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生焼けカステラ パン・デ・ロー
カステラの語源はポルトガルともスペインとも言われていますが、日本にこのおいしいお菓子をもたらしてくれたのは、ポルトガル人でした。
ポルトガルでは、カステラのことは"パン・デ・ロー(Pao-de-lo)"と言います。日本のものは長方形ですが、本家では大小の円形や四角もあり、焼き加減もいろいろ。地方によってレシピも微妙に違います。完全に火を通した、どちらかというとパサパサした感じのスポンジケーキのようなものはカフェでもよく見かけますが、生焼けタイプは、切ると卵黄クリームがトロリ。
このカステラは卵が命、粉はほんの少ししか使いません。だから新鮮でいい卵を使って下さいね。しっかり泡立てると、生地がクリームのようにもったりとツヤツヤしてきます。
レシピでは、190度で16分と中途半端な時間になっていますが、これは中央が卵黄クリームのようになり、流れ出さないくらいの焼き加減。お好みで15分から20分までの間で調整してみて下さい。
今回は珍しい生焼けの方をご紹介しますが、パン・デ・ローはコーヒーや紅茶だけではなく、食後にマデイラワインやポートワインといっしょにいただいてもおいしいのです。シンプルですが、味わい深いポルトガルのお菓子、箱に入れてクリスマスプレゼントにしてもすてきです。
作り方
- 下準備をします。型の底と回りに紙を敷く。粉は合わせてふるっておく。オーブンは190度に余熱する。
- 大きなボウルに卵を全部入れてほぐす。砂糖を少しずつ加えながらハンドミキサーで白くもったりとするまで泡立てる。目安は泡立て器を持ち上げたときに、生地が幅のあるリボン状に落ちるくらい。
- 薄力粉を2回に分けて加え、ゴムベラで粉が見えなくなるまで手早く混ぜ合わせる。ブランデーを入れてまぜる。
- 型に生地を流し入れ、190度のオーブンで16分焼く。
- 網にのせて冷ます。完全に冷めてから型から取り出して切り分ける。
※周辺は火が通り、中心部は生焼けの状態で加熱を終了する。余熱でも火が入るので焼きすぎに注意。型の材質や卵の量などで、焼き時間を微妙に1分ずつ調整するとよい。完全に火を通したいときは190度で20分焼く。
レシピ提供者:丹田いづみ (Tanda Izumi)さん
【プロフィール】
1983年に初めてポルトガルを旅して以来、料理や風土、人に惹かれて度々訪れるようになる。会社勤務のかたわらヨーロッパ、アメリカ、アジアなど各国を旅してその食のイメージを元に料理教室を主宰。
2006年から京都で週末だけのポルトガル料理店「レストランBoaBoca」を開く。2017年、長年暮らした京都を離れ地産地消の徳島に移住。現在はレシピ制作やケータリング、各地で不定期に移動レストランを開いている。