Claudio Records
1978年、DECCAで音響技術を学んだコリン・アットウェルによって設立されたレーベル。ピアノ作品を主に録音しているが、現代音楽、電子音楽などもリリースしている。
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マイヤー(1569-1622):
逃げるアタランタ - 50のフーガ [プラット/エヴェーラ/ミュラー/ヴィストライヒ]MAIER, M.: Atalanta Fugiens (R. Platt, Evera, Müller, Wistreich)
発売日:2015年12月23日 NMLアルバム番号:ClaudioCR5468-2
CD価格:2,224円(税込)
薔薇十字思想の擁護者で、医学と哲学の博士号を持ち、神聖ローマ帝国皇帝ルドルフ2世にも仕えたという錬金術師ミハエル・マイヤー(1569-1622)。生没年もはっきりしない彼の代表作「逃げるアタランタ」(1618年出版)は、神話の神々や英雄たちと錬金術の関係性を説くもので、ギリシャ神話に登場する女狩人アタランテをテーマに錬金術の奥義が寓意の形で表現されているのだそうです。 この書には50枚の銅版画が掲載され、その一つ一つにラテン語の六行詩と、フーガが添えられています。しかし、その「フーガ」は対位法は駆使されているものの、バッハの作品のような厳格なものではなくあくまでも歌い交わしであり、思想を理解するための補助として考えるのが良いというものなのです。この不可思議な世界に身を浸してみてください。
収録作曲家:
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ショパン(1810-1849):
ピアノ協奏曲 第2番
子守歌/マズルカ集 [バラビーノ]CHOPIN, F.: Piano Music, Vol. 4 (Barabino) - Piano Concerto No. 2 / Berceuse, Op. 57 / Mazurkas
発売日:2015年11月25日 NMLアルバム番号:ClaudioCR6021-2
CD価格:2,224円(税込)
日本にも何度か来日し、その美しく繊細な音色で聴衆を魅了してきたピアニスト、アドルフォ・バラビーノ。彼のショパン(1810-1849)はビロードのような滑らかさと、深く沈みこむような音色が特徴ですが、今回はロンドン交響楽団とのショパンの協奏曲でその真価を問います。 豪壮な第1番ではなく、柔和な第2番というのも彼らしい選曲であり、とりわけ第2楽章の抒情的で夢見るような音色は、他に類を見ないものです。第3楽章のポーランドの民俗舞曲「クラコーヴィアク」の特徴的なリズムを際立たせた処理も素晴らしく、若きショパンの苦悩と情熱を見る思いがします。同時収録の子守歌と、マズルカも、まさにバラビーノならではの選曲で、内省的な美しさが溢れています。
収録作曲家:
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川村祥子
ゴルトベルクを弾く [川村祥子]BACH, J.S.: Goldberg Variations, BWV 988 (Sachiko Kawamura)
発売日:2015年08月26日 NMLアルバム番号:ClaudioCR6018-2
CD価格:2,224円(税込)
東京藝術大学を経て、モスクワ音楽院・大学院&研究科を卒業、スイスでアレクシス・ワイセンベルク、ロンドンでアドルフォ・バラビーノ、など世界的ピアニストに師事し、研鑽を続けてきたピアニスト川村祥子(さちこ)さんの演奏するバッハ「ゴルトベルク変奏曲」です。国内外で盛んな演奏活動を行い、すでに高い評価を受けている彼女のバッハには、確かな技巧と音楽性の中に、彼女の師であるバラビーノ氏のショパンを思わせる、柔和な表情と独特の暖かさが感じられます。 カップリングのバッハ=ブゾーニのシャコンヌでの、解像度の高い響きもさることながら、白眉は最後の「ラ・カンパネラ」であり、ゆったりめのテンポで、音を一つ一つ慈しむかのようなこの演奏からは、彼女がこのアルバムの最後をこの曲で締めくくりたかった気持ちが強く伝わってくるようです。