私が主催する料理教室には、いろいろなお客様がやってきます。ポルトガルやマカオなど珍しい料理も作っているので、プロのコックさんや食べることが大好きな主婦、旅好きの人たちも集まってきます。ある日、世界中を旅して特にアジアの裏町情報に詳しいつわものどもが揃ったことがありました。アボガドのサラダをお出ししたのですが、ドレッシングに蜂蜜を入れると説明すると「エーッ！」とブーイング。

料理に甘味が入るのがいやだったのでしょうね。きっと、世界中で塩や香辛料、発酵調味料で味付けされたおいしいものをたくさん食べてきたのでしょう。

さて、その時の一皿は、切ったアボガドにフロール・ド・サルをパラパラとふりかけ、果汁と蜂蜜とオリーブオイルで作ったドレッシングをかけただけのもの。不安げなお客様の顔を見ながら、だいじょうぶ、まずは食べてみて。

さて反応は…。アボガドを口に入れて、一瞬表情が止まり、それからお皿に残ったドレッシングを飲み干していました。心の中で「やったね！」とVサイン。どうやらみなさまのお口に合ったようです。オリーブオイルも果汁ですから、このドレッシングはジュースのように飲めます。今回のレシピでは、アボガドの皮をカップにして、ちょっとおしゃれな前菜にしてみました。