衣裳着タイプのひな人形
着物のラインが美しい衣裳を着付けた雛人形
衣裳着雛人形とは、仕立てた衣裳を胴体に着せ付けてつくる人形のこと。 お顔と胴体は別の作家が制作し、完成した胴体にお顔を取り付けて仕上げます。 一般的なお雛様はこの衣裳着雛人形となっています。
衣裳着雛人形とは?雛人形の違いについて考える
ほとんどの雛人形が「衣裳着人形」
衣裳着人形は、江戸時代のはじめに京都で発祥しました。 その後、五代将軍・綱吉の頃に江戸に招かれた京都の人形師によって、盛んにつくられるようになりました。 現代の衣裳着雛人形は、江戸中期の人形師・原舟月が創作した古今雛の様式を踏襲したもの。 市場に出回っている雛人形の7割近くがこの衣裳着雛人形であると言われています。
季節の移ろい、儚さを重ね着で表現
「衣裳着」という名前からも分かるように、衣裳を繊細につくり込んでいるのが特徴です。 雛人形の衣裳は平安の宮廷装束を模したもの。 その代名詞といえば、十二単(じゅうにひとえ)です。 何枚も同じ大きさの衣を重ねて、表から見える袖口や裾の色の重なりで美しさを表現します。今でいう「重ね着」ですね。
重ね方は、ただ単に好きな色を合わすのではなく、季節の草花や自然のイメージで季節感を出します。 表地と裏地の配色である合色目(あわせのいろめ)の組み合わせが、オシャレの腕の見せ所なのです。 たとえば、梅という名前のついた春の合色目なら、表が白、裏が蘇芳(すおう、暗い紅色)。 さらに、それらの色を何枚か重ねて、襲色目(かさねのいろめ)という配色で季節を表現します。
同系の色を上から下へだんだん濃くなる、薄くなるのを匂い(におい)と呼び、次第に薄くなって白で終わる配色を薄様(うすよう)と言います。 移りゆく自然の儚さ、美しさを映した平安貴族の美意識。 衣裳ひとつで、それを感じることができるのだから、雛人形はやっぱり奥深いですね。
着せ方いろいろ
全身を重ね着したもの、上半身だけ重ね着させたもの。 衿と袖の部分だけ、重着させているもの、着せ方もさまざまです。 衿と袖だけを貼付けたおひな様は手に持つと軽く、すべての着物を重ね着させているおひな様はずっしりとした重さがあります。 例えばケースに雛人形を固定するケース飾りと、段飾り等の手に取れる雛人形。 同じ見た目ではございますが、実際に持ち比べるとかなりの違いがあります。
結構豪華です!雛人形の衣裳
衣裳の材質には様々な繊維が持ち要られますが、絹が100%の生地は、正絹(しょうけん)といいます。 なめらかな光沢と柔らかさがあります。 正絹といっても、古典的な文様やかわいらしい柄で染めた生地、きらきらと光る金粉金箔で彩った生地、刺繍が施された生地、帯び用に織った生地などさまざま。刺繍や金箔が入ると一気に豪華になります。
ただ、今は天然生地である正絹をつかっている雛人形はほとんどなく、希少価値から金額が跳ね上がることがほとんどです。 今は人によって作られた繊維もかなり技術が発達し、安っぽさはありません。 例えば、人絹と呼ばれる生地に、再生繊維のレーヨンがありますが、こちらは一般的なお洋服で使われる場合は高級生地とされています。 他の人口繊維にしてもですが、一つ一つが丁寧につくりこまれ、手触りや見た目を研究しよりよい物が生み出されてきました。 金額を考えると、やはり生地のランクにも反映されてはきますが、正絹以外の雛人形が悪いという事はありませんので、気持ち程度にとどめておくのがよろしいかもしれませんね。
ひな人形の豆知識!
3月3日 桃の節句にお飾りする雛人形。 ひな人形の由来から飾り方や片付け方まで、ひな人形に関する疑問や豆知識をぷりふあ人形がご紹介します!
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