から取られたものです。序曲「祖国」は普仏戦争の時に盛り上がる愛国心が主題。勇壮な部分と悲痛な部分のコントラストが見事です。 この盤のメインである「ローマ」は彼がイタリアに赴いた際に造り始めた作品で、最初は3曲からなる「ローマの思い出」として完成されたものに、1871年、他の曲のスケルツォとして構想された楽章を加えて4楽章にしたものですが、ビゼーの生前には演奏されることなく、1880年にようやく全曲が披露されました。次から次へと美しいメロディが溢れてきます。
収録作曲家:
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カスティーリョ(1930-2005):
ギター作品集 [ファントーニ/ラメッリ/カスティーリョ四重奏団]CASTILLO, M.: Guitar Music - Kasidas del Alcázar / Sonata / Guitar Quintet (Fantoni, Ramelli, Castillo Quartet)
発売日:2015年04月22日 NMLアルバム番号:8.573365
CD価格:1,900円(税込)
スペインの現代作曲家カスティーリョ(1930-2005)は、幾多のジャンルに渡って数多くの作品を書いています。しかしギター作品のほとんどは未発表であり、今後これらの作品の復興が待たれるところです。 このアルバムにも世界初録音の作品が多く収録されていますが、そのどれもが刺激的で、実験的な作風を持つも、どこか懐かしく乾いた風の香りを感じることができるでしょう。比較的知られている「アルカサルのカシダ集」のカシダというのはイスラムの教えを歌にしたもので、古い宮殿の庭から聞こえる祈りの歌を2台のギターで切なく再現したものです。3楽章からなるギター・ソナタは極めて情熱的なアダージョから始まり、力強いアレグロ楽章へ受け継がれます。そしてまた装飾的なアダージョを経て、最後は超絶技巧を駆使したプレスト楽章へと続いていきます。民謡風な「春の風」と「子守歌」そして緊密な構成を持つギター五重奏と、息つく暇もないほどの驚きに満ちた1枚です。
収録作曲家:
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アーノルド(1921-2006):
映画音楽「自由の大地」&「さすらいの旅路」
(ジョン・モーガンによる復元版) [モスクワ響/ストロンバーグ]ARNOLD, M.: Roots of Heaven (The) / David Copperfield (Moscow Symphony, Stromberg)
発売日:2015年04月22日 NMLアルバム番号:8.573366
CD価格:1,900円(税込)
9曲の交響曲をはじめとした素晴らしい管弦楽作品を発表する傍ら、行進曲「ボギー大佐」などの数多くの映画音楽を手がけ、アカデミー作曲賞を受賞し、1993年には大英帝国勲章を賜ることとなった作曲家マルコム・アーノルド(1921-2006)。彼の音楽は(サウンドトラックに限らず)どれもがハリウッド系の重厚な響きと躍動感に満たされたもので、ここに収録された2つの作品も、映像を見ることがなくても、何となくその世界を想像できてしまうという優れものです。 エキゾチックなメロディに満たされた「自由の大地」は象の乱獲や自然保護を巡る人間ドラマ。第二次世界大戦中に強制収容所で過ごした主人公モレルが、アフリカ象を人間の手から保護するために奔走する際に起こったエピソードが描かれています。もう1作の「さすらいの旅路」は一人の男性の波乱に満ちた物語。恵まれない少年時代を経て、ようやく家庭を持つも、妻と友人を立て続けに失った主人公コパフィールド。最後に彼に微笑みかけたのは、少年時代に知り合った娘アグネスだったというお話。派手なアクションなどはありませんが、心にじんわりと来る物語です。
収録作曲家:
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ロッシーニ(1792-1868):
歌劇「ウィリアム・テル(ギョーム・テル)」全曲 [フォスター=ウィリアムズ/スパイレス/ハワース/ポズナン・カメラータ・バッハ合唱団/ヴィルトゥオージ・ブルネンシス/フォリアーニ]ROSSINI, G.: Guillaume Tell [Opera] (complete version) (Foster-Williams, Spyres, J. Howarth, Poznan Camerata Bach Choir, Virtuosi Brunensis, Fogliani)
発売日:2015年04月22日 NMLアルバム番号:8.660363-66
CD 4枚組価格:3,525円(税込、送料無料)
「ウィリアム・テル」というと誰もが思い浮かべるのが、りんごを頭に載せて弓で射る場面。ではロッシーニ(1792-1868)の歌劇「ウィリアム・テル」というと、あの有名な序曲のみ。しかし、どちらもほんの一部でしかありません。このロッシーニの歌劇、もともとはシラーの戯曲を基にしたフランス語の台本によって書かれているので、歌唱は全てフランス語。そもそもタイトルも「ギョーム・テル」が正しく、エピソードがふんだんに盛り込まれた全4幕の4時間を越える作品です。 物語は14世紀のスイス、指導者メルクタールの息子アルノールと敵対するオーストリアの王女マティルデの恋を軸に、政治的駆け引きをはさみながら物語が進んでいきます。弓の名手であるテルは伝説の人物であり、アルノールの友人です。彼はオーストリアの総督ジェスレルと敵対し、広場に飾られたジェスレルの帽子に敬礼することを拒み、その報復としてジェスレルは、テルの息子ジェミの頭上のりんごを弓で射抜くことを命ずるのです。 もしかしたら、序曲とこの場面(第3幕)まででもオペラは成立するかもしれません。そう考えた周囲の人は、ロッシーニの同意を得て、第4幕を削除し、いくつかの曲を変更、追加して3幕版を作りパリで初演しました。しかし、どちらが良いのかは結局のところ永遠にわからないのです。このアルバムには、2曲の変更されたナンバーと、1831年に作られたパリ版(3幕短縮版)のフィナーレを含んでいます。
収録作曲家:
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ペルト(1935-):
声楽作品集
テ・デウム他 [バイエルン放送合唱団/ミュンヘン放送管/ダイクストラ]PÄRT, A.: Te Deum / Ein Wallfahrtslied / Berliner Messe / Dopo la vittoria (Bavarian Radio Chorus, Munich Radio Orchestra, Dijkstra)
発売日:2015年04月22日 NMLアルバム番号:900511
CD価格:2,085円(税込)
1935年、エストニアで生まれたアルヴォ・ペルト(1935-)の静謐な合唱作品集です。現在では「癒しの作曲家」として捉えられることの多いペルトですが、作曲を始めた初期の頃は新古典主義的な作品を書いていたといいます。しかし、ある日、曲を書く気力を失いそうになった彼が取ったやり方は、「西洋音楽の根源への回帰」でした。そうして生まれた音楽は、どれも質素な衣を纏ったもので、ペルトはこれを「ティンティナブリ(鈴声)の様式」と呼び、以降、この様式を使ったシンプルで美しい作品が次々と生まれていくことになります。 このアルバムに収録されている4つの作品…シャルパンティエやブルックナーからの伝統を意識した輝かしい「テ・デウム」、詩篇121番を用いて書かれた「巡礼者の歌」、聖アンブローズの命日のお祝いのための「勝利の後で」。そして「カトリック教徒の日」にベルリン市内の聖ヘドウィック大聖堂で初演されたたため、この名で呼ばれる「ベルリン・ミサ」…これらは、全てティンティナブリ様式で書かれた静かなもので、演奏にも細心の注意が必要とされますが、ダイクストラをはじめとした全ての奏者たちは、ペルトの音世界に対しての深い知識を敬愛を持ち、これらの作品を完璧に表現しています。
収録作曲家:
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ベルリン ヴィオラ・ダ・ガンバの音楽帖 [ラーケ]
Viola da Gamba Recital: Laake, Juliane - Berliner Gambenbuch
発売日:2015年04月22日 NMLアルバム番号:C5206
CD価格:2,438円(税込)
パリの国立図書館に収蔵されている小さな革表紙の本(棚番号1111)。これは17世紀の珍しいヴィオラ・ダ・ガンバ(ライラ・ヴィオール)の独奏曲の写本です。270ページに及ぶこの写本は、少なくとも8つの異なる手に拠ってコンパイルされたもので、ほぼ完全なタブラチュア譜(文字や数字などで表示する記譜法)で表記され、様々なスコルダトゥーラ(変則調弦)も反映された、とても興味深いものなのです。 これらは一般的にドイツ北部のブランデンブルク地域に由来するものと考えられ、当時高名なヴィオラ・ダ・ガンバ奏者はこの地域を訪問し、これらを記したと考えられています。現代の名手ラーケはこの譜面を丹念に読み取り、素晴らしい音楽を紬ぎ出しています。作曲した人はわからずとも、生き生きとした音楽が根付いていたことに驚くことでしょう。
収録作曲家:
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フランセ(1912-1997)
プーランク(1899-1963):
2台のピアノのための協奏曲他 [モナ&リカ・バルト/ラインランド=プファルツ州立フィル/マティアク]FRANÇAIX, J.: Double Piano Concerto / POULENC, F.: Concerto for 2 Pianos (M. and R. Bard, Rheinland-Pfalz State Philharmonic, Matiakh)
発売日:2015年04月22日 NMLアルバム番号:C5237
CD価格:2,438円(税込)
2台ピアノのための協奏曲を書くのはとても複雑な作業なのだそうです。確かに1台のピアノだけでもオーケストラに匹敵する響きを紡ぎだすことはできるのですから。そんな雄弁なピアノを2台、オーケストラと戦わせつつ協調させるというのは確かに至難の業であると言えるでしょう。 プーランクの作品は1932年に書かれたもので、モーツァルトを彷彿されるかと思えば、彼が触れたバリ島の音楽のエッセンスも封じ込められています。この曲を作曲者とともに、しばしば演奏していたのがジャン・フランセで、彼はこの魅力的な協奏曲に強く惹かれ、自身も同じ編成の作品を書いたのです。2つの作品に共通するのはエスプリと古典への傾倒といえるでしょうか? バレエ音楽「模範的な動物たち」も遊び心に溢れた楽しい作品です。
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ドビュッシー/アデス(1971-)/ラヴェル:
弦楽四重奏曲集 [シグナム四重奏団]Chamber Music (String Quartet) - DEBUSSY, C. / ADÈS, T. / RAVEL, M. (Soundescapes) (Signum Quartet)
発売日:2015年04月22日 NMLアルバム番号:C5239
CD価格:2,600円(税込)
19世紀の終わり、ドビュッシーがそれまでの音楽における制約を振り切るようにして作曲した「弦楽四重奏曲」は、当時の聴衆に賛否両論を巻き起こしました。印象派の時代の幕開けを感じさせるこの作品には、その少し前に耳にしたガムランの響きや、様々な風景を喚起させる雰囲気が漂っています。またこの曲と良く対比されるラヴェルの弦楽四重奏曲は、ドビュッシーの影響を受けながらも、これを更に発展させ自由さを取り入れた統一感のある作品で、どちらも近代の弦楽四重奏を代表する名作です。 シグナム弦楽四重奏団は、この2曲に現代作曲家のトーマス・アデスの作品を加え、音楽の伝統と革新について聴き手に強く訴えかけるのです。
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シュニトケ(1934-1998):
映画音楽集[4CD BOX]SCHNITTKE, A.: Film Music Edition (Berlin Radio Symphony, Strobel) (4-CD Box Set)
発売日:2015年04月22日
CD 4枚組価格:3,375円(税込、送料無料)
好きな人はすごく好きだけど、知らない人は全く知らないというシュニトケ(1934-1998)の映画音楽集。この4枚組は多彩なメロディの宝庫なのです。昨年、あるアルバムに収録された「古風な組曲」。こちらはバロック風な様式を取り込んだとても美しいもので、「シュニトケにこんな美しい作品があったとは!」と話題になったのですが、実はこの組曲はもともと「歯科医の冒険」組曲から改編されたものですし、「無名の俳優の物語」のアジタートはフィギュア・スケートでも使われたりしています。「スポーツ、スポーツ、スポーツ」でもあっと驚くような仕掛けがされていたりと、面白い曲ばかりなのです。 あのショスタコーヴィチが映画音楽では見事に大衆に迎合した作品を書いていたように、シュニトケもステキな曲を書いていたのです。ぜひご一聴ください。
収録作曲家:
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Intimate Vihuela - ビウエラ作品集 [グリフィス]
Vihuela Recital: Griffiths, John - VALDERRABANO, E. de / FUENLLANA, M. de (Intimate Vihuela)
発売日:2015年04月22日 NMLアルバム番号:Contrastes2201405
CD価格:2,600円(税込)
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リムスキー=コルサコフ(1844-1908):
シェエラザード(4手ピアノ版) [クレモウ/ゴールドストーン]RIMSKY-KORSAKOV, N.A.: Scheherazade / Symphony No. 2, "Antar" / Neapolitan Song (version for piano 4-hands) (Clemmow, Goldstone)
発売日:2015年04月22日 NMLアルバム番号:DDA25118
CD価格:2,224円(税込)
19世紀、今のようにCDなどがない時代は、各家庭で手軽に音楽を楽しむために、オーケストラ作品をピアノや室内楽作品に編曲することが一般的に行われていました。その代表的なものはフランツ・リストの一連の作品ですが、他にも多くの作曲家、編曲家による素晴らしい「ピアノ編曲版」が存在します。 このリムスキー=コルサコフ(1844-1908)の作品もそのようなもので、シェエラザードが初演された際、その人気の高さからこの4手版に着手したのですが、とても複雑な仕事であったためオペラの作曲を2週間中断しなくてはいけなかったそうです。また、交響曲「アンタール」のピアノ編曲版は、作曲中に結婚したナジェージダ・プルゴリト(彼女も才能ある作曲家、ピアニストだった)に託され、結果的に見事な仕上がりを見せています。「ナポリの歌」は彼の死の半年前の作品であり、このメロディはあの“有名な曲”から取られています。彼自身はこの作品に不満を抱いていたようですが、諧謔性に富んだ素晴らしい曲想は、あのリヒャルト・シュトラウス作品に匹敵するものです。
収録作曲家:
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■オペラ
発売日:2015年04月22日
DVD 2枚組日本語字幕付き価格:4,050円(税込、送料無料)
16世紀のイングランド国王ヘンリー8世と、その2番目の妃アン・ブーリン(アンナ・ボレーナ)、並びに3番目の妃ジェーン・シーモア(ジョヴァンナ・セイモー)の史実に基づく作品です。テューダー朝の権力争いについては、ご存知の通り、まさに陰謀に次ぐ陰謀の連続でこれだけでも膨大な読み物になるほどです。ドニゼッティはこの歴史絵巻の中から何人かの女性を主人公とした3つのオペラを作曲、これは「女王三部作」と呼ばれています。 この「アンナ・ボレーナ」はヘンリー8世が次の王妃となるジョヴァンナに心変わりした末、いわれない不義密通の罪を被せられ処刑されてしまうという悲劇です。全く救いのない物語ですが、劇的表現に富んだ優れた音楽は全ての聴衆を沈黙させるだけの力を持っています。
収録作曲家:
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イングリッシュ・ナショナル・バレエ
アダン(1803-1856):
バレエ《海賊》HOLMES, A.-M.: Corsaire (Le) (English National Ballet, 2014) (NTSC)
発売日:2015年04月22日
DVD価格:3,750円(税込、送料無料)
オスマン帝国の時代のギリシャ近くのイオニア海。嵐のために舟が難破して浜辺に打ち上げられた海賊たちを巡る物語です。彼らを救ったギリシャの娘メドゥーラは海賊の首領コンラッドに恋心を抱き、コンラッドもそれに応えます。しかし突然乱入してきたトルコ軍にメドゥーラとその友人たちは捕らえられ、奴隷市場へと連れて行かれてしまいます。彼女たちはトルコ総督の前で美しい踊りを踊りながら、せりにかけられますが、そこにやってきたのは、奴隷商人に変装したコンラッド率いる海賊たち。娘たちを取り返した海賊たちは意気揚々と宴を開きますが、ちょっとした仲間割れの末、また一騒動が起こるという波乱万丈の物語です。 原作をバイロンの物語詩に由来するこのバレエ「海賊」は、1856年の初演時にはアドルフ・アダン(1803-1856)の音楽を用いていたものの、1858年にマリウス・プティパが再演する際にはプーニの曲を、そして1867年にパリで再演された際にはドリーブの曲を…と、次々に新たな曲が付け加えられてきて現在の形になったことで知られています。この作品、イギリスではロイヤルバレエのレパートリーに入っておらず、なかなか見る機会がないということで、このイングリッシュ・ナショナル・バレエ(ENB)の公演は貴重なものです。 演出を行っているのは、バレリーナから転身したアンナ・マリー・ホームズで、彼女はこの舞台をオリエンタルな風味で味付け、なおかつスタイリッシュで輝かしいものに仕上げています。主役のメドゥーラを踊るのは現在最高のダンサー、アリーナ・コジョカル。説得力あるダンスを魅せるムンタギロフと、仲間を裏切る悪の象徴を見事に踊ったアコスタ。彼らを筆頭としたメンバーたちの極上のパフォーマンスをお楽しみください。
収録作曲家:
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イングリッシュ・ナショナル・バレエ
アダン(1803-1856):
バレエ《海賊》HOLMES, A.-M.: Corsaire (Le) (English National Ballet, 2014) (Blu-ray, HD)
発売日:2015年04月22日
Blu-ray価格:4,650円(税込、送料無料)
オスマン帝国の時代のギリシャ近くのイオニア海。嵐のために舟が難破して浜辺に打ち上げられた海賊たちを巡る物語です。彼らを救ったギリシャの娘メドゥーラは海賊の首領コンラッドに恋心を抱き、コンラッドもそれに応えます。しかし突然乱入してきたトルコ軍にメドゥーラとその友人たちは捕らえられ、奴隷市場へと連れて行かれてしまいます。彼女たちはトルコ総督の前で美しい踊りを踊りながら、せりにかけられますが、そこにやってきたのは、奴隷商人に変装したコンラッド率いる海賊たち。娘たちを取り返した海賊たちは意気揚々と宴を開きますが、ちょっとした仲間割れの末、また一騒動が起こるという波乱万丈の物語です。 原作をバイロンの物語詩に由来するこのバレエ「海賊」は、1856年の初演時にはアドルフ・アダン(1803-1856)の音楽を用いていたものの、1858年にマリウス・プティパが再演する際にはプーニの曲を、そして1867年にパリで再演された際にはドリーブの曲を…と、次々に新たな曲が付け加えられてきて現在の形になったことで知られています。この作品、イギリスではロイヤルバレエのレパートリーに入っておらず、なかなか見る機会がないということで、このイングリッシュ・ナショナル・バレエ(ENB)の公演は貴重なものです。 演出を行っているのは、バレリーナから転身したアンナ・マリー・ホームズで、彼女はこの舞台をオリエンタルな風味で味付け、なおかつスタイリッシュで輝かしいものに仕上げています。主役のメドゥーラを踊るのは現在最高のダンサー、アリーナ・コジョカル。説得力あるダンスを魅せるムンタギロフと、仲間を裏切る悪の象徴を見事に踊ったアコスタ。彼らを筆頭としたメンバーたちの極上のパフォーマンスをお楽しみください。
収録作曲家:
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ヘスス・レオン ベル・カント
ベッリーニ、ドニゼッティ、ヴェルディを歌うVocal Recital: León, Jesús - DONIZETTI, G. / BELLINI, V. / VERDI, G. (Bel Canto)
発売日:2015年04月22日
CD価格:2,250円(税込)
メキシコのテノール、ヘスス・レオンの輝かしい声を聴く1枚です。彼はキューバで声楽を学び始め、UCLAオペラ・スタジオや、ショルティ・アカデミア・ディ・ベルカント、ボストン大学オペラ研究所などで研鑽を積んでいます。その後はイタリアでニコライ・ギャウロフ奨学金を得て、伝説的ソプラノ、ミレッラ・フレーニの指導を受けます。彼はスコットランド歌劇場で「椿姫」のアルフレードを含む数多くの役を歌い、やがて世界中のオペラ劇場でもその存在が注目されるようになりました。今ではイギリス、アメリカ、ミラノを始めとした一流の歌劇場やウィグモアホールでのリサイタルを行い、また2015年には「清教徒」のアルトゥーロ役や、「夢遊病の娘」のエルヴィーノを歌う予定にもなっています。甘美なフレージングと均質な響きを持つ美しい声は、今後も人々を魅了することでしょう。
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J.S.バッハ(1685-1750):
トリオ・ソナタ集 BWV 525-530BACH, J.S.: Trio Sonatas Nos. 1-6, BWV 525-530 (Newsholme)
発売日:2015年04月22日
CD 2枚組価格:2,250円(税込)
6つのトリオ・ソナタはバッハ(1685-1750)が1730年頃に作曲したオルガンのための曲集です。右手パート、左手パート、足鍵盤パートが完全に独立したメロディを奏でるため、3つの声部=トリオ・ソナタとされています。本来なら2つの独奏楽器と通奏低音で合奏される室内楽形式ですが、これをオルガン1台で行うという、挑戦的な試みなのです。基本的には急-緩-急の3楽章ですが、第4番にはアダージョの序奏が付けられています。またこの楽章は教会カンタータ第76番からメロディが転用されており、また第3番第2楽章は三重協奏曲BWV1044に転用されています。彼の息子の鍵盤練習用として書かれたとも言われますが、これをきちんと弾きこなすには大変な技術と音楽性が求められることは間違いありません。 ここでオルガンを演奏しているニューショルムはウースター大聖堂の聖歌隊で歌い、ソールズベリー大聖堂のオルガン奨学金を得て、その後はカンタベリー大聖堂のアシスタントオルガニストと女子合唱団の音楽ディレクターを務めている人です。丁寧な音作りに定評があります。
収録作曲家:
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アレクサンダー・シンプ
ブラームス、ドビュッシー、
ベートーヴェンを弾く [シンプ]Piano Recital: Schimpf, Alexander - BRAHMS, J. / DEBUSSY, C. / BEETHOVEN, L. van
発売日:2015年04月22日 NMLアルバム番号:OC1820
CD価格:2,475円(税込)
2011年、クリーブランド国際ピアノ・コンクールで優勝した後、輝かしい経歴を歩んでいるピアニスト、アレクサンダー・シンプ。彼は北米大陸を中心に活発なコンサート活動を行い、素晴らしい結果を出しています。そんな彼の新譜はブラームスとドビュッシー、ベートーヴェンという一見脈絡のない作品で構成されています。しかし、全て作曲家の後期の作品であるという綿密に計算されたプログラムであり、前作のラヴェル、スクリャービン、シューベルト作品集(OC867)と同じコンセプトに貫かれたものなのです。深部に沈むものを丁寧に掬い上げるかのような優しいタッチと色彩感は、彼の美点の一つでしょう。ひたすら美しい音色に潜む陶酔感は、聴き手を幽玄な世界へといざないます。
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W.F.バッハ(1710-1784):
ピアノ作品集 [シピリ]BACH, W.F.: Piano Music (Spiri)
発売日:2015年04月22日 NMLアルバム番号:OC431
CD価格:2,025円(税込)
バッハ一族の中でも、少しだけ異端視されているヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ(1710-1784)。彼は大バッハの長男であり、当時は「バッハの息子たちの中で最も才能に恵まれている」と評価されていたものの、性格の悪さから人望をなくし、結果、良い職にもつけずに失意のうちにこの世を去ってしまった人です。膨大な作品を書いたにもかかわらず、前述の理由でほとんど出版されることはなく、多くは散逸してしまいました。しかし残された作品は、どれも独創性と多様性に満ちたものであり(これは伝統を無視した結果と評する人もいます)、どれも興味深い音楽であることは間違いありません。 まだ彼の作品の全貌は明らかになっていませんが、最近になってキエフでいくつかの作品が発見されたりと、再評価が進んでいます。今回ピアノを演奏しているのは、ヨーロッパを中心に大活躍しているピアニスト、アントニー・スピリです。現代音楽も得意ですが、バッハ一族の作品にも深い関心を寄せていて、いくつかのリリースが継続しています。
収録作曲家:
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ドゥーニャ・ラフロヴァ
My Dusty Gramophone [ラフロヴァ]Violin Recital: Lavrova, Dunja - ALBENIZ, I. / DEBUSSY, C. / DRIGO, R. / FALLA, M. de / GERSHWIN, G. / HALFFTER, E. (Lapshin) (My Dusty Gramophone)
発売日:2015年04月22日 NMLアルバム番号:SM216
CD価格:1,824円(税込)
このアルバムで素晴らしい演奏を聞かせるヴァイオリニスト、ラフロヴァは幼い頃から家族が所有していたLPレコードで聞くヴァイオリニスト、ジネット・ヌヴー、イダ・ヘンデル、そしてヤッシャ・ハイフェッツの演奏に魅了されたといい、これらが彼女にヴァイオリニストへの道を歩ませたといいます。 その時代の録音は独特の味わいがあり、とりわけその音色には現在のCDとは全く違う響きがあると感じた彼女は、このアルバムでもその時代の音色を再現するために、可能な限りヴィンテージの機器を使用して、ポルタメントを多用した演奏も含めて、当時の音色に近づけたのだそうです。確かに出来上がったアルバムからはデジタル録音では得られないふくよかで優しい味わいが感じられます。この時代を知らない人にも懐かしい気持ちが届くことでしょう。
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クレール=オプスキュール・
サクソフォン四重奏団
室内楽作品集 [クレール=オプスキュール・サクソフォン四重奏団]Chamber Music - GERSHWIN, G. / BACH, J.S. / BOZZA, E. / WEILL, K. / MEYERS, A.B. / PIAZZOLLA, A. (Clair-Obscur Saxophone Quartet)
発売日:2015年04月22日 NMLアルバム番号:SM218
CD価格:1,710円(税込)
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アンダーソン&ロエ(ピアノ・デュオ)
アート・オブ・バッハ [アンダーソン・アンド・ロエ]BACH, J.S.: Arrangements for 2 Pianos (The Art of Bach) (Anderson and Roe Piano Duo)
発売日:2015年04月22日 NMLアルバム番号:Steinway30033
CD価格:1,824円(税込)
2014年に来日し、シークレットライヴを行ったというピアノ・デュオ「アンダーソン&ロエ」。しかしその目覚しい音楽性とテクニックは満場のファンを驚愕させたということです。様々な作品をピアノ・デュオ用に編曲し演奏する彼らのやり方は、ピアノの持つ可能性を限りなく拡大し、またジャンルの可能性も取り払い、ただ純粋に「音楽の楽しさ」を教えてくれるものです。今回はバッハの様々な作品を、彼らの言葉で語っています。
収録作曲家:
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ズイル・ベイリー&準・メルクル [ベイリー/インディアナポリス響/メルクル]
MUHLY, N.: Cello Concerto / BLOCH, E.: Schelomo / 3 Jewish Poems (Z. Bailey, Indianapolis Symphony, J. Märkl)
発売日:2015年04月22日 NMLアルバム番号:Steinway30049
CD価格:1,710円(税込)
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ファルカシュ(1905-2000):
管弦楽作品集 第3集 [レンチェス/ロズマーン]FARKAS, F.: Orchestral Music, Vol. 3 (Lajos Lencses, Leo Lencses, Rozman)
発売日:2015年04月22日 NMLアルバム番号:TOCC0217
CD価格:2,438円(税込)
ハンガリーの作曲家、音楽教師ファルカシュ(1905-2000)。彼は長いことブダペストのリスト音楽院で教師を務め、クルタークやリゲティなどを育てました。TOCCATAでは彼の色彩的な管弦楽曲を体系的にリリース、第1集(TOCC0176)、第2集(TOCC0184)はどちらも高い評価を受けています。 この第3集では、主にオーボエを中心とした独奏楽器をフィーチャーした作品集で、どれも魅力的な音に満ちています。オーボエを吹いているのは名手ラヨシュ・レンチェスで、映画音楽を思わせる堂々としたファルカシュの音楽に豊かなコントラストを与えています。バロック風の曲や、民謡調の曲など多彩な音楽が楽しめます。
収録作曲家:
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レーヴェ(1796-1869):
ピアノ作品集 第1集 [ニコルソン]LOEWE, C.: Piano Music, Vol. 1 (Nicholson)
発売日:2015年04月22日 NMLアルバム番号:TOCC0278
CD価格:2,438円(税込)
シューベルトと同世代で、現在では主として「バラード(比較的長い歌曲)」の作曲家として認知されているカール・レーヴェ(1796-1869)。彼自身も非常に歌が上手く、歌手としてもキャリアを築いたことでも知られています。そんなレーヴェですが、実はかなり多くのピアノ曲も残しているのですが、今日、これらを耳にする機会はまずありません。実際に聴いてみるとワーグナーやリストを思わせる素晴らしい作品であることに気がつきます。例えば4楽章からなる「大ソナタ」の第2楽章は、ソプラノ、バリトンの歌をつけて演奏されることもあるという曲ですが、そのメロディラインはピアノの旋律をそのままなぞったものなので、歌が省かれても全く問題ありません。マゼッパは、リストの練習曲とルーツを同じにするバイロンの詩を題材にした曲。リストのような狂気はないものの、充分に劇的な音楽です。こちらも楽しみなシリーズです。
収録作曲家: