グランディ(アレッサンドロ) Grandi I, Alessandro
生没年 | 1586-1630 | 国 | イタリア |
---|---|---|---|
辞書順 | 「ク」 | NML作曲家番号 | 42350 |
11 件 / 11件中
-
グランディ(1590-1630):
「わたしは嬉しかったのです」
~晩課の詩篇曲を集めて~ [アレッサンドラ・ロッシ・リューリヒ、アカデミア・ダルカディア、ウト・ファ・ソ・アンサンブル]GRANDI, A.: Vocal Ensemble Music (Accademia d'Arcadia, UtFaSol Ensemble, Lurig)
発売日:2022年06月17日 NMLアルバム番号:A525
CD価格:2,475円(税込)
大小さまざまな声楽群が織りなす音宇宙、バロック初期のヴェネツィア様式の極致1590年にヴェネツィアで生まれ、同世代のシュッツと同じく巨匠ジョヴァンニ・ガブリエーリの複合唱形式をじっくり学んで育ったアレッサンドロ・グランディ。一時フェラーラの宮廷で活躍するもヴェネツィアに戻り、モンテヴェルディが指揮する聖マルコ教会の楽員を務めたのち1627年にベルガモの礼拝堂楽長となったものの、伝染病が猛威を振るった1630年に亡くなってしまいました。ベルガモに移って間もなく出版された作品集はいずれもガブリエーリの影響を色濃く残しながら、合唱の各パートを独唱として扱うコンチェルタート様式を追求した17世紀らしい音楽的進化が見られます。 この作曲家の作品を体系的に追っているイタリアの古楽グループ、アカデミア・ダルカディアは9人の独唱者とヴァイオリン、テオルボ、オルガンからなるアンサンブルに、コルネット(ツィンク)と大小サックバット(トロンボーンの前身)からなる金管合奏で臨むウト・ファ・ソ・アンサンブルの協力を得て、編成の大きい作品でも各歌手の独立性を保った室内楽的解釈で作品の魅力をじっくり引き出します。 ピッチは当時の北イタリアに合わせてやや高めの465Hz。10声にも及ぶマニフィカトはポスト=ガブリエーリ世代の貫録十分、3声と通奏低音からなる作品では一転、マドリガーレのような緊密な音作りが見事というほかありません。 同レーベルでの先行録音(A464)に続く、本場イタリアならではの上質の古楽録音です。
-
グランディ(1590-1630):
天の花 ~ コンチェルタート様式によるヴェネツィアのモテット集 [アレッサンドラ・ロッシ・リューリヒ(指揮)、アカデミア・ダルカディア、ウト・ファ・ソ・アンサンブル]GRANDI, A.: Celesti fiori / Motetti, Books 1, 2, 4, 6 (selections) (Accademia d'Arcadia, UtFaSol Ensemble, Lürig)
発売日:2019年08月16日 NMLアルバム番号:A464
CD価格:2,475円(税込)
モンテヴェルディに匹敵すると目された、ヴェネツィアのモテット作曲家初の作品集1590年にヴェネツィアで生まれたグランディは、17世紀前半のヴェネツィア楽派で最も偉大なモテット作曲家とされています。極めて早熟で、1627年にはサン・マルコ寺院の副楽長に任命され、当時その才能はモンテヴェルディに匹敵すると噂されるほどでしたが、1630年にはペストのため、妻と10人の子供たちと共に亡くなってしまいました。 このアルバムは、17世紀イタリア音楽を演奏するため2018年に結成されたばかりのアンサンブルにより、マントヴァのサンタ・バルバラ教会の美しい響きの中で録音されています。 アルバムタイトルの「天の花」は、彼の5番目のモテット集から取られました。収録された作品は1610年から30年までに出版されたもので、ほとんどが初録音。早世のためその生涯も音楽も伝わるものが少なく、彼の作品のみで構成されたアルバムというのは今回が初めてとなりますが、この美しい響きはきっと多くの人を虜にすることでしょう。
収録作曲家:
-
旧約聖書『雅歌』に基づく
イタリア初期バロックのモテット集 [イ・ディズィンヴォルティ]Vulnerasti cor meum - CASATI, F. / COLOMBI, G. / DONATI, I. / MONTEVERDI, C. / RIGATTI, G. (i Disinvolti, Lombardi)
発売日:2024年03月22日 NMLアルバム番号:A562
CD価格:2,775円(税込)
選曲絶妙。イタリア初期バロック宗教音楽の生々しさを高雅に捉えたモテット集17世紀初頭、モンテヴェルディやカッチーニ等と同時代の北イタリア各地で活躍した作曲家たちの教会音楽を、3人の歌手と3人の通奏低音奏者のさまざまな組み合わせで変幻自在に聴かせてゆくアルバム。 複数声部の絡み合いを大前提としたルネサンス・ポリフォニー教会音楽から、独唱パートの存在感を強く際立たせたバロック的コンチェルタート様式が生まれ、そこからオペラという独唱ありきの新しい舞台芸術が誕生したのが1600年前後で、ここではその10年ほど後、通奏低音に支えられた独唱パートを幾つか重唱させる小編成の新しい教会音楽(モテット)が定着しつつあった頃の作品を中心にプログラムが編まれています。 モンテヴェルディを例外として大半は滅多にとりあげられない作曲家ばかりと思いきや、はっとするほど官能的な旋律美やきわめて大胆な転調あり、語りのような独唱もあればルネサンス語法の新解釈のような興味深い展開もあり、トラックごとに新鮮な驚きが詰まったアルバムの充実度は本場イタリアにおける古楽研究と演奏実践の緊密な連携、経験値の集積を強く印象づけます。 「初期バロックは教会の内と外の音楽が互いに驚くほど近かった」とライナーノートに解説されている通り、まさに世俗のマドリガーレと聴き違えるほどの内容は、聖書の中でもとりわけ煽情的・官能的な描写が相次ぐ『雅歌』から歌詞をとった作品ばかりを集めているからこその特色と言えるでしょう。 その聖俗の近似性を際立たせるべく、たとえば当時オペラの名場面を彩った共鳴弦付き擦弦楽器リローネを使ったり、モンテヴェルディ『聖母マリアの夕べの祈り』からの一章はあえてリュートソングのように撥弦楽器一つの伴奏に絞って聴かせるなど、演奏編成に工夫が凝らされている点も注目です。
-
ヴェネツィアの夜
7世紀ヴェネツィアの教会音楽、世俗音楽 [ルイ=ノエル・ベスティオン・ド・カンブラ、アンサンブル・レ・シュルプリーズ ほか]NUIT À VENISE (Ensemble Les Surprises, Camboulas)
発売日:2023年04月28日 NMLアルバム番号:ALPHA927
CD価格:2,475円(税込)
フランス古楽シーン最前線の実力あればこそ、
17世紀の生々しい響き!ヴェロニク・ジャンスやマティアス・ヴィダルといった名歌手たちとの緊密なアンサンブルで、フランス17~18世紀の知られざる声楽作品の魅力を脈々と伝えてきたアンサンブル・レ・シュルプリーズ。演奏作品が作曲された当時のあり方と妥協なく対峙し、現代のリスナーの興奮を誘う演奏へと昇華させるそのセンスは、フランスのバロック音楽様式にも大きな影響を与えたイタリア音楽にも抜群の適性をみせることが、今回のアルバムで立証されました。 17世紀の“水の都”ヴェネツィアを舞台に、その音楽活動の一大拠点だったサン・マルコ教会の音楽監督として巨匠モンテヴェルディが迎えられていた時代に光を当て、知られざる作曲家たちの作品も含め声楽・器楽および聖俗両面の作品を鮮やかに組み合わせ、17世紀後半に至る豊かな音楽遺産を起伏に富んだプログラムで堪能させてくれます。 弦・管・鍵盤8人からなる器楽勢のアンサンブルも魅力なら、詩句とメロディの官能性を鮮やかに引き出してゆく歌手それぞれの声と各楽器の音色の溶けあいや交錯も実にエキサイティング。サン・マルコ教会に限られない諸々の教会や貴族の私邸、アーケードの下に陣取った楽隊などの音楽によるヴェネツィアの祝祭シーズンを再現したかったと語る指揮者ベスティオン・ド・カンブラの狙いは、ALPHAならではの自然派録音が捉えた響きの克明さも手伝って十二分に実現していると言ってよいでしょう。 -
Das ist meine Freude
それは我が喜び
17世紀の愛の歌と詩篇 [ゲオルク・ポプルッツ(テノール)/ヨハン・ローゼンミュラー・アンサンブル/アルノ・パドゥフ(指揮)]発売日:2022年07月08日
CD価格:1,800円(税込)
-
モンテヴェルディと友人たち
小編成での夕べの祈り [マリー・ルイーゼ・ヴェルネブルク(ソプラノ)/アレクサンダー・シュナイダー(アルト)/ヨハネス・ガウビッツ(テノール)/ドミニク・ヴェルナー(バス)/ムジカ・フィクタ/ローランド・ウィルソン(指揮)]Vocal and Chamber Music (Italian Baroque) - MONTEVERDI, C. / MARINI, B. / ROVETTA, G. (Vespro da Camera) (Musica Fiata, R. Wilson)
発売日:2021年09月24日 NMLアルバム番号:555317-2
CD価格:2,475円(税込)
モンテヴェルディが後期のマドリガーレやオペラに通じる劇的な表現法による宗教曲16世紀から17世紀のヴェネツィアで活躍したクラウディオ・モンテヴェルディ。『聖母マリアの夕べの祈り』やサン・マルコ大聖堂のために作曲した音楽は西洋音楽の歴史において屈指の名作とされています。しかし、彼の作品はサン・マルコ大聖堂のような壮大な空間で奏されただけではなく、各地の宮廷などの小さな空間でも競って演奏されました。このアルバムは、そのような身近で私的な空間で演奏された晩課を想定して構成されています。 また、この当時活躍していた作曲家はモンテヴェルディ以外にも数多く存在しており、近年の研究で彼らの素晴らしい作品に次々と光が当てられるようになりました。ここでは、モンテヴェルディが楽長を務めていたサン・マルコ大聖堂のの若き奏者たち、ビアージョ・マリーニや、ジョヴァンニ・リガッティの作品と、モンテヴェルディの死後、次期楽長を務めたジョヴァンニ・ロヴェッタ、モンテヴェルディの助手を務めたアレッサンドロ・グランディ、そして大聖堂に関係があったとされるダリオ・カステッロの作品を併せて紹介。なかにはモンテヴェルディと同じテキストを用いた詩篇なども含まれており、各々の作曲家がお互いに切磋琢磨しながら生み出した多彩な音楽を味わうことができます。
-
『La Bella Noeva - すてきな知らせ』
アッコルドーネによるイタリア・バロック名品集 [マルコ・ビズリー、グイード・モリーニ、アッコルドーネ]Vocal Music (17th Century) - BEASLEY, M. / CACCINI, G. / GRANDI, A. / MARINI, B. / MONTEVERDI, C. /MORINI, G. / STEFAI, G. (Accordone)
発売日:2021年06月25日 NMLアルバム番号:ALPHA615
CD価格:1,425円(税込)
「ラ・タランテッラ」と並ぶビズリーの名盤!
ナポリ民俗歌唱が古楽と交わるところAlphaレーベル初期の白ジャケット・シリーズでも特にヒットを記録した「ラ・ベッラ・ネーヴァ(すてきな知らせ)」。キャシー・バーベリアンに師事したのち、故郷ナポリの民俗歌唱と古楽歌唱の粋を取り入れ独特なスタイルを確立した「声の魔術師」マルコ・ビズリーと、通奏低音技法での作曲も自らこなす鍵盤奏者グイード・モリーニによる個性派古楽ユニット「アッコルドーネ」が、それまでの「録音はしない、ライヴのみ」という姿勢から一転、Alphaから初めてリリースしたアルバムでもあります。 モンテヴェルディとカッチーニを中心とした、1600年前後のイタリア・バロック最初期の独唱系レパートリーから名品を厳選、オスティナート・バスに乗せて荒唐無稽な「ひとりオペラ」のごとき変幻自在の歌唱を聴かせるナポリ伝統歌「グヮラチーノ(小魚)の戯れ歌」までも古楽器で演奏しながら、イタリア南部の「生のまま」のバロック世界が鮮やかに蘇る圧巻のアルバムに仕上がっています。 撥弦楽器にもフランコ・パヴァンやステファノ・ロッコら実力派が名を連ね、2001年に録音されたラルペッジャータとの共演盤「ラ・タランテッラ」同様、ビズリーの歌の存在感際立つ仕上がりでファンの記憶に刻まれている屈指の必聴盤です。 -
フレッディ(1580頃-1643):
Vespers - 晩課(1616) [ジェイミー・サヴァン(指揮・コルネット)/ゴンザガ・バンド(アンサンブル)]発売日:2019年11月15日
CD価格:2,100円(税込)
デビュー・アルヴァム「ヴェネツィア1629年」(RES10218)が大成功を収めた指揮者・コルネット奏者、ジェイミー・サヴァン。今作でも彼が率いる“ゴンザガ・バンド”(ゴンザガとはモンテヴェルディが仕えたマントヴァの名家の名)と共に、ヴェネツィアの知られざる作曲家の作品を探求します。 このアルバムで彼が取り上げたのは、モンテヴェルディがサン・マルコ寺院の楽長を務めていた時代と同じ頃、ヴェネトのトレヴィーゾ大聖堂の楽長であったアマディオ・フレッディの世界初録音となる「晩課」です。演奏の際は、同時代の作曲家の作品を組み込みながら、あたかも目の前で一連の祈りが行われているかのような選曲が行われており、自然な流れの中で際立つフレッディの独創性を存分に味わうことができます。
-
発売日:2018年08月24日
CD価格:2,240円(税込)
1629年のヴェネツィアでは、いくつかの音楽史における革新的な出来事がありました。シュッツはその前年に2度目のヴェネツィア訪問を果たし、モンテヴェルディに師事。シンフォニア・サクラ第1集を出版しました。またマリーニはこの頃に初期のバロック様式を確立、ヴァイオリン演奏に技術革新をもたらしています。カステッロはこの年に「現代的なソナタ・コンチェルターテ」第1巻を出版、こちらもヴァイオリンの革新的な演奏方法が評価され、彼の没後も再版が重ねられるなど後年の作曲家たちに多大な影響を与えました。 彼らの魅力的な作品をゴンザガ・バンドによる演奏でお楽しみください。ゴンザガ・バンドは1977年にジェイミー・セイヴァンによって創設されたピリオド楽器のアンサンブル。グループ名の「ゴンザガ」とは、モンテヴェルディが仕えたマントヴァの名家の名前。この時代の作品を得意にしています。
-
発売日:2018年01月26日
CD価格:2,240円(税込)
英国の合唱団“エボア・シンガーズ”が歌うクリスマス音楽集。ここでテーマとして選ばれているのは17世紀の「イングランド内戦」です。国王派である「騎士党」と議会派である「円頂党」の戦いの末、勝利した議会派はプロテスタントを擁護していたため「聖なる日:クリスマス」を盛大に祝うことを禁止してしまいました。 しかしそれに納得できなかった騎士派の人々は、そっとクリスマスの行事を続行し、独自の曲集を作成します。議会派に配慮してか、ほとんどはプロテスタントの作曲家の作品ですが、中にはバードのようなカトリックの作曲家の作品が含まれているのは面白いところです。宗教戦争と内乱に明け暮れたイングランドで演奏されたであろう美しい曲集です。
-
フリッツ・ヴンダーリヒ
バッハ以前の歌曲集 [ウンダーリッヒ]Vocal Music (Baroque) - SENFL, L. / SCHÜTZ, H. / ROSENMÜLLER, J. / BUXTEHUDE, D. (Music before Bach) (Wunderlich)
発売日:2018年01月26日 NMLアルバム番号:SWR19051CD
CD 2枚組価格:2,400円(税込)
モーツァルトのアリアをはじめ、歌曲からオペレッタ、当時の流行歌など幅広いレパートリーを持っていたフリッツ・ヴンダーリヒ(1930-1966)。この2枚組では「バロック歌手と宗教曲歌手としてのヴンダーリヒ」に焦点が当てられています。 ヴンダーリヒと言えば、まずバッハの受難曲やオラトリオでの素晴らしい歌唱が思い起こされますが、彼はバッハ以前作品にも強い関心があり、20代の頃に当時珍しかったグラウプナーやゼンフルの歌曲を集中的に録音していたことはあまり知られていません。ゼンフルの端正な歌曲や、ローゼンミュラーのカンタータからのアリアなど美しく輝かしい声で歌われた珠玉の作品を聴くことができます。SWR所蔵のオリジナル・テープからデジタル・リマスタリングを行っています。