桐箔絵三段重・藤井収・山本哲

華やかに新年を

 一閑張という技術は、最初は籠の上に紙を貼った上に土や柿渋を塗り形を作っていったものから始まっています。ずい分古い時代からありましたようですが、一閑張の名は飛来一閑から始まったとされ、千宗旦が大変に好んだことで千家の職方に取り立てられたということです。

 うすい木地を丈夫にするために和紙を貼り、その力をかりて華奢でやわらな形を作っています。ですので、見た目より丈夫で長くお使いいただけます。

 この一閑張洗朱の六五重は、箔絵で桐紋を施し華やかなお重箱です。内側は黒なので料理の色が冴えてみえます。お正月のお重箱としておすすめです。

 朱盃は奥田志郎さんのこれ以上は考えられないと思う盃です。ゆり工房さんの錫の盃台・銚子もお道具として大切にしていただくにふさわしいものです。

 取り皿としてお見せしている龍文の5寸皿は正木春蔵師の力作、明・万暦赤絵のアレンジです。来年の辰年にちなんで久し振りに作っていただきました。さまざま困難な2023年でございましたが、何とか華やかに新年をお迎え下さいますようにと願うばかりです。

工芸店ようび 店主 真木
すず器:お屠蘇器・錫銚子(立型):和食器の愉しみ工芸店ようび