COLUMN#46
香りも適材適所に。

 
 

去年の秋に引っ越しをして、家(アパート)の中の香りを一通りそろえました。

香りを置いている場所は、玄関、トイレ、ウォークインクローゼット、そして寝室の4か所。

とりあえず好きな香りをなんとなく家の各所に置いてみたものの、
生活し始めて約2か月が経ち、果たして適材適所にアロマを置けているのか、
そもそも部屋に最適なディフューザーを選べているのか、
実はよく分からないまま過ごしています。

玄関の香りは気に入っているけれど芳香力がキツイかも…と感じていたり、
ダイニングとリビング全体を香らせるにはどんなディフューザーを使うべきか分からず放置していたり…。

せっかく香りを置くならしっかりと楽しめるように
基本的なことは抑えておきたいところです。

 

知れば知るほど奥深い香りの世界。

何から手をつけたら良いのか迷ってしまいますが、
まずはディフューザーから家の香りを見直してみたいと思います。

 

香りの特性

ディフューザーを選ぶ前に、まず大前提として知っておきたいのが、香りの特性です。

アロマテラピーの資格を持つ先輩スタッフによると、
精油は揮発するので、基本的には上に向かって香りが広がるそうです。

そんな基本的なことも知らなかった私は、
胸ぐらいの高さまである玄関の下駄箱棚の上にリードディフューザーを堂々と置いていました…

よく香ってはいるのですが、香りが少しキツいと感じていたのと、
いつも靴を履こうとかがんだ時に もわんとした玄関のニオイが気になっていたのは、
おそらく配置する高さに問題があったんだと思います。

香りは扉の開け閉めや人の動きなど空気の流れによっても広がるので、
その点も考えるとディフューザーを置くべき場所が自然と絞られてきます。

 

また、香りの種類によっても香りを感じやすいものとそうでないものがあります。

日本アロマ環境協会さんによると、
精油の香りは揮発速度によって3つのノートに分けられます。

トップノートに分類される柑橘系やペパーミント系は揮発性が高いため
ブレンドアロマでは一番最初に印象的に香りを感じますが、香りは長く続きません。

ミドルノートの香りはトップノートに続いて香る、香り全体の軸となります。

ベースノートに分類される安定感のある樹木系やオリエンタル系の香りは、
揮発性は低いですが香り時間は長いという特徴があります。香水では残り香となります。

 
 


香りの好みは人それぞれなので、どこにどの香りが最適というのはありませんが、
こういった香りの特性も知っていると配置を考える上で役立つかもしれませんね。

 

ディフューザーの主な種類

 

引っ越ししてバタバタしている中、 とりあえずなんとなくアロマを置いてしまった我が家。

当然、部屋ごとに香りの強さにバラつきがあります…。

こうなってしまったのは、ディフューザーについてちゃんと調べもせずに、
インテリアとしての見た目だけで選んでしまったから。(笑)

ディフューザーっていろんな種類があるので調べるだけでも一苦労しそうですが、
自分のライフスタイルや空間に合わせて取捨選択していけば
最適のものが見つかりやすいはずです。

 
 
 
【 アロマストーンやアロマウッドは小さな空間に 】

自然に香りが揮発して香るアロマストーンとアロマウッド。

電源が不要でサイズもコンパクトなため、場所を選ばずに自由に使うことができます

どちらも機能面での違いはほとんどないため、
単純に見た目の好みで選んでしまっていいみたいです。

ただ、香りを感じられる範囲が1、2mほどなので、
枕元やデスクの上、クローゼットの中など、比較的狭い空間に向いています。

香りの持続時間も半日~1日程度と短く
シーンや気分に合わせて手軽に使えるディフューザーとして持っていてもいいかもしれません。

アロマストーンやウッドディフューザーはトイレや玄関におすすめ、とよく聞きますが、
香りの持続力が短く精油をこまめに垂らすのが手間なので、
私はニオイが気になる空間にこそあまり適していないと感じています。

そのため、我が家では就寝時とデスクワーク時にアロマストーンを使っています。

 
【 玄関にはリードタイプがおすすめ 】

リードスティックの本数で香りの強さや持続時間を調節できるリードディフューザー。

電源が要らないので玄関に置きやすく、ドアの開け閉めや人の動きで香りがふわっと広がります
しっかりと香りを感じられるのでニオイが気になる玄関におすすめです。

というのも、我が家でも実は引っ越し当初は、
とりあえず玄関の下駄箱棚の上にアロマストーンを置いて好きな精油を垂らしていました。

でも帰宅して玄関扉を開けても香りをあまり感じられなかったんです。
1日2回ほど精油を垂らしていましたが、これがちょっと面倒に感じてしまって…

そこでリードタイプのディフューザーに変えてみたところ、
何も手を加えなくても香りが常にふんわりと漂うようになりました。
今では家に入る瞬間が毎日のちょっとした楽しみになっています。

 

ちなみに、リードディフューザー本体のサイズによって適した空間の広さがあり、
一般的に100mlぐらいで6畳以下の空間に適していると言われています。

また週一回程度にリードスティックの上下を入れ替えてあげると
香りが広がりやすくなるみたいですよ。

 
【 リビングには拡散力のあるネブライザー式を 】

リビングやLDKは空間が広いので、拡散力のあるディフューザーを選ぶのがポイント。

なかでも、最近注目を集めているのがネブライザー式(空気圧縮式)ディフューザーです!

ネブライザー式とは、水を使わず空気の圧力を使って、
エッセンシャルオイルを原液のまま拡散させるという仕組み。

オイルがの減りが早いというデメリットはあるものの、
精油そのものを微粒子化して噴射するので天然アロマ本来のピュアな香りを
パワフルに短時間で拡散
してくれます。

水を使う超音波式のデメリットであるカビや雑菌のお手入れも、
ネブライザー式ならほとんどしなくてOK

(時々、無水エタノールでお手入れしてください。)

より香りを広げたい場合は、サーキュレーターで空気の流れを作ってあげると効果的みたいですよ。

 
【 寝室には睡眠を邪魔しないものを 】

寝室は休む空間。

睡眠の妨げにならないよう、動作音が静かで、
香りの拡散パワーがさほど強くないディフューザーを選びたいところです。

個人的には、四六時中香り続けるディフューザーよりも
眠りにつくまでの時間に楽しめるものが良いと思っています。

リラックス空間を作るという点では、
ほんのり灯るライトがリラックスムードを高めてくれる
アロマランプやアロマキャンドルもおすすめだとよく聞きますよね。

ただ、私の場合いつも寝落ちしてしまうので、
アロマストーンやアロマウッドをベッドサイドに置くぐらいが安心です。

 

また、火を通すことによって
ベースノートよりもさらに重いボトムノートという分類の香りが出せる「お香」を
ベッドに入る前に焚くのもおすすめです。

他、寝室だからこそ音や火を気にせず安眠したいという方は、
手軽にピローミストやアロマミストを振りかけるというほうが合っているかもしれませんね。

 

まとめ

ディフューザー選びは、ただ単に香りの拡散力だけで決めるものではないということが分かりました…。

お手入れがどれぐらい必要なものなのか、自分の性格と合うのかという点はもちろん(笑)、
いつ どのように どこで どのぐらい香ってほしいのか、
まずは「香ってほしいシーン」を考えてディフューザーを選ぶことで、
香りのある暮らしをもっと楽しめるようになります。

おこもり生活の中で蓄積された日々のモヤモヤも、
香りがあれば、暮らしがちょっと心地よくなるかもしれません。

新たな1年の始まりに、家の中の香りを見直してみるのも良さそうです。

 

スタッフ ながお

 
 

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