COLUMN#48
オーガニックを正しく選ぶ
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「ナチュラル」「無添加」「自然由来」… 近年、美容や健康をはじめ“ナチュラル志向”がブームとなり
売り場には、さまざまな種類の自然派化粧品が並ぶようになりました。
その中でも、「肌にやさしそう」「低刺激」というイメージが強い
「オーガニック」の商品がよく選ばれているのではないでしょうか。
昨今オーガニックコスメを取り扱うブランドやショップがたくさん増えましたが
それらの表示にはきちんとした裏付けがされていない場合も多く
何をもって「オーガニック」と謳っているのか、選ぶ側からは分かりづらい状態になっています。
というのも日本にはオーガニックコスメに関する統一の基準がなく
ほんの少しの有機原料を入れただけで「オーガニック」と謳うことができるからです。
そんな数多くあるオーガニック製品をどう判断して、
何を選んでいけばいいのか分からないというときに、アドバイスとなるのが「認証マーク」です。
今回は、「認証マーク」をヒントに、真の「オーガニック」とはなんなのか、
オーガニックコスメ勉強中の私が改めて考えてみることにしました。
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オーガニックとナチュラルの違いって?
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コスメを選ぶ時、ただ純粋に「肌に良い」という認識で、手に取っている人も少なからずいると思います。
化粧品のラベルに記載されている「オーガニックコスメ」「ナチュラルコスメ」も
同じようなものだと思われがちですが、それぞれ違いがあるんです。
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ナチュラルコスメ
自然由来・天然由来の原料を配合し、可能な限り化学合成原料の使用を抑えたコスメ。
オーガニックコスメ
ナチュラルコスメのうち、農薬や化学肥料を使わず育てられた植物由来成分を配合したコスメ。
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オーガニックコスメを選ぶメリットとしては、
➀ 古くから肌トラブルに使用されてきた植物から抽出した成分を
使用しているケースが多くあり、お肌にやさしい。
➁ 無農薬の土で育った植物にはポリフェノールなどのフィトケミカル(植物由来の化学物質)が
豊富に含まれており肌本来が持つ、美しくなろうとする力をサポートする。
といった点があります。
そんなオーガニックコスメですが、ひとことで「オーガニック」と言っても
その定義は一定ではありません。
先ほども述べましたが、日本では「オーガニックコスメ」に関する定義がなく、
ほんの少しでも製品に有機原料が配合されていれば
各ブランドの判断で、オーガニックと謳うことができます。
基準がないとなると、見分け方も難しく不安に思ってしまいますよね。
日本ではまだまだ曖昧で分かりづらい「オーガニックコスメ」。
どうすれば真のオーガニックコスメを選ぶことができるのでしょう?
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オーガニックコスメの選び方は?
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オーガニックコスメを選ぶときに最もわかりやすいのは、
海外で認定されている「オーガニック認証マーク」が パッケージに付いているかどうかを確認することです。
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オーガニック認証とは
製造工程において自然の力を最大限に生かした方法(有機栽培)で作られた
植物由来成分を配合した製品であることを証明する認証です。
世界にはさまざまなオーガニックコスメ認証団体が存在し、認証基準は各国・団体によって異なりますが、
それぞれの厳しい基準を満たしたブランドや製品だけが「オーガニック認証」を受けることができます。
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今回は、世界のオーガニック認定機関の一部をご紹介します。
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【 ECO CERT 】
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・95%が天然原料である
・10%はオーガニックである
・植物原料の95%以上はオーガニックである
・化学香料は不使用
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1991年フランスで設立した認証件数世界1位の「エコサート」認証。
製造工程において天然由来原料の価値を守り、環境への配慮に努め、
最終的に消費者へ高い品質のものを提供することを目的としています。
世界最大規模の団体であることもあり、基準も厳しく審査されるのでかなり高い信頼を得ています。
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▼ ECO CERT 認証取得商品
沖縄の恵みでお肌もっちり。
国産オーガニックシートマスク。
琉白(RUHAKU)
月桃エンリッチクリーミーシートマスク
清らかなうるおいを注いでもっちり肌に。
透明感を与える、みずみずしい化粧水。
La Claree(ラクラリー)
スージング モイスチャライジングトナー
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【 USDA 】
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・3年以上、農薬・化学肥料を使っていない土地で有機栽培されていること
・原料の遺伝子組み換え、電離放射、下水汚泥禁止
・水と塩分を抜いた質量で、95%以上がオーガニックである
・残り5%も国が認めた合成物質、天然物質でなければならない
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「United States Department of Agriculture」の略でアメリカ農務省の認証。
上記4つの基準にあわせUSDA認証には4段階あり、ロゴの表示が認められているのは
「100%Organic」100%オーガニック、「Organic」95%以上オーガニック の2つのみで、
世界でもっとも厳しい審査といわれています。
日本の有機JASに似ていて、もともとは食品基準の認証。
アメリカでのオーガニックコスメについては、まだ明確な基準が確立されていない部分があるため、
コスメに対してオーガニック食品基準であるUSDAが採用される場合が多くあるようです。
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▼ USDA 認証取得商品
キメ、弾力のある綺麗な肌へ。
うるおいを届けるモロッコの「黄金のしずく」
reMio(レミオ)
オーガニックアルガンオイル
ハーブに備わるチカラ、そのままに。
理想のお肌に近づける乳液。
オーブリーオーガニクス
モイストライザー
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【 NaTrue 】
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・遺伝子組み換え植物あるいは有機体からの原料を含まない
・動物実験を行わない
・合成香料および合成色素は配合していない
・石油系原料は含まれていない
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2009年ベルギーで設立したオーガニックコスメ認証機関「ネイトゥルー」。
他にも製品の安全性をより分かりやすくするために、オーガニック栽培で得られた
原料の配合率で3つのレベルに分ける認証方法をとっています。
・95%以上のオーガニック原料と自然原料→オーガニックとして認定
・70%以上のオーガニック原料と自然原料→オーガニックを含む自然化粧品として認定
・オーガニック原料が70%以下→自然化粧品として認定
と厳しい基準があり、オーガニックナチュラルコスメを推進し、
オーガニックの原料を多く含む製品を区別できるようになっています。
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▼ NaTrue 認証取得商品
オイルなのにつっぱらない。
スピーディーにやさしくメイクオフ。
trilogy(トリロジー)
クレンジングオイル
ハーブに備わるチカラ、そのままに。
理想のお肌に近づける乳液。
LOGONA(ロゴナ)
スムージング デイクリーム ローズ
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上記にて紹介したECOCERT、そしてBDIH、COSMEBIO、Soil Association、ICEAの
5つのオーガニック認証団体の基準は2016年12月で終了しており、
2017年1月よりCOSMOS(コスモス)が設けた世界統一基準での認証を行うことになりました。
【 COSMOS 】
オーガニック化粧品の立ち位置を守りつつ、これまで定めていた認証ルールを調和させ、
その価値や影響力を高めていくために設立されました。
認証基準には「コスモスオーガニック」と「コスモスナチュラル」があり、
エコサート認証を基準に構成されています。
※2017年1月以前に認定を受けた製品にはコスモスマークは付きません。
サンテラボではCOSMOSが設立される前に認定を受けたエコサート認証取得商品を多く取り扱っています。
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結局どの認証が一番いいの?
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結論から述べると、
オーガニック認証を取得して、オーガニック原料が〇%配合されているから必ずこれが一番!
と、一概に言い切る事はできません。
理由は、そのオーガニック原料がすべての人の肌に合うわけではないからです。
また、どの認証機関でもコスメ一つ一つの原材料には基準を設けていますが
製品の各成分の配合バランスまでは確認していません。
安全性は確認されていますが、完成品の「バランス」を認証しているわけではないので
「オーガニック認証を取得しているからこれ」と決めず、自分のお肌と相談しながら
オーガニック認証マークは選ぶ際の1つの判断基準として考えるのがよさそうです。
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なぜ、日本ではオーガニック認証団体がないの?
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ここで疑問に思うのが、「海外にしかオーガニック認証団体がないこと」。
日本では食品のオーガニック認証基準(有機JAS)はあるものの
化粧品は国が管理する認証基準は存在しません*。
その大きな理由の一つとしては、日本ではオーガニックという言葉の「浸透度が低い」から。
近年では、オーガニックコスメが売り場に並んでいるのが当たり前にもなってきましたが、
以前まではオーガニックの文化がまだ日本に浸透しておらず
メーカーも認証を取得する必要性がない、と判断したのだと考えられます。
また、有機栽培のみを行う農家の数や有機栽培植物の生産量、
規定をクリアした工場が限られているなど、
日本ではオーガニック製品を生産できる場所がなく、
結局国内でも海外のオーガニック製品が多く流通しているという理由も一つだと思います。
*民間が運営する認証機関はいくつかあります。
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取得認証を意識して選ぶのが、必ずしも正しいわけではない?
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もちろん認証マークがあれば、安心して消費者は選ぶことができます。
しかし、「あえて」認証マークを取得していないブランドやメーカーも存在します。
その理由として多く挙げられるのが、認証取得時にかかる「コスト」です。
オーガニック認証を取得する際、エコサートの場合は
商品の申請から取得まで4ヶ月程かかるそうです。
商品企画から販売まで、かなりの所要時間が必要となります。
製品の数、工場の規模や担当する業務範囲に応じて費用もかかるため、
その分最終製品の価格が高くなり、消費者に負担をかけるというリスクにもつながります。
日本にまだまだオーガニックが浸透していない今、
国産メーカーや関連団体も、資金を出してまで認証を取るべきことではない
と考えているところもあるようですね。 しかし、中にはオーガニック認証を取得していなくても
オーガニックコスメの常識を超える厳しい自主基準を定めた
独自の農法を生み出す日本のメーカーもあります。
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【 QUON(クオン) 】
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オーガニックコスメの新しいとびらをひらく、
日本国内でも珍しい、「国産ワイルドクラフトコスメ」
・天然成分100%
・化学成分完全フリー
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肥料や農薬を一切使わず、また土を耕さず、畑に生きる多様な草と虫といった
他の生物を敵としない「いのちの営み」に沿った農法で
植物本来の生命力が凝縮された「無農薬・自然農」栽培のワイルドクラフト原料をはじめ、
海外輸入に頼らない「国産の自然原料」を極めて高い比率で配合しています。
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大和茶の「茶葉・茶花・茶実」が
調和したスキンケア。
QUON(クオン)
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【 amritara(アムリターラ) 】
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・植物原料の80%以上はオーガニックまたは野生
・合成界面活性剤は、石油系、植物系に関わらず不使用
・石油系の合成防腐剤を使用せず、植物が持つ天然の防腐効果を利用
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上記などの独自の厳しい基準「10の約束」を守り
まるでお菓子をつくるようなナチュラルな方法で真のオーガニックコスメを作り上げています。
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日本人のお肌のためにつくられた
国産オーガニックコスメブランド。
amritara(アムリターラ)
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まとめ
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オーガニック認証を取得したブランド、
オーガニックでありながら、あえて認証を取得しないブランド、
オーガニックを超えた独自のルールを持つブランド…
「オーガニックコスメ」とひとくくりにしていても
それぞれが素材や製法などに特徴があり、コンセプトもさまざまです。
これを機に「認証マーク」を意識しながら
本当にお肌に大切なことを考えたオーガニックを正しく選んでいきたいと思います。
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スタッフ じかん
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