第78回
歴史からみるアキョウの価値

皆様、こんにちは。Dr.Tei Kenです。

歴史は繰り返す?

前回の連載では、アキョウが密輸される程に価値が高まっていることを紹介しました。いくらアキョウが高級漢方とは言え、急激な高騰が続く理由とは?今回は2500年の歴史があるアキョウを、歴史的な文献をもとに紐解いていきます。

【参考文献】

1061年(中国・北宋)、蘇頌が編纂した『本草図経』

1578年(中国・明)、李時珍が編纂した『本草綱目』

1803年(日本・享和3年、徳川家斉将軍)、小野蘭山の「本草綱目」の講義筆記を孫小野職孝や門人が整理刊行した『本草綱目啓蒙』

市場から姿を消すアキョウ

『本草綱目』では、「(蘇)頌が曰く、真膠は極めて得難い。商品の多くは偽物だ」と記載されています。これによると、約1000年前(宋時代)に、本物のアキョウは「極めて得難い」とされ、流通していたものがほぼ偽物だったことが分かります。価格に関しては不明ですが、このような状況下では、本物のアキョウは決して安くなかったと考えられます。

『本草綱目啓蒙』では、「明ノ宣宗宣徳ノ時…故昼夜監造以供内用、而民間不可嘗得矣。至肆中真者絶跡」と記載されています。

訳すと“明時代の宣宗宣徳皇帝(1426〜1435年)の時、厳戒監視体制の下、昼夜問わずアキョウを製造し、作られたアキョウは宮廷専用としたため、民間人は全く手に入れられず、市場から本物のアキョウは姿を消した。”となります。

また、他にも記載があり、訳すと“崇禎(すうてい)(明の最後の皇帝)15年(1642年)の11月、東阿県知事呉汝宗は、皇帝の命令を受けて本物のアキョウの製造を監督した。”となります。

ひとつの漢方薬の製造に類をみない大掛かりな体制が敷かれていることから、その貴重さが伺えます。ちなみに別の資料によると、明時代の県知事さえ、本物のアキョウが購入できなかったようです。

2500年の時が経ち、偽物アキョウが横行する過去と似たような光景が今、漢方の本場中国で繰り広げられています。日本の方にとっては、理解し難いと思いますが、2500年の薬用そして食用の歴史が、無くなると困るものとして、常に価値を人々に知らしめてきたからこそではないでしょうか。

今後もアキョウは、ますます値上がりそうです。

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