【ナクソス】 イタリアン・クラシックス
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トーニ(1922-1993):
〈ピアノ作品全集 第5集〉
ピアノのための小品 Op.4
フガートとアレグロ Op.7
幻想曲 Op.8 - 4声とペダルのための他 [アルド・オルヴィエート(ピアノ)]TOGNI, C.: Piano Music (Complete), Vol. 5 (Orvieto)
発売日:2020年07月22日
NMLアルバム番号:8.573986
CD価格:1,600円(税込)
生涯に渡ってピアノを愛したイタリアの作曲家、カミッロ・トーニ(1922-1993)のピアノ曲全集第5集。シリーズの完結となる今回は、カセッラに作曲を学び、実験的な音楽を創り上げた彼の初期作品を中心に収録しています。 13歳の時に書かれた「即興曲」「練習曲 変ニ長調」はショパンやリストを彷彿させますが、その2年後に作曲された「ピアノのための小品」では、すでに調性から脱した、トーニらしいユニークな作風が見られます。最後に置かれたモーツァルトのピアノ協奏曲のための2つのカデンツァは、彼の師であるベネデッティ・ミケランジェリへの賞賛が込められたもの。ここではトーニの作風の変遷を感じ取ることができます。1949年の「第25番のためのカデンツァ」は、モーツァルトの旋律が自由に展開していくのに比べ、1990年の「第24番のためのカデンツァ」ではモーツァルトらしさはほとんど感じられず、自由な旋律のみが溢れています。 シリーズを通じてアルド・オルヴィエートが全作品を演奏しています。
収録作曲家:
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トーニ(1922-1993):
ピアノ作品全集 第4集 [オルヴィエート]TOGNI, C.: Piano Music (Complete), Vol. 4 (Orvieto)
発売日:2018年02月23日
NMLアルバム番号:8.573431
CD価格:1,600円(税込)
カセッラに作曲を学び、ミケランジェリにピアノを師事したイタリアの作曲家トーニ。多彩な様式を駆使したピアノ曲は、書かれた時代によって全く違う作風を見せますが、この第4集には1940年から1944年の作品が収録されており、十二音技法や、半音階技法などが用いられた小品を聴くことができます。初期の時代に数多く作曲されたシェーンベルクを想起させる「セレナータ」も3曲収録。この中には第1集や第3集に含まれた「あからさまな過去の作品へのオマージュ」はなく、どの曲も極めて独創的であり、個性に富んだ表情を持っています。
収録作曲家:
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トーニ(1922-1993):
フルート作品集 [ファブリチアーニ/ドロウ/サルダレッリ/ダメリーニ/ネーリ/コンテル]TOGNI, Camillo: Flute Works - Preludes / Flute Sonata / 3 Duets / Fantasia concertante (Fabbriciani, Dorow, Saldarelli, Damerini, Neri, Conter)
発売日:2017年09月29日
NMLアルバム番号:8.573731
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:490円(税込)20世紀のイタリアを代表する作曲家の一人、カミッロ・トーニ。15歳の時に、同郷で当時18歳のピアニスト、ミケランジェリが演奏するシェーンベルクの作品を聴き強い感銘を受けました。新古典派の音楽が流行していた当時のイタリアでシェーンベルクが演奏されることは非常に珍しく、トーニは生涯その体験を忘れることなく、折りに触れ思い出していたと言います。 すっかり十二音の世界に魅せられたトーニは、1951年にダルムシュタットのサマースクールに参加した際にフルート奏者ガッゼローニと出会ったことをきっかけにフルート・ソナタOp.35を作曲。翌年ガッゼローニによって初演されましたが、残念ながら聴衆からの反応は良くありませんでした。しかしトーニはそれに憶することなく、このアルバムで演奏しているファブリチアーニを友人とし、助言を受けながらフルート曲の作曲を続け、自らの主張を曲げずに神秘的な作品を生み出すことに成功しました。
収録作曲家:
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ブゾーニ(1866-1924):
〈ピアノ作品集 第9集〉
村の祭日/幻想的な物語
古風な舞曲/田園組曲 [ハーデン]BUSONI, F.: Piano Music, Vol. 9 (Harden) - Una festa di villaggio / Racconti fantastici / Danze antiche / Suite campestre
発売日:2017年09月29日
NMLアルバム番号:8.573751
CD価格:1,600円(税込)
多くの天才の例に漏れることなく、イタリアの作曲家フェルッチョ・ブゾーニも7歳の若さで演奏会デビューを果たし、少年時代から「神童」と呼ばれていました。同時に作曲もはじめ、17歳の時にはブラームスの助言を得てライプツィヒに移りライネッケの下で学びました。しかし30歳を過ぎるまでは作曲よりも演奏を好んでいたようです。 このアルバムには神童時代の11歳から15歳までに書かれた全ての作品が収録されています。バッハ、モーツァルト、ウェーバー、シューマンなどの先人たちの影響があるにせよ、どれも魅力的な旋律を持つ曲集で、とりわけ「田園組曲」は将来の成熟を予感させます。
収録作曲家:
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ピツェッティ(1880-1968):
交響曲 イ調
ハープ協奏曲 [バッサーニ/トリノRAI響/イオリオ]PIZZETTI, I.: Symphony in A Major / Harp Concerto (Bassani, RAI Symphony Orchestra, Turin, Iorio)
発売日:2017年05月26日
NMLアルバム番号:8.573613
22)
CD価格:1,600円(税込)
1940年は日本の紀元2600年に当たる年でした。これを祝すために企画されたのが「日本と友好の厚い国」に作品を委嘱し、これを演奏するというもの。国をあげての演奏会のために「紀元二千六百年奉祝交響楽団」が組織され、イギリス(ブリテン)、ドイツ(リヒャルト・シュトラウス)、フランス(イベール)、ハンガリー(ヴェレシュ)、そしてイタリアのピツェッティが作品を提供、物議をかもしたブリテンの作品を除く4作品が1940年12月、東京と大阪で演奏され好評を博しました。 このピツェッティの作品はイタリアの指揮者ガエターノ・コメリによって初演されたものの、その後はほとんど演奏されずに歴史の流れの中に眠っていました。曲想は決して祝祭的な雰囲気を湛えておらず、ブリテンの「シンフォニア・ダ・レクイエム」にも似た哀しみと怒りが強く表出されています。これに対し、ハープ協奏曲は極めて快活な作品です。
収録作曲家:
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〈20世紀のイタリア音楽集〉
カゼッラ(1883-1947):
フルヴィアのためのディヴェルティメント
ドナトーニ(1927-2000):
室内オーケストラのための音楽
ゲディーニ(1892-1965):合奏協奏曲
マリピエロ(1882-1973):「東洋の印象」 [スイス・イタリア語放送管/イオリオ]Orchestral Music - CASELLA, A. / DONATONI, F. / GHEDINI, G.F. / MALIPIERO, G.F. (Orchestra della Svizzera Italiana, Iorio)
発売日:2017年01月25日
NMLアルバム番号:8.573748
CD価格:1,600円(税込)
19世紀後半のトリノでは、イタリア全土の交響楽団に先駆けて「Concerti popolari(ポピュラー・コンサート)」が開催されるなど、当時全盛だった歌劇の人気に隠れてしまった“器楽曲の人気”を取り戻すための活動が行われていました。その流れに乗ったカゼッラ、マリピエロら何人かの作曲家たちによって1923年に「イタリア新音楽協会」が設立され、次々と新しい器楽曲が生まれることとなります。 このアルバムには、色彩豊かで対照的な性格を持つ小規模な作品を4曲収録。カゼッラの「ディヴェルティメント」は彼の幼い娘フルヴィアのために書かれた曲で、古典的で親しみやすい曲想が溢れた楽しい作品です。カゼッラの友人、マリピエロの作品は、タイトルの通り、神秘的な雰囲気を持つ小品。ドナトーニの曲は、シェーンベルクを少し新古典派よりにしたような作風で、ちょっぴりユーモラスな面も持っています。ゲディーニの「合奏協奏曲」は完全にバッハ、ベートーヴェンへのオマージュであり、古典的な作風に重厚な響きを付け加えた興味深い作品です。
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マルトゥッチ(1856-1909):
ピアノ三重奏曲 第1番・第2番 [トリオ・ヴェガ]MARTUCCI, G.: Piano Trios Nos. 1 and 2 (Trio Vega)
発売日:2015年08月26日
NMLアルバム番号:8.573438
CD価格:1,600円(税込)
いかにもNAXOSらしいこのアルバムは、19世紀後半のイタリアの作曲家マルトゥッチ(1856-1909)が書いた2曲のピアノ三重奏曲です。当時、ヴェルディなどを初めとしたオペラ作曲家の作品が全盛を誇っていたイタリアにおいて、声を使わない管弦楽曲や、室内楽曲、ピアノ曲などはあまり人気がありませんでした。しかし、一部の作曲家たちはそれに疑問を抱き、純粋な器楽曲を書き続けています。マルトゥッチも、結局生涯に1作も歌劇を作曲することなく(いくつかの優れた声楽曲はあるにしても)、常に目標を器楽曲の作曲に定めていたのです。 このピアノ三重奏曲は第1番は1882年、第2番はその翌年の1883年に書かれたもので、まるでブラームスを思わせるような佇まいの中に、確かに先進的な閃きを宿した見事なものです。例えば第2番、この第1楽章の冒頭の屈託のないメロディを聴いていると、一瞬、時代を50年ほど前に遡ってしまった感を受けるのですが、聴いていくうちに、妖しい雰囲気がやってきて、これが何ともいえずに心をかき乱すのです。第2楽章、第3楽章と聴き進めるに従って、面白さ倍増となります。第1番もなかなかの問題作。息の長いメロディの中に潜む不安感と焦燥感がたまりません。 ちなみに、第1番はミラノの出版社リコルディから出版されましたが、第2番はライプツィヒの出版社キストナーから出版されたことを考えても、彼の作品がドイツで高く評価されていたことは間違いありません。
収録作曲家:
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マリピエロ(1882-1973):
英雄の交響
ディテュランボスの悲劇他 [テッサローニキ州立響/クルーセル]MALIPIERO, G.F.: Sinfonia degli eroi / Dai sepolcri / Ditirambo tragico (Thessaloniki State Symphony, Closel)
発売日:2015年06月24日
NMLアルバム番号:8.572766
CD価格:1,600円(税込)
4曲の世界初録音を含むこのマリピエロ(1882-1973)の作品集は、どれもが興味深い音色に満ち溢れています。ただ、もし彼が現在生きていたとしたら、私たちがこれらの録音を聴く事を防ごうとしたかもしれません。晩年の彼は「初期の作品のほとんどは破壊された」と称し、実際にはそれらを地下室の箱に隠していました(死後に発見)。そんな自己評価の厳しかったこれらの作品ですが、重々しい雰囲気を持つ「英雄交響曲」と「墓より」やアルメニアの旋律をふんだんに用いた「アルメニア」、破壊的な「グロテスク」ちょっとストラヴィンスキー的な味わいもある「ディテュランボスの悲劇」と、創意工夫の見られる面白いものばかりです。最近、復興著しいNAXOS「イタリア近代の音楽集」にまた新たな名演が加わりました。
収録作曲家:
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カステルヌオーヴォ=テデスコ(1895-1968):
ヴァイオリン協奏曲 第1番「イタリア協奏曲」
ヴァイオリン協奏曲 第2番「預言者たち」 [楊天堝/バーデン・バーデン&フライブルク南西ドイツ放送響/ブーア]CASTELNUOVO-TEDESCO, M.: Violin Concertos Nos. 1 and 2 (Tianwa Yang, SWR Symphony, Baden-Baden and Freiburg, Boer)
発売日:2015年03月25日
NMLアルバム番号:8.573135
CD価格:1,600円(税込)
日本では「ギター曲作曲家」として認知されがちなイタリア近代の作曲家カステルヌオーヴォ=テデスコ(1895-1968)ですが、最近彼の管弦楽曲や協奏曲が相次いでリリースされることで、その風向きも変わってきたようです。もともとは優れたピアニストであった彼ですが、1924年に最初の管弦楽作品「イタリア協奏曲」を書くことを思いつきました。彼の友人のヴァイオリニスト、マリオ・コルティはこの当時発表されたシマノフスキの「神話」を参考にするようにと提案しましたが、彼が最終的に取り入れたのは17世紀から18世紀にかけての作品…ヴィヴァルディを思わせるスタイルでした。もちろんかなりモダンな味付けがされていますが、なかなかステキな作品となっています。 ハイフェッツに委嘱された「協奏曲第2番」は良く知られた作品で、題材は旧約聖書やユダヤ教の典礼から取られており、彼自身もユダヤの血を引いていることから、当時蔓延していた「反ユダヤ主義」をはねのけるほどのパワーと輝きを持つ力作となっています。いまや飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍する若きヴァイオリニスト、ティアンワ・ヤンのパワフルなソロは、厚みのあるオーケストラの音色から一歩抜きん出る輝きを放っています。
収録作曲家:
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レスピーギ(1879-1936):
ヴァイオリンとピアノのための作品全集 第2集
ピック=マンジャガッリ(1882-1949):
ヴァイオリンとピアノのための作品全集 [ベルネコーリ/ビアンキ]RESPIGHI, O.: Violin and Piano Works (Complete), Vol. 2 / PICK-MANGIAGALLI, R.: Violin and Piano Works (Complete) (Bernecoli, Bianchi)
発売日:2014年12月24日
NMLアルバム番号:8.573130
CD価格:1,600円(税込)
「ローマ三部作」で知られるイタリアの名作曲家レスピーギ(1879-1936)。彼の父親は地元の音楽教師であり、祖父も名高い音楽家であり、そのためレスピーギも幼い頃からピアノとヴァイオリンを学び、長じてからはヴァイオリン奏者、ヴィオラ奏者としても活躍しています。そのため、このようなピアノとヴァイオリンのための作品を書くのは当然の成り行きだったに違いありません。このヴァイオリン・ソナタは1917年に完成したもので、その直前に「ローマの噴水」が初演されるなど、彼の創作意欲は絶頂期にあり、20年前に書かれた「ニ短調ソナタ」に比べると、その音楽的な深化には格段の違いがあります。アグレッシヴな第1楽章、叙情的で官能的な第2楽章、濃密な空気が漂う終楽章と、管弦楽作品とはまた違う魅力を見せるレスピーギをご堪能ください。 アルバムの残りの部分に収録されているのは、ストラコニツェで生まれた作曲家、ピック=マンジャガッリ(1882-1949)のヴァイオリン作品集。生まれはボヘミアですが、幼い頃にミラノに移住したため、ほとんどレスピーギと同世代のイタリアの作曲家と称してもよいのではないでしょうか? 彼のロ短調ソナタ(奇しくもレスピーギと同じ調性を持つ)は、作曲年代が早いためか、まだまだロマン派の作風に則ったものですが、独創的なピアノ・パートなど聴くべき箇所はたくさんあります。知られざる作曲家を聞く楽しみもたっぷりです。
収録作曲家:
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マリピエロ(1882-1973):
毎日の幻想曲
パッサカリア/協奏曲 [ローマ響/ラ・ヴェッキア]MALIPIERO, G.F.: Fantasie di ogni giorno / Passacaglie / Concerti (Rome Symphony, La Vecchia)
発売日:2014年11月26日
NMLアルバム番号:8.573291
CD価格:1,600円(税込)
最近、その復興が著しいイタリアの近代作曲家たちですが、その中の筆頭とも言えるマリピエロ(1882-1973)の珍しい作品の登場です。もともとモンテヴェルディとヴィヴァルディの校訂者としてその名を挙げたマリピエロですが、自作はかなり前衛的であり、フランスの印象派の影響を存分に受けていました。もちろん半音階、12音も積極的に用い、難解な作品も生み出していますが、仄かな叙情性も湛えた不思議な味わいを持っています。 このアルバムには3つの作品が収録されていて、そのうち2曲は世界初録音というもの。「毎日の幻想曲」は彼が持っていた、走り書きのようなアイデアから生まれたものですが、これがまた見事な構造を持った音楽です。「パッサカリア」は、厳格な形式を嫌っていたマリピエロにしては珍しいもので、主題の反転、逆転などの手法を繰り返しながらも、少しずつ「ずれ」が生じていくのを見るのが怖いような楽しいような音楽です。 協奏曲集はこのアルバムの白眉であり、小さな「前置き」と「結び」を持つ7つの部分からできています。各々の協奏曲で使われる楽器は複数で、いわばバロック期の「合奏協奏曲」のような構造を持った小さな協奏曲の集まりです。優雅なフルート、激しいドラム。そしてねっとりとしたコントラバスなど、楽器の特性も存分に生かされた見事な曲たち、これは本当に素晴らしいものです。
収録作曲家:
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カステルヌオーヴォ=テデスコ(1895-1968):
エヴァンゲリオン [マランゴーニ]CASTELNUOVO-TEDESCO, M.: Evangélion (A. Marangoni)
発売日:2014年11月26日
NMLアルバム番号:8.573316
1)
CD価格:1,600円(税込)
日本ではどちらかというと「ギターの作曲家」として知られているカステルヌオーヴォ=テデスコ(1895-1968)ですが、元々彼はピアニストとして活躍し、多くのピアノ曲をはじめ、歌劇や管弦楽曲の作曲家としても素晴らしい作品を残しています。もともとイタリア系のユダヤ人であった彼は、ファシスト政権が台頭した頃から社会的地位を危うくされ、最終的にはイタリアを脱出することとなります。そして1939年に渡米し、ハリウッドで数多くの映画音楽を作曲したことでも知られています。 この作品は1949年に作曲された特異な曲集で、この2年前の父親の死と、その年に訪れたメキシコの修道院の印象がこの曲を書くきっかけになったようです。テデスコは聖書やシェークスピアを自らのテーマにすることを好んだのですが、この曲集もキリストの一生を歌を使わずに、ピアノの小品のみで描くという離れ業をやってのけます。言葉を伴わないおかげで、必要以上に感傷的になることなく、適切に情景が描かれていますが、逆に宗教的な雰囲気はあまり感じられないので、もしお子さんに聞かせてあげるのであれば、聖書のお話を一緒に読んであげることは必要かもしれません。
収録作曲家:
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マリピエロ(1882-1973):
ピアノ作品集(1909-1921)
月に寄せる小詩集/秋の前奏曲
カルヴァルカーテ/3つの古風な舞曲/共鳴 [リム・リラ]MALIPIERO, G.F.: Piano Works (1909-1921) - Poemetti lunari / Preludi autunnali / Cavalcate / 3 Danze Antiche / Risonanze (Rira Lim)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2014年08月27日
NMLアルバム番号:8.572517
CD価格:1,600円(税込)
最近、ようやく復興の兆しが見えてきたイタリアの作曲家ジャン・フランチェスコ・マリピエロ(1882-1973)。このアルバムでは彼の青年期から壮年期にかけてのピアノ曲を聴くことができます。マリピエロ自身が記した友人への書き込みによると、彼はピアニストたちに対して、複雑な思いを抱いていたようで、彼らを「奇妙な敵」と呼びながらも、「何一つ悪意を抱いていない」など愛とも憎しみとも取れる言葉が書き連ねてあるのです。 彼は作曲家としては珍しくピアノを正式に学んだことがなかったにもかかわらず(ヴァイオリンは6歳から演奏していた)、25歳のマリピエロによる最初の作品は「ピアノのための6つの小品」でした。以降も、彼は自身における「奇妙な敵」と戦い続け、驚くほどに華麗なテクニックを駆使し、時にはユニーク、あるいはシニカルな作品を書いていきます。1910年頃に書かれた「3つの古風な舞曲」はその親しみやすさから人気を獲得、また「秋の前奏曲」や「月に寄せる小詩集」は、イタリアの音楽雑誌の付録として出版され、この多彩で繊細な音楽はたくさんの聴衆から高く支持されたのです。しかしこの曲に見られる陰鬱さは、彼の後の作品をも覆う一種の暗さでもあるのかもしれません。1921年の「カルヴァルカーテ-乗り物」は「つかの間のアイデア」とされ、風変わりなユーモアに満たされています。まだまだ全容解明は難しそうなマリピエロのピアノ曲。少しずつでも楽しんでいただければと思います。
収録作曲家:
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フーガ(1906-1994):
ヴァイオリン・ソナタ 第1番 - 第3番 [トルトレッリ/ミラーニ/ランベルト]FUGA, S.: Violin Sonatas Nos. 1-3 (Tortorelli, Milani, Lamberto, G. Fuga)
■器楽曲(ヴァイオリン)
発売日:2014年07月23日
NMLアルバム番号:8.573142
CD価格:1,600円(税込)
NAXOSのCDを聴く喜びの一つに「これまで名前すら知らなかった作曲家の作品と出会える」ことがあります。このサンドラ・フーガ(1906-1994)のヴァイオリン・ソナタ集もそんな1枚。音楽辞書どころか、日本語のWIKIでもこの人の名前を検索することはできません。かろうじてイタリアのWIKIに簡単な解説があり、それによると「トリノ音楽院でアルファーノとゲティーニにピアノ、オルガン、作曲を学び、その作品は国際的に認められた」とあり、その最後には「1995年に家族によって彼の名前を関した組合が設立された」とも書いてありました。 イタリア国内でもこの程度の知名度しかない作曲家ですが、彼の作品はなかなか聴き応えのあるものです。ヴァイオリン・ソナタ第1番は、当時世界を覆っていた戦争の暗い影を伴う悲哀に満ちたもの。そして彼の友人のために書かれた第2番は、一層穏やかで悲しさを帯びたエレジーで始まり、永久に続くかのような第2楽章を経て、激しい第3楽章へと続いていきます。第3番はバランスの取れたスタイルで書かれており、繊細さと流麗さはまるでドビュッシーやフォーレ作品を思い起こさせます。この3つの作品を「時代に即していない」と捉えるか、それとも「美しいメロディは永遠に滅ぶことない」と捉えるかは、聴き手の感性に委ねられるのかも知れません。
収録作曲家:
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レスピーギ(1879-1936):
鳥/ボッティチェッリの三連画/組曲 ト長調 [ブラウン/ニューヨーク室内管/ディ・ヴィットリオ]RESPIGHI, O.: Gli uccelli (The Birds) / Trittico botticelliano / Suite in G Major (K. Brown, Chamber Orchestra of New York, Di Vittorio)
■室内楽
発売日:2014年06月25日
NMLアルバム番号:8.573168
31)
CD価格:1,600円(税込)
レスピーギ(1879-1936)の「鳥」は、17世紀に書かれた鳥にまつわるクラヴサン曲に、レスピーギがオーケストレーションを施し、前奏曲を付けて組曲としたものです。何といってもレスピーギは、17世紀音楽の熱心な研究者であり、この当時の音楽を校訂することに喜びを見出していたのですから、この「鳥」もその副産物として生まれたとみても間違いないでしょう。もちろんオーケストラの響きは極彩色ですが、音楽そのものはバロック時代のまま。この不思議な肌触りが却って興味深いところです。転じて「ボッティチェッリの三連画」は冒頭のトリルの豊かな響きや、彼の特徴的な旋律が横溢するもので、こちらはオリジナル度が高い音楽と言えそうです。「組曲 ト長調」は古典的な様式を保った作品ですが、通常聴かれるのは短縮版で、ここでの録音が指揮者ヴィットリオ自身が編纂した「オリジナル版」です。こちらもフレスコバルディのマドリガルなどからインスピレーションを得たと言われるメロディが弦とオルガンで壮麗に歌われる感動的な音楽です。
収録作曲家:
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トーニ(1922-1993):
ピアノ作品全集 第2集 [オルヴィエート]TOGNI, C.: Piano Music (Complete), Vol. 2 (Orvieto)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2014年05月30日
NMLアルバム番号:8.572991
1)
CD価格:1,600円(税込)
イタリアの作曲家カミロ・トーニ(1922-1993)。彼は教師としても優秀であり、次々と素晴らしい音楽家を世に送り出したことで知られています。18歳の時に初のピアノ曲「セレナータ 第1番」Op.10を作曲したトーニ。この作品が彼の芸術的発展に決定的な転換をもたらしたのです。無論この時代に生まれただけあって、初期の作品と言えども、シェーンベルクの12音の影響を受けた渋いものでした。彼がシェーンベルクの作品を初めて出会ったのは19歳の時。アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリが演奏する幾つかの作品でしたが、その中でOp.25の小品はトーニに強い印象を与えたと言います。「それは魅力的であるというよりも、恐怖に近いものだった」とまで語る彼。その後はこの12音システムを拡大し、自身のアイデアを付け加え、ここで聴けるようなユニークな音楽を創り上げたのです。
収録作曲家:
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ペトラッシ(1904-2003):
ピアノ協奏曲
フルート協奏曲
バレエ音楽「オルランドのフォリア」から [アンチロッティ/カニーノ/ローマ響/ラ・ヴェッキア]PETRASSI, G.: Piano Concerto / Flute Concerto / La follia di Orlando Suite (Canino, Ancillotti, Rome Symphony, La Vecchia)
■協奏曲
発売日:2014年03月26日
NMLアルバム番号:8.573073
CD価格:1,600円(税込)
イタリアの作曲家、ゴッフレード・ペトラッシ(1904-2003)。カゼッラやマリピエロ、レスピーギなどの「新音楽協会」を結成した世代より少し遅れて生まれた彼は、そのキャリアのはじめの頃は新古典主義や旋法を用いた作品を書いていましたが、時代の流れには逆らい難く、無調や十二音技法にも興味を持ち、結局はこれらをうまく融合した独自の作風を貫くことで自らの作曲語法を確立させた人でもあります。 このアルバムにはフルート協奏曲とピアノ協奏曲、そして管弦楽曲の3つのジャンルの曲が収録されていて、彼の作風の変遷を辿ることができます。早い年代のピアノ協奏曲はまさに新古典主義の音楽で、プロコフィエフやヒンデミットを思わせるものですが、フルート協奏曲は明瞭な旋律線を感じさせない茫洋とした音楽。時折聞こえるパーカッションの音色が斬新です。バレ音楽はその中庸を行くもので、このまま映画音楽に仕えそうなほど、湧き立つような音の洪水が楽しめます。
収録作曲家:
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レスピーギ(1879-1936):
ヴァイオリンとピアノのための作品集 第1集 [ベルネコーリ/ビアンキ]RESPIGHI, O.: Violin and Piano Works (Complete), Vol. 1 (Bernecoli, Bianchi)
■器楽曲(ヴァイオリン)
発売日:2014年03月26日
NMLアルバム番号:8.573129
CD価格:1,600円(税込)
レスピーギ(1879-1936)というと、あの壮大な「ローマ三部作」などの管弦楽作品がまず頭に浮かびますが、彼自身は最初ヴァイオリンを学びやがてヴィオラ弾きとして活躍、従って、その初期の作品もヴァイオリンのために書かれたものがとても多いのです。NAXOSではそんなレスピーギのヴァイオリンとピアノのための作品の全集をシリーズ化します。 第1集は1897年から1905年にかけて書かれた曲を集めたもので、いくつかの曲はボローニャの博物館に所蔵された未発表作品でもあります。彼の学生時代にはドイツのロマン主義とロシアの国民楽派など、フランスの印象派など様々な潮流が押し寄せていました。そんな時期に書かれたこれらの曲はおり、、優雅さと流麗さ、そして壮大さを兼ね備えています。ピアノ独奏版としても愛されている6つの小品(とりわけ優しいワルツは最近人気の作品)は、ヴァイオリンで聴くとまた違った佇まいを持ち、良い意味での「サロン風」の雰囲気を備えています。そして「5つの小品」は完全にレスピーギの個性が確立された作品と言えそうです。
収録作曲家:
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カタラーニ(1854-1893):
交響詩「エーロとレアンドロ」
コンテンプラツィオーネ/イル・マティーノ他 [ローマ響/ラ・ヴェッキア]CATALANI, A.: Ero e Leandro / Contemplazione / Il Mattino (Rome Symphony, La Vecchia)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2014年02月19日
NMLアルバム番号:8.573072
1)
CD価格:1,600円(税込)
カタラーニ(1854-1893)というと、悲恋オペラ「ワリー」の1曲のみで知られている作曲家と言っても過言ではありません。プッチーニやヴェルディと言った大御所の影に隠れてしまったとはいえ、その美しいメロディや劇的な管弦楽法は存分に人々の心を捉えるものであることは間違いありません。そんなカタラーニ、実はオペラ以外にもいくつかの作品を残していました。とりわけ、ギリシア神話を題材にした「エーロとレアンドロ」は1884年の夏に作曲された交響詩で、登場人物たちや情景の的確な描写と、音楽の構造の見事さが評価される作品です。 塔に籠もり、愛する人レアンドロが海を泳いでくるのを待つエーロ。しかしある嵐の日、彼は波に呑まれてしまいます。彼らの逢瀬を描く音楽はまるでワーグナーを思わせる重厚なものです。これとは対照的なスケルツォ イ長調は簡素で古典的な音楽。そして彼の恐らく最初の作品の一つであるアンダンティーノには、若き作曲家の野心が満ち溢れています。フランス音楽の影響が感じられるコンテンプラツィオーネ、自由な楽想が魅力的な「シンフォニア・ロマンティカ」。どれも素晴らしい作品です。
収録作曲家:
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メルカダンテ(1795-1870):
フルート協奏曲 第1番・第2番・第4番 [ガロワ/シンフォニア・フィンランディア・ユバスキュラ]MERCADANTE, S.: Flute Concertos Nos. 1, 2 and 4 (P. Gallois, Sinfonia Finlandia Jyväskylä)
■協奏曲
発売日:2014年01月22日
NMLアルバム番号:8.572731
CD価格:1,600円(税込)
19世紀のイタリアオペラ発展に大きく寄与したメルカダンテ(1795-1870)。彼はロッシーニに勧められてオペラの作曲を始め、処女作「ヘラクレスの神格化」の成功を受け、以降次々と大作をものにします。1823年にはサンカルロ劇場の音楽監督に就任、生涯に60作以上のオペラを残しました。そんなメルカダンテですが、1814年から1820年の約6年間は音楽院の仲間と師匠に触発されフルート曲を中心とした数多くの器楽曲を書いています。 彼のほとんどのオペラが忘れられてしまった現在では、これらの器楽曲の方が演奏される機会が多いのは残念ではありますが、確かにこのアルバムに収録された3つの協奏曲も、技巧が際立つソロと管弦楽の掛け合いが素晴らしく、また流麗なメロディには思わず惹きつけられること間違いありません。ガロワのソロは文句なしであり、完璧なオケのコントロールもさすがの一言。安心して楽しめます。
収録作曲家:
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カゼッラ(1883-1947)&トゥルキ(1916-2010):
弦楽四重奏曲集 [ヴェネツィア弦楽四重奏団]CASELLA, A.: Concerto, Op. 40 / 5 Pieces, Op. 34/ TURCHI, G.: Concerto breve (Quartetto d'Archi di Venezia)
■室内楽
発売日:2013年12月18日
NMLアルバム番号:8.573019
3)
CD価格:1,600円(税込)
20世紀のイタリアにおいて、「弦楽四重奏曲」というものを復興させるのは並大抵のことではなかったようです。何しろ当時の聴衆たちはひたすら歌劇に夢中であり、器楽作品…交響曲のような大掛かりな作品ですら…ほとんどの人は見向きもしなかったのですから。そのため、当時この国を旅行した音楽家や雑誌執筆者は「イタリアでは『ヨーロッパ的な音楽』を鑑賞することができない」と嘆き、とりわけその分野での最高峰とも言える弦楽四重奏は存在すらも許されないかのような状況だったのです。 そんな中でミラノとフィレンツェに「四重奏協会」が設立され、ヴェルディが会長になるべくオファーを受けたのですが、残念ながら彼は断ってしまいます。しかしカゼッラを始めとした器楽復興運動を擁護する人たちの手によって、少しずつ素晴らしい作品が生まれ、いつしか他の国に負けない作品が書かれるようになったのでした。
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メルカダンテ(1795-1870):
管弦楽作品集
ロッシーニの「スターバト・マーテル」の主題による大シンフォニア
ベッリーニへのオマージュ/クラリネット協奏曲 第2番他 [カサーニ/ローマ響/ラ・ヴェッキア]MERCADANTE, S.: Sinfonia su motivi dello Stabat Mater di Rossini / Omaggio a Bellini / Clarinet Concerto No. 2 (Casani, Rome Symphony, La Vecchia)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2013年12月18日
NMLアルバム番号:8.573035
1)
CD価格:1,600円(税込)
現代において、メルカダンテ(1795-1870)の名前は「オペラ作曲家」として知られています。彼の代表作は「ヴェスタの巫女」や「誓い」などのベルカント・オペラであり、ロッッシーニとベッリーニに続く作曲家として素晴らしい名声を打ち立てたのでした。しかしながら、彼は当時の他のオペラ作曲家とは違い、積極的に器楽のための作品を書いたことでも知られています。もちろんメロディ・メーカーとしての才能は比類なきものであり、このアルバムで聴くことのできる「器楽曲」にも美しいメロディが散りばめられていることは間違いありません。 注目はOp.101のクラリネット協奏曲であり、どこかモーツァルトを思わせる典雅な響きの愛くるしさには、思わず胸が高まるのではないでしょうか? 一転、ベッリーニのノルマのメロディを縦横無尽に使った「ベッリーニへのオマージュ」は感動的であり、熱烈な愛国心が宿った「ガリバルディ」の勇壮さも特筆すべきものです。
収録作曲家:
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カゼッラ(1883-1947):
三重協奏曲 Op.56
ゲディーニ(1892-1965):
アルバトロ協奏曲 [ギドーニ/ボスナ/ピエモンティ/イ・ポメリッジ・ムジカーリ/イオリオ]CASELLA, A.: Triple Concerto / GHEDINI, G.F.: Concerto dell'albatro (Ghidoni, Bosna, Piemonti, I Pomeriggi Musicali, Iorio)
■協奏曲
発売日:2013年11月20日
NMLアルバム番号:8.573180
CD価格:1,600円(税込)
19世紀末、相次いでイタリアに生まれた2人の作曲家カゼッラとゲディーニ。この2人が書いた2つの協奏曲を比較できるという興味深い1枚です。各々独特のキャラクターを持っているので、書かれた作品も違いがあり、なかなか聞きごたえがあるものです。その上、カゼッラもゲディーニもワグネリアンの両親を持ち、またチェロやピアノを弾きこなすという神童。楽器の特性を知り尽くしていることは間違いありません。この三重協奏曲はもともとベートーヴェンが開拓したジャンルであり、3台の楽器が美しく歌い交わすところに魅力があるものです。カセッラの協奏曲は初演時に大好評で、何度も再演されました。またゲディーニの作品はハーマン・メルヴィルの「白鯨」のテキストを用いたもので、南極の海やアホウドリ、波の動きを彷彿させる表現力豊かな音楽です。
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ゲディーニ(1892-1965):
アーキテクチャ/コントラプンクト
海の小品とバッカナーレ [ローマ響/ラ・ヴェッキア]GHEDINI, G.F.: Architetture / Contrappunti / Marinaresca e baccanale (Rome Symphony, La Vecchia)
■交響曲/管弦楽曲 ■協奏曲
発売日:2013年07月24日
NMLアルバム番号:8.573006
CD価格:1,600円(税込)
レスピーギ、カゼッラ、マルトゥッチを始めとした「イタリア近代音楽」に於いて、彼らの右にでるものはいないであろう、ローマ交響楽団&ラ・ヴェッキアのコンビによる最新盤は、知られざるイタリア近代作曲家フェデリコ・ゲディーニ(1892-1965)です。 前述の作曲家たちよりも少しだけ後の世代に属するゲディーニは、最初トリノで学び、1911年からボローニャでエンリコ・ボッシから教えを受けます。作曲家、指揮者として名声を上げつつ、トリノ、パルマ、ミラノそれぞれの音楽院で作曲を指導、その弟子にはアバド、ベリオ、カツティリオーニなどがいるという優れた指導者でもあります。パルマにいた頃の作品である「アーキテクチャ」は7つの部分で構成された活発な音楽。バロック音楽からのインスピレーションを近代的な和声で処理した興味深い作品です。他の2作品もオーケストラの能力を限界まで要求する難易度の高い音楽。ぜひこの魅力にはまってください。
収録作曲家:
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20世紀イタリアの独奏クラリネットのための作品集 [ボシ]
Clarinet Recital: Bosi, Sergio - BERIO, L. / BETTINELLI, B. / BUCCHI, V. / DIONISI, R. / GABUCCI, A. (20th-Century Italian Clarinet Solos)
■器楽曲(クラリネット)
発売日:2013年07月24日
NMLアルバム番号:8.573090
CD価格:1,600円(税込)
イタリアの名クラリネット奏者セルジオ・ボシの見事な演奏を。彼はすでにNAXOSレーベルで3枚のアルバムをリリースしていていて、マニャーニの超絶技巧物(8.572890)や、朗々と歌いまくる「知られざるイタリア作品」(8.572399)、ひたすら楽しい「イタリア小品集」(8.572690)、そのどれもがクラリネット愛好者から高い人気を得ています。 そんなボシ、今作ではちょっと違った雰囲気の音楽を聞かせます。それは、1950年代以降の現代作品集で、これまでのように“美しいメロディ”を楽しむと言うより、楽器の持つ表現力の多様性を楽しむアルバムと言えるでしょうか。全て無伴奏作品であるため、曲の魅力も演奏技術も露わになってしまうという、奏者にとっても聴き手にとっても、かなりスリリングで興味深い1枚です。
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ゲディーニ(1892-1965):
ヴァイオリンとピアノのための作品全集 [ベルネコーリ]GHEDINI, G.F.: Violin and Piano Music (Complete) (Bernecoli, Bianchi)
■器楽曲(ヴァイオリン) ■器楽曲(ピアノ)
発売日:2013年06月19日
NMLアルバム番号:8.572828
CD価格:1,600円(税込)
イタリア、クーネオ出身の近代イタリア作曲家、ゲディーニ(1892-1965)のヴァイオリンとピアノのための作品集です。この当時の潮流に漏れず、彼もモンテヴェルディやフレスコバルディらルネサンス音楽やバロック音楽から発想を得て、現代的な手法を交え曲を創っていった人です(彼の父はワーグナーの熱烈な崇拝者であったといいますが、彼の作品にはその影響はほとんど見られません)。 このアルバムにはそんな彼のヴァイオリン作品が全て収録されています。第1曲目の「ビッザリーア」は「珍妙、激情」と言った意味を持つタイトルですが、どちらかというと夢幻的で「音の戯れ」と言った風合いを持つ音楽です。2つのソナタは伝統的な3楽章で書かれていて、ロマンティックな肌触りを残すイ長調、革新的な広がりを持つ変ホ長調と、その曲想には違いがありますが、どちらも魅力的であり、また極めて精巧に書かれています。2つの詩曲はもっと自由で制約にしばられない音楽です。
収録作曲家:
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ニーノ・ロータ(1911-1979):
クラリネット・ソナタ&クラリネット三重奏曲他 [ケネディ/ゼレンカ/クオ・リン/スウィーニー]ROTA, N.: Clarinet Sonata / Clarinet Trio / Improvviso / Toccata / Fantasia (Gojevic, Kenedi, Lynn Kuo, W. Zelenka, Sweeney)
■室内楽
発売日:2013年05月22日
NMLアルバム番号:8.572778
CD価格:1,600円(税込)
「太陽がいっぱい」や「ゴッドファーザー」など数多くの素晴らしい映画音楽で知られるニーノ・ロータ(1911-1979)。しかし彼は「本業はあくまでもクラシックの作曲であり、映画音楽は趣味に過ぎない」と公言していました。何しろ13歳でオペラを作曲し、聖チェチーリア音楽院で学んだ後、カーティス音楽院に留学するほどの筋金入りのクラシック畑を歩み、その後も音楽教師として身を立てていたほどの人物です。しかし、彼の名声は、本人の意に反して映画音楽ばかりに傾いており、生前の彼にしてみればかなりの不満がたまっていたのではないでしょうか?(これはコルンゴルトやローザと同じ状況です) ようやく最近になって「クラシック作品」の存在が知られるようになってきたロータ。確かにここで聴ける数々の作品に、あの「愛のテーマ」のような究極の甘美さばかりを求めてはいけません。さあ、新たなロータの魅力をみつけてください。
収録作曲家:
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ブゾーニ(1866-1924):
ピアノ作品集 第8集 [ハーデン]BUSONI, F.: Piano Music, Vol. 8 (Harden) - 24 Preludes / Macchiette medioevali
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2013年03月20日
NMLアルバム番号:8.572845
CD価格:1,600円(税込)
ブゾーニ(1866-1924)の「24の前奏曲」は1880年から81年頃の作品で、恐らくショパンの同名の曲にフィーチャーされた書かれたものでしょう。ただし、調性の配置こそはショパンと同じですが、各々の曲の持つ雰囲気はかなり違います。その上で、ショパンのような鮮やかな統一性を求めるよりも、ここでは一つ一つの曲の味わいを追求するほうがふさわしいように思います。またキャッチーなメロディは少ないものの、噛めば噛むほどに味わいが増す、まさに大人のための音楽です。 もう一つの「中世のスケッチ」も素材こそ古風で、時としてシューマン風の香りを感じさせるも、やはり熟成した音色と響きはまさにロマン派の風合いであり、聴き手を陶酔の渦に巻き込むことは間違いありません。
収録作曲家:
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ズガンバーティ(1841-1914):
交響曲 第1番
コラ・ディ・リエンツォ [ローマ響/ラ・ヴェッキア]SGAMBATI, G.: Symphony No. 1 / Cola di Rienzo (Rome Symphony, La Vecchia)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2013年01月23日
NMLアルバム番号:8.573007
1)
CD価格:1,600円(税込)
ジョヴァンニ・ズガンバーティ(1841-1914)はイタリア人の父とイギリス人の母との間に生まれた作曲家です。トレヴィで初期の音楽教育を受けたあと、1860年にローマに移住。当時ローマに住んでいたフランツ・リストと親交を結んだことが、彼の音楽性の方向を決定付けました。この頃のイタリアはオペラが絶頂期を迎えていて、数々の名作が生まれていたのですが、ズガンバーティは敢えて室内楽や管弦楽作品を作曲し、「イタリア器楽曲のルネサンス」とも言える潮流を創り上げたのです。何しろ当時のイタリアはベートーヴェンの英雄交響曲ですら、演奏されたことがなかったのですから…。 そんな彼の音楽には、紛れもなくリストとワーグナーの影響が見て取れ、どれもドイツ風の重厚さとイタリア風の歌心が調和した魅力的な音楽となっています。地中海のさわやかな風を思わせる交響曲第1番、長い間楽譜が失われていた「コラ・ディ・リエンツォ」の序曲とも、素晴しく美しいメロディが耳に残ります。
収録作曲家:
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カゼッラ(1883-1947):
歌劇「へび女」- 交響的断章
序奏、アリアとトッカータ
ピアノと小管弦楽のためのパルティータ [キム・ヒユン/ローマ響/ラ・ヴェッキア]CASELLA, A.: Donna serpente Suites (La) / Introduzione, aria e toccata / Partita (Sun Hee You, Rome Symphony, La Vecchia)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2012年12月19日
NMLアルバム番号:8.573005
CD価格:1,600円(税込)
最近人気が急上昇中の作曲家の一人、カゼッラ(1883-1947)。NAXOSでも相次いでのリリースとなります。カゼッラの音楽を聴く喜びの一つには、圧倒的な音響効果にあると言えましょう。彼が強い影響を受けたマーラーをも凌駕するほどの厚みのあるサウンドと精緻な対位法やプロコフィエフやストラヴィンスキーを思わせる新古典派的な音の動きは、聴けば聴くほどに興味を誘うものです。 今回の3つの作品も面白いものばかりで、世界初録音となる「序奏~」は、まさに擬古典主義の音楽で、まるで映画音楽ばりの冒頭から引きこまれること間違いありません。諧謔的な楽しさに満ちたパルティータと、オペラ「蛇女」からの交響的断章も聴きどころたっぷりです。この「蛇女」はカルロ・ゴッツィの原作からなる寓話劇で、あのワーグナーのオペラ「妖精」も同じ原作からなるものです。精緻なオーケストラの響きを楽しみたい人にぜひオススメしたい1枚です。
収録作曲家:
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カセッラ(1883-1947):
管弦楽のための協奏曲 Op.61
戦争の記録/組曲 [ローマ響/ラ・ヴェッキア]CASELLA, A.: Concerto for Orchestra / Pagine di guerra / Suite (Rome Symphony, La Vecchia)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2012年10月24日
NMLアルバム番号:8.573004
5)
CD価格:1,600円(税込)
最近注目を集めている、イタリアの近現代を代表するカセッラ(1883-1947)の、3つ時代の作品をおなじみヴェッキアとローマ交響楽団の演奏でお届けいたします。あまりにも多様性に富んだ彼の作風は、一貫して捉えることが難しいのですが、そこが却って魅力的であり、聴いてみるまでは、どんな音楽が飛び出してくるのかわからないところに胸が躍るというわけです。 比較的初期に書かれた「組曲」は、彼が敬愛していたマーラーの響きの模倣が至るところに現れます。もともとはピアノ連弾のために書かれた「戦争の記録」は、彼が見た無声映画にインスピレーションを受けて書かれたものであり、短いながらも興味深い作品で、管弦楽版が初演された際は大絶賛されたといいます。「協奏曲」は、彼を長い間崇拝していた指揮者メンゲルベルクから委嘱された作品です。新古典派というよりも、バロック時代の合奏協奏曲に近いもので、各々の楽器が見事な役割をはたしています。ここには完成された世界があります。
収録作曲家:
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ヴォルフ=フェラーリ(1876-1948):
管楽器のための協奏曲全集 [テナーリア/モリコーニ/チャボッキ/ローマ響/ラ・ヴェッキア]WOLF-FERRARI, E.: Wind Concertinos (Tenaglia, Moriconi, Ciabocchi, Rome Symphony, La Vecchia)
■協奏曲
発売日:2012年09月19日
NMLアルバム番号:8.572921
1)
CD価格:1,600円(税込)
ヴォルフ=フェラーリ(1876-1948)と言えば、昔大切に聴いた「オーケストラ名曲集」の中に入っていた「マドンナの宝石」序曲を思い出す人が多いかもしれません。それはカラヤンの指揮であったか、それともポール・モーリアだったか・・・。どちらにしても甘いメロディと切ないオーケストラの響きが耳に残る名曲でした。 しかし、他の曲を聴いたことがある人はどのくらいいるのでしょう? イタリア人の母親とドイツ人の父親を持つ彼は、オペラで大成功を収めましたが、活動の初期と晩年には、たくさんの器楽曲も作曲し、そのどれもが素晴らしい表現力を誇っています。ここでは彼の管楽のための協奏曲を全て収録。一度聴いたら誰もが好きになること間違いありません。
収録作曲家:
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ブゾーニ(1866-1924):
ピアノ協奏曲 Op.39 [カッペッロ/ルカ・マレンツィオ合唱団/ローマ響/ラ・ヴァッキア]BUSONI, F.: Piano Concerto (Cappello, Luca Marenzio Choir, Rome Symphony, La Vecchia)
■協奏曲
発売日:2011年12月14日
NMLアルバム番号:8.572523
2)
CD価格:1,600円(税込)
音楽が肥大化を極めていた時代の申し子。
ありとあらゆる要素を詰め込んで、こんなに大きくなりましたイタリアの作曲家、フェルッチョ・ブゾーニが書いた唯一のピアノ協奏曲は、史上稀に見る破天荒なものでした。全5楽章、演奏時間は約80分、そして終楽章には男声合唱が入るというこの曲、もちろんピアノ・パートは演奏困難を極め、その上、曲もイマイチまとまりがなく、初演時ドイツの批評家からは「イタリア的な要素が入ってる」と言われ、イタリアの批評家からは、「ワーグナー風であり、終楽章もドイツ語だ」と批判される始末。歌詞はなんとアラーの神を讃えていたりしますし・・・。日本では、その存在は知られていたものの、なかなか演奏される機会がなく、ようやく2001年になって、あの超絶技巧で知られるアムランがようやく全曲初演を行ったというまさに珍曲中の珍曲ですが、この多種多様なものが流布する現在では、とりわけ奇異な存在と位置づける必要もありませんね。1976年、ブゾーニ国際ピアノコンクールで優勝した真のブゾジーニ弾き、カッペッロの納得の演奏でどうぞ。収録作曲家:
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マリピエロ(1882-1973):
自然の印象
間隙と静寂 [ローマ響/ラ・ヴェッキア]MALIPIERO, G.F.: Impressioni dal vero / Pause del silenzio (Rome Symphony, La Vecchia)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2011年11月16日
NMLアルバム番号:8.572409
1)
CD価格:1,600円(税込)
最近人気急上昇中のイタリアの近代作曲家マリピエロ。このアルバムは、いくつかの世界初録音を含む彼のカタログの隙間を埋める貴重なものとなっています。自然の印象三部作の第1番は、まだ印象派の影響が見て取れる色彩的な曲。ドビュッシーを思わせる柔らかい和声も聞こえてくる美しい作品です。1914年から15年作曲の第2番は荒々しさが加わり、何とも生命力溢れる曲となっています。そして第3番は1921年から22年に作曲されたもので、中でも「カプリのタランテラ」はストラヴィンスキーとまでは言わないものの、命の根源に迫るかのような激しさも見せてくれます(とはいえ、レスピーギにも近いかも)。象徴的なタイトルを持つ「間隔と静寂」も幽玄な作風が見られ、とりわけ第1番の静けさと力強さの対比は見事であり、マリピエロの管弦楽法の素晴らしさを体感することができるでしょう。
収録作曲家:
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ピツェッティ(1880-1968):
弦楽四重奏曲集 [ライタ四重奏団]PIZZETTI, I.: String Quartets Nos. 1 and 2 (Lajtha Quartet)
■室内楽
発売日:2011年10月19日
NMLアルバム番号:8.570876
6)
CD価格:1,600円(税込)
まるでドヴォルザーク? と聴きながらジャケットを見直してしまいそうな、第1番の弦楽四重奏曲。これを書いたのは、マリピエーロ、カセッラ、レスピーギと同世代のイタリアの作曲家ピツェッティ(1880-1968)です。彼はどちらかというと先進的な和声には嫌悪感を抱いていたようで、初期バロックやルネサンス音楽への回帰を目指していましたが、とはいうものの、抒情的な旋律を用い、和声も半音階的だったりと、かなり時代の風潮には忠実だったようです。さわやか香りを持つ前述の第1番に比べ、その約26年後に書かれた第2番は、明らかに後期ロマン派風の成熟した濃厚な音楽であり、ゆったりとした第1楽章では、おなじみのBACHの名前も音として引用されています。神秘的な音の流れは、そのまま第2楽章へと続き、見事な構造を持つスケルツォを経て、激しい終楽章へとなだれ込むのです。まさに「音のドラマ」です。
収録作曲家:
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フェラーラ(1911-1985):
悲劇的幻想曲
嵐の夜他 [ローマ響/ラ・ヴェッキア]FERRARA, F.: Fantasia Tragica / Notte di Tempesta / Burlesca / Preludio (Rome Symphony, La Vecchia)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2011年09月14日
NMLアルバム番号:8.572410
CD価格:1,600円(税込)
フェラーラが育んだもの・・・
アバド、ムーティ、シャイー、そしてヴィスコンティの名画などイタリアの指揮者、作曲家、音楽教育家であるフランコ・フェラーラの作品集です。イタリア、パレルモに生まれ、幼い頃から音楽を学び、5歳の時には、ピアノ・ソナタ(のようなもの)を作り上げ、家族を驚かせたと言います。家族と共にボローニャへ移住、コンソリーニにヴァイオリンを学び、ノルディオにピアノと作曲を学びます。彼は良きピアニストであり、また素晴らしいヴァイオリニストでした。イタリア各地で演奏活動を行ううちに、何人かの指揮者・・・グアルニエリ、トスカニーニ、マリヌッツィ・・・と出会い衝撃を受けたのです。そしてグアルニエリの奨めで指揮者に転向、1938年にフィレンツェ歌劇場でデビューし、1944年には聖チェチーリア音楽院管弦楽団の常任指揮者になります。しかし、その後体調を崩し、後進の指導や映画音楽の作曲などに専念しました。多くの才能ある指揮者を育て、また多くの映画音楽を指揮するなど、イタリアの音楽界にとって、なくてはならない人なのです。ここに収録された4つの作品は、そんな彼の活動を音にしたかのような劇的で華麗、そして表現力豊かな力作揃い。そのまま映画が何本も撮れそうな雰囲気に満ちた佳曲です。収録作曲家:
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レスピーギ(1879-1936):
ヴァイオリン協奏曲 イ長調他 [マルツァドーリ/ニューヨーク室内管/ディ・ヴィットリオ]RESPIGHI, O.: Violin Concerto in A major / Aria / Suite for Strings (Marzadori, Chamber Orchesta of New York, Ottorino Respighi, Di Vittorio)
■協奏曲
発売日:2011年08月17日
NMLアルバム番号:8.572332
2)
CD価格:1,600円(税込)
華麗なるオーケストレーションを学ぶためには、過去の作品への敬意を払うことが重要なのかもローマ三部作の強烈な色彩感で知られるイタリアの作曲家レスピーギ。もともとヴァイオリン奏者として活躍しただけあって、その生涯に何曲かのヴァイオリンの協奏的作品を書いてはいますが、この1903年に着手された最初のイ長調の協奏曲は、2楽章までは完成させたものの、第3楽章はピアノ伴奏のまま、結局完成されることなく忘れられてしまったものです。24歳の血気溢れる新進作曲家は、この作品でヴィヴァルディとメンデルスゾーンに立ち返ろうと意気込んだだけあって、なかなか良い作品であることは間違いありません。2010年の蘇演にあたり、指揮者のヴィットーリオは、スコアを丹念に洗い出し、若干未熟な第1楽章と第2楽章のオーケストレーションにも手を加え、レスピーギたる作品へと昇華させました。この録音にあたり、他の2曲にも編曲を加え、レスピーギ自身の改編である「ロッシーニアーナ」も演奏することで、大作曲家への敬意を表しています。
収録作曲家:
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カゼッラ(1883-1947):
交響曲 第3番他 [ローマ響/ラ・ヴァッキア]CASELLA, A.: Symphony No. 3 / Elegia eroica (Rome Symphony, Le Vecchia)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2011年08月17日
NMLアルバム番号:8.572415
20)
CD価格:1,600円(税込)
イタリアのマーラー、あるいはショスタコーヴィチ。
もちろん美しい部分も、暴力的な部分もご用意してますNAXOSのカゼッラ・シリーズは回を重ねる毎に少しずつ人気が高まってきています。このアルバムには、2つの世界大戦後に書かれた2つの作品が収録されています。焼けつくような不協和音と、慟哭に満ちた「英雄のエレジー」は、第1次世界大戦の犠牲となったイタリア人兵士へのオマージュ。交響曲第3番は、第1番・第2番の交響曲が書かれてから、およそ30年を経てから作曲されたもの。その間カゼッラは交響曲という作品を書きたいという欲求に突き動かされることがなかったとのことですが、シカゴ交響楽団の創立50周年の記念に作品を委嘱されたことで、「自分の今の思いを託すには、交響曲という形が最もふさわしい」と悟った彼は、自分の持てる力をこの第3番の交響曲へ全て注ぎ込みました。新古典派や、当時のアメリカの作曲家たちの影響も感じられますが、第2楽章の美しい部分や、スケルツォ楽章などは紛れもなくカゼッラ独特の音楽です。収録作曲家:
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マリピエロ(1882-1973):
ゴルドーニの3つの喜劇他 [スイス・イタリア語放送管/ベンダ]MALIPIERO, G.F.: Tre commedie goldoniane / Stradivario / La Cimarosiana / Gabrieliana (Orchestra della Svizzera Italiana, C. Benda)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2011年03月16日
NMLアルバム番号:8.570883
CD価格:1,600円(税込)
マリピエロは既に知られている通り、音楽学者としての顔と、作曲家としての顔。その2つをうまく使い分けていたようです。このアルバムに収録されているのはオリジナル作品が2つと、編曲作品が2つで、彼の個性の両面を味わえます。ヴェネツィア共和国の劇作家ゴルドーニの喜劇のために書いた3つの断章と、バレエ「ストラディヴァリオ」ではモダンな響きが楽しめ、「チマロージアーナ」と「ガブリエーリアーナ」では清々しい原曲に絡みつく色彩豊かな管弦楽の響きを堪能できます。彼は作曲家として、ほとんど独学でスタイルを確立できたのは、モンテヴェルディとヴィヴァルディの音楽を徹底的に研究したという成果があるのでしょうね。
収録作曲家:
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カステルヌオーヴォ=テデスコ(1895-1968):
シェイクスピア序曲集 第2集 [西オーストラリア響/ペニー]CASTELNUOVO-TEDESCO, M.: Shakespeare Overtures, Vol. 2 (West Australian Symphony, Penny)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2010年12月15日
NMLアルバム番号:8.572501
16)
CD価格:1,600円(税込)
第1集(8.572500)で、その劇的で壮大な音楽に驚かされた人も多いことでしょう。カステルヌオーヴォ=テデスコ(1895-1968)のシェイクスピア序曲集の第2集です。まるで映画を見るかのように、シェイクスピアの名作の各々場面を彷彿させ、ここまで想像を膨らませるだけの音楽を書くには、相当作品を読み込んでいたのでしょう。「お気に召すまま」ではアーデンの森に響き渡る角笛の音で幕を開けます。羊飼いたちと主人公たちの恋愛騒動は、まるでワーグナーを思わせる森のささやきと共に描かれていくのです。トスカニーニに献呈された「ヴェニスの商人」では重苦しい弦のユニゾンで幕を開けます。聴き手は、シャイロックとアントニオのやりとりを頭の中で描きながら音楽に没頭できます。他の3曲も素晴らしい描写力です。
収録作曲家:
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ガローファロ(1886-1962):
ヴァイオリン協奏曲/ロマンティック交響曲 [スタドラー/新モスクワ響/スピーゲルマン]GAROFALO, C.G.: Violin Concerto / Romantic Symphony (S. Stadler, New Moscow Symphony, Spiegelman)
■交響曲/管弦楽曲 ■協奏曲
発売日:2010年10月13日
NMLアルバム番号:8.570877
CD価格:1,600円(税込)
マリピエーロやカセッラ、ピッツェッティと同じ時期に生まれたイタリアの作曲家ガローファロ(1886-1962)の作品です。若き頃は神童ともてはやされ、多くのオルガン作品や宗教曲を作曲した人ですが、あまり表だった活動をしなかったため、すっかり忘れ去られてしまったという良くあるパターン。そんな作曲家を忘却の彼方から掬いあげたのがアメリカの作曲家=指揮者、スピーゲルマンだったのです。彼は1994年のモスクワ公演でこの作曲家の「ロマンティック交響曲」を演奏。聴衆から大絶賛されたのでした。ずっとMARCOPOLOレーベルで安定した人気を誇っていた魅力的なアルバムですが、この度NAXOSに再登場。確かに一度聴いたら忘れられなくなるほどの佳作です。
収録作曲家:
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ピッツェッティ(1880-1968):
ピアノ三重奏曲&ヴァイオリン・ソナタ他 [ラショーニ/フェニェー/エルチュンゲアルプ]PIZZETTI, I.: Piano Trio / Violin Sonata / 3 Canti (Rasonyi, Fenyo, Ertungealp)
■室内楽 ■器楽曲(ヴァイオリン)
発売日:2010年09月15日
NMLアルバム番号:8.570875
CD価格:1,600円(税込)
一時期はプッチーニよりも高く評価された人、しかし、時代の流れに埋もれてしまい再復興の機会を待つばかり1921年にロンドンで刊行された「ミュージカル・タイムズ」誌上で「今日の最も偉大なるイタリアの作曲家」として紹介されたのは当時41歳のピッツェッティでした。とは言うものの、この時にはまだプッチーニは存命であり、音楽界で超大な影響力を誇っていたため、ピッツェッティの存在に目を留める人などほとんどおらず、彼がメジャーな作曲家となるにはまだまだ年月を要することでしょう。このアルバムに収められたヴァイオリン・ソナタはそんな絶賛を浴びる少し前に書かれたもので、戦争時の暗い不安を感じさせながらも、セザール・フランクのヴァイオリン・ソナタとの共通性を感じさせる力強く輝かしい作品です。1925年に書かれたピアノ三重奏も同じ傾向を持つ曲で、なかなか親しみ易い楽想に満ちた美しい作品です。「3つの歌」は彼の娘、マリア・テレサに捧げられた比較的簡素な小品。ほっとするような静けさに満ちています。
収録作曲家:
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カセッラ(1883-1947):
交響曲 第2番 ハ短調 Op.12
ピアノとオーケストラのための「深夜に」 [ユ・ソンヒ/ローマ響/ラ・ヴェッキア]CASELLA, A.: Symphony No. 2 / A notte alta (Sun Hee You, Rome Symphony, La Vecchia)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2010年09月15日
NMLアルバム番号:8.572414
1)
CD価格:1,600円(税込)
マーラーを聴いて、ドビュッシーは途中で席を立ったが、強く影響されたカゼッラは、この交響曲を書いた1910年4月17日、マーラー自身の指揮による「復活交響曲」がフランスのシャトレ劇場に鳴り響きました。その時、ドビュッシーは途中で退場してしまいましたが、若き作曲家カゼッラの体は興奮で打ち震えていたのです。そして強い感銘を受けたカゼッラがこの交響曲を書いたのは当然の成り行きと言えるでしょう。最初の音、そして打ち鳴らされる鐘の音。これはまさにマーラーそのもの。人間の苦悩を一身に背負ったかのような悲痛な表情を見せています(この交響曲は結局公表されることなく、すっかり忘れ去られてしまっていたものですが、あまりにもマーラーの影響が強いことに気づいた彼自身が封印してしまったのでしょうか? )。イタリア人でありながら、ドイツ音楽へ深く傾倒した彼の根底には、こういう事情があったようです。同じく公表されることのなかった、彼の第1番の交響曲は 8.572413 で聴くことができます。
収録作曲家:
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カセッラ(1883-1947):
交響曲 第1番 ロ短調 Op.5他 [スクックリア/セラヴォーロ/ローマ響/ラ・ヴェッキア]CASELLA, A.: Symphony No. 1 / Concerto for Piano, Timpani, Percussion and Strings (Scuccuglia, Ceravolo, Rome Symphony, La Vecchia)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2010年08月18日
NMLアルバム番号:8.572413
25)
CD価格:1,600円(税込)
イタリアの天才、カセッラ、フランスの影響、独自の語法、そして新しい音楽へ最近、人気が復興しつつあるイタリアの作曲家、カセッラの管弦楽作品を4枚のアルバムに収録するシリーズの第1作です。世界初録音となる交響曲第1番は、作曲家の23歳の誕生日の前日に完成された作品です。パリ音楽院でフォーレに作曲を学んだ彼らしく、先人の影響も多分に認められますが、至るところに若き自信のようなものも感じられ、独自の道を切り開こうとする青年の苦悩が散りばめられているかのようです。暗く垂れこめた雲の間から光が射すかのように美しい第2楽章に心惹かれぬ人はいないでしょう。かたや1943年に作曲された「協奏曲」はまるで筋肉が収斂するかのようなメカニカルで躍動的な音楽です。40年ほどの年月を経ると人はこのように変化していくのですね。しかし終楽章にはまたロマンティックな風景に立ち返ります。これが彼における原風景なのかもしれません。
収録作曲家:
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イタリアのクラリネット組曲集 [ボシ/バルトリ]
Clarinet Recital: Bosi, Sergio - LONGO, A. / BUSONI, F. / SCONTRINO, A. / FRUGATTA, G. (Italian Clarinet Suites)
■器楽曲
発売日:2010年03月17日
NMLアルバム番号:8.572399
21)
CD価格:1,600円(税込)
このままオペラに負けてなるものか。器楽曲を愛するイタリアの作曲家たちの決起集会ここにあり20世紀前半、レスピーギやマリピエロ、カゼッラたちが現れるまで、イタリアの器楽曲はどうしてもオペラの勢いに押されてしまいがち。しかし、そんな中でも一部の作曲家たちは「伝統と現代性の妥協点」を探るべく、クラリネットとピアノのための優れた組曲を作曲しました。このアルバムに収録されたのは、そんな作品たち。古典的形式を極めたロンゴ、印象派の影響を強く受けているスコントリーノ、後期ロマン派の香り漂うフルガッタ。そして情緒的で感傷的なブゾーニのエレジー。と個性はさまざまですが、どの曲もクラリネットの音の持つ独特の憂愁を見事に生かした歌心溢れる作品となっています。
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マリピエロ(1882-1973):
交響曲集 第4集 [モスクワ響/アルメイダ]MALIPIERO, G.F.: Symphonies, Vol. 4 (Almeida) - No. 7 / Sinfonia in un tempo /Sinfonia per Antigenida
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2010年02月17日
NMLアルバム番号:8.570881
CD価格:1,600円(税込)
隠れファン多し! マリピエロ、最初は取っ付きにくいけれど一度はまるとクセになる。イタリアの近代作曲家、マリピエロは番号なしの作品も含めると、全部で17曲もの交響曲を書いています。ここに収録された第7番を書いたあと、彼は少しの間番号なしの「シンフォニア」を書くことで自身の思いを整理したと言われていますが、この第7番も随分変わった佇まいの印象的な作品で、とりわけ重厚な第2楽章はレスピーギ好きにも一度は聴いていただきたいところです。シンフォニア・ペル・アンティジェニーダとは古代のテーベのpiffero吹き(木製のピッコロ)のシンフォニアの意味。複雑な構成の曲ですが、タイトル通りに笛が自由自在に歌うところが聴きものです。
収録作曲家:
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ブゾーニ(1866-1924):
ピアノ作品集 第6集 [ハーデン]BUSONI, F.: Piano Music, Vol.6 (Harden) - Piano Sonata in F minor / Prelude et etude / Liszt - Fantasy and Fugue on Ad nos, ad salutarem undam
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2010年01月27日
NMLアルバム番号:8.572077
CD価格:1,600円(税込)
ブゾーニは、バッハの音楽を愛しつつ、ピアノの持つ能力を限界まで引き出そうとしたブゾーニのピアノ作品集第6集は、彼の初期の作品から2つの大きな作品を中心に収録しています。リストの「幻想曲とフーガ」はもともとリストがマイアベーアの「予言者」のメロディを基に作曲したオルガン曲で、リスト自身「2台ピアノ」での演奏は想定していたようですが、まさかピアノソロに編曲されるとは思いもよらぬものだったのではないでしょうか。ブゾーニの編曲はリストの原曲にほとんど忠実なもので、もちろん技術的にも困難なものを要求していることは間違いありません。彼の編曲の腕前を存分に堪能できるはずです。ピアノ・ソナタはブゾーニが10代半ばに書きあげた大作ですが、1980年代まですっかり忘れ去られていました。ロマン派後期の音楽の特徴溢れる意欲的な曲で、ブラームスと、アントン・ルービンシュタイン双方の影響を感じさせる劇的で壮大なロマンティシズムに溢れています。前奏曲とアルペジョの練習曲は、不安気な音が交錯する晩年の作品。飛び交う音の粒を支える不気味な低音部が一種異様な雰囲気を醸し出しています。
収録作曲家:
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ピッツェッティ(1880-1968):
ピアノ協奏曲「真夏の歌」 [ロベルト・シューマン・フィル/カエターニ]PIZZETTI, I.: Canti della Stagione Alta / Fedra: Preludio / Cabiria: Sinfonia del fuoco (Robert Schumann Philharmonie, Caetani)
■協奏曲
発売日:2009年10月21日
NMLアルバム番号:8.570874
1)
CD価格:1,600円(税込)
静かな情緒がたっぷり染みわたるエレガントで美しいピアノ協奏曲以前MARCO POLOレーベルから出ていたピッツェッティの数少ない録音がNAXOSより再発となりました。このむせかえるようなロマンティックな音楽を多くの人に聴いていただけるのは、なんという大きな喜びなのでしょう! ピッツェッティが幸せの絶頂期にあった時に書かれたピアノ協奏曲「真夏の歌」は(残念ながらこの演奏には含まれていませんが)、イタリアの名ピアニスト、ベネデッティ・ミケランジェリのために作曲家自身がカデンツァを書いたことでも知られています。そしてダヌンツィオの悲劇「フェドーラ」による歌劇の情熱的な前奏曲と無声映画「炎の交響曲」のために書かれたカリビーアも聴きごたえのある名曲です。
収録作曲家:
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マリピエロ(1882-1973):
交響曲集 第3集 [モスクワ響/アルメイダ]MALIPIERO, G.F.: Symphonies, Vol. 3 (Almeida) - Nos. 5, 6, 8, 11
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2009年09月16日
NMLアルバム番号:8.570880
CD価格:1,600円(税込)
渋い美しさを放つマリピエロの「弦楽のための交響曲」、NAXOSスタンダードに再登場第1集(8.570878)、第2集ともに好評なマリピエロ(1882-1973)の交響曲集、この第3集は彼の作品の中でも最も演奏頻度の高い第6番「弦楽のための」が含まれています。フランス印象派の影響を受けていると言われる彼の作品ですが、実際に聴いてみると古典的なフォルムの中に実に多彩な表現が詰め込まれていることがわかるでしょう。彼は生涯を通じて旋律の魅力を追求したため、最後の交響曲である1969年に書かれた第11番「バグパイプ」にさえも、魅力あふれるメロディが横溢しています。
収録作曲家:
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アルファーノ(1875-1954):
ヴァイオリン、チェロとピアノのためのコンチェルト
チェロ・ソナタ [マギル/ダン/ダルヴァロヴァ]ALFANO, F.: Cello Sonata / Concerto for Violin, Cello and Piano (Magill, Dunn, Darvarova)
■器楽曲
発売日:2009年09月16日
NMLアルバム番号:8.570928
1)
CD価格:1,600円(税込)
名作を完成させてしまったばかりに自分自身の影が薄くなってしまった大作曲家最近では、プッチーニの未完のオペラ「トゥーランドット」の補筆者としてのみ知られるアルファーノですが、彼自身才能に溢れた作曲家でもありました。その作品のほとんどはオペラでしたが、ここで聴けるような大規模な室内楽も素晴らしい出来栄えを誇っています。「コンチェルト」と題されたピアノ三重奏曲には、バスク地方の民族音楽と、漂うような抒情性が相俟って、独自の美しい響きが醸し出されています。冒頭から恐ろしいほどの緊張感を漲らせたチェロ・ソナタはドビュッシーやラヴェルの影響も感じさせる流麗さも兼ね備えています。これらの曲の狂おしいほどの美しさには息が止まる思いがすることでしょう。
収録作曲家:
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マルトゥッチ(1856-1909):
管弦楽作品全集 第4集 [ローマ響/ラ・ヴェッキア]MARTUCCI, G.: Orchestral Music (Complete), Vol. 4 (Rome Symphony, La Vecchia) - Piano Concerto No. 2 / Momento musicale e Minuetto / Novelletta
■交響曲/管弦楽曲 ■協奏曲
発売日:2009年08月26日
NMLアルバム番号:8.570932
2)
CD価格:1,600円(税込)
A.ルービンシュタインもトスカニーニも、ワインガルトナーもマーラーも愛した協奏曲大好評、マルトゥッチ管弦楽作品集の第4集は、彼の作品の中でも最も有名な「ピアノ協奏曲第2番」を中心に収録しました。このピアノ協奏曲は、あのマーラーが生前最後にカーネギー・ホールで行った演奏会のプログラムに含まれていたことで知られています。(当時、すでに体調が悪化していたであろう彼にとっては、この大曲を指揮するのはかなり大変だったのではないでしょうか?)第1楽章は演奏時間こそ20分と長いものの、次々と現われては消えていく雄大で美しいメロディを追うだけでも楽しいですし、それに続く夢のように美しい第2楽章ラルゲットと、華やかで息詰まるようなオケとピアノの対決が楽しめる第3楽章も聴きどころ満載です。後期ロマン派の最後の輝きを存分にお楽しみください。余白に収められた小品も、これまた味わい深くて何だか得した気分です。
収録作曲家:
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マリピエロ(1882-1973):
交響曲集 第2集 [モスクワ響/アルメイダ]MALIPIERO, G.F.: Symphonies, Vol. 2 (Almeida) - Nos. 1 and 2 / Sinfonie del silenzio e de la morte
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2009年07月29日
NMLアルバム番号:8.570879
1)
CD価格:1,600円(税込)
イタリア伝統音楽に不協和音を溶け込ませた急進派、海外で高い評価を受けた伝説の名盤、ここに復刻同時代に活躍したレスピーギに比べると、どうしても知名度の点で劣ってしまうのですが、独自の作品を書いたという面では、このマリピエロの存在価値はとても高いものだと思われます。ここに収録された3つの作品のうち第1曲目は初期のもの。30歳のころに新古典派に目覚めた彼はそれまでに書いた作品を全て自己否定してしまった中の一つです。実はとても素晴らしいのですが・・・。それから20年を経て、番号付きの作品を書き始めた彼の作風の変化もお楽しみいただけます。
収録作曲家:
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マルトゥッチ(1856-1909):
管弦楽作品全集 第2集 [ローマ響/ラ・ヴェッキア ]MARTUCCI, G.: Orchestral Music (Complete), Vol. 2 (Rome Symphony, La Vecchia) - Symphony No. 2 / Theme and Variations / Tarantella / Gavotta
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2009年06月24日
NMLアルバム番号:8.570930
CD価格:1,600円(税込)
確かにオペラ的なものを求める人には向かないだろう。しかし、交響曲を聴きたい人にはばっちりだベルカントから純音楽へ・・・「オペラではないイタリア音楽の再生」を図ったマルトゥッチ。彼の最高傑作の一つ、交響曲第2番です。この曲は1904年に完成されたブラームスとシューマンへの思い入れを感じさせる堂々たる大曲です。当時「演奏反対運動」が巻き起こったにも拘わらずマルトゥッチは各地で初演を断行、以降はこの曲を愛したトスカニーニによって演奏が引き継がれたという曲、交響曲としての完成された形と、メロディ、語法全てがバランス良く集積された聴き応えのあるものになっています。
収録作曲家:
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ピッツェッティ(1880-1968):
夏の協奏曲他 [テッサローニキ州立響/ミカイリディス]PIZZETTI, I.: Concerto dell'estate / La festa delle Panatenee (Thessaloniki State Symphony, Michailidis)
■協奏曲
発売日:2009年06月24日
NMLアルバム番号:8.572013
1)
CD価格:1,600円(税込)
ロマン派の香りが漂う名作が多数あるのにまだまだ聴かれることが少ないピッツェッティの作品集1968年4月(ピッツェッティの死から2か月後)、音楽学者ウォーターハウスは「カセッラおよびマリピエーロと並ぶイタリア現代作曲家であるピッツェッティ」に対する讃美の文章を発表しました。彼は1940年代にはファシズム政権と親しかったり、「皇紀2600年奉祝曲」(交響曲イ調)を作曲したりとユニークな経歴の持ち主でもあります。このアルバムには、彼の40年に及ぶ創作活動から生まれた珠玉の作品の中から世界初録音を含む4曲を収録しています。バロックの形式を踏襲した「夏の協奏曲」、初期の作品の中でもきわめて独創的な「交響的前奏曲」、他晩年の作品まで、現在決して人気が高いとは言えないピッツェッティの作品の偉大なる片鱗が明らかになることでしょう。
収録作曲家:
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マルトゥッチ(1856-1909):
管弦楽作品全集 第1集 [ローマ響/ラ・ヴェッキア]MARTUCCI, G.: Orchestral Music (Complete), Vol. 1 (Rome Symphony, La Vecchia) - Symphony No. 1 / Nocturne / Andante / Canzonetta / Giga
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2009年05月27日
NMLアルバム番号:8.570929
CD価格:1,600円(税込)
オペラを指揮しても、作曲はしないから。そんな頑固なマルトゥッチの美しいオーケストラ作品名ピアニストで指揮者、そして19世紀後半の最も主要なイタリアの作曲家であるマルトゥッチは、当時の「オペラ万能主義」から脱却を試みた最初の一人です。指揮者としての彼は、「トリスタンとイゾルデ」のイタリア初演を指揮しているのですが、作曲家としての彼はあえてオペラを作曲することはせず、純粋器楽音楽の復興を目指し、交響曲や協奏曲、室内楽曲を数多く作曲しました。この交響曲第1番は、ちょっと聴くとまるでブラームスのような、分厚い響きと熱いうねりを帯びた大作です。まるで歌曲のような4曲の小品がまた絶品です。
収録作曲家:
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トーニ(1922-1993):
室内楽作品集 [エクス・ヌォーヴォ・アンサンブル]TOGNI, C.: 3 Studies on Morts sans sepulture / Flute Sonata / Violin Sonata / String Trio (Ex Novo Ensemble)
■器楽曲
発売日:2009年04月22日
NMLアルバム番号:8.572074
CD価格:1,600円(税込)
心の赴くままにメロディを綴る人があれば、熟考の末に音を生み出す人もいるカミッロ・トーニは20世紀イタリアの作曲家です。若き頃にはカセッラたちと学び、様々な技法を習得しました。(ピアノはアンフォッシとミケランジェロに学んでいます)しかし彼の作風は後期ロマン派の様式を有し、そこには明らかにシェーンベルクの影響が見て取れます。このアルバムには彼の30年間の仕事が収められていて、彼の愛した詩人や作曲技法を伺い知ることができます。サルトルの詩を用いた「3つの習作」は、歌のメロディはフランス風で全音階的ではなく半音階的。4つの音符の音列を用いて曲を発展させることに力を注いでいるようです。興味がある人は分析を試みてください。
収録作曲家:
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レスピーギ(1879-1936):
カンタータ「春」
アルメニアの詩人の語る4つの詩
バレエ音楽「魔法の鍋」 [スロヴァキア放送ブラティスラヴァ響/アドリアーノ]RESPIGHI, O.: Primavera (La) / Quattro Liriche / La pentola magica (Slovak Radio Symphony, Adriano)
■声楽曲
発売日:2009年02月25日
NMLアルバム番号:8.570741
CD価格:1,600円(税込)
まるでリロシアの音楽のように饒舌で濃厚な音楽、レスピーギの隠れた名曲がNAXOSに登場ここに収録された3つの作品はそれぞれ独自の特色を持った興味深い作品です。古代アルメニアの旋律を効果的に用いた、カンタータ「春」、こちらもアルメニアの詩を用いつつも古い教会旋法のおかげで不思議な雰囲気を有している連作歌曲、そしてロシアの作曲家たちに敬意を払った「魔法の鍋」。どれもが大胆な管弦楽法と色彩豊かな音色で聴き手を魅了します。「ローマ三部作」だけがレスピーギではありません。
収録作曲家:
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ブゾーニ(1866-1924):
ピアノ作品集 第4集 [ハーデン]BUSONI, F.: Piano Music, Vol.4 (Harden) - Elegien / Fantasia nach J. S. Bach / Toccata
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2008年10月08日
NMLアルバム番号:8.570543
CD-R価格:1,600円(税込)
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ピラティ(1903-1938):
管弦楽ための協奏曲他 [スロヴァキア放送ブラティスラヴァ響/アドリアーノ]PILATI, M.: Concerto for Orchestra / Suite for Strings and Piano (Nemec, Slovak Radio Symphony, Adriano)
■交響曲/管弦楽曲 ■協奏曲
発売日:2008年10月08日
NMLアルバム番号:8.570873
CD価格:1,600円(税込)
名指揮者アドリアーノが作曲家の自筆譜を研究、よみがえらせた色彩豊かな麗しい作品たち1903年にナポリで生まれたピラティは、シェルシやダッラピッコラ、ペトラッシ、リエーティらと同世代に属する作曲家です。レスピーギやカセッラ、トスカニーニとも親交があり、35年の短い生涯を終えるまでに多数の作品を残しました。死後しばらく忘れられていましたが、最近再評価が進んでいます。作風はあくまでも穏やかで古典的。まるで映画音楽のように華やかな部分も持ち合わせています。
収録作曲家:
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ブゾーニ(1866-1924):
ヴァイオリン・ソナタ 第1番・第2番
バガテル集 [ジョセフ・リン]BUSONI, F.: Violin Sonatas Nos. 1 and 2 / 4 Bagatelles (Joseph Lin, Loeb)
■器楽曲(ヴァイオリン)
発売日:2007年09月01日
NMLアルバム番号:8.557848
CD価格:1,600円(税込)
若き巨匠の渾身の作ブゾーニといえば、「バッハの編曲でも知られる過去の大ピアニスト」程度の認識になってしまった不幸な時代もありましたが、作曲家としての全体像も急速に再評価されつつあります。当盤収録の2曲のヴァイオリン・ソナタも、両曲とも若書きの作品ではありますが、ブゾーニの作曲家としての本格派ぶりを堪能できる良作といえます。ブラームスやシューマン、あるいはベートーヴェンの影響も感じられますが、円熟期の作品に通ずる風格が芽生えていることもまた確かです。特に第2番はブゾーニ本人が「これが自分の真の作品番号1(Op.1)」であると述べた自信作であり、長大な変奏曲である第3楽章はとりわけ味わい深いものといえましょう。
収録作曲家:
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ブゾーニ(1866-1924):
ピアノ作品集 第2集
ショパンのハ短調前奏曲による変奏曲とフーガ
バッハ シャコンヌ他 [ハーデン]BUSONI, F.: Piano Music, Vol.2 (Harden) - Bach - Chaccone / Variations and Fugue on Chopin's Prelude in C minor
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2002年01月01日
NMLアルバム番号:8.555699
CD価格:1,600円(税込)
何故か知られざる傑作変奏曲を集めてここでは猫も杓子も演奏する超有名作(にしてもちろん傑作)の「シャコンヌ」に代えて、その素晴らしさを大いに喧伝したのが、「ショパン変奏曲」です。ブゾーニはこの曲には特にこだわりがあったらしく、後に徹底的な改作を施していますが、こちらの初期ヴァージョンも別個に、極めて豊潤なピアノ書法が横溢した傑作変奏曲として、評価されてしかるべき内容を持っています。そもそも後の先見性の萌芽が十二分に見られた作品であったからこそ、改作もされたともいうべきでしょう。皮相なピアニズムの展開に陥ることもない一方、演奏効果の点でも申し分なく、同じ主題を用いた、ラフマニノフの「ショパン変奏曲」に勝るとも劣らない逸品です。
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レスピーギ(1879-1936):
ピアノ曲「リュートのための古い舞曲とアリア」
「ピアノのための6つの小品」他 [シチェルバコフ]RESPIGHI, O.: Piano Music (Scherbakov) - Ancient Airs and Dances / 6 Pieces / Piano Sonata in F minor
■器楽曲(ピアノ)
発売日:1997年12月01日
NMLアルバム番号:8.553704
25)
CD-R価格:1,600円(税込)
独自の美しさに包まれたレスピーギの知られざる世界全く知られていませんが、レスピーギには美しいピアノ曲が沢山あります。中世のリュート曲の斬新な編曲である「古風な舞曲とアリア」も新たな曲順の魅力的な組曲になっています。「優しいワルツ」は実に優雅なサロン小品。そしてすこぶる美しいのが「夜想曲」。印象派の作品を思わせる実に柔和な光の綴れ織りです。「間奏曲セレナータ」もとろけるような甘さで鼻孔をくすぐります。ソナタは極めて珍しい初期作品。そして後に管弦楽曲「教会のステンドグラス」になった前奏曲は中世風の哀感がにじむレスピーギの傑作です!
収録作曲家:
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レスピーギ(1879-1936):
ローマ三部作 [ロイヤル・フィル/バティス]RESPIGHI, O.: Symphonic Poems (Royal Philharmonic, Batiz) - Roman Festivals / Pines of Rome / Fountains of Rome
■交響曲/管弦楽曲
発売日:1992年01月01日
NMLアルバム番号:8.550539
95)
CD価格:1,600円(税込)
これぞ音の万華鏡! オーケストラの楽しさを満喫するには、まずこの1枚からド派手な音楽を聴きたい! そう思った方はぜひこのアルバムをどうぞ。イタリアの近代作曲家レスピーギ(1879-1936)の名曲です。フランス印象派、とりわけラヴェルの影響を受けているという彼の作風を体感するのにうってつけの曲。まさに極彩色の音絵巻を味わってみてください。 この三部作、まずは、どこの国でも祭りの熱気は変わらないことを認識させてくれる「ローマの祭り」、七色の水しぶきが感じられる「ローマの噴水」、そして「ローマの松」での描写力の凄まじさはとても言葉では尽くせません。虚空から鳥が囀り、聴き手を夜の夢へと誘うひと時、そして古代の軍隊の行進の圧倒的迫力! 1942年、メキシコ生まれの指揮者エンリケ・バティスによる説得力たっぷりの名演です。
収録作曲家: