ここでなぜ私がベルギービールを好きになったかお話したいと思います。
実は私は酒屋の息子に生まれながら、学生時代はお酒を一滴も飲むことができませんでした。
それなのになぜかお酒のメーカーに就職したのです。 (しかも日本酒の!)
ここではやはり飲まないわけには行かず、毎日毎日訓練です。
ある程度飲めるようにはなりましたがあまり好きにはなれず、
さらにビールといえばお酒の前の口ゆすぎ、ただお腹が張る飲み物となっていました。
そんな私もある時、実家の酒屋に戻ることになりました。
お得意先のひとつに、とても流行っているイタリア料理店がありました。
料理はもちろん素晴らしいのですが、置いてあるお酒はワインだけでなく、
とても変わったビールがあったのです。
国産メーカーのプレミアムビールをはじめ、今は無くなってしまった色々な銘柄がありました。
中でも特に変わっていたのが、そうです、ベルギービールでした。
はじめは「これ変わったビールだな、、ベルギーのビールなんて聞いたことないな、、」というくらいでした。
「ベルギーのビールっておいしいんですか?」と店主に尋ねました。
「おいしいよ、一度飲んでごらん」
そう聞いて飲まないわけには行きません。
さっそく納入していた銘柄、
「ヒューガルデン・グランクリュ」を持ち帰りました。
王冠を開けると、なにか良い香りがしてきます。
日本のビールとは全然違う、フルーティーな香り。
オレンジとか、、スパイシーな香りもしてきます。
さっそくグラスに注いで見ます。これまた日本のビールとはまったく違います。
第一、濁っているのです。
しかも輝く黄金色、泡立ちも細やかでふくよか。
さきほどよりもさらにフルーティーな香りがあたりに漂います。
一口飲んでみます。
「ん?何だこれは!」
もう一度ゆっくり口に含んでみます。
「美味しい!」
原材料を見てみると、見たこともないようなものがあります。
オレンジピール、コリアンダー?
しかもアルコール度数も高い、、、。
そのオレンジピールのフルーティさ、コリアンダーのスパイシーさ、
アルコールの重厚感、モルトからのほのかな甘みが絶妙に絡み合い、
また時間が経つにつれてその味わいを変化させていきました。
こんな素晴らしい飲み物があったのか!
この日が衝撃的なベルギービールとの出会いとなったのです。
それからすぐにさまざまな銘柄を取り寄せ、飲みまくり、数年後にはベルギーまで飛んでいました。
するとさらに目からうろこの数々の事実が、、、!
修道院でビールを造っている!
銘柄ごとに専用グラスがある!
フルーツを使ったビールがある!
自然発酵のビールがある!
あれからもう10年余、
飽くなきベルギービール探訪の旅はまだまだ終わりそうにありません。
そんな私は、定期的にベルギーに飛び、醸造所を訪問しています。
⇒店主のベルギー訪問記
このベルギービールJAPANでは、なるべくただ商品を販売するのではなく、
ARTISANALE(手造り)な生産者にスポットをあて、その生産者の人柄やこだわり、
商品にまつわる物語をお伝えしていきたいと考えています。
ぜひベルギービールの素晴らしい味わいにハマってみてください。
それでは各コーナーへどうぞ。 |