第120回
不思議な鹿角(ろっかく)のあるある

皆様、こんにちは。Dr.Tei Kenです。

鹿の角に関して、意外に知らない方が多くて、ビックリしたことがあります。考えてみれば、鹿角は大変不思議だなぁと言えます。

成長サイクルの不思議

鹿角は毎年落ちます。え、落ちるの?多くの方の反応です。二ホンジカは、オスのみ角が生えます。オスの鹿は生まれた翌年の春以降に角が生え、この時は小さな1本角です。翌年の3月頃この角が落ちて、4月以降に枝が1つある角が2本生えてきます。それ以降、毎年このサイクルで、4歳まで枝が増えながら角もどんどん大きくなり、4歳以降、枝は増えずに角が大きくなっていきます。

鹿の角の育ち方

すごい再生力の不思議

鹿の角は、哺乳動物で唯一、完璧に再生できる器官です。春に生えてくる角は、柔らかく外側に皮があり、中にはたくさんの血管があって栄養を運びます。平均的に1日2〜4mmのスピードで成長しますが、時には1日2cm以上の成長も!1日2cm以上も伸びたら、発育期の子供も負けますね。どれだけ栄養分を送っているのでしょう。大昔から「神獣」や「神の使い」といわれるのも、この早い再生が「神速」で不思議だと感じたからかもしれません。

この頃の角は「袋角(ふくろづの)」と呼ばれ、切り落とすと、生薬の「鹿茸(ろくじょう)」になります。そのまま約75日間成長すると、柔らかい角が骨質(カルシウム)に変わり外側の皮も剥げ、9月頃に硬い角に変わります。そして、9月〜10月の発情期にこの角でメスにアピールしたり、オス同士角を突き合わせて争います。

薬用価値の不思議

生薬の「鹿茸」は大変有名で、生薬の代表格でもあります。東洋医学の考え方では、「頭は諸陽の会合するところで、集まった陽が上に角に集まる」(夢渓筆談(むけいひつだん)、1090年頃)ので、「鹿茸はもとから純陽の質で、生発の気を含む」(神農本草経疏(しんのうほんぞうきょうしょ)、1625年)。「鹿茸」として切らなければ、生薬の「鹿角」になります。そして、「鹿角」を使って、生薬「鹿角膠(ろっかくきょう)」が製造でき、その残渣も生薬の「鹿角霜(ろっかくそう)」になります。鹿の角の付け根の部分を「鹿角盤」といい、30〜50代女性によくみられる疾患で、特に出産後の授乳期では、約20〜30%の割合で発症するある病気に大変効果があるといわれています。まさに女性の守護神ですね。

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