「マクロビオティック」って何?
     −素材をそのまま食べる食養生−・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

●マクロビオティックは日本生まれ

  自然食の中でもっとも知られているのが「マクロビオティック」です。
この食事法を一言で説明するなら「玄米菜食」ということになるでしょう。

  マクロビオティック(Macrobiotic)はフランス語(英語の場合はマクロバイオティックと発音します)。
「macro」は「大きな、長い」、「biotic」は「生命術、生命学」を意味します。


  実は、このマクロビオティックという考え方は日本で生まれました。
昭和初期、食養運動家の桜沢如一が自らの実践と理論を世界に広めたのがはじまりです。
それが1970年代、ヒッピー・ムーブメントとともに日本に逆輸入されたのです。
フランスやアメリカでセンセーションを巻き起こしたマクロビオティックが日本ではなかなか注目されなかったのは、この食事法が昔ながらの日本食そのものだったからだと考えられます。

●その土地、その季節に穫れるものを食べる

  マクロビオティックの基本のひとつは「身土不二(しんどふじ)」。
人間の体(身)も生まれ育った土地(土)とひとつ(不二)である、という考え方です。
つまり、自分が住んでいる土地で穫れた、旬のものを食べることが健康的だというわけです。


  たとえば、暑い地域、暑い季節に穫れる野菜や果物は体を冷やす作用があります。
逆に寒い地域、寒い季節に穫れるものは体を温めてくれるのです。
キュウリやスイカなど夏に穫れる野菜は水分が多く体を冷やしてくれますし、ニンジンやレンコン、ゴボウなどは体を温めてくれます。


  野菜や果物は旬の時期が一番おいしくて価格も安い。
そのうえ、栄養価も高いので、「身土不二」の考え方は理にかなっているといえます。

●素材をまるごと食べる


  マクロビオティックのもうひとつの基本は「一物全体」。
命あるものはすべてまるごとひとつで調和が保たれているという考え方です。
つまり、野菜なら皮のついたまま、お米なら玄米のままいただきます。
野菜は皮と身の間がもっとも栄養価が高いといわれますし、そのまま蒔けば芽が出る玄米は食物繊維、ビタミンB群、鉄、カルシウムなど豊富な栄養素を含んでいます。


  実はマクロビオティックの中にもさまざまな考え方があります。
厳密な玄米菜食の場合、動物性たんぱく質は摂りませんが、「一物全体」という考え方からすれば、まるごと食べられる小魚や小エビなどは食べてもいいということになります。


  素材をまるごと食べるということは、バランスよく栄養素が補えるばかりでなく、「もったいない」の精神にも合致。
また、ゴミが出ないのでマクロビオティックは環境にもやさしい食養生ということができます。