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コラム
TAKAのボルドー便り


■TAKAのボルドー便り■

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50.独り言のご挨拶・・・春を待つ

「TAKAのボルドー便り」50回目によせて。
アサヒヤワインセラーのショップマスター阿出川さんのHPに掲載させて頂いているTAKA便りも今回で50回目を迎えました。2000年9月15日のメルマガに紹介されて以来、阿出川さんのHPとともに歩んで参りました。そして今日迄不定期的ながらここまでに至る事ができました。これもショップマスターの忍耐、ウェブマスターのご配慮、そしてなにより読者の皆様の暖かいご声援のおかげです。ありがとうございます。

プライベートな事ではありますが、今年は結婚20周年に当たります。その結婚生活の半分以上の期間をフランスで過ごしています。さらにはそのフランス生活の半分以上をトラと共に時間を共有しています。今年の春でトラは8歳の誕生日を迎えることができました。



春の到来を待ち望んでいたトラ。
柔らかい光のなかでさえずっています。誕生日を過ぎた頃から足の具合があまり思わしくありません。よろけながらも私を見つめながらゼロ戦をするその姿は人間が忘れていた春の訪れを運んできます。
 

今年は例年になく、沢山の研修生の方々と多くの時間を過ごしています。
地元フランスはもとより日本、タイの方々ともアロマに関する仕事が進んでいます。そして、本HPでお馴染みニュージーランドとの共同プロジェクトがスタートしました。ニュージーランドのソーヴィニオン・ブランのポテンシャルに触れる事の出来る絶好のチャンスであると思っています。正統的な醸造家が渇望する、品種とテロワールの個性を引き出すことができる価値ある研究結果をこれからも世に問うていきたいと願っています。

 
私達のもう一つの春。ボルドー大学アペラシオンを持つタケノコ。
これをカミさんの創作料理でタケノコステーキにしました。年代もののバルザミコ酢がキーポイントです。さて、付け合わせのツクシンボみたいなのはアスペルジュソヴァージュだそうです。味はオクラみたいですが。ブラン・ド・ブランと合わせてみたい感じ。

最近思うのですが、目の前にある一杯のワインを飲んで凄い!と思うそれではなく、何気なく一本飲んでしまったボトルを前にして、このワインやっぱり凄いかもしれない!と思わせるそれ・・・。
そんなワイン、人に出逢ってみたいし、そうなることを目標にしたい・・・。巷に溢れている点数制のワイン評価は時としてこのような類いのワインに光を与える機会を奪ってしまっているのではないでしょうか?



春の訪れをシャンパンで祝いました。
お恥ずかしながら、ウインストン・チャーチルは初めて飲むシャンパーニュでした。力はないけれど、エレガントで微細です。

オーディオ機器の評価はワインのそれと似ています。例えばある交響曲の特定の小節部分を幾つものアンプで比較試聴していきます。
ベートーヴェンの運命の冒頭のジャ・ジャ・ジャ・ジャーン!どのアンプがより迫力に満ちて再現できるか、云々。いまは亡き名オーディオ評論家、瀬川冬樹氏の言葉を思い出します。『一つ一つの音の素晴らしさを聞かせるのではなく、音楽というものに没頭させてくれるアンプ、そんなアンプが欲しい・・・』。昔はオーディオ・ファンでした。瀬川氏に逢いたくて、話をしたくて試聴会に通い詰めたものでした。


 
これもまた、春の訪れです。
向かいのアパートの屋根に毎朝やってきて濃厚キスを私にみせびらかします。鳥達にも愛し合う生活があるのです。このハト達をチュッチュクバトと呼ぶ事にしました。今頃は子育てに励んでいることでしょう。

友人から手にしたグラン・ピュイ・ラコストの74年を昨年帰国の際に飲みました。
実家での夕飯のサンマの塩焼きを目の前に、どうせ駄目に決まっていると、なかば投げやりに開栓したそのボトルでした。しかしこれが意外や意外!オフヴィンテージにしては持つ、持たないの次元ではなく、但ただワインって凄いなぁと思いながら29年経った液体との出逢いを楽しみました。しかしサンマはその赤い液体の中ではあまり上手に泳いでいないようでしたけれども・・・。
この感激は古い偉大なヴィンテージのトップワインを飲んだ時と同じである筈はないけれど、ワインの多面性を改めて考えさせてくれました。



ブドウにも毎年春はやってきます。
今年はどんな年になるでしょう。
どんなワインに変貌してくれるのか?
自然の営みに私達醸造研究者、醸造家は科学とポエムでそのお手伝いをするだけです。春が過ぎても、夏が来ても、そして秋の喜びが去り、冬になってもそれは続きます。

長いご挨拶になってしまいましたが、これからも皆さんとご一緒にこの多面性をもつワインを飲む楽しみを共有していきたいと思っています。
ボルドーにて。Taka.


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