エスキュー(ロバート) Askue, Robert
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| 辞書順 | 「エ」 | NML作曲家番号 | 416870 |
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この胸を締めつける思い
エリザベス朝時代の英国のリュート二重奏 [ア・ドゥエ・リウティ]Lute Duo Recital: A Due Liuti - ASKUE, R. / BYRD, W. / CUTTING, F. / HUME, T. / JOHNSON, J. (The Harte Opreste - Lute Duets in Elizabethan England)
発売日:2025年10月24日
NMLアルバム番号:ENP021CD価格:2,775円(税込)
ルネサンス貴族の静かな対話を思わせる響き16世紀から17世紀初頭にかけ君臨した女王エリザベス1世の時代のリュート二重奏で演奏され得た作品を集め、フランスの実力派リュート奏者二人が丁寧な解釈でその魅力を引き出してゆくアルバム。およそ15~17世紀にヨーロッパの知識人たちに愛された楽器リュートですが、二重奏は音楽教師のレッスン時にも、また音楽愛好家が集まった時の楽しみとしても演奏されており、リュート二重奏向けに書かれた当時の楽譜も様々な形で残っています。 多声の声楽曲を2つのリュートで弾けるよう編曲がなされることもあれば、コンソート(合奏曲)の主旋律パートを一人が弾き他方がグラウンド(低音伴奏)を受け持つ「トレブル・アンド・グラウンド」という演奏形態もあったそうで、そうした様々な演奏形態を踏まえ、時に演奏者たちも歴史的作法を踏まえた編曲譜を作りながら、ティエリー・ムニエとジャン=マリー・ポワリエは明快にして繊細な19のトラックを仕上げました。 楽器本来の響きと演奏空間に残る余韻を見事に収めたエンジニアリングを通じ、ルネサンス期の紳士たちが静かに語らう場にそっと居合わせるかのような聴覚体験をお楽しみ下さい。
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『死してぞ響きよく歌わん』
~16世紀製リュートで奏でる後期ルネサンスの響き [ミハウ・ゴントコ]Lute Recital: Gondko, Michal - BARBETTA, G.C. / GALILEI, V. / LORENZINO DEL LIUTO (Mortua dulce cano - A Florilegium of Late Renaissance Lute Music)
発売日:2022年03月11日
NMLアルバム番号:RAM2007CD価格:2,475円(税込)
現存最古の演奏可能なリュートの一つから、限りないファンタジーが溢れ出す中世末期からルネサンス期を経て17世紀に至るまで、持ち運びが比較的容易でありながら繊細精巧な多声音楽にも対応できると同時に、歌の伴奏にもうってつけの存在として愛され続けた撥弦楽器、リュート。その最盛期には知識人のための楽器の花形としてオルガンと並んでもてはやされ、そのために数多くの楽譜が書き残されてきました。 やがて生活習慣の変化の影響や、チェンバロやピアノ、ヴァイオリンなどに人気を譲り徐々に廃れてゆきますが、ひとたび歴史の表舞台から姿を消したからこそ、その玄妙な響きに「ここではないどこか」の気配を感じ惹かれてゆく人が多いのかも知れません。 そんなリュート特有の過去への憧憬を強くかきたてるアルバムが、古楽器演奏の録音に秀でたRAMEEから登場。すでにこのレーベルでパートナーのコリーナ・マルティとともに多くの名盤を出しているポーランド出身の名手ミハウ・ゴントコが、現存する最古の演奏可能なリュートの一つとされる1595年の年記(製作年ではなく補修年の可能性も示唆されています)を持つオリジナル楽器を手に、忘れがたい魅力を放つ欧州各地の作品を綴ってゆきます。 ネックとヘッドこそかえられているもののボディはオリジナルのままという、この貴重な楽器に記された年号前後の作品を集めたプログラムは、東はポーランドからデンマーク、ベルギー、ドイツ、イタリアを経て西は英国に至るまで、地中海と北海にまたがる様々な地域に残る手稿譜や出版譜から厳選された、音による欧州大旅行のようなバランスの良い内容。まさにゴントコの広汎な知見なくしては実現し得なかった選曲と言ってよいでしょう。400年以上前の楽器から導き出される、典雅かつ優美でありながら、どこまでも力強い存在感を発揮する美音の粒は、1トラックごとの短さをいとおしむようにじっくり聴きたい稀有の響きを紡いでゆきます。 ルネサンス名画の数々と同じ時代から届いたこの銘器の音色は、これまでリュート音楽をあまり聴いてこなかった方にも、強くお勧めできるものです。
