無肥料野菜について 腐る野菜 遺伝子組み換え まとめ  なぜ無肥料で野菜が出来るのか? 土と種と愛情

土と種と愛情

無肥料農作物つくりで一番大切な部分です。
この現場を見てきました。

●文責 上瀧竜矢

■農家を目指して

無肥料農家さんに会う旅で初めての同行者がいます。
若い農家さんの卵の2人です。
彼らは現在、茨城県のスワラジ学園(NPO法人百姓の家)というところに住んでいて、農的暮らし、自給自足の暮らしをしています。
各自小さな農場を与えられ、そこで自分が作る野菜を売り、人生を学んでゆくという学校です。

彼らのうちの1人高木君とは鞍馬のウエサク祭で出会いました。
“無肥料作物とは?”の話をしたところ、「無肥料農家さんの畑を見てみたい。」ということからからこの旅が始まりました。

大阪から、スラワジ学園のある茨城県石岡には直通で夜行バスがあります。
石岡インターで下車するともう1人の同行者の大谷君が迎えに来てくれました。

27歳のさわやかな青年です。
東京出身で、自分で作った野菜で料理するレストランをしたいと言う夢があるようにまじめに農業と向かっています。
現在、彼らは有機農業に取り組んでいます。
無肥料とは言葉は聞いたことがあるものの、どういったものかは全く知りません。

彼らの畑を見て、群馬県の田村さんの畑に向かいました。

 

田村さんとは今年になってから取引を開始し、私もはじめてお会いする農家さんです。
いつもいただいている四葉きゅうり、ズッキーニの味は最高です。

田村さんは無肥料栽培を始めて3年。
現在、肥毒を抜いている畑もありました。

話を聞いていたところ田村さんも脱サラをし、農家を目指した1人です。
同行者の高木君、大谷君とも話が合いました。
私1人では聞いても分からない話が多く、今回同行してくれた彼らに感謝です。

晩御飯は田村さんのご自宅で田村さんの無肥料うどんをいただきましたがおいしかったです。

■種

2日目の午前中は野口種苗さんに向かうことになっています。
野口さんとは無肥料メーリングリストでお知り合いになりました。

野口さんは農家さんの間ではかなりの有名人です。
お店にある種はほとんどが固定種でF1(一代交配種)の種はほとんどおいていません。

種屋さんが「自家採種」を薦めるのはご自分の商売上、お客さんに「自分で種を取ってうちからは買わなくていい。」といっているようなものですが、自家採種する農家さんも少なくなっていることもさることながら、もともとの種採り農家さんの高齢化に伴う廃業も拍車をかけています。
固定種、日本古来の在来種の種はほんとに危機的な状態になっています。

野口さんは、手塚治虫の虫プロに入社し、手塚治虫社長担当の編集者で「鉄腕アトム」や「火の鳥」の初代担当編集者です。
そば近くで接した手塚治虫の終生のテーマが、「生命の尊厳と地球環境の持続」であることを知り、感銘を受けました。
虫プロが倒産し、家業を継ぐことになった時、F1という一代限りの野菜種子の普及でなく、種を採りついで生命が持続しながら変化し発展していく固定種野菜の復活に挑戦してみたいと思ったのは、自然ななりゆきでした。

 


手塚治虫氏の火の鳥が看板にあります。

■F1(一代交配種)とは?

以前、書いた新聞の中にF1のことを書きましたが、野口さんのお話でもっと詳しく分かりましたので書きます。
F1で作った野菜はメンデルの法則により、均一にそろいます。
人間で言うと黒髪の日本人の男性と、金髪の北欧の女性が結婚すると、二人の間には、すべて黒い髪の子供が生まれます。
この法則を利用したものですが、 どうもこの作り方に次世代がおかしくなることが多いようです。

F1の作り方は雄性不稔(ユウセイフネン)の株が必要となってきます。
雄性不稔とは男性に原因がある不妊のこと。つまり、人間に例えればインポとか無精子症です。
雌しべは普通に機能するけれど、雄しべに花粉ができないので、自分の花粉では受精できない不妊症の個体を、雄性不稔株と言うのです。
F1の種は形を一定にそろえることからこの雄性不稔株を見つけると一斉にこの株の種を作り、その株を育て、健全な雄しべを持つ父親役の品種を近くに植えて一代雑種の種を採種します。

雄性不稔や男性原因の不妊がなぜ起るのかというと、植物でも動物でも、細胞内のミトコンドリアという器官にある遺伝子が、傷つき、変異するのが原因のようです。
詳しくは野口さんのホームページの交配種(F1)と固定種の作り方【4】に書いてあります。

種の現状を野口さんから聞いたときは正直、暗い気持ちになりました。
食べるものが無いのではないか?
食べるものが無くなってゆくのでは?

その後、野口さんのお店の裏のプランターに連れて行っていただきました。
そこにあったものは無肥料の関野さんの種で作ったアロイトマトでした。
肥料アリのプランターと肥料ナシのプランターで育てていて、その違いを見せていただきました。

そこで野口さんは無肥料野菜、自然栽培は自家採種が基本。
まだまだ可能性があると力説していただき、少し救われた気分になりました。


無肥料の葉は必要がなくなった部分は枯れてゆく。
野口さん自身も驚かれていました。

■愛情

関野さんの畑は2年ぶりです。
関野さんは健友館が無肥料野菜を取り扱って一番助けられた農家さんでもあります。
この人の愛情を書きたくていままで農家さんめぐりをしていたのかもしれません。

関野さんは無肥料に取り組んで4年。
2年前に見せていただいた畑は雑草がたくさん出ていて、雑草取り、もちろん手作業でとっていました。
現在はほとんど出てこないらしく、畑もとても近代的です。

関野さんの環境、畑、作物に対する考え方は私の上っ面な考えとは違い、いつも心に残る言葉をいただきます。

関野さんの畑を見学している最中でした。
ほとんど全ての作物をとり終え、お隣と隣接している、ちょうど「ここから境目ですよ。」といわないばかりに生えているねぎがありました。
そこを通った瞬間、関野さんの表情が一変しました。

この表情は文章では表現しにくい、なんともいえない表情です。
悲しさ、悔しさ、私たちがいるのでそれを隠そうとしている表情全てが入り混じっていました。この表情は私は忘れることが出来ません。
関野さんがポツリと「除草剤をかけられている。」
「かわいそうに。」

関野さんには申し訳ないのですが、私にとってはものすごく愛情の深さを見せ付けられた一面でもありました。

この人の野菜は「だから良いのだ。」と再確認させられました。

別の畑を見せていただき、生のナスをかじりました。
以前、関野さんの生ナスをおいしく食べましたが、甘くて美味しいのです。
今回もそうだったのですが、同行者の大谷君は自分の有機栽培茄子を生で食べてエグミが強く、食べられたものじゃないと思っていたらしく、私がかじったのを見ながら恐る恐る食べ、あまりにも味の違いで、驚愕。

ここから、彼らは真剣に“これが無肥料か!”と思ったに違いありません。

 

 


関野さんの畑で落ちていたきゅうり。
無肥料は枯れます。

■高橋博氏の畑

自然栽培の第一人者の高橋さんの畑に見学&勉強会です。
通常はこんな勉強会は無いのですが、たまたま人数が集まり、高橋さんも快く承諾してくださり、感謝感激です。

勉強会の会場でのお話では、自然栽培のお話が中心となりました。

自然農法とは半世紀以上前に誕生しました。
それは無肥料無農薬が基礎となり、収量が年々上がってゆくのが無肥料の基本です。

肥料が無くて作物が出来るのは左の図にあるように火素、水素、土素のエネルギーがそれぞれぶつかった場所が肥料となり、それが雨などで土に入るという仕組みです。

現代農法の3大栄養学、チッ素、リン酸、カリウムを土に入れる農法とは根底からかけ離れている考え方です。
現に、高橋さんの畑と近隣の畑の土壌分析をしたところ明らかにチッ素欠乏を高橋さんの畑ではおこしています。
それなのに、作物を分析したところ、全く欠乏を起こしていなく、はるかに元気よく育っています。
細かい数字は覚えていませんが、表を見せていただきながらお話が聞けました。

また、無肥料栽培を始めて、まだ取れない、収量が上がらないのは肥毒層がまだ残っている証拠。

では肥毒層とは何なのか?
肥毒層は硬くて冷たい層です。固める成分はグラウンドでもあるようにカルシウム。
冷たいのはドライアイスなどの窒素。

作物には土も最重要課題です。
野山の土を考えると肥料も入れていないのに山の土はやわらかく、温かい。
水はけがよく、水持ちがいい。
そこでは草木が病気も無く、元気に育っている。
そのような土に畑が変わるとどうなるか?
無肥料、自然栽培に限らす、この土を作ることこそ、いい作物が出来ることである。

やわらかく、温かい。
水はけがよく、水持ちがいい。
これを備えているのが 団粒構造です。
土が勝手に粒のように丸くなり、少し触ると崩れる。
畑をこの団粒構造の土にするには?
自然栽培を行うとこれが全て解決できる。

自然栽培には
理念、原理、技術があり、
【理念とは】
1.自然尊重
  人であっても自然(地球)の一部にすぎないという根本を認識すること
2.自然規範
  人を規範とするのではなく、自然を規範とすること
3.自然順応
  今までの固定観念からの解放。過去の清算 事象に対し甘受すること

【原理原則とは】
1.太陽のエネルギー(光と熱)
2.月のエネルギー(水)
3.土のエネルギー(地熱)

【技術とは】
自然を見て自分で考える。

これが出来れば周りに無い微生物の菌根菌がその農地に出来上がってくる。堆肥に関しては団粒構造を作るためにほんの少量だけ必要ということでした。

また、自家採種することも無肥料栽培、自然栽培の基本中の基本で、土に作物が作れるように土を訓練する。
それは土の進化であって、種もその土地の進化とともに種の中の毒が消えて行き、その土にあった作物が出来る。

土も種も進化をするのですね。

さて、農地を見てみましょうと高橋さんの畑を見てみました。


 



無肥料での肥料はこれで作られる。これが雨で土に入る。

 


これが団粒構造です。

 


これが高橋さんの全ての畑の分の堆肥です。
団粒構造を作るためだけのものです。



病気、虫食いがあった作物はここにおいています。
肥毒があるということからですが、
それが土になりここから作物が出来ています。
この作物も 相当いいものでしょう。
ただ全く出荷など考えていません。

発効臭がしていました。なんだろうと見てみると、
大根が枯れていっています。
土に変わって行ってました。

高橋さんの畑は異空間にいてるような感覚になりました。
また、夕方ということもあったのでしょうか?
ものすごく気持ちの良い空間でした。
みんなで集まって話をしているときに思わず「気持ちいいですね~!」っと大声で言ってしまいました。

高橋さんが勉強会、畑の見学会を通して常に話をしていたのが無肥料栽培の先に自然栽培がある。
分からないことは全て自然に聞き、自然から学ぶということでした。

土は進化します。
種も進化します。
それを行う人も進化するのです。

土も種も人がする。
すべてやることが自然栽培、自然の恵み

まさに自然尊重、自然規範、自然順応


田村さんのことは高橋さんもよくご存知で
真剣にご質問されていました。
高橋さんも真剣に答えられていて、
愛情の深い使命をお持ちの方と感じました。
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