ジュベール=カイエ(フランソワ)
生没年 | - | 国 | |
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辞書順 | 「シ」 | NML作曲家番号 | 133856 |
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『コンソートの記念碑』
- トーマス・メイス(1613-1706)著『音楽の記念碑』に基づく再現楽器による、コンソート・オブ・ヴァイオルズ黄金期の音楽 - [ラシェロン フランソワ・ジュベール=カイエ]Instrumental Ensemble Music - FERRABOSCO II, A. / MONTEVERDI, C. / WARD, J. (A Consort's Monument) (Joubert-Caillet, L'Achéron)
発売日:2020年04月10日 NMLアルバム番号:RIC413
CD価格:2,475円(税込)
凝った再現楽器が奏でる、瑞々しいヴァイオル合奏多彩な音楽家であり音楽理論家であったトーマス・メイスが1676年に著した『音楽の記念碑 Musick’s Monument』は、ヴァイオル(ヴィオール)の合奏が全盛期を迎えていた当時のロンドンで聴かれた様々な音楽の形がまとめられているほか、演奏にむけての練習法や楽器の作り方までが書かれた大変貴重な資料です。ジュベール=カイエ率いるラシュロンは、この記述に沿って1セット6挺のヴァイオルを作り、さらに今回新たにヴァージナルとコンソート・オルガンも新調し、ヴァイオル合奏黄金期の作品に取り組みました。 モンテヴェルディのマドリガーレ以外は、イタリア風の名前も含めて全て当時イギリスで活躍した作曲家たち。ともすると、しめやかな表現に終始してしまうコンソート・オブ・ヴァイオルズですが、ここでのラシュロンの演奏は時に躍動的なまでの動きが感じられ、鍵盤楽器も大変効果的で音楽の流れが実に鮮やか。これらの作品の新たな魅力を発見できる、美しくも楽しいアルバムです。
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リラのラクリメ ~ 追放者の涙
ダウランド(1563-1626):
ラクリメ あるいは7つの涙 [ソクラティス・シノプロス(リラ)、ラシュロン(ヴィオール合奏)]DOWLAND, J.: Lachrimae, "Seaven Teares" (Lachrimæ Lyræ - Tears of Exile) (Sinopoulos, L'Achéron, Joubert-Caillet)
発売日:2019年06月14日 NMLアルバム番号:FUG753
CD価格:2,475円(税込)
ギリシャのリラの名手とラシュロンの共演で奏でる「7つの涙」ギリシャのリラは元々竪琴を指しますが、ここではそこから派生し伝統音楽の世界で使われている三弦の小型擦弦楽器が用いられています。その名手でECMレーベルからもアルバムをリリースしており、来日公演も成功させているソクラティス・シノプロスと、ジュベール=カイエ率いるヴィオール合奏団ラシュロン(トレブル×1、テナー×2、バス×1)が共演し、ダウランドの名作を奏でたアルバムです。 『真夏の世の夢』や『アテネのタイモン』などシェイクスピア演劇にもみられるとおり、ダウランドが活躍したルネサンス期の英国で古代文化やギリシャへの憧憬があったことも思わせる組み合わせ。倍音豊かなヴィオールの響きと、素朴なリラの音色が何とも言えない対比を作りながら溶け合い、通常のヴィオール合奏では味わうことの出来ない美しさを作り出しています。 またシノプロスによる即興演奏が合間に収められていますが、これにはそれぞれこと座(ラテン名Lyra リラ)の5つの恒星の名前が付けられました。これまでのダウランドとは一線を画す魅力を持つ一枚です。 なお表題の「追放者」とは、ダウランドが英国を離れデンマークで活躍していた時期にこの曲集をまとめたことにちなんでいます。