ネパール紀行

(6)揉捻は、複雑なコンビネーション

前回は工場の一番最初のステップ、萎凋を見学しましたが、今回はその次のステップ、揉捻(Rolling)をご紹介。

下の画像の大きな機械に萎らせた茶葉を敷き詰め、上から圧力をかけながら揉盤や蓋を動かすと、お茶の葉が撚れていきます。

この作業によってお茶の葉の細胞組織が破壊され、引き出された成分が酸素に反応しはじめて、紅茶の個性が作られていくのです。

見た目のダイナミックさとは裏腹になかなか繊細な過程で、細かな作業の連続です。

例えばOP=オープンと言って、押さえ蓋をゆるめてしまう場合もありますし、圧力のかけ方も、ライト(軽い)、ミディアム、ヘビーとさまざまな段階があり、これらをどう組み合わせるのかが、現場の力量、という訳です。


ジュンチヤバリさんの工場にはノートが置いてあり、すべてのお茶に関して、どのような作業を行ったかが記録されています。

ちょっと覗いて「これはどんな意味なの?」と聞くと、猛烈な勢いで解説してくださいました。


冒頭の画像は、「え?もう一回、教えてください、ちょっと聞き取れなかった(泣)」と繰り返す私に根気良く教えてくださるマネージャーのモーリスさん(左)と、出来の悪い生徒をちょっとからかいたくなっているオーナー・バチャンさんの図。

なんだか学生時代に戻った気分でした。

-続く-
ネパール
萎凋は2階で行われていましたが、萎れたお茶の葉をそのまま1階の揉捻機に落とせるような仕組みになっています。