フラーレンが肌にもたらす効果とスキンケアに取り入れるべき理由

フラーレン 化学式

「肌も酸化する」という言葉を聞いたことはございませんか。
金属が錆びたり、リンゴが変色したりするように、肌も日々紫外線や生活習慣等のさまざまな要因で酸化し続けています。
美容成分「フラーレン」は酸化ストレスから肌を守ってくれる人気の成分です。

この記事ではフラーレンの効果やおすすめのスキンケアについてわかりやすくご紹介いたします。

目次
  • - 美容成分:フラーレンとは
  • - フラーレンがお肌にもたらす効果は?
  • - フラーレンの安全性について
  • - 化粧品を選ぶ基準になる!フラーレンマークとは
  • - 水溶性フラーレンと油溶性フラーレンの違いって何?
  • - まとめ


美容成分:フラーレンとは

フラーレンはサッカーボールのような形をした炭素の同素体で、1985年に欧米の研究者によって発見され、1996年にノーベル化学賞を受賞した成分です。
炭素と言うと真っ黒な石炭やカーボンなどが思い浮かぶかも知れませんが、化粧品原料としてのフラーレンは不純物は完全に取り除かれています。
スキンケア製品やボディケア製品、洗顔料や化粧下地など多くのアイテムに肌老化を防ぐ目的で汎用されています。

フラーレンがお肌にもたらす効果は?

首 首元 シワ     

①紫外線や大気汚染物質、ストレスなどのダメージから肌を守る

気汚染物質、ストレス、過度な飲酒や食品添加物等にさらされると、体内で刺激から細胞を守る為に活性酸素が生成されます。
この活性酸素は外部刺激から免疫機能を守る働きをする一方で、過剰に生成されると肌のたるみ、シワ、メラニン増加を引き起こし、肌老化に繋がります。
ヒトはもともと活性酸素が過剰に増えないよう、SOD(スーパーオキサイドディスムターゼ)という抗酸化酵素をもっていますが、年齢とともに低下していきます。

フラーレンの最大の魅力はSODや抗酸化成分で有名なビタミンCの約250倍と非常に強い抗酸化力が長期間持続することです。この抗酸化力は紫外線を照射しても安定しています。
持続力の秘密はビタミンCのように自分自身が酸化し守るのではなく、フラーレンのサッカーボールのような構造の中に活性酸素をスポンジのようにどんどん吸収し、無害な物質に変えるという独自のメカニズムにあります。
そのため日々生きているだけで発生し続ける活性酸素から肌を守り、エイジングサインに長時間アプローチ出来るのです。

②肌トーンアップ
メラニンに対するフラーレンの有効性の検証で、人工的に作成したシミにフラーレン配合クリームを塗布し、メラニンインデックス(色素濃度)を測定したところ、未塗布部より低下したという結果が出ています。

フラーレンはシミやくすみの原因となる活性酸素を無害化することでメラニン産生を抑え、肌トーンアップへと導きます。
紫外線を浴びる前、浴びた後のスキンケアに積極的に取り入れたいですね。

③肌バリア機能を修復し肌あれを防ぐ
肌のいちばん外側にある角質層には、CE(コーニファイドエンベロープ)というタンパク質の膜があります。
CEは外部刺激から肌を守るバリア機能を維持する役割があり、バリア機能が低下すると紫外線、摩擦、乾燥などの刺激に敏感になり、肌あれの原因になります。
アトピー性皮膚炎や乾燥肌の人はCEが未熟な状態であることがわかっており、肌バリア機能の強化にはCEが成熟した状態であることが不可欠です。

フラーレンはこのCEの減少を抑制し肌バリア機能を修復する働きがあります。
バリア機能が整うことで、乾燥や肌荒れからお肌を守りみずみずしい肌へと導きます。
マスク生活でゆらいだ肌にもぴったりの成分ですね。

フラーレンの安全性について

これだけの強い抗酸化能力と持続力をもったフラーレン。肌に塗り続けて大丈夫なの?と感じる方もいるかも知れません。

フラーレンはパッチテストや光毒性評価、アレルギー評価など数多くの安全性試験をクリアしており、過去に副作用のデータも無いことから肌への負担は少なく、安心して使える成分です。

化粧品を選ぶ基準になる!フラーレンマークとは

フラーレンマーク

フラーレンの効果を充分発揮できる規定濃度(1%)以上が配合された化粧品は、※フラーレンマークを表示することが出来ます。※フラーレン製造発会社「ビタミンCバイオリサーチ株式会社」の登録商標

現在、フラーレンマークは全6種類あります。

①R.S. (ラジカルスポンジ:水溶性フラーレン)

②L.F.(リポフラーレン:油溶性フラーレン)

③V.F.(ヴェールフラーレン:粉末タイプフラーレン)

④M.F.(モイストフラーレン:リポソーム化用フラーレン)

⑤H.F.(ヘアシャイニーフラーレン:ヘアケア用フラーレン)

⑥S.F.(サンガードフラーレン:日焼け止め用フラーレン)

ビタミンCバイオリサーチ株式会社のフラーレン原料は植物由来のため、SDGsへの取り組みも行われています。

フラーレンの効果をしっかりと実感したい
環境に配慮された化粧品を使いたい
場合はフラーレンマークがついているものを選ぶといいですね。

水溶性フラーレンと油溶性フラーレンの違いって何?

水溶性フラーレン 油溶性フラーレン 違い

6種類あるフラーレンマークで、代表的なものがR.S.(ラジカルスポンジ:水溶性フラーレン)とL.F.(リポフラーレン:油溶性フラーレン)です。

R.S.(ラジカルスポンジ:水溶性フラーレン)は水やアルコールに溶けやすく、化粧水やジェルなど、幅広い化粧品に使われます。

L.F.(リポフラーレン:油溶性フラーレン)はフラーレンとスクワランのみで出来ています。オイルに溶けやすく、クリームや美容液などに使われます。

いずれも肌にやさしく、効果や持続性も同じなので、使用感の好きな方で選んでも良いのですが、アンチエイジングの敵である活性酸素をより多く無効化するには併用が効果的です。

まとめ

フラーレンは独自のメカニズムにより、酸化ストレスから長時間肌を守ります。
早いうちからエイジングケアをしたい人から年齢サインを感じはじめた人まで、いつものケアにプラスし使って頂きたい成分です。
生きているだけで発生してしまう活性酸素とうまく付き合い、いつまでも輝く美肌を手に入れましょう。



記事作成:きみちゃん
スキンケアオタクで年間20万以上美容に投資しています。

化粧品原料メーカー勤務
化粧品検定1級
化粧品成分検定1級
肌タイプ:混合肌
お肌悩み:毛穴・キメの乱れ
20代後半

記事作成者

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