皆様、こんにちは。Dr.Tei Kenです。
梅雨や夏場はジメジメして体の水分バランスや血のめぐりが悪くなりがちで、むくみが出やすい季節です。
東洋医学の観点では、外部からの疾病の原因の一つである“湿”の勢力が、この時期は強くなり、それを“湿邪(しつじゃ)”と言います。湿邪は外からのジメジメした空気によるものだけでなく、冷たい食べ物や生ものばかりを摂ることで、胃腸がうまく機能せずに体の中で作られる“湿”もあります。湿は重苦しく停滞しやすい性質や下に向かう性質がある為、水分や血のめぐりが滞り、体が重だるい、足がむくむ等の不調が現れやすくなります。
また、冷房などの影響で体が冷えることでも、むくみに拍車がかかるようになります。大便が便器に付着し、なかなかキレイに流れなかったり、顔がいつも油っぽい方は要注意です。
むくみを取るには、まず水分のバランスを整える“利水・利湿”がポイントになってきます。漢方書の「湯液本草(とうえきほんぞう)」によると、アキョウには“なめらかにして水道を利す”と記載されています。アキョウは水の流れやバランスを整える働きがあるので、尿トラブルのある人やむくみを感じることが多い人に処方される“猪苓湯(ちょれいとう)”という漢方薬にもアキョウが配合されています。
また、「神農本草経疏(しんのうほんぞうけいそ)」という漢方書によると、アキョウは“腎に入り、陰を益し水を滋い、血を補い熱を清める”と記載されています。アキョウは、体内の水分をコントロールする腎に働きかけて、上手くむくみが取れるようにバランスを整えます。
むくみが取れる食材は、豆類やハトムギ、冬瓜などが挙げられます。ただし、こういった梅雨の時期に積極的に摂りたい食材ですが、利水利湿作用があるのと同時に、体を冷やしてしまうものが多いので、生姜や唐辛子などを加えて、アキョウと併用するとより効果的です。
また、手や足のむくみに効く“水分”というツボがあります。おへその指1本分上のところあり、胃腸の働きを整え、全身の代謝を高めます。お腹のツボは便秘にも良いので、寝る前に息を吐きながらゆっくり押してみてください。
アキョウや食べ物、ツボ押しで、この夏をスッキリ爽やかに過ごしましょう。
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