A.ガブリエリ(アンドレア) Gabrieli, Andrea
生没年 | 1533-1585 | 国 | イタリア |
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辞書順 | 「カ」 | NML作曲家番号 | 23247 |
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A.ガブリエリ(1533-1585):
モテット、詩篇とオルガン作品集 [エドゥアルド・ベロッティ(オルガン・ソロ)/ブレーメン・ヴェーザー=ルネサンス/マンフレート・コルデス(指揮)]GABRIELI, A.: Motets / Psalms / Organ Works (Bellotti, Bremen Weser-Renaissance, Cordes)
発売日:2021年08月27日 NMLアルバム番号:555291-2
CD価格:2,475円(税込)
イタリア・ルネサンス期の作曲家・オルガニスト、アンドレア・ガブリエリ。マンフレート・コルデス率いるブレーメン・ヴェーザー=ルネサンスは、以前「マドリガーレとカンツォン集」(999642)をリリースしており、その素晴らしい出来栄えはSWR(南西ドイツ放送)で評論家により「最高に楽しめる、よくできたCD」と評価されています。 第2作目となる今作にはマドリガーレと詩篇、オルガン作品を収録。今作でも精緻な対位法が使われた壮麗な声楽作品の素晴らしさはもちろんですが、1566年から亡くなるまでヴェネツィア、サン・マルコ大聖堂のオルガニストを務めていたガブリエリの本領発揮ともいえるオルガン作品は圧巻の聴きごたえを誇ります。 エドゥアルド・ベロッティは1957年生まれのイタリアのオルガニスト。ルネサンスとバロック作品を得意とするだけではなく、研究者としても知られており、チェンバロとオルガン作品についての比較校訂版を定期的に発表しています。
収録作曲家:
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ガブリエリ(1533-1585):
鍵盤音楽作品集 [ウィルソン]GABRIELI, A.: Keyboard Music (Wilson) - Ricercari / Toccate / Canzoni
■器楽曲
発売日:2010年10月13日 NMLアルバム番号:8.572198
CD価格:1,900円(税込)
イタリアのルネサンス期において、最も影響力があったとされるジョヴァンニ・ガブリエリ(1532/33-1585)。彼の叔父にあたるのが、このアンドレア・ガブリエリです。彼の若い頃については、ほとんど知られていませんが、聖マルコ大寺院のオルガニストの座を争って敗れ、1557年にヴェネツィア共和国カンナレジオ地区のオルガニストになったことはわかっています。イタリアの鍵盤音楽の発展に大きく寄与し、フーガ、リチェルカーレ、トッカータなどに優れた作品を残しています。合唱音楽を始め、多くの作品を残しましたが、自作の出版に対してはかなり慎重で、彼の作品が世に出回るようになったのは死後のことでした。華やかな中に落ち着きのある優雅な曲集です。
収録作曲家:
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なんと短い時よ
16世紀後半ネーデルラントのマドリガーレ集 [ラ・コンパーニャ・デル・マドリガーレ]発売日:2024年11月01日
CD価格:2,775円(税込)
北方に花開いたイタリア語ポリフォニーの粋を、イタリア最高の声楽集団の名解釈でヨーロッパ各地で多声音楽の全盛期を支えたネーデルラント(現在のベネルクス三国とその近辺に相当)の名匠たちが、16世紀後半にイタリアの作曲家たちから刺激を受けつつ地元ネーデルラントで出版したイタリア語重唱曲=マドリガーレを厳選。ナポリで活躍したデ・マッケ(ド・マック)や、ヴェネツィアのA. ガブリエーリ、ローマのマレンツィオなどイタリアに軸足を置いていた作曲家たちの作品も含め、全ての収録曲はこの地域の文化拠点アントウェルペンで出版されていながら(1603年に出版されたフェルドンクの1曲〔トラック7〕以外は全て1580~90年代に刊行)歌詞は全てイタリア語で、オランダ独立戦争の動乱をよそに、ヨーロッパの南と北をまたにかけた刺激的な文化活動のあったことが判ります。 コルネやフェルドンクなど重点的に紹介される機会の少ない作曲家たちも興味深く、緻密なポリフォニーや歌詞を活かした音作りの機微を存分に味わえる内容。しかも演奏は、音楽監督の早世により惜しまれながら活動休止したイタリアの名団体ラ・ヴェネシアーナのメンバーを多く含む気鋭集団、ラ・コンパーニャ・デル・マドリガーレ。温もりをたたえながら曲構造を明瞭に聴かせる精緻な歌唱で、濃やかな和声変化や多声書法の味わいをよく伝える解釈の妙はさすがというほかありません。 Musique en Wallonieレーベルの常通りブックレットも美麗図版の数々はじめ情報満載です(伊語歌詞、仏・英・蘭・独語歌詞訳&解説)。
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ファンタジア
アンドレア・ガブリエーリからバッハへ、
3つの世紀の鍵盤芸術 [アンドレア・ブッカレッラ]Harpsichord Recital: Buccarella, Andrea - BACH, J.S. / BULL, J. / BYRD, W. / FRESCOBALDI, G.A. / FROBERGER, J.J. / GABRIELI, A. (Fantasia)
発売日:2023年11月24日 NMLアルバム番号:RIC438
CD価格:2,475円(税込)
18世紀ドイツ式チェンバロと、大小2種のイタリア式チェンバロが綴る豊穣なファンタジー2018年のブルージュ(ブルッヘ)古楽コンクールで独奏者として優勝、近年さらに注目を集めつつあるイタリア出身の古楽鍵盤奏者アンドレア・ブッカレッラ。 トッカータという曲種の変遷を辿ったRICERCARデビュー盤(RIC407)に続き、今回のアルバムではファンタジア(幻想曲)という曲種の歴史を概観します。トッカータ同様に鍵盤奏者の即興演奏に由来する比較的自由な作曲形式であるこの曲種の歴史は古く、ここでは前作同様に演奏作品の時代に合わせ三つの楽器を使い分けながら、16世紀のイタリアとヨーロッパ北部(英国、オランダ)の伝統に遡ったのち17世紀を概観、18世紀初頭のバッハに流れ着くという、音楽史の変遷を追えるプログラムとなっています。 古い作品では粒立ちのよいイタリア型のチェンバロから驚くほど瑞々しくも整った音の流れを紡ぎ出し、ドイツ後期バロック作品では楽器の味わいを活かしたダイナミックな音楽展開が魅力的。ピアニストたちの名盤も多いバッハの2傑作も、この流れで聴くと歴史的文脈に沿った作品だったことが改めてよくわかり、才気豊かな演奏が作品像を新鮮に洗い直します。 フランス語圏を中心に古楽器奏者たちの信頼も厚い古楽器鍵盤製作家フィリップ・ユモーの精緻な仕事を十全に活かした雄弁な解釈によって、チェンバロという楽器の可能性に改めて目を見開かされる充実盤になっています。
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『晩課のために』
ランベール・ド・セーヴと16~17世紀のリエージュ楽派 [ファビアン・ムラール、アンサンブル・ポリアルモニーク、コンチェルト・インペリアーレ]SAYVE, L. de: Ad Vesperas (Ensemble Polyharmonique, Concerto Imperiale, Moulaert, A. Schneider)
発売日:2022年10月14日 NMLアルバム番号:MEW2201
CD価格:2,475円(税込)
晩期ネーデルラント楽派の重要潮流、
リエージュ楽派の栄華を味わう充実の選曲と演奏現在のフランス語圏ベルギー最大の都市、同国東部に位置するリエージュ。後にフランクやイザイ、グレトリーといった作曲家たちを生んだこの地は、昔からリエージュ司教を君主としながら地元の聖堂参事の発言力や市民の力も強く、西のフランドル地方とはやや違った歴史を歩みました。 ここではスペインのビクトリアやイタリアのG.ガブリエーリ、マレンツィオなどと同世代で、リエージュ司教領を離れ神聖ローマ皇室の人々に仕え大きな成功をおさめたランベール・ド・セーヴと、リエージュを拠点に長く活躍をみせたランベール・コーレンの作品を中心に、ネーデルラント楽派晩期から17世紀前半にかけて活躍したリエージュ育ちの作曲家たちの妙技を概観できる好企画。グレゴリオ聖歌をはさみながら晩課の音楽礼拝を再現する形で、フランス王太后マリー・ド・メディシスの葬送音楽で知られるオデモン(オドモン)、リエージュでの活躍の後ドイツのノイブルクに活路を見出したエーヌ、スペイン王室のネーデルラント楽派最後の栄光を飾ったロマラン(ロメロ)など、複合唱形式やコンチェルト様式が発展をみせてゆく末期ルネサンス~バロック初期に花開いたリエージュ楽派の古雅な魅力を堪能できます。 ヘレヴェッヘやリリング、ラーデマンらとの共演でも知られるシュナイダーやルッツェら名歌手が集い、RAUMKLANGに好企画盤多数のアンサンブル・ポリアルモニークと、多忙な活躍をみせる実力派古楽器奏者たちの充実解釈に、Musique en Wallonieレーベルならではの図版満載解説(仏・英・蘭・独語)も頼もしい1枚です。 -
Master & Pupil 師匠と弟子
モンテヴェルディが受け継いだもの、伝えたもの [マルク・チェンバース(指揮)/セスティーナ・ミュージック(古楽アンサンブル)]発売日:2022年09月23日
CD価格:2,100円(税込)
音楽はかつて、師匠から弟子へと知識や技術が受け継がれていく“徒弟制度”のようなものであり、このアルバムのタイトルである「師匠と弟子」とは、16~17世紀、作曲家たちがヨーロッパ各地を巡り、他の音楽家や作曲家を指導したり、技術を磨いていた時代に由来するものです。 アルバムでは、初期バロックの大作曲家クラウディオ・モンテヴェルディに焦点を当て、彼自身がジョスカン・デ・プレやムートン、デ・ローレら師匠、先達から受け継いだ膨大な遺産と、彼がリガッティやロッシらの弟子たちに与えた影響を探っていきます。 演奏する“セスティーナ・ミュージック”は2011年にマーク・チェンバースによってベルファストに設立されたアンサンブル。アルバムの主題である「師匠と弟子」の関係そのままに、経験豊かな音楽家のもとで若い音楽家を学ばせるという手法により、これまでの11年間に数多くの才能ある演奏家を育てています。彼らによる15世紀から17世紀にわたる音楽様式の変遷を見事に表現した演奏に耳が奪われます。
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『恋の目隠し』
歌と器楽で綴る16-17世紀イタリアの世俗重唱曲さまざま [コンチェルト・ディ・マルゲリータ]Vocal Ensemble Music (Italian) - D'INDIA, S. / FRESCOBALDI, G.A. / GABRIELI, A. / GASTOLDI, G.G. (Il gioco della cieca) (Concerto di Margherita)
発売日:2022年02月11日 NMLアルバム番号:A498
CD価格:2,475円(税込)
みずみずしい解釈で、生きたマドリガーレ芸術を400年後の世界に甦らせた俊英たち!1600年前後のイタリア宮廷音楽の世界で、高度な文学性と複雑精緻な音楽技法を試す場として大いに愛された重唱ジャンル、マドリガーレ。16世紀流のポリフォニックな音作りが独唱中心のバロック・スタイルへと移ってゆく過渡期の興味深い作品が多いこのジャンルでは、イタリアに活路を見出したネーデルラント楽派後期の作曲家たちからモンテヴェルディまで、新旧さまざまな作曲家が傑作を綴っていますが、その真相を妥協なく追求しながら時代の変化を追った充実のアルバムがARCANAから登場しました。 すぐれた古楽奏者が集うバーゼル・スコラ・カントルム出身の俊才たちによるコンチェルト・ディ・マルゲリータ(1600年前後に最も実験的な音楽が生み出されていたフェラーラに、公妃として迎えられたマントヴァ公女マルゲリータに由来)は、全員が古楽器奏者であり歌手であるというルネサンス期さながらの頼もしいグループ。歌詞となる詩の味わいを多声の綾に埋もれさせずに引き立てる聴き取りやすい発音に、撥弦中心の楽器を折々盛り込みながら、マドリガーレの面白さを十全に際立たせます。 即興演奏に由来する技法ディミヌツィオーネ(分割装飾奏法)もごく自然に使いこなす彼らの素晴らしい技術とセンスで、ルネサンス末期からバロック発祥期にかけての多彩なイタリア音楽をお楽しみいただけます。
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CON ARTE E MAESTRIA - 芸術と熟達の技
イタリア・バロック黎明期における超絶技巧ヴァイオリンの装飾技法 [オリヴァー・ウェッバー(ヴァイオリン)/スティーヴン・デヴァイン(オルガン&チェンバロ)]発売日:2021年08月27日
CD価格:2,100円(税込)
16世紀の終わりから17世紀の初頭にかけて発展した「ディミニューション=旋律中の音を細かい音価の音符に細分すること」と呼ばれる演奏様式。これは変奏曲などでよく使われる方式で、当時の奏者たちは元のシンプルな旋律に即興的な装飾を付ける技術が求められていました。 このような作品の一つに、パレストリーナのマドリガーレ「Io son ferito ああ、私はこんなに傷ついて」の旋律にフランチェスコ・ロニョーニが装飾を施したものがあり、ここには「芸術と熟達の技」というキャプションが付けられていました。このアルバムには、当時のディミニューションの作例と、ヴァイオリニストのオリヴァー・ウェッバー自身がこの時代の作品に新たな装飾を施したヴァージョンを聴くことができます。 オリヴァー・ウェッバーは17世紀から18世紀作品を得意とするピリオド楽器アンサンブル「モンテヴェルディ弦楽バンド」の音楽監督。このアルバムはアンサンブルに属する奏者たちをフィーチャーするシリーズ『モンテヴェルディ弦楽バンド・イン・フォーカス』の最初の1枚となります。
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リガッティ(1613頃-1648):
聖母マリアの晩課他 [マッシモ・ロンバルディ、イ・ディズィンヴォルティ、ウトファソル・アンサンブル]RIGATTI, G.A.: Vespro Della Beata Vergine (Lombardi, UtFaSol Ensemble)
発売日:2021年04月23日 NMLアルバム番号:A121
CD価格:1,425円(税込)
17世紀ヴェネツィアの早世の才人、多声織りなす親密な晩課の世界モンテヴェルディがヴェネツィアに来て以降のマドリガーレに見られる独唱主体の多声様式(コンチェルタンテ様式)は、続く世代の華やかなヴェネツィア楽派の栄光を予告するものでした。彼の愛弟子でオペラの大家として名を馳せたカヴァッリが有名ですが、その陰では高い実力を持ちながら今や名が埋もれてしまった、無数の作曲家たちの活躍もありました。 本盤でとりあげられているリガッティもまさにそうした知られざる天才の一人。イタリア新世代の古楽器奏者たちが集うアンサンブルによってここに取り上げられている『晩課』のプログラムは、三十代半ばで早世したリガッティの曲集から作品を選び、単旋律聖歌を交えながらバロック期のヴェネツィアにおける夕暮れ時の礼拝の再現を試みたもの。独唱ないし数パートからなる重唱に木管コルネットの独奏やサックバット(トロンボーン)の響きが豊かな味わいを添える詩篇唱の数々は、少数精鋭の演奏陣でこそ映える凝縮されたイタリア初期バロック音楽の魅力が詰まっています。 磨き抜かれた演奏のクオリティを、イタリア古楽の録音に確かな実績をもつ技師ジュゼッペ・マレットのエンジニアリングが的確に捉えた秀逸な1枚です。
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『機を織るように』
17世紀イタリアのヴァイオリン音楽さまざま [ラ・ヴァゲッツァ]発売日:2021年03月26日
CD価格:2,475円(税込)
バロック黎明期、歌声を手本に独自の音言語を獲得してゆくヴァイオリンの至芸「前世紀の音楽よりもずっと複雑で、獣のような音楽」――17世紀初頭のイタリアに花開いた器楽芸術について、新進気鋭の国際派古楽器グループ「ラ・ヴァゲッツァ」はそう説明しています。2016年の結成以降、急速に古楽シーンの前線へ出てきた彼らは英国、スペイン、フランス、イタリアからメンバーが集い、活気あふれるバロック本来の音楽の奔放さを脈々と伝える、緩急自在の演奏で注目を浴びつつある団体です。 記念すべき最初のアルバムは彼らの持ち味が最大限に生きる、まさに獣のような大胆さを秘めたイタリア初期バロックの傑作選。撥弦・弓奏をダイナミックに交錯させてのコントラスト豊かな音楽作りは、聴くほどに惹き込まれるクオリティ!バロック流儀の即興装飾演奏(分割装飾、ディミヌツィオーネ)も自在そのもので、陰影差の対比がきわだつ17世紀イタリア絵画にも通じる痛烈な音楽美を心ゆくまで味わえる仕上がりになっています。 16世紀の大家ガブリエーリに始まり、ナポリのファルコニエーリ、ヴェネツィアのフォンターナやカステッロを経て、有名なシャコンヌの作曲家の父で、生前は息子よりはるかに有名だったボローニャのG.B.ヴィターリにいたる、イタリア音楽史のつながりを概観できる選曲も魅力の一つです。
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『装飾楽句の嵐』
木管コルネットのための作品集 [イ・カヴァリエーリ・ディ・コルネット]Cornetto Music (Early) - CASTELLO, D. / CRECQUILLON, T. / FONTANA, G.B. / GABRIELI, A. (Tempesta di passaggi) (I Cavalieri del Cornetto)
発売日:2021年01月15日 NMLアルバム番号:A120
CD価格:1,425円(税込)
木管コルネットの新世代名手、故郷イタリアの昔日を縦横無尽に旅する傑作集木管コルネット(ドイツ名ツィンク)とは、リコーダーをやや大きくした木管ないし骨材管に金管式のマウスピースがついた、ルネサンス~バロック期に流行した管楽器。400年前の欧州では非常に愛されていた楽器にもかかわらず、吹きこなすのは並大抵ではなく、古楽復興の流れでもプロ演奏家の登場が比較的遅かった楽器のひとつでもあります。 しかし1980年代に登場した伝説的名手ブルース・ディッキーが数多くの名手を育てたおかげで、この楽器を巡るシーンは21世紀に飛躍的な広がりを見せました。 イタリア出身の超実力派インギシアーノもまさにディッキー門下の俊才のひとり。彼の卓越した息遣いと指回りで、昔日の精鋭奏者たちが吹きこなした大作曲家たちの独奏名品を心ゆくまで味わえるこの新録音は、イタリア人古楽器奏者によるイタリア古楽がこれほどまでに作品の存在感にぴたりと寄り添うものかと驚かされる、絶妙の歌心がたまりません。 共演が鍵盤楽器ひとつというシンプルな編成なのも魅力のひとつ。木管コルネットの旨みをきわだたせるシャープなイタリア式チェンバロやポシティフ・オルガンの響きも味わい深く、昔日のイタリアの音楽世界を満喫できる上質アルバムに仕上がっています。
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戦争と平和のルネサンス音楽
~ヘルマニア反乱(1519-1523)に寄せて~ [カペリャ・デ・ミニストレルス]発売日:2021年01月15日
CD価格:2,475円(税込)
これぞ筋の通った古楽サウンド!
金管と羊腸弦が描き出す躍動と静謐のコントラストバレンシアに拠点をおくヴィオラ・ダ・ガンバを中心とした実力派古楽器アンサンブル、カペリャ・デ・ミニストレルスの今回のテーマは「戦争と平和」―― 統一スペイン王国に君臨したカルロス1世(皇帝カール5世)の支配に対するバレンシア地方での反乱を切り口として、16世紀から17世紀初頭にかけて欧州各地で書かれた戦争にまつわる音楽を、意外にも戦乱期と不可分でもあった教会音楽の傑作とともに厳選したプログラムは、冒頭から心つかまれるドラマティックな魅力がたっぷり! 反乱の首謀者たちはバレンシアの職人組合を中心とする市民で、「兄弟」をあらわすヘルマニア(実際のバレンシア語ではジェルマニアですが、現在一般に標準スペイン語読みされています)と呼ばれていましたが、奇しくも彼らの敵たるカルロス1世はドイツ人たちの帝国の皇帝であったとともに音楽文化の偉大な擁護者……プログラムにはドイツ語圏の作曲家たちによる傑作も続々盛り込まれ、皇帝とバレンシアの人々の緊迫感を演出するかのよう。 しかし何より演奏がすばらしく、この時代としてはかなり大規模な弦楽・金管入り乱れての編成は、戦場の興奮を象徴するかのようなスリリングな響きから平和への祈願ともいべうき静謐さまで、7人の精鋭歌手からなる声楽アンサンブルと見事なコントラストを描き出してゆきます。 確かなテーマ性が古楽器サウンドの面白さに一貫性を与えている好企画。オーディオファンにもお勧めしたい充実内容です。 -
フレッディ(1580頃-1643):
Vespers - 晩課(1616) [ジェイミー・サヴァン(指揮・コルネット)/ゴンザガ・バンド(アンサンブル)]発売日:2019年11月15日
CD価格:2,100円(税込)
デビュー・アルヴァム「ヴェネツィア1629年」(RES10218)が大成功を収めた指揮者・コルネット奏者、ジェイミー・サヴァン。今作でも彼が率いる“ゴンザガ・バンド”(ゴンザガとはモンテヴェルディが仕えたマントヴァの名家の名)と共に、ヴェネツィアの知られざる作曲家の作品を探求します。 このアルバムで彼が取り上げたのは、モンテヴェルディがサン・マルコ寺院の楽長を務めていた時代と同じ頃、ヴェネトのトレヴィーゾ大聖堂の楽長であったアマディオ・フレッディの世界初録音となる「晩課」です。演奏の際は、同時代の作曲家の作品を組み込みながら、あたかも目の前で一連の祈りが行われているかのような選曲が行われており、自然な流れの中で際立つフレッディの独創性を存分に味わうことができます。
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アートオブ・トランペット [キャロル/ブリューワー/ニューヨーク・トランペット・アンサンブル]
Chamber Music (Trumpet) - MOURET, J.-J. / VALENTINE, R. / WILBYE, J. / WHITE, W. (Art of Trumpet) (Carroll, Brewer, New York Trumpet Ensemble)
発売日:2018年05月25日 NMLアルバム番号:MCD10001
CD価格:1,800円(税込)
ニューヨーク・トランペット・アンサンブルは、1974年に当時トランペット奏者及び指揮者として活躍中のジェラード・シュワルツにより組織されました。1980年代には大西洋のリゾート地マデイラ島でのバッハ音楽祭(ポルトガル)、バーモント・モーツァルト音楽祭(アメリカ)などで数多くの録音を残しています。ここではバス・トランペット2本を含む合計8本のトランペットにオルガン、バスーン、ティンパニが加わったアンサンブルが奏でる輝かしく壮麗な響きが見事です。 アンサンブル全体を率いるのは、シカゴ出身でジュリアード音楽院を出たトランペット奏者エドワード・キャロル。録音は伝説のチームと知られるエリート・レコーディングスのジョアナ・ニクレンツとマルク・オボールが手がけました。MMG(Moss Music Group)原盤。