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ベッタ河合社長に聞く!
ずっと使える哺乳びん専用ブラシセットのはなし

よみもの

サンデシカのハルタです。
ベッタ河合社長に聞く!シリーズ第三弾となる今回は、哺乳びん専用ブラシセット

哺乳びんのお手入れ用品は乾燥させるためキッチンに出しっぱなしになるものですが、ベッタのブラシを見たとき、スッキリとしていて可愛いと感じていました。キッチンで存在感を放ちすぎず、卒乳後もずっと使えそうなシンプルさも気になっています。

哺乳びん専用ブラシセットについて、ベッタ河合社長にお伺いしてきました!

インタビュー

ベッタのブラシ開発のはなし

河合社長:ベッタはカーブがついたスリムな哺乳瓶から始まりました。哺乳瓶の独特な形状を洗うために、ブラシを開発しました。

河合社長:ベッタの哺乳瓶は小児科医と開発したカーブで、赤ちゃんの嚥下サポートやミルクが耳菅に入りにくくなったり、空気を飲みにくくするとてもいい哺乳瓶なのですが、カーブがあることで奥の角に溜まったミルク汚れまでブラシが届きにくいという問題がありました。せっかくのいい哺乳瓶ですから、しっかりとお手入れができるブラシの開発が必要だったんです。

馬毛はブラシの王様

河合社長:ブラシ屋さんと話し合い、柔らかさとコシを兼ね備えた馬毛なら哺乳瓶を傷つけずに角まで洗うことができると教えてもらいました。様々な部位の毛でサンプルを作り、丈夫な尻尾の毛を使った今のブラシに辿り着いたんです。

毛先が隅々まで届きます

河合社長:馬毛って”ブラシの王様”と言われる高級な素材なんです。手で触っても痛くなくて、気持ちがいいですよ。

サンデシカ:固いけど柔らかくて、ナイロンにはない気持ちよさですね。

河合社長:ナイロン素材のブラシは裁断面が鋭く、プラスチックの哺乳瓶だと繰り返し洗っているうちに傷だらけになってしまうんです。傷はバイ菌が繁殖する原因となり、清潔を保てなくなってしまいますよね。それは絶対にNGなんです。

その点馬毛ブラシは肌に当たっても痛くないようにとても優しいんです。しなやかな毛先が隅々まで届いて哺乳瓶の角に溜まったミルク汚れもお手入れできます。ブラシとしてすごく優れているんですよ。

サンデシカ:毛が柔らかいのに握っても潰れずちゃんと戻ってくるし、自然な弾力があります。

交換部品いらずで、ずっと使えるブラシに

河合社長:馬毛を巻くステンレスもとてもいい物を使っているんです。ステンレスの間に水が入って抜けないままでいるとステンレスとはいえ錆びが出てしまうことがあります。束ねている柄から毛が抜けてしまったり乾きにくいと腐りの原因となるので、品質にかなり重点を置いてステンレスを選びました。発売して20年近く経ちますが、まだ錆びたものは見たことないんですよ。

サンデシカ:耐久性もあって長く使えるなら用途も広がりそうです!

河合社長:自宅で何年も使い込んだものがキッチンにぶら下がっているのですが、ようやく劣化があるくらい。本当に長く使えますよ。

このブラシは発売した20年近く前、ブラシとしては高い900円くらいの価格で売り出しましたが販売数はベッタの中で毎年3位内に入るほど人気の商品になったんです。作る量が増えたことで、値段を抑えることができて、今でもほとんど値上げをすることなく販売できています。

今も売り場に並ぶ他のブラシのほうが相場は少し安いですが、ナイロンスポンジのブラシは2〜3ヶ月でくたくたになって劣化してしまいます。でもベッタのブラシは1本で卒乳した後も使えるんです。

作る側としては、消耗品の方が繰り返し購入してもらえる機会にも繋がりますが、ユーザーとしては長く使えて無駄がないものがいいですよね。

サンデシカ:お財布にも環境にも優しいです。

ベッタ ブラシセット

乳首用ブラシの形状

河合社長:セットの小さなブラシは乳首を洗うために開発されたブラシです。
初めは今とは違う三角の形からスタートしたんです。先端まで洗うことが難しかったり、ブラシが乳首の吸い穴を突き抜けて穴を大きくしてしまうというクレームがありました。

四角いブラシも作ってみましたが、小さなブラシの先に毛を植え込む作業工程が難しく、断念。その後、真っ直ぐのブラシにしてみました。すると今度はステンレスの部分が乳首の吸い穴に当たってしまい突き抜けてしまうトラブルが起こってしまったんです。

洗浄時のトラブルを防ぐために、毛を巻いているステンレスの先を二つに折ってもらうことにしました。初めこの提案にブラシ屋さんからは驚かれたんですが、この形になってからは乳首にジャストフィットして綺麗に洗えるようになり、突き抜けるトラブルもほとんどなくなりました。

サンデシカ:様々な改良を重ねてたどり着いた形なのですね。

先が二つに折り曲げられています

人の手で作られるブラシ

河合社長:小さなブラシの毛はナイロンです。本当は馬毛でやりたかったのですが、ナイロンより繊細な馬毛を短かく小さな先端に巻いていくことはとても難しい作業なんです。巻いている間にも外れてしまったり、上手にできても使っているうちに毛が抜け落ちてしまう可能性があるため、乳首用のブラシにはナイロンの毛を使うことになりました。

馬毛とナイロン、どちらも毛をステンレスに巻いていくのは職人の手作業なんですよ。巻き具合、締め具合はとても繊細で、強すぎても切れちゃうし、ゆるくても外れてしまう。本当に一本一本具合をみながら職人技で巻いていくんです。だからできたブラシはどれも毛は抜けてこないし切れてもいないし、すごい技術なんです。

職人さんの技術で綺麗に巻かれています

サンデシカ:国内の手作業でこの値段で販売できていることもすごいと思います!

河合社長:数を作れているのでこの価格にすることができました。日本でやってくれているのもありがたいことです。すぐに顔を見て話ができるっていうのはすごく良いことだと思っています。

ずっと使いたくなる魅力

サンデシカ:ブラシのお手入れについて教えてください。

河合社長:お鍋に沸かしたお湯をブラシでぐるぐるかき混ぜたり、熱湯をかけてもらえるといいですよ。

過去にあったクレームのなかに、毛がガチガチに固まってしまったという例がありました。
原因としては、哺乳瓶消毒に使う塩素系のつけおき液に浸されて毛が弱ってしまったのではないかと考えられます。馬毛は天然のものなので、人の髪と同じように弱ったり傷んだりしてしまいます。

塩素系のご使用はお控えいただくことと、ステンレスを使用しているのでレンジも使えません。正しくお手入れしていただければ長く使うことができますよ。

サンデシカ:熱湯をかければいいと思うとハードルが下がります。

河合社長:このブラシがきっかけで私もすっかり馬毛にハマってしまって。私生活でも馬毛のボディブラシを愛用するようになってすごく気持ち良くて。馬毛にはモイスチャー効果もあることを知り、ベッタからも細くて柔らかい馬のたてがみだけを使用したブラシを販売しました。馬毛はお肌や髪のきめを整えハリを与えます。赤ちゃんの細い髪を優しくとかしたり、大人のボディブラシにも使えるんです。

哺乳びん専用ブラシセットは何年も使えるブラシです。卒乳後は水筒、ロンググラス、ワイングラス、急須の中も洗ったりします。小さいブラシは細かいところを洗うのに便利ですよ。傷んできたら花瓶の中、シンクの中を洗ったり。しっかり流して乾かしておくと綺麗になります。ぜひ色々な使い方をしてみてください。

サンデシカ:使い道も幅広くて普段の洗い物でも長く活躍できそうです!お話を伺わせていただきありがとうございました!

インタビューを終えて

河合社長のものづくりの背景をお伺いでき、今回もとても充実した時間となりました。

インタビューの様子

私が何年か前に量販店で購入した哺乳瓶用ブラシはベビー用品らしいカラーリングの回転ハンドルタイプのものでした。

先のスポンジを使用ごとに絞って乾かし、普段はぶら下げておくのですが柄がプラスチックで分厚く、場所をとるのでちょっとした存在感がありました。卒乳後は潔く処分をしてしまいました。

キッチン周りで使う物ほど、シンプルで良い素材のものが長く使えて好きだと自覚してきたこのごろ。ベッタのブラシもそういった、何にでも使えてずっと使いたくなるブラシだと感じています。

哺乳瓶の時期が終わっても、保育園や幼稚園、小学校、その先もずっと、水筒のお手入れはついてまわるので、柄の長いブラシは必需品。乳首用のブラシも水筒のパッキンや細かなパーツの溝を洗うのにも便利です。

品質にこだわって人の手で作られたブラシと伺い、ますます大切に使っていきたいと思いました。

お話を聞かせてくださったベッタの河合社長、ありがとうございました!


Brand Story

President and CEO: 河合 とも子

私の娘は生後2週間で中耳炎になりました。その日は朝からぐずって泣いてばかり。生まれてまもなくの事で、私もどうして良いのか分からずに、ミルクを飲ませたり、おむつを替えたり、そしてお風呂にも入れてみました。いつもはお風呂が大好きなのに、その日は激しく火がついたように泣き叫びました。タオルに寝かせて身体を拭いてあげている時、耳から膿が出てきたのです。びっくりして、かわいそうで、私も一緒に泣いていました。その後、耳の病気は頻繁に再発し、耳鼻咽喉科に通う日々が続きました。

1994年12月にアメリカ製「ベッタ哺乳びん」に出会い、考案者の小児科医にお話を聞いた時、この哺乳びんがあれば娘は苦しまなくて良かったのに!との思いで一杯でした。

1995年アメリカに渡りライセンス契約を締結。輸入販売を開始しましたが、日本人にはアメリカ商品の大雑把な部分が受け入れられず、1年あまりで断念。

その後日本で製造をしてくれる匠職人に出会い、難しいカーブのボトル形状を1本1本手作りで作ってくれる工場で製造を継続しています。
国内製造にこだわった訳は新生児が使うものだから繊細に注意深くクオリティの高い商品を作りたかったからです。
今でも細かい部分の修正を相談しながら顔を見ながら、より良い商品作りを目指しております。

私のように悲しい思いをすることがなくなりますように。との思いを込めて、赤ちゃんが健やかに育ってくれる事を祈りつつ、「ドクターベッタ哺乳びん」がお役に立つことができればと願うばかりです。

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