皆様、こんにちは。Dr.Tei Kenです。
冬になると冬眠する動物がいるように、冬は来たる春に向けて体に必要なものを補い、滋養することが大切になります。漢方の国・中国では、セレブに大人気の冬の養生法があります。
秋頃には漢方薬局では既製品の『膏方（こうほう）』が店頭に並ぶようになります。「膏」は外用薬のイメージが強いですが、実は内服薬もあり、その代表格が『膏方』というものです。膏方とは滋養性の高い様々な生薬が煮詰められてペースト状になった漢方薬です。氷砂糖や黒砂糖、蜂蜜で味付けされているので、飲みやすく、また、じっくりと効果を発揮していくのでお年寄りから子どもまで飲むことができます。ちなみに膏方の元祖と言えば、亀鹿二仙膏（きろくにせんこう）です。
膏方の薬効は、主に、病気を治療するもの、体の調子を整えるもの、未病対策のものがあります。商品化されているものは処方が決まっていますが、病院か薬局に行き自分の体調体質に合わせて、オーダーメイドの膏方を作ることもできます。
膏方の処方は体質に合った生薬が20〜30種類ほど配合されます。これらをじっくりと長時間煮込み、仕上げにメインとなる滋養強壮のアキョウを欠かさずに入れることで膏方ができ上がります。
オーダーメイドで膏方を作ると、先生より膏方の処方箋が渡されます。配合の理由と生薬の加工方法などが明記されています。有名な先生に処方していただくと、毛筆で書かれた達筆の処方箋となり、文化遺産として額に入れて保管されることもあります。
飲み方もオーダーメイドであり、その人に合った服用時間を医師から指示されます。価格はオーダーメイドの場合、1ヵ月分が最低でも4、5万円、高価なものだと約40〜50万円となり、11月から3月まで飲み続けると、かなりのお値段になります。
それでも、膏方を愛用する人が後を絶たないのは、特別感と確かな効能がセレブ達を虜にしているからでしょう。
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