雛人形のお道具
小さなお道具も立派な存在理由が……?
雛人形には、人形だけでなくさまざまな道具が付いて来ます。 小さくても精巧につくられていて、見るだけで楽しくなる道具。 お雛様にはなぜミニチュアのお道具が付属しているのでしょうか? どのような道具があり、どんな意味を持っているかをチェックしてみましょう。
お道具の種類を見ていこう
雛人形を彩る数々のお道具たち
一昔前は、七段の緋毛氈を敷いたスチール段飾りが主流でしたが、今では、素材や色合いなどにこだわった、様々な種類の台屏風があります。
- ●屏風
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親王(男雛・女雛)の後ろに飾られます。 金屏風もあれば、木製の屏風、漆器で作られたものなど、様々な種類があります。 美しい文様や、日本的風景が描かれた物も多く、飾り台と共に、雛人形のもう一つの顔と言えるお道具です。
- ●毛氈(もうせん)
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雛人形の下に敷く敷毛氈や、七段飾りなどの台上に敷く赤い布。 緋毛氈とも呼ばれます。 使われている素材の種類によって価格もさまざま。 毛氈の下に繧繝(うんげん)と呼ばれるカラフルなお柄が入った物が見られます。
- ●雪洞(ぼんぼり)
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灯りが灯るタイプと、無点灯のものがあります。 油灯式の燭台上のお飾りもあり、コンパクトな木目込み雛やデザイン性の高い雛人形に使われています。
- ●桜橘・紅白梅
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平安京の内裏にある紫宸殿正面の階段に飾られる、左近桜・右近橘を模したお飾り。 左近の桜、右近の橘は、天皇陛下から見ての向きとなりますので、向かって左が橘、向かって右が桜となります。
縁起がよいとされる紅白梅もよく持ち要られます。 紅白梅をお飾りする際は、向かって左が白梅、向かって右が紅梅となります。 これらのお飾りは、段の左右に飾られます。 左右に浮かび上がる桜橘・紅白梅は、雛人形の色彩をより華やかに演出してくれますね。
- ●貝桶(かいおけ)
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貝合わせの貝をいれる為の容器で、六角筒形の形をしています。 貝合わせとは、対となる貝と組み合わせてペアを選ぶという遊びです。 貝合わせに使用される貝には、対となる貝は一つしかなく、夫婦和合の象徴として公家や大名の嫁入り道具としても使用されるようました。 これらは、新婦側から婚家側に貝桶を引き渡す「貝桶渡し」の儀式として、家老などの重臣が担当し、大名家の婚礼に置いて重要な儀式を担ったと言われています。 江戸時代では、蒔絵や金箔で装飾されたハマグリなどの美しい二枚貝を使用し、雛人形のお道具としても、美しい貝合わせの貝を再現したお飾りも存在します。
- ●三宝(さんぽう)
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三宝は神様にお供えする飲み物神饌(しんせん)をのせるための台です。 上には神事で酒を入れる器、瓶子(へいし)がのっています。
- ●高杯(たかつき)
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丸いお皿と一本の脚台を持つ器。 縄文、弥生時代から、身分の高い人に献上するための器でした。 二段重ねの紅白の丸いお持ちや和菓子をのせています。
- ●菱台・菱餅(ひしもち)
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菱餅は赤・白・緑のお色を重ねて作っているものが多いですが、地方の風習などでお色目は異なり、2色、5色、7色と、様々種類が見られます。 代表的な赤・白・緑の3色には健康・魔除け・清浄が表されています。 雛人形に使われる菱餅にも様々なお色目が見られ、お人形毎にあったデザイン性の高いお飾りとなっています。
嫁入り道具
嫁入りするときに(お嫁さんがお婿さんの家へ移動するときに)、必要な道具です。
- ●箪笥(たんす)
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今はクローゼットなどが多く見られますので、箪笥のないお家も多くあるとは思いますが、箪笥は豊かさの象徴ともいえ、婚礼家具として嫁入り道具の定番でした。 今は失われてきていますが、箪笥と着物を持っていくイメージをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
- ●長持(ながもち)
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衣類や寝具などをおさめる大型の箱で、木綿が普及し寝具などが大型化した流れにより、櫃がより大型に人が入れる程度の大きさに進化したものです。 長持も箪笥同様に、代表的な嫁入り道具として伝わっています。 今は箪笥を嫁入り道具にする方も少なくなりましたが、長持も、明治・大正以降は箪笥に譲られる形で失われてきました。
- ●鋏箱(はさみばこ)
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挟みを入れるお箱と思われる方もいらっしゃると思いますが、挟むという名称は、竹棒の担ぎ棒の両端に箱を挟む形で持ち運んだ為であり、「両端に挟む箱」から来た名称です。 外出用の物入れとして使われ、衣類等を持ち運ぶのに使用されました。
- ●鏡台(きょうだい)
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今で言う化粧台やドレッサー。 鏡と台が一体化したもので、化粧用具を納める事ができます。 この鏡台も、婚礼家具として嫁入り道具として用意されます。
- ●針箱(はりばこ)
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今日ではミシンなどの裁縫道具がありますが、古くは針箱と呼ばれる裁縫道具一式を納めた針箱が用意されました。 今で言う裁縫箱のようなものですね。
- ●重箱(じゅうばこ)
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食べ物を入れる容器で、おせちなどで定番ですね。 嫁入り道具として用意されました。
- ●火鉢(ひばち)
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今では暖房器具は手軽で簡単な物が見られましたが、火鉢は今で言うストーブのような存在。 灰の中に炭を入れて使用します。 暖房器具としてだけでなく、お湯を沸かしたり、今のストーブと同じくお餅を焼いたりするなど便利に使われてきました。 古くは江戸時代より、嫁入り道具として定番の存在です。
- ●台子(だいす)
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茶道具を入れる棚として、嫁入り道具とされていました。
お輿入れ道具
嫁の輿を嫁ぎ先へ担ぎ入れる為のお道具たちです。
- ●御所車(ごしょぐるま)
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平安時代より続く、牛車・源氏車とも呼ばれる、牛にひかせる貴族が使用した乗り物。
- ●お駕篭(おかご)
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御所車同様、移動に用いられた乗り物です。 貴族の女性が使用し、両端を人がかつぐ乗り物です。
ひな人形の豆知識!
3月3日 桃の節句にお飾りする雛人形。 ひな人形の由来から飾り方や片付け方まで、ひな人形に関する疑問や豆知識をぷりふあ人形がご紹介します!
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