ノスコフスキ(ジグムント) Noskowski, Zygmunt
生没年 | 1846-1909 | 国 | |
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辞書順 | 「ノ」 | NML作曲家番号 | 143903 |
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ノスコフスキ(1846-1909):
交響曲 第3番
交響詩「大草原」 [アントニ・ヴィト、ラインラント=プファルツ州立フィルハーモニー管弦楽団]発売日:2025年08月01日
CD価格:2,475円(税込)
ポーランド交響楽の記念碑、ノスコフスキの交響曲全集が同郷の巨匠ヴィトの指揮で完結「ポーランド人作曲家による初の本格的な交響曲」と評価されるノスコフスキの3曲の交響曲。第1番と第2番を収めたディスク(C5509)に続き、アントニ・ヴィトの指揮で全集完結です。 交響曲第3番「春から春へ」は、ドイツ風のスタイルを留めていた前2作よりも一層民族色が強く、4楽章構成で演奏時間40分ほどの大作。躍動的な春に始まり、夏は白夜の季節を思わせるロマンティックなアダージョ、秋が収穫の祭りのにぎやかな描写なのはヴィヴァルディを思わせます。終楽章は沈鬱な冬の描写で始まり、雪嵐を思わせる盛り上がりを見せた後、浄化されたように澄んだ響きを経て春の回帰を喜ばしく讃えて結ばれます。当時のポーランドは独立を失い、ロシアとプロイセンに分割支配されていました。祖国の独立回復を願う「若きポーランド」と呼ばれた芸術思潮では、「冬を越えて再び巡り来る春」は祖国の再興を象徴する表現で、この作品のワルシャワでの初演も好評で迎えられました。 併録の交響詩「大草原」は演奏時間20分ほどの作品で、ポロネーズのリズムやウクライナの民俗楽器トルバンの模倣といった民族的要素を随所に織り込み、ポーランドとコサックの対立と自然を大きなスケールで描いたもの。ボロディンの「中央アジアの草原にて」に通じる趣があります。
収録作曲家:
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ノスコフスキ(1846-1909)/
ジェレンスキ(1837-1921):
ヴァイオリン・ソナタ集 [ロロンス・カヤレイ(ヴァイオリン)/バーナーディーン・ブラハ(ピアノ)]NOSKOWSKI, Z. / ŻELEŃSKI, W.: Violin Sonatas (Kayaleh, Blaha)
発売日:2023年12月08日
NMLアルバム番号:8.574220
CD価格:1,900円(税込)
19世紀後半、ポーランドの国民楽派として活動した2人の作曲家、ノスコフスキとジェレンスキのヴァイオリン・ソナタ集。 交響曲の作曲家として知られるノスコフスキのイ短調ソナタは、ベートーヴェンの「クロイツェル・ソナタ」とブラームスからの影響を感じさせる雄大な作品。第1楽章冒頭の印象的なユニゾンを幕開けに、ヴァイオリンとピアノが流麗な旋律を奏でます。第2楽章は「クロイツェル・ソナタ」に倣うかのような変奏曲形式で書かれており、第3楽章ではタランテッラ風のリズムが弾む情熱的な音楽が展開します。 ジェレンスキはポーランド民俗音楽を採り入れた歌劇《ヤネク》で知られる作曲家であるとともに、教師としても広く活躍しました。このヴァイオリン・ソナタは1879年頃の円熟期の作品で、活発な表情を持つ第1楽章、マズルカ風のリズムによる第2楽章、ゆったりとした序奏に導かれた情熱的な第3楽章と、伝統的な作風を守りながら雄弁な音楽が展開されています。 演奏はラフやメトネルなどのヴァイオリン・ソナタの録音で知られるスイス出身のロロンス・カヤレイ。1742年製のピエトロ・グァルネリから紡ぎだされる音色が魅力です。
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ノスコフスキ(1846-1909):
交響曲 第1番
交響曲 第2番「エレジー風」 [アントニ・ヴィト(指揮)/ラインラント=プファルツ州立フィルハーモニー管弦楽団]NOSKOWSKI, Z.: Symphonies Nos. 1 and 2 (Rheinland-Pfalz State Philharmonic, Wit)
発売日:2023年08月04日
NMLアルバム番号:C5509
CD価格:2,475円(税込)
ポーランド交響楽の記念碑的作品を同郷の巨匠ヴィトによる渾身の指揮で聴くノスコフスキはワルシャワ音楽院でヴァイオリンと作曲を学んだ後、プロイセン芸術アカデミーに留学して名教師として名高いフリードリヒ・キールとリヒャルト・ヴュルストに学びました。その3曲の交響曲は「ポーランド人作曲家による初の本格的な交響曲」と評価されています。このディスクではアントニ・ヴィトが第1番と第2番を指揮し、母国の交響楽に記念すべきページを開いた作品に渾身の演奏を聴かせます。 交響曲第1番は演奏時間約45分の大作。シューマンに通じるスタイルと響きや第4楽章のフーガなどにベルリンでの学習の成果を感じさせます。 第2番は演奏時間約35分ですが、内容としては一段と緻密さを増し、当時プロイセンとロシアに分割支配されていた母国ポーランドへの思いを反映したドラマティックな作品となっています。作曲家自身が指揮した初演時のプログラムで「がんじがらめの祖国」と書かれていた第1楽章では、序奏に続いて悲劇的な音楽が展開します。第2楽章のスケルツォは「希望と蜂起」。スラヴ風の舞曲にはさまれたファンファーレが印象的。第3楽章は「倒れた英雄たちへのエレジー」、悲愴で荘重な緩徐楽章です。「苦難を越えて天界へ」と題された第4楽章は、前進と頓挫を思わせる場面が交互する中から勇壮で民族的な旋律が表れ、最後は輝かしく結ばれます。当時の独立運動のシンボル的な歌で後にポーランド国歌となる「ドンブロフスキのマズルカ」を思わせるモチーフも見えかくれします。 ノスコフスキは第2番を仕上げた翌年ワルシャワに帰国し、後進の育成に力を注ぎました。在世中にはポーランドの独立回復を見届けることが叶わなかったノスコフスキですが、彼の門下からはシマノフスキやフィテルベルクをはじめ数多くの音楽家が輩出し、ポーランドに交響楽の伝統を築きました。
収録作曲家:
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ポーランドの弦楽四重奏曲集
ノスコフスキ/モニューシュコ/クルピンスキ [ルトスワフスキ四重奏団]String Quartets (Polish) - KURPIŃSKI, K.K. / MONIUSZKO, S. / NOSKOWSKI, Z. (Lutosławski Quartet)
発売日:2023年06月23日
NMLアルバム番号:8.573978
CD価格:1,900円(税込)
このアルバムは、ポーランドの民族主義を追求した作曲家たちの半世紀にわたる業績をたどるものです。 カロル・クルピンスキはショパンよりも一世代前の作曲家。ポーランド音楽の国民的なスタイルの基礎を築いた人で、彼の弦楽四重奏のための幻想曲は整った形式を持つ作品です。 スタニスワフ・モニューシュコは《ハルカ》や《幽霊屋敷》などのオペラを作曲し、“ポーランド・オペラの父”と称えられています。彼の四重奏曲は賛美歌などシンプルな旋律を採り入れた、活気に満ちた力強い作風が魅力です。 ジグムント・ノスコフスキはポーランド有数の作曲家・教師として活躍し彼に続く世代の音楽家たちを数多く育てあげました。アルバムに収録されているのはヴィオッティの旋律をテーマにした変奏曲とフーガで、先鋭的ではないものの、機知に富んだ作風が窺えます。 演奏はポーランドを代表するアンサンブル、ルトスワフスキ四重奏団。共感溢れる演奏を聴かせます。