皆様、こんにちは。Dr.Tei Kenです。
秋は実りの季節ですね。
今回は子宝に恵まれる体を整える漢方薬を紹介します。それは1800年前に書かれた漢方のバイブル本「金キ要略(きんきようりゃく)」に載っていた温経湯という処方です。
アキョウを含め、12種の生薬が入っています。
「温経湯」の「経」とは、広義の経路(経絡の通る道)のことで、血液以外の生理的物質の運行経路のことを指します。
この経(体)を温めることで、血液の循環をよくして、寒冷症状を改善するという薬効が名前の由来になっています。
温経湯の効能効果として、月経不順、月経困難、おりもの、更年期障害、不眠、神経症、湿疹、足腰の冷え、しもやけが挙げられます。
特に比較的体力の低下した冷え性で、唇が乾き、夕方になると手足がほてる方に向きます。
実は、温経湯は不妊症や妊活にも有効です。
「金キ要略」には、“なかなか妊娠できない婦人を治す”と記されています。
262の漢方処方が収載されている中で、唯一の不妊治療の処方になります。
また、臨床において数多くの不妊治療実績もあります。
女性不妊の原因は様々ですが、漢方的にみると「虚・寒・お血(古い血の滞り)」の体質で、「肝・腎」が弱まっていることがほとんどです。
温経湯におけるアキョウの役割は、陰虚・血虚に効き、他の生薬と力を合わせ、ボイラーのように身体を温め、血液の循環をよくし、さらに新しい血液を作り出して、古い血を取り除きます。
また肝・腎の機能を強くします。
例えると、灌漑設備(血)の整った肥沃な土壌(肝・腎)を太陽の光(温)が降り注ぐ状態に整え、そこに種をまくと元気な芽が出るようなものです。
アキョウのみでも妊活に有効ですが、温経湯とアキョウを併用することで、より効果的になります。
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